JPH07258627A - 帯電防止剤の製造方法、帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止剤の製造方法、帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物

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JPH07258627A
JPH07258627A JP5570194A JP5570194A JPH07258627A JP H07258627 A JPH07258627 A JP H07258627A JP 5570194 A JP5570194 A JP 5570194A JP 5570194 A JP5570194 A JP 5570194A JP H07258627 A JPH07258627 A JP H07258627A
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acid
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antistatic
hydrochloric acid
amine compound
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JP5570194A
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Misao Uohama
操 魚浜
Koichi Nakamura
公一 中村
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)ポリオキシエチレンステアリルアミン
に代表される、ポリオキシアルキレン基を有するアミン
化合物と、(B)p−トルエンスルホン酸−水和物に代
表されるスルホン酸とを反応。 【効果】 熱可塑性樹脂用の帯電防止剤として効果の持
続性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止効果、樹脂改
質効果等に優れ、新規塗料としても有用で、かつスチレ
ン系樹脂用の改質剤として、特に帯電防止剤として有用
な新規な熱可塑性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は、一般に軽量で成形加
工性に優れるため自動車部品、電気部品等にもちいられ
ているが、耐薬品性、耐熱性、帯電防止性等に劣ること
からこれまで各種の添加系改質剤が用いられている。特
に、スチレン系樹脂は、高帯電性、ほこり付着等の問題
が深刻であり、通常、各種の帯電防止剤を添加剤として
使用されている。この様な帯電防止剤としては、例え
ば、従来よりエタノールアミンのアンモニウム塩が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
帯電防止剤を用いた場合、短期間の帯電防止効果は満足
できるものの、効果の持続性に劣り、樹脂表面にブリ−
ドアウトする結果、水洗や表面の拭き取り処理によって
効果が消失してしまい、数ケ月にわたる長期的な効果を
保持することは困難であるという課題を有していた。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、熱可塑
性樹脂の添加系改質剤として恒久的な使用が可能な帯電
防止剤、および該帯電防止剤を含有する帯電防止効果の
持続性に優れる帯電防止性熱可塑性樹脂組成物を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、熱可塑性樹脂が、上記課題を解決できる
ことを見い出し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、(A)炭素原子数2〜4のオキシア
ルキレン構造の繰り返し単位を10〜30有するポリオ
キシアルキレン基を有するアミン化合物と、(B)スル
ホン酸若しくは塩酸とを反応させることを特徴とする帯
電防止剤の製造方法、炭素原子数2〜4のオキシアルキ
レン構造の繰り返し単位を10〜30有するポリオキシ
アルキレン基を有するアミン化合物(A)のプロトン酸
塩であって、かつ、前記プロトン酸が、スルホン酸若し
くは塩酸である構造を有することを特徴とする帯電防止
剤、及び、前記帯電防止剤と、熱可塑性樹脂とを必須成
分とすることを特徴とする帯電防止性樹脂組成物に関す
る。
【0007】本発明で用いられる炭素原子数2〜4のオ
キシアルキレン構造の繰り返し単位を10〜30有する
ポリオキシアルキレン基を有するアミン化合物(A)
は、一級アミン、二級アミンまたは三級アミンにいずれ
のアミンでもよく、特に限定されない。また、ポリオキ
シアルキレン基は、単一のアルキレンオキシドで構成さ
れていてもよいし、また炭素数の異なる二種類以上のア
ルキレンオキシドで構成されていてもよい。
【0008】この様なアミン化合物(A)を構成する炭
素原子数2〜4のオキシアルキレン構造部分の具体例と
しては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,
2−ブチレンオキシド等が挙げられ、特に帯電防止効果
からは、エチレンオキシドを構成成分として含有するこ
とが好ましい。
【0009】また、ポリオキシアルキレン基を構成する
オキシアルキレンは、繰り返し単位が10〜30のもの
であり、10未満では優れた帯電防止効果が得られず、
また、30以上では帯電防止効果の向上は認められな
い。なかでも特に10〜20のものが入手の容易性およ
び帯電防止効果の点から好適である。ここで、ポリアル
キレンオキシド基の酸素原子側末端は、水酸基でもよい
し、アルキル基等によって封止されたエ−テル型でもよ
く特に制限されない。
【0010】また、当該ポリオキシアルキレン基は、窒
素原子上の置換基として存在することが、帯電防止効果
の程度が良好となるので好ましく、その置換数は窒素原
子1個あたり、1〜3個の何れでもよいが、特に帯電防
止効果の持続性に優れる点から窒素原子1個あたり1個
又は2個であることが好ましい。
【0011】ポリオキシアルキレン基を有するアミン
(A)と反応する、スルホン酸または塩酸(B)におい
てスルホン酸の種類は特に限定されるものではないが、
具体例としては、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンス
ルホン酸等の有機芳香族スルホン酸、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機脂肪族スル
ホン酸および硫酸等の無機酸が挙げられる。この様なス
ルホン酸または塩酸(B)のなかでも特に帯電防止効果
が顕著である点から塩酸、硫酸又はp−トルエンスルホ
ン酸が好ましい。
【0012】(A)ポリアルキレンオキシド基を有する
アミンと、(B)スルホン酸若しくは塩酸との反応は、
通常溶媒を用いずに溶融状態で実施されるが、反応に不
活性な溶媒を用いて実施することもできる。溶媒の具体
的な例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素またはメタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル類が挙
げられる。
【0013】反応温度は、反応原料として用いるアミン
と酸によって異なるが、通常20〜200℃の範囲から
選ばれ、溶媒を用いずに実施する場合には、アミンと酸
の溶融温度以上で、溶媒を用いる場合には、その溶媒の
沸点以下の温度で行うことが好ましい。
【0014】(A)ポリオキシアルキレン基を有するア
ミンと、(B)スルホン酸若しくは塩酸との反応モル比
は、希望する割合で実施可能であり、通常前者/後者=
0.5/1〜1/0.5の範囲、好ましくは、1/1の
等モルで実施される。
【0015】また、溶媒を用いない場合には、反応終了
後生成物のアンモニウム塩を、また溶媒を用いた場合に
は、反応終了後溶媒を留去した残留物を、直ちに熱可塑
性樹脂と配合することができる。
【0016】この様にして得られる帯電防止剤は、炭素
原子数2〜4のオキシアルキレン構造の繰り返し単位を
10〜30有するポリオキシアルキレン基を有するアミ
ン化合物(A)のプロトン酸塩であって、かつ、前記プ
ロトン酸が、スルホン酸若しくは塩酸である構造を有す
るものであり、その構造が特に限定されるものではない
が、具体的には下記、一般式(1)で表される構造を有
するものが好ましく挙げられる。
【0017】
【化2】
【0018】(一般式(1)中、R2〜R3はそれぞれ独
立的にY−(O−R1)n−若しくは炭素原子数1〜3
0のアルキル基、R1は炭素原子数2〜4の炭化水素
基、nは10〜30の整数、Yは水素原子または炭素原
子数1〜5のアルキル基、X-は有機スルホニウムイオ
ン、無機スルホニウムイオン、塩素原子イオンをそれぞ
れ表す)
【0019】この一般式(1)を満足する帯電防止剤と
して、更にその帯電防止効果がより優れる点から、N,
N−ビス(ヒドロキシアルキルポリオキシアルキレン)
−N−アルキルアミンの塩酸塩、硫酸塩若しくはp−ト
ルエンスルホン酸塩、および、アルキル(ポリオキシア
ルキレン)アミンの塩酸塩、硫酸塩若しくはp−トルエ
ンスルホン酸塩が挙げられる。これらの化合物におい
て、ポリオキシアルキレン構造中のオキシアルキレン骨
格の繰り返し単位は、既述した通り、10〜30であ
る。この様な帯電防止剤として、更に具体的には、例え
ば以下のものが挙げられる。
【0020】即ち、N,N−ビス(ヒドロキシアルキル
ポリオキシアルキレン)−N−アルキルアミンの塩酸
塩、硫酸塩若しくはp−トルエンスルホン酸塩として
は、例えば、N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキ
シエチレン)−N−メチルアミンの塩酸塩、N,N−ビ
ス(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−N−エチ
ルアミンの塩酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシエチルポ
リオキシエチレン)−N−オクチルアミンの塩酸塩、
N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)
−N−ドデシルアミンの塩酸塩、N,N−ビス(ヒドロ
キシエチルポリオキシエチレン)−N−ラウリルアミン
の塩酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキ
シプロピレン)−N−メチルアミンの塩酸塩、N,N−
ビス(ヒドロキシプロピルポリオキシプロピレン)−N
−プロピルアミンの塩酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシ
プロピルポリオキシプロピレン)−N−オクチルアミン
の塩酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキ
シプロピレン)−N−ドデシルアミンの塩酸塩、N,N
−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキシプロピレン)−
N−ラウリルアミンの塩酸塩等の塩酸塩類、
【0021】N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキ
シエチレン)−N−メチルアミンの硫酸塩、N,N−ビ
ス(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−N−エチ
ルアミンの硫酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシエチルポ
リオキシエチレン)−N−オクチルアミンの硫酸塩、
N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)
−N−ドデシルアミンの硫酸塩、N,N−ビス(ヒドロ
キシエチルポリオキシエチレン)−N−ラウリルアミン
の硫酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキ
シプロピレン)−N−メチルアミンの硫酸塩、N,N−
ビス(ヒドロキシプロピルポリオキシプロピレン)−N
−プロピルアミンの硫酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシ
プロピルポリオキシプロピレン)−N−オクチルアミン
の硫酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキ
シプロピレン)−N−ドデシルアミンの硫酸塩、N,N
−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキシプロピレン)−
N−ラウリルアミンの硫酸塩等の硫酸塩類、
【0022】N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキ
シエチレン)−N−メチルアミンのp−トルエンスルホ
ン酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキシエ
チレン)−N−エチルアミンのp−トルエンスルホン酸
塩、N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキシエチレ
ン)−N−オクチルアミンのp−トルエンスルホン酸
塩、N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキシエチレ
ン)−N−ドデシルアミンのp−トルエンスルホン酸
塩、N,N−ビス(ヒドロキシエチルポリオキシエチレ
ン)−N−ラウリルアミンのp−トルエンスルホン酸
塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキシプロ
ピレン)−N−メチルアミンのp−トルエンスルホン酸
塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキシプロ
ピレン)−N−プロピルアミンのp−トルエンスルホン
酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキシプ
ロピレン)−N−オクチルアミンのp−トルエンスルホ
ン酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキシ
プロピレン)−N−ドデシルアミンのp−トルエンスル
ホン酸塩、N,N−ビス(ヒドロキシプロピルポリオキ
シプロピレン)−N−ラウリルアミンのp−トルエンス
ルホン酸塩等の、p−トルエンスルホン酸塩類等が挙げ
られる。また、上記のそれぞれの化合物において、ヒド
ロキシアルキルポリオキシアルキレン骨格部分のアルキ
レン結合として、エチレン結合と、プロピレン結合とが
混在したものが挙げられる。
【0023】一方、アルキル(ポリオキシアルキレン)
アミンの塩酸塩、硫酸塩若しくはp−トルエンスルホン
酸塩としては、メチル(ポリオキシエチレン)アミンの
塩酸塩、エチル(ポリオキシエチレン)アミンの塩酸
塩、プロピル(ポリオキシエチレン)アミンの塩酸塩、
ブチル(ポリオキシエチレン)アミンの塩酸塩、メチル
(ポリオキシプロピレン)アミンの塩酸塩、エチル(ポ
リオキシプロピレン)アミンの塩酸塩、プロピル(ポリ
オキシプロピレン)アミンの塩酸塩、ブチル(ポリオキ
シプロピレン)アミンの塩酸塩等の塩酸塩;
【0024】メチル(ポリオキシエチレン)アミンの硫
酸塩、エチル(ポリオキシエチレン)アミンの硫酸塩、
プロピル(ポリオキシエチレン)アミンの硫酸塩、ブチ
ル(ポリオキシエチレン)アミンの硫酸塩、メチル(ポ
リオキシプロピレン)アミンの硫酸塩、エチル(ポリオ
キシプロピレン)アミンの硫酸塩、プロピル(ポリオキ
シプロピレン)アミンの硫酸塩、ブチル(ポリオキシプ
ロピレン)アミンの硫酸塩等の硫酸塩;
【0025】メチル(ポリオキシエチレン)アミンのp
−トルエンスルホン酸塩、エチル(ポリオキシエチレ
ン)アミンのp−トルエンスルホン酸塩、プロピル(ポ
リオキシエチレン)アミンのp−トルエンスルホン酸
塩、ブチル(ポリオキシエチレン)アミンのp−トルエ
ンスルホン酸塩、メチル(ポリオキシプロピレン)アミ
ンのp−トルエンスルホン酸塩、エチル(ポリオキシプ
ロピレン)アミンのp−トルエンスルホン酸塩、プロピ
ル(ポリオキシプロピレン)アミンのp−トルエンスル
ホン酸塩、ブチル(ポリオキシプロピレン)アミンのp
−トルエンスルホン酸塩等のp−トルエンスルホン酸
塩、或いはこれらの化合物においてポリオキシアルキレ
ン骨格部分のアルキレン結合として、エチレン結合と、
プロピレン結合とが混在したものが挙げられる。
【0026】この様な本発明の帯電防止剤は、熱可塑性
樹脂と混合して恒久的な帯電防止効果を有する熱可塑性
樹脂組成物とすることができる。ここで用いる熱可塑性
樹脂は特に制限されず、スチレン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂が何れ
も使用できるが、帯電防止剤の用途として用いる場合に
は、その効果がより効率的に発現する点で、スチレン系
樹脂が好適である。
【0027】スチレン系樹脂としては、特に限定される
ものではないが、例えば、ポリスチレン、スチレン−メ
タクリル酸共重合体、ゴム変性スチレン系樹脂、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹
脂)、スチレン−メタクリル酸共重合とゴム変性スチレ
ン系樹脂若しくはABS樹脂とのアロイ等が挙げられ
る。ここでゴム変性スチレン系樹脂とは、ポリスチレン
マトリックス中にポリブタジエンが分散した構造を有す
る耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合
体にスチレンがグラフト重合した耐衝撃性グラフト共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体にスチレンとアク
リル系モノマーが共重合した透明性耐衝撃性スチレン系
樹脂等が挙げられる。これらのなかでも特にその用途か
ら帯電防止効果が要求されるゴム変性スチレン系樹脂が
好ましい。
【0028】本発明の組成物において、帯電防止剤と熱
可塑性樹脂との配合比率は、要求される帯電防止効果の
程度に応じで異なり、特に限定されるものではないが、
重量基準で帯電防止剤/スチレン系樹脂=1/99〜3
0/70の範囲が好ましい。
【0029】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、上記し
た各成分に、さらに通常用いられる表面平滑剤、酸化防
止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、発泡剤、
補強材等を添加剤を配合することが出来る。
【0030】これらの中でも好ましいものとしては、例
えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロ
キサン、ジフェニルポリシロキサン等の有機ポリシロキ
サンに代表される表面平滑剤、ミネラルオイル等の滑
剤、エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、高級脂
肪酸及びその金属塩、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤、ガラス繊維等が挙げられ、それぞれ単独又は併用し
て用いることが出来る。特にエステル系可塑剤およびポ
リエステル系可塑剤は、本発明のゴム変性共重合樹脂の
溶融時の流動性改良剤として有効であり、しかも透明性
を低下させないという利点があるが、なかでもフタル酸
ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジオクチ
ルが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明について、実施例を用いて具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限
されるものではない。
【0032】実施例1 アミート320(花王製、ポリオキシエチレンステアリ
ルアミン、エチレンオキシド平均付加数=20)40.
6g(0.02モル)とp-トルエンスルホン酸一水和物
3.8g(0.02モル)を100mlフラスコに入れ、
加熱溶融して、50℃で1時間攪拌した。反応終了後、
室温に冷却して黄色固体のアンモニウム塩44.0gを
得た。
【0033】実施例2 アミ−ト320の代わりに、ジェファーミン M-10
00(テキサコ社製、エチレンオキシド/プロピレンオ
キシド=19/3付加物)20.0g(0.02モル)を
用いた他は、実施例1と同様に実験を実施した。その結
果、白色固体のアンモニウム塩23.4gを得た。
【0034】実施例3 p-トルエンスルホン酸の代わりに濃硫酸2.0g(0.
02モル)を用いた他は、実施例1と同様に実験を実施
した。その結果、濃赤色固体のアンモニウム塩42.5
gを得た。
【0035】実施例4 p-トルエンスルホン酸の代わりに36%塩酸2.0g
(0.02モル)を用いた他は、実施例1と同様に実験
を実施した。その結果、濃赤色固体のアンモニウム塩4
2.4gを得た。
【0036】実施例5〜8 (表面固有抵抗の測定)熱可塑性樹脂としてゴム変性ス
チレン系樹脂(大日本インキ化学製「ディックスチレン
GHー9650」ローシスポリブタジエン分散型ポリス
チレン、ゴム含有量8重量%、分子量=約200,00
0)を用い、帯電防止剤として実施例1〜4で合成した
アンモニウム塩用い、両者を第1表に示す割合で混合
し、テトラヒドロフラン500gに溶解した液から溶媒
蒸散法により、表面抵抗測定用の試験片を作成し、23
℃、相対湿度50%で24時間放置した後、SMー82
10型超絶縁計(東亜電波工業製)を用いて表面固有抵
抗を測定して、帯電防止効果を観察した。結果を第1表
示す。
【0037】比較例1 帯電防止剤として実施例5で用いたアンモニウム塩の代
わりに、アミート320を用いた他は、実施例5と同様
に実験を実施して、アミート320含有の試験片を作成
して、同様に測定を実施した。結果を第1表に示す。
【0038】比較例2 帯電防止剤として実施例5で用いたアンモニウム塩の代
わりに、ジェファーミン M-1000を用いた他は、実
施例5と同様に実験を実施して、ジェファーミン M-1
000含有の試験片を作成して、同様に測定を実施し
た。結果を第1表に示す。
【0039】比較例3 アミ−ト320の代わりに、アミート308(花王製、
ポリエチレンステアリルアミン、エチレンオキシド平均
付加数=8)19.5g(0.02モル)を用いた他は、
実施例1と同様に実験を実施した。その結果、黄色固体
のアンモニウム塩22.7gを得た。このアンモニウム
塩を用いて、実施例5と同様に実験を実施して、試験片
を作成して、同様に測定を実施した。結果を第1表に示
す。
【0040】
【表1】 (第1表中、PTSはp-トルエンスルホン酸一水和物を示
す)
【0041】実施例9〜12 (表面固有抵抗の測定)熱可塑性樹脂としてABS樹脂
(ダイセル化学製「セビアン-V」)を用いる他は、実
施例5〜8と同様にして、表面抵抗測定用の試験片を作
成し、表面固有抵抗を測定して、帯電防止効果を観察し
た。結果を第2表に示す。
【0042】比較例4 熱可塑性樹脂としてABS樹脂(ダイセル化学製「セビ
アン-V」)を用いる他は、比較例1と同様にして表面
抵抗測定用の試験片を作成し、表面固有抵抗を測定し
て、帯電防止効果を観察した。結果を第2表に示す。
【0043】比較例5 熱可塑性樹脂としてABS樹脂(ダイセル化学製「セビ
アン-V」)を用いる他は、比較例2と同様にして表面
抵抗測定用の試験片を作成し、表面固有抵抗を測定し
て、帯電防止効果を観察した。結果を第2表に示す。
【0044】比較例6 熱可塑性樹脂としてABS樹脂(ダイセル化学製「セビ
アン-V」)を用いる他は、比較例2と同様にして表面
抵抗測定用の試験片を作成し、表面固有抵抗を測定し
て、帯電防止効果を観察した。結果を第2表に示す。
【0045】
【表2】 (第2表中、PTSはp-トルエンスルホン酸一水和物を示
す)
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂の添加系
改質剤として恒久的な使用が可能な帯電防止剤、および
該帯電防止剤を含有する帯電防止効果の持続性に優れる
帯電防止性熱可塑性樹脂組成物を提供できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)炭素原子数2〜4のオキシアルキ
    レン構造の繰り返し単位を10〜30有するポリオキシ
    アルキレン基を有するアミン化合物と、(B)スルホン
    酸若しくは塩酸とを反応させることを特徴とする帯電防
    止剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 アミン化合物(A)を溶融状態で、スル
    ホン酸若しくは塩酸(B)を混合する請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 ポリオキシアルキレン基を有するアミン
    (A)が、ポリオキシアルキレン基を窒素原子上の置換
    基として窒素原子1個あたり1又は2個有するものであ
    る請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 スルホン酸若しくは塩酸(B)が、塩
    酸、硫酸若しくはp−トルエンスルホン酸である請求項
    1〜3の何れか1つに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 アミン化合物(A)と、スルホン酸若し
    くは塩酸(B)とを、(A)の塩基と(B)の酸とが当
    量となる割合で反応させる請求項1〜4の何れか1つに
    記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素原子数2〜4のオキシアルキレン構
    造の繰り返し単位を10〜30有するポリオキシアルキ
    レン基を有するアミン化合物(A)のプロトン酸塩であ
    って、かつ、前記プロトン酸が、スルホン酸若しくは塩
    酸である構造を有することを特徴とする帯電防止剤。
  7. 【請求項7】 下記、一般式(1)で表される構造を有
    する請求項6記載の帯電防止剤。 【化1】 (一般式(1)中、R2〜R3はY−(O−R1)n−若
    しくは炭素原子数1〜30のアルキル基、R1は炭素原
    子数2〜4の炭化水素基、nは10〜30の整数、Yは
    水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基、X-
    有機スルホニウムイオン、無機スルホニウムイオン、塩
    素原子イオンをそれぞれ表す)
  8. 【請求項8】 請求項1〜5の何れか1つに記載の製法
    で得られた帯電防止剤と、熱可塑性樹脂とを必須成分と
    することを特徴とする帯電防止性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の帯電防止剤と、
    熱可塑性樹脂とを必須成分とすることを特徴とする帯電
    防止性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂が、スチレン系樹脂であ
    る請求項8または9記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011241311A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Dic Corp 粘着剤、粘着フィルム、光学部材用表面保護フィルム及びそれが貼付された積層体

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