JP2011241311A - 粘着剤、粘着フィルム、光学部材用表面保護フィルム及びそれが貼付された積層体 - Google Patents

粘着剤、粘着フィルム、光学部材用表面保護フィルム及びそれが貼付された積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、優れた帯電防止性能を有し、表面保護フィルムと被着体との間に気泡が入った状態でそれらを貼付した場合に、前記気泡周辺の被着体表面の汚染(エージングバブル)を防止可能で、かつ、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性を備えた粘着剤を提供することである。
【解決手段】本発明は、ビニル重合体(A)、イオン性液体(B)、及び、特定構造を有するカチオン性界面活性剤(C)を含有する粘着剤粘着剤に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板等の光学部材をはじめとする様々な部材に貼付可能な粘着剤に関する。
液晶テレビ等の液晶表示装置に設けられている液晶ディスプレイは、偏光板をはじめとする各種の光学部材から構成されている。前記光学部材には、その表面に埃等が付着するのを防止し、かつ輸送等の際に傷が発生するのを防止するために、通常、表面保護フィルムが貼付されている。
前記表面保護フィルムとしては、一般にポリエチレンテレフタレート等の透明なプラスチックフィルムの表面に、粘着層を有するものが使用される。前記表面保護フィルムは、通常、偏光板等の光学部材の輸送時に加え、液晶ディスプレイ等の製造工程においても、光学部材に貼付されているが、液晶ディスプレイ等が最終製品として出荷される際には、光学部材の表面から剥離され、処分される。
そのため、前記保護フィルムを構成する粘着層が、光学部材等の被着体表面から前記表面保護フィルムを剥離した際に前記被着体表面を帯電させやすい材質であると、前記被着体表面に埃等の汚れが付着しやすくなり、光学製品の歩留まりを低下させる場合があった。
また、前記表面保護フィルムを被着体に貼付する際、該フィルムと被着体との間に気泡が入る場合がある。その場合、前記粘着剤由来の成分が、前記気泡周辺の被着体表面に付着し、被着体表面を汚染するという問題があった。前記被着体表面の汚染は、一般にエージングバブルといわれ、かかるエージングバブルの発生防止は、光学部材等の生産効率を向上するうえで重要な技術課題とされている。とりわけ、前記表面保護フィルムは、近年の経費削減の観点から、複数回繰り返し使用される場合があり、前記表面保護フィルムを再利用する際には、前記被着体との間に気泡が入りやすく、その結果、前記気泡由来の被着体表面の汚染が生じ、生産効率の低下を引き起こす場合があった。
前記エージングバブルの発生を抑制可能で、かつ優れた帯電防止性を備えた粘着剤としては、例えばカチオン系界面活性剤と過塩素酸塩とを粘着剤用重合体中に含有してなる粘着剤用重合体組成物が知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかし、前記粘着剤用重合体組成物は、被着体表面の汚染防止性の点で十分と言えない場合があり、また、前記汚染防止性を改善すべく粘着剤用重合体組成物の配合割合を調整すると、前記帯電防止性の低下を引き起こす場合があるなど、前記粘着剤用重合体組成物を用いて得られた粘着剤では、優れた帯電防止性と、被着体表面の汚染防止とを両立することが困難な場合があった。
ところで、前記表面保護フィルム等に使用可能な粘着剤としては、被着体表面に貼付された表面保護フィルムを剥離する際に、比較的弱い力で容易に剥離可能なレベルの接着力を備えたものが求められている。
前記剥離を容易にする方法としては、粘着剤の接着力が低くなるよう、樹脂組成を調整する方法が知られている。しかし、接着力を低く調整した粘着剤を用いると、前記表面保護フィルム等の粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面で剥離が生じやすくなり、前記表面保護フィルムの材料破壊が引き起こされる場合があった。
一方で、前記支持体と粘着剤層との界面剥離を防止すべく、粘着剤の接着力を高めようとすると、被着体表面から保護フィルムを容易に剥離することが困難となる場合があった。
特開2006−2140号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた帯電防止性能を有し、表面保護フィルムと被着体との間に気泡が入った状態でそれらが貼付された場合であっても、前記気泡周辺の被着体表面の汚染(エージングバブル)を防止可能で、かつ、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性とを備えた粘着剤を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、従来のアクリル系粘着剤をベースとし、様々な添加剤を組み合わせ使用することを検討した。具体的には、特許文献1に記載されたカチオン系界面活性剤をはじめ様々な種類の界面活性剤を組み合わせ使用することを検討した。
しかし、従来のアクリル系粘着剤に各種カチオン性界面活性剤を使用しても、依然として前記気泡に起因した被着体の汚染を防止することは困難であった。また、前記カチオン性界面活性剤として、例えば下記一般式(I)で示される構造からなるカチオン系界面活性剤を使用した場合も、前記同様に被着体の汚染を十分に防止することはできなかった。
一方、粘着剤の帯電防止性能を向上することを目的として、従来から帯電防止剤として知られる過塩素酸リチウム塩や、イオン液体として知られるピリジニウム塩等を使用することを検討した。
しかし、前記で得られた粘着剤は、良好な帯電防止性能を有するものの、前記表面保護フィルムと被着体との間に気泡が入った状態でそれらを貼付した場合に生じうる、前記気泡周辺の被着体表面の汚染を防止することは、依然として困難であった。
本発明者等は、更に検討を進めるなかで、前記アクリル系粘着剤に、下記一般式(I)で示される特定の構造を備えたカチオン性界面活性剤を使用し、かつ、イオン液体を組み合わせ使用したところ、予想外にも、優れた帯電防止性と、前記被着体表面の汚染(エージングバブル)防止とを両立でき、かつ、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性とを付与できることを見出した。
また、前記粘着剤をベースとして更に検討を進めた結果、粘着剤を構成するビニル重合体として、ポリアルキレンオキサイド構造を有さないものを使用した場合に、前記被着体表面の汚染(エージングバブル)をより一層防止できることも見出した。
即ち、本発明は、ビニル重合体(A)、イオン性液体(B)、及びカチオン性界面活性剤(C)を含有する粘着剤であって、前記カチオン界面活性剤(C)が、下記一般式(I)で示される構造を有するものであることを特徴とする粘着剤に関する。
Figure 2011241311
(一般式(I)中のR及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子数10〜20のアルキル基を表し、前記Rは炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、前記nは2〜10の整数を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Xは過塩素酸イオンまたはスルホン酸イオンまたはアルキルスルホン酸イオンを表す。)
また、本発明は、前記粘着剤からなる粘着層が支持体の片面または両面に形成された粘着フィルム及び光学部材用表面保護フィルムに関する。
本発明の粘着剤は、優れた帯電防止性能を有し、かつ、前記表面保護フィルムと被着体との間に気泡が入った状態でそれらを貼付した場合に、前記気泡周辺の被着体表面の汚染を防止可能であることから、例えば偏光板や光学補償フィルム、位相差板等の光学部材等の表面保護フィルムに使用することができる。また、本発明の粘着剤は、被着体表面から容易に剥離可能で、かつ、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないことから、再剥離用粘着シートの製造に好適に使用することができる。
本発明の粘着剤は、ビニル重合体(A)、イオン性液体(B)、カチオン性界面活性剤(C)、及び必要に応じてその他の添加剤を含有する粘着剤であって、前記カチオン界面活性剤(C)が、下記一般式(I)で示される構造を有するものである。
Figure 2011241311
(一般式(I)中のR及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子数10〜20のアルキル基を表し、前記Rは炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、前記nは2〜10の整数を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Xは過塩素酸イオンまたはスルホン酸イオンまたはアルキルスルホン酸イオンを表す。)
本発明の粘着剤としては、良好な塗工作業性や取り扱い性を維持する観点から、例えば有機溶剤や水系媒体等の溶媒を含むことが好ましい。具体的には、有機溶剤中に前記ビニル重合体(A)やイオン性液体(B)、前記カチオン性界面活性剤(C)等が溶解または分散したものであることがより好ましい。
本発明では、前記イオン性液体(B)と前記特定のカチオン性界面活性剤(C)とを組み合わせ使用することが、本発明の課題を解決するうえで重要である。
ここで、前記イオン性液体(B)の代わりに、過塩素酸リチウム塩等の無機塩からなる帯電防止剤を使用した場合では、優れた帯電防止性と、被着体表面の汚染防止とを両立できない場合がある。一方、前記特定のカチオン性界面活性剤(C)の代わりに、従来知られるモノアルキルアンモニウムクロライド、ポリプロピレングリコールメチルジエチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤を使用した場合、粘着フィルムを構成する支持体に対する密着性が低下し、該支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こす場合がある。
したがって、前記イオン性液体(B)と前記特定のカチオン性界面活性剤(C)とは、優れた帯電防止性能と、エージングバブルに起因した被着体表面の汚染防止と、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との優れた密着性とを両立するうえで、それらの質量割合[(B)/(C)]が1/0.5〜1/2の範囲で使用することが好ましく、1/0.8〜1/1.7の範囲で使用することがより好ましく、1/0.8〜1/1.2であることが特に好ましい。
はじめに、本発明の粘着剤で使用するビニル重合体(A)について説明する。
本発明で使用するビニル重合体(A)は、本発明の粘着剤を構成する主成分となりうるものである。
前記ビニル重合体(A)としては、例えば被着体に貼付された状態では粘着フィルムの浮きや剥がれを引き起こさないレベルの良好な接着力と、該被着体から粘着フィルムを剥離する際には比較的弱い力で容易に剥離できるレベルの再剥離性とを両立する観点から、20万〜200万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましい。
また、前記ビニル重合体(A)としては、−25℃以下のガラス転移温度を有するものを使用することが、被着体に対する良好な接着力と前記再剥離性とを両立するうえで好ましい。
また、粘着剤に使用するビニル重合体としては、良好な帯電防止性を付与する観点から、従来、ポリエチレンオキサイド鎖等のポリアルキレンオキサイド構造を有するアクリル重合体が好ましく使用されている。
しかし、ポリアルキレンオキサイド構造を有するビニル重合体は、被着体表面の汚染を引き起こす場合があるため、その使用量について注意する必要があった。
一方、本発明の粘着剤は、前記ポリアルキレンオキサイド構造を有するビニル重合体を使用せずとも、優れた帯電防止性と被着体表面汚染(エージングバブル)の防止とを両立することができるものである。
本発明では、前記ビニル重合体(A)として、前記ポリアルキレンオキサイド構造を有するビニル重合体を使用してもよいが、その使用量はできるだけ少ないことが好ましく、前記ポリアルキレンオキサイド構造を有さないビニル重合体を主成分として使用することが、本発明の課題を解決するうえで特に好ましい。具体的には、本発明の粘着剤で使用するビニル重合体の全量に対して、前記ポリアルキレンオキサイド構造を有さないビニル重合体を90質量%以上の範囲で使用することが好ましく、95質量%以上の範囲で使用することがより好ましく、100質量%使用することが特に好ましい。
また、前記ビニル重合体(A)としては、より一層優れた帯電防止性と、エージングバブルの発生防止と、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性とを備えた粘着剤を得る観点から、カルボキシル基を有するものを使用することが好ましい。前記ビニル重合体(A)としては、前記カルボキシル基由来の酸価が1〜3のものを使用することが好ましい。
また、本発明の粘着剤として、後述する架橋剤を併用する場合、前記ビニル重合体(A)としては、架橋剤と反応し架橋構造を形成する官能基を有するビニル重合体を使用することが好ましい。前記官能基としては、例えば水酸基が挙げられる。
前記水酸基は、ビニル重合体(A)の全量に対して1〜15質量%の範囲で使用することが好ましく、3〜10質量%存在することが、被着体表面汚染(エージングバブル)の防止と、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性とを両立するうえで好ましい。
以上のことから、前記ビニル重合体(A)としては、水酸基とカルボキシル基とを有するものを使用することが好ましい。
前記ビニル重合体(A)としては、各種ビニル単量体をラジカル重合することよって製造したものを使用することができる。
前記ビニル単量体としては、例えばアルキル基含有ビニル単量体や水酸基含有ビニル単量体、カルボキシル基含有ビニル単量体等の、従来から知られているものを組み合わせ使用することができる。
また、前記ビニル重合体(A)の製造に使用可能なアルキル基含有ビニル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基含有(メタ)アクリル単量体を使用することができ、なかでもn−ブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートを使用することが、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性と、被着体に対する良好な再剥離性を両立した粘着剤を得るうえで好ましい。
前記アルキル基含有ビニル単量体は、ビニル重合体(A)の製造に使用するビニル単量体の全量に対して50〜99質量%使用することが好ましい。かかる範囲内のアルキル基含有ビニル単量体を使用することによって、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性と、被着体に対する良好な再剥離性とを両立した粘着剤を得ることができる。
前記ビニル重合体(A)の製造に使用可能な水酸基含有ビニル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリル、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル単量体を使用することができ、なかでも2−ヒドロキシエチルアクリレートや3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチルアクリレートを使用することが好ましい。
前記水酸基含有ビニル単量体は、前記ビニル重合体(A)の製造に使用するビニル単量体の全量に対して5〜15質量%使用することが好ましく、5〜10質量%使用することが特に好ましい。前記範囲の水酸基含有ビニル単量体を使用することによって、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性と、被着体に対する良好な再剥離性とを両立するうえで好ましい。
また、前記ビニル重合体(A)の製造に使用可能なカルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等を使用することができ、なかでも、アクリル酸やメタクリル酸を使用することが好ましい。
前記カルボキシル基含有ビニル単量体は、ビニル重合体(A)の製造に使用するビニル単量体の全量に対して0.01〜1質量%使用することが好ましく、更には0.05〜0.5質量%使用することが特に好ましい。
また、前記ビニル重合体(A)の製造には、前記したものの他にアミド基含有ビニル単量体、アミノ基含有ビニル単量体、イミド基含有ビニル単量体等の窒素原子含有ビニル単量体を使用することができる。
前記アミド基含有ビニル単量体としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等を使用することができる。
前記アミノ基含有ビニル単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記イミド基含有ビニル単量体としては、例えばシクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド等を使用することができる。
また、その他のビニル単量体としては、前記した以外にも、例えばスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有アクリル単量体や、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート基含有リン酸基含有アクリル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有アクリル単量体をはじめ、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどを併用しても良い。
前記した各種ビニル単量体を用いてビニル重合体(A)を製造する方法としては、例えば前記ビニル単量体の有する重合性二重結合に起因したラジカル重合法が挙げられる。具体的には、前記した各種ビニル単量体と重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合を進行させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物や、2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物等を使用することができる。前記重合開始剤の使用量は、前記ビニル単量体の全量100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
また、前記有機溶剤としては、本発明の粘着剤の溶媒に使用可能なものを使用することが好ましく、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどを使用することができ、なかでもトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンを使用することが好ましい。
前記方法で得られたビニル重合体(A)は、本発明の粘着剤全体に対して、20〜60質量%の範囲で使用することが好ましく、30〜50質量%の範囲で使用することが好ましい。
次に、本発明で使用するイオン性液体(B)について説明する。
本発明で使用するイオン性液体(B)は、優れた帯電防止性を粘着剤に付与するとともに、特定のカチオン性界面活性剤(C)と組み合わせ使用することによって、エージングバブルに起因した被着体の汚染防止を付与するうえで必須の成分である。
前記イオン性液体(B)としては、概ね100℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは25℃以下の温度で液状の塩を使用することが好ましい。
また、前記イオン性液体(B)としては、概ね10−3Scm−1以上のイオン伝導度を有するものを使用することが、優れた帯電防止性を有する粘着層を形成するうえで好ましい。
前記イオン性液体(B)としては、カチオン成分とアニオン成分とから構成されるものを使用することができる。
前記カチオン成分としては、例えば、ピリジニウムやピペリジニウム、ピロリジニウム、イミダゾリウム、ピリミジニウム、ピラゾリウム、ビラゾリニウム、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルスルホニウム、テトラアルキルホスホニウム等の、イオン性液体を構成するカチオン成分として従来知られるものを使用することができる。なかでも、前記イオン性液体(B)を構成するカチオン成分が窒素原子含有環状オニウム塩であるものを使用することが、優れた帯電防止性と、エージングバブルに起因した被着体の汚染防止とを両立した粘着剤を得るうえで好ましい。また、前記カチオン成分が窒素原子含有環状オニウム塩であるイオン性液体と、前記一般式(I)中のXがスルホン酸イオンであるカチオン性界面活性剤を組み合わせ使用すると、粘着剤層の経時的な変色を防止できるため好ましい。
また、前記アニオン成分としては、Cl-、Br-、I、NCO3 -、CH3COO-、BF4 -、PF6 -、AlCl 、AlCl 、ClO 、NO 、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、CSO 、(CSO、(CFSO)(CFCO)N等を使用することができる。
前記イオン性液体(B)としては、具体的には、1−アルキルピリジニウム、1−アルキル−3−メチルピリジニウム、1−アルキルイミダゾリウム、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウム、1−アルキル−2,3−ジメチルイミダゾリウム及び1−アルキル−1−メチルピロリジニウムからなる群より選ばれる1種以上のカチオン成分と、ビス(フルオロスルホニル)イミド〔(FOS)〕、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド〔(CSO〕、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔(CFSO〕、及び、ヘキサフルオロホスフェート〔PF 〕からなる群より選ばれる1種以上のアニオン成分との組み合わせからなるイオン性液体を使用することが、優れた帯電防止性と支持体に対する優れた接着力を付与するうえでより好ましい。前記カチオン成分中のアルキル基は、炭素原子数1〜10からなるアルキル基であることが好ましい。
前記イオン性液体(B)は、前記ビニル重合体(A)100質量部に対して、0.1〜1.5質量部の範囲で使用することが好ましく、0.3〜1.0質量部の範囲で使用することが、優れた帯電防止性と、エージングバブルの防止とを両立するうえでより好ましい。
次に、本発明で使用するカチオン性界面活性剤(C)について説明する。
本発明で使用するカチオン性界面活性剤(C)は、下記一般式(I)で示される構造を有するものである。具体的には、窒素原子に炭素原子数1〜5のアルキル基が2個結合し、前記アルキル基とは別に、該窒素原子に炭素原子数10〜20の比較的長鎖のアルキル基が結合し、かつ、前記窒素原子に(ポリ)オキシアルキレン構造が結合した陽イオンと、過塩素酸イオンまたはスルホン酸イオンまたはアルキルスルホン酸イオンである陰イオンとから構成されるものである。
Figure 2011241311
(一般式(I)中のR及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子数10〜20のアルキル基を表し、前記Rは炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、前記nは2〜10の整数を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Xは過塩素酸イオンまたはスルホン酸イオンまたはアルキルスルホン酸イオンを表す。)
前記カチオン性界面活性剤(C)としては、前記一般式(I)中のR及びRが、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
また、前記カチオン性界面活性剤(C)としては、前記一般式(I)中のRが炭素原子数10〜15のアルキル基であることが好ましく、具体的には炭素原子数12のアルキル基であることが、優れた帯電防止性能を損なうことなく、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性を付与するうえでより好ましい。
また、前記カチオン性界面活性剤(C)としては、前記一般式(I)中のRが炭素原子数1〜5のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
また、前記カチオン性界面活性剤(C)としては、前記一般式(I)中のnが2〜10の整数であることが必須であり、4〜6の整数であることが、イオン性液体のブリードやエージングバブルに起因した被着体表面の汚染防止と、優れた帯電防止性能とを両立するうえでより好ましい。
また、前記カチオン性界面活性剤(C)としては、前記一般式(I)中のRが水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
また、前記カチオン性界面活性剤(C)としては、前記一般式(I)中のXが過塩素酸イオンであることが、良好な帯電防止性と、エージングバブルの発生防止とともに、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性と、被着体に対する良好な再剥離性とを両立するうえで好ましい。一方、粘着剤層の経時的な変色を防止する場合や、被着体が金属基材である場合の該金属基材の経時的な腐食を防止する際には、前記Xとしてスルホン酸イオンを使用することが好ましい。
前記カチオン性界面活性剤(C)としては、具体的には、ポリオキシエチレンN,N−ジメチルラウリルアミン過塩素酸、ポリオキシエチレンN,N−ジメチルラウリルアミンスルホン酸、ポリオキシエチレンN,N−ジメチルラウリルアミンエトサルフェートに代表されるポリオキシエチレンN,N−ジメチルアルキルアミンと過塩素酸イオン、スルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオンとのオニウム塩等を使用することが特に好ましい。
前記カチオン性界面活性剤(C)の使用量は、前記ビニル重合体(A)100質量部に対して0.1〜1.0質量部の範囲で使用することが好ましく、0.5〜1.0質量部の範囲で使用することが、優れた帯電防止性と被着体の表面汚染防止とを両立するとともに、粘着フィルムを構成する支持体と粘着剤層との界面剥離を引き起こさないレベルの密着性とを付与するうえでより好ましい。また、前記カチオン性界面活性剤(C)の使用量は、前記したとおり、イオン性液体(B)の使用量とのバランスを考慮し、それらの質量割合[(B)/(C)]が1/0.5〜1/2の範囲で使用することが好ましく、1/0.8〜1/1.7の範囲で使用することがより好ましく、1/0.8〜1/1.2であることが、優れた帯電防止性能と、エージングバブルの発生防止とを両立するうえで特に好ましい。
本発明の粘着剤は、前記したとおり、良好な塗工作業性や取り扱い性を維持する観点から、有機溶剤や水系媒体等の溶媒を含有することが好ましく、有機溶剤を使用することがより好ましい。
前記有機溶剤としては、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどを使用することができ、なかでもトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンを使用することが好ましい。
前記有機溶剤等の溶媒は、本発明の粘着剤の全量に対して30〜75質量%の範囲で含まれることが好ましい。
また、本発明の粘着剤は、必要に応じて架橋剤を含有していても良い。
架橋剤は、前記ビニル重合体(A)と3次元の架橋構造を形成することで適度な接着力を粘着剤に付与する。架橋剤を使用する場合には、前記ビニル重合体(A)として、架橋剤と反応しうる官能基、具体的には、前記した水酸基やカルボキシル基等を有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えばトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物等のイソシアネート基含有架橋剤や、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ基含有架橋剤等の従来知られているものを使用することができるが、なかでもイソシアネート基含有架橋剤を使用することが好ましい。
前記イソシアネート基含有架橋剤は、前記ビニル重合体(A)の全量に対して5〜25質量%の範囲で使用することが、粘着フィルムを構成する基材への濡れ性の向上や良好な再剥離性を付与する上で好ましい。
また、本発明の粘着剤は、好適な接着力と優れた帯電防止性と、粘着フィルムを構成する支持体に対する優れた密着性とともに、エージングバブルの発生防止とを両立する観点から、各種無機塩を併用することが好ましい。具体的には、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、p−トルエンスルホン酸の有機アミンによる中和塩、スルホン酸基含有ポリエステルポリオールのリチウム塩、スルホン酸基含有ポリエステルポリオールのナトリウム塩、及び、スルホン酸基含有ポリエステルポリオールのカリウム塩からなる群より選ばれる1種以上を使用することが好ましく、過塩素酸リチウムやスルホン酸基含有ポリエステルポリオールのナトリウム塩を使用することがより好ましい。
前記無機塩は、本発明の粘着剤の全量に対して0.1〜2質量%の範囲が好ましく、0.1〜1質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また、本発明の粘着剤は、前記成分の他に必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。
また、前記添加剤としては、例えば架橋触媒、着色剤、顔料などの粉体、前記カチオン性界面活性剤(C)以外のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面平滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
次に、本発明の粘着剤の製造方法について説明する。
本発明の粘着剤は、例えば前記ビニル単量体を有機溶剤中でラジカル重合することによってビニル重合体(A)の有機溶剤溶液を製造し、次いで該有機溶剤溶液と、前記イオン性液体(B)と、前記カチオン性界面活性剤(C)と、必要に応じてその他の添加剤を混合することによって製造することができる。また、前記架橋剤は、混合後、直ちにビニル重合体(A)との架橋反応が進行するため、架橋剤の混合後は、速やかに粘着剤を塗工等することが好ましい。
前記方法等で得られた本発明の粘着剤は、優れた帯電防止性と、エージングバブルに起因した被着体表面の汚染防止とを両立できることから、例えば各種粘着フィルムを構成する粘着層に使用することができる。
前記粘着フィルムは、プラスチック基材等の支持体の片面または両面に粘着剤層が設けられたものであって、例えば偏光板や光学補償フィルム、位相差板等の光学部材の表面を保護するための表面保護フィルムや、ダイシング用フィルム、バックグラインドフィルム等に使用することができる。特に前記光学部材用の表面保護フィルムとして使用することが好ましい。
かかる粘着フィルムの粘着層の厚みは特に制限はないが、1〜100μm好ましい。特に光学部材の表面保護フィルムとして使用する場合には、5〜30μmが好ましい。
前記粘着フィルムは、例えば、前記ビニル重合体(A)と前記イオン性液体(B)と前記カチオン性界面活性剤(C)と、必要に応じて有機溶剤や架橋剤を含む粘着剤を、速やかに支持体表面に塗工し、およそ70〜120℃の条件下で乾燥し有機溶剤を除去した後、粘着剤層のゲル分率が概ね85質量%以上となるまで、およそ25〜50℃で1〜3日間程度養生することによって製造することができる。
また、前記粘着フィルムは、例えば前記粘着剤を離型フィルム上に塗工し、およそ70〜120℃の条件下で乾燥し有機溶剤を除去した後、粘着剤層のゲル分率が概ね85質量%以上となるまで、およそ25〜50℃で1〜3日間程度養生することによって粘着剤層を形成した後、該粘着剤層上に支持体を積層し転写することによって製造することもできる。
前記支持体としては、例えばプラスチック基材等を使用することができる。前記プラスチック基材としては、シート状又はフィルム上のものを使用することが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルをはじめ、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンエチレンビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドからなるシート又はフィルムを使用することが好ましい。前記プラスチック基材は、粘着フィルムを使用する用途に応じて異なるが、概ね10〜100μmの厚みであることが好ましい。
また、本発明の粘着剤を光学部材用表面保護フィルムに使用する場合には、フィルムとして更に高いレベルの帯電防止性を求められることから、前記支持体の表面に帯電防止処理の施されたものを使用することが好ましい。
前記支持体の片面又は両面に本発明の粘着剤を塗工する方法としては、例えばロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、スプレーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター等を用いる方法が挙げられる。
また、前記支持体上に粘着剤を塗工した後、その粘着剤が所定のゲル分率となるまで硬化させ粘着層を形成する方法としては、常温下で一定期間養生する方法であっても良いが、硬化反応を促進する観点から30℃〜50℃の範囲で養生しても良い。
本発明の粘着剤を用いて形成された粘着層のゲル分率としては、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
前記方法で得られた粘着フィルムは、偏光板等の光学部材の表面保護フィルムに好適に使用することができる。
例えば前記偏光板は、一般に、ポリビニルアルコールからなる偏光子の片面または両面に、トリアセチルセルロース(TAC)やシクロオレフィンポリマー(COP)等からなるフィルムが貼付されたものであって、該偏光板表面の汚染や傷つき防止の観点から、その製造工程や輸送工程等において、前記偏光板表面に、前記粘着フィルムからなる表面補フォフィルムが貼付される。
本発明の粘着剤は、前記トリアセチルセルロース(TAC)やシクロオレフィンポリマー(COP)等からなる偏光板表面に対して優れた粘着保持力を有し、かつ、前記偏光板表面から粘着フィルムを剥離する際には、比較的弱い力で容易に剥離することができる。
一方、前記光学部材向けの表面保護フィルムとしては、良好な透明性を維持する観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明プラスチック基材を支持体として、該支持体の表面に粘着剤層の設けられたものが好適に使用される。本発明の粘着剤は、前記したとおり、トリアセチルセルロース(TAC)やシクロオレフィンポリマー(COP)等からなる被着体に対して優れた粘着保持力と再剥離性とを有し、かつ、前記ポリエチレンテレフタレート等の支持体に対して優れた接着力を維持することが可能であるから、前記光学部材の表面保護フィルムの製造に好ましく使用することが可能である。
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明する。
〔製造例1〕
[ビニル重合体(A−1)の製造方法]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート942質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート56質量部、アクリル酸2質量部、酢酸エチル730質量部、及びメチルエチルケトン250質量部を仕込み、攪拌下、窒素ブローを行いながら反応容器内を72℃まで昇温した。
その後、予め酢酸エチルにて溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液20質量部(固形分0.5質量%)を添加し、反応を開始した。
攪拌下、72℃にて4時間ホールドした後、75℃まで昇温し5時間ホールドし冷却した。冷却後、酢酸エチルで固形分45質量%になるまで希釈し、200メッシュ金網で濾過することで、酸価1.56のビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液(固形分45質量%)を得た。
〔製造例2〕
[ビニル重合体(A−2)の製造方法]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート944質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート56質量部、酢酸エチル730質量部、及びメチルエチルケトン250質量部を仕込み、攪拌下、窒素ブローを行いながら反応容器内を72℃まで昇温した。
その後、予め酢酸エチルにて溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液20質量部(固形分0.5質量%)を添加し、反応を開始した。
攪拌下、72℃にて4時間ホールドした後、75℃まで昇温し5時間ホールドし冷却した。冷却後、酢酸エチルで固形分45質量%になるまで希釈し、200メッシュ金網で濾過することで、酸価0のビニル重合体(A−2)の有機溶剤溶液(固形分45質量%)を得た。
[製造例3]
[スルホン酸基含有ポリエステルポリオールのナトリウム塩(D−1)の製造方法]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、5−スルホソジウムイソフタル酸ジメチル(DMS)1480質量部と1,6−ヘキサンジオール1240質量部、及びジブチル錫オキサイド0.5質量部を仕込み、攪拌下、窒素ブローを行いながら、塔頂温度が60〜70℃になるように反応容器内温度を180〜190℃に保ち、反応物の酸価が1mgKOH/g以下になるまでエステル交換反応を行い、次に反応容器内温度210℃で2時間反応させた。次いで、100℃まで冷却した後、ε−カプロラクトン2280質量部を仕込み、180℃で3時間開環重合反応し、水酸基価120mgKOH/g、酸価0.3mgKOH/gのスルホン酸基含有ポリエステルポリオールのナトリウム塩(D−1)を得た。
実施例1
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、前記カチオン性界面活性剤(C)としてポリオキシエチレンN,N−ジメチルラウリルアミン過塩素酸(オキシエチレン基の平均個数5)0.5質量部と、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.3質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P−1)を得た。
実施例2
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、前記カチオン性界面活性剤(C)としてポリオキシエチレンN,N−ジメチルラウリルアミン過塩素酸(オキシエチレン基の平均個数5)0.75質量部と、前記イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.6質量部を加えた後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P−2)を得た。
実施例3
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、前記カチオン性界面活性剤(C)としてポリオキシエチレンN,N−ジメチルラウリルアミン過塩素酸(オキシエチレン基の平均個数5)0.5質量部と、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.3質量部と、過塩素酸ナトリウム1質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P−3)を得た。
実施例4
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、前記カチオン性界面活性剤(C)としてポリオキシエチレンN,N−ジメチルラウリルアミン過塩素酸(オキシエチレン基の平均個数5)0.5質量部と、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.3質量部と、製造例3で得られたスルホン酸基含有ポリエステルポリオールのナトリウム塩(D−1)0.2質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P−4)を得た。
比較例1
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、カチオン性界面活性剤として前記一般式(I)で示される構造とは異なるポリプロピレングリコールメチルジエチルアンモニウムクロライド(オキシプロピレン基の平均個数25モル)0.5質量部と、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.3質量部と、過塩素酸ナトリウム1質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P’−5)を得た。
比較例2
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、カチオン性界面活性剤として前記一般式(I)で示される構造とは異なるポリオキシエチレンヤシ油アルキルモノメチルアンモニウムクロライド(オキシエチレン基の平均個数15)「商品名エソカード C/25、ライオン株式会社製」0.5質量部、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.3質量部と、過塩素酸ナトリウム1質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P’−6)を得た。
比較例3
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、アニオン性界面活性剤として前記一般式(I)で示される構造とは異なるポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム(オキシエチレン基の平均個数3)0.5質量部と、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.3質量部と、過塩素酸ナトリウム1質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P’−7)を得た。
比較例4
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、ノニオン性界面活性剤として前記一般式(I)で示される構造とは異なるポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン基の平均個数9)0.5質量部と、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.3質量部と、過塩素酸ナトリウム1質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P’−8)を得た。
比較例5
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、前記一般式(I)で示される構造とは異なるノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン基の平均個数9)5質量部と、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド1質量部と、過塩素酸ナトリウム1質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P'−9)を得た。
比較例6
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、前記カチオン性界面活性剤(C)として前記一般式(I)で示される構造とは異なるポリオキシエチレンN,N−ジメチルラウリルアミン過塩素酸(オキシエチレン基の平均個数5)0.5質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P’−10)を得た。
比較例7
製造例1で得られたビニル重合体(A−1)の有機溶剤溶液222質量部と、イオン性液体(B)として1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.3質量部とを混合した後、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC株式会社製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.2質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤組成物(P’−11)を得た。
[粘着フィルム(表面保護フィルム)の作成方法]
表面に離型処理された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(離型フィルム)の表面に、前記粘着剤組成物を塗布し、100℃で2分間乾燥して、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。
次いで、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を上記粘着剤層面に貼り合わせ、40℃の雰囲気下で3日間エージングすることによって粘着フィルムを得た。
[帯電防止性の評価方法]
前記方法で作成した粘着フィルムを50mm×50mmの大きさに切り取ったものを試験片とした。この試験片から前記離型フィルムを剥離し、23℃×50%RHの雰囲気下に1日間放置した。
放置後の粘着剤層の表面電気抵抗率(Ω/m)を、超高抵抗/微少電流計(株式会社アドバンテスト製)を用いて測定し、かかる値に基づいて評価した。前記表面電気抵抗率が1×1011Ω/m未満である粘着剤は実用上十分なものであるといえる。また1×1011Ω/m以上5×1011Ω/m未満である粘着剤は、若干劣るものの実用上使用できるレベルであると評価した。5×1011Ω/m以上である粘着剤は、実用上十分なものとは言いがたいものであると評価した。
[エージングバブル(被着体表面の汚染性)の評価方法]
前記方法で作成した粘着フィルムを80mm×80mmの大きさに切り取ったものを試験片とした。この試験片から前記離型フィルムを剥離し、偏光板表面に貼り合わせることによって積層体を得た。
前記貼り合わせは、前記試験片と偏光板との間に、気泡が含まれないように行った。前記積層体を23℃×50%RHの雰囲気下に1時間放置した後、偏光板から前記試験片を一旦剥がし、再度、偏光板表面に貼り合わせた。この2回目の貼り合わせは、前記試験片と偏光板との間に、気泡が含まれるように行った。
前記2回目の貼り合わせによって得られた積層体を60℃の雰囲気下に24時間放置した後、23℃×50%RHの雰囲気下に1時間放置した。
その後、偏光板から前記試験片を剥離し、前記偏光板表面の汚染の程度を目視で評価した。具体的には、前記偏光板表面に、汚染が全く見られないものを「○」、気泡が存在したことがかすかに確認できる汚染が見られたものを「△」、気泡が形成された周辺に明確な汚染が見られたものを「×」と評価した。
[密着性(粘着フィルムを構成する支持体に対する粘着剤層の接着力)の評価方法]
表面に離型処理された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(離型フィルム)の表面に、前記粘着剤組成物を塗布し、100℃で2分間乾燥して、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。
次いで、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を上記粘着剤層面に貼り合わせ、40℃の雰囲気下で3日間エージングすることによって粘着フィルムを得た。
次いで、前記エージング後の粘着フィルムを構成する粘着剤層と前記支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムとの密着性を、JISK6500−5−6(付着性;クロスカット法)に記載の方法に準拠し評価した。前記試験には、ポリエステル粘着テープ(日東電工株式会社製、No.31B)を使用した。
前記試験の結果、支持体から粘着剤層が剥離したマス目がなく、支持体上に残存した粘着剤層のマス目が100個であったものを「◎」、95〜99個であったものを「○」、90〜94個であり密着性が不良のものを「△」、89個以下であり密着性が著しく不良のものを「×」と評価した。
[接着力の測定方法]
前記方法で作成した粘着フィルムから前記離型フィルムを剥離し、偏光板表面に貼り合わせたものを、JIS Z−0237に準じて180度剥離強度を測定した。前記剥離強度が概ね0.15N/25mm以下または0.03N/25mm以上であることが、実用上好ましく、0.05〜0.1N/25mmの範囲であることが、優れた粘着保持力と再剥離性とを両立できるため特に好ましい。
Figure 2011241311
Figure 2011241311

Claims (13)

  1. ビニル重合体(A)、イオン性液体(B)、及びカチオン性界面活性剤(C)を含有する粘着剤であって、前記カチオン性界面活性剤(C)が、下記一般式(I)で示される構造を有するものであることを特徴とする粘着剤。
    Figure 2011241311
    (一般式(I)中のR及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜5個のアルキル基を表し、Rは炭素原子数10〜20のアルキル基を表し、前記Rは炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、前記nは2〜10の整数を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Xは過塩素酸イオンまたはスルホン酸イオンまたはアルキルスルホン酸イオンを表す。)
  2. 前記ビニル重合体(A)がポリアルキレンオキサイド構造を有さないものである、請求項1に記載の粘着剤。
  3. 前記ビニル重合体(A)がカルボキシル基を有するものである、請求項1に記載の粘着剤。
  4. 前記イオン性液体(B)が窒素原子含有環状オニウム塩である、請求項1に記載の粘着剤。
  5. 前記窒素原子含有環状オニウム塩が、ピリジニウム、ピペリジニウム、イミダゾリウム、ピリミジニウム及びピラゾリウムからなる群より選ばれる1種以上のカチオン成分と、アニオン成分とから構成されるものである、請求項4に記載の粘着剤。
  6. 前記カチオン性界面活性剤(C)が、前記一般式(I)中のR及びRがそれぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基であり、前記Rが炭素原子数10〜15のアルキル基であり、前記Rがエチレン基であり、nが4〜6の整数であり、Rが水素原子またはエチル基であり、かつ、Xが過塩素酸イオンである、請求項1に記載の粘着剤。
  7. 前記イオン性液体(B)が前記ビニル重合体(A)100質量部に対して0.1〜1.5質量部含まれ、かつ、前記カチオン性界面活性剤(C)が前記ビニル重合体(A)100質量部に対して0.1〜1.0質量部含まれる、請求項1に記載の粘着剤。
  8. 更に、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、p−トルエンスルホン酸の有機アミンによる中和塩、スルホン酸基含有ポリエステルポリオールのリチウム塩、スルホン酸基含有ポリエステルポリオールのナトリウム塩、及び、スルホン酸基含有ポリエステルポリオールのカリウム塩からなる群より選ばれる1種以上を含有する、請求項1に記載の粘着剤。
  9. 更に架橋剤含有する、請求項1に記載の粘着剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の粘着剤を用いて形成された粘着剤層が、支持体の片面または両面に積層された粘着シート。
  11. 前記支持体がポリエチレンテレフタレートからなる基材である、請求項10に記載の粘着フィルム。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の粘着剤を用いて形成された粘着層が、プラスチック基材からなる支持体の片面または両面に積層された光学部材用表面保護フィルム。
  13. 偏光子と保護フィルムとから構成される偏光板の表面に、請求項12に記載の光学部材用表面保護フィルムが貼付された積層体。
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