JP3431560B2 - 結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド) - Google Patents
結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)Info
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Description
(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)に
関する。
レンオキサイド)は、2,6−ジ置換フェノールの酸化
重合によって合成され、高い耐熱性を示すことが広く知
られている。例えば、J. Am. Chem. Soc. 81, 6335-633
6 (1959)にはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンオキサイド)が、Macromolecules, 2, 107-108 (19
69) にはポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレ
ンオキサイド)が報告されている。2位および6位に置
換基を有するフェノールを用いるのは、J. Polym. Sci.
: Part A : Polymer Chemistry, 36, 505-517 (1998)
に記載されているように、2つのオルト位のカップリン
グをブロックするためである。
5−ジ置換フェノールの酸化重合としては、Ecletica Q
uim., 18, 93-100 (1993) に銅/テトラメチルエチレン
ジアミン触媒を用いる方法、Polymer, 20(8), 995-1002
(1979) に銅/ジメチルピリジン触媒を用いる方法、Ch
em. Prum., 22(9), 451-454 (1972) に銅/モノアルキ
ルアミン触媒を用いる方法、Polimery, 14(11), 535-53
8 (1969) には銅/ジアルキルアミン触媒を用いる方
法、特公昭47−619号公報にマンガン/アルコキサ
イド触媒を用いる方法、特公昭50−28999号公報
に塩基性銅/ピリジン触媒を用いる方法、特公昭48−
20239号公報にマンガン/サリチルアルデヒドイミ
ン触媒を用いる方法が報告されている。しかし、これら
の触媒を用いる方法で得られた重合体は、いったん溶融
すると結晶化しないものであった。一般に重合体が溶融
後も結晶化する場合には、溶融成形体の耐熱性が結晶融
点まで保持されたり、また耐溶剤性が向上したりするこ
とが知られている。したがって、従来触媒で得られた重
合体は溶融後に結晶化しないため、本来の耐熱性や耐溶
剤性を十分に発現できないという問題があった。この原
因は、従来触媒では、オルト位カップリング反応や酸素
添加反応などの副反応を十分抑制できず、重合体中に
1,4−フェニレンオキサイド構造以外の種々の構造を
多く含むためと推定される。
新規な結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレ
ンオキサイド)を提供することを目的とする。
融後、冷却する際に、150℃以上に5J/g以上の結
晶化の発熱ピークを示す、及び/又は溶融物を、冷却
後、再び加熱する際に、150℃以上に5J/g以上の
結晶融解の吸熱ピークを示す、下記一般式(I)で表さ
れる繰り返し単位を有する結晶性ポリ(2,5−ジ置換
−1,4−フェニレンオキサイド)、
水素基を表し、二つのR1は互いに同一でも異なってい
てもよい。) (2)溶融後、冷却する際に、150℃以上に5J/g
以上の結晶化の発熱ピークを示す、及び溶融物を、冷却
後、再び加熱する際に、150℃以上に5J/g以上の
結晶融解の吸熱ピークを示す、(1)項記載の結晶性ポ
リ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイ
ド)、(3)実質的にゲル分を含まない(1)又は
(2)項記載の結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−
フェニレンオキサイド)、(4)数平均分子量が500
〜1,000,000である(1)〜(3)項のいずれ
か1項記載の結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フ
ェニレンオキサイド)、(5)一般式(I)で表される
繰り返し単位の含有量が、全繰り返し単位数に対して8
0単位%以上であることを特徴とする(1)〜(4)項
のいずれか1項記載の結晶性ポリ(2,5−ジ置換−
1,4−フェニレンオキサイド)、及び(6)下記一般
式(II)で表わされる2,5−ジ置換フェノールを酸化
重合して得られることを特徴とする(1)〜(5)項の
いずれか1項記載の結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,
4−フェニレンオキサイド)
同じ意味をもつ。)を提供するものである。
換−1,4−フェニレンオキサイド)とは、上記一般式
(I)で表される繰り返し単位を有するポリ(2,5−
ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)である。本発
明において、結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フ
ェニレンオキサイド)とは、溶融後冷却時に結晶化しう
る性質を有するポリマーをいう。
基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30の(より
好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、炭素原
子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜20
の)アラルキル基または炭素原子数6〜30の(より好
ましくは炭素原子数6〜20の)アリール基であり、具
体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso
−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシ
ル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ベンジル基、
2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基、フェニ
ル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナ
フチル基等が挙げられる。
水素基は、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、
二置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜30の
(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、
炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜
20の)アラルキル基、炭素原子数6〜30の(より好
ましくは炭素原子数6〜20の)アリール基であり、具
体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチル
オキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基等が
挙げられる。
子数1〜30の炭化水素基であることが好ましく、炭素
原子数1〜20の炭化水素基であることがより好まし
く、この炭化水素基としては炭素原子数1〜10のアル
キル基であることがより好ましく、炭素原子数1〜6の
アルキル基であることがさらに好ましい。本発明のポリ
マーは、上記一般式(I)で表される繰り返し単位以外
の構造については特に限定はなく、ランダムまたはブロ
ック共重合体でもよい。上記一般式(I)で表される繰
り返し単位の含有量は、目的のポリマーの物性を損なわ
ない範囲で適宜定められるが、全繰り返し単位数に対し
て、好ましくは80単位%以上であり、より好ましくは
90単位%以上であり、さらに好ましくは95単位%以
上である。本発明のポリマーにおいて、上記一般式
(I)で表される繰り返し単位以外の共重合構造として
は、下記一般式(IV)〜(VII)で表される繰り返し単
位や下記一般式(VIII)、一般式(IX)で表される繰り返
し単位を挙げることができる。
同じ意味をもち、すべてのR1は互いに同一でも異なっ
ていてもよい。)
素基または置換炭化水素基を表し、二つのR4及びR5
は同一でも異なっていてもよく、二つのR4及び/又は
二つのR5が環を形成していてもよい。)
I)のそれらと同じ意味を持ち、全てのR4及びR5は
同一でも異なっていてもよく、同じベンゼン環に置換し
た二つのR4及び/又は二つのR5が環を形成していて
もよい。R6は酸素原子、硫黄原子、二価の炭化水素基
または二価の置換炭化水素基を表わし、mは1又は0で
ある。) 上記一般式(IV)〜(VII)におけるR1の具体例及び
好ましい基などは上記一般式(I)におけるそれと同様
である。上記一般式(VIII)のR4及びR5における炭
化水素基としては、、二つのR 4及び二つのR5が環を
形成しない場合、好ましくは、炭素原子数1〜30の
(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、
炭素原子数7〜30の(より好ましくは7〜20の)ア
ラルキル基または炭素原子数6〜30の(より好ましく
は6〜20の)アリール基である。具体的にはメチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシ
ル基、オクタデシル基、ベンジル基、2ーフェニルエチ
ル基、1−フェニルエチル基、フェニル基、4−メチル
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げ
られる。二つのR4及び/又は二つのR5が環を形成す
る場合、5〜7員環が好ましく、二つのR4及び/又は
二つのR5が-(CH2)3-基、-(CH2)4-基または-CH=CH
-CH=CH-基として環を形成するものであることがより好
ましい。
る置換炭化水素基は、二つのR4及び二つのR5が環を
形成しない場合、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、二置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜3
0の(より好ましくは1〜20の)アルキル基、炭素原
子数7〜30の(より好ましくは7〜20の)アラルキ
ル基または炭素原子数6〜30の(より好ましくは6〜
20の)アリール基であり、具体例としては、トリフル
オロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジ
フェニルアミノプロピル基等が挙げられる。二つのR4
及び/又は二つのR5が環を形成する場合、前記の置換
基を有する、5〜7員環が好ましく、二つのR4及び/
又は二つのR5が前記の置換基を有する、-CH2-O-CH2
-基、-(CH2)3-、-(CH2)4-基または-CH=CH-CH=CH-
基として環を形成するものであることがより好ましい。
ましくは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水
素基であり、より好ましくは、水素原子または炭素原子
数1〜20のアルキル基である。特に好ましくはR4が
水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であ
り、R5が水素原子またはメチル基である。
体例及び好ましい基などは上記一般式(VIII)における
それらと同様である。上記一般式(IX)のR6における
二価の炭化水素基としては、炭素原子数1〜30の(よ
り好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキレン基、炭
素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜2
0の)アラルキレン基、または炭素原子数6〜30の
(より好ましくは炭素原子数6〜20の)アリーレン基
が好ましく、具体例としては、メチレン基、1,1−エ
チレン基、1,2−エチレン基、1,1−プロピレン
基、1,3−プロピレン基、2,2−プロピレン基、
1,1−ブチレン基、2,2−ブチレン基、3−メチル
−2,2−ブチレン基、3,3−ジメチル−2,2−ブチ
レン基、1,1−ペンチレン基、3,3−ペンチレン基、
1,1−へキシレン基、1,1−ヘプチレン基、1,1−
オクチレン基、1,1−ノニレン基、1,1−ドデシレ
ン基、1,1−ペンタデシレン基、1,1−オクタデシ
レン基、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロ
ヘキシレン基、フェニルメチレン基、ジフェニルメチレ
ン基、1−フェニル−1,1−エチレン基、9,9−フ
ルオレン基、α,α’−1,4−ジイソプロピルフェニ
レン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン
基、1,4−フェニレン基が挙げられる。
換炭化水素基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、
二置換アミノ基等で置換された、炭素原子数1〜30の
(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキレン
基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数
7〜20の)アラルキレン基または炭素原子数6〜30
の(より好ましくは炭素原子数6〜20の)アリーレン
基が好ましく、具体例としては、ヘキサフルオロ−2,
2−プロピレン基、ペンタフルオロフェニルメチレン
基、4−メトキシフェニルメチレン基、4−ジメチルア
ミノフェニルメチレン基等を挙げることができる。上記
一般式(IX)のR6としては、酸素原子または二価の炭
化水素基が好ましく、炭素原子数1〜20のアルキレン
基または炭素原子数7〜20のアラルキレン基がより好
ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基がさらに好ま
しい。
に、150℃以上に5J/g以上の結晶化の発熱ピーク
を示す、及び/又は溶融物を、冷却後、再び加熱する際
に、150℃以上に5J/g以上の結晶融解熱の吸熱ピ
ークを示す、ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレ
ンオキサイド)であり、好ましくは溶融後、冷却する際
に、150℃以上に5J/g以上の結晶化発熱ピーク、
及び溶融物を、冷却後、再び加熱する際に、150℃以
上に5J/g以上の結晶融解の吸熱ピークを示すポリ
(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)で
ある。該ポリマーにおいて、溶融する温度はポリマーが
溶融すればよいが、通常150℃以上である。好ましく
は200℃〜500℃であり、より好ましくは300℃
〜400℃であり、さらに好ましくは325℃〜375
℃である。
発熱ピーク温度(結晶化温度)が150℃未満の場合、
ポリマーは十分な耐熱性を発現できないため好ましくな
い。また結晶化の発熱ピーク熱量(結晶化熱量)が5J
/g未満の場合、十分な結晶化度が得られないため好ま
しくない。該ポリマーの溶融後、冷却する際の結晶化の
発熱ピーク温度は180℃以上が好ましく、210℃以
上がより好ましく、240℃以上がさらに好ましい。ま
た結晶化の発熱ピーク熱量は7.5J/g以上が好まし
く、10J/g以上がより好ましく、12.5J/g以
上がさらに好ましい。結晶化の発熱ピーク熱量の上限は
通常200J/gである。
に、結晶融解の吸熱ピーク温度(融解温度)が150℃
未満の場合、十分な耐熱性を発現できないため好ましく
ない。また結晶融解の吸熱ピーク熱量(融解熱量)が5
J/g未満の場合、十分な結晶化度が得られないため好
ましくない。
際の結晶融解の吸熱ピーク温度は200℃以上が好まし
く、250℃以上がより好ましく、280℃以上がさら
に好ましい。また結晶融解の吸熱ピーク熱量は10J/
g以上が好ましく、15J/g以上がより好ましく、2
0J/g以上がさらに好ましい。結晶融解の吸熱ピーク
熱量の上限は通常200J/gである。本発明のポリマ
ーは、さらに好ましくは実質的にゲル分を含まないもの
である。ゲル分のないことは、例えば、1,2−ジクロ
ロベンゼン1mlあたりポリマー1mgが150℃で溶
解することで確認できる。「実質的にゲル分を含まな
い」とは、ポリマー中に含有されるゲル分が好ましくは
5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下であるこ
とをいい、最も好ましくはゲル分が含有されないことを
いう。本発明のポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニ
レンオキサイド)の分子量について特に限定はないが、
数平均分子量が500〜1,000,000であること
が好ましく、1,000〜100,000であることが
より好ましく、2,000〜50,000であることが
さらに好ましい。本発明の前記一般式(I)で表される
繰り返し単位を有するポリマーは下記一般式(II)で表
される2,5−ジ置換フェノールを酸化重合させて製造
することができる。
つ。)
び好ましい基などは上記一般式(I)におけるそれと同
様である。本発明のポリマーにおいては、上記一般式
(II)で表される2,5−ジ置換フェノールを単独また
は混合して酸化重合することにより得てもよく、下記一
般式(X)で表されるフェノール及び/又は下記一般式
(XI)で表わされるビスフェノールと混合して酸化重合
することにより得てもよい。
それらと同じ意味をもち、R7は水素原子、フェノキシ
基、炭化水素基または置換炭化水素基である。)
それらと同じ意味をもつ。)
具体例及び好ましい基などは上記一般式(VIII)におけ
るそれらと同様である。上記一般式(X)のR7におけ
る炭化水素基または置換炭化水素基の具体例及び好まし
い基などは、上記一般式(I)におけるR1におけるそ
れらと同様である。上記一般式(X)のR7は、好まし
くは、水素原子、フェノキシ基または炭素原子数1〜3
0の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)炭化水素
基であり、特に好ましくは水素原子、フェノキシ基また
は炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、具体例として
は、水素原子またはフェノキシ基が挙げられる。上記一
般式(XI)におけるR4〜R6の具体例及び好ましい基な
どは、上記一般式(IX)におけるそれらと同様である。
上記一般式(II)で表される2,5−ジ置換フェノール
と、上記一般式(X)で表されるフェノール及び/又は
上記一般式(XI)で表わされるビスフェノールを混合し
て用いる場合、その混合比は目的のポリマーの物性を損
なわない範囲で適宜定められるが、2,5−ジ置換フェ
ノールが全フェノールモノマーに対して、好ましくは8
0モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上で
あり、さらに好ましくは95モル%以上である(これら
のフェノール類を以下にフェノール性出発原料と呼ぶこ
とがある)。
に詳細に説明する。
子が窒素原子である三座配位子と銅原子からなる銅錯体
触媒が好ましい。
原子が窒素原子である三座配位子である。この配位子と
は、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989年)
に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している分子
またはイオンを指す。結合に直接かかわっている原子を
配位原子という。三座配位子は配位原子数が3個の配位
子である。これに対し配位原子が窒素原子である二座及
び単座配位子と銅原子からなる触媒では、得られるポリ
マーが溶融、冷却後に結晶性を示さないので、好ましく
ない。
は、配位原子が窒素原子である以外には特に限定はな
い。かかる三座配位子の具体例を挙げれば、ジエチレン
トリアミン、ビス(2−ピリジルメチル)アミン、ビス
(2−ピリジルエチル)アミン、ビス(2−イミダゾリ
ルメチル)アミン、ビス(2−オキサゾリルメチル)ア
ミン、ビス(2−チアゾリルメチル)アミン、N−(2
−ピリジルメチリデン)−N−(2−ピリジルメチル)
アミン、2,2’:6’,2”−ターピリジン、3−
(2−ピリジルメチルイミノ)−2−ブタノンオキシ
ム、トリス(2−ピリジル)メタン、トリス(2−イミ
ダゾリル)メタン、トリス(1−ピラゾリル)メタン、
トリス(1−ピラゾリル)ホスフェイト、トリス(1−
ピラゾリル)ボーレート、1,4,7−トリアザシクロ
ノナン等、あるいは、それらの誘導体等を挙げることが
できる。
〜3価であるが、1または2価が好ましい。
銅原子の比に特に制限はないが、実質的に形成される錯
体として、該三座配位子1個あたり銅原子が1個以上が
好ましい。より好ましくは1〜3個であり、さらに好ま
しくは1個である。
以外の構造は、触媒能を失活させないならば特に限定さ
れるものではない。またこの銅錯体触媒には、錯体の原
料、合成過程及び/または酸化重合過程で、溶媒などが
配位していても良い。
るようなカウンターイオンが必要な場合がある。カウン
ターアニオンとしては、通常ブレンステッド酸の共役塩
基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化
物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオ
ン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラ
フルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイ
トイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタ
ンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸
イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオ
ン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、
メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられ
る。カウンターアニオンとして、好ましくは塩化物イオ
ン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸
イオン、酢酸イオン、水酸化物イオンまたはメトキサイ
ドイオンであり、さらに好ましくは塩化物イオン、臭化
物イオン、硫酸イオンまたは硝酸イオンである。またカ
ウンターカチオンとしては、アルカリ金属やアルカリ土
類金属等のカチオンを適宜用いることができる。
下記一般式(III)で表される銅錯体が挙げられる。
基または水素原子を表し、すべてのR 2は同一でも異な
っていてもよい。R3は二価の炭化水素基または置換炭
化水素基を表し、すべてのR3は同一でも異なっていて
もよい。Xはカウンターアニオンであり、nはXの個数
であって、銅とXの価数により適宜決定される。)
基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原
子数7〜20のアラルキル基または炭素原子数6〜20
のアリール基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、iso−ブチル基、t−ブチル基、1−ペンチル
基、3−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、
シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、4−メチル
シクロヘキシル基、4−tーブチルシクロヘキシル基、
3,5ージメチルシクロヘキシル基、ベンジル基、2ー
フェニルエチル基、1ーフェニルエチル基、フェニル
基、1ーナフチル基、2ーナフチル基等が挙げられる。
水素基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ
基等で置換された前記の好ましい炭化水素基であり、具
体例としては、ペンタフルオロフェニルメチル基、メト
キシエチル基、ジフェニルアミノプロピル基等が挙げら
れる。
素基が好ましく、炭素原子数1〜20のアルキル基また
は炭素原子数7〜20のアラルキル基がより好ましく、
炭素原子数2〜12のアルキル基がさらに好ましい。
化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキレン基
または炭素原子数6〜20のアリーレン基が好ましく、
具体例としては、メチレン基、1,2−エチレン基、
1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,4
−ブチレン基、2,4−ジメチル−2,4−ブチレン
基、1,2−ジフェニル−1,2−エチレン、1,2−
シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、
1,2−フェニレン基等を挙げることができる。
換炭化水素基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換
アミノ基等で置換された、前記の好ましい二価の炭化水
素基であり、具体例としては、テトラフルオロ−1,2
−エチレン基、4,5−ジメトキシ−1,2−フェニレ
ン基、4−ジメチルアミノ−1,2−フェニレン基等を
挙げることができる。
炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜20のアルキレ
ン基がより好ましく、炭素原子数2〜6のアルキレン基
がさらに好ましく、1,2−エチレン基が特に好まし
い。
常1または2であり、Xはカウンターアニオンであり、
nはXの個数であって、銅の価数により決定される。
造は、触媒能を失活させないならば特に限定されるもの
ではない。また、錯体の原料、合成過程及び/または酸
化カップリング反応過程で、溶媒などが配位していても
良い。
合物とを適当な溶媒中で混合する方法等により合成する
ことができる。該銅化合物としては、銅のブレンステッ
ド酸塩等が適宜用いられる。三座配位子化合物として
は、市販品を適宜用いることができるが、J. Chem. So
c. Dalton Trans., 83-90 (1993). や J. Am. Chem. So
c., 8865-8866, 117(1995)等を参考に合成することも可
能である。該銅錯体は、あらかじめ合成された錯体を用
いることができるが、反応系中で錯体を形成させてもよ
い。
が、一般的にはフェノール性出発原料に対する銅の量と
して0.001〜50モル%が好ましく、0.01〜1
0モル%がより好ましい。
ウンターイオンとしてフェノールよりも強い酸の共役塩
基を有する場合には、該銅錯体触媒を不活性化しない塩
基を、該カウンターイオンの1/4当量以上、重合時に
共存させることが好ましい。かかる塩基の例としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム、
ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド等の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化
物、アルコキサイド類;メチルアミン、エチルアミン、
プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリ
エチルアミン等のアミン類;ピリジン、2−メチルピリ
ジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジフェニル
ピリジン等のピリジン類が挙げられる。アルコキサイド
類、アミン類またはピリジン類をカウンターイオンの1
/4当量以上共存させることがより好ましく、ピリジン
類を1/2当量以上共存させることがさらに好ましい。
合反応における酸化剤は、酸素であり、不活性ガスとの
混合物であってもよく、空気でもよい。酸素の使用量
は、フェノール性出発原料に対して通常、当量以上大過
剰に使用する。
ることは可能であるが、一般には溶媒を用いることが望
ましい。溶媒はフェノール性出発原料に対し不活性でか
つ反応温度において液体であれば、特に限定されるもの
ではない。好ましい溶媒の例を示すならば、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シ
クロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハ
ロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等
のニトリル類;メタノール、エタノール、n−プロピル
アルコール、iso−プロピルアルコール等のアルコー
ル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド
類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物
類;水等が挙げられる。芳香族炭化水素系、鎖状及び環
状の脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトリル
類、エーテル類またはニトロ化合物類がより好ましく、
芳香族炭化水素系またはハロゲン化炭化水素がさらに好
ましい。これらは単独あるいは混合物として使用され
る。
原料の濃度が好ましくは0.5〜50重量%、より好ま
しくは1〜30重量%になるような割合で使用される。
酸化重合の反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲であ
れば特に制限はない。溶媒を用いない場合はフェノール
性出発原料の融点以上の温度が必要である。好ましい温
度範囲は0℃〜200℃であり、より好ましくは0℃〜
150℃である、さらに好ましくは0℃〜100℃であ
る。この反応を省エネルギーという観点から実施する場
合には好ましい反応温度は10℃〜60℃である。反応
時間は触媒量や反応温度などの条件によって変わるが、
通常1時間以上、好ましくは3〜300時間である。
フェニレンオキサイド)は、単独で、また、他のポリマ
ー及び/または改質剤との組成物として用いることがで
きる。組成物のポリマー成分として、具体的にはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリア
クリロニトリル及びそれらの共重合体等のポリオレフィ
ン類;ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキ
サイド)及びそれらの共重合体等のポリエーテル類;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリ(エチレン−2,6−ジナフタレート)、ポリ
(4−オキシベンゾエート)、ポリ(2−オキシ−6−
ナフタレート)及びそれらの共重合体等のポリエステル
類;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド類;ポリ
カーボネート;ポリフェニレンサルファイド;ポリサル
フォン;ポリエーテルサルフォン;ポリエーテルエーテ
ルケトン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;フェノー
ル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱
硬化性ポリマーを挙げることができる。組成物の改質剤
成分として、具体的には2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール誘導体、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
類等の安定剤;ポリハロゲン化物、リン酸エステル等の
難燃剤;界面活性剤;流動改質剤を挙げることができ
る。
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
ェニルエーテルを含む反応混合物15mgをサンプリン
グし、濃塩酸を若干量加えて酸性とし、メタノール2g
を加え、測定サンプルとした。このサンプルを、高速液
体クロマトグラフィー(ポンプ:東ソー社製SC802
0システム、検出器:東ソー社製PD−8020、検出
波長:278nm、カラム:YMC社製ODS−AM、
展開溶媒:メタノール/水=68:32よりスタートし
て38分後に100/0となるよう変化させ、その後5
0分まで保持)により分析し、ジフェニルエーテルを内
部標準物質として定量した。
ー1mgを1,2-ジクロロベンゼン(oDCBと略す。)1m
lに加え、150℃に加熱したときの不溶部(ゲル分と
する。)の有無を観察した。
分子量(Mw):ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーにより分析し、標準ポリスチレン換算値として重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。
Polymer Laboratories社製PL-GPC210システムにより、P
olymer Laboratories社製Plgel 10um MIXED-B 3本を
カラムとして、oDCB(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノ
ール0.01%w/v含有)を展開溶媒として、140℃で行
った。
晶化熱量(Hc)及び融解温度(Tm)、融解熱量(Hm):
示差走差熱量分析(MAC SCIENCE 社DSC3200S)をアルゴ
ン雰囲気下で実施した。まず、10℃/minで室温から3
50℃まで昇温し、5分保温後、10℃/minで350℃
から室温まで冷却したとき、150℃以上で5J/g以上
の発熱ピークを示す場合、そのピークトップ温度を結晶
化温度(Tc)とし、そのピーク面積を結晶化熱量(Hc)
とした。次に、再度10℃/minで室温から350℃以上
まで昇温したとき、150℃以上で5J/g以上の吸熱ピ
ークを示す場合、そのピークトップ温度を融解温度(T
m)とし、そのピーク面積を融解熱量(Hm)とした。結
晶化または融解のピークが見られない場合はN.D.とし
た。
酸素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸
素に置換した。これに、Cu(Cl2)(1,4,7-トリイソプロ
ピル-1,4,7-トリアザシクロノナン)(J. Am. Chem. So
c., 120, 8529-8530, (1998).参照、Cu(tacn)と略
す。)0.006mmolを入れ、2,5-ジメチルフェノ
ール1.2mmolと、塩基として2,6-ジフェニルピリ
ジン0.06mmolをトルエン2.4gに溶解したも
のを加えた。これを40℃に保温し、激しく撹拌した。
72時間後、濃塩酸数滴を加えて酸性にした後、メタノ
ール25mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタ
ノール10mlで3回洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥
した後、白色の重合体を得た。この重合体の分析結果を
表1に示す。本重合体の結晶化の発熱ピークを図1に、
結晶融解の吸熱ピークを図2に示す。なお、得られた重
合体を1,2-ジクロロベンゼン-d4中、100℃でNMR分析
(JEOL社製LA600)した。1H-NMR(600MHz)より、2.17p
pm(6H,s)、6.72ppm(2H,s)のピークが見られ、13C-N
MR(150Mhz)より、15.6ppm、120.3ppm、151.1ppm(も
う一本は1,2-ジクロロベンゼン-d4と重なった。)のピ
ークが観測された。これらから、本重合体は繰り返し単
位として2,5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサ
イド構造を有していることが判明した。
ンを0.6mmolに、反応時間を24時間にした以外
は実施例1と同様にして、白色の重合体を得た。表1に
反応における転化率と収率と重合体の物性についてその
分析結果を示す。この重合体は実施例1と同様の繰り返
し単位を有していることが確認された。
示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、白色
の重合体を得た。表1にその分析結果を示す。 実施例4 溶媒をキシレンに変えた以外は、実施例2と同様にし
て、白色の重合体を得た。表1に分析結果を示す。
酸素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸
素に置換した。これに、塩化第一銅(CuClと略
す。)0.06mmolを入れ、N,N,N’N’−テ
トラメチルエチレンジアミン(tmedと略す。)2.
52mmol、2,5−ジメチルフェノール1.2mm
olをクロロベンゼン6mlに溶解したものを加えた。
これを40℃に保温し、激しく撹拌した。24時間後、
実施例1と同様に後処理し、メタノール不溶部として褐
色を帯びた重合体を得た。この重合体の分析結果を表1
に示す。
えた以外は、比較例1と同様にして、すべて褐色を帯び
た重合体を得た。表1に結果を示す。なお、触媒につい
ては、CuCl/2,6-Me2PyはCuCl/2,6-ジメチルピリジン
(1/3mol/mol)であり、CuCl/n-Pr2NHはCuCl/ジ−
n−プロピルアミン(1/1mol/mol)であり、CuCl2/
c-HexNH2はCuCl2・2H2O/シクロヘキシルアミン(1
/16mol/mol)である。また、比較例4の溶媒はベン
ゼン/エタノール(7/3vol/vol)である。
素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素
に置換した。これに、カリウムt−ブトキサイド(t-Bu
OKと略す。)0.096mmolを入れ、2,5-ジメチル
フェノール1.2mmolをトルエン2.4gに溶解し
たものを加え、さらにMnCl2・4H2O(MnCl2と略
す。)0.012mmolをメタノール240mgに溶
解したものを加えた。これを40℃に保温し、激しく撹
拌した。25時間後、実施例1と同様に後処理し、メタ
ノール不溶部として褐色を帯びた重合体を得た。この重
合体の分析結果を表1に示す。
素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素
に置換した。これに、CuClを二日間空気中に放置し
た塩基性銅塩(basic CuCl と略す。)40mgと、ピ
リジン(pyと略す。)710mgを入れ、2,5−ジ
メチルフェノール1.2mmolをニトロベンゼン2m
lに溶解したものを加えた。これを30℃に保温し、激
しく撹拌した。8時間後、実施例1と同様に後処理し、
メタノール不溶部として褐色を帯びた重合体を得た。こ
の重合体の分析結果を表1に示す。
素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素
に置換した。これに、水酸化カリウム0.34mmol
をメタノール1.5mlに溶かしたものを入れ、サリチ
ルアルデヒドエチルイミン(salea と略す。)0.24
mmol及びMnCl2 0.12mmolを加え、約
5分間撹拌した。さらに、2,5−ジメチルフェノール
1,2mmolをトルエン2.4gに溶解したものを加
えた。この溶液を30℃に保温し、激しく撹拌した。8
時間後、実施例1と同様に後処理し、メタノール不溶部
として褐色を帯びた重合体を得た。この重合体の分析結
果を表1に示す。
と、比較例1〜7により得られた重合体は、溶融後、冷
却時に、結晶化を示す発熱ピーク、溶融物冷却後、再加
熱溶融時の結晶融解を示す吸熱ピークのいずれも有さ
ず、結晶性重合体が得られていないことが分かる。これ
に対し本発明の実施例1〜4により得られた重合体は、
溶融後冷却時又は再加熱溶融時に、5J/g以上の、発
熱ピーク又は吸熱ピークを有し、結晶性に優れることが
分かる。
−プロピルフェノール(J.Chem.Soc.Che
m.Comm.584(1974)を参考にして合成し
た。)1.20mmolを用いた以外は実施例2と全く
同様にして、白色の重合体を得た。表2に分析結果を示
す。なお、得られた重合体を1,2-ジクロロベンゼン-d4
中、60℃でNMR分析(JEOL社製LA600)した。1H-NMR
(600MHz)より、0.81ppm(6H,t)、1.56ppm(4H,q)、
2.55ppm(4H,t)、6.74ppm(2H,s)のピークが見られ、
13C-NMR(150Mhz)より、13.8ppm、23.4ppm、32.2ppm、
119.7ppm、132.3ppm、151.0ppmのピークが観測された。
これらから、本重合体は繰り返し単位として2,5−ジ
−n−プロピル−1,4−フェニレンオキサイド構造を
有していることが判明した。また表2の結果より、この
重合体は所望の結晶性を示すことが分かる。
にして、白色の重合体を得た。表2に分析結果を示す。
実施例5と実施例6の比較から、反応時間を延長するこ
とによって、重合体の分子量を大きくすることができた
ことがわかる。このように、重合時間、重合温度、触媒
量、モノマー濃度を調整することにより、重合体の分子
量を向上させることが可能である。
so−プロピルフェノール(J. Chem. Soc. Part I, 95
9 (1960) を参考にして合成した。)1.20mmol
を用い、反応時間を30時間にした以外は実施例2と全
く同様にして、白色の重合体を得た。表2に分析結果を
示す。なお、得られた重合体を1,2-ジクロロベンゼン-d
4中、140℃でNMR分析(JEOL社製LA600)した。1H-NM
R(600MHz)より、1.20ppm(12H,d)、3.38ppm(2H,b
r)、6.86ppm(2H,s)のピークが見られ、13C-NMR(150
Mhz)より、22.6ppm、27.2ppm、116.5ppm、137.4ppm、1
50.7ppmのピークが観測された。これらから、本重合体
は繰り返し単位として2,5−ジ−iso−プロピル−
1,4−フェニレンオキサイド構造を有していることが
判明した。また表2の結果より、この重合体は所望の結
晶性を示すことが分かる。
シル−5−メチルフェノール(本州化学工業社製)1.
20mmolを用い、反応時間を96時間にした以外は
実施例1と全く同様にして、白色の重合体を得た。表2
に分析結果を示す。
ルフェノール1.14mmol及び共重合モノマーとし
て2−メチルフェノール0.06mmolを用いた以外
は実施例2と全く同様にして、白色の共重合体を得た。
表3に分析結果を示す。表3の結果より、この共重合体
は所望の結晶性を示すことが分かる。
lに、及び共重合成分を2−オクタデシルフェノール
(J. Am. Chem. Soc. 114, 1790 (1992) を参考にして
合成した)0.06mmolに変えた以外は実施例2と
同様にして、白色の重合体を得た。表3に分析結果を示
す。
lに、及び共重合成分を2−オクタデシルフェノール
0.12mmolに変えた以外は実施例2と同様にし
て、白色の重合体を得た。表3に分析結果を示す。
lに、及び共重合成分をビスフェノールA 0.06m
molに変えた以外は実施例2と同様にして、白色の重
合体を得た。表3に分析結果を示す。
に変えた以外は実施例1と同様に重合したところ、24
時間後のモノマー転化率は65%となった。実施例1と
同様に後処理したところ、メタノール不溶部として赤色
の2,2’6,6’−テトラメチルジフェノキノンのみ
が収率25%で得られた。実施例1で2,5−ジメチル
フェノールからポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェ
ニレンオキサイド)が得られたのと同じ触媒を用いたに
もかかわらず、参考例では2,6−ジメチルフェノール
からポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキ
サイド)が全く得られなかったことは、2,5−ジメチ
ルフェノールと2,6−ジメチルフェノールの重合挙動
が全く異なることを示している。
1,4−フェニレンオキサイド)は、溶融−冷却後に結
晶化する着色の少ないポリマーである。本発明の結晶性
ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイ
ド)は、一般有機溶媒に対する耐溶剤性が優れ、耐熱性
も高く、溶融成形材料やフィルム材料などに有用であ
る。
ャートである。
示すチャートである。
Claims (6)
- 【請求項1】 溶融後、冷却する際に、150℃以上に
5J/g以上の結晶化の発熱ピークを示す、及び/又は
溶融物を、冷却後、再び加熱する際に、150℃以上に
5J/g以上の結晶融解の吸熱ピークを示す、下記一般
式(I)で表される繰り返し単位を有する結晶性ポリ
(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)。 【化1】 (式中、R1は炭化水素基または置換炭化水素基を表
し、二つのR1は互いに同一でも異なっていてもよ
い。) - 【請求項2】 溶融後、冷却する際に、150℃以上に
5J/g以上の結晶化の発熱ピークを示す、及び溶融物
を、冷却後、再び加熱する際に、150℃以上に5J/
g以上の結晶融解の吸熱ピークを示す、請求項1記載の
結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキ
サイド)。 - 【請求項3】 実質的にゲル分を含まない請求項1又は
2記載の結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニ
レンオキサイド)。 - 【請求項4】 数平均分子量が500〜1,000,0
00である請求項1〜3のいずれか1項記載の結晶性ポ
リ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイ
ド)。 - 【請求項5】 一般式(I)で表される繰り返し単位の
含有量が、全繰り返し単位数に対して80単位%以上で
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載
の結晶性ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオ
キサイド)。 - 【請求項6】 下記一般式(II)で表わされる2,5−
ジ置換フェノールを酸化重合して得られることを特徴と
する請求項1〜5のいずれか1項記載の結晶性ポリ
(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)。 【化2】 (式中、R1は上記一般式(I)のそれと同じ意味をも
つ。)
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