JP2003292610A - ポリフェニレンオキシドの製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンオキシドの製造方法

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JP2003292610A
JP2003292610A JP2003015717A JP2003015717A JP2003292610A JP 2003292610 A JP2003292610 A JP 2003292610A JP 2003015717 A JP2003015717 A JP 2003015717A JP 2003015717 A JP2003015717 A JP 2003015717A JP 2003292610 A JP2003292610 A JP 2003292610A
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polyphenylene oxide
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bis
hydroxyphenyl
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Application number
JP2003015717A
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English (en)
Inventor
Kenji Yamagishi
兼治 山岸
Masahide Shito
雅英 紫藤
Kazunari Takahashi
和成 高橋
Hiroaki Nakada
浩彰 中田
Kuni Chin
君偉 沈
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリフェニレンオキシドの本来有する諸特性
の低下を抑制し、且つ、分子量を低下させたポリフェニ
レンオキシドの製造方法を提供する。 【構成】 下記一般式(I) で表される構成単位を主たる
繰返し単位とし、両末端に水酸基を有するポリフェニレ
ンオキシドを製造するにあたり、酵素触媒の存在下に重
合を行うことを特徴とするポリフェニレンオキシドの製
造方法。 〔式(I)中、R1 、R2 、R3及びR4は各々独立して、
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
いてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいア
ルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、
置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有して
いてもよいアミノ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲ
ン原子、又は水素原子を示し、Xは、置換基を有してい
てもよいアルキレン基、カルボニル基、オキシ基、チオ
基、スルフィニル基、又はスルホニル基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンオ
キシドの製造方法に関する。詳しくは、比較的低分子量
であって、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
エステル樹脂等の各種樹脂の原料、或いはエポキシ樹脂
硬化剤等として有用なポリフェニレンオキシドを効率的
に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンオキシドは、その機械的
特性、耐熱性、化学的特性、及び電気特性等を活かして
エンジニアリングプラスチックとして自動車部品、家電
部品等に好適に用いられる一方、エポキシ樹脂原料の2
価フェノール、或いは、ポリカーボネート樹脂やポリエ
ステル樹脂原料のジオール成分等の代替として、それら
樹脂にポリフェニレンオキシドの有する前記諸物性の付
与が期待できることから注目されている。
【0003】ところが、エンジニアリングプラスチック
としての従来の1価フェノールの酸化カップリングによ
るポリフェニレンオキシドは、高分子量物であって、後
者の如き樹脂原料として用いようとする場合、溶媒に対
する溶解性が不足し、均質な樹脂が得られ難いという問
題がある。一方、フェノール誘導体を酵素触媒の存在下
に反応させてポリフェニレンオキシドを製造する方法が
開示されている(特許文献1参照)。本発明者の検討に
よると、この方法により分子量を制御することが可能で
あるものの、得られる低分子量ポリフェニレンオキシド
には片末端にしか水酸基が存在していないため、エポキ
シ樹脂やポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等との相溶性、又は
反応性が悪くなる。その結果として、ポリフェニレンオ
キシドが本来有する機械的特性等が低下する。例えばエ
ポキシ樹脂と混合、又は反応させた後で得られるエポキ
シ樹脂組成物の耐熱性が低くなる傾向が見られる。
【0004】また、反応性ポリマー等として有用なポリ
フェニレンオキシドとして、酸分解して複数の水酸基を
導入したポリフェニレンオキシドの製造方法が開示され
ている(特許文献2参照)。しかしながら本発明者の検
討によると、この方法によっても分子量を制御すること
が可能であるものの、本手法では酸を使用しており、得
られる低分子量ポリフェニレンオキシド中には酸が含ま
れるため、エポキシ樹脂と混合または反応させたエポキ
シ樹脂組成物の耐溶剤性が低下する。
【0005】さらに、酸素雰囲気下での銅−アミン錯体
触媒を用いる酸化カップリング反応という方法により、
低分子量で両末端に水酸基を有するポリフェニレンオキ
シドが開示されている(特許文献3参照)。しかしなが
ら、この方法では、劇物である塩化第一銅を主に用いて
おり、取扱いが容易ではないという問題がある。また、
高分子量のポリフェニレンオキシドをビスフェノール中
でベンゾイルパーオキサイドを用いてラジカル解重合、
続けて再分配反応させる方法により、低分子量で両末端
に水酸基を有するポリフェニレンオキシドが開示されて
いる(特許文献4及び非特許文献1参照)。しかしなが
ら、この方法では、反応性が非常に高いベンゾイルパー
オキサイドを大量に用いているため、分子量の制御が困
難であるという問題と、安全性の面の問題が考えられ
る。
【0006】
【特許文献1】特開平9−107984号公報
【特許文献2】特開平10−287742号公報
【特許文献3】特開昭62−41223号公報
【特許文献4】特開平9−291148号公報
【非特許文献1】ドワイン・エム・ホワイト(Dwai
n M.White)、「ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー」(Journal of Org
anicChemistry)、(米国)、アメリカ化
学会、1969年、第34巻、p.297−303
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたもので、ポリフェニレンオキシド
の本来有する諸特性の低下を抑制し、且つ、分子量を低
下させたポリフェニレンオキシドの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実情
に鑑みて鋭意検討を行った結果、1価フェノール及び2
価フェノールを主体とし、両末端に水酸基を有するポリ
フェニレンオキシドを酵素触媒の存在下にて製造するこ
とにより、低分子量の重合体を効率的に製造することが
でき、その結果、有機溶媒への溶解性に優れ、且つ機械
的物性や電気的物性などポリマー本来の物性を維持した
ポリフェニレンオキシドを製造することができることを
見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】即ち本発明の要旨は、下記一般式(I) で表
される構成単位を主たる繰返し単位とし、両末端に水酸
基を有するポリフェニレンオキシドを製造するにあた
り、酵素触媒の存在下に重合を行うことを特徴とするポ
リフェニレンオキシドの製造方法、に存する。
【0010】
【化3】 〔式(I)中、R1 、R2 、R3及びR4は各々独立して、
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
いてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいア
ルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、
置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有して
いてもよいアミノ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲ
ン原子、又は水素原子を示し、Xは、置換基を有してい
てもよいアルキレン基、カルボニル基、オキシ基、チオ
基、スルフィニル基、又はスルホニル基を示す。〕 また本発明の別の要旨は、下記一般式(I) で表される構
成単位を主たる繰返し単位とし、下記一般式(II)で表さ
れる構成単位を有するポリフェニレンオキシドを製造す
るにあたり、下記一般式(IV)で表される2価フェノール
化合物を、或いは、更に下記一般式(III) で表される1
価フェノール化合物と共に、酵素触媒の存在下に重合を
行うことを特徴とするポリフェニレンオキシドの製造方
法、に存する。
【0011】
【化4】 〔式(I)〜式(IV)中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 、R9、R10、R11、及びR12は各々
独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換
基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有してい
てもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアル
コキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換
基を有していてもよいアミノ基、カルボキシ基、ニトロ
基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、Xは、置換基
を有していてもよいアルキレン基、カルボニル基、オキ
シ基、チオ基、スルフィニル基、又はスルホニル基を示
す。〕
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の対象とするポリフェニレ
ンオキシドは、前記一般式(I)で表される構成単位を主
たる繰返し単位とし、ポリマーの両末端に水酸基を有す
るものである。具体的には、前記一般式(I)の構成単位
に加えて前記一般式(II)で表される構成単位を、ポリフ
ェニレンオキシド1分子あたり10ユニット以下、好ま
しくは5ユニット以下、さらに好ましくは2ユニット、
最も好ましくは1ユニットで含有するものである。この
数が多すぎると電気的特性が低下する傾向がある。
【0013】また本発明の方法により製造されるポリフ
ェニレンオキシド中には、不純物として、まだ完全には
明らかになっていないが、末端水酸基が反応系中に存在
する有機化合物等と反応して生成したエーテルやエステ
ル等の化合物が含有されると考えられる。このようにポ
リフェニレンオキシド中の水酸基が反応したものは、ポ
リフェニレンオキシド中に50%以下、好ましくは30
%以下、さらに好ましくは10%以下、さらに好ましく
は5%以下、最も好ましくは1%以下含まれている。こ
の割合が多すぎると、電気的特性が低下する傾向があ
る。
【0014】前記一般式(I) 及び(II)において、R1
12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状、
若しくは環状のものが、又、アルケニル基としては、例
えば、ビニル基、プロペニル基等が、又、アルキニル基
としては、例えば、エチニル基、プロピニル基等が、
又、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が、それぞれ挙げ
られ、これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルコキシ基としては、炭素数が1〜4のものが好
ましい。又、ハロゲン原子としては、例えば、弗素原
子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0015】又、これらのアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アルコキシ基、並びに、フェニル基、ア
ミノ基における置換基としては、例えば、炭素数が1〜
4のアルキル基、同じくアルコキシ基、フェニル基、及
びハロゲン原子等が挙げられる。更に、本発明のポリフ
ェニレンオキシド製造時に用いられる溶媒の種類によっ
ては、それが側鎖に付加したものも挙げられる。
【0016】前記一般式(I) 及び(II)におけるR1 〜R
12としては、以上の中で、置換基を有していてもよいア
ルキル基が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル基が更
に好ましく、メチル基が特に好ましい。又、前記一般式
(I) 及び(II)としては、オキシ基に結合するフェニレン
基の炭素原子の両オルト位のR2 とR4 、R5 とR7
及びR10とR12が、いずれかの前記置換基であり、両メ
タ位のR1 とR3 、R6 とR8 、及びR9 とR11が、水
素原子であるのが好ましい。
【0017】又、前記一般式(II)において、Xのアルキ
レン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、ト
リメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、シク
ロヘキシレン基等の直鎖状、分岐状、若しくは環状のも
のが挙げられ、これらのアルキレン基としては、炭素数
が1〜4のものが好ましい。又、そのアルキレン基にお
ける置換基としては、アルキル基、フェニル基等が挙げ
られる。
【0018】前記一般式(II)におけるXとしては、以上
の中で、置換基を有していてもよいアルキレン基が好ま
しく、炭素数が1〜4のアルキレン基が更に好ましく、
メチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン基が特に好
ましい。本発明のポリフェニレンオキシドは、フェニレ
ン基が1,4−フェニレン構造をとっている前記一般式
(I) 及び(II)で表される構成単位の他に、1,2−フェ
ニレン構造、又は1,3−フェニレン構造をとっている
構成単位を含有していてもよく、ポリフェニレンオキシ
ド全体に対するフェニレン基における1,4−フェニレ
ン構造の割合は、80%以上であるのが好ましく、90
%以上であるのが更に好ましく、95%以上であるのが
特に好ましい。又、前記一般式(II)で表される構成単位
の含有割合は、ポリフェニレンオキシド又、前記一般式
(II)で表される構成単位の含有数は、ポリフェニレンオ
キシド1分子あたり10ユニット以下、好ましくは5ユ
ニット以下、さらに好ましくは2ユニット、最も好まし
くは1ユニットである。この数が多すぎると電気的特性
が低下する傾向がある。
【0019】又、本発明の製造方法により得られるポリ
フェニレンオキシドは、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子
量の下限値が、通常、500以上、好ましくは1,00
0以上であり、上限値が通常、10,000以下、好ま
しくは8,000以下である。この分子量が小さすぎる
と、電気的特性が低下し、また大きすぎると溶媒に対す
る溶解性が低下する傾向がある。
【0020】本発明は、前記ポリフェニレンオキシド
を、酵素触媒の存在下に製造することを特徴とする。具
体的には、前記一般式(IV)で表される2価フェノール化
合物を、或いは、更に前記一般式(III) で表される1価
フェノール化合物と共に、該酵素触媒の存在下に重合さ
せることにより製造される。前記一般式(IV)及び(III)
におけるR1 〜R12、及びXとしては、前記一般式(I)
及び(II)におけると同様であり、その前記一般式(IV)で
表される2価フェノール化合物としては、具体的には、
例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン〔ビス
フェノールF〕、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン〔ジメチルビスフェノールF〕、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン
〔テトラメチルビスフェノールF〕、ビス(3,6−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,
3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,5,6−トリメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、ビス(2,3,5,6−テトラメチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジ
エチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,
5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−アリルフェニル)
メタン、ビス(3,5−ジアリル−4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5
−ベンジルフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、ビス(3
−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン〔ビスフェ
ノールE〕、1,1−ビス(3’−メチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3’,5’−
ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1
−ビス(3’,6’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(2’,3’,6’−トリ
メチル−4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−
ビス(2’,3’,5’,6’−テトラメチル−4’−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3’−フ
ェニル−4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−
ビス(3’−フェニル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン〔ビスフェノールA〕、2,2−ビス(3’−メ
チル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェ
ノールC〕、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔テトラメチルビ
スフェノールA〕、2,2−ビス(3’,6’−ジメチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(2’,3’,5’−トリメチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(2’,3’,
5’,6’−テトラメチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3’−エチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−i
−プロピル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3’−s−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−フェニル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノール
Q〕、2,2−ビス(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
フェノールフタレイン等のビス(ヒドロキシフェニル)
アルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニル
メタン、ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン〔ビスフェノー
ルP〕、1,1−ビス(2’,3’,5’−トリメチル
−4’−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルプロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3−ジフェニルプロパン等のビス(ヒドロキ
シフェニル)フェニルアルカン類、1,1−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ビスフ
ェノールZ〕、1,1−ビス(3’−メチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ジメチルビスフェ
ノールZ〕、1,1−ビス(2’,3’,5’−トリメ
チル−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の
ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン等のビス(ヒ
ドロキシフェニル)ケトン類、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エーテル〔ビスフェノールO〕、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビ
ス(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド等のビス(ヒド
ロキシフェニル)スルフィド類、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホキシド等のビス(ヒドロ
キシフェニル)スルホキシド類、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン〔ビスフェノールS〕、ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の
ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類等が挙げられ
る。
【0021】前記2価フェノール化合物の中で、本発明
においては、前記一般式(IV)におけるオキシ基に結合す
るフェニレン基の炭素原子の両オルト位のR5 とR7
及びR10とR12が、いずれかの前記置換基であり、両メ
タ位のR6 とR8 、及びR9とR11が、水素原子である
ものが好ましく、具体的には、例えば、ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン〔テトラメ
チルビスフェノールF〕、ビス(3,5−ジエチル−4
−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−
ジアリル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔テトラメチルビ
スフェノールA〕、2,2−ビス(3’,5’−ジブロ
モ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン〔テトラメチルビスフェノールF〕、1,1−ビス
(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロパン〔テトラメチルビスフェ
ノールA〕が特に好ましい。
【0022】又、前記一般式(III) で表される1価フェ
ノール化合物としては、具体的には、例えば、2−メチ
ルフェノール、2−エチルフェノール、2−プロピルフ
ェノール、2−s−ブチルフェノール、2−t−ブチル
フェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,6−ジ
メチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノー
ル、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−プ
ロピルフェノール、2−エチル−6−プロピルフェノー
ル、2,6−ジプロピルフェノール、2,6−ジ−n−
ブチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノー
ル、2,3,5,6−テトラメチルフェノール、2−ベ
ンジルフェノール、2−メチル−6−ベンジルフェノー
ル、2,6−ジベンジルフェノール、2−シクロヘキシ
ルフェノール、2−アリルフェノール、2,6−ジアリ
ルフェノール、2−メトキシフェノール、2,6−ジメ
トキシフェノール、2−エトキシフェノール、2,6−
ジエトキシフェノール、2−メトキシ−6−エトキシフ
ェノール、2−フェニルフェノール、2−メチル−6−
フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、
2−クロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、
2,6−ジブロモフェノール等が挙げられる。
【0023】前記1価フェノール化合物の中で、本発明
においては、前記一般式(III) におけるオキシ基に結合
するフェニレン基の炭素原子の両オルト位のR2 とR4
が、いずれかの前記置換基であり、両メタ位のR1 とR
3 が、水素原子であるのが好ましく、具体的には、例え
ば、2,6−ジメチルフェノール、2−メチル−6−エ
チルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メ
チル−6−プロピルフェノール、2−エチル−6−プロ
ピルフェノール、2,6−ジプロピルフェノール、2,
6−ジ−n−ブチルフェノール、2,6−ジアリルフェ
ノール、2,6−ジメトキシフェノール、2,6−ジエ
トキシフェノール、2−メトキシ−6−エトキシフェノ
ール、2,6−ジフェニルフェノール等が挙げられ、
2,6−ジメチルフェノールが特に好ましい。
【0024】本発明において、ポリフェニレンオキシド
は、前記2価フェノール化合物を、或いは、更に前記1
価フェノール化合物と共に、触媒の存在下に、通常、溶
媒を用いて重合させることにより製造される。この時に
用いる2価フェノール化合物は、2価フェノール化合物
と1価フェノール化合物との合計に対し、通常、1重量
部以上、さらに好ましくは10重量部以上、さらに好ま
しくは50重量部以上、最も好ましくは90重量部以上
の割合で使用することができる。本発明においては、2
価フェノール化合物のみを原料として用いた重合体が好
ましい。
【0025】その際の酵素触媒としては、特に限定され
るものではないが、ペルオキシターゼ、ラッカーゼ等の
酸化重合能を有する酸化酵素が好ましく用いられる。そ
のペルオキシターゼとしては、種々の起源のものが用い
られるが、植物由来、細菌由来、或いは担子菌類由来の
ものが好ましく、西洋山葵由来、或いは大豆由来のもの
が特に好ましい。又、そのラッカーゼとしても、種々の
起源のものが用いられるが、植物由来、細菌由来、或い
は担子菌類由来のものが好ましく、Pycnoporuscoccineu
s(木材腐朽菌)由来、Trametes sp.(白色腐朽菌)由
来のものが特に好ましい。
【0026】本発明において、触媒としての前記酵素の
使用量は、使用する酵素の力価によって異なるが、前記
原料フェノール化合物に対して、下限値が、通常、0.
001重量%以上であり、0.01重量%以上とするの
が好ましい。上限値は、通常、10重量%以下であり、
好ましくは5重量%以下である。尚、ペルオキシターゼ
においては、無機或いは有機過酸化物を併用するのが好
ましく、その過酸化物としては、過酸化水素が好まし
い。過酸化物の使用量は、前記フェノール化合物に対し
て、通常0.9倍モル以上とし、1.5倍モル以上とす
るのが好ましく、2倍〜5倍モルとするのが特に好まし
い。
【0027】又、用いられる溶媒としては、例えば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール等のア
ルコール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水
素類、酢酸エチル等のエステル類、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素類、及び、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、そ
れらを単独で、或いは2種以上を混合して用いることが
できる。中でもケトン類を用いるときは、有機溶媒と水
の混合物として用いるのが好ましく、全溶媒中の有機溶
媒の重量割合の下限を、通常10%以上、好ましくは3
0%以上、さらに好ましくは45%以上、上限を90%
以下、好ましくは70%以下、さらに好ましくは55%
以下として用いられる。
【0028】又、重合温度としては、下限値が、通常、
0℃以上、好ましくは20℃以上であり、上限値が通
常、60℃以下、好ましくは55℃以下、最も好ましく
は50℃以下の範囲とする。重合反応終了後、必要に応
じてメタノール等を加えて重合生成物を析出させた後こ
れを濾過し、次いで洗浄処理を行う。
【0029】洗浄処理は、通常、溶媒、濾過後の重合生
成物を分散させ、十分攪拌した後に溶媒を濾過により除
去することにより行う。この洗浄処理を行う際の系内の
温度は、下限値が通常、10℃以上、好ましくは、20
℃以上であり、上限値が、通常、50℃以下、好ましく
は、40℃以下である。また、洗浄に必要とする溶媒量
は生成物1gあたり1000mL以下、好ましくは10
0mL以下、さらに好ましくは50mL以下、最も好ま
しくは20mL以下である。溶媒量が多すぎても特に問
題はないが、コスト的に不利な場合がある。
【0030】用いる溶媒は、例えば、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、1−
ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−
ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、
1−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、1−オク
タノール、1−ノナノール、1−デカノール、エチレン
グリコール等の炭素数1〜10のアルコール、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等の炭素数3〜10のエステル、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
炭素数3〜10のケトンが挙げられ、これらは水との混
合溶媒としても用いることができる。中でも、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、2−エチル
ヘキサノール又はアセトンを用いるのが好ましく、メタ
ノール又はアセトンを用いるのが特に好ましく、アセト
ン又はアセトン/水の混合溶媒が最も好ましい。また、
反応溶媒と同一種の有機溶媒のうち少なくとも1種を用
いると、溶媒回収が容易となり、また溶媒回収費用の削
減も可能であるため好ましい。例えば反応溶媒としてア
セトン−水混合溶媒を用いた場合、洗浄溶媒として少な
くともアセトンを用いると、溶媒回収が容易となり、ま
た溶媒回収費用の削減も可能とある。
【0031】また洗浄溶媒としては、副生成物の溶解度
から算出できる無限希釈活量係数が2以下となる溶媒、
さらに好ましくは1.5以下となる溶媒選択するのがよ
い。例えば、出発原料としてテトラメチルビスフェノー
ルF、酵素触媒としてラッカーゼを用いたときには3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒドが副生
するため、洗浄溶媒としては、3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシベンズアルデヒドの溶解度から算出できる無
限希釈活量係数が2以下の溶媒、この場合、例えばメタ
ノール(無限希釈活量係数 1.15)又はアセトン
(無限希釈活量係数 0.59)を選択するのがよい。
【0032】無限希釈活量係数は、A・クラムト(A.
Klamt)、「ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミ
ストリー」(Journal of Physical
Chemistry)、(米国)、アメリカ化学会、
1995年、第99巻、p.2224に記載の方法で算
出される。特に、アセトンと水との混合溶媒はポリフェ
ニレンオキシドの溶解度が低いため、生成物の回収率を
向上させることができ、効果的である。この有機溶媒と
水との混合比率は、洗浄溶媒全量に対し、有機溶媒が、
下限値が通常、10重量部以上、好ましくは、20重量
部以上、更に好ましくは、40重量部以上であり、上限
値が、通常、100重量部以下、好ましくは、90重量
部以下、更に好ましくは、60重量部以下である。
【0033】この量が少なすぎると大量の溶媒を使用し
ても洗浄が不十分となり、また多すぎるとポリフェニレ
ンオキサイドが洗浄溶媒に溶解してしまい、回収率が低
下する傾向がある。得られた生成物は、通常の乾燥処理
により乾燥する。乾燥方法としては、常圧加熱乾燥、減
圧加熱乾燥等の方法を用いることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
によって限定されるものではない。 実施例1 溶媒としてアセトン50ml、及び0.2M酢酸緩衝液
50mlに、2価フェノールとしてテトラメチルビスフ
ェノールA2gと、触媒としてPycnoporus coccineus由
来のラッカーゼ(高研社製)5mgとを仕込み、30℃
で24時間重合反応させた後、1リットルのメタノール
を加えてポリマーを析出させ、濾過し、次いで、蒸留水
及びメタノールで洗浄し、真空乾燥させることにより、
ポリフェニレンオキシド0.78gを製造した。
【0035】得られたポリフェニレンオキシドは、クロ
ロホルム、テトラヒドロフランに可溶であり、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレ
ン換算の重量平均分子量が3,320であった。又、 1
H NMR、13C NMR、及び2次元NMRの分析に
より、下記式(V) で表される構成単位を繰返し単位と
し、下記式(VI)で表される構成単位を1個有し、前者構
成単位:後者構成単位の平均モル比が約7.5:1であ
り、両末端が水酸基の分子からなるポリフェニレンオキ
シドであることが確認された。
【0036】
【化5】 実施例2 2価フェノールとしてテトラメチルビスフェノールFを
用いた外は、実施例1と同様にしてポリフェニレンオキ
シド0.76gを製造した。得られたポリフェニレンオ
キシドは、クロロホルム、テトラヒドロフランに可溶で
あり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定
したポリスチレン換算の重量平均分子量が3,408で
あった。又、 1H NMR、13C NMR、及び2次元
NMRの分析により、前記式(V) で表される構成単位を
繰返し単位とし、前記式(VI)におけるジメチルメチレン
基に代えてメチレン基を有する構成単位を1個有し、前
者構成単位:後者構成単位の平均モル比が約21:1で
あり、両末端が水酸基の分子からなるポリフェニレンオ
キシドであることが確認された。
【0037】実施例3 溶媒としてメタノール25ml、及び蒸留水25ml
に、2価フェノールとしてテトラメチルビスフェノール
F1gと、触媒としてPycnoporus coccineus由来のラッ
カーゼ(高研社製)2.5mgとを仕込み、30℃で2
4時間重合反応させた後、1リットルのメタノールを加
えてポリマーを析出させ、濾過し、次いで、蒸留水及び
メタノールで洗浄し、真空乾燥させることにより、ポリ
フェニレンオキシド0.35gを製造した。
【0038】得られたポリフェニレンオキシドは、クロ
ロホルム、テトラヒドロフランに可溶であり、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレ
ン換算の重量平均分子量が2,739であった。又、 1
H NMR、13C NMR、及び2次元NMRの分析に
より、前記式(V) で表される構成単位を繰返し単位と
し、前記式(VI)におけるジメチルメチレン基に代えてメ
チレン基を有する構成単位を1個有し、両末端が水酸基
の分子からなるポリフェニレンオキシドであることが確
認された。
【0039】実施例4 溶媒としてアセトン25ml、及び蒸留水25mlに、
2価フェノールとしてテトラメチルビスフェノールF1
gと、触媒としてPycnoporus coccineus由来のラッカー
ゼ(高研社製)2.5mgとを仕込み、30℃で24時
間重合反応させた後、濾過した。この段階で、本固形生
成物中に不純物として4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルベンズアルデヒドが生成物中に4〜5wt%混入して
いた。ここでメタノール10mLで洗浄して、前述の不
純物を除去することができた。さらに、真空乾燥させる
ことにより、ポリフェニレンオキシド0.49gを製造
した。得られたポリフェニレンオキシドは、クロロホル
ム、テトラヒドロフランに可溶であり、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算
の重量平均分子量が2,857であった。又、 1H N
MR、13C NMR、及び2次元NMRの分析により、
前記式(V) で表される構成単位を繰返し単位とし、前記
式(VI)におけるジメチルメチレン基に代えてメチレン基
を有する構成単位を1個有し、両末端が水酸基の分子か
らなるポリフェニレンオキシドであることが確認され
た。
【0040】実施例5 溶媒としてアセトン5ml、及び蒸留水5mlに、2価
フェノールとしてテトラメチルビスフェノールF0.2
gと、触媒として西洋山葵由来のペルオキシターゼ(和
光純薬社製)0.5mgとを仕込み、30℃で30%過
酸化水素水を滴下しながら24時間重合反応させた(過
酸化水素は最終的に0.23ml添加した。)後、10
0mlのメタノールを加えてポリマーを析出させ、濾過
し、次いで、蒸留水及びメタノールで洗浄し、真空乾燥
させることにより、ポリフェニレンオキシドを製造し
た。
【0041】得られたポリフェニレンオキシドは、クロ
ロホルム、テトラヒドロフランに可溶であり、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレ
ン換算の重量平均分子量が2,739であった。又、 1
H NMR、13C NMR、及び2次元NMRの分析に
より、前記式(V) で表される構成単位を繰返し単位と
し、前記式(VI)におけるジメチルメチレン基に代えてメ
チレン基を有する構成単位を1個有し、両末端が水酸基
の分子からなるポリフェニレンオキシドであることが確
認された。
【0042】実施例6 溶媒としてアセトン25ml、及び蒸留水25mlに、
2価フェノールとしてテトラメチルビスフェノールF1
gと、触媒としてPycnoporus coccineus由来のラッカー
ゼ(高研社製)2.5mgとを仕込み、30℃で24時
間重合反応させた後、濾過した。この段階で、本固形生
成物中に不純物として4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルベンズアルデヒドが生成物中に4〜5wt%混入して
いた。ここでアセトン−水混合溶媒(体積比1:1)1
0mLで洗浄して、前述の不純物を除去することができ
た。さらに真空乾燥させることにより、ポリフェニレン
オキシド0.49gを製造した。得られたポリフェニレ
ンオキシドは、クロロホルム、テトラヒドロフランに可
溶であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで
測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が2,78
9であった。又、 1H NMR、13C NMR、及び2
次元NMRの分析により、前記式(V) で表される構成単
位を繰返し単位とし、前記式(VI)におけるジメチルメチ
レン基に代えてメチレン基を有する構成単位を1個有
し、両末端が水酸基の分子からなるポリフェニレンオキ
シドであることが確認された。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、ポリフェニレンオキシ
ドの本来有する機械的特性等の諸特性の低下を抑制し、
且つ、分子量を低下させたポリフェニレンオキシドの製
造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 和成 岡山県倉敷市潮通3丁目10番 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 中田 浩彰 岡山県倉敷市潮通3丁目10番 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 沈 君偉 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 4J005 AA24 BA00 BB02 BC00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) で表される構成単位を主
    たる繰返し単位とし、両末端に水酸基を有するポリフェ
    ニレンオキシドを製造するにあたり、酵素触媒の存在下
    に重合を行うことを特徴とするポリフェニレンオキシド
    の製造方法。 【化1】 〔式(I)中、R1 、R2 、R3及びR4は各々独立して、
    置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
    いてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいア
    ルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、
    置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有して
    いてもよいアミノ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲ
    ン原子、又は水素原子を示し、Xは、置換基を有してい
    てもよいアルキレン基、カルボニル基、オキシ基、チオ
    基、スルフィニル基、又はスルホニル基を示す。〕
  2. 【請求項2】 下記一般式(I) で表される構成単位を主
    たる繰返し単位とし、下記一般式(II)で表される構成単
    位を有するポリフェニレンオキシドを製造するにあた
    り、下記一般式(IV)で表される2価フェノール化合物
    を、或いは、更に下記一般式(III) で表される1価フェ
    ノール化合物と共に、酵素触媒の存在下に重合を行うこ
    とを特徴とするポリフェニレンオキシドの製造方法。 【化2】 〔式(I)〜式(IV)中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
    6 、R7 、R8 、R9、R10、R11、及びR12は各々
    独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換
    基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有してい
    てもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアル
    コキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換
    基を有していてもよいアミノ基、カルボキシ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、Xは、置換基
    を有していてもよいアルキレン基、カルボニル基、オキ
    シ基、チオ基、スルフィニル基、又はスルホニル基を示
    す。〕
  3. 【請求項3】 重量平均分子量が500〜10,000
    である、請求項1または2に記載のポリフェニレンオキ
    シドの製造方法。
  4. 【請求項4】 酵素が酸化酵素である請求項1〜3のい
    ずれかに記載のポリフェニレンオキシドの製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化酵素がペルオキシターゼ、又はラッ
    カーゼである請求項4に記載のポリフェニレンオキシド
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合反応終了後の生成物を、少なくとも
    アセトンを用いて洗浄処理を行う、請求項1〜5のいず
    れかに記載のポリフェニレンオキシドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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