JP2011246681A - 星形ポリフェニレンエーテルおよびその製造方法 - Google Patents

星形ポリフェニレンエーテルおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】線状ポリフェニレンエーテル(PPE)との相溶性に優れると共に、PPEと同等の耐熱性、その他の特性を有し、しかもPPEの流動性向上に有効な星形PPEを提供する。
【解決手段】ベンゼン環を核とし、該ベンゼン環上の炭素原子から伸びる3本以上のポリフェニレンエーテル鎖を有することを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。このポリフェニレンエーテル鎖はベンゼン環上の1位、3位および5位の炭素原子に結合していることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、星形ポリフェニレンエーテルおよびその製造方法に関する。詳しくは、線状ポリフェニレンエーテルの流動性の向上に有用な星形ポリフェニレンエーテルと、この星形ポリフェニレンエーテルを製造する方法に関する。
本発明はまた、この星形ポリフェニレンエーテルを配合したポリフェニレンエーテル混合物と、この星形ポリフェニレンエーテルを含むポリフェニレンエーテル用流動性向上剤に関する。
ポリフェニレンエーテル(PPE)、例えば、2,6−ジメチルフェノールの触媒的酸化重合により得られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)は、高いガラス転移温度を有し、また、耐酸性や耐アルカリ性、並びに機械特性、電気絶縁特性、低吸湿性、寸法安定性などの特性バランスのとれたエンジニアリングプラスチックであり、幅広く使用されている。
従来の一般的なPPEは、複数のフェニレンエーテル構造単位が直鎖状に伸びる線状構造を有するものである。以下において、このような従来の一般的なPPEを「線状PPE」と称す場合があるが、本明細書において、単に「ポリフェニレンエーテル」又は「PPE」と記載した場合、このように複数のフェニレンエーテル構造単位が直鎖状に伸びる線状構造を有する「線状ポリフェニレンエーテル」をさす。
しかし、PPEは空気下での熱安定性が低く(250℃で酸化劣化が始まる)、溶融成形時に、変色、酸化劣化等の種々の問題が生じる。即ち、樹脂のガラス転移温度が210℃であるため、溶融成形温度は250℃以上とする必要があるが、このような温度では酸化劣化が起こる。
このため、従来、PPEの成形加工温度の低温化のために、様々な技術が考案されている。例えば、ポリスチレン系樹脂とのブレンド(例えば、米国特許第3,383,435号明細書)、飽和多脂環式樹脂やテルペンフェノールなどの流動促進剤の添加(例えば、特開2001−152006号公報、特開平10−81818号公報、特公昭57−13584号公報、特開昭58−129050号公報、特開昭58−129051号公報、特開昭59−126460号公報、特開昭47−3136号公報、特開平9−59508公報)などである。しかしながら、ポリスチレン、テルペンフェノール、その他の流動促進剤は、PPEの加熱撓み温度を下げ、通例UL94標準プロトコルで測定される樹脂の燃焼性を増大させてしまう。
そこで開発されたのが、ポリエステル系樹枝状のオリゴマー(重量平均分子量1000〜5000)を添加する方法である(例えば、特公昭59−41663号公報、特表昭61−502195号公報、特開昭63−10655号公報)。
しかし、ポリスチレンはPPEと相溶可能であるが、その他のポリマー(ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン)はPPEと相溶し難い。従来法では、高温押し出しなどの特殊条件下で化学反応させることで相溶化を達成しているが、本質的にはこれらのポリマーはPPEと相溶しないため、このようにPPEと非相溶性のポリマーを配合した複合樹脂組成物では、得られる成形品の機械的強度が低下する。
相溶性の向上と耐熱性などの諸特性の維持を目的として、超低分子量PPEとの配合技術が開発されている(特表2003−531234号公報)。しかし、溶融粘度を下げるためには非常に低分子量のPPEを添加する必要があり、この結果、得られる成形品の機械特性が損なわれる。
米国特許第3383435号明細書 特開2001−152006号公報 特開平10−81818号公報 特公昭57−13584号公報 特開昭58−129050号公報 特開昭58−129051号公報 特開昭59−126460号公報 特開昭47−3136号公報 特開平9−59508公報 特公昭59−41663号公報 特表昭61−502195号公報 特開昭63−10655号公報 特表2003−531234号公報
線状PPEの加工性の向上のためには、異種ポリマーのブレンドよりも、線状PPE自体の空気下における耐熱性の向上、もしくは線状PPEと非常に相溶しやすくかつPPEなみの耐熱性を有する高流動化剤の開発が望まれる。
本発明は、線状PPEとの相溶性に優れると共に、線状PPEと同等の耐熱性、その他の特性を有し、しかも線状PPEの流動性向上に有効な星形PPEを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、PPEの星形ポリマーを合成し、それを線状PPEに配合すると、溶液粘度が大幅に低下すること、従って、成形時の加工性の向上に有効であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] ベンゼン環を核とし、該ベンゼン環上の炭素原子から伸びる3本以上のポリフェニレンエーテル鎖を有することを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
[2] [1]において、前記ポリフェニレンエーテル鎖はオキシメチレン基を有し、前記ベンゼン環上の炭素原子とオキシメチレン基を介して結合していることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
[3] [1]又は[2]において、1本当たりの前記ポリフェニレンエーテル鎖の重量平均分子量が1,000以上であることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、重量平均分子量が7,000〜20,000であることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記ポリフェニレンエーテル鎖が前記ベンゼン環上の1位、3位および5位の炭素原子に結合していることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
[6] 3個以上のブロモメチル基で置換されたブロモメチルベンゼンと、ポリフェニレンエーテルとを触媒の存在下に反応させることを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載の星形ポリフェニレンエーテルの製造方法。
[7] [6]において、前記ブロモメチルベンゼンが1,3,5−トリスブロモメチルベンゼンであることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテルの製造方法。
[8] [1]ないし[5]のいずれかに記載の星形ポリフェニレンエーテルと、ポリフェニレンエーテルとを含むことを特徴とするポリフェニレンエーテル混合物。
[9] [1]ないし[5]のいずれかに記載の星形ポリフェニレンエーテルを含むポリフェニレンエーテル用流動性向上剤。
本発明の星形PPEは、機械特性、熱特性、絶縁特性、寸法安定性等の特性は、そのPPE鎖に由来して、線状PPEと同等の優れた機械的、熱的特性バランスを有する一方で、PPE鎖がベンゼン核から放射状に伸びる星形であるという特異的な形状により、優れた流動性を示す。
従って、本発明の星形PPEを線状PPEと混合してなるPPE混合物は、スチレン系樹脂等の他樹脂とアロイ化することなく、十分な流動性を確保することができ、成形加工の選択肢が広がる。さらに、耐熱性が非常に優れているため、より高度な耐熱性が要求される、電気・電子部品、機械・機構部品、車両部品および建材等、広範囲な分野に非常に有用である。
比較例1で得られた線状PPEのH−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた3本鎖星形PPEのH−NMRスペクトルである。 比較例1で得られた線状PPE、参考例2で得られた3置換体モデル、および実施例1で得られた3本鎖星形PPEのNMRスペクトルの7.2〜7.8ppm領域の拡大図である。 実施例1で得られた3本鎖星形PPEの空気下における熱分解曲線を示すグラフである。 比較例1,3,4,5で得られた線状PPEと実施例3で得られた3本鎖星形PPEのHugginsプロット(クロロホルム溶媒、30℃)を示すグラフである。 実施例3で得られた3本鎖星形PPEのHugginsプロットおよびMead−Fuossプロット(クロロホルム溶媒、30℃)を示すグラフである。 比較例1〜5で得られた線状PPEと実施例1〜4で得られた3本鎖星形PPEのMark−Howink−桜田プロット(クロロホルム溶媒、30℃)を示すグラフである。 比較例6で得られた線状PPE(Mw=188,000)と、(A)比較例4で得られた線状PPE(Mw=9,000)又は(B)実施例2で得られた3本鎖星形PPE(Mw=10,000)との混合物における、混合物中の線状PPE(Mw=188,000)の重量割合(重量%)と固有粘度(溶液粘度)との関係を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[星形PPE]
本発明の星形PPEは、ベンゼン環を核とし、該ベンゼン環上の炭素原子から伸びる3本以上のPPE鎖を有することを特徴とする。
このPPE鎖が2本以下では、流動性において線状PPEと大差はなく、PPE鎖は3本以上必要である。
本発明の星形PPEのPPE鎖は、3〜6本の範囲で任意に形成することができるが、合成の容易さから3〜4本、特に3本であることが好ましく、とりわけ、ベンゼン環の1位、3位および5位にPPE鎖が結合していることが好ましい(以下、PPE鎖が3本導入された星形PPEを「3本鎖星形PPE」と称す場合がある。)。
本発明の星形PPEのPPE鎖の分子量は、過度に小さいとPPEとしての機械特性が低下する傾向にあり、過度に大きいと合成上、星形PPEを高純度で合成することが困難であること、さらに現在流通している直鎖状PPEの重量平均分子量が30,000であることから、これ以上の分子量の星形PPEを合成することは低粘度化の意味が低くなる傾向にある。そのため、星形PPEのPPE鎖の重量平均分子量としては1,000〜10,000、特に3,000〜10,000であることが好ましい。なお、このPPE鎖1本当たりの重量平均分子量とは、この星形PPEの製造に用いた線状PPEの重量平均分子量とほぼ同等である。
また、本発明の星形PPE自体の分子量は、後掲の実施例の項で測定される重量平均分子量として3,000〜30,000、さらに7,000〜30,000、特に9,000〜30,000であることが好ましい。これは、現行の線状PPEの重量平均分子量が30,000程度であり、上記下限未満ではフィルム形成が困難な傾向にあり、上記上限を超えると射出成形時の溶融粘度が高くなりすぎてシリンダー内でやけが発生する場合があるためである。
また、後掲の実施例の項で測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3.5、より好ましくは1〜2である。DSC法によるガラス転移温度は、150〜220℃、特に170〜210℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が150℃未満であると、耐熱性が低下しやすい傾向にあり、220℃を超えると成形加工時の樹脂流動性が低下しやすい傾向にある。
[星形PPEの製造方法]
上述の本発明の星形PPEを製造する方法としては特に制限はないが、好ましくは本発明の星形PPEの製造方法に従って、次のようにして製造される。
本発明の星形PPEの製造方法では、まず、PPE鎖を導入する部位にブロモメチルを有するブロモメチルベンゼンを準備する。例えば、ベンゼン環の1位、3位および5位にPPE鎖を有する星形PPEを製造するには、1,3,5−トリスブロモメチルベンゼン(1,3,5−トリスブロモメシチレン)を準備する。このブロモメチルベンゼンは、後述の参考例3にも示されるように、メチルベンゼンを用いて常法に従って製造することができる。
別に、PPE鎖となる線状PPEを製造する。この線状PPEの製造は、常法に従って行うことができる。この線状PPEの製造方法については、後述の本発明のPPE混合物の項で説明する。
このPPE鎖となる線状PPEは、その重量平均分子量が、前述の本発明の星形PPEの1本当たりのPPE鎖の重量平均分子量となるように製造する。
次いで、ブロモメチルベンゼンと線状PPEとを触媒の存在下に反応させて、ブロモメチルベンゼンの臭素原子部分をPPE鎖で置換してPPE鎖を導入する。
この反応に用いる触媒としては、PPE鎖の末端の水酸基の水素を引き抜けるものであればよく、特に制限はないが、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基触媒の他、ピリジン、4,4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基触媒を用いることができる。これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
触媒は、PPE鎖のOH末端に対して1.1〜2モル量程度用いることが、反応効率および経済性の面で好ましい。
反応は、通常、溶媒の存在下で実施され、用いる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン等のアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン等の有機溶媒を用いることができる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、芳香族炭化水素系のトルエンとアミド系溶媒の混合溶媒は、ポリマーの溶解性とともに、求核反応の促進に好都合であり推奨される。
溶媒の使用量は特に制限はないが、反応系内のPPE濃度が1〜20重量%となるような程度に用いることが、反応効率、取り扱い性の面で好ましい。
反応温度は50〜200℃、特に70〜150℃が好ましい。反応温度が低過ぎると反応速度が小さく、高過ぎると用いたアミド系溶媒の分解等でポリマーが着色しやすいためである。
反応時間は通常12〜72時間程度である。反応時間が短過ぎると、目的とする本数のPPE鎖が導入された星形PPEを得ることができず、長過ぎてもそれ以上の反応成績の向上は見られず、効率的でない。
なお、反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが、ポリマーの酸化劣化による着色を抑える点で好ましい。
反応後は、常法に従って生成物を分離回収し、再結晶等により精製する。
このようにして得られる本発明の星形PPEは、反応に供したPPE鎖が、ブロモメチルベンゼンの臭素原子と置換し、ベンゼン環上の炭素原子に対してPPE鎖がオキシメチレン基を介して結合したものである。
なお、上記反応では、すべてのブロモメチル基部分にPPE鎖が導入されていないものも生成する場合がある。即ち、例えば、1,3,5−トリスブロモメシチレンと線状PPEとを反応させた場合に、PPE鎖が1本のみのものや、PPE鎖が2本のみのものも、3本鎖星形PPEと共に生成する。これにより、得られる3本鎖星形PPEの重量平均分子量は、必ずしもPPE鎖導入のために用いた線状PPEの重量平均分子量の約3倍の重量平均分子量とはならない。しかしながら、このような生成物は本発明の星形PPEの用途において特に問題になることはなく、そのまま目的物と共に用いることができる。ただし、必要に応じて、このようなものは、カラムクロマトグラフィー等で分離することもできる。
本発明の星形PPEは、後述の実施例の項で測定される純度として0.7以上、特に0.8以上であれば、目的とする用途に十分に用いることができる。
[PPE混合物・PPE用流動性向上剤]
本発明の星形PPEは、その機械特性、熱特性、絶縁特性、寸法安定性等の特性においては、PPE鎖に由来して線状PPEと同等の優れた特性を有する一方で、流動性については、星形であることにより、線状PPEに比べて格段に優れたものとなる。従って、線状PPEに混合して、PPE本来の特性を損なうことなく、流動性を高め、成形加工性を改善するための流動性向上剤として有効に用いることができる。
以下に、本発明の星形PPEを流動性向上剤として配合して、PPE混合物を得るための線状PPEについて説明する。
この線状PPE自体は従来一般的に提供されているものでよく、通常、下記一般式(I)で表されるオルト位置換フェニレン構造を構成単位として有する重合体又は共重合体である。
Figure 2011246681
(一般式(I)中、2つのRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素基を表し、2つのRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素基を表す。ただし、2つのRがともに水素原子になることはない。)
一般式(I)中のR,Rにおける炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数3〜30のシクロアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアラルキル基等が挙げられる。なお、本発明において、「炭素原子数」とは、炭化水素基が置換基を有する場合、当該置換基の炭素原子数も含めた合計の炭素原子数をさす。
,Rの炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−、3−若しくは4−メチルペンチル基又はヘプチル基、ベンジル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
一般式(I)中のR,Rにおける置換炭化水素基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アミノ基等で置換された炭化水素基を表す。置換炭化水素基の置換される炭化水素基としては、上記R,Rの炭化水素基で例示したものと同様のものを挙げることができる。炭化水素基で置換された炭化水素基としては、例えば1−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基等が挙げられる。
としては、炭素原子数1〜20の第1級若しくは第2級アルキル基、炭素原子数6〜8のアリール基が好ましい。
第1級アルキル基の好適な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル、イソペンチル基、2−メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−、3−若しくは4−メチルペンチル基又はヘプチル基が挙げられる。
第2級アルキル基の好適な例としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基又は1−エチルプロピル基が挙げられる。
は第1級若しくは第2級の炭素原子数1〜4のアルキル基又はフェニル基であることがさらに好ましく、特にメチル基であることが好ましい。
としては、水素原子、炭素原子数1〜20の第1級若しくは第2級アルキル基、炭素原子数6〜8のアリール基が好ましい。
第1級アルキル基の好適な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル、イソペンチル基、2−メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−、3−若しくは4−メチルペンチル基又はヘプチル基が挙げられる。
第2級アルキル基の好適な例としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基又は1−エチルプロピル基が挙げられる。
は、水素原子、第1級若しくは第2級の炭素原子数1〜4のアルキル基又はフェニル基であることがさらに好ましく、特に水素原子であることが好ましい。
本発明で用いる線状PPEに含まれる一般式(I)で表されるオルト位置換フェニレン構造は2種以上であってもよいが、通常、1種であることが好ましい。
本発明のこの線状PPEは直鎖状であってもよいし分岐していてもよいが、直鎖状であることが好ましい。直鎖状とするか分岐状とするかは、酸化カップリング重合時の雰囲気、溶媒種、触媒種、反応温度、反応時間等、特に、適切な触媒種を選択することにより調整することができる。酸化カップリング重合の位置選択性を向上させ、PPEの分岐を抑制するためには、触媒として後述の銅−アミン触媒を用いることが好ましい。
本発明の星形PPEと混合する線状PPEの分子量は、後述の実施例の項で測定される重量平均分子量として20,000〜1,000,000、特に30,000〜200,000であることが好ましい。
線状PPEの分子量が小さ過ぎると耐熱性、機械特性が損なわれる傾向にあり、大き過ぎると、本発明の星形PPEを混合しても十分な流動性が得られず、好ましくない。
この線状PPEは、少なくとも下記一般式(II)で表される2,5−二置換フェノールを酸化カップリング重合することより製造することができる。
Figure 2011246681
(一般式(II)中、2つのRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素基を表し、2つのRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素基を表す。ただし、2つのRがともに水素原子になることはない。)
一般式(II)中のRの炭化水素基又は置換炭化水素基としては、一般式(I)中のRの炭化水素基又は置換炭化水素基で例示したものと同様のものを挙げることができ、その好適例についても同様である。
一般式(II)中のRの炭化水素基又は置換炭化水素基としては、一般式(I)中のRの炭化水素基又は置換炭化水素基で例示してものと同様のものを挙げることができ、その好適例についても同様である。
反応は、目的とする線状PPEが得られるように、雰囲気、溶媒種、触媒種、反応温度、反応時間等の重合条件を調整して実施される。
触媒としては、例えば、銅、マンガン、コバルト等の重金属化合物とアミン化合物とからなる触媒が挙げられ、特に、十分な分子量のPPEを得るためには、アミン化合物に銅化合物を配位させた銅−アミン触媒を用いることが好ましい。
銅−アミン触媒に用いる銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、酢酸第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、酢酸第二銅、硫酸第一銅、硝酸第二銅等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。中でも、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅等のハロゲン化第一銅が好ましい。
アミン化合物としては、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物が挙げられる。
脂肪族アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等の脂環式3級アミンを含めた脂肪族3級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式2級アミンを含めた脂肪族2級アミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、テトラブチルエチレンジアミン、テトラペンチルエチレンジアミン等のテトラアルキルエチレンジアミンが挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。中でも、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、テトラブチルエチレンジアミン、テトラペンチルエチレンジアミン等のテトラアルキルエチレンジアミンが好ましい。
芳香族アミン化合物としては、例えば、2−フェニルピリジン、2−トルイルピリジン、2−ニトロフェニルピリジン、2−メトキシピリジン、2−メチルピリジン、2−エチルピリジン、2−n−プロピルピリジン、2−イソプロピルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジエチルピリジン、2,6−n−プロピルピリジン、2−メチル−6−フェニルピリジン、2−メチルキノリン、2−エチルキノリン、2−n−プロピルキノリン等のピリジン環を有するアミン化合物が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。中でも、2−フェニルピリジン、2−トルイルピリジン、2−ニトロフェニルピリジン、2−メトキシピリジンが好ましい。
上記の脂肪族、芳香族アミン化合物の中では、銅化合物中の銅イオンへのアミン化合物の配位能力が高く、十分な活性を有する触媒が形成され、PPEの重合反応が効率よく進行し、さらに重合の位置選択性が向上することにより直鎖状のPPEが得られやすい点から、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミンが特に好ましい。
銅−アミン触媒は、銅化合物とアミン化合物を適当な溶媒中で反応させ、単離・精製することにより製造することができる。反応に供する銅化合物由来の銅イオンに対するアミン化合物の割合は、アミン化合物が脂肪族アミン化合物である場合は銅イオンに対して0.01〜50当量であることが好ましく、0.1〜40当量であることがより好ましく、1〜30当量であることがさらに好ましい。脂肪族アミン化合物の割合が0.01当量未満であると、酸化カップリング重合における位置選択性が低下する傾向にあり、50当量を超えると酸化カップリング重合が速やかに進行しない場合がある。また、アミン化合物が芳香族アミン化合物である場合は、銅イオンに対して50〜300当量であることが好ましく、60〜200当量であることがより好ましく、70〜150当量であることがさらに好ましい。芳香族アミン化合物の割合が50当量未満であると、酸化カップリング重合における位置選択性が低下する傾向にあり、300当量を超えると酸化カップリング重合が速やかに進行しない場合がある。
また、銅−アミン触媒は、該銅化合物を、酸化カップリング重合に用いる反応溶媒中で該アミン化合物に配位させて用いることもできる。
酸化カップリング重合に際し、銅−アミン触媒は任意の量で用いることができるが、一般的には、酸化カップリング重合に用いる全フェノール性モノマーに対する銅イオンのモル量として0.01〜5モル%となるように用いることが好ましく、0.1〜4.5モル%となるように用いることがより好ましく、1〜4モル%となるように用いることがさらに好ましい。全フェノール性モノマーに対する銅イオンのモル量が0.01モル%未満では、酸化カップリング重合が進行しにくい傾向にあり、5モル%を超えると酸化カップリング重合における位置選択性が低下する場合がある。
酸化カップリング重合は、反応溶媒の存在下で行ってもよいし、不存在下で行ってもよいが、十分な分子量を得るためには反応溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒は、フェノール性モノマーに対して不活性であり、かつ、反応温度において液体であるものが好ましく、例えば、ベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これらは2種以上を混合して用いてもよい。中でも、o−ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンが好ましい。
酸化カップリング重合の雰囲気としては、酸素、空気などを採用することができる。
酸化カップリング重合の反応温度は、反応媒体が液状を保つ温度であれば問題はないが、15〜100℃であることが好ましく、15〜60℃であることがより好ましく、20〜40℃であることが特に好ましい。反応温度が15℃未満では、酸化カップリング重合が速やかに進行しにくい傾向にあり、100℃を超えると酸化カップリング重合における位置選択性が低下したり、得られるPPEの耐熱性の低下やゲル化が起こりやすい傾向がある。
また、酸化カップリング重合の反応時間は1〜24時間であることが好ましく、1〜12時間であることがより好ましい。反応時間が1時間未満であると、十分な分子量のPPEが得られない場合があり、24時間を超えると、酸化カップリング重合における位置選択性の高いPPEが得られにくい傾向がある。
本発明のPPE混合物において、線状PPEと本発明の星形PPEとの混合割合には特に制限はなく、目的に応じて任意に設定することができる。即ち、本発明の星形PPEは、そのPPE鎖に由来して、通常の線状PPEとの相溶性に優れるため、線状PPEを任意の混合割合で混合することができる。従って、目的とする流動性に応じて本発明の星形PPEの混合割合を増減すればよい。通常、本発明の星形PPEは、線状PPEと星形PPEとの合計100重量%に対して0.05〜20重量%、特に0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
本発明のPPE混合物は、線状PPEと本発明の星形PPEとをドライブレンドしたものでもよく、ドライブレンドした後に溶融混練したものであってもよい。ドライブレンドに際しては、タンブラー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機を使用することができ、溶融混練に際しては、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等を使用することができる。混練温度は、PPE混合物中の本発明の星形PPEの分子量およびその混合割合や線状PPEの分子量にもよるが、通常150〜350℃、好ましくは180〜320℃である。
なお、本発明のPPE混合物は、必要に応じて、更に、他の樹脂や添加剤を配合した樹脂組成物として用いることができる。
他の樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ジナフタレート)等のポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリメタキシリレンジアジパミド、ポリアミド6I/6T、ポリアミド6/66等のポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、本発明の線状および星形PPE以外のポリフェニレンエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル等が挙げられ、これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの他の樹脂は、本発明のPPE混合物、即ち、線状PPEと星形PPEとの合計量に対し、通常は50重量%以下、好ましくは40重量%の割合で混合して用いることができる。
添加剤としては、熱可塑性樹脂に一般的に用いられるものが挙げられ、例えば、熱安定剤、離型剤、酸化防止剤、耐侯性改良剤、耐衝撃性改良剤、無機充填材、造核剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、可塑剤、流動性改良剤、着色剤、分散剤、導電剤、摺動性改良剤等が挙げられる。
本発明のPPE混合物或いはこれを含むPPE樹脂組成物は、熱可塑性樹脂について一般に用いられている成形法、すなわち射出成形、ガスアシスト射出成形、射出圧縮成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形、プレス成形等の各種成形法によって成形し、各種の成形品とすることができる。特に好ましい成形法は、流動性の観点から射出成形である。射出成形にあたっては、樹脂温度を、例えば、270〜320℃にコントロールするのが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に示す実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、得られたポリマー等の物性の測定方法は次の通りである。
(1)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn):
各例で得られた目的物について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー接続光散乱装置(GPC−LALLS)により、下記条件で絶対重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
装置:東ソー社製「HLC−8220」に、下記に示す2本のカラム(直径5mmφ、長さ30mm)を接続し、さらにViscotek社製「T−60A」を接続した。検出器は屈折率計、粘度計、光散乱計を備えている。なお、屈折率増分は0.185、溶離液であるテトラヒドロフラン(THF)の流量と温度は1.0mL/min、40℃である。
カラム:東ソー社製「TSK−GEL GMHHR−M and GMHHR−N」(充填剤として、ポリスチレンゲルを充填したもの)
検量線:Polymer Laboratories社製の標準ポリスチレン(分子量;580(Mw/Mn=1.14)、950(Mw/Mn=1.13)、1250(Mw/Mn=1.10)、1700(Mw/Mn=1.06)、2450(Mw/Mn=1.05)、3250(Mw/Mn=1.04)、5050(Mw/Mn=1.05)、7000(Mw/Mn=1.04)、11600(Mw/Mn=1.03)、22000(Mw/Mn=1.03)、37900(Mw/Mn=1.01)、96400(Mw/Mn=1.01)、107000(Mw/Mn=1.05)および514000(Mw/Mn=1.02))を用いて作成した。
数平均分子量(Mn)は、上記記載の条件でGPC測定を行い、上記の方法で作成した検量線を用い、ポリスチレン換算の値として求めた。なお、屈折率増分は0.185である。
重量平均分子量(Mw)は、上記記載の条件で測定を行い、光散乱法により求めた。
分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの屈折率計で求めた数平均分子量と、光散乱計で求めた重量平均分子量から算出した。
(2)H−および13C−NMRスペクトル:
各例で得られた目的物について、400MHz(H)核磁気共鳴装置(ブルカー社製「Bruker AC−400P」)を用い、重クロロホルムを溶媒、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準とし、NMR測定を行った。
目的物の数平均分子量は、NMRスペクトルにおけるポリフェニレンエーテルの末端水素とPPEの繰り返し単位の芳香族水素の積分比から算出した。
(3)3本鎖星形PPEの純度:
3本鎖星形PPEの純度とは、理論分子量に対する上記(1)GPC−LALLS測定によって得られた重量平均分子量の比で表すことができる。例えば、実施例1の場合は、以下の方法で求めることができる。
実施例1の反応においては、理論上は、中心分子のTBM1分子に対し、重量平均分子量が3,000のPPE鎖が3本反応するため、理論分子量は3,000×3=9,000となる。しかし、実際は、3本鎖ポリマー以外に、2本鎖ならびに1本鎖のポリマーが存在しているため、GPC−LALLS測定によって得られる重量平均分子量の値が、理論分子量よりも低くなっている。従って、実施例1の3本鎖PPEの純度は、
GPC−LALLS測定によって得られた重量平均分子量/理論分子量=7,500/(3,000×3)=0.83
と計算される。
(4)固有粘度:
クロロホルムにてキャノンフェンスケ粘度計を洗浄し、ホールピペットにてクロロホルム10mLを粘度計に入れる。これを恒温槽に移し30℃に加温する。30分後に、クロロホルムの落下時間tをストップウオッチで3回測定し、平均値をとる。ただし、誤差範囲は±0.3秒である。次に、各例で得られたPPE 0.100gを精秤し、50mLのサンプル瓶に入れる。ここにホールピペットを用いてクロロホルム20mLを加え、栓をして完全に溶解させる(濃度c=0.500g/dL)。溶液を、注射器にて吸い取り、テフロンフィルターを使用して別のサンプル瓶に注入する。この溶液をホールピペットで10mL量り取り、先に使用したキャノンフェンスケ粘度計に移し、30℃の恒温槽にて30分間温める。落下時間t0.5を3回測定し、平均値を求める。同様にして、c=0.1、0.2、0.3、0.4g/dLのときの落下時間を測定する。これらから、還元粘度(ηsp/c)と濃度をプロット(Hugginsプロット)し、その外挿値から固有粘度(極限粘度)を求めた。
(5)熱重量測定(TG):
実施例1の3本鎖星形PPEおよび比較例1の線状PPEについて、熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製「SCC 5200 system」)を用いて測定を行った。空気下、40〜800℃、10℃/minの条件で昇温し、昇温開始前の重量から10%の重量減少が確認された温度(Td10)を測定した。この熱分解温度が高いほど、耐熱性が高いと判断できる。
(6)ガラス転移温度:
各例で得られたPPEについて、示差走査熱量測定(DSC)装置(島津製作所社製「Shimadzu DSC−60」)を用い、窒素雰囲気下、40〜300℃、20℃/minの速度で昇温し、ガラス転移温度の測定を行った。
また、各例で用いた2,6−ジメチルフェノール(26−DMP)、塩化第一銅−N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン錯体(Cu−TMEDA)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、トルエン、メタノール、その他の試薬は市販品をそのまま用いた。
[参考例1:1置換体モデルの合成]
Figure 2011246681
100mlナスフラスコに、2,6−DMP 1.230g(10.1mmol)、ベンジルブロミド1.714g(10.0mmol)、炭酸セシウム4.897g(15.0mmol)、トルエン17ml、およびジメチルホルムアミド(DMF)17mlを加え、50℃で6.5時間撹拌した。反応終了後、塩酸を加えて分液ロートに移し油層を抽出した。油層に硫酸マグネシウムを加えて水分を取り除き、自然濾過で硫酸マグネシウムを除去した。その後、エバポレーターで溶媒を除去し、橙色油状の生成物(収量:2.11g、収率:99.3%)を得た。このものは常温で液体のため単離が困難であった。
H NMR(400MHz,CDCl3): δ2.29(s,9H,CH3),4.77(s,2H,O-CH2),7.00(t,1H,Ar-H),
7.02(t,2H,Ar-H),7.36(t,p-1H,Ar-H),7.37(t,m-2H,Ar-H),
7.45(d,2H,o-Ar-H)
[参考例2:3置換体モデルの合成]
Figure 2011246681
ジムロート冷却管を取り付け、窒素雰囲気にした100ml二口フラスコに2,6−DMP 0.367g(3.0mmol)、炭酸セシウム1.141g(3.5mmol)、トルエン15ml、およびDMF 15mlを加えて溶解させた。溶解後、後掲の参考例3で合成した1,3,5−トリスブロモメシチレン(TBM)0.357g(1.0mmol)を加え70℃で40時間反応させた。反応溶液にジエチルエーテルと塩化メチレンを加え、熱時濾過した。濾液に水、クロロホルムを加え、分液ロートで油層を抽出し、硫酸マグネシウムを加えて、水分を除去した。その後、エバポレーターで溶媒を除去した後、冷却し、析出した結晶に対してトルエン/ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶を行い、黄色針状結晶の生成物(収率:85.6%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl3): δ2.34(s,18H,CH3),4.90(s,6H,CH2),6.96(t,3H,Ar-H),
7.05(d,6H,Ar-H),7.61(s,3H,Ar-H)
13C NMR(101MHz,CDCl3): δ16.5,73.6,76.7,77.0,77.4,124.1,126.2,128.9,131.1,
138.5,155.8
Anal.Calcd for C33H36O3; C:82.46%,H:7.55%
Found ; C:82.26%,H:7.54%
[参考例3:中心分子の合成]
Figure 2011246681
参考文献(Jiuyan Li et al.,Chem.Mater.2005,17,1208−1212)に従って合成した。
ジムロート冷却管を取り付けた300mlナスフラスコに、1,3,5−メシチレン6.000g(0.0499mol)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)26.708g(0.1501mol)、過酸化ベンゾイル(BPO)0.242g(0.9991mmol)、およびベンゼン150mlを加え、加熱した。85℃付近で自発的な沸騰が始まり、沸騰がおさまってから、100℃で6時間還流した。析出した白色の副生成物を濾別し、濾液を水で洗浄した。油層をエバポレーターで濃縮したところ、褐色の液体が得られた。これにエタノールを加え、冷蔵庫に入れて放置したところ、白色針状結晶の生成物1,3,5−トリスブロモメシチレン(TBM)(収量:2.51g、収率:17.6%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl3): δ4.48(s,6H,-CH2-),7.38(s,3H,Ar-H)
13C NMR(101MHz,CDCl3): δ32.0,129.4,138.9
FT-IR(KBr(cm-1)): 1604(C=C),1212(CH2),582(C-Br)
Anal.Calcd for C9H9Br3; C:30.29%,H:2.54%
Found ; C:30.29%, H:2.58%
[比較例1:線状PPEの合成]
Figure 2011246681
酸素風船を取り付けた300mlナスフラスコに、2,6−DMP 12.216g(100mmol)、Cu−TMEDA 1.393g(3mmol)、TMEDA 3.486g(30mmol)、およびトルエン100mlと撹拌子を入れ、室温で3時間撹拌して重合を行った。その後、反応溶液を、塩酸を少量加えたメタノールに注ぎ、析出物を濾別し、これを60℃で6時間減圧乾燥した。乾燥後、少量のクロロホルムに溶解させ、メタノールで再沈殿させた。析出した沈殿物を吸引濾過し、80℃で8時間減圧乾燥したところ、白色粉末状の生成物(収量:4.10g、収率:34%)が得られた。
H NMR(400MHz,CDCl3): δ2.12(s,6H,CH3),4.27(s,1H,OH),
6.50(s,2H,Ar-H)
FT-IR(Film(cm-1)): 2953(C-H),1604(C=C),1189(C-O),856(Ar-H)
[比較例2〜6:線状PPEの合成]
重合時間を表1に示す時間に変えたこと以外は、比較例1と同様にして酸化カップリング重合を行った。
比較例1〜6で得られた線状PPEの収率、分子量、ガラス転移温度(Tg)およびTd10の測定結果を表1に示す。
Figure 2011246681
[実施例1:3本鎖星形PPEの合成]
Figure 2011246681
ジムロート冷却管と窒素風船を取り付けた300mlナスフラスコに、比較例1で合成したPPE0.901g(Mw=3,000:0.3mmol)とトルエン50mlを加えて溶解させ、さらに参考例3で合成したTBM 0.036g(0.1mmol)、炭酸セシウム0.147g(0.45mmol)、およびDMF 50mlを加えて90℃で40時間反応させた。反応後、塩酸を加えて分液ロートで油層を抽出し、硫酸マグネシウムを加えて水分を除去した。自然濾過で硫酸マグネシウムを取り除いた後、エバポレーターでトルエンを除去し、メタノールに加えた。析出した粗成生物を60℃で6時間減圧乾燥し、乾燥後、クロロホルムに溶解させ、メタノールで再沈殿させて沈殿物を回収した。これを80℃で10時間減圧乾燥し、白色粉末状の生成物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl3): δ2.11(s,6H,CH3),6.49(d,2H,Ar-H)
[実施例2〜4:3本鎖星形PPEの合成]
原料のPPEとして表2に示す分子量のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
実施例1〜4で得られた3本鎖星形PPEの分子量、ガラス転移温度(Tg)およびTd10の測定結果を表2に示す。
Figure 2011246681
[評価]
<NMR>
線状PPEの一例として、比較例1で得られた線状PPEのH−NMRスペクトルを図1に、3本鎖星形PPEの一例として実施例1で得られた3本鎖星形PPEのH−NMRスペクトルを図2に示す。また、比較例1で得られた線状PPE、参考例2で得られた3置換体モデル、および実施例1で得られた3本鎖星形PPEのH−NMRスペクトルの7.2〜7.8ppm付近の拡大図を図3(a)〜(c)に示す。
この線状PPEは2,6−ジメチルフェノールの酸化カップリングで得られるポリマーである。即ち、2,6−ジメチルフェノールが1電子酸化されラジカル種が生成する。これが別のラジカル種とカップリングすることで2量体になる。この際、カップリング位置は1位の酸素同士(O−O)、1,4位の酸素と炭素(O−C)、4位の炭素同士(C−C)の3通りが起こりうる。O−Oカップリングした場合には生成するパーオキシドの安定性が低いため再度均一解離して原系の2つのラジカル種になる。従って、実際に考える必要のある反応は前者2つである。Hayらは塩化銅に100倍以上のピリジンを入れることでC−Cカップリングをほぼ抑制できると報告している(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.36,505-517(1998))。塩化銅−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)錯体の場合には、TMEDAの添加量が塩化銅に対して2倍以上でC−Cカップリングの抑制が可能と報告している。
図1を見ると、大きなシグナルが0、2.09(e)、6.47(f)、7.25ppmに観測されている。これらはそれぞれ、テトラメチルシラン(内部標準物質)、PPEのメチル水素、PPEの芳香核水素、溶媒である重クロロホルムが一部水素化したものである。これらに加え、1.59、2.17(c,g)、4.24(j)、6.36(d)、7.09(h)、7.35(i)ppmに小さなシグナルが観測される。これらはそれぞれ、NMR溶媒中の水、ポリマー両末端ユニットのメチル水素(c,g)、末端のOH(j)、フェノール末端の芳香核水素(d)、フェニレンエーテル末端の芳香核水素(h)、およびビフェニルユニットの芳香核水素(i)である。従って、C−Oカップリングだけでなく、C−Cカップリングが若干量生じていることが分かる。C−Cカップリングからは両末端OHのテレケリックポリマーが生成するので、片末端OHポリマーとテレケリックポリマーのモル比は、hとiのシグナル強度から計算して、0.88:0.12となる。また、末端基水素であるhと繰り返し単位の水素f、さらにテレケリックポリマーの存在量を考慮すると、NMRから計算した数平均分子量は2,100であり、これは表1のGPCから見積もった相対分子量とよい一致を示している。分子量分布が1.5であることから、重量平均分子量は3,150となり、光散乱法で求めた絶対重量平均分子量3,000とよい一致をみている。
図2の3本鎖星形PPEでは、図1におけると同様にPPE主鎖骨格に由来するシグナルが観測される他、4.24(j)、4.82(b)、7.09(h)、7.34(i)、7.55(a)ppmに小さなシグナルが観測された。これらはそれぞれ、末端OH(j)、3本鎖星形ポリマーの中心ベンジル水素(b)、フェニレンエーテル末端の芳香核水素(h)、ビフェニルユニットの芳香核水素(i)、および3本鎖星形ポリマーの中心芳香核水素(a)である。
原料である比較例1の線状PPEには、12%のビフェニル骨格が混入していた。図2の積分値から、hとiの積分値は原料と生成物でほぼ変化しておらず、3本鎖星形PPE生成時に、C−Cカップリングがこれ以上起きていないことを示している。また、hの水素数を3と考えた時、原料であるPPEの末端OH数は1.04個(テレケリックが入っているため若干多めに出る)、生成物である3本鎖星形PPEのOH数は0.3である。すなわち原料の直鎖PPEの末端OHのうち、約71%が中心分子である1,3,5−トリスブロモメシチレンと反応し、残り29%は未反応のまま残っている。テレケリックポリマーには両末端にOHがあることを考えれば、3本鎖星形PPE:直鎖PPE=0.8:0.2(モル比)となる。以上のことより、本反応で得られた3本鎖星形PPEの純度は0.8(80%)であると言える。この値は、光散乱から計算された3本鎖星形PPEの純度0.83と比較的良い一致をみており、光散乱からの計算値が純度の決定に有用であることが分かる。
そこで、同様にして実施例2〜4で得られた3本鎖星形PPEに関しても純度を求めたところ、それぞれ0.83、0.88、0.78であった。
<熱特性>
図4に、実施例1で得られた3本鎖星形PPEの空気下における熱重量測定の結果を示した。10%熱重量損失温度は446℃であり、線状PPEのそれとほぼ等しい。また、DSC測定では、星形PPEのガラス転移温度は195〜200℃であり、線状PPEのそれとほぼ等しかった。これらのことは、PPEの物理的耐熱性(軟化温度)は、主鎖のフェニレンエーテルの回転運動に大きく依存し、分子間相互作用にはあまり影響を受けないことを示唆している。すなわち、一般には線状の方が星形より分子間パッキング構造をとりやすく、凝集して熱運動が小さいと考えられるが、PPEの場合にはジメチル基の影響でパッキング構造がそれほど密ではなく、線状、星形のいずれにおいても熱運動の大きさは同等である。また、PPEの化学的耐熱性に関しては、熱重量減少温度がほぼ等しいことから、星形、線状の分子形状によらず、ある一点から分子が分解していくといえる。
<固有粘度>
比較例1,3,4,5で得られた線状PPEおよび実施例3で得られた3本鎖星形PPEのHugginsプロットを図5に示す。すべてのプロットはほぼ直線で近似され、濃度0における還元粘度を求め、これを固有粘度(極限粘度)とした。
線状PPE(比較例1,3,4,5)では、分子量が大きくなるにつれて固有粘度が増大している。実施例3の3本鎖星形PPEの重量平均分子量は16,000であり、これと同程度の固有粘度を有する線状PPEの重量平均分子量は9,000(比較例4の線状PPE)であった。
このことは、3本鎖星形PPEの固有粘度は、同一分子量で比較した場合、線状PPEの固有粘度と比べて大幅に低く、加工性が格段に優れていると言える。
図6に、実施例3で得られた3本鎖星形PPEのMead−FuossプロットおよびHugginsプロットを示す。
また、下記式よりHuggins定数を求めた。
ηsp/c=[η]+Kh[η]
Huggins定数は分子間の相互作用力を示しており、この値が小さいほど相互作用が弱く、分子鎖同士の凝集が小さいと言える。実施例3の3本鎖星形PPEのHuggins定数の値0.26は、線状PPEの0.31と比べて明らかに小さく、分子間相互作用が低いと言える。
図7は、比較例1〜5で得られた線状PPEと実施例1〜4で得られた3本鎖星形PPEの重量平均分子量と極限粘度の関係をプロットしたものである。このプロットは下式に示すMark−Howink−桜田の式で近似される。
[η]=K[Mw]α
プロットの傾きは式中のαであり、この値は、ある溶媒中における分子の形状を表している。αの値が0.5のときにはθ状態にある屈曲性鎖であり、0.7〜0.8では排除体積効果を受けた屈曲性鎖、0.8以上の時は半屈曲性もしくは剛直性鎖である。
3本鎖星形PPEでは、α=0.52であり、線状PPEでは0.68であった。すなわち、3本鎖星形PPEは中心分子により強制的に結合されているため、線状PPEと比べて分子内の凝集力がより大きくなっていると言える。
以上の結果を表3にまとめる。
Figure 2011246681
以上の固有粘度(クロロホルム中、30℃での溶液粘度)の検討結果より、3本鎖星形PPEは中心分子による強制的な結合のため、自身での凝集力が強く、嵩高い骨格のため、ポリマー間の相互作用が低減されており、結果として、溶液粘度を大幅に減少させていると言える。
図8に、比較例6で得られた重量平均分子量188,000の線状PPEに、(A)比較例4で得られた重量平均分子量9,000の線状PPE又は(B)実施例2で得られた重量平均分子量10,000の3本鎖星形PPEを混ぜた時の固有粘度の推移を示した。
図8より、3本鎖星形PPEは線状PPEのものよりも効率的に粘度低下剤として機能していることが分かる。これは、溶液中でPPE分子間の相互作用をより効果的に星形PPEが遮断していることを示している。溶融時には、分子間相互作用がより顕著に表れることから、粘性をより劇的に減少させることが可能であると考えられる。

Claims (9)

  1. ベンゼン環を核とし、該ベンゼン環上の炭素原子から伸びる3本以上のポリフェニレンエーテル鎖を有することを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
  2. 請求項1において、前記ポリフェニレンエーテル鎖はオキシメチレン基を有し、前記ベンゼン環上の炭素原子とオキシメチレン基を介して結合していることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
  3. 請求項1又は2において、1本当たりの前記ポリフェニレンエーテル鎖の重量平均分子量が1,000以上であることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、重量平均分子量が7,000〜20,000であることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ポリフェニレンエーテル鎖が前記ベンゼン環上の1位、3位および5位の炭素原子に結合していることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテル。
  6. 3個以上のブロモメチル基で置換されたブロモメチルベンゼンと、ポリフェニレンエーテルとを触媒の存在下に反応させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の星形ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  7. 請求項6において、前記ブロモメチルベンゼンが1,3,5−トリスブロモメチルベンゼンであることを特徴とする星形ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の星形ポリフェニレンエーテルと、ポリフェニレンエーテルとを含むことを特徴とするポリフェニレンエーテル混合物。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の星形ポリフェニレンエーテルを含むポリフェニレンエーテル用流動性向上剤。
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