JP3049778B2 - 熱可塑性ポリエステル−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法

Info

Publication number
JP3049778B2
JP3049778B2 JP3002819A JP281991A JP3049778B2 JP 3049778 B2 JP3049778 B2 JP 3049778B2 JP 3002819 A JP3002819 A JP 3002819A JP 281991 A JP281991 A JP 281991A JP 3049778 B2 JP3049778 B2 JP 3049778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
polyphenylene ether
thermoplastic polyester
weight
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3002819A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04239029A (ja
Inventor
道生 川井
文敏 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP3002819A priority Critical patent/JP3049778B2/ja
Publication of JPH04239029A publication Critical patent/JPH04239029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3049778B2 publication Critical patent/JP3049778B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、耐溶剤性、寸法
安定性、成形表面特性等に優れた熱可塑性ポリエステル
−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリフェニレンエーテル樹脂は優れ
た耐熱性、寸法安定性、耐水性に特徴のある材料である
が、耐薬品性に劣るという欠点からその用途に制限があ
った。この欠点を補なう目的でポリアミド樹脂とのアロ
イが数多く提案されているが(例えば特公昭45−99
7号公報)、当アロイには吸水によって機械的強度ある
いは寸法等が変化するという問題点があった。
【0003】一方熱可塑性ポリエステル樹脂は、ポリア
ミド樹脂と同様、優れた機械的性質に加えて耐薬品性を
示し、ポリフェニレンエーテル樹脂とのアロイ化によっ
て、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、耐水性、寸法安定
性、等の物性バランスに優れた材料を得ようとする試み
が行なわれて来た。ところが、ポリフェニレンエーテル
樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂は相溶性が悪い為、単
純ブレンドによる組成物は脆性を示し、実用に供し得な
い。ポリアミド樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂のア
ロイ化と同様、熱可塑性ポリエステル樹脂とのアロイ化
に於いても、種々の相溶化剤が提案されている。(特開
昭63−350号公報、特開昭63−39958号公
報、特開昭62−257958号公報、特開昭63−8
9565号公報、特開昭63−89566号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル樹脂との
アロイ化の場合、末端基がアミノ基とカルボキシル基で
あるポリアミド樹脂とは異なり、ポリエステル樹脂の末
端はより反応性に乏しいヒドロキシル基とカルボキシル
基である為に、これらの相溶化剤の添加効果は十分でな
く、組成物としての物性、例えば引張り強度等は、各々
のベースの樹脂と比較して大巾に劣るという問題があっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を克服すべき鋭意検討を重ねた結果、変成ポリフェ
ニレンエーテル樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂との反
応をより促進する目的で、適当な条件で固相熱処理を施
すことにより、相溶性が改善され、引張り強度等の機械
的特性が改善されることを見出した。(特願平2−26
9911)更に検討の結果、特定のエポキシ樹脂を相溶
化剤として用いて、固相熱処理を施すことにより、相溶
性が著しく改善され、引張り強度等の機械的特性の向
上、更には熱変形温度までも著しく向上することを見出
し、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、 (イ)熱可塑性ポリエステル樹脂45〜95重量%と、 (ロ)ポリフェニレンエーテル樹脂5〜55重量%とか
らなるこれらの合計100重量部に対し、 (ハ)下記一般式(A)で表されるエポキシ樹脂0.5
〜15重量部を含有する樹脂組成物を得るにあたり、上
記(イ)、(ロ)および(ハ)の各成分を溶融混合した
後、(イ)成分の軟化点より100℃低い温度から軟化
点までの温度範囲で3時間以上の固相熱処理を行うこと
を特徴とする熱可塑性ポリエステル−ポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物の製造方法を要旨とするものである。
【化2】 のいずれかであり、Xの水素原子の一部または全部がハ
ロゲン原子で置きかわっていてもよく、Rは水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基のいずれ
かであり、nは2以上の整数である。)
【0007】
【化2】
【0008】のいずれかであり、Xの水素原子の一部ま
たは全部がハロゲン原子で置きかわっていてもよく、R
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキ
ル基のいずれかであり、nは2以上の整数である。)以
下に本発明を更に詳細に説明する。
【0009】本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル
樹脂とはジカルボン酸あるいはそのエステル成形性誘導
体とジオールあるいはそのエステル形成性誘導体とを主
成分とする縮合反応により得られる重合体である。ジカ
ルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルト
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、あるいはこれらのエス
テル形成性誘導体などの、単独ないし混合物が挙げられ
る。ジオール成分としてはエチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘ
キサンジオール、分子量400〜6,000の長鎖グリ
コールなどの単独ないし混合物が挙げられる。具体的に
熱可塑性ポリエステルの例を挙げるとポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
ヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート、ポリ(エチレンテレフタレー
ト/エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブチレ
ンテレフタレート/ブチレンドデカジオエート)共重合
体などであり、特に本発明で有用なものはポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレートである。
【0010】本発明で用いられるポリエステルの分子量
は特に制限はないが、好ましくは、フェノールとテトラ
クロロエタンとの重量比1:1の混合溶媒を使用し濃度
1g/dlとし30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.
5ないし1.3であることが望ましい。本発明で用いら
れるポリフェニレンエーテル樹脂は、フェノール類又は
その反応性誘導体から製造される。該ポリフェニレンエ
ーテル樹脂の製造に適したフェノール類としては、一般
【0011】
【化3】
【0012】(式中のR5 ,R6 ,R7 ,R8 及びR9
は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又は
置換炭化水素基であり、それらは同一であってもよい
し、たがいに異なっていてもよいが、少なくとも1つは
水素である)で示される化合物を挙げることができる。
このようなフェノール類としては、例えばフェノール、
o−、m−及びp−クレゾール、2,6−、2,5−、
2,4及び3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−
6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エ
チルフェノール、2,3,5−、2,3,6−及び2,
4,6−トリメチルフェノールなどが挙げられる。
【0013】これらのフェノール類は、それぞれ単独で
用いてもよいし、コポリマーを所望する場合は2種以上
を組み合わせて用いてもよく、また、前記一般式(I)
で示される化合物以外のフェノール類、例えばビスフェ
ノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾルシノ
ール、ヒドロキノンなどの中から選ばれた少なくとも1
種の二価フェノールと組み合わせて用いてもよい。適切
なポリフェニレンエーテル樹脂の例としては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポ
リ(3−メチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−アリル−1,4−フェニレン)
エーテル、ポリ(2,6−ジクロロメチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、ポリ(2,3,6−トリメチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,3,5,6
−テトラメチルフェニレン)エーテル、ポリ(2,6−
ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,
6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルな
どが挙げられ、また、2種以上の単量体単位を含むコポ
リマーも使用することができるし、これらの樹脂2種以
上を含む混合物も使用することができる。
【0014】このポリフェニレンエーテル樹脂の製造方
法については特に制限はなく、従来公知の方法、例えば
前記フェノール類を酸化カップリング触媒を用い、酸素
又は酸素含有ガスで酸化重合する方法などが一般的に用
いられる。該酸化重合触媒の種類については特に制限は
なく、従来公知の酸化触媒の中から任意のものを選択し
て用いることができる。該触媒の典型例としては、塩化
第一銅とトリメチルアミン及びジブチルアミンとの組合
わせ、酢酸第一銅とトリエチルアミンとの組合せ、塩化
第一銅とピリジンとの組合せなどの第一銅塩と第三級ア
ミン及び/又は第二級アミンとから成る触媒、塩化第二
銅とピリジンと水酸化カリウムとの組合せなどの第二銅
塩と第三級アミンとアルカリ金属水酸化物とから成る触
媒、塩化マンガンとエタノールアミンとの組合せ、酢酸
マンガンとエチレンジアミンとの組合せなどのマンガン
塩と第一級アミンとから成る触媒、塩化マンガンとナト
リウムメチラートとの組合せ、塩化マンガンとナトリウ
ムフェノラートとの組合せなどのマンガン塩とアルコラ
ート又はフェノラートとから成る触媒、コバルト塩と第
三級アミンとから成る触媒などを挙げることができる。
【0015】本発明で用いるポリフェニレンエーテル樹
脂は、310℃における剪断速度103 /秒の溶融粘度
が3000〜30,000ポイズ、好ましくは6000
〜20,000ポイズのものが好適である。本発明に用
いられるエポキシ樹脂は一般式
【0016】
【化4】
【0017】のいずれかであり、Xの水素原子の一部ま
たは全部がハロゲン原子で置きかわっていてもよく、R
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキ
ル基のいずれかであり、nは2以上の整数である。)で
示され、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンの反応
から得られるものである。
【0018】ビスフェノール類の例としては、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)サルホン、4,4′−ビフェノ
ール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパンなどがあげられる。原
料入手の容易さから2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンすなわちビスフェノールAが好適に用い
られる。
【0019】エポキシ樹脂の繰り返し単位数nは2以
上、より好ましくは6以上30未満である。nが2未満
の場合、得られる樹脂組成物はゲル化が著しくなり、溶
融粘度の急激な上昇にともなって極端に成形性が悪化す
る。またnが30を超える場合は相溶化効果が低下しが
ちであり強度や耐熱性向上の効果が不十分となる。本発
明で用いるエポキシ樹脂は少量ならビスフェノール以外
のジオール、すなわち2,6−ナフタレンジオールやハ
イドロキノンなどの芳香族ジオール、1,4−ブタンジ
オールやプロピレングリコール、エチレングリコールな
どの脂肪族ジオールを共重合させてもよい。
【0020】本発明において、熱可塑性ポリエステル樹
脂とポリフェニレンエーテル樹脂の相溶化を損なわない
範囲で他の樹脂やエラストマー等、例えばエチレン−α
−オレフィン共重合体ゴムおよびその酸変性品、ポリブ
タジエン系ゴム、水素化ポリブタジエン−スチレン−ブ
ロック共重合体、エチレン−ビニル系エステル共重合
体、エチレン−アクリル系エステル共重合体、エチレン
−無水マレイン酸−エチルアクリレート共重合体、アク
リルゴム、線状低密度ポリエチレン、ポリアミド系エラ
ストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリアクリレート樹脂等を配合することがで
きる。
【0021】更には、当樹脂組成物に、所望に応じて各
種添加剤、例えばカーボンブラック、シリカ、酸化チタ
ンなどの無機充填剤や有機充填剤、ガラス繊維、炭素繊
維などの強化剤、更には可塑剤、安定剤、難燃剤、着色
剤等を添加することもできる。本発明において、熱可塑
性ポリエステル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂およ
びエポキシ樹脂を主体とする樹脂組成物を溶融混合する
手法としては、一般に知られるいずれの方法でも良い
が、固相熱処理による相溶化向上の効果をより有効に発
揮させる為には分散を緻密にすることが重要であり、例
えば二軸押出機等の混練性の良い混合方法を適用するこ
とが望ましい。
【0022】本発明の樹脂組成物においては(イ)成分
と(ロ)成分の樹脂の配合比は熱可塑性ポリエステル樹
脂45〜95重量%にポリフェニレンエーテル樹脂5〜
55重量%である。熱可塑性ポリエステル樹脂の比率が
45重量%以下では、熱可塑性ポリエステルがマトリッ
クス相を形成し得ないし、また95重量%を超えると、
耐熱性や寸法安定性等が急激に低下してしまい、組成物
としての利点が失なわれてしまう。
【0023】本発明におけるエポキシ樹脂の配合量は、
熱可塑性ポリエステル樹脂とポリフェニレンエーテル樹
脂の合計100重量部に対して0.5〜15重量部、よ
り好ましくは1〜10重量部である。該樹脂が0.5重
量部に満たない場合は、相溶化効果が小さく熱可塑性ポ
リエステル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂を主体と
する樹脂組成物の耐熱性や強度の向上に対して有効性が
認められない。また一方、15重量部を超えると溶融粘
度が著しく増大し成形加工性が悪化し好ましくない。
【0024】本発明における固相熱処理とは、固相を維
持する条件、すなわちマトリックス相を形成している熱
可塑性ポリエステル樹脂の軟化点以下の温度で熱処理に
供することである。ここで言う軟化点とは、結晶性樹脂
の場合は融点を、非晶性樹脂の場合にはガラス転移点を
意味する。またマトリックス相とは相分離ブレンド系に
おける連続相を意味する。本発明における固相熱処理温
度は、マトリックス相を形成している樹脂の軟化点より
100℃低い温度、より好適には60℃低い温度から軟
化点より3℃低い温度までの温度領域に設定されるのが
好ましい。固相熱処理温度が該軟化点より100℃以上
低い温度では反応速度が極めて遅く十分な相溶化を達成
することが難しい。固相熱処理の圧力については特に制
限はなく、加圧、常圧、減圧のいずれであっても良い。
また、常圧においてチッ素フロー等の熱風を利用して界
面を更新する手法を適用することも有効である。
【0025】固相熱処理を行なう時間は、温度に応じて
その必要最低時間が決まるが、軟化点から3〜10℃低
い温度では最低3時間以上、より好ましくは5時間以上
の熱処理を行なうことが望ましい。3時間にみたない時
間の熱処理では反応の進行が不十分で、期待される強度
や耐熱性の向上が達成されない。更にこれより低温の場
合は、より長時間の熱処理を施すことが必要となる。固
相熱処理時の温度のかけ方には特に制限はないが、一般
的には全体を均一に加熱する目的から、より低温からゆ
っくりとした温度上昇で目的の温度に到達させることが
望ましい。典型的な温度上昇パターンの一例を以下に示
す。50℃×3時間→120℃×3時間→150℃×3
時間→210℃×6時間
【0026】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの
例によってなんら限定されるものではない。使用原料樹脂 ・ポリフェニレンエーテル樹脂0.6g/dl濃度のク
ロロホルム溶液の25℃における比粘度ηspが0.31
のポリ(2,6−ジメチル−p−フェニレンエーテル)
(以下PPEと略)を使用した。
【0027】・ポリブチレンテレフタレート樹脂 フェノールとテトラクロロエタンとの重量化1:1の混
合溶媒を使用し濃度1g/dl溶液の30℃における極
限粘度〔η〕が1.1のポリブチレンテレフタレートを
使用した。・エポキシ樹脂繰り返し単位数nが1、20
の下記式で表わされるビスフェノール型エポキシ樹脂を
使用した。
【0028】
【化5】
【0029】混練方法、成形方法 全て東芝機械(株)製TEM35B二軸押出機を使用
し、構成成分の溶融混合を行なった。また得られた組成
物の成形は、東芝機械(株)製IS−45P射出成形機
によりバレル温度280℃、金型温度80℃で行なっ
た。
【0030】物性評価方法 (引張り強度)成形によって得られたASTM規格に準
ずる引張り試験片を、ASTM D−638に準じて引
張り試験を行ない評価した。(熱変形温度)ASTM規
格に準ずる曲げ試験片を、ASTM D−648に準じ
て18.6kg/cm2 荷重の熱変形温度の試験を行ない評
価した。
【0031】実施例−1 ポリブチレンテレフタレート樹脂60重量部とPPE4
0重量部、ポリブチレンテレフタレート樹脂とPPEの
全重量に対して3重量部のエポキシ樹脂(繰り返し単位
数n=20)を、充分に均一になるようにドライブレン
ドし、バレル設定280℃、スクリュー回転数150rp
m で溶融混合を行ないペレット化し、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂(融点224℃)をマトリックスとする
樹脂組成物を得た。その後、この樹脂組成物を窒素気流
下(20L/min )、120℃で3時間、160℃で3
時間、更に210℃で6時間の固相熱処理を行なった。
固相熱処理後のペレットより成形して得られた試験片を
用い引張り試験を行なったところ、引張り強度は510
kg/cm2 、引張り破断伸びは4.5%であった。また1
8.6kg/cm2 荷重下における熱変形温度は160℃で
あった。
【0032】比較例−1 実施例−1において固相熱処理を行なわない他は実施例
−1と全く同様にして得た試験片の物性を測定したとこ
ろ、引張り強度は310kg/cm2、引張り破断伸びは
2.1%、熱変形温度は127℃であった。
【0033】実施例2〜3 実施例1において、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
PPE、エポキシ樹脂の重量を変えた以外は全く同様に
して得た試験片について、物性の測定を行なった。結果
を表1に示す。
【0034】比較例2〜3 比較例1において、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
PPE、エポキシ樹脂の重量を変えた以外は全く同様に
して得た試験片について物性の測定を行なった。結果を
表1に示す。
【0035】比較例−4 実施例1において、エポキシ樹脂を0.4重量部とした
以外は全く同様にして得た試験片の物性を測定したとこ
ろ、引張り強度は270kg/cm2、引張り破断伸びは
1.9%、熱変形温度は124℃であった。
【0036】比較例−5 実施例−1において、エポキシ樹脂を20重量部とした
以外は全く同様にして溶融混合、ペレット化、および固
相熱処理を行なった後、成形を行なったところ、溶融粘
度の著しい上昇が確認され、良好な試験片を得ることが
できなかった。
【0037】比較例−6 実施例−1において、エポキシ樹脂を、繰り返し単位数
n=1のエポキシ樹脂を用いた以外は全く同様にして溶
融混合、ペレット化、および固相熱処理を行なった後、
成形を行なったところ、溶融粘度の著しい上昇が確認さ
れ、良好な試験片を得ることができなかった。
【0038】比較例−7 実施例−1において、ポリブチレンテレフタレート樹脂
を100重量部、PPEを0重量部とした以外は全く同
様にして得た試験片の物性を測定したところ引張り強度
は490kg/cm2 、引張破断伸びは21.0%、熱変形
温度は64℃であった。
【0039】比較例−8 比較例−7において固相熱処理を行なわない他は比較例
−7と全く同様にして得た試験片の物性を測定したとこ
ろ引張り強度は460kg/cm2 、引張破断伸びは19.
1%、熱変形温度は60℃であった。比較例7,8から
ポリブチレンテレフタレート樹脂、及びエポキシ樹脂の
みでは、固相熱処理の効果がないことがわかる。このこ
とより固相熱処理の効果は単なるアニーリング効果やポ
リエステル樹脂の高重合化によるものでなく、熱可塑性
ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、相溶
化剤間の反応を促進するためと、推定される。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】実施例に示したように、本発明によれ
ば、特定のエポキシ樹脂を相溶化剤に用いて熱可塑性ポ
リエステル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂を主体と
する熱可塑性樹脂組成物を得るにあたり、上記三成分の
混合ののち、固相熱処理に供することによって、熱変形
温度に大きな向上が見られ、また引張り破断伸度並びに
引張り強度についても顕著な向上が見られ、従来の組成
物に比べて物性バランスに優れたアロイを得ることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−147465(JP,A) 特開 昭62−288650(JP,A) 特開 平1−174557(JP,A) 特開 平4−145157(JP,A) 米国特許3305528(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 81/00 C08G 59/00 - 59/72 C08L 63/00 - 63/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)熱可塑性ポリエステル樹脂45〜
    95重量%と、(ロ)ポリフェニレンエーテル樹脂5〜
    55重量%とからなるこれらの合計100重量部に対
    し、(ハ)下記一般式(A)で表されるエポキシ樹脂
    0.5〜15重量部を含有する樹脂組成物を得るにあた
    り、上記(イ)、(ロ)および(ハ)の各成分を溶融混
    合した後、(イ)成分の軟化点より100℃低い温度か
    ら軟化点までの温度範囲で3時間以上の固相熱処理を行
    うことを特徴とする熱可塑性ポリエステル−ポリフェニ
    レンエーテル樹脂組成物の製造方法。 【化1】 のいずれかであり、Xの水素原子の一部または全部がハ
    ロゲン原子で置きかわっていてもよく、Rは水素原子、
    ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基のいずれ
    かであり、nは2以上の整数である。)
  2. 【請求項2】 固相熱処理の温度範囲を(イ)成分の軟
    化点より60℃低い温度から軟化点より3℃低い温度ま
    でとした特許請求の範囲第1項記載の熱可塑性ポリエス
    テル−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法。
JP3002819A 1991-01-14 1991-01-14 熱可塑性ポリエステル−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法 Expired - Fee Related JP3049778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3002819A JP3049778B2 (ja) 1991-01-14 1991-01-14 熱可塑性ポリエステル−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3002819A JP3049778B2 (ja) 1991-01-14 1991-01-14 熱可塑性ポリエステル−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04239029A JPH04239029A (ja) 1992-08-26
JP3049778B2 true JP3049778B2 (ja) 2000-06-05

Family

ID=11540024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3002819A Expired - Fee Related JP3049778B2 (ja) 1991-01-14 1991-01-14 熱可塑性ポリエステル−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3049778B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103717639A (zh) * 2011-06-27 2014-04-09 沙伯基础创新塑料知识产权有限公司 聚亚芳基醚-聚羟基醚嵌段共聚物和制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5252780B2 (ja) * 2006-03-03 2013-07-31 旭化成ケミカルズ株式会社 樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103717639A (zh) * 2011-06-27 2014-04-09 沙伯基础创新塑料知识产权有限公司 聚亚芳基醚-聚羟基醚嵌段共聚物和制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04239029A (ja) 1992-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4443581A (en) Impact modified polyarylate blends
EP0347599B1 (en) Blends of a silicone-polycarbonate block copolymer with a compatibilized alloy of polyphenylene ether resin/polyester resin
JPH07736B2 (ja) ポリフェニレンエ−テルと線状ポリエステルとの耐溶剤性の相溶性配合物
JPH0749473B2 (ja) ポリカーボネート―ポリエーテルブロック共重合体
JPH06505300A (ja) 高熱のポリカーボネートと芳香族ポリエステルの耐衝撃性ブレンド
US5037897A (en) Use of phosphoroustrislactams as compatibilizing agents for polyphenylene oxide/polyester blends
EP0396245A2 (en) Thermoplastic polyblends of aromatic polycarbonates and thermoplastic polyurethanes
CA2074961A1 (en) Solvent-resistant polycarbonate-polyester blends with improved impact properties
EP0530442B1 (en) Process for producing a hydroxy-substituted poly (phenylene ether) resin
JP3049778B2 (ja) 熱可塑性ポリエステル−ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法
JPH0655884B2 (ja) ポリスチレン−ポリカーボネート共重合体を用いポリエステルとポリフェニレンエーテルの相溶性化
US4898918A (en) Thermoplastic resin composition
JPH02272059A (ja) 芳香族ポリカーボネート、ポリエステル及び熱可塑性エラストマーを含むポリマー混合物及びそれから成形された物品
US4814393A (en) Composition of graft modified polyphenylene ether and polycarbonate
WO1992007034A2 (en) Polymer mixture comprising polybutylene terephthalate thermoplastic elastomer, and a halogenated flame retardant additive; articles formed therefrom
JP5252780B2 (ja) 樹脂組成物
JPH02218737A (ja) 耐溶剤性、相溶性のポリフェニレンエーテルー熱可塑性ポリエステル組成物
JPH02170852A (ja) ポリフェニレンエーテルと変性ポリエステルのブレンド
JPH0759621B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2606333B2 (ja) 樹脂組成物
EP2576692A2 (en) Thermoplastic polyester elastomer compositions
JPH01123859A (ja) 樹脂組成物
JP2680099B2 (ja) 耐熱性樹脂組成物の製造方法
JPH01245048A (ja) 樹脂組成物
JPH03185049A (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリエステル樹脂の相溶化組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080331

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090331

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090331

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees