JP2011249412A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2011249412A
JP2011249412A JP2010118476A JP2010118476A JP2011249412A JP 2011249412 A JP2011249412 A JP 2011249412A JP 2010118476 A JP2010118476 A JP 2010118476A JP 2010118476 A JP2010118476 A JP 2010118476A JP 2011249412 A JP2011249412 A JP 2011249412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terminal
power supply
layer
ground
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010118476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5402830B2 (ja
Inventor
Daisuke Tanaka
大介 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2010118476A priority Critical patent/JP5402830B2/ja
Publication of JP2011249412A publication Critical patent/JP2011249412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5402830B2 publication Critical patent/JP5402830B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 大電流を流すことができ、かつ、電源ノイズを低減することが可能な多層配線基板を提供する。
【解決手段】 多層配線基板1は、電源回路と三端子コンデンサ50の入力端子50aとを接続する第1電源パターン11、及び三端子コンデンサ50の出力端子50bとIC60の電源端子60aとを接続する第2電源パターン12を含む第1配線層10と、第1電源パターン11と第1ビア40により接続され、該第1ビア40と三端子コンデンサ51の入力端子51aとを接続する第3電源パターン21、及び三端子コンデンサ51の出力端子51bと第2ビア46の他端とを接続する第4電源パターン22を含む第2配線層20と、グランド層30と、三端子コンデンサ50のグランド端子50c,50dとグランド層30とを接続する第4ビア41,42と、三端子コンデンサ51のグランド端子51c,51dとグランド層30とを接続する第5ビア43,44とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層配線基板に関し、特に、ノイズ対策部品が実装される多層配線基板に関する。
近年、電子機器の高性能化、多機能化に伴い、ICなどの電子部品では、低電圧・大電流による高速駆動化が進んでいる。ここで、特許文献1には、大電流を通電可能な等長配線基板が開示されている。この等長配線基板は、絶縁体基板上に、トーナメント形式に分岐された等長分岐配線部材及びプリント配線を備えている。より詳細には、この等長配線基板は、略等長に分岐され大電流を通電可能な等長分岐配線部材と、この等長分岐配線部材と電気的に接続された複数の等長のプリント配線とを備えている。
すなわち、特許文献1記載の等長配線基板は、回路基板のパターン面で、電源パターンを複数の配線に分岐し、電流を各配線に分割して流すことによって、全体的には大電流の通電が可能となるように設計されている。
特開2008−210944号公報
一方、ICなどの電子部品の大電流・高速駆動化に伴い、不要放射ノイズの増大が問題となる場合がある。ここで、特許文献1記載の等長配線基板によれば、上述したように、大電流を流すことはできる。しかしながら、この等長配線基板では、電源パターンを伝導するノイズ(高周波電流)を十分に低減できないおそれがある。その理由を次に述べる。上述した等長配線基板では、電源パターンが複数の配線に分岐されているため(すなわち電気回路的には並列接続されているため)、配線のインピーダンスが低下する。通常、ノイズを電源ラインからグランドへ落とすために、電源−グランド間にコンデンサが入れられるが、配線のインピーダンスが低下し、グランドのインピーダンスとの差が減少すると、グランドにノイズが落ちにくくなる。その結果、特許文献1記載の等長配線基板では、電源パターンを伝導するノイズを十分に低減することができないおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、大電流を流すことができ、かつ、電源ノイズを低減することが可能な多層配線基板を提供することを目的とする。
本発明に係る多層配線基板は、電源回路と第1の三端子型ノイズ対策部品の入力端子とを接続する第1電源配線、及び、第1の三端子型ノイズ対策部品の出力端子と電子部品の電源端子とを接続する第2電源配線が形成された第1配線層と、第1電源配線と第1導電部材を介して接続され、該第1導電部材と第2の三端子型ノイズ対策部品の入力端子とを接続する第3電源配線、及び、第2の三端子型ノイズ対策部品の出力端子と、一端が電子部品の電源端子と接続される第2導電部材の他端とを接続する第4電源配線が形成された第2配線層と、第1配線層と第2配線層との間に、第1配線層及び第2配線層それぞれと平行に配置されるグランド層と、グランド層と電子部品のグランド端子とを接続する第3導電部材と、第1の三端子型ノイズ対策部品のグランド端子とグランド層とを接続する第4導電部材と、第2の三端子型ノイズ対策部品のグランド端子とグランド層とを接続する第5導電部材とを備えることを特徴とする。
本発明に係る多層配線基板によれば、電源回路と接続されている第1電源配線が、第1導電部材により第1配線層上の第1電源配線と第2配線層上の第2電源配線とに分岐され、分岐された各々の電源配線が三端子型ノイズ対策部品を介してICなどの電子部品の電源端子と接続される。このように、本発明に係る多層配線基板によれば、電源配線が分岐されて1つの電子部品に接続されるため、各電源配線を流れる電流値を下げることができ、かつ、全体的にはより大きな電流を流すことができる。
また、本発明に係る多層配線基板によれば、第3電源配線、第4電源配線と、電源回路に接続された第1電源配線、第2電源配線とが、それぞれ第1の三端子型ノイズ対策部品、第2の三端子型ノイズ対策部品を介して接続される。そのため、ICなどの電子部品の電源端子付近に発生するノイズが伝搬する際に必ず三端子型ノイズ対策部品を経由する。そのため、三端子型ノイズ対策部品のノイズ対策効果を確実に発揮させることができる。
さらに、本発明に係る多層配線基板によれば、第1配線層と第2配線層との間に配置されるグランド層において、2つ三端子型ノイズ対策部品のグランドが共通にとられているため、三端子型ノイズ対策部品のグランド端子からグランド層に流れるノイズ(高周波電流)の電磁気的な相殺作用(打ち消し効果)が生じ、ESL(Equivalent Series Inductance、等価直列インダクタンス)が低下する。そのため、電源−グランド間のインピーダンスが低下して、ノイズがグランド層に流れやすくなる。以上の結果、大電流を流すことができ、かつ、電源ノイズを低減することが可能となる。
本発明に係る多層配線基板では、第1の三端子型ノイズ対策部品と、第2の三端子型ノイズ対策部品とが、グランド層を挟んで対向して配置されることが好ましい。このように第1の三端子型ノイズ対策部品と第2の三端子型ノイズ対策部品とが対向配置されることにより、第1の三端子型ノイズ対策部品からグランド層に入るノイズと、第2の三端子型ノイズ対策部品からグランド層に入るノイズとが効果的に打ち消し合う。そのため、ノイズの電磁気的な相殺作用が促進される。その結果、電源−グランド間のインピーダンスをより低減することができ、ノイズをグランド層により流しやすくできる。
本発明に係る多層配線基板では、第4導電部材及び前記第5導電部材それぞれが、複数の導電部材から構成されることが好ましい。この場合、第1の三端子型ノイズ対策部品及び第2の三端子型ノイズ対策部品それぞれが、複数の導電部材によってグランド層に接続される。そのため、各三端子型ノイズ対策部品において、複数の導電部材それぞれからグランド層に流れ込むノイズが互いに打ち消し合うこととなる。そのため、ノイズの電磁気的な相殺作用がより高まる。その結果、電源−グランド間のインピーダンスをさらに低減することができ、ノイズをグランド層により流しやすくできる。
上記三端子型ノイズ対策部品は、三端子コンデンサ、又はノイズフィルタであることが好ましい。このように、三端子型ノイズ対策部品として低ESLタイプの三端子コンデンサ、又はノイズフィルタを用いることにより、ノイズを効果的に低減することができる。
また、上記第1導電部材乃至第5導電部材は、層間接続ビアであることが好ましい。このように、第1導電部材乃至第5導電部材として層間接続ビアを用いることにより、第1配線層と第2配線層との間、第1配線層とグランド層との間、及び、第2配線層とグランド層との間を電気的に接続することができる。
本発明によれば、大電流を流すことができ、かつ、電源ノイズを低減することが可能となる。
実施形態に係る多層配線基板の構成を示す縦断面図である。 実施形態に係る多層配線基板の部分的な平面図である。 実施形態に係る多層配線基板の電源ノイズの流れを説明するための図である。 挿入損失のシミュレーションに用いた、実施形態に係る多層配線基板のモデルを示す図である。 挿入損失のシミュレーションに用いた、従来の配線基板のモデルを示す図である。 挿入損失のシミュレーション結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1及び図2を用いて、実施形態に係る多層配線基板1の構成について説明する。図1は、多層配線基板1の構成を示す縦断面図である。より詳細には、図1は、図2のI−I線に沿った断面図である。また、図2は、多層配線基板1の部分的な平面図である。
多層配線基板1は、図1において上側から、第1配線層10、絶縁層2、グランド層30、絶縁層3、及び、第2配線層20が順番に積層されて構成されている。
第1配線層10には、銅箔などからなり、電源回路とチップ型の三端子コンデンサ(特許請求の範囲に記載の第1の三端子型ノイズ対策部品に相当)50の入力端子50aとを接続する第1電源パターン(特許請求の範囲に記載の第1電源配線に相当)11、及び、三端子コンデンサ50の出力端子50bとIC(特許請求の範囲に記載の電子部品に相当)60の電源端子60aとを接続する第2電源パターン(特許請求の範囲に記載の第2電源配線に相当)12が形成されている。また、第1配線層10には、三端子コンデンサ50の2つのグランド端子50c,50dそれぞれが接続される2つの導電パッド13,14が形成されている。
ここで、三端子コンデンサ50は、低ESLタイプの三端子型電子部品(三端子型ノイズ対策部品)である。三端子コンデンサ50は、IC60の動作に必要な電気を供給するとともに、第1電源パターン11を経由して入り込むノイズや、IC60の動作により発生するノイズを除去するノイズ対策部品として機能する。三端子コンデンサ50は、第1配線層10、すなわち多層配線基板1の上面にハンダ付けなどによって実装される。
一方、IC60としては、比較的大電流で駆動される、例えば、電源管理IC(パワーマネージメントIC)や、DC−DCコンバータなどが挙げられる。IC60は、例えば、BGA(Ball Grid Array)パッケージのICであり、ボール状電極(バンプ)を用いたフェースダウン実装によって、第1配線層10に実装される。
絶縁層2は、例えば、絶縁性の樹脂やセラミックスなどから形成された矩形の薄板である。上述した第1配線層10は、絶縁層2上に形成されており、該絶縁層2によってグランド層30と電気的に絶縁されている。
グランド層30は、絶縁層2,3を介して、第1配線層10と第2配線層20との間に、該第1配線層10及び第2配線層20それぞれと平行に配置されている。グランド層30は、銅箔などからなるグランドパターンが略一面に形成された所謂ベタグランド層である。このように、ベタグランド層とされることによって、グランド層30のインピーダンスが下げられている。
絶縁層3は、上述した絶縁層2と同様に、絶縁性の樹脂やセラミックスなどから形成された矩形の薄板である。後述する第2配線層20は、絶縁層3上に形成されており、該絶縁層3によってグランド層30と電気的に絶縁されている。
第2配線層20には、第1電源パターン11と第1層間貫通ビア(特許請求の範囲に記載の第1導電部材に相当、以下単に「第1ビア」という)40を介して接続され、該第1ビア40とチップ型の三端子コンデンサ51(特許請求の範囲に記載の第2の三端子型ノイズ対策部品に相当)の入力端子51aとを接続する第3電源パターン(特許請求の範囲に記載の第3電源配線に相当)21が形成されている。また、第2配線層20には、三端子コンデンサ51の出力端子51bと、一端がIC60の電源端子60cと接続される第2ビア(特許請求の範囲に記載の第2導電部材に相当)46の他端とを接続する第4電源パターン(特許請求の範囲に記載の第4電源配線に相当)22が形成されている。また、第2配線層20には、三端子コンデンサ51の2つのグランド端子51c,51dそれぞれが接続される2つの導電パッド23,24が形成されている。
ここで、本実施形態では、三端子コンデンサ51として、上述した三端子コンデンサ50と同一の形状・特性を有するものを使用した。ただし、三端子コンデンサ50と三端子コンデンサ51とは、異なる形状・特性のものであってもよい。三端子コンデンサ51は、第1配線層20、すなわち多層配線基板1の裏面にハンダ付けなどによって実装される。
また、多層配線基板1では、三端子コンデンサ50と、三端子コンデンサ51とが、グランド層30を挟んで対向して配置される。すなわち、多層配線基板1を平面視した場合に、第1の三端子コンデンサ50と第2の三端子コンデンサ51とが略重なるように配置されている(図2参照)。
多層配線基板1の内部には、絶縁層2を厚み方向に貫通し、三端子コンデンサ50のグランド端子50c,50dがハンダ付けされる導電パッド13,14とグランド層30とを接続する2つの第4ビア41,42(特許請求の範囲に記載の第4導電部材に相当)が形成されている。すなわち、導電パッド13は、第4ビア41によって、グランド層30と電気的に接続され、導電パッド14は、第4ビア42によって、グランド層30と電気的に接続されている。
また、多層配線基板1の内部には、絶縁層3を厚み方向に貫通し、三端子コンデンサ51のグランド端子51c,51dがハンダ付けされる導電パッド23,24とグランド層30とを接続する第5ビア43,44(特許請求の範囲に記載の第5導電部材に相当)が形成されている。すなわち、導電パッド23は、第5ビア43によって、グランド層30と電気的に接続され、導電パッド24は、第5ビア44によって、グランド層30と電気的に接続されている。
さらに、多層配線基板1の内部には、絶縁層2を厚み方向に貫通し、グランド層30とIC60のグランド端子60bとを接続する第3ビア45(特許請求の範囲に記載の第3導電部材に相当)が形成されている。よって、IC60のグランド端子60bは、第3ビア45を介して、グランド層30と電気的に接続される。
以上説明したように、多層配線基板1によれば、電源回路と接続されている第1電源パターン11が、第1ビア40により第1配線層10上の第1電源パターン11と第2配線層20上の第3電源パターン21とに分岐される。分岐された第1電源パターン11、第3電源パターン21それぞれは、三端子コンデンサ50,51、及び、第2電源パターン12、第4電源パターン22を介してIC60の電源端子60a,60cと接続される。
また、多層配線基板1によれば、対向して配置される2つの三端子コンデンサ50,51のグランド端子50c,50d,51c,51dが、第4ビア41,42、第5ビア43,44を通して、共通のグランド層30と電気的に接続されている。そのため、例えば、IC60の電源端子60a,60c付近に発生したノイズは、伝搬する際に、対向して配置されている三端子コンデンサ50,51を必ず経由し、該三端子コンデンサ50,51を介してグランド層30に落とされる。
このような構成とされることにより、例えば、IC60の電源端子60a,60c付近に発生したノイズが伝搬する場合、図2及び図3に白抜き矢印で示されるように、三端子コンデンサ50,51から共通のグランド層30に流れるノイズの電磁気的な相殺作用が生じ、ESLが低下する。その結果、電源−グランド間のインピーダンスが低下する。なお、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図であり、多層配線基板1の電源ノイズの流れを説明するための図である。
また、三端子コンデンサ50及び三端子コンデンサ51それぞれが、2つのビア(第4ビアを構成するビア41,ビア42、及び、第5ビアを構成するビア43,ビア44)によってグランド層30に接続されているため、各三端子コンデンサ50,51において、2つのビアそれぞれからグランド層30に流れ込むノイズが互いに打ち消し合うこととなる。そのため、ノイズの電磁気的な相殺作用がより促進される。その結果、電源−グランド間のインピーダンスがより低減され、ノイズがグランドに流れやすくなる。
さらに、三端子コンデンサ50と三端子コンデンサ51とがグランド層30を挟んで対向配置されているため、三端子コンデンサ50からグランド層30に入るノイズと、三端子コンデンサ51からグランド層30に入るノイズとが効果的に打ち消し合う。そのため、電磁気的な相殺作用がさらに高められる。その結果、電源−グランド間のインピーダンスがさらに低減され、ノイズがグランドにより流れやすくなる。
本実施形態に係る多層配線基板1のノイズ対策効果を確認するために、3次元電磁界シミュレーションによって、ノイズ対策効果を定量的に示す量である挿入損失を解析した。続いて、図4〜6を併せて参照しつつ、本実施形態に係る多層配線基板1及び従来の配線基板それぞれのノイズ対策効果について、シミュレーション結果を示して説明する。
挿入損失の解析に用いたモデルを図4及び図5に示す。図4は、本実施形態に係る多層配線基板1のモデルを示す図であり、(a)はモデルの平面図、(b)はモデルの斜視図である。図4(b)において、port1,port2,port3は、解析用に設けたポートである。これらのポートをそれぞれ、第1電源パターン11−グランド層30間のインピーダンス(port1)、IC60の電源端子60a,60c−グランド端子60b間のインピーダンス(port2,port3)と見立てた。そして、port1−port2間の挿入損失を解析することにより、ノイズ対策効果を確認した。
一方、図5は、解析に用いた、従来の(比較用の)配線基板のモデルを示す図であり、(a)はモデルの平面図、(b)はモデルの斜視図である。従来の配線基板のモデルでは、上述した特許文献1に開示されている構造と同様に、電源パターンを同一平面上で2つに分岐し、それぞれの電源パターンに三端子コンデンサ50,51を配置する構成とした。
そして、図4、5に示したモデルを用いて、SパラメータのS21を求め、その結果から、本実施形態に係る多層配線基板1及び従来の配線基板のノイズ対策効果を評価した。なお、S21は、port1に信号を入力したときにport2に伝達される割合、すなわち順方向の伝達係数である。よって、このS21の値が小さいほど、挿入損失が大きく、すなわち、第1,第2電源パターン11,12からグランド層30へよくノイズが落ちており、ノイズ対策効果が大きいと評価することができる。
図4、5に示されるモデルを用いてシミュレートした、多層配線基板1及び従来の配線基板それぞれのシミュレーション結果を図6に示す。図6に示されたグラフの横軸は周波数(MHz)であり、縦軸はS21(dB)である。また、図6のグラフでは、多層配線基板1のモデルのシミュレーション結果(S21)を実線で、従来の配線基板のモデルのシミュレーション結果(S21)を破線で示した。
図6に示されるように、本実施形態に係る多層配線基板1のモデルは、従来の配線基板のモデルと比較して、10〜3000MHzの周波数領域において、約4dB程度、S21が減少し(すなわち、挿入損失が増大し)、ノイズ対策効果が大きいことが確認された。
本実施形態によれば、電源回路と接続されている第1電源パターン11が、第1ビア40により第1配線層10上の第1電源パターン11と第2配線層20上の第3電源パターン21とに分岐され、分岐された第1電源パターン11、第3電源パターン21それぞれが三端子コンデンサ50,51を介してIC60の電源端子60a,60cと接続される。このように、多層配線基板1によれば、第1電源パターン11が分岐されてIC60の電源端子60a,60cに接続されるため、各電源パターン11,21を流れる電流値を下げることができ、かつ、全体的にはより大きな電流を流すことができる。なお、各電源パターン11,21に流れる電流が小さくなるため、定格電流の小さな三端子コンデンサを使用することができる。
本実施形態によれば、第2電源パターン12、第4電源パターン22と、電源回路に接続された第1電源パターン11、第3電源パターン21とが、それぞれ三端子コンデンサ50、三端子コンデンサ51を介して接続される。そのため、例えば、IC60の電源端子60a,60b付近に発生するノイズが伝搬する際に、必ず三端子コンデンサ50,51を経由する。そのため、三端子コンデンサ50,51のノイズ対策効果を確実に発揮させることができる。
本実施形態によれば、第1配線層10と第2配線層20との間に配置されるグランド層30において、2つの三端子コンデンサ50,51のグランドが共通にとられているため、三端子コンデンサ50,51のグランド端子50a,50b,50c,50dからグランド層30に流れるノイズの電磁気的な相殺作用が生じ、ESLが低下する。そのため、電源−グランド間のインピーダンスが低下して、ノイズがグランド層30に流れやすくなる。
本実施形態によれば、三端子コンデンサ50及び三端子コンデンサ51それぞれが、2つのビアによってグランド層30に接続される。そのため、各三端子コンデンサ50,51において、2つのビアそれぞれからグランド層30に流れ込むノイズが互いに打ち消し合うこととなる。そのため、ノイズの電磁気的な相殺作用が促進される。その結果、電源−グランド間のインピーダンスをさらに低減することができ、ノイズをグランド層30により流しやすくできる。
また、本実施形態によれば、三端子コンデンサ50と三端子コンデンサ51とグランド層30を挟んで対向配置されているため、三端子コンデンサ50からグランド層30に入るノイズと、三端子コンデンサ51からグランド層50に入るノイズとが効果的に打ち消し合う。そのため、ノイズの電磁気的な相殺作用がより高まる。その結果、電源−グランド間のインピーダンスをより低減することができ、ノイズをグランド層30により流しやすくできる。
本実施形態によれば、三端子型ノイズ対策部品として低ESLタイプの三端子コンデンサ50,51を用いることにより、電源ノイズを効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、第1ビア40乃至第5ビア43,44として層間接続ビアを用いることにより、第1配線層10と第2配線層20との間、第1配線層10とグランド層30との間、及び、第2配線層20とグランド層30との間を確実に接続することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、多層配線基板として、三層構造のものを例にして説明したが、多層配線基板は三層構造に限られることなく、四層以上のものに適用することもできる。
また、上記実施形態では、多層配線基板1の上面及び裏面に三端子コンデンサ50,51を配置したが、多層配線基板1の内部に三端子コンデンサ50,51を配置する構成としてもよい。
上記実施形態では、三端子型ノイズ対策部品として三端子コンデンサを例にして説明したが、三端子コンデンサに代えて、例えば、π型フィルタなどのノイズフィルタを適用してもよく、さらに他の三端子型のノイズ対策用電子部品を適用することもできる。
また、上記実施形態では、2つのビア(第4ビアを構成するビア41,ビア42、及び、第5ビアを構成するビア43,ビア44)を用いて、三端子コンデンサ50,51のグランド電極50a,50b,50c,50dとグランド層30を接続したが、3つ以上のビアを用いて接続する構成としてもよい。
上記実施形態では、第1電源パターン11を2つの電源パターンに分岐したが、さらに多くの電源パターンに分岐する構成としてもよい。
1 多層配線基板
2,3 絶縁層
10 第1配線層
11 第1電源パターン
12 第2電源パターン
13,14 導電パッド
20 第2配線層
21 第3電源パターン
22 第4電源パターン
23,24 導電パッド
30 グランド層
40 第1ビア
41,42 第4ビア
43,44 第5ビア
45 第3ビア
46 第2ビア
50,51 三端子コンデンサ
60 IC

Claims (5)

  1. 電源回路と第1の三端子型ノイズ対策部品の入力端子とを接続する第1電源配線、及び、前記第1の三端子型ノイズ対策部品の出力端子と電子部品の電源端子とを接続する第2電源配線が形成された第1配線層と、
    前記第1電源配線と第1導電部材を介して接続され、該第1導電部材と第2の三端子型ノイズ対策部品の入力端子とを接続する第3電源配線、及び、前記第2の三端子型ノイズ対策部品の出力端子と、一端が前記電子部品の電源端子と接続される第2導電部材の他端とを接続する第4電源配線が形成された第2配線層と、
    前記第1配線層と前記第2配線層との間に、前記第1配線層及び前記第2配線層それぞれと平行に配置されるグランド層と、
    前記グランド層と前記電子部品のグランド端子とを接続する第3導電部材と、
    前記第1の三端子型ノイズ対策部品のグランド端子と前記グランド層とを接続する第4導電部材と、
    前記第2の三端子型ノイズ対策部品のグランド端子と前記グランド層とを接続する第5導電部材と、を備えることを特徴とする多層配線基板。
  2. 前記第1の三端子型ノイズ対策部品と、前記第2の三端子型ノイズ対策部品とは、前記グランド層を挟んで対向して配置されることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
  3. 前記第4導電部材及び前記第5導電部材それぞれは、複数の導電部材から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層配線基板。
  4. 前記三端子型ノイズ対策部品は、三端子コンデンサ、又はノイズフィルタであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層配線基板。
  5. 前記第1導電部材乃至第5導電部材は、層間接続ビアであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層配線基板。
JP2010118476A 2010-05-24 2010-05-24 多層配線基板 Active JP5402830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010118476A JP5402830B2 (ja) 2010-05-24 2010-05-24 多層配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010118476A JP5402830B2 (ja) 2010-05-24 2010-05-24 多層配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011249412A true JP2011249412A (ja) 2011-12-08
JP5402830B2 JP5402830B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=45414350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010118476A Active JP5402830B2 (ja) 2010-05-24 2010-05-24 多層配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5402830B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015107810A1 (ja) * 2014-01-17 2015-07-23 株式会社村田製作所 ノイズフィルタ
CN104851862A (zh) * 2014-02-19 2015-08-19 瑞萨电子株式会社 电子设备
WO2016152313A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 電力変換用回路基板及び電動圧縮機
JP2016201537A (ja) * 2015-04-08 2016-12-01 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 実装基板モジュール
CN107710583A (zh) * 2015-04-20 2018-02-16 三菱重工汽车空调系统株式会社 电力转换用电路基板和电动压缩机

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06188527A (ja) * 1992-12-21 1994-07-08 Mitsubishi Electric Corp 実装ボード
JPH06216541A (ja) * 1993-01-19 1994-08-05 Nippondenso Co Ltd プリント基板
JP2006319004A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Murata Mfg Co Ltd コンデンサ実装構造及び多層回路基板

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06188527A (ja) * 1992-12-21 1994-07-08 Mitsubishi Electric Corp 実装ボード
JPH06216541A (ja) * 1993-01-19 1994-08-05 Nippondenso Co Ltd プリント基板
JP2006319004A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Murata Mfg Co Ltd コンデンサ実装構造及び多層回路基板

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015107810A1 (ja) * 2014-01-17 2015-07-23 株式会社村田製作所 ノイズフィルタ
US9998084B2 (en) 2014-01-17 2018-06-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Noise filter
JPWO2015107810A1 (ja) * 2014-01-17 2017-03-23 株式会社村田製作所 ノイズフィルタ
US9549461B2 (en) 2014-02-19 2017-01-17 Renesas Electronics Corporation Electronic device
CN104851862A (zh) * 2014-02-19 2015-08-19 瑞萨电子株式会社 电子设备
JP2015154062A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 ルネサスエレクトロニクス株式会社 電子装置
WO2016152313A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 電力変換用回路基板及び電動圧縮機
CN107567678A (zh) * 2015-03-24 2018-01-09 三菱重工汽车空调系统株式会社 电力转换用电路基板及电动压缩机
JP2016181989A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 電力変換用回路基板及び電動圧縮機
US10707769B2 (en) 2015-03-24 2020-07-07 Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems, Ltd. Power conversion circuit board and electric compressor
CN112202349A (zh) * 2015-03-24 2021-01-08 三菱重工制冷空调系统株式会社 电力转换用电路基板及电动压缩机
JP2016201537A (ja) * 2015-04-08 2016-12-01 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 実装基板モジュール
CN107710583A (zh) * 2015-04-20 2018-02-16 三菱重工汽车空调系统株式会社 电力转换用电路基板和电动压缩机
CN107710583B (zh) * 2015-04-20 2020-05-05 三菱重工制冷空调系统株式会社 电力转换用电路基板和电动压缩机
US11418111B2 (en) 2015-04-20 2022-08-16 Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems, Ltd. Power conversion circuit board and electric compressor

Also Published As

Publication number Publication date
JP5402830B2 (ja) 2014-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070273026A1 (en) Semiconductor package substrate
JP6098285B2 (ja) 配線基板及び電子装置
JP5750528B1 (ja) 部品内蔵回路基板
JP5402830B2 (ja) 多層配線基板
US7015575B2 (en) LSI package
CN203951671U (zh) 一种具有良好电磁兼容性能的pcb结构
JP2009200189A (ja) 電子部品搭載型半導体チップ
TW201528884A (zh) 線路板及電子總成
JP2009170941A (ja) キャパシタ実装配線基板
JP4854345B2 (ja) コンデンサシート及び電子回路基板
JP4983906B2 (ja) 電子部品内蔵モジュール
JP6504960B2 (ja) プリント基板
JP4830539B2 (ja) 多層プリント回路基板
JP5190811B2 (ja) 電源モジュール
US20110011634A1 (en) Circuit package with integrated direct-current (dc) blocking capacitor
JP4893114B2 (ja) 多層配線基板
JP5981265B2 (ja) 配線基板
CN114025465A (zh) 一种带隔离结构的pcb板
JPWO2008010445A1 (ja) 多層プリント回路基板
JP5141806B2 (ja) 多層配線基板
JP2013115110A (ja) 段差構造のプリント配線板
JP6425632B2 (ja) プリント基板
TW201611675A (zh) 電路板結構之改良方法
US20230047936A1 (en) Filter circuit
JP5783706B2 (ja) プリント回路板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5402830

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150