JP2005120360A - ポリアリーレンオキサイドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
熱安定性に優れたポリアリーレンオキサイドおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
一般式(1)
(1)
(式中、Arは、ベンゼン環またはナフタレン環を表わし、R1は、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、またはハロゲン原子を表わし、aは0〜5の整数を表わし、aが2以上の場合、R1は同一でも異なっていてもよく、隣接するR1が互いに結合して環を形成していてもよく、R2は、単結合またはアリーレン
基を表わし、R3は、置換されていてもよい炭化水素基またはトリアルキルシリル基を表わす。)
で示されるモノマーを遷移金属化合物の存在下、有機溶媒中で酸化重合する工程を含む方法で得られることを特徴とするポリアリーレンオキサイドの製造方法。
【選択図】 なし
Description
このような優れた性能を有するポリアリーレンオキサイドの製造方法としては、例えば、3−エチニルフェノールをラッカーゼ類などの酵素触媒を用いて有機溶媒/水の混合溶媒中で酸化重合する方法が知られている(特許文献1参照)
しかしながら、得られるポリフェニレンオキサイドは、ヒドロキシフェニレンとオキシフェニレンとを含み、水酸基当量が290であり、その熱安定性は十分なものとは言えなかった。
[1]一般式(1)
(1)
(式中、Arは、ベンゼン環またはナフタレン環を表わし、R1は、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、またはハロゲン原子を表わし、aは0〜5の整数を表わし、aが2以上の場合、R1は同一でも異なっていてもよく、2個のR1が、Arの隣接する炭素原子に結合している場合、これらのR1は互いに結合して、これらが結合する隣接する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R2は、単結合またはアリーレン基を表わし、R3は、置換されていてもよい炭化水素基またはトリアルキルシリル基を表わす。)
で示されるモノマーを遷移金属化合物の存在下、有機溶媒中で酸化重合する工程を含むことを特徴とするポリアリーレンオキサイドの製造方法。
一般式(1)中のArは、ベンゼン環またはナフタレン環を表わし、ベンゼン環であることが好ましい。なお、ベンゼン環またはナフタレン環の置換基のない炭素原子には水素原子が結合しているものとする。
一般式(1)中のR1は、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、またはハロゲン原子を表わし、aは0〜5の整数を表わす。aが2以上の場合、R1は同一でも異なっていてもよく、2個のR1が、Arの環上の隣接する炭素原子に結合している場合、これらのR1は互いに結合して、これらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
該炭化水素基としては、炭素数1〜30の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16の炭化水素基である。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキルオキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ドコシルオキシ基等の炭素数1〜50程度のアルキルオキシ基が挙げられる。
トリアルキルシリル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数1〜50程度のアルキル基が挙げられ、3つのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。
該置換炭化水素基において置換された原子または基としては、好ましくはハロゲン原子、水酸基、アルキルオキシ基であり、より好ましくはハロゲン原子、水酸基であり、さらに好ましくはフッ素原子、水酸基である。
該置換炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜40の置換炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜25の置換炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜18の置換炭化水素基である。
該炭化水素オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜30の炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜22の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16の炭化水素オキシ基である。
該置換炭化水素オキシ基における置換された原子または基として、具体例および好ましい例は前記と同じものが挙げられる。
該置換炭化水素オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜40の置換炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜25の置換炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜18の炭化水素オキシ基である。
環を形成する場合、2個のR1が互いに結合して、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH=CH−などの2価の基を表し、これが、Arの隣接する炭素原子と一緒になって、5〜7員環を形成することが好ましい。
アリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、4−メチル−1,2−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、5−エチル−1,3−フェニレン基、5−プロピル−1,3−フェニレン基、5−イソプロピル−1,3−フェニレン基、5−ブチル−1,3−フェニレン基、5−t−ブチル−1,3−フェニレン基、5−ヘキシル−1,3−フェニレン基、5−シクロヘキシル−1,3−フェニレン基、5−アダマンチル−1,3−フェニレン基、5−フェニル−1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、1,3−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、1,6−ナフチレン基、1,7−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基等が挙げられる。
(3)
式中、Ar’は、ベンゼン環又はナフタレン環を表わし、ベンゼン環であることが好ましい。なお、ベンゼン環またはナフタレン環の置換基のない炭素原子には水素原子が結合しているものとする。
R5は、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、またはハロゲン原子を表わし、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基であることが好ましい。
環を形成する場合は、2個のR5が互いに結合して、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH=CH−などの2価の基を表し、これが、Arの隣接する炭素原子と一緒になって、によって、5〜7員環を形成することが好ましい。
bは0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましい。
ここで、ハロゲン原子、アルコキシ基、トリアルキルシリル基としては、前記と同じものが挙げられる。
該置換炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜40の置換炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜25の置換炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜18の置換炭化水素基である。
該置換炭化水素オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜40の置換炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜25の置換炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜18の炭化水素オキシ基である。
このとき、遷移金属化合物は酸化剤または触媒として作用する。ここで、遷移金属化合物とは、周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第3〜12族の元素の化合物であり、該化合物を含有する酵素などの生体酵素は含まない。該遷移金属化合物中の遷移元素としては、例えば、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネテウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、セリウム、白金、金などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
具体的には、日本化学会編「改訂4版化学便覧基礎編II」P465−468表12・40記載の水溶液中における標準電極電位(25℃)が0.1V以上である遷移金属化合物及びそのイオンが挙げられる。具体例としては、5価バナジウムイオン、3価マンガンイオン、3価鉄イオン、3価コバルトイオン、2価銅イオン、1価銀イオン、1価金イオン、4価セリウムイオン等の遷移金属イオンと、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等のカウンターアニオンと、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン等のカウンターカチオンからなる遷移金属化合物などを挙げることができる。該遷移金属化合物を酸化剤として作用させる場合、その使用量は特に限定されないが、モノマー1モルに対して0.5〜3モルが好ましく、0.6〜2モルがより好ましく、0.7〜1.5モルがさらに好ましい。
好ましくは第一遷移元素系列の遷移金属原子であり、より好ましくはバナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅であり、さらに好ましくはマンガン、鉄、銅である。
本発明の遷移金属錯体には、電気的中性を保たせるようなカウンターイオンが添加されていてもよい。
該カウンターアニオンとしては、通常、ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられる。カウンターカチオンとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属のカチオン等を適宜用いることができる。
遷移金属錯体触媒は、あらかじめ合成された錯体を用いることができるが、反応系中で錯体を形成させてもよい。
「一般に有機溶媒中に含まれる水」とは、市販の有機溶媒中に存在する程度の水のことであり、具体的には、0.01〜1重量%程度の量の水をいう。
有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類が挙げられる。有機溶媒としては、芳香族炭化水素系、鎖状及び環状の脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトリル類、エーテル類またはニトロ化合物類が好ましく、芳香族炭化水素系またはハロゲン化炭化水素がより好ましい。これらの有機溶媒は、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。
水素原子に変換し得るR3としては、置換されていてもよいアルキル基、トリアルキルシリル基が好ましく、水酸基で置換されたアルキル基、トリアルキルシリル基がより好ましく、1−ヒドロキシアルキル基、トリアルキルシリル基がさらに好ましく、1−ヒドロキシ−1,1−ジメチルメチル基、トリメチルシリル基が特に好ましい。
子に変換できる方法であれば、特に限定されない。
前記のR3を水素原子に変換する反応条件としては、JohnWiley&Sons,Inc.「PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS,3rd Ed.」P654−659に記載および引用している方法を用いることができる。具体的には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基性化合物存在下にメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールを反応させる、あるいはフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化テトラブチルアンモニウム等のフッ化物塩と反応させればよい。
式中、Ar、R1、R2およびaは、前記と同じ意味を表わし、R4は、水素原子を表
わすか、置換されていてもよい炭化水素基またはトリアルキルシリル基を表わす。
R4における置換されていてもよい炭化水素基、トリアルキルシリル基としてはそれぞれ、前記一般式(1)のR3におけるそれらと同じ意味を表し、具体例および好ましい例も同じである。
R4としては、好ましくは水素原子、アリール基、アルキル基、水酸基で置換されたアルキル基、トリアルキルシリル基であり、より好ましくは水素原子、アリール基、水酸基で置換されたアルキル基、トリアルキルシリル基であり、さらに好ましくは水素原子、1−ヒドロキシアルキル基、トリアルキルシリル基であり、特に好ましくは、水素原子、2−ヒドロキシイソプロピル基、トリメチルシリル基である。
(4)
式中、Ar’、R5およびbは、前記と同じ意味を表わす。
ここで、水酸基当量とは、水酸基1モルあたりの重量(g)をいう。
他のポリマー成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル及びそれらの共重合体等のポリオレフィン類;ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)及びそれらの共重合体等のポリエーテル類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ジナフタレート)、ポリ(4−オキシベンゾエート)、ポリ(2−オキシ−6−ナフタレート)及びそれらの共重合体等のポリエステル類;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド類;ポリカーボネート;ポリフェニレンサルファイド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、エチニル基含有樹脂等の熱硬化性ポリマーを挙げることができる。組成物の改質剤成分として、具体的には2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類等の安定剤;ポリハロゲン化物、リン酸エステル等の難燃剤;界面活性剤;流動改質剤などが挙げられる。
ポリマーの水酸基当量 (HE): 日本油化学会編、基準油脂分析法、2.4.9.3−83を参照した。フラスコにポリマー100mgおよび0.1mol/Lの無水酢酸/ピリジン溶液5mLを加え、95−100℃で1時間加熱する。これに水1mLを加え、沈殿を生じる場合にはピリジン4mLを追加し、95−100℃で10分間加熱する。さらにエタノール5mLを加えた後、0.05N水酸化カリウム/エタノール溶液で電位差滴定を行った。水酸基1モルあたりの重量(g)として、HEを求めた。
電磁撹拌機を備えた100mL二つ口丸底フラスコに、酸素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置換した。これにCu(tacn)0.58gを入れ、TMSEP5.0gと塩基として2,6-ジフェニルピリジン3.4gをアニソール38gに溶解したものを加えた。これを60℃に保温し、激しく撹拌した。7.5時間後、濃塩酸を加えて酸性にした後、メタノール300mLを加え、沈殿したポリマーを濾取した。メタノールで洗浄し、減圧乾燥した後、ポリマーを得た。このポリマーの分析結果を表1に示す。
本ポリマーのIRチャートを図1に、モノマーTMSEPのIRチャートを図2に示す。本ポリマーのIRチャートで2160cm-1にC≡C伸縮由来のピークが見られる。本ポリマーの3500cm-1のO−H伸縮由来のピークがTMSEPのそれより非常に小さいことから、本ポリマーは主
にオキシフェニレン構造をもつと考えられる。本ポリマーの1H−NMR分析から、0ppm付近にトリメチルシリル基由来のピークが、6.4〜7.4ppmにベンゼン環由来のピークが観測された。前者/後者のピーク面積比は3となっており、本ポリマーの主構造はオキシフェニレンであることを支持している。
電磁撹拌機を備えた500mL三つ口丸底フラスコに、酸素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置換した。これにCu(tacn)1.8gを入れ、TMSEP7.7g、PhP15.4g、塩基として2,6−ジフェニルピリジン10.5gをトルエン154gに溶解したものを加えた。
これを40℃に保温し、激しく撹拌した。71時間後、実施例1と同様に後処理してポリマーを得た。このポリマーの分析結果を表1に示す。
本ポリマーのIR分析から、2155cm-1にC≡C伸縮由来のピークが見られた。3500cm-1のO−H伸縮由来のピークは実施例1と同様に非常に小さかったことから、本ポリマーは主にオキシフェニレン構造をもつと考えられる。本ポリマーの1H−NMR分析から、0ppm付近にトリメチルシリル基由来のピークが、6.0〜7.7ppmにベンゼン環由来のピークが観測された。前者/後者のピーク面積比から、オキシ−(2−トリメチルシリルエチニル)フェニレンユニットに対してオキシ−(2−フェニル)フェニレンユニットの比は8.3と算出された。
電磁撹拌機を備えた200mL三つ口丸底フラスコに、実施例1で得られたポリマー2.71gを入れ、アルゴンを充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内をアルゴンに置換した。これに脱水テトラヒドロフラン52mL、脱水メタノール34mL、炭酸カリウム1.21gを加えた。これを室温で激しく撹拌した。27時間後、希塩酸/メタノールで中性にし、濃縮した。これにメタノール200mLを加え、沈殿したポリマーを濾取−洗浄した。このポリマーをトルエン60mLに溶解し、2N塩酸30mLで4回洗浄し、再沈殿−洗浄後に、減圧乾燥してポリマーを得た。このポリマーの分析結果を表1に示す。
本ポリマーのIR分析から、3291cm-1に末端アセチレン基のC−H伸縮由来のピークが見られ見られた。3500cm-1のO−H伸縮由来のピークは実施例1と同様に非常に小さかったことから、本ポリマーは主にオキシフェニレン構造をもつと考えられる。本ポリマーの1H−NMR分析から、3.1ppm付近に末端アセチレン基由来のピークが、6.4〜7.8ppmにベンゼン環由来のピークが観測された。前者/後者のピーク面積比は1/3となっており、トリメチルシリルエチニル基が末端アセチレン基に定量的に変換できた。
電磁撹拌機を備えた500mL三つ口丸底フラスコに、実施例2で得られたポリマー12.5gを入れ、アルゴンを充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内をアルゴンに置換した。これに脱水テトラヒドロフラン240mL、脱水メタノール160mL、炭酸カリウム0.79gを加えた。これを室温で激しく撹拌した。8時間後、実施例3と同様にしてポリマーを得た。このポリマーの分析結果を表1に示す。
本ポリマーのチャートで3289cm-1に末端アセチレンのC−H伸縮由来のピークが見られ見られた。3500cm-1のO−H伸縮由来のピークは実施例1と同様に非常に小さかったことから、本ポリマーは主にオキシフェニレン構造をもつと考えられる。本ポリマーの1H−NMR分析から、3.1ppm付近に末端アセチレン基由来のピークが、6.0〜7.6ppmにベンゼン環由来のピークが観測された。前者/後者のピーク面積比から、オキシ−(2−エチニル)フェニレンユニットに対してオキシ−(2−フェニル)フェニレンユニットの比は8.2と算出され、トリメチルシリルエチニル基が末端アセチレン基に定量的に変換できた。
Claims (4)
- 一般式(1)
(1)
(式中、Arは、ベンゼン環またはナフタレン環を表わし、R1は、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、またはハロゲン原子を表わし、aは0〜5の整数を表わし、aが2以上の場合、R1は同一でも異なっていてもよく、2個のR1が、Arの隣接する炭素原子に結合している場合、これらのR1は互いに結合して、これらが結合する隣接する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R2は、単結合またはアリーレン基を表わし、R3は、置換されていてもよい炭化水素基またはトリアルキルシリル基を表わす。)
で示されるモノマーを遷移金属化合物の存在下、有機溶媒中で酸化重合する工程を含むことを特徴とするポリアリーレンオキサイドの製造方法。 - 請求項1記載の製造方法により得られることを特徴とするポリアリーレンオキサイド。
- 数平均分子量が500以上であることを特徴とする請求項2または3記載のポリアリーレンオキサイド。
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