JP2003082092A - シクロデキストリンを含有するフェノール重合物 - Google Patents
シクロデキストリンを含有するフェノール重合物Info
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Abstract
合物およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R、Q、Sはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18
のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、アリ
ール基、アリールアルキル基、エーテル基、チオエーテ
ル基、エステル基、アシル基または置換アミノ基を示
す。)で表されるフェノール化合物の1種以上を、酸化
還元酵素を触媒とした酸化剤を用い、シクロデキストリ
ン存在下、酸化重合して、フェノール1ユニットに対し
てシクロデキストリンを0.01〜1分子含有するフェ
ノール重合物を得る。
Description
ンを含有するフェノール重合物およびその製造方法に関
するものである。詳しくは、機械部品材料、電気部品材
料、電子部品材料、電子情報材料、酸化防止剤等に有用
なシクロデキストリンを含有する一般式(1)で表され
るフェノールの重合物およびその製造方法に関するもの
である。
合物は、バイオインダストリー、vol.15、44、
1998などに報告されている。しかしこれらに記載の
重合物は、有機溶媒への溶解性が低いなどの点から、加
工性において問題があった。また、シクロデキストリン
を含有したフェノール重合物についての報告は、これま
でになかった。
性を向上したフェノール重合物を提供することである。
また、本発明の他の課題は、シクロデキストリンを含有
するフェノール重合物の製造方法を提供することであ
る。
を解決すべく鋭意検討した結果、シクロデキストリンを
含有するフェノール重合物を見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、一般式(1):
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭
素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキ
ニル基、アリール基、アリールアルキル基、エーテル
基、チオエーテル基、エステル基、アシル基または置換
アミノ基を示す。)で表されるフェノール化合物の1種
以上をシクロデキストリン存在下、酸化重合して得られ
る重合物であって、該重合物のフェノール1ユニットに
対して、シクロデキストリンを0.01〜1分子含有す
ることを特徴とするフェノール重合物である。
(1)において、R、Q、Sがそれぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜6の
アルコキシ基であるシクロデキストリンを含有するフェ
ノール重合物を挙げることができる。
を含有するフェノール重合物の製造方法は、一般式
(1):
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭
素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキ
ニル基、アリール基、アリールアルキル基、エーテル
基、チオエーテル基、エステル基、アシル基または置換
アミノ基を示す。)で表されるフェノール化合物の1種
以上の酸化還元酵素を触媒とした酸化剤を用いた酸化重
合を、シクロデキストリン存在下、水中で行うことを特
徴とする製造方法である。
ペルオキシダーゼまたはオキシダーゼが利用できる。
る。一般式(1)で表されるフェノールにおいて、R、
Q、Sはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル
基、炭素数2〜18のアルキニル基、アリール基、アリ
ールアルキル基、エーテル基、チオエーテル基、エステ
ル基、アシル基または置換アミノ基を示す。
塩素、臭素及びヨウ素を挙げることができる。
直鎖状、分岐鎖状および環状のものが包含され、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へ
プチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル
基、オクタデシル基、シクロペンチル基及びシクロヘキ
シル基などを挙げることができる。これらのアルキル基
は、ハロゲン原子で置換されていても良く、ハロゲン置
換アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基
などを挙げることができる。
例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1,
3−ブタジエニル基及びイソプロペニル基などを挙げる
ことができる。
例えば、エチニル基などを挙げることができる。
などの単環、縮合多環のものが包含され、例えば、フェ
ニル基、トルイル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル
基などを挙げることができる。
及びフェネチル基などを挙げることができる。
(−O−R’:R’は置換されていてもよいアルキル基
及びアリール基などを表わす。なお、R’のアルキル基
及びアリール基の置換基としては、フッ素などのハロゲ
ン原子、フェニル基などのアリール基、メトキシ基など
のアルコキシ基などを挙げることができる。)であり、
例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、オクチルオキシ基などのアルコキシ基、ト
リフルオロメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、メトキ
シメトキシ基、メトキシエトキシ基などの置換アルコキ
シ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基、4−フル
オロフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基
などの置換アリールオキシ基など挙げることができる。
する基(−S−R”:R”は置換されていてもよいアル
キル基及びアリール基などを表わす。なお、R”のアル
キル基及びアリール基の置換基としては、フッ素などの
ハロゲン原子、フェニル基などのアリール基、メトキシ
基などのアルコキシ基などを挙げることができる。)で
あり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などのアル
キルチオ基、フェニルチオ基などのアリールチオ基を挙
げることができる。
る基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、プロポキシカルボニル基及びブトキシカルボニ
ル基などを挙げることができる。
ル基などを挙げることができる。
エチルアミノ基などのモノ置換アミノ基、ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基などのジ置換アミノ基などを挙
げることができる。
しては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキスト
リン、γ−シクロデキストリン、およびこれらの修飾シ
クロデキストリンを挙げることができ、これらはその2
種以上の組合せで用いることもできる。
−ジ−O−メチル−α−シクロデキストリン、2,6−
ジ−O−メチル−β−シクロデキストリン、2,3,6
−トリ−O−メチル−α−シクロデキストリン、2,
3,6−トリ−O−メチル−β−シクロデキストリン、
2−ヒドロキシルエチル−β−シクロデキストリン、2
−ヒドロキシルプロピル−β−シクロデキストリン、3
−ヒドロキシルプロピル−β−シクロデキストリン、
2,3−ジヒドロキシルプロピル−β−シクロデキスト
リン、グリコシル−β−シクロデキストリン、マルトシ
ル−β−シクロデキストリン、2,6−ジ−O−エチル
−β−シクロデキストリン、2,3,6−トリ−O−エ
チル−β−シクロデキストリン、2,3,6−トリ−O
−アシル−β−シクロデキストリン、O−カルボキシル
メチル−O−エチル−β−シクロデキストリン、β−シ
クロデキストリンスルフェート及びβ−シクロデキスト
リンホスフェートなどを挙げることができる。
ェノール重合物は、一般式(1)で表わされるフェノー
ル化合物から得られるフェノール単位同士が結合した構
造を少なくとも有し、それぞれのフェノール単位の結合
は、ベンゼン環同士が直接結合した炭素−炭素結合と、
ベンゼン環同士がフェノール由来の酸素原子1個を介し
て結合した炭素−酸素結合の両方を包含する。すなわち
各フェノール単位は、水酸基を有するフェニレンユニッ
ト及び水酸基のないオキシフェニレンユニットのいずれ
かの形態で重合鎖中に組み込まれており、かつ、これら
の両方の形態が重合物中に含有される。
ル単位の形態を下記式(2)に示す。
ットが両方とも存在することは、赤外吸収スペクトルや
核磁気共鳴スペクトルなどの分光学的手法および水酸基
価滴定などの方法によって確認できる。
れるフェノール化合物の重合物とシクロデキストリンか
らなる包接化合物を形成している。包接化合物とは、分
子錯体の一種であり、一方の分子がトンネル形構造をつ
くり、その隙間に他の分子が入り込んだ構造の化合物で
ある。本発明の重合物では、シクロデキストリンの空洞
に、一般式(1)で表わされるフェノール化合物の重合
物が入り込んだ構造を有している。
キストリンは、核磁気共鳴スペクトルなどの分光学的手
法などによって、確認および定量することが可能であ
る。シクロデキストリンは、重合物中のフェノール単位
あたり(1ユニットに対して)、0.01〜1分子、好
ましくは、0.01〜0.5分子、より好ましくは、
0.01〜0.3分子含有される。
00〜5000程度であり、好ましくは500〜400
0程度である。
するフェノール重合物の製造方法について説明する。
ェノール重合物は、酸化還元酵素を触媒とした酸化剤を
用いる一般式(1)で表されるフェノール化合物の酸化
重合を、シクロデキストリンの存在下、水中で行うこと
により製造できる。酸化重合反応には、一般式(1)で
表されるフェノール化合物から選択された1種を用い
て、あるいはR、Q及びSの少なくとも1つが異なる2
種以上のフェノール化合物を組み合わせて用いることが
できる。
ルの酸化カップリング反応を起こすのに充分な酸化能を
有するものであればよく、従来公知のもの、例えばペル
オキシダーゼやオキシダーゼを使用することができる。
種々の起源のものが使用でき、特に制限はないが、例え
ば植物由来、細菌由来、坦子菌類由来のペルオキシダー
ゼを挙げることができる。これらの中で、西洋わさびペ
ルオキシダーゼおよび大豆ペルオキシダーゼは、酸化能
が高く、しかも量産されて安価であり、好ましく使用す
ることができる。
ラッカーゼを挙げることができる。ラッカーゼは、種々
の起源のものが使用でき、特に制限はないが、例えば植
物由来、細菌由来、坦子菌類由来のラッカーゼを挙げる
ことができる。これらの例としては、うるしの木から得
られるラッカーゼ、Pyricularia、Pleu
rotus、Pycnoporus、Polystic
tus、Coriolus、Bjerkandera、
Mycelopthora、Neurospora属の
微生物から得られるラッカーゼを挙げることができる。
特にPyricularia oryzae、Pycn
oporus coccineus、Coriolus
vercicolor Pleurotus ost
reates、Mycelopthora起源のラッカ
ーゼを好ましく使用できる。
わない。酵素量は溶媒およびその活性によって異なる
が、フェノール1gに対して0.001mg〜10g、
好ましくは0.005mg〜5g、さらに好ましくは
0.005mg〜3gである。
生起させる酸化剤であればよく、一般的には過酸化物が
用いられる。過酸化物は有機過酸化物および無機過酸化
物のいずれでも良い。特に好ましいものとして、過酸化
水素を挙げることができる。なお過酸化物の濃度は特に
限定されない。過酸化物を使用する場合、その使用量
は、フェノール化合物1モル当たり0.3〜10倍モル
であり、好ましく0.5〜5倍モル、さらに好ましくは
0.8〜2倍モルである。過酸化物は、反応混合物中
に、一度に加えても良いが、酵素の活性を保持するため
に、分割して加える方が好ましい。
酵素として使用する時には、酸化剤として分子状酸素を
用いることができる。この場合の酸素としては、純酸素
のほか、空気あるいは酸素と不活性ガスとの混合物の形
で用いることができる。これらは、反応混合物中に吹き
込んでも良いが、単に重合雰囲気中に存在させるだけで
も良い。
としては、前に記載したシクロデキストリンを挙げるこ
とができる。シクロデキストリンの共存量は、フェノー
ル化合物1モル当たり、0.001〜10倍モルであ
り、好ましく0.001〜5倍モル、さらに好ましくは
0.005〜2倍モルである。シクロデキストリンの共
存量を増加させるほど、重合物中に含有されるシクロデ
キストリン量を増加させることが可能である。
水でもよいが、緩衝液でもよい。緩衝液を用いる場合に
はそのpHは3から12の範囲が好ましい。緩衝液の種
類としては、酢酸緩衝液、りん酸緩衝液、炭酸緩衝液等
が好ましいが、これらに限定されるものではない。
るが、フェノールの濃度としては、0.05〜500g
/Lの範囲が好ましく、0.5〜200g/Lがより好
ましい。
には各種の方法を利用することができる。例えば、シク
ロデキストリンとフェノールの溶液(または懸濁液)お
よび酵素溶液(または懸濁液)を個々に調製した後に同
一容器内に注入しても良いし、シクロデキストリンとフ
ェノールの溶液(または懸濁液)に酵素を添加しても良
い。この他にも種々の組み合わせが可能であるが、酵素
が失活(不活性化)するような方法でない限り、各種の
方法を採用できる。
望ましい。好ましくは−10〜100℃の範囲であり、
より好ましくは0〜80℃の範囲であり、特に好ましく
は10〜50℃の範囲である。反応温度が高い場合、一
般に酵素は失活するが、溶媒系によっては、酵素を安定
化するので、その場合は高い反応温度も採用可能とな
る。
重合物は、水に対する溶解度が低い場合、反応終了後、
単に反応溶媒から共重合物を濾取もしくは遠心分離する
ことによって単離できる。また水に溶解している場合
は、水を減圧下にて除去するか、アルコールなどの有機
溶媒およびそれらと水の混合溶媒を加えることにより容
易に析出させることが可能であり、これを上記の方法で
単離すれば良い。
ェノール重合物は、有機溶媒に対する溶解性が高く、材
料として成形する際の加工性に優れている。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー(0.4wt%塩化リチ
ウム含有N,N−ジメチルホルムアミド溶媒、ポリスチ
レンスタンダード)より算出した。またフェノール重合
物中のシクロデキストリン含有量は、炭素−13
(13C)核磁気共鳴スペクトル(NNEモード)におけ
る積分値から算出した。
α−シクロデキストリン5.7083gをりん酸緩衝液
(pH7)21mLに溶解し、これに西洋わさびペルオ
キシダーゼ2mgをりん酸緩衝液(pH7)4mLに溶
解した溶液を加えた。次に、5%過酸化水素を1.6m
L/hの速度で室温にて2時間かけて滴下し、さらに1
時間攪拌した。析出物を濾取後、これを水で洗浄、乾燥
することにより目的物を得た(収量:0.7850g、
Mn:1000、Mw/Mn:3.2、シクロデキスト
リン含有量:重合物中のフェノール1ユニット当たり
0.077分子)。
α−シクロデキストリン0.5707gをりん酸緩衝液
(pH7)4.2mLに溶解し、これに西洋わさびペル
オキシダーゼ0.4mgをりん酸緩衝液(pH7)0.
8mLに溶解した溶液を加えた。次に、5%過酸化水素
を0.32mL/hの速度で室温にて2時間かけて滴下
し、さらに1時間攪拌した。析出物を濾取後、これを水
で洗浄、乾燥することにより目的物を得た(収量:0.
1444g、Mn:1100、Mw/Mn:2.8、シ
クロデキストリン含有量:重合物中のフェノール1ユニ
ット当たり0.071分子)。
α−シクロデキストリン0.2283gをりん酸緩衝液
(pH7)4.2mLに溶解し、これに西洋わさびペル
オキシダーゼ0.4mgをりん酸緩衝液(pH7)0.
8mLに溶解した溶液を加えた。次に、5%過酸化水素
を0.32mL/hの速度で室温にて2時間かけて滴下
し、さらに1時間攪拌した。析出物を濾取後、これを水
で洗浄、乾燥することにより目的物を得た(収量:0.
1288g、Mn:1100、Mw/Mn:3.3、シ
クロデキストリン含有量:重合物中のフェノール1ユニ
ット当たり0.063分子)。
α−シクロデキストリン0.1145gをりん酸緩衝液
(pH7)4.2mLに溶解し、これに西洋わさびペル
オキシダーゼ0.4mgをりん酸緩衝液(pH7)0.
8mLに溶解した溶液を加えた。次に5%過酸化水素を
0.32mL/hの速度で室温にて2時間かけて滴下
し、さらに1時間攪拌した。析出物を濾取後、これを水
で洗浄、乾燥することにより目的物を得た(収量:0.
1246g、Mn:1000、Mw/Mn:3.9、シ
クロデキストリン含有量:重合物中のフェノール1ユニ
ット当たり0.053分子)。
α−シクロデキストリン0.1720gをりん酸緩衝液
(pH7)12.6mLに溶解し、これに西洋わさびペ
ルオキシダーゼ1.2mgをりん酸緩衝液(pH7)
2.4mLに溶解した溶液を加えた。次に5%過酸化水
素を0.96mL/hの速度で室温にて2時間かけて滴
下し、さらに1時間攪拌した。析出物を濾取後、これを
水で洗浄、乾燥することにより目的物を得た(収量:
0.3867g、Mn:1000、Mw/Mn:2.
3、シクロデキストリン含有量:重合物中のフェノール
1ユニット当たり0.030分子)。
α−シクロデキストリン0.0863gをりん酸緩衝液
(pH7)12.6mLに溶解し、これに西洋わさびペ
ルオキシダーゼ1.2mgをりん酸緩衝液(pH7)
2.4mLに溶解した溶液を加えた。次に5%過酸化水
素を0.96mL/hの速度で室温にて2時間かけて滴
下し、さらに1時間攪拌した。析出物を濾取後、これを
水で洗浄、乾燥することにより目的物を得た(収量:
0.2259g、Mn:1300、Mw/Mn:2.
7、シクロデキストリン含有量:重合物中のフェノール
1ユニット当たり0.035分子)。 実施例7 フェノール0.2837gと2,6−ジ−O−メチル−
α−シクロデキストリン0.0355gをりん酸緩衝液
(pH7)12.6mLに溶解し、これに西洋わさびペ
ルオキシダーゼ1.2mgをりん酸緩衝液(pH7)
2.4mLに溶解した溶液を加えた。次に5%過酸化水
素を0.96mL/hの速度で室温にて2時間かけて滴
下し、さらに1時間攪拌した。析出物を濾取後、これを
水で洗浄、乾燥することにより目的物を得た(収量:
0.0874g、Mn:1400、Mw/Mn:2.
3、シクロデキストリン含有量:重合物中のフェノール
1ユニット当たり0.035分子)。
溶解し、これに西洋わさびペルオキシダーゼ2.0mg
をりん酸緩衝液(pH7)12.5mLに溶解した溶液
を加えた。次に5%過酸化水素を1.6mL/hの速度
で室温にて2時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌し
た。析出物を濾取後、これをメタノール−水で洗浄、乾
燥することにより目的物を得た(収量:0.4574
g、Mn:1600、Mw/Mn:4.2)。
1mLに溶解し、これに西洋わさびペルオキシダーゼ
2.0mgをりん酸緩衝液(pH7)4mLに溶解した
溶液を加えた。次に5%過酸化水素を1.6mL/hの
速度で室温にて2時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌
した。析出物を濾取後、これをメタノール−水で洗浄、
乾燥することにより目的物を得た(収量:0.0092
g、Mn:1400、Mw/Mn:11.1)。
セトンおよびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
1mLに対する溶解性を試験した。
ストリンを含有するフェノール重合物は、シクロデキス
トリンを含有しないフェノールの重合物と比べて、上記
溶媒に対する溶解度が大幅に向上していた。なお、シク
ロデキストリンを含有しないフェノールの重合物にシク
ロデキストリンを添加しても、溶解性の向上は認められ
なかった。
トリンを含有するフェノール重合物の製造が可能になっ
た。また本発明の重合物は材料加工性が改良され、機械
部品材料、電気部品材料、電子部品材料、電子情報材
料、酸化防止剤などの用途として極めて有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R、Q、Sはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18
のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、アリ
ール基、アリールアルキル基、エーテル基、チオエーテ
ル基、エステル基、アシル基または置換アミノ基を示
す。)で表されるフェノール化合物の1種以上をシクロ
デキストリン存在下、酸化重合して得られる重合物であ
って、該重合物のフェノール1ユニットに対して、シク
ロデキストリンを0.01〜1分子含有することを特徴
とするフェノール重合物。 - 【請求項2】 一般式(1)において、R、Q、Sがそ
れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜18のアルキル基ま
たは炭素数1〜6のアルコキシ基である請求項1記載の
重合物。 - 【請求項3】 シクロデキストリンを含有する下記一般
式(1)で表されるフェノール化合物の重合物の製造方
法において、 【化2】 (式中、R、Q、Sはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18
のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、アリ
ール基、アリールアルキル基、エーテル基、チオエーテ
ル基、エステル基、アシル基または置換アミノ基を示
す。) 上記一般式(1)で表されるフェノール化合物の1種以
上を、酸化還元酵素を触媒とした酸化剤により、シクロ
デキストリン存在下、水中で酸化重合させることで、シ
クロデキストリンを含有する上記一般式(1)で表され
るフェノール化合物の重合物を得ることを特徴とするフ
ェノール重合物の製造方法。 - 【請求項4】 酸化還元酵素がペルオキシダーゼまたは
オキシダーゼである請求項3記載の製造方法。
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