JP2008183818A - 熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法 - Google Patents

熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性部材と熱硬化性部材とを一連の成形プロセスで成形し、これら部材を組み合わせた複合体を、効率よく製造できるようにした熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法を提供する。
【解決手段】共通型8を相対移動させて熱可塑性部材用型2に組み付けて成形した熱可塑性部材11を保持したままで共通型8を相対移動させてゴム部材用型5に組み付けて、ゴム部材12と熱可塑性部材11とを接合一体化した複合体13を成形する一体成形工程を繰り返し行ない、直前の一体成形工程で成形した複合体13をゴム部材用型5に残したままにして、次の一体成形工程で成形した熱可塑性部材11を保持したままの共通型8を、ゴム部材用型5に組み付けるまでの間に、直前の一体成形工程で成形した複合体13のゴム部材12をゴム部材用型5による加熱により硬化させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法に関し、さらに詳しくは、熱可塑性部材と熱硬化性部材とを一連の成形プロセスで成形し、これら部材を組み合わせた複合体を、効率よく製造できるようにした熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法に関するものである。
近年、ポリエチレン樹脂等からなるカバー体の周縁にゴムシールを備えた樹脂カバーなど、熱可塑性部材と熱硬化性部材とを組み合わせた複合体が増えつつある。熱可塑性部材は、熱可塑性材料を溶融状態から所定形状に成形した後に温度を下げて硬化させる必要があり、熱硬化性部材は、所定形状に形成した熱硬化性材料を硬化させるために高温状態に維持する必要があり、これら材料は成形するに際して互いに相反する性質を有している。そのため、熱可塑性部材と熱硬化性部材とを組み合わせた複合体を製造するには、それぞれの部材を別々の成形工程により成形し、これら成形した成形部材を後で組み立てなければならず、2種類の成形工程および組み立て工程が必要となるため、効率よく複合体を製造することが困難であった。
複数の部材を組み合わせた複合体を効率よく製造する成形方法として、固定型に対して可動型をスライドさせて一連の成形プロセスで複合体を連続的に成形するダイスライドインジェクション(以下、DSIという)成形方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来、DSI成形方法では、専ら熱可塑性部材どうしを組み合わせた複合体を成形するものであり、熱可塑性部材と熱硬化性部材とを組み合わせた複合体を成形することは、何ら検討されていなかった。
特開平11−342521号公報
本発明の目的は、熱可塑性部材と熱硬化性部材とを一連の成形プロセスで成形し、これら部材を組み合わせた複合体を、効率よく製造できるようにした熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法は、並べて配置した熱可塑性部材用型および熱硬化性部材用型と、該熱可塑性部材用型および熱硬化性部材用型のそれぞれに組み付け可能な共通型とを相対移動可能に設け、該共通型を相対移動させて熱可塑性部材用型に組み付け、該組み付けた共通型と熱可塑性部材用型との対向面に形成された熱可塑性部材用キャビティに熱可塑性材料を注入して熱可塑性部材を成形し、該成形した熱可塑性部材を保持したままで共通型を相対移動させて熱硬化性部材用型に組み付け、該組み付けた共通型に保持された熱可塑性部材と熱硬化性部材用型との対向面に形成された熱硬化性部材用キャビティに熱硬化性材料を注入して熱硬化性部材と熱可塑性部材とを接合させて一体化した複合体を成形する一体成形工程を繰り返し行なう熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法であって、直前の一体成形工程で成形した複合体を熱硬化性部材用型に残したままにしておき、次の一体成形工程で成形した熱可塑性部材を保持したままの共通型を熱硬化性部材用型に組み付ける際に、熱硬化性部材用型から取り外すようにして、該取り外す複合体の熱硬化性部材を熱硬化性部材用型に残している間に、熱硬化性部材用型による加熱により硬化させるようにしたことを特徴とするものである。
また、本発明の別の熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法は、並べて配置した1つの熱可塑性部材用型と該熱可塑性部材用型を挟む第1熱硬化性部材用型および第2熱硬化性部材用型と、これら熱可塑性部材用型、第1および第2熱硬化性部材用型のそれぞれに組み付け可能な並べて配置した第1共通型および第2共通型とを相対移動可能に設け、該第1および第2共通型を相対移動させて第1共通型を第1熱硬化性部材用型に組み付けるとともに、第2共通型を熱可塑性部材用型に組み付け、該組み付けた第2共通型と熱可塑性部材用型との対向面に形成された熱可塑性部材用キャビティに熱可塑性材料を注入して熱可塑性部材を成形し、該成形した熱可塑性部材を保持したままで第2共通型を第1共通型とともに相対移動させて、第2熱硬化性部材用型に組み付けるとともに、第1共通型を熱可塑性部材用型に組み付け、該組み付けた第2共通型に保持された熱可塑性部材と第2熱硬化性部材用型との対向面に形成された熱硬化性部材用キャビティに熱硬化性材料を注入して熱硬化性部材と熱可塑性部材とを接合させて一体化した複合体を成形するとともに、組み付けた第1共通型と熱可塑性部材用型との対向面に形成された熱可塑性部材用キャビティに熱可塑性材料を注入して熱可塑性部材を成形し、該成形した熱可塑性部材を保持したままの第1共通型を第2共通型とともに相対移動させて第1熱硬化性部材用型に組付けるとともに、第2共通型を熱可塑性部材用型に組付け、該組み付けた第1共通型に保持された熱可塑性部材と第1熱硬化性部材用型との対向面に形成された熱硬化性部材用キャビティに熱硬化性材料を注入して熱硬化性部材と熱可塑性部材とを接合させて一体化した複合体を形成するとともに、該組み付けた第2共通型と熱可塑性部材用型との対向面に形成された熱可塑性部材用キャビティに熱可塑性材料を注入して熱可塑性部材を成形する一体成形工程を繰り返し行なう熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法であって、直前の一体成形工程で一体成形した複合体を第1および第2熱硬化性部材用型に残したままにしておき、次の一体成形工程で成形した熱可塑性部材を保持したままの第1、第2共通型をそれぞれ第1、第2熱硬化性部材用型に組み付ける際に、第1、第2熱硬化性部材用型から取り外すようにして、該取り外す複合体の熱硬化性部材をそれぞれ第1、第2熱硬化性部材用型に残している間に、第1、第2熱硬化性部材用型による加熱により硬化させるようにしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、直前の一体成形工程で成形した熱可塑性部材と熱硬化性部材とを接合させて一体化した複合体を、熱硬化性部材用型に残したままにして次の一体成形工程を行ない、新たに成形した熱可塑性部材を保持したままの共通型を熱硬化性部材用型に組み付ける際に、残しておいた複合体を熱硬化性部材用型から取り外し、この複合体の熱硬化性部材を熱硬化性部材用型に残している間に熱硬化性部材用型による加熱により硬化させるようにしたので、熱可塑性部材と熱硬化性部材とを一連の成形プロセスで成形し、これら部材を接合して組み合わせた複合体を、時間を無駄にすることなく効率よく製造することができる。
以下、本発明の熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法を、図に示した実施形態に基づいて説明する。尚、以下では、熱硬化性部材として、ゴム部材を例にして説明する。したがって、ゴム部材用型は、本発明の熱硬化性部材用型に該当するものである。
図1に例示するように、本発明を実施する成形機1は、並べて配置された熱可塑性部材用型2とゴム部材用型5とを有し、これらがベースプレート9に一体的に固定されている。また、熱可塑性部材用型2とゴム部材用型5とのそれぞれに組み付け可能な共通型8を有し、この共通型8と、熱可塑性部材用型2およびゴム部材用型5とは相対移動可能に構成されている。共通型8を可動型にして熱可塑性部材用型2およびゴム部材用型5を固定型にしてもよく、共通型8を固定型にして熱可塑性部材用型2およびゴム部材用型5を可動型にしてもよく、双方を可動型にしてもよい。
熱可塑性部材用型2には、熱可塑性材料Pを注入するための材料流路4が設けられ、ゴム部材用型5には、熱硬化性材料として例えば、未加硫ゴムRを注入するための材料流路7が設けられている。また、ゴム部材用型5には加熱手段が設けられ、未加硫ゴムを加硫して硬化させるために必要な所定温度に加熱可能に構成されている。
熱可塑性部材用型2とゴム部材用型5との間には、互いの熱の伝導を妨げる断熱手段10が介在されている。断熱手段10としては、断熱性に優れたグラスウール、樹脂発泡体、ガラス繊維やカーボン繊維と樹脂との複合材で形成した断熱層や互いの間隔をあけて形成した空気層を例示することができる。
次に、熱可塑性部材とゴム部材とを組み合わせた複合体の成形手順について説明する。図2に例示するように、共通型8を相対移動させて熱可塑性部材用型2に組み付け、共通型8と熱可塑性部材用型2との対向面に所定形状の熱可塑性部材用キャビティ3を形成する。この熱可塑性部材用キャビティ3に、材料流路4を通じて熱可塑性材料Pを注入して所定形状の熱可塑性部材11を成形する。
次いで、図3に例示するように、成形した熱可塑性部材11を保持したままの状態で共通型8を相対移動させ、図4に例示するようにゴム部材用型5に組み付ける。このように共通型8を組み付けることにより、共通型8に保持されている成形された熱可塑性部材11とゴム部材用型5との対向面に所定形状のゴム部材用キャビティ6を形成する。このゴム部材用キャビティ6に、材料流路7を通じて未加硫ゴムRを注入して所定形状のゴム部材12を成形する。このゴム部材12を成形する際に、ゴム部材12と熱可塑性部材11とを接合させて一体化した複合体13を成形する。
以上のように共通型8を熱可塑性部材用型2とゴム部材用型5とに順に組み付けて熱可塑性部材11とゴム部材12とからなる複合体13を成形する一体成形工程を繰り返し行なう。
ここで、次の一体成形工程を行なう際に、図5に例示するように、直前の一体成形工程で成形した複合体13を共通型8から外してゴム部材用型5に残したままの状態にしておき、共通型8を相対移動させて熱可塑性部材用型2に組み付ける。次いで、上記した同様の手順(図3に例示した手順)を行ない、図6に例示するように、新たに成形した熱可塑性部材11を保持したままの状態で共通型8をゴム部材用型5に相対移動させる。この際に、ゴム部材用型5に残したままにしていた直前の一体成形工程で成形した複合体13をゴム部材用型5から取り外し、次の一体成形工程で成形した新たな熱可塑性部材11を保持した共通型8をゴム部材用型5に組み付ける。以後は上記した同様の手順(図4に例示した手順)を行ない、この新たに成形した熱可塑性部材11に、新たに形成したゴム部材12を接合して一体化した複合体13を成形する。
ここで、ゴム部材用型5に残したままにした直前の一体成形工程で成形した複合体13のゴム部材12を、ゴム部材用型5に残している間に、このゴム部材用型5を所定温度に加熱することによって加硫させて硬化させる。また、この間に、残したままにしたこの複合体13の熱可塑性部材11は、共通型8から取り外されてオープン状態になっているので、温度が低下して硬化する。
このように、一体成形工程の1サイクルに要する時間とゴム部材12の加硫時間をほぼ同じ時間になるようにすることにより、ゴム部材12の硬化のために、新たな別の時間を要することがなくなる。そのため、熱可塑性部材11とゴム部材12とを一連の成形プロセスで成形でき、これら部材11、12を接合して組み合わせた複合体13を効率よく高い生産性で製造することができる。
本発明では、一体成形工程の1サイクルに要する時間およびゴム部材12の加硫時間は、複合体13のスペックにより異なるが、例えば、30秒〜60秒に設定する。
ゴム部材用型5と熱可塑性部材用型2との間には断熱手段10が設けられているので、加熱されて高温になっているゴム部材用型5から熱可塑性部材用型2への熱伝導が妨げられる。これにより熱可塑性部材用型2が必要以上に高温になることを回避することができ、成形する熱可塑性部材11の形状が歪む等の悪影響が生じることを防止することができる。
この成形方法により、例えば、図7に例示するような一方を開口した箱状のポリエチレン樹脂製のカバー体15(熱可塑性部材11)の開口部の周縁に溝部17を形成し、この溝部17にゴムシール16(ゴム部材12)を一体的に設けた樹脂カバー14(複合体13)を成形することができる。図8に例示するように、ゴムシール16とカバー体15の接合面18は、平面どうしの接合にしてもよく、図9に例示するように、接合面18がカバー体15に埋設するようにして接合することもできる。図8のように平面どうしの接合面18にすると、一体化したカバー体15とゴムシール16とを互いの接合面18で分離可能にすることが容易になる。一方、図9のように接合すると、カバー体15とゴムシール16とを一段と強固に接合することができる。
次に、別の実施形態について説明する。尚、上記の実施形態と同じ構成については説明を省略する。図10に例示するように、この成形機1は、熱可塑性部材用型2を挟んで並んで配置した第1ゴム部材用型5aおよび第2ゴム部材用型5bを有し、これら並置した熱可塑性部材用型2、第1および第2ゴム部材用型5a、5bは、ベースプレート9に一体的に固定されている。また、これら熱可塑性部材用型2、第1および第2ゴム部材用型5a、5bのそれぞれに組み付け可能な第1共通型8aおよび第2共通型8bを並べて配置して有し、これら第1および第2共通型8a、8bがベースプレート9に一体的に固定されている。この第1および第2共通型8a、8bと、熱可塑性部材用型2、第1および第2ゴム部材用型5a、5bとは相対移動可能に構成されている。
次に、熱可塑性部材とゴム部材とを組み合わせた複合体の成形手順について説明する。図11に例示するように、第1および第2共通型8a、8bを相対移動させて第1共通型8aを第1ゴム部材用型5aに組み付けるとともに、第2共通型8bを熱可塑性部材用型2に組み付ける。
組み付けた第2共通型8bと熱可塑性部材用型2との対向面に所定形状の熱可塑性部材用キャビティ3を形成し、この熱可塑性部材用キャビティ3に、材料流路4を通じて熱可塑性材料Pを注入して所定形状の熱可塑性部材11を成形する。次いで、図12に例示するように、成形した熱可塑性部材11を保持したままの状態で第2共通型8bを第1共通型8aとともに相対移動させて、図13に例示するように第2ゴム部材用型5bに組み付けるとともに、第1共通型8aを熱可塑性部材用型2に組み付ける。
このように第2共通型8bを組み付けることにより、第2共通型8bに保持されている成形された熱可塑性部材11と第2ゴム部材用型5bとの対向面に所定形状のゴム部材用キャビティ6を形成する。このゴム部材用キャビティ6に未加硫ゴムRを注入して所定形状のゴム部材12を成形し、その際に、ゴム部材12と熱可塑性部材11とを接合させて一体化した複合体13を成形する。この複合体13の成形の際に、組み付けた第1共通型8aと熱可塑性部材用型2との対向面に所定形状の熱可塑性部材用キャビティ3を形成し、この熱可塑性部材用キャビティ3に、材料流路4を通じて熱可塑性材料Pを注入して所定形状の熱可塑性部材11を成形する。
次いで、図14に例示するように、成形した熱可塑性部材11を保持したままの第1共通型8aを第2共通型8bとともに相対移動させる。ここで、第2共通型8bと第2ゴム部材用型5bとにより成形した複合体13を、第2共通型8bから外して第2ゴム部材用型5bに残したままの状態にしておき、図15に例示するように第1共通型8aを第1ゴム部材用型5aに組付けるとともに、第2共通型8bを熱可塑性部材用型2に組付ける。
この際に、組み付けた第1共通型8aに保持された熱可塑性部材11と第1ゴム部材用型5aとの対向面に、所定形状のゴム部材用キャビティ6を形成する。このゴム部材用キャビティ6に未加硫ゴムRを注入して所定形状のゴム部材12を成形し、その際に、ゴム部材12と熱可塑性部材11とを接合させて一体化した複合体13を成形する。この複合体13の成形の際に、組み付けた第2共通型8bと熱可塑性部材用型2との対向面に所定形状の熱可塑性部材用キャビティ3を形成し、この熱可塑性部材用キャビティ3に、材料流路4を通じて熱可塑性材料Pを注入して所定形状の熱可塑性部材11を成形する。
以上のように、第1および第2共通型8a、8bを一体的に相対移動させて、順にこれら第1および第2共通型8a、8bを熱可塑性部材用型2に組み付けるとともに、第1共通型8aを熱可塑性部材用型2に組み付けている際には、第2共通型8bを第2ゴム部材用型5bに組み付け、第2共通型8bを熱可塑性部材用型2に組み付けている際には、第1共通型8aを第1ゴム部材用型5aに組み付けて熱可塑性部材11とゴム部材12とからなる複合体13を2つ成形する一体成形工程を繰り返し行なう。
ここで、次の一体成形工程を行なう際に、上記した同様の手順(図12で例示した手順)を行ない、図16に例示するように、新たに成形した熱可塑性部材11を保持したままの状態で第2共通型8bを第2ゴム部材用型5bに相対移動させる。その際に、第2ゴム部材用型5bに残したままにしていた直前の一体成形工程で成形した複合体13を第2ゴム部材用型5bから取り外し、この新たに成形した熱可塑性部材11を保持した第2共通型8bを、第2ゴム部材用型5bに組み付ける。以後は上記した同様の手順(図13に例示した手順)を行ない、この新たに成形した熱可塑性部材11に、新たに形成したゴム部材12を接合して一体化した複合体13を成形する。
同様に、図14で例示した手順を行ない図17に例示するように、新たに成形した熱可塑性部材11を保持したままの状態で第1共通型8aを第1ゴム部材用型5aに相対移動させる。その際に、第1ゴム部材用型5aに残したままにしていた直前の一体成形工程で成形した複合体13を第1ゴム部材用型5aから取り外し、この新たに成形した熱可塑性部材11を保持した第1共通型8aを第1ゴム部材用型5aに組み付ける。以後は上記した同様の手順(図15に例示した手順)で、この新たに成形した熱可塑性部材11に、新たに形成したゴム部材12を接合して一体化した複合体13を成形する。
ここで、第1および第2ゴム部材用型5a、5bに残したままにした直前の一体成形工程で成形した複合体13、13のゴム部材12、12を、それぞれ第1、第2ゴム部材用型5a、5bに残している間に、第1、第2ゴム部材用型5a、5bを所定温度に加熱することによって加硫させて硬化させる。また、この間に、残したままにしたそれぞれの複合体13、13の熱可塑性部材11は、第1および第2共通型8a、8bから取り外されてオープン状態になっているので、温度が低下して硬化する。
このように、この実施形態では、熱可塑性部材11とゴム部材12とを一連の成形プロセスで成形することができ、しかも、一体成形工程の1サイクルで2つの複合体13を得ることができ、複合体13を一段と効率よく高い生産性で製造することができる。
上記の実施形態では、熱硬化性材料として未加硫ゴムRを例示したが、その他、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド等を例示することができる。熱可塑性材料Pとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等を例示することができる。
本発明の成形方法の最初の工程を例示する説明図である。 図1の次の工程を例示する説明図である。 図2の次の工程を例示する説明図である。 図3の次の工程を例示する説明図である。 図4の次の工程を例示する説明図である。 直前の一体成形工程で成形した複合体をゴム部材用型から取り外す際の工程を例示する説明図である。 本発明により成形した樹脂カバーを例示する斜視図である 図7のカバー体とゴムシールとの接合面を例示する断面図である。 図7のカバー体とゴムシールとの接合面の変形を示す断面図である。 本発明の成形方法の別の実施形態の最初の工程を例示する説明図である。 図10の次の工程を例示する説明図である。 図11の次の工程を例示する説明図である。 図12の次の工程を例示する説明図である。 図13の次の工程を例示する説明図である。 図14の次の工程を例示する説明図である。 直前の一体成形工程で成形した複合体を第2ゴム部材用型から取り外す際の工程を例示する説明図である。 直前の一体成形工程で成形した複合体を第1ゴム部材用型から取り外す際の工程を例示する説明図である。
符号の説明
1 成形機
2 熱可塑性部材用型
3 熱可塑性部材用キャビティ
4 材料流路
5 ゴム部材用型(熱硬化性部材用型)
5a 第1ゴム部材用型(第1熱硬化性部材用型)
5b 第2ゴム部材用型(第2熱硬化性部材用型)
6 ゴム部材用キャビティ(熱硬化性部材用キャビティ)
7 材料流路
8 共通型
8a 第1共通型
8b 第2共通型
9 ベースプレート
10 断熱手段
11 熱可塑性部材
12 ゴム部材(熱硬化性部材)
13 複合体
14 樹脂カバー
15 カバー体
16 ゴムシール
17 溝部
18 接合面
P 熱可塑性材料
R 未加硫ゴム(熱硬化性材料)

Claims (4)

  1. 並べて配置した熱可塑性部材用型および熱硬化性部材用型と、該熱可塑性部材用型および熱硬化性部材用型のそれぞれに組み付け可能な共通型とを相対移動可能に設け、該共通型を相対移動させて熱可塑性部材用型に組み付け、該組み付けた共通型と熱可塑性部材用型との対向面に形成された熱可塑性部材用キャビティに熱可塑性材料を注入して熱可塑性部材を成形し、該成形した熱可塑性部材を保持したままで共通型を相対移動させて熱硬化性部材用型に組み付け、該組み付けた共通型に保持された熱可塑性部材と熱硬化性部材用型との対向面に形成された熱硬化性部材用キャビティに熱硬化性材料を注入して熱硬化性部材と熱可塑性部材とを接合させて一体化した複合体を成形する一体成形工程を繰り返し行なう熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法であって、直前の一体成形工程で成形した複合体を熱硬化性部材用型に残したままにしておき、次の一体成形工程で成形した熱可塑性部材を保持したままの共通型を熱硬化性部材用型に組み付ける際に、熱硬化性部材用型から取り外すようにして、該取り外す複合体の熱硬化性部材を熱硬化性部材用型に残している間に、熱硬化性部材用型による加熱により硬化させるようにした熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法。
  2. 並べて配置した1つの熱可塑性部材用型と該熱可塑性部材用型を挟む第1熱硬化性部材用型および第2熱硬化性部材用型と、これら熱可塑性部材用型、第1および第2熱硬化性部材用型のそれぞれに組み付け可能な並べて配置した第1共通型および第2共通型とを相対移動可能に設け、該第1および第2共通型を相対移動させて第1共通型を第1熱硬化性部材用型に組み付けるとともに、第2共通型を熱可塑性部材用型に組み付け、該組み付けた第2共通型と熱可塑性部材用型との対向面に形成された熱可塑性部材用キャビティに熱可塑性材料を注入して熱可塑性部材を成形し、該成形した熱可塑性部材を保持したままで第2共通型を第1共通型とともに相対移動させて、第2熱硬化性部材用型に組み付けるとともに、第1共通型を熱可塑性部材用型に組み付け、該組み付けた第2共通型に保持された熱可塑性部材と第2熱硬化性部材用型との対向面に形成された熱硬化性部材用キャビティに熱硬化性材料を注入して熱硬化性部材と熱可塑性部材とを接合させて一体化した複合体を成形するとともに、組み付けた第1共通型と熱可塑性部材用型との対向面に形成された熱可塑性部材用キャビティに熱可塑性材料を注入して熱可塑性部材を成形し、該成形した熱可塑性部材を保持したままの第1共通型を第2共通型とともに相対移動させて第1熱硬化性部材用型に組付けるとともに、第2共通型を熱可塑性部材用型に組付け、該組み付けた第1共通型に保持された熱可塑性部材と第1熱硬化性部材用型との対向面に形成された熱硬化性部材用キャビティに熱硬化性材料を注入して熱硬化性部材と熱可塑性部材とを接合させて一体化した複合体を形成するとともに、該組み付けた第2共通型と熱可塑性部材用型との対向面に形成された熱可塑性部材用キャビティに熱可塑性材料を注入して熱可塑性部材を成形する一体成形工程を繰り返し行なう熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法であって、直前の一体成形工程で一体成形した複合体を第1および第2熱硬化性部材用型に残したままにしておき、次の一体成形工程で成形した熱可塑性部材を保持したままの第1、第2共通型をそれぞれ第1、第2熱硬化性部材用型に組み付ける際に、第1、第2熱硬化性部材用型から取り外すようにして、該取り外す複合体の熱硬化性部材をそれぞれ第1、第2熱硬化性部材用型に残している間に、第1、第2熱硬化性部材用型による加熱により硬化させるようにした熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法。
  3. 前記並べて配置した熱可塑性部材用型と熱硬化性部材用型との間に断熱手段を介在させた請求項1または2に記載の熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法。
  4. 前記熱可塑性部材と熱硬化性部材とを互いの接合面で分離可能に一体化して複合体を成形する請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性部材および熱硬化性部材からなる複合体の成形方法。
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