JP2001261817A - 樹脂およびその製造方法 - Google Patents
樹脂およびその製造方法Info
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Abstract
する。 【解決手段】 ハロゲン原子を含有するフェノールを、
遷移金属錯体と酸化剤の存在下、酸化重合させて得られ
る、150℃以上500℃以下の融点を有する酸化重合
体よりなる樹脂。
Description
ロゲン原子含有樹脂に関する。
媒に用いてフェノール類を重合できることが既に知られ
ている(例えば、特開昭49−26264号公報)。ま
た、パーオキサイドの存在下、遷移金属錯体を触媒に用
いてフェノール類を重合できることが既に知られている
(例えば、、特許第3010195号公報、特開平8−
53545号公報、Polymer Bulleti
n、42、125(1999))。しかしながら、これ
らの報告にはハロゲン原子を含有するモノマーの重合に
より融点を有するポリマーが得られたという記載はな
い。
れ、成形材料として有用なハロゲン原子含有樹脂を提供
することを課題とする。
に手段により達成される。 (1)ハロゲン原子を含有するフェノールを、遷移金属
錯体と酸化剤の存在下、酸化重合させて得られる、15
0℃以上500℃以下の融点を有することを特徴とする
酸化重合体よりなる樹脂。 (2)遷移金属錯体が下記一般式(I)で示される
(1)項記載の樹脂。
含む残基を表す。R1、R6はそれぞれ独立に水素原子、
炭化水素基、置換炭化水素基、O-、炭化水素オキシ
基、置換炭化水素オキシ基、アミノ基または置換アミノ
基を表し、R2、R5はそれぞれ独立に水素原子、炭化水
素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水
素オキシ基、炭化水素オキシカルボニル基、置換炭化水
素オキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基またはハロ
ゲン原子を表し、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、
炭化水素基、置換炭化水素基またはO-を表す。R7は二
価の炭化水素基または置換炭化水素基を表す。R1とR2
とがおよび/またはR5とR6とが環を形成してもよ
い。) (3)ハロゲン原子を含有するフェノールが2,6−ジ
フルオロフェノールである(1)または(2)項記載の
樹脂。 (4)(1)〜(3)項のいずれか1項記載の樹脂を成
形してなることを特徴とする成形物。 (5)ハロゲン原子を含有するフェノールを、遷移金属
錯体と酸化剤の存在下、酸化重合させるに当り、ハロゲ
ン原子を含有するフェノールを、遷移金属錯体と酸化剤
の存在下、50℃以上300℃以下の温度で反応させて
150℃以上500℃以下の融点を有する樹脂を得るこ
とを特徴とする酸化重合体よりなる樹脂の製造方法。 (6)(1)〜(3)項のいずれか1項記載の樹脂を成
形することを特徴とする成形物の製造方法。
フェノールとしては、下記の一般式(II)で表されるも
のが挙げられる。 一般式(II)
示し、置換基Rの少なくとも1つはハロゲン基である。
置換基Rには、例えば水素原子、ハロゲン基、ヒドロキ
シ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基、アシル基、スルホニル基、置換アミノ
基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基等が包含され
る。
基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード
基、ヨードシル基、ヨードイル基を示すことができる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、1−メチルブチル基、2−エチルブチル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t
ert−ペンチル基、イソヘキシル基を示すことができ
る。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−
プロペニル基、1,3−ブタジエニル基、イソプロペニ
ル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニ
ル基を示すことができる。アルキニル基としては、エチ
ニル基を示すことができる。アリール基としては、フェ
ニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、クメニ
ル基、ベンジル基、ナフチル基を示すことができる。エ
ーテル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ
基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基を示すことができ
る。エステル基としては、メトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、
ベンゾイルオキシ基、アシル基としては、ホルミル基、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリ
ル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘ
キサノイル基、オクタノイル基、ラウロイル基、パルミ
トイル基、ステアロイル基、オレオイル基、アクリロイ
ル基、メタクリロイル基、クロロホルミル基、ピルボイ
ル基、オキザロ基、メトキシアリル基、エトキシアリル
基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、トル
オイル基、シンナモイル基、ナフトイル基を示すことが
できる。置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ
基、ヒドロキシアミノ基、アセトアミド基、ベンズアミ
ド基を示すことができる。
フェノールの例としては、2,6-ジフルオロフェノール、
2-フルオロフェノール、3-フルオロフェノール、4-フル
オロフェノール、2,3,5,6-テトラフルオロフェノール、
2,6-ジクロロフェノール、2,6-ジブロモフェノール等が
挙げられるが、好ましくは2,6-ジフルオロフェノールを
使用することができる。
または混合して用いることができる。これらは任意の量
を使用することができ、用いる遷移金属錯体の触媒活性
により適宜加減すればよいが、一般的にはハロゲン原子
を含有するフェノールに対して0.0001〜30モル
%、好ましくは0.01〜10モル%程度使用すること
ができる。また、触媒としては、反応時に遷移金属化合
物と対応する配位子を混合して用いることもできる。こ
の場合配位子は任意の量を使用することができるが、一
般的には遷移金属に対して0.1〜10モル当量程度使
用することが好ましい。
は、元素の周期律表(IUPAC無機化学名法改訂版1
989)の第4〜11族の遷移金属原子である。好まし
くは、第一遷移元素系列の遷移金属原子であり、さらに
好ましくはバナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅で
ある。特に好ましくは鉄、コバルトである。
位原子がそれぞれ窒素原子、リン原子、酸素原子または
硫黄原子である配位子である。本発明において配位子と
は、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989年)
に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している分子
またはイオンを指す。ここで配位結合に直接かかわって
いる原子を配位原子という。単座配位子は1個の配位子
であり、二座配位子は2個の配位子であり、三座配位子
は3個の配位子であり、四座配位子は配位原子数が4個
の配位子であり、五座配位子は配位原子数が5個の配位
子である。
は、該配位子1個あたりの遷移金属原子数は1個以上で
あればよいが、1個以上、配位子の配座数個以下である
ことが好ましく、1個であることがより好ましい。
配位子は、ハロゲン原子を含有するフェノールを重合す
る能力を備えていれば特に限定はないが四座配位子を好
ましく使用することができる。
−ピリジルメチル)アミン、トリス(2−イミダゾリル
メチル)アミン、トリス(1−メチル−2−イミダゾリ
ルメチル)アミン、トリス(2−ベンズイミダゾリルメ
チル)アミン、トリス(2−ベンズオキサゾリルメチ
ル)アミン、トリス(2−ベンズチアゾリルメチル)ア
ミン、トリス(1−ピラゾリルメチル)アミン、トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリルメチル)アミン、
トリス(3,5−ジプロピル−1−ピラゾリルメチル)
アミン、トリス(3,5−ジフェニル−1−ピラゾリル
メチル)アミン、ニトリロ三酢酸、ニトリロトリエタノ
ール、ニトリロトリ−1−プロパノール、トリス(2−
ピリジル−2−エチル)アミン、トリス(1−ピラゾリ
ル−2−エチル)アミン、N−(2−メルカプトエチ
ル)−N,N−ジエタノールアミン、N−(ジフェニル
ホスフィノエチル)−N,N−ジエタノールアミン、ト
リエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ト
リエチレンテトラミン、N,N'''−ジメチルトリエチ
レンテトラミン、N,N,N''',N'''−テトラメチル
トリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(3−
ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N’−エ
チレンジアミン二酢酸、N,N’−ビス(2−ピリジル
メチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−イミ
ダゾリルメチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス
(2−ベンズイミダゾリルメチル)エチレンジアミン、
N,N’−ビス(2−メルカプトエチル)エチレンジア
ミン、N,N’−ビス(ジフェニルホスフィノエチル)
エチレンジアミン、N,N’−ジサリシリデンエチレン
ジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−3−オキソブ
チリデン)エチレンジアミン、N−2−ヒドロキシエチ
ル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N−2−ヒ
ドロキシエチル−N’−サリシリデン−1,3−プロピ
レンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピル−N’−サ
リシリデン−1,3−プロピレンジアミン、N−3−ヒ
ドロキシプロピル−N’−サリシリデンエチレンジアミ
ン、N−2−ジメチルアミノエチル−N’−サリシリデ
ンエチレンジアミン、N−2−ピリジルメチル−N’−
サリシリデンエチレンジアミン、N,N’−ビス(2−
アミノ−3−ベンジリデン)エチレンジアミン、1−
(ジアセチルモノオキシムイミノ)−3−(ジアセチル
モノオキシマトイミノ)プロパン、12−クラウン−
4,1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ
ン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン
−5,7−ジオン、1,4,8,11−テトラメチル−
1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、
1,4,7,10−テトラチアシクロドデカン、2,
3,9,10−テトラメチル−1,4,8,11−テト
ラアザシクロテトラデカ−1,3,8,10−テトラエ
ン、5,7,12,14−テトラメチル−1,4,8,
11−テトラアザシクロテトラデカ−4,6,11,1
3−テトラエン、ポルフィリン、フタロシアニン等、あ
るいは、それらからプロトンを一つ又はそれ以上取り去
って得られる陰イオン等を挙げることができる。
配位子の配位原子は、好ましくは、窒素原子および/ま
たは酸素原子である。本発明に用いられる遷移金属錯体
は、好ましくは下記一般式(I)で表される遷移金属錯
体である。
含む残基を表す。R1、R6はそれぞれ独立に水素原子、
炭化水素基、置換炭化水素基、O-、炭化水素オキシ
基、置換炭化水素オキシ基、アミノ基または置換アミノ
基を表し、R2、R5はそれぞれ独立に水素原子、炭化水
素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水
素オキシ基、炭化水素オキシカルボニル基、置換炭化水
素オキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基またはハロ
ゲン原子を表し、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、
炭化水素基、置換炭化水素基またはO-を表す。R7は二
価の炭化水素基または置換炭化水素基を表す。R1とR2
とがおよび/またはR5とR6とが環を形成してもよ
い。)
1族遷移金属原子を含む残基であり、第4〜11族遷移
金属原子、または=Oのごとき基の結合した遷移金属原
子等である。上記一般式(I)における炭化水素基とし
ては、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基及びアリール基が好ましく、具体的に
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロ
ピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ベンジル基、フ
ェニル基、ナフチル基等が挙げられる。上記一般式
(I)における置換炭化水素基は、ハロゲン原子、アル
コキシ基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基等で置換
された炭化水素基である。上記一般式(I)におけるO
-は、ヒドロキシ基からプロトンを一つ取り去ったもの
を示す。
基としては炭素原子数1〜20のアルコキシ基及びアリ
ールオキシ基が好ましく、具体的にはメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ
基、オクチルオキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等
が挙げられる。上記一般式(I)における置換炭化水素
オキシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基等
で置換された炭化水素オキシ基であり、具体例として
は、トリフルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシエ
トキシ基、3−ジフェニルアミノプロポキシ基等が挙げ
られる。上記一般式(I)における置換アミノ基として
は炭素原子数1〜20の置換アミノ基が好ましく、具体
的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルア
ミノ基、ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジ
ブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピ
ルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ
基、ジナフチルアミノ基等が挙げられる。
カルボニル基としては、炭素原子数1〜20の炭化水素
オキシカルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカル
ボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、フェノキシ
カルボニル基等が挙げられる。上記一般式(I)におけ
る置換炭化水素オキシカルボニル基は、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アミノ基等で置換された炭化水素オキシ
カルボニル基であり、具体例としては、トリフルオロメ
トキシカルボニル基、2−t−ブチルオキシエトキシカ
ルボニル基、3−ジフェニルアミノプロポキシカルボニ
ル基等が挙げられる。上記一般式(I)におけるハロゲ
ン原子として好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子であり、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子であ
る。上記一般式(I)において、R7、R8およびR9は
二価の炭化水素基または置換炭化水素基であり、具体例
としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,2−
プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレ
ン基等のアルキレン基、1,2−シクロペンチレン基、
1,2−シクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基、
フェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基等を挙げ
ることができ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、
1,3−プロピレン基、1,2−シクロヘキシレン基で
ある。
における四座配位子の具体例としては、N,N’−ジサ
リシリデンエチレンジアミン、N−(3−オキソペンチ
リデン)−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N,
N’−ビス(3−オキソブチリデン)エチレンジアミ
ン、N,N’−ビス(3−オキソブチリデン)−1,3
−プロパンジアミン、N,N’−ビス(3−オキソブチ
リデン)−1,2−フェニレンジアミン、N,N’−ビ
ス(1−メチル−3−オキソブチリデン)エチレンジア
ミン、N,N’−ビス(3−オキソペンチリデン)エチ
レンジアミン、N,N’−ビス(3−オキソヘキシリデ
ン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチル−
3−オキソペンチリデン)エチレンジアミン、N,N’
−ビス(4,4−ジメチル−3−オキソペンチリデン)
エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−フェニル−3
−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビ
ス(4−トリフルオロメチル−3−オキソブチリデン)
エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノ3−オ
キソブチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス
(2−シアノ−3−オキソブチリデン)エチレンジアミ
ン、N,N’−ビス(2−ニトロ−3−オキソブチリデ
ン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−カルボキ
シルエチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス
[2−(メトキシカルボニル)エチリデン]エチレンジ
アミン、N,N’−ビス[2−(ジメチルアミノカルボ
ニル)エチリデン]エチレンジアミン、N,N’−
(1,2−エチレン)−ビス(サリチル酸アミド)、
N,N’−(1,2−エチレン)−ビス(マロン酸モノ
メチルモノアミド)等、あるいは、それらからプロトン
を一つ又はそれ以上取り去って得られる陰イオン等を挙
げることができる。
に好ましくは下記一般式(III)で表される遷移金属錯体
である。
む残基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、炭
化水素基または置換炭化水素基を表し、R7は二価の炭
化水素基または置換炭化水素基を表す。R11〜R18はそ
れぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、
炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、置換アミノ
基、ニトロ基またはハロゲン原子を表す。
基、置換炭化水素基、二価の炭化水素基または置換炭化
水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、置
換アミノ基、ハロゲン原子は、上記一般式(I)及び
(II)についてしたと同様のものが挙げられる。上記一
般式(III)においてR3、R4、R7、R11〜R18として
さらに好ましくは、R3、R4がそれぞれ独立に水素原子
または炭化水素基であり、R7がアルキレン基、シクロ
アルキレン基、アリーレン基であり、R11〜R18がそれ
ぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素
基、炭化水素オキシ基、置換アミノ基、ニトロ基、塩素
原子、臭素原子である。特に好ましくは、R3、R4がそ
れぞれ独立に水素原子、メチル基、フェニル基であり、
R7が1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、
1,2−シクロヘキシレン基、1,2−フェニレン基で
あり、R11〜R18がそれぞれ独立に水素原子、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、t−ブチル基、ベンジル基、トリフルオ
ロメチル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、ニトロ
基、塩素原子、臭素原子である。
は、例えば「第4版 実験化学講座17−無機錯体・キ
レート錯体」丸善(株)、1991年、302頁等に記
載されているような一般的な方法により得ることができ
る。該遷移金属錯体は、あらかじめ合成された錯体を用
いることができるが、反応系中で錯体を形成させてもよ
い。
て、配位子と遷移金属原子以外の構造は、触媒能を失活
させないならば特に限定されるものではない。例えば、
配位子としてN,N’−ジサリシリデンエチレンジアミ
ンを、遷移金属として鉄を用いた、N,N’−ジ(サリ
シリデン)エチレンジアミナト鉄(II)遷移金属錯体
は、酸素下において容易に酸素架橋体であるμ−オキソ
−ビス{(N,N’−ジサリシリデンエチレンジアミナ
ト鉄(III))}を形成することが知られているが、こ
のものを用いても何ら問題はない。
気的中性を保たせるようなカウンターイオンが必要な場
合がある。カウンターアニオンとしては、通常ブレンス
テッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ
化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸
イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフル
オロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、ト
リフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン
酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロ
ピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸
化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン
等が挙げられる。またカウンターカチオンとしては、ア
ルカリ金属やアルカリ土類金属等のカチオンを適宜用い
ることができる。また本発明の遷移金属錯体には、錯体
の原料、合成過程および/または酸化重合過程で、溶媒
などが配位していても良い。本発明に用いられる遷移金
属錯体の活性を高めるため助触媒を用いても良い。助触
媒としてはアミン、ジケトン錯体、ハロゲン化金属等が
挙げられる。
mer Bulletin、42、125(1999)
に示されているように、重合活性の向上等の効果が期待
できる。用いられるアミン種としては、遷移金属錯体の
活性に影響を及ぼさず、ハロゲン原子を有するフェノー
ルや反応溶媒に可溶性を示すものであれば特に制限はな
く、公知のものが使用できる。具体的には、ピリジン、
トリエチルアミン、2,6−ルチジン、N,N,N’,
N’−テトラエチレンジアミン等の第3級アミンを用い
ることができ、好ましくは原料ハロゲン原子を有するフ
ェノールに対して0.001〜200重量%、より好ま
しくは0.001〜50重量%の範囲で用いることが好
ましい。
ナジウム、クロム、マンガン、またはニッケルのアセチ
ルアセトナト錯体を挙げることができる。具体的には、
ビス(アセチルアセトナト)コバルト(II)、トリスア
セチルアセトナト)コバルト(III)、ビス(アセチル
アセトナト)マンガン(II)、トリス(アセチルアセト
ナト)マンガン(III)、トリス(アセチルアセトナ
ト)鉄(III)、ビス(アセチルアセトナト)オキソバ
ナジウム(IV)等を挙げることができ、使用する遷移金
属錯体に対して0.1〜5モル等量、より好ましくは
0.5〜2モル等量使用するのが好ましい。ハロゲン化
金属の具体例としては、塩化第一コバルト、塩化第二コ
バルト等を挙げることができ、使用する遷移金属錯体に
対して0.1〜5モル当量、より好ましくは0.5〜2
モル当量使用するのが好ましい。
用されるが、好ましくは酸素またはパーオキサイドが使
用できる。酸素は不活性ガスとの混合物であってもよ
く、空気でもよい。またパーオキサイドの例としては、
過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸等
を示すことができる。さらに好ましくはパーオキサイド
が使用でき、特に好ましくは過酸化水素である。
定はなく、酸素を用いる場合は、ハロゲン原子を含有す
るフェノールに対して通常、当量以上大過剰に使用す
る。パーオキサイドを用いる場合は、ハロゲン原子を含
有するフェノールに対して通常、当量以上3当量以下を
使用するが、当量以上2当量以下を使用するのが好まし
い。
施することは可能であるが、一般には溶媒を用いること
が望ましい。溶媒はハロゲン原子を含有するフェノール
に対し不活性でかつ反応温度において液体であれば、特
に限定されるものではない。好ましい溶媒の例を示すな
らば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪
族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジク
ロロメタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、
ベンゾニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコ
ール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン等のアミド類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等の
ニトロ化合物類;水等が挙げられる。これらは単独ある
いは混合物として使用される。
有するフェノールの濃度が好ましくは0.5〜70重量
%、より好ましくは1〜50重量%になるような割合で
使用される。本発明を実施する反応温度範囲は、50℃
〜300℃以下であり、より好ましくは50℃〜200
℃である。
500℃以下の融点を有するが、好ましくは200℃か
ら350℃である。また、熱可塑性ポリマーの実用化に
当たっては、溶融形成後に結晶性を示すか否かが重要で
あるが、本発明で得られる樹脂は、熱可逆的な融点を2
00℃以上に有している点で特徴的である。
で加工して成形することが可能である。例えば、本発明
の樹脂は熱可逆的な融点を有することから単独で成形加
工することが可能である特徴を有している。
レン、スチレンーアクリロニトリル共重合体、ポリ(メ
タ)アクリレート、ポリ(メタ)メチルアクリレート、
などの既存の熱可塑性ポリマー、ポリブタジエン、スチ
レンーブタジエン共重合体などのゴムあるいはスチレン
などの反応性モノマーを併用ないし架橋したものを使用
して成形加工することもできる。
ェノールを、遷移金属錯体と酸化剤の存在下、50℃以
上300℃以下の温度で反応させて得られることを特徴
とする150℃以上500℃以下の融点を有する樹脂が
得られる。この融点は熱可逆的であり、従って本発明で
得られる酸化重合体よりなる樹脂は、熱可塑性樹脂の一
般的な成形方法、例えば射出成形、押出し成形、ブロー
成形、熱成形、圧縮成形などの方法で成形が可能であ
る。
るが、これらは本発明を限定するものではない。
ロフェノール5ミリモル(650mg)を1,4−ジオ
キサン20mLに溶解した。このものに、ピリジン0.
2mL、N,N’−ジ(サリシリデン)エチレンジアミ
ナト鉄(II)17.3mgを添加し超音波処理を数分行
った。このものを60℃のオイルバスに付し、10%過
酸化水素水170マイクロリットルを10分置きに10
回添加した。過酸化水素の添加開始から3時間後、反応
液中に5N塩酸1mLを加えて反応を停止した。反応終了
後、反応液を約200mLのメタノールに投入し、生成
した沈殿物をろ過により回収して減圧乾燥したところ、
粉末状のポリマーが得られた(513mg:収率79
%)。このものの3mgをテトラヒドロフラン(以下TH
F)1mLに加えて良く混合したところ、約56%がTHF
に溶解していた。THF可溶部のGPC分析をおこなった
ところ、数平均分子量はポリスチレン換算で3800、
分子量分布は1.8であった。同様にTHF可溶部のプロ
トンNMR、カーボン13NMR、フッ素NMR測定より、得
られたポリマーは、ポリ(2,6−ジフルオロ−1,4
−フェニレンオキシド)であると推察された。また、こ
のものの元素分析では、C:56.42(56.2
7)、H:1.57(1.57)、F:28.84(2
9.67)(括弧内はポリ(2,6−ジフルオロ−1,
4−フェニレンオキシド)が生成した場合の計算値)の
ように各元素の値が観測され、ポリ(2,6−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレンオキシド)の生成を裏付けた。
さらに、このものの熱分析を不活性ガス下で行った。熱
重量測定において、5%の重量減少を示す温度は395
℃、10%の重量減少を示す温度は483℃であった
(アルゴン下、昇温速度:毎分10℃)。また、示差走
査熱量(以下DSC)測定を、窒素下毎分10℃の昇温速
度で、室温から300℃に上昇させた後、室温まで冷却
し、さらに300℃まで昇温させたところ、1回目の昇
温において259.5℃に、2回目の昇温において25
2.6℃に融点が観測された。また、2回目の昇温にお
いてはガラス転移温度が115.2℃に観測された。さ
らに、1回目の昇温では156.7℃、2回目の昇温で
は175.2℃に結晶化ピークが観測された。2回目の
昇温のDSCチャートを図1に示す。 (実施例―2)N,N’−ジ(サリシリデン)エチレン
ジアミナト鉄(II)の使用量が16.6mgであり、ま
たピリジンを用いない以外は、実施例1と同様の操作を
行った。ポリマーは364mg得られた(収率56
%)。このものはTHFに完全に溶解した。このもののG
PC分析をおこなったところ、数平均分子量はポリスチ
レン換算で1900、分子量分布は3.0であった。プ
ロトンNMR、カーボン13NMR、フッ素NMR測定より得
られたポリマーは、ポリ(2,6−ジフルオロ−1,4
−フェニレンオキシド)であると推察された。このもの
のDSC測定を、窒素下毎分10℃の昇温速度で、室温か
ら300℃に上昇させた後室温に冷却し、さらに300
℃まで昇温させて行ったところ、1回目の昇温において
199.2℃と236.7℃に、2回目の昇温において
231.2℃に融点が観測された。また、2回目の昇温
においてはガラス転移温度が96.7℃に観測された。
さらに、2回目の昇温では172.7℃に結晶化ピーク
が観測された。 (実施例−3)実施例1で得られた不定形の粉末状ポリ
マー数mgをアルミ性のパンに入れてアルゴン下で33
0℃に加熱し、室温まで冷却したところ、アルミパンの
形に添った成形物が出来た。
フェノールを、遷移金属錯体と酸化剤の存在下、反応さ
せて得られることを特徴とする150℃以上500℃以
下の融点を有する酸化重合体よりなる樹脂が得られる。
この融点は熱可逆的であり、成形性に優れる。従って本
発明で得られるポリマーは、熱可塑性樹脂の一般的な成
形方法、例えば射出成形、押出し成形、ブロー成形、熱
成形、圧縮成形などの方法で成形が可能である。
定において、2回目の昇温(窒素下、毎分10℃、室温
から300℃)で得られたチャートである。
Claims (6)
- 【請求項1】 ハロゲン原子を含有するフェノールを、
遷移金属錯体と酸化剤の存在下、酸化重合させて得られ
る、150℃以上500℃以下の融点を有することを特
徴とする酸化重合体よりなる樹脂。 - 【請求項2】 遷移金属錯体が下記一般式(I)で示さ
れる請求項1記載の樹脂。 【化1】 (式中、Mは第4〜11族遷移金属原子を含む残基を表
す。R1、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、
置換炭化水素基、O-、炭化水素オキシ基、置換炭化水
素オキシ基、アミノ基または置換アミノ基を表し、
R2、R5はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換
炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ
基、炭化水素オキシカルボニル基、置換炭化水素オキシ
カルボニル基、シアノ基、ニトロ基またはハロゲン原子
を表し、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素
基、置換炭化水素基またはO-を表す。R7は二価の炭化
水素基または置換炭化水素基を表す。R1とR2とがおよ
び/またはR5とR6とが環を形成してもよい。) - 【請求項3】 ハロゲン原子を含有するフェノールが
2,6−ジフルオロフェノールである請求項1または2
記載の樹脂。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂
を成形してなることを特徴とする成形物。 - 【請求項5】 ハロゲン原子を含有するフェノールを、
遷移金属錯体と酸化剤の存在下、酸化重合させるに当
り、ハロゲン原子を含有するフェノールを、遷移金属錯
体と酸化剤の存在下、50℃以上300℃以下の温度で
反応させて150℃以上500℃以下の融点を有する樹
脂を得ることを特徴とする酸化重合体よりなる樹脂の製
造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂
を成形することを特徴とする成形物の製造方法。
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- 2000-03-14 JP JP2000071337A patent/JP2001261817A/ja active Pending
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