JP2011236410A5 - - Google Patents

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植物系樹脂ペレット及びその製造方法並びに植物系樹脂材料による射出成形装置
本発明は、植物系樹脂ペレット及びその製造方法並びに植物系樹脂材料による射出成形装置に関し、特に、例えば、成形性及び物性に優れ、天然木材等に近い外観を有する木質樹脂ペレット、植物系樹脂ペレット及びその製造方法並びに木質及び植物系樹脂成形材料による射出成形装置に関する。
地球環境保護のための二酸化炭素削減に貢献するにあたり、合成樹脂成形品における木粉率のアップは、有効ではある。
そこで、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂に木粉を配合した樹脂組成物を成形して、建築材料等を製造する方法が提案されている。このような方法によれば、機械的強度が大きく、木材に近い外観や触感を有する成形品を得ることができ、かつ製材時に副生する木片や建て替え時に発生する廃材等を木粉として使用すれば、地球資源を有効活用することが可能になる。
このような樹脂組成物は、木粉の配合量を多くすることで、より天然木材に近い木質感を得ることが可能となる。
従来の木粉合成樹脂ペレットを用いた成形システムとして、主として、可塑化装置及び計量装置と、射出装置、金型及び真空ポンプとから構成されている成形システムが提示されている。
可塑化装置は、予め樹脂材料と木粉とを混合した混合体を投入口から投入し、また必要に応じて添加剤等を投入口から投入し、溶融させた樹脂材料に木粉や必要な添加剤等を均一に混練して、前記計量装置にダイスから押し出し、適宜長さに切断してタブレットを形成する。
射出成形装置は、タブレットをバケットエレベータ等からなる鉛直方向への運搬装置により射出装置の射出シリンダに連通させたホッパに搬送されて射出シリンダに供給され、該射出シリンダから金型のキャビティ部に射出される。
ところが、木粉を樹脂に混練させた木粉樹脂では、金型内で高圧ガスが発生するから、金型内の高圧ガスを抜く作業である脱気を十分に行う必要がある。脱気が不十分であると、高圧ガスの滞留により金型内にガス焼けが生じる。
特開昭54−072247号公報 特開平08−337701号公報 特開2006−036815号公報 特開2001−353759号公報 特開2009−083192号公報
一方、木粉率が下がると徐々に合成樹脂との加熱処理がしやすくなるが、射出成型では、木粉の粒径が約100ミクロンくらいの粉体では、木粉含有率60〜65%の成型をしても形は出来るが、物性・精度・品質、共に限界が生じる。
また、木粉が超微粉末(例えば、10〜30ミクロン以下)となると木粉率が上がって来る可能性はあるが、あまりに細かすぎて木粉だけでの扱いが困難になって来る(例・舞い上がり)という問題がある。
一方、木粉が多量に存在すると、溶融時の流動性が低下し、溶融粘度が上昇することによって、成形性が低下し、生産性に悪影響を及ぼす。また、得られた成形品の表面状態や形状等に不具合が発生し、品質面で問題が生じる。
射出成形に特有の、連続成形・安定成形・多数成形が困難であるという問題もある。
そのため、本発明者は、ラテックス処理(総称)(非加熱・加熱も含む)及び加工・工程・管理その加工物を使った成形方法及び金型の構造及び既存金型の改良等をすることにより、ようやく射出成形が可能となるということに思い到った。
それゆえに、本発明の目的とするところは、溶融粘度が低く、成形性に優れるとともに、天然木材等に近い良好な外観を付与することが可能で、しかも成形時の変色(焼けこげ)が抑制され、物性に優れる成形品を得ることができる木質樹脂ペレット、植物系樹脂ペレット及びその製造方法を提供することにある。
特許文献4に開示された射出成形機は、固定金型と可動金型とを閉鎖して木粉が含まれる原料を射出装置のノズルからキャビティ部内に射出した後、型締装置を動作させて金型のパーティング面を開く寸開による脱気工程を複数回繰り返す動作制御を行う装置に関するものであり、可塑化装置内の高圧ガスの脱気を行うものではない。
ところが、射出成形装置には、天然素材の木粉が多量に含まれる場合には脱気をすることが必要であり、脱気に伴われてこれらのエアベントから木粉が吸い出されてしまうおそれがあり、これらの部分での脱気は困難である。
しかしながら、木粉率が高い合成樹脂材料を用い、射出成形をする場合には、射出成形は困難である。
それゆえに、本発明の他の目的は、木質及び植物系樹脂成形材料を用いて木質及び植物系樹脂成形体を射出成形することができる装置を提供することにある。
この発明の請求項1にかかる木質樹脂ペレットは、木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項2にかかる植物系樹脂ペレットは、植物系粉末70〜91重量部融点と、40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる植物系樹脂ペレットである。
この発明の請求項3にかかる木質樹脂ペレットは、30〜200μmの木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて木粉と混ぜて、前記木粉の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて木粉を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、請求項1に記載の木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項4にかかる植物系樹脂ペレットは、30〜200μmの植物系粉末70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて植物系粉末と混ぜて、前記植物系粉末の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて植物系粉末を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、請求項2に記載の植物系樹脂ペレットである。
この発明の請求項5にかかる木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレットは、前記融点を40〜100℃の間に持つワックス材料は、炭素数16〜40の高級α−オレフィンモノマーを重合して得られた高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項1又は請求項2に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレットである。
この発明の請求項6にかかる木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレットは、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気190℃で5分保持した後、−10℃まで、5℃/分で降温させ、−10℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される融点(Tm)が40〜100℃であり、前記(1)における融点(Tm)測定において、融点の融解吸熱ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅である半値幅(Wm)が、10℃以下の高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項1又は請求項2に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレットである。
この発明の請求項7にかかる木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレットは、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、融点(Tm)が55〜100℃の高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、加熱して木粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成された、請求項5に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレットである。
この発明の請求項8にかかる木粉は、木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる木質樹脂ペレットを作るための木粉であって、前記ワックス材料と同質の油分補充剤で油分を補充された、30〜200μmの木粉である。
この発明の請求項9にかかる植物系粉末は、植物系粉末70〜91重量部融点と、40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる植物系樹脂ペレットを作るための植物系粉末であって、前記ワックス材料と同質の油分補充剤で油分を補充された、30〜200μmの植物系粉末である。
この発明の請求項10にかかる木質樹脂ペレットの製造方法は、30〜200μmの木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて木粉と混ぜて、前記木粉の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて木粉を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、木質樹脂ペレットの製造方法である。
この発明の請求項11にかかる植物系樹脂ペレットの製造方法は、30〜200μmの植物系粉末70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて植物系粉末と混ぜて、前記植物系粉末の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて植物系粉末を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、植物系樹脂ペレットの製造方法である。
この発明の請求項12にかかる木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法は、前記融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、炭素数16〜40の高級α−オレフィンモノマーを重合して得られた高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項10又は請求項11に記載の木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法である。
この発明の請求項13にかかる木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法は、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気190℃で5分保持した後、−10℃まで、5℃/分で降温させ、−10℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される融点(Tm)が4055〜100℃であり、前記(1)における融点(Tm)測定において、融点の融解吸熱ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅である半値幅(Wm)が、10℃以下の高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項10又は請求項11に記載の木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法である。
この発明の請求項14にかかる木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法は、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、融点(Tm)が55〜100℃の高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、加熱して木粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成された、請求項12に記載の木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法である。
この発明の請求項15にかかる木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法は、木粉と融点を40〜100℃の間に持つワックス材料との混合物を100重量部,水又は温水を10〜20重量部混合して、混練する、請求項14に記載の木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法である。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究を行った結果が、木質系材料(例えば、30〜200μmの木粉)と、合成樹脂系材料及び界面活性剤などとを、所定の温度の温水で混合することにより、上記目的が達成されることを見出し、下記の請求項16ないし24にかかる本発明を完成するに至った。
この発明にかかる木質樹脂ペレットは、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリオレフィン樹脂3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、25〜90℃の希釈剤で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項17にかかる木質樹脂ペレットは、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリプロピレン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、25〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする、木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項18にかかる木質樹脂ペレットは、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリエチレン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、25〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする、木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項19にかかる木質樹脂ペレットは、添加剤は、界面活性剤としてのステアリン酸である、請求項16ないし請求項18のいずれかに記載の木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項20にかかる木質樹脂ペレットは、添加剤として、カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%又はポリビニルアルコール1〜10重量%を混合された、請求項16ないし請求項19のいずれかに記載の木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項21にかかる木質樹脂ペレットは、更に、添加剤として、無水マレイン酸1〜10重量%を混ぜられた、請求項16ないし請求項20のいずれかに記載の木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項22にかかる木質樹脂ペレットは、更に、添加剤として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン5〜15重量%を混ぜられた、請求項16ないし請求項20のいずれかに記載の木質樹脂ペレットある。
この発明の請求項23にかかる木質樹脂ペレットは、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、アルファオレフィン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、40〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成された、木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項24にかかる木質樹脂ペレットは、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリプロピレンワックス3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、70〜90℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成された、木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項25にかかる木質樹脂ペレットは、ポリプロピレンワックスは、低粘度の単独重合体型ポリプロピレンワックスである、請求項24に記載の木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項26にかかる木質樹脂ペレットは、更に、添加剤として、分散剤としてのステアリン酸を混合された、請求項23又は請求項24に記載の木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項27にかかる木質樹脂ペレットは、添加剤として、カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%又はポリビニルアルコール1〜10重量%を混合された、請求項16ないし請求項26のいずれかに記載の木質樹脂ペレットである。
この発明の請求項28にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、30〜200μmの木粉70〜91重量%、ポリオレフィン樹脂3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し、撹拌しつつ25〜90℃の希釈剤を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項29にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、30〜200μmの木粉70〜91重量%、ポリプロピレン3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し、撹拌しつつ25〜80℃の温水を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項30にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、30〜200μmの木粉70〜91重量%、ポリエチレン3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し、撹拌しつつ25〜80℃の温水を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項31にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、30〜200μmの木粉70〜91重量%、アルファオレフィン3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜80℃の温水を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項32にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、30〜200μmの木粉70〜91重量%、ポリプロピレンワックス3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し、撹拌しつつ50〜70℃の温水を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項33にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、ポリプロピレンワックスは、単独重合体型ポリプロピレンワックスである、請求項32に記載の木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項34にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、添加剤は、カルボキシメチルセルロース樹脂、又はポリビニルアルコール1〜10重量%を混合する、請求項28ないし請求項33のいずれかに記載の木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項35にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、添加剤は、界面活性剤又は分散剤としての、ステアリン酸1〜10重量%を混合する、請求項28ないし請求項34のいずれかに記載の木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項36にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、添加剤は、無水マレイン酸1〜10重量%又は無水マレイン酸変性ポリプロピレン1〜10重量%を混合する、請求項28ないし請求項35のいずれかに記載の木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項37にかかる木質樹脂ペレットを製造する方法は、温水は、前記木質系材料及び樹脂系材料に対して、重量比で0.5〜2.0倍混合する、請求項28ないし請求項36のいずれかに記載の木質樹脂ペレットを製造する方法である。
この発明の請求項38にかかる木質樹脂成形材料による射出成形装置は、木粉と樹脂とを混練した木質樹脂成形材料を射出成形装置に供給して、金型のキャビティ部に射出することにより、木質樹脂成形材料による成形体を成形する木質樹脂成形材料による射出成形装置において、前記金型のキャビティ部に連通する脱気孔を形成したことを特徴とする、木質樹脂成形材料による射出成形装置である。
この発明の請求項39にかかる木質樹脂成形材料による射出成形装置は、前記脱気孔の配置位置よりも上流側に圧力検知手段を配置し、前記圧力検知手段による検知圧力が設定値を超えた状態で、前記脱気孔に連通した真空ポンプを作動させて脱気することを特徴とする、請求項38に記載の木質樹脂成形材料による射出成形装置である。
本発明によれば、溶融粘度が低く、成形性に優れるとともに、天然木材等に近い良好な外観を付与することが可能で、しかも成形時の変色(焼けこげ)が抑制され、物性に優れる成形品を得ることができる木質樹脂ペレット及び植物系樹脂ペレットが得られる。
このような効果が得られる理由の一つは、次のように推定される。
各量の木粉等の植物系粉体が配合されても、融点の低い(40〜100℃)ワックス材料が加熱され、木粉等の植物系粉体の表面の全体に行き亘り、木粉等の植物系粉体の表面に膜状に付着するので、ワックス材料の割合が木粉等の植物系粉体に比して極めて少なくても、万遍なく木粉等の植物系粉体の表面及び木粉等の植物系粉体の間に行き亘り、温度を下降させて造粒することができる。
而して、多量の木粉等の植物系粉体を配合しても、樹脂ペレットの溶融粘度が低下し、成形時の変色(焼けこげ)が抑制され、射出成形品の木質感等の外観と物性、特に機械的特性を従来法では到達し得なかった水準にまで向上させることができる。特に、本発明の木質樹脂ペレット及び植物系樹脂ペレットを用いて射出成形品を成形する場合は、ウエルド部分で割れが発生しなくなる。
このような効果が得られる理由のもう一つは、次のように推定される。すなわち、疎水性であるポリエチレン樹脂と親水性である木片とは、親和性に乏しく本来相溶しない。ところが、本発明では、50〜70℃の温水を配合することにより、溶融混練の際に反応することにより、ポリプロピレン樹脂などの主たる合成樹脂中への木粉の分散性およびこの樹脂との接着性が高まり相溶化がすすむ。さらに、成形加工時にポリプロピレン樹脂などの主たる合成樹脂による可塑性と滑性とにより、樹脂ペレットの溶融粘度が低くなる。
而して、多量の木粉を配合しても、樹脂ペレットの溶融粘度が低下し、成形時の変色(焼けこげ)が抑制され、射出成形品の木質外観と物性、特に耐衝撃性、曲げ弾性率を従来法では到達し得なかった水準にまで向上させることができる。特に、本発明の木質樹脂ペレットを用いて射出成形品を成形する場合は、ウエルド部分で割れが発生しなくなる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明にかかる中間処理に用いる成形機の要部の図解図である。 本発明にかかる射出成形装置の要部の図解図である。 図2図示装置の金型を分解した状態における縦断面図解図である。 図2図示装置の金型を分解した状態における横断面図解図である。 図2図示装置の移動型と固定型とを示す縦断面図解図である。 図2図示装置の移動型と固定型とを示す横断面図解図である。 図2図示装置の金型の正面図解図である。
以下、本発明にかかる木質樹脂ペレット及びその製造方法について、詳細に説明する。
本件明細書において、「木質樹脂ペレット及びその製造方法」を前処理ということがあり、中間処理及び後処理と区別することがある。
本発明にかかる木質樹脂ペレットは、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリオレフィン樹脂3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、50〜70℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする。
本発明において、木質系材料として用いる木粉は、特に限定されず、例えば、杉、檜、松、栂、ラワン、チーク等の針葉樹や広葉樹の材木片、鉋屑、鋸屑などを用いることができる。
また、間伐材、木材を製材する際に副生する木片や住宅の建て替え時に発生する廃材を用いることもできる。このような木粉を用いることにより、製造コストの低減が可能となり、環境保護や資源保護を実現することができる。
木粉の平均粒径は、30〜200μmが好ましく、50〜100μmの平均粒径がさらに好ましい。
平均粒径が30μm未満では、嵩比重が低下し、そのため得られる成形品の強度が低下する恐れがあり、逆に平均粒径が200μmを超えると、木質樹脂ペレットを用いて射出成形を行った場合に、ノズル部分での詰まりが発生しやすくなり、その結果、成形品の表面が荒れて、木質感が低下することがある。
ここで、上記木粉の平均粒子径は、木粉を篩いにより分級して目開きに対する累積重量%曲線を作成し、その50重量%に相当する目開きの値を意味する。このような平均粒径を有する木粉を得る方法としては、特に限定されず、例えば粉砕機を用いて木材を粉末にする方法が挙げられる。
木粉には、通常、5〜15%の水分が含まれている。
本発明においては、木粉を例えば50〜60℃で30〜40時間乾燥させることにより、含水量を10重量%以下とした木粉を用いるのが好ましい。木粉の含水量が10重量%を超えると、合成樹脂ペレットを用いて成形を行った場合に、成形品の中に気泡が発生し、機械的強度が低下したり、外観を損ねたりする恐れがある。より好ましい含水量は5重量%以下である。
本発明において、木粉70〜91重量%に対し、樹脂系材料が3〜15重量%混合される。木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれが有る。
主たる樹脂系材料として、ポリオレフィン樹脂が用いられる。
本発明に用いる合成樹脂系材料としてのポリオレフィン樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、メタロセン系ポリプロピレン(分子量(長さ)と結晶性がそろっており、低分子量、低結晶性成分が少ないもの)等が挙げられる。
特に、軽量で剛性、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性などの製品物性や成形性に優れ、かつ比較的に低価格であることから、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)が好ましい。
主たる合成樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン以外、次のような合成樹脂、ブレンドポリマーが用いられる。
エチレン酢ビコポリマー、ポリブチレンテレフタレート、ポリブデン、EVA、エラストマーなどがある。
上記ポリオレフィン樹脂は、メルトフローレート(MFR)が1〜30のものが好適に用いられが、特に3〜26のものが好ましい。ポリオレフィン樹脂のMFRが過度に高くなると、得られる成形品の機械的強度が低くなり、逆にMFRが過度に低くなると、溶融混練が容易でなくなり樹脂組成物中に木粉を均一に分散させることが難しくなる。
ここで、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準拠して測定される。
上記ポリオレフィン樹脂は、新しい原料樹脂のほか、回収されたポリオレフィン樹脂成形品を利用することができる。このように回収されたポリオレフィン樹脂成形品を再利用することは、環境保護および資源保護に加えて製造コストの低減の観点からも意義がある。回収されたポリオレフィン樹脂成形品を利用する場合は、他の成分を均一に混合しやすいように、粉砕や裁断などによりその粒径範囲を10μm〜10mmとしたものが好ましく、200μm〜5mmの粒径範囲がさらに好ましい。
また、本発明においては、適宜、滑剤、界面活性剤、分散剤、接着剤、相溶剤、ラジカル反応剤等の添加剤を、混合する。
界面活性剤は、次のような作用するものをいう。
水に油を混ぜようとしても、分離してしまうが、界面活性剤を加えると、界面活性剤の親油基が油の粒子を取り囲み、親水基を外側に向けた状態に並ぶ。
この親水基は水になじみやすいため、水と混じり合い、水と油が均一に混ざった状態(「乳化(エマルジョン)」と呼ばれる)となる。
滑剤は、ポリマーの成形加工機内の挙動がせん断変形により流動と加工機の内壁との摩擦抵抗によって影響を受けるが、この加工に際して、溶融ポリマーとある程度の相溶性を有して流動性を増すと同時に、加工機械の内部金属表面との摩擦抵抗を減少させて粘着を防ぎ加工を容易にする化合物である。(例、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレンワックス)
上記の配合比:(前処理ラテックスでは、1〜20% 中間処理加熱混合時 5〜20%)
このような界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸などが挙げられる。
更に、本発明においては、適宜添加剤として、CMC(カルボキシメチルセルロース樹脂)、ポリビニルアルコール等の接着剤を混合する。
添加剤としては、その他、無水マレイン酸、無水マレイン酸変性ポリプロプレン、無水コハク酸、無水コハク酸等が、混合される。
添加剤としての無水マレイン酸、無水コハク酸、無水コハク酸は、相溶性、定着性、強度を上げる機能を有する。
マレイン酸を、付加重合前の熱可塑性樹脂の原料に添加して付加重合を行うと、付加重合後の高分子には親水基の一つであるカルボキシル基が付加される。
一般に、重合前の合成樹脂の原料に不飽和有機酸を添加して重合を行うと、重合後の高分子にはカルボキシル基が付加され、得られる酸変性樹脂は木質系材料とのなじみが良くなる。
変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、相溶性、定着性、強度を上げる機能を有する。
添加剤は、12.5重量%以下混合される。
12.5重量%を超えると:過剰反応をおこし(こげ)等が生じる可能性がある。
1重量%未満であると:相溶性が低下し空洞部が増加する傾向がある。
添加剤として、酸化防止剤、光安定剤、造核剤、重金属不活性化剤、難燃剤、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、PVA、ステアリン酸、過酸化物、還元剤、界面活性剤、乳化剤、発泡剤、有機過酸化物、脱水剤等がある。
有機過酸化物は、比較的低い温度で熱的に分解し、あるいはまた、還元性物質と反応して、容易に遊離ラジカル(遊離基)を生成する。この生成した遊離ラジカルの性質は、不飽和二重結合への付加反応及び水素などの引き抜き反応を挙げることができる。ポリプロピレンの流動性改良剤およびオレフィンへの無水マレイン酸などのグラフト化剤として使う。
(1)木質樹脂ペレットIにかかる発明
木質樹脂ペレットIにかかる発明は、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリプロピレン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、25〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする。
木質樹脂ペレットIにかかる発明においては、木質系材料として上記木粉70〜91重量%が配合される。
木粉の配合量が70重量%未満であると、天然木材に近い良好な木質感および外観を付与することが難しくなり、逆に91重量%を超えると、樹脂への木粉の分散性が悪化するとともに、射出成形などの成形性が低下する。
木粉の好ましい配合量は70〜91重量%である。
1:木粉の混合割合が91重量%を超えると、希釈剤不足で、ペレットが崩れ易くなる。
2:木粉の混合割合が70重量%未満であると、木粉率の低下を招く。
木質樹脂ペレットIにかかる発明においては、前記木粉70〜91重量%に対して、主たる樹脂系材料として、上記ポリプロピレンが、3〜15重量%配合される。
ポリプロピレンの配合量が3重量%未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
ポリプロピレンの混合割合が15重量%を超えると、木粉率の低下を招く。
ポリプロピレンの混合割合が3重量%未満であると、木粉率の増加で固形困難・添加剤の調整不良となる。
(2)木質樹脂ペレットIIにかかる発明
木質樹脂ペレットIIにかかる発明は、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリエチレン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、25〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする。
木質樹脂ペレットIIにかかる発明においては、前記木粉70〜91重量%に対して、樹脂系材料として上記粉末ポリエチレンが3〜15重量%配合される。
ポリエチレンの配合量が3重量%未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
木粉の混合割合が91重量%を超えると、希釈剤不足で、ペレット化が崩れ易くなる。
木粉の混合割合が70重量%未満であると、木粉率の低下を招く。
ポリエチレンの混合割合が15重量%を超えると、木粉率の低下を招く。
ポリエチレンの混合割合が3重量%未満であると、木粉率の増加で固形困難・添加剤の調整不良となる。
さらに、木質樹脂ペレットIにかかる発明及び木質樹脂ペレットIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、接着剤たる上記カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%が配合される。
カルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し固形保持力が低下する。逆に、10重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる方向である。
カルボキシメチルセルロース樹脂のより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
なお、必要に応じて、添加剤として、さらに通常のカルボキシメチルセルロース樹脂の加工時に用いられる添加剤、例えば、相溶化剤、熱安定剤、加工助剤、滑剤、充填剤、着色剤、耐衝撃強化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、発泡剤等を配合してもよい。
カルボキシメチルセルロース樹脂にかえて、木質樹脂ペレットIにかかる発明及び木質樹脂ペレットIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、接着剤である上記ポリビニルアルコールが配合される。
ポリビニルアルコールの配合量が1重量%未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に10重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
ポリビニルアルコールのより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
さらに、木質樹脂ペレットIにかかる発明及び木質樹脂ペレットIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、界面活性剤が配合される。界面活性剤として、ステアリン酸が用いられ、1〜10重量%を配合される。
ステアリン酸のより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
さらに、木質樹脂ペレットIにかかる発明及び木質樹脂ペレットIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、添加剤として、相溶剤である無水マレイン酸0.5〜10重量%を配合される。
無水マレイン酸のより好ましい配合量は、0.5〜2重量%である。
または、本発明においては、添加剤として、前記木粉70〜91重量%に対して、添加剤として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン5〜15重量%を配合される。
無水マレイン酸変性ポリプロピレンのより好ましい配合量は、0.5〜2重量%である。
さらに、木質樹脂ペレットIにかかる発明及び木質樹脂ペレットIIにかかる発明においては、前記木質系材料及び樹脂系材料(添加剤を含む)に対して、重量比で、0.5〜2倍の温水(25〜80℃)が配合される。
温水の温度は、添加剤(カルボキシメチルセルロース樹脂又はポリビニルアルコールの溶融)との関係があり、温水は、25〜80℃の温水を混合する。
25℃未満であると、添加剤が溶けにくく、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水のより好ましい温度は、30〜50℃である。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
(3)木質樹脂ペレットIIIにかかる発明
木質樹脂ペレットIIIにかかる発明は、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、アルファオレフィン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、40〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする。
木質樹脂ペレットIIIにかかる発明においては、前記木粉70〜91重量%が配合される。
木粉の配合量が70重量%未満であると、天然木材に近い良好な木質感および外観を付与することが難しくなり、逆に91重量%を超えると、樹脂への木粉の分散性が悪化するとともに、樹脂組成物の溶融粘度が上昇し、射出成形などの成形性が低下する。木粉の好ましい配合量は70〜91重量%である。
木粉の混合割合が91重量%を超えると、希釈剤不足で、ペレットが崩れ易くなる。
木粉の混合割合が70重量%未満であると、木粉率の低下を招く。
さらに、木質樹脂ペレットIIIにかかる発明においては、前記木粉70〜91重量%に対して、主たる樹脂材料として、アルファオレフィンが3〜15重量%配合される。
アルファオレフィンの配合量が3重量%未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
アルファオレフィンの混合割合が15重量%を超えると、木粉率の低下を招く。
アルファオレフィンの混合割合が3重量%未満であると、木粉率の増加で固形困難・添加剤の調整不良となる。
さらに、木質樹脂ペレットIIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、接着剤である前記カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%が配合される。
カルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し固形保持力が低下する。逆に、10重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる方向である。
カルボキシメチルセルロース樹脂のより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
なお、必要に応じて、添加剤として、さらに通常のカルボキシメチルセルロース樹脂の加工時に用いられる添加剤、例えば、相溶化剤、熱安定剤、加工助剤、滑剤、充填剤、着色剤、耐衝撃強化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、発泡剤等を配合してもよい。
さらに、木質樹脂ペレットIIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、界面活性剤が配合される。界面活性剤として、ステアリン酸が用いられ、1〜10重量%を配合される。
ステアリン酸のより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)が、上限を超えると、絡みやすくなる方向ではあるが、固形維持に影響し、下限未満であると、WOエマルションでの不具合が生じるか絡みにくくなる。
カルボキシメチルセルロース樹脂にかえて、木質樹脂ペレットIIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、接着剤である上記ポリビニルアルコール1〜10重量%が配合される。
ポリビニルアルコールの配合量が1重量%未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に10重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
ポリビニルアルコールのより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
さらに、木質樹脂ペレットIIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、相溶剤である無水マレイン酸1〜10重量%を配合される。
無水マレイン酸のより好ましい配合量は、0.5〜2重量%である。
または、木質樹脂ペレットIIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1〜10重量%を配合される。
無水マレイン酸変性ポリプロピレンのより好ましい配合量は、0.5〜2重量%である。
さらに、木質樹脂ペレットIIIにかかる発明においては、前記木質系材料及び樹脂系材料(添加剤を含む)に対して、重量比で、0.5〜2倍の温水(40〜80℃)が配合される。
温水の温度は、主たる合成樹脂(アルファオレフィン)又は添加剤(カルボキシメチルセルロース樹脂又はポリビニルアルコールの溶融)との関係があり、温水は、40〜80℃の温水を混合する。
温水のより好ましい温度は、50〜70℃である。
80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
40℃未満であると、主たる合成樹脂及び添加剤が溶けにくい。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
(4)木質樹脂ペレットIVにかかる発明
木質樹脂ペレットIVにかかる発明は、30〜200μmの木粉70〜91重量%と、低粘度の単独重合体型ポリプロピレンワックス3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、70〜90℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする。
木質樹脂ペレットIVにかかる発明においては、前記木粉70〜91重量%が配合される。
木粉の配合量が70重量%未満であると、天然木材に近い良好な木質感および外観を付与することが難しくなり、逆に91重量%を超えると、樹脂への木粉の分散性が悪化するとともに、樹脂組成物の溶融粘度が上昇し、射出成形などの成形性が低下する。木粉の好ましい配合量は91重量%以下である。
木粉の混合割合が91重量%を超えると、希釈剤不足で、ペレットが崩れ易くなる。
木粉の混合割合が70重量%未満であると、木粉率の低下を招く。
さらに、木質樹脂ペレットIVにかかる発明においては、前記木粉70〜91重量%に対して、主たる樹脂材料である低粘度の単独重合体型ポリプロピレンが、3〜15重量%配合される。
低粘度の単独重合体型ポリプロピレンの配合量が3重量%未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
低粘度の単独重合体型ポリプロピレンの混合割合が15重量%を超えると、木粉率の低下を招く。
低粘度の単独重合体型ポリプロピレンの混合割合が3重量%未満であると、木粉率の増加で固形困難・添加剤の調整不良となる。
さらに、木質樹脂ペレットIVにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、接着剤である前記カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%が配合される。
カルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し固形保持力が低下する。逆に、10重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる方向である。
カルボキシメチルセルロース樹脂のより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
なお、必要に応じて、添加剤として、さらに通常のカルボキシメチルセルロース樹脂の加工時に用いられる添加剤、例えば、相溶化剤、熱安定剤、加工助剤、滑剤、充填剤、着色剤、耐衝撃強化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、発泡剤等を配合してもよい。
さらに、木質樹脂ペレットIVにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、界面活性剤が配合される。界面活性剤として、ステアリン酸が用いられ、1〜10重量%を配合される。
ステアリン酸のより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
カルボキシメチルセルロース樹脂にかえて、木質樹脂ペレットIにかかる発明及び木質樹脂ペレットIIにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、接着剤である上記ポリビニルアルコールが配合される。
ポリビニルアルコールの配合量が1重量%未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に10重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
ポリビニルアルコールのより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
さらに、木質樹脂ペレットIVにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、界面活性剤が配合される。界面活性剤として、ステアリン酸が用いられ、1〜10重量%を配合される。
ステアリン酸のより好ましい配合量は、1〜3重量%である。
界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)が、10重量%を超えると、絡みやすくなる方向ではあるが、固形維持に影響し、1重量%未満であると、WOエマルションでの不具合が生じるか絡みにくくなる。
さらに、木質樹脂ペレットIVにかかる発明においては、添加剤として、前記木粉70〜91重量%に対して、相溶剤である無水マレイン酸1〜10重量%を配合される。
無水マレイン酸のより好ましい配合量は、0.5〜2重量%である。
または、本発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量%に対して、添加剤として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン5〜15重量%を配合される。
無水マレイン酸変性ポリプロピレンのより好ましい配合量は、0.5〜2重量%である。
さらに、木質樹脂ペレットIVにかかる発明においては、前記木質系材料及び樹脂系材料(添加剤を含む)に対して、重量比で、0.5〜2倍の温水(70〜90℃)が配合される。
温水は、70〜90℃の温水を混合する。
70℃未満であると、主たる合成樹脂が溶けにくい。
90℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水のより好ましい温度は、80℃である。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
(5)木質樹脂ペレットIないしIVにかかる発明の製造方法の発明について
本発明の木質樹脂ペレットIを製造する方法としては、木質系材料である木粉70〜91重量%、主たる合成樹脂たるオレフィン樹脂、例えば、ポリプロピレン3〜15重量%、添加剤として、接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂(又はポリビニルアルコール)1〜10重量%、界面活性剤であるステアリン酸1〜10重量%からなる、混合物を一括して、混合機に投入する。
そして、投入物を激しく撹拌しつつ、25〜80℃の温水を、前記混合される投入物に対して、重量比で、0.5〜2倍投入して混合させる。
混合機を用いて全成分を一括投入し混合することにより、嵩比重が大きく、木粉、ポリプロピレン3〜15重量%、添加剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%又はポリビニルアルコール1〜10重量%、その他の添加剤などが均一に分散した混合物を得ることができる。
前記温度(25〜80℃)の温水を混合した後、混合物を別の混合機に移して、混合機から混合物を粉末の状態で取り出す。取り出された粉末状の混合物は、そのまま成形用のコンパウンドとすることができるが、さらに押出機で溶融混練してペレット化する。
ペレット化の方法としては、例えば、一軸押出機または二軸押出機を用い、シリンダー温度、ダイス温度を0〜100℃とし、孔から木粉中の残留水分を排除しつつ、ペレット化する方法が採用される。こうして、本発明の木質樹脂ペレットが得られる。また、ペレット化の方法としては、例えば、射出成形でペレット化を図る方法が採用される。
本発明の木質樹脂ペレットIIを製造する方法としては、木質系材料である木粉70〜91重量%、主たる合成樹脂たるオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン3〜15重量%、添加剤として、接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂(又はポリビニルアルコール)1〜10重量%、界面活性剤であるステアリン酸1〜10重量%からなる、混合物を一括して、混合機に投入する。
そして、投入物を激しく撹拌しつつ、25〜80℃の温水を、前記混合される投入物に対して、重量比で、0.5〜2倍投入して混合させる。
混合機を用いて全成分を一括投入し混合することにより、嵩比重が大きく、木粉、ポリエチレン3〜15重量%、添加剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%又はポリビニルアルコール1〜10重量%、その他の添加剤などが均一に分散した混合物を得ることができる。
前記温度(25〜80℃)の温水を混合した後、混合物を別の混合機に移して、混合機から混合物を粉末の状態で取り出す。取り出された粉末状の混合物は、そのまま成形用のコンパウンドとすることができるが、さらに押出機で溶融混練してペレット化する。
ペレット化の方法としては、例えば、一軸押出機または二軸押出機を用い、シリンダー温度、ダイス温度を0〜100℃とし、孔から木粉中の残留水分を排除しつつ、ペレット化する方法が採用される。こうして、本発明の木質樹脂ペレットが得られる。また、ペレット化の方法としては、例えば、射出成形でペレット化を図る方法が採用される。
本発明の木質樹脂ペレットIIIを製造する方法としては、木質系材料である木粉70〜91重量%、主たる合成樹脂たるオレフィン樹脂、例えば、アルファオレフィン3〜15重量%、添加剤として、接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂(又はポリビニルアルコール)1〜10重量%、界面活性剤であるステアリン酸1〜10重量%からなる、混合物を一括して、混合機に投入する。
そして、投入物を激しく撹拌しつつ、40〜80℃の温水を、前記混合される投入物に対して、重量比で、0.5〜2倍投入して混合させる。
混合機を用いて全成分を一括投入し混合することにより、嵩比重が大きく、木粉、アルファオレフィン3〜15重量%、添加剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%又はポリビニルアルコール1〜10重量%、その他の添加剤などが均一に分散した混合物を得ることができる。
前記温度(40〜80℃)の温水を混合した後、混合物を別の混合機に移して、混合機から混合物を粉末の状態で取り出す。取り出された粉末状の混合物は、そのまま成形用のコンパウンドとすることができるが、さらに押出機で溶融混練してペレット化する。
ペレット化の方法としては、例えば、一軸押出機または二軸押出機を用い、シリンダー温度、ダイス温度を0〜100℃とし、孔から木粉中の残留水分を排除しつつ、ペレット化する方法が採用される。こうして、本発明の木質樹脂ペレットが得られる。また、ペレット化の方法としては、例えば、射出成形でペレット化を図る方法が採用される。
本発明の木質樹脂ペレットIVを製造する方法としては、木質系材料である木粉70〜91重量%、主たる合成樹脂たるオレフィン樹脂、例えば、単独重合型ポリプロピレン3〜15重量%、添加剤として、接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂(又はポリビニルアルコール)1〜10重量%、界面活性剤であるステアリン酸1〜10重量%からなる、混合物を一括して、混合機に投入する。
そして、投入物を激しく撹拌しつつ、70〜90℃の温水を、前記混合される投入物に対して、重量比で、0.5〜2倍投入して混合させる。
混合機を用いて全成分を一括投入し混合することにより、嵩比重が大きく、木粉、単独重合型ポリプロピレン3〜15重量%、添加剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%又はポリビニルアルコール1〜10重量%、その他の添加剤などが均一に分散した混合物を得ることができる。
前記温度(70〜90℃)の温水を混合した後、混合物を別の混合機に移して、混合機から混合物を粉末の状態で取り出す。取り出された粉末状の混合物は、そのまま成形用のコンパウンドとすることができるが、さらに押出機で溶融混練してペレット化する。
ペレット化の方法としては、例えば、一軸押出機または二軸押出機を用い、シリンダー温度、ダイス温度を0〜100℃とし、孔から木粉中の残留水分を排除しつつ、ペレット化する方法が採用される。こうして、本発明の木質樹脂ペレットが得られる。また、ペレット化の方法としては、例えば、射出成形でペレット化を図る方法が採用される。
(中間処理について)
前記したようにして成形された木質樹脂ペレットを用い、用途(例えば、自動用部品、日用雑貨品など)に対応して、射出成形品の物性を変えるために、中間処理木質樹脂成形材料(又は中間処理木質樹脂成形材料からなるグレード試験片)を製造することがある。
以下、その中間処理木質樹脂成形材料及びその製造方法について説明する。
まず、木質樹脂ペレット100重量%、ポリプロピレン50〜800重量%、添加剤5〜20重量%を、混合機にて、混合して、中間処理木質樹脂成形材料を作製する。
ポリプロピレンは、用途あるいは物性(弾性、靱性、強度、耐塞性など)に応じて、ホモポリマー、ランダム共重合体、ブロック共集合体を使い分ける。
又、ランダム共集合体等のように、透明性に優れたものの場合には、木粉が外からよく分かり、木質感を富ませることができる。
ポリプロピレン以外、ポリエチレン、メタロセン系ポリプロピレン、ポリメチルベンテン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブデン、EVA、エラストマー、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合樹脂、エチレン酢ビコポリマー(例えば、高圧重合機により製造されるエチレン酢酸ビニル共重合体でゴム弾性、優れた低温特性、耐候性を有する合成樹脂)などを用いる。
グレード試験片を作製する場合には、図1に示すような、中間処理射出成形装置10を用い、その中間処理射出成形装置10の可塑化シリンダ12(成形材料を溶融可塑化させ、且つ輸送するための加熱筒)に中間成形材料を送り込む。
中間成形材料は、木質樹脂ペレットと、物性を調整するためのポリプロピレン及び添加材とを、それぞれホッパ13aに送り込み、ホッパ13aの下部の混合部13bにて混合した後、可塑化シリンダ12に送り込む。
可塑化シリンダ12の外周には、バンドヒータ14が取り付けられている。
第1のバンドヒータ14aは、中間成形材料を溶かすときに加熱するもので、第2のバンドヒータ14bは、中間成形材料を混練するときに加熱するもので、第3のバンドヒータ14cは、中間成形材料を押し出す迄滞留するときに加熱するものである。第4のバンドヒータ14dは、ノズルヒータであり、中間成形材料がノズル12aから吹き出す迄に固まらないように加熱するものである。
可塑化シリンダ12の内部には、スクリュー18が内装され、中間成形材料は、外部のバンドヒータ14による加熱とスクリュー18の回転によるせん断力とにより加熱され、効率よく可塑化されるように構成されている。
可塑化シリンダ12の先端には、中間処理木質樹脂成形材料の射出口であるノズル12aが形成され、金型20のスプル22と連設されている。
この中間処理射出成形装置10により、中間処理木質樹脂成形材料からなるグレード試験片を金型20内に作製される。
(射出成形について)
木質樹脂ペレットを用いた中間処理木質樹脂成形材料を木質樹脂射出成形材料として用いて、射出成形品を射出成形する射出成形装置110及び金型120について、図2〜5に基づいて説明する。
射出成形装置110は、可塑化シリンダ112(成形材料を溶融可塑化させ、且つ輸送するための加熱筒)を備え、可塑化シリンダ112は、木質樹脂射出成形材料を投入するためのホッパ113aと、ホッパ113aの下部においてホッパ113aに投入された木質樹脂射出成形材料を混合する混合部113bとを備える。
可塑化シリンダ112の外周には、バンドヒータ114が取り付けられている。
第1のバンドヒータ114aは、木質樹脂射出成形材料を溶かすときに加熱するもので、第2のバンドヒータ114bは、木質樹脂射出成形材料を混練するときに加熱するもので、第3のバンドヒータ114cは、木質樹脂射出成形材料を押し出す迄滞留するときに加熱するものである。第4のバンドヒータ114dは、ノズルヒータであり、木質樹脂射出成形材料がノズル112aから吹き出す迄に固まらないように加熱するものである。
可塑化シリンダ112の内部には、スクリュー118が内装され、木質樹脂射出成形材料は、外部のバンドヒータ114による加熱とスクリュー118の回転によるせん断力とにより加熱され、効率よく可塑化されるように構成されている。
可塑化シリンダ112の先端には、木質樹脂射出成形材料の射出口であるノズル112aが形成され、金型120のスプル122と連設されている。
金型120は、第1金型130(例えば固定型)と第2金型150(例えば可動型)とからなり、第1金型130と第2金型150との合わせた部分に、空洞部を備えるキャビティ126が形成されている。
第1金型130は、固定部132と金型部140との2つの部材から構成されている。
固定部132は、スプル122aがその中央に形成され、該スプル122aは、可塑化シリンダ112のノズル112aと連通するように構成されている。
固定部132は、前記スプル122aに直交する方向に、エア孔134が穿設されている。
第1金型130の金型部140は、図2及び図4に示すように、可塑化シリンダ112のノズル112aに連設されるスプル122bが形成されている。なお、スプル122bから木質樹脂射出成形材料が吐出される。
第1金型130の金型部140は、スプル122bがのびる方向(反対方向)すなわち、キャビティ126側の面から固定部132に接する面側に向けて、ガス抜き兼ガス注入孔142が、第1金型130の金型部140の厚み方向における中間まで穿設されている。
ガス抜き兼ガス注入孔142は、スプル122bがのびる方向と直交する方向に向けて穿設されたガス孔144に連通されている。
ガス抜き兼ガス注入孔142は、エアシリンダ146の進退軸に設けられたバルブ148が添装されている。
エアシリンダ146は、固定部132のエア孔134に直交する方向において、シリンダ装填孔136に嵌装され、エア孔134におけるエアー出入により進退軸が出入するように構成されている。
バルブ148は、第1金型130の金型部140の厚み方向に進退して、ガス抜き及びガス注入の切り換えを行うように構成されている。
前記第1金型130の金型部140には、ガス抜き兼ガス注入孔142に内圧を検出する圧力検知手段としての圧力センサ(図示せず)が設けられている。一方、このガス抜き兼ガス注入孔142にこの射出成形装置の真空ポンプ(図示)が接続されて、該真空ポンプの作動により金型120内のキャビティ126内のガスが吸引されて排出されるようにしてある。
第1金型130及び第2金型150は、厚み方向の中間において、長手方向に、冷温水孔130a及び冷温水孔150aが穿設されている。
第1金型130と第2金型150とを閉じ、ガス抜き兼ガス注入孔142から窒素ガスを数秒注入する。
溶融した木質樹脂成形材料を、可塑化シリンダ112のノズル112aからキャビティ126に流し込み、成形した後、冷温水孔130a及び冷温水孔150aに冷水を流し、成形品を固化させる。
この溶着した木質樹脂の成形射出と同時に、キャビティ126のエア及びガスを抜く。
以上により構成された射出成形装置110における脱気動作について、説明する。
前記可塑化シリンダ112内のスクリュー118が回転を開始すると(スクリュー回転ステップ)、前記圧力センサ(図示せず)が前記キャビティ126の内圧の計測を開始する(内圧測定ステップ)。一方、前記スプル122からキャビティ126に木質樹脂成形材料が投入されると、前記可塑化スクリュー118の回転により、木質樹脂材料が可塑化され、金型120に向けて徐々に給送される。このとき、木粉に含まれた水分が蒸発する等により金型120の内圧が上昇する。
前記圧力センサ(図示せず)による計測値を予め爆発することのない圧力の設定値と比較し(計測値と圧力の設定値との比較ステップ)、計測値が設定値を超えた場合には、射出成形装置の真空ポンプを作動させて(ポンプ作動停止ステップ)、前記ガス抜き兼ガス注入孔142を介してキャビティ126内を吸引する。真空ポンプの吸引を継続しながら、前記ステップ302に戻って圧力の計測を継続する。
他方、圧力の計測値が設定値よりも小さくなった場合には、真空ポンプを停止し(ポンプ停止ステップ)、前記内圧測定ステップに戻って圧力の計測を継続して圧力の上昇に待機することになる。すなわち、キャビティ126の内部の圧力の上昇を検知したならば、キャビティ126の内部からガスを吸引することによって、圧力を下降させるものである。
また、制御方法は、他の制御方法がある。前記スクリューの回転が開始されると(スクリュー回転ステップ)、圧力センサ(図示せず)により圧力の計測がなされ(圧力測定ステップ)、この圧力の計測値と設定値とが比較される(圧力の計測値と設定値と比較ステップ)。計測値が設定値を超えた場合には、真空ポンプを作動させて(ポンプ作動ステップ)、キャビティ126内部のガスの吸引を開始すると共に、タイマーをセットして計時を開始する(計時開始ステップ)。予めセットされた時間の経過を判断し(時間経過判断ステップ)、経過していない場合には、計時を継続する。
前記ステップ406で設定時間が経過したと判断されると、圧力測定ステップに戻って圧力の計測を継続する。また、前記の比較ステップにおいて圧力の計測値が設定値よりも小さい場合には、真空ポンプを停止し、圧力測定ステップに戻って圧力の計測を継続する。
(実施例)
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(6)木質樹脂ペレットIにかかる発明
(前処理について)
(実施例1及び11並びに比較例1及び11)
木粉70〜91重量%、粉末状ポリプロピレン3〜15重量%、添加剤として、接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%、界面活性剤(ステアリン酸)1〜10重量%、相溶剤(無水マレイン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)、その他を、混合機に仕込んで高速混合しつつ25〜80℃の温水を、前記混合物に対して、重量比で、0.5〜2倍混合させた。
混合物を混合機に移して低速混合し50℃まで下げた。得られた混合物をニーダでの混練で混合させたものを乾燥し、ペレット化した。
配合物
木粉(檜粉、含水量:3重量%、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
粉末状ポリプロピレン(プライムポリプロ社製:「PP700」)
カルボキシメチルセルロース樹脂(ダイセルファインケム株式会社製:「CMCダイセル1220」)
無水マレイン酸(三井化学株式会社製)
変性ポリプロピレン(三菱化学株式会社製:「モディックP565」)
ステアリン酸(新日本理化株式会社製:「ステアリン酸300」)
各実施例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表1の1に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
比較例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表1の2に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410


木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量%未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、25℃未満であると、添加剤が溶けにくく、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水のより好ましい温度は、30〜50℃である。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
別の実施例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表6の1に示すとおりである。
Figure 2011236410

Figure 2011236410

Figure 2011236410
比較例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表6の2に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量%未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、25℃未満であると、添加剤が溶けにくく、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水のより好ましい温度は、30〜50℃である。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
(中間処理について)
グレード調整のための中間処理は、軽量で耐熱性が良く、耐薬品性に優れ、また艶があるのが特徴のポリプロピレンを用いて行う。ポリプロピレンは、その組成によりホモポリマー(単独重合体)と、共重合体であるランダムコポリマー、ブロックコポリマーに分かれ、使用用途によって選択される。
一般に、ホモポリマーは、高剛性で、光沢がよく鮮やかな色彩に着色できる。
一方、ランダムコポリマーは、透明性が高く、ブロックコポリマーは、ホモポリマーよりも耐衝撃強度が優れているという特徴がある。
ポリプロピレンには、ホモポリマー、ランダムコポリマー及びブロックコポリマーの3種類がある。
なかでもホモポリマーはプロピレン100%から成るため、剛性や耐熱性に優れている。その反面、低温衝撃性に劣るがエチレンなどのモノマーを共重合することで改良される。さらにガラス繊維などのさまざまな副資材を充填することができるため、目的に応じた物性の材料を作ることが可能である。
これらは自動車部品、家電部品、日用品、その他工業用途に幅広く使用されている。
ポリプロピレンの各グレードについて
プライムポリマー(J−700GP)ホモポリマー 物性表10参照
プライムポリマー(J−3021GR)ランダムコポリマー 物性表10参照
プライムポリマー(J−466HP)ブロックコポリマー 物性表10参照
上記のグレードは、ホモグレード、ランダムグレード、ブロックグレードと言い、物性表10に記載されている、物理的性質、機械的性質、熱的性質、光学的性質にわかれ、数値が記入されているので製品に合った状態をその数値から拾いだし、検証する。
添加剤は、混合率に合わせ1%〜20%までとする。
割合は、木質90%に対してポリプロピレン(PP)、その他が10%で=100%なので使用時は、100gとして、(ポリプロピレン(PP)、その他50g)加算で木質60%入りPP樹脂となる。
Figure 2011236410
ポリプロピレン以外では、ポリエチレンを、グレード調整の中間処理に用いることができる。
中間処理により、ダンベル試験片を製作する条件について、次に説明する。
(1)「成型機(日精樹脂工業)形式:NS60−9Aでの評価金型:ダンベル試験片」について
<成型条件>
i射出時間:10sec 冷却時間:25sec 中間時間:0,5sec
2圧:30% 1圧:50%
2速:20% 1速:40%
ii成型温度:ノズル部:170℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:170℃
iii金型温度:30〜65℃
iv乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
上記の成型条件で、ダンベル試験片を成型し、分散性、流動性、可塑性を検証し試験片では、物性を検証した。
(2)試験片でのペレットと混合するその他の条件について
前処理した状態の物(仮名:SMCP1)に、ポリプロピレン(PP)を追加混合し、木質60%、ポリプロピレン35%、添加剤5%、での混合物による条件
<成型条件>
i射出時間:10sec 冷却時間:25sec 中間時間:0,5sec
2圧:20% 1圧:40%
2速:15% 1速:35%
ii成型温度:ノズル部:170℃ 前部:175℃ 中間部:175℃ 後部:170℃
iii金型温度:30〜65℃
iv乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
流動性がよく、表面光沢にすぐれ、木質感の状態が良い物性値も上がる方向であった。
<成型条件>
i射出時間:8sec 冷却時間:20sec 中間時間:0,5sec
2圧:15% 1圧:40%
2速:15% 1速:25%
ii成型温度:ノズル部:170℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:175℃
iii金型温度:30〜65℃
iv乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
<木質樹脂射出成形材料による射出成形について>
(1)混練条件について
混合機:回転数30rpm
混練り温度:40〜100℃
型取り粒径:径5ミリ高さ5ミリ 径4ミリ高さ5ミリ 径3ミリ高さ5ミリ又は径5ミリ高さ3ミリ 径4ミリ高さ3ミリ 径3ミリ高さ3ミリ
乾燥条件:乾燥機にて、60〜120℃ 3時間〜48時間
(2)上記で得られた粒体物A(仮名:SMCP1)をつぎの方法により相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化及び成型性の評価をおこなった。
1.評価を行った機種
射出成型機(日精樹脂工業)形式:FS210S50ASEでの評価
射出成型機(型締め力:210t スクリュー径63ミリ 射出容量:639cm3/ショット 射出圧力:1275kg/hr 射出率:348cm3/sec スクリュー回転数:0〜150rpm低トルク及び高トルク ノズルタッチ力:4.4t
2.相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化の評価
2.相溶性について
相溶性については、前処理時と中間処理時に関係する。
前処理の場合:前処理の場合の相溶性と言うのは、ステアリン酸を使い木粉とオレフィン樹脂を反発しにくくし、くっつきやすい状態にもってく事に(相溶性)と言っている。
中間処理の場合:前処理で出来た物を他のベース樹脂との相溶性である。ここでは、おもに、添加剤である、ステアリン酸とか有機化酸化物を使いベース樹脂との相溶性をはかる。
分散性について
分散性についても、前処理と中間処理での関係があるが、おもに前処理段階で分散しやすく加工することで、中間処理時、いくつもの、グレードポリプロピレン(PP)に対応しやすいと言うことである。なおかつ、中間処理で分散しにくい(だまになる)場合、添加剤の追加調整で分散性を上げると言うことである。
混合性について
混合は、おもに中間的なものであり、前処理したものを、中間処理で綺麗に分散した状態でポリプロピレン(PP)樹脂と木粉が混じりあっているかどうかと言うことである。
流動性について
流動性は、木粉とポリプロピレン(PP)の混じり合った物の流れの速さですテスト金型での射出タイムを目安にする。
滞留性について
滞留は、混合した物をわざとシリンダーの中で滞留させ、焼け状態を見たものである。
熱変化について
混合物の熱のかけ方での幅(170〜210℃)を測定したものである。
2.1.設定温度:ノズル温度:170℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:170℃
スクリュー回転数:10〜20rpm 相溶物B(オレフィン系樹脂)
2.2.相溶性の各評価基準
相溶性:粒体物質量Aにより相溶物Bがなじみやすく加工されている。
分散性:カルボキシメチルセルロース樹脂(CMC)及びポリビニルアルコール(PVA)の濃度により分散性が変わると見られた。
混合性:成型機背圧により混合性が高まった。
流動性:相溶物B(各種B)で流動性を変えることが出来る。
滞留性:滞留時間によるが、時間が短いほど安定する。
熱変化は、設定温度、可塑化時スクリュー回転数及び滞留時間等で変色しはじめる。
3.成型性の評価
3.1.成型機(日精樹脂工業)形式:FS210S50ASEでの評価
金型:木質専用トレー金型
3.2.「3.1.」の成型性の評価について
3.2.1.成型条件
射出TM1:15sec 冷却TM2:45sec 中間TM3:0・5sec
射出スピード:V1:55 V2:50V3:30
射出圧力 :P1:65 P2:25 P3:20
成型温度:ノズル部:180℃ 前部:180℃中間部:175℃後部:175℃
3.2.2.金型状態
トレー(木質専用トレー金型)別紙、金型簡略図
金型温度:30〜65℃(冷温調設機にて)
3.2.3.乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
上記の条件で成型した結果、木質感がありながらも、表面光沢を保ち、においの少ない製品に仕上げることができた。試験片の物性値は下記にしるす。
4.試験分析について
試験方法及び実施
4.1.耐熱試験
試験装置:家庭用品品質表示法の耐熱温度測定に準じて試験を行った。提出資料を熱風循環乾燥機(東洋製作所製KVC)中で、板上に載せた状態で1時間保持、取り出し、温室放置した後、提出試料のエッジの高さ(10ミリ)の寸法変化(少数第一位を四捨五入)および目視により外観変化を調べた、耐熱温度は、50℃を起点として10℃おきに120℃まで行った。
4.2.荷重たわみ試験
試験方法:試験断片(幅10×長さ80ミリ)について、JIS K7191−1プラスチックー荷重たわみ温度の試験方法ー第一部に準じてフラットワイズ試験を行った。おもり:0,751N支点間距離:64mm、昇音速度:120℃/hr、たわみ量0.26mm 恒音層:エアー式
試験装置:高温HDTテスター HT−3 東洋精機製作所
4.3.定量試験
試験方法:資料を5mm角に切り出し、試料(約1g)を乾燥(90℃にて24時間放置)させ、予め乾燥させ重量既知な円筒濾紙に入れて正確に秤量した。この試料をO―シ゛クロロベンゼンにて、24時間ソックススレー中質を行った。抽出後、円筒濾紙をアセトンにて加温下で洗浄し、乾燥させ重量測定を行った。
4.4.引っ張り試験
試験装置:インストロン社製材料試験機5569
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック 引っ張り試験方法に準じて試験を行った。チャック間距離80mm、試験速度100mm/min、室温20℃相対温度60%で試験を行い、引っ張り試験での破断時、降状点での強度、変位を測定した。試験は5回行い、その平均値を結果とした。
4.5.曲げ試験
試験装置:インストロン社製材料試験機5569
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック 曲げ特性の試験方法に準じて試験を行った。支点間距離64mm、試験速度100mm/min、室温20℃相対温度60%で試験を行い、曲げ試験での最大荷重での強度、変位、応力を測定した。試験は5回行い、その平均値を結果とした。試料は、室温20℃相対温度60%で静置した後、試験に供した。
4.6.衝撃試験
試験装置:東洋精機製作所製 シャルピー衝撃試験機斧:0.5J
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック シャルピー衝撃強さの試験方法エッチワイズ衝撃ノッチ付きに準じて試験を行った。支持台距離60mm、斧2J、室温20℃相対温度60%で試験を行い、破壊エネルギーを測定し、シャルピー衝撃強さを算出した。試験は10回行い、その平均値を結果とした。試料は、室温20℃相対温度60%で静置した後、試験に供した。
(実施例2)
(7)木質樹脂ペレットIIにかかる発明
(実施例2及び12並びに比較例2及び12)
木粉70〜91重量%、粉末状ポリエチレン3〜15重量%、添加剤として、接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%、界面活性剤(ステアリン酸)1重量%、相溶剤(無水マレイン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)、その他を、混合機に仕込んで高速混合しつつ50〜70℃の温水を、前記混合物に対して、重量比で、0.5〜2倍混合させた。混合物を混合機に移して低速混合し50℃まで下げた。得られた混合物をニーダでの混練で混合させたものを乾燥し、ペレット化した。
配合物
木粉(檜粉、含水量:3重量%、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
粉末状ポリエチレン(旭化成社製:「Asahi KASEI サンテック‐HD L50P」)
カルボキシメチルセルロース樹脂(ダイセルファインケム株式会社製:「CMCダイセル1220」)
無水マレイン酸(三井化学株式会社製)
変性ポリプロピレン(三菱化学株式会社製:「モディックP565」)
ステアリン酸(新日本理化株式会社製:「ステアリン酸300」)
各実施例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表2の1に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
比較例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表2の2に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量%未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、25℃未満であると、添加剤が溶けにくく、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水のより好ましい温度は、30〜50℃である。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
別の実施例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表7の1に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
比較例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表7の2に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量%未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、25℃未満であると、添加剤が溶けにくく、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水のより好ましい温度は、30〜50℃である。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
<木質樹脂射出成形材料による射出成形について>
(1)混練条件について
混合機:回転数30rpm
混練り温度:40〜100℃
型取り粒径:径5ミリ高さ5ミリ 径4ミリ高さ5ミリ 径3ミリ高さ5ミリ又は径5ミリ高さ3ミリ 径4ミリ高さ3ミリ 径3ミリ高さ3ミリ
乾燥条件:乾燥機にて、60〜120℃ 3時間〜48時間
(2)上記で得られた粒体物A(仮名:SMCP1)をつぎの方法により相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化及び成型性の評価をおこなった。
1.評価を行った機種
射出成型機(日精樹脂工業)形式:FS210S50ASEでの評価
射出成型機(型締め力:210t スクリュー径63ミリ 射出容量:639cm3/ショット 射出圧力:1275kg/hr 射出率:348cm3/sec スクリュー回転数:0〜150rpm低トルク及び高トルク ノズルタッチ力:4.4t
2.相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化の評価
2.相溶性について
相溶性については、前処理時と中間処理時に関係する。
前処理の場合:前処理の場合の相溶性と言うのは、ステアリン酸を使い木粉とオレフィン樹脂を反発しにくくし、くっつきやすい状態にもってく事に(相溶性)と言っている。
中間処理の場合:前処理で出来た物を他のベース樹脂との相溶性である。ここでは、おもに、添加剤である、ステアリン酸とか有機化酸化物を使いベース樹脂との相溶性をはかる。
分散性について
分散性についても、前処理と中間処理での関係があるが、おもに前処理段階で分散しやすく加工することで、中間処理時、いくつもの、グレードポリプロピレン(PP)に対応しやすいと言うことである。なおかつ、中間処理で分散しにくい(だまになる)場合、添加剤の追加調整で分散性を上げると言うことである。
混合性について
混合は、おもに中間的なものであり、前処理したものを、中間処理で綺麗に分散した状態でPP樹脂と木粉が混じりあっているかどうかと言うことである。
流動性について
流動性は、木粉とポリプロピレン(PP)の混じり合った物の流れの速さですテスト金型での射出タイムを目安にする。
滞留性について
滞留は、混合した物をわざとシリンダーの中で滞留させ、焼け状態を見たものである。
熱変化について
混合物の熱のかけ方での幅(170〜210℃)を測定したものである。
2.1.設定温度:ノズル温度:170℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:170℃
スクリュー回転数:50rpm 相溶物B(オレフィン系樹脂)
2.2.相溶性の各評価基準
相溶性:粒体物質量Aにより相溶物Bがなじみやすく加工されている。
分散性:カルボキシメチルセルロース樹脂(CMC)及びポリビニルアルコール(PVA)の濃度により分散性が変わると見られた。
混合性:成型機背圧により混合性が高まった。
流動性:相溶物B(各種B)で流動性を変えることが出来る。
滞留性:滞留時間によるが、時間が短いほど安定する。
熱変化は、設定温度、可塑化時スクリュー回転数及び滞留時間等で変色しはじめる。
3.成型性の評価
3.1.成型機(日精樹脂工業)形式:FS210S50ASEでの評価
金型:木質専用トレー金型
3.2.「3.1.」の成型性の評価について
3.2.1.成型条件
射出TM1:15sec 冷却TM2:45sec 中間TM3:0・5sec
射出スピード:V1:55 V2:50V3:30
射出圧力 :P1:65 P2:25 P3:20
成型温度:ノズル部:180℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:175℃
3.2.2.金型状態
トレー(木質専用トレー金型)別紙、金型簡略図
金型温度:30〜65℃(冷温調設機にて)
3.2.3.乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
上記の条件で成型した結果、木質感がありながらも、表面光沢を保ち、においの少ない製品に仕上げることができた。試験片の物性値は下記にしるす。
4.試験分析について
試験方法及び実施
4.1.耐熱試験
試験装置:家庭用品品質表示法の耐熱温度測定に準じて試験を行った。提出資料を熱風循環乾燥機(東洋製作所製KVC)中で、板上に載せた状態で1時間保持、取り出し、温室放置した後、提出試料のエッジの高さ(10ミリ)の寸法変化(少数第一位を四捨五入)および目視により外観変化を調べた、耐熱温度は、50℃を起点として10℃おきに120℃まで行った。
4.2.荷重たわみ試験
試験方法:試験断片(幅10×長さ80ミリ)について、JIS K7191−1プラスチックー荷重たわみ温度の試験方法ー第一部に準じてフラットワイズ試験を行った。おもり:0,751N支点間距離:64mm、昇音速度:120℃/hr、たわみ量0.26mm 恒音層:エアー式
試験装置:高温HDTテスター HT−3 東洋精機製作所
4.3.定量試験
試験方法:資料を5mm角に切り出し、試料(約1g)を乾燥(90℃にて24時間放置)させ、予め乾燥させ重量既知な円筒濾紙に入れて正確に秤量した。この試料をO―シ゛クロロベンゼンにて、24時間ソックススレー中質を行った。抽出後、円筒濾紙をアセトンにて加温下で洗浄し、乾燥させ重量測定を行った。
4.4.引っ張り試験
試験装置:インストロン社製材料試験機5569
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック 引っ張り試験方法に準じて試験を行った。チャック間距離80mm、試験速度100mm/min、室温20℃相対温度60%で試験を行い、引っ張り試験での破断時、降状点での強度、変位を測定した。試験は5回行い、その平均値を結果とした。
4.5.曲げ試験
試験装置:インストロン社製材料試験機5569
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック 曲げ特性の試験方法に準じて試験を行った。支点間距離64mm、試験速度100mm/min、室温20℃相対温度60%で試験を行い、曲げ試験での最大荷重での強度、変位、応力を測定した。試験は5回行い、その平均値を結果とした。試料は、室温20℃相対温度60%で静置した後、試験に供した。
4.6.衝撃試験
試験装置:東洋精機製作所製 シャルピー衝撃試験機斧:0.5J
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック シャルピー衝撃強さの試験方法エッチワイズ衝撃ノッチ付きに準じて試験を行った。支持台距離60mm、斧2J、室温20℃相対温度60%で試験を行い、破壊エネルギーを測定し、シャルピー衝撃強さを算出した。試験は10回行い、その平均値を結果とした。試料は、室温20℃相対温度60%で静置した後、試験に供した。
(実施例3)
(8)木質樹脂ペレットIIIにかかる発明
(実施例3及び13並びに比較例3及び13)
木粉70〜91重量%、アルファオレフィン重合体3〜15重量%、添加剤として、接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%、界面活性剤(ステアリン酸)1〜10重量%、相溶剤(無水マレイン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)、その他を、混合機に仕込んで高速混合しつつ40〜80℃の温水を、前記混合物に対して、重量比で、0.5〜2倍混合させた。混合物を混合機に移して低速混合し温度を下げた。得られた混合物をニーダでの混練で混合させたものを乾燥し、ペレット化した。
配合物
木粉(檜粉、含水量:3重量%、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
アルファオレフィン重合体
カルボキシメチルセルロース樹脂
無水マレイン酸
変性ポリプロピレン
ステアリン酸
各実施例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表3の1に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
比較例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表3の2に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量%未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水が、40℃未満であると、主たる合成樹脂及び添加剤が溶けにくい。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
別の実施例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表8の1に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
比較例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表8の2に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量%未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水が、40℃未満であると、主たる合成樹脂及び添加剤が溶けにくい。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
<木質樹脂射出成形材料による射出成形について>
(1)混練条件について
混合機:回転数30rpm
混練り温度:40〜100℃
型取り粒径:径5ミリ高さ5ミリ 径4ミリ高さ5ミリ 径3ミリ高さ5ミリ又は径5ミリ高さ3ミリ 径4ミリ高さ3ミリ 径3ミリ高さ3ミリ
乾燥条件:乾燥機にて、60〜120℃ 3時間〜48時間
(2)上記で得られた粒体物A(仮名:SMCP1)をつぎの方法により相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化及び成型性の評価をおこなった。
1.評価を行った機種
射出成型機(日精樹脂工業)形式:FS210S50ASEでの評価
射出成型機(型締め力:210t スクリュー径63ミリ 射出容量:639cm3/ショット 射出圧力:1275kg/hr 射出率:348cm3/sec スクリュー回転数:0〜150rpm低トルク及び高トルク ノズルタッチ力:4.4t
2.相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化の評価
2.相溶性について
相溶性については、前処理時と中間処理時に関係する。
前処理の場合:前処理の場合の相溶性と言うのは、ステアリン酸を使い木粉とオレフィン樹脂を反発しにくくし、くっつきやすい状態にもってく事に(相溶性)と言っている。
中間処理の場合:前処理で出来た物を他のベース樹脂との相溶性である。ここでは、おもに、添加剤である、ステアリン酸とか有機化酸化物を使いベース樹脂との相溶性をはかる。
分散性について
分散性についても、前処理と中間処理での関係があるが、おもに前処理段階で分散しやすく加工することで、中間処理時、いくつもの、グレードポリプロピレン(PP)に対応しやすいと言うことである。なおかつ、中間処理で分散しにくい(だまになる)場合、添加剤の追加調整で分散性を上げると言うことである。
混合性について
混合は、おもに中間的なものであり、前処理したものを、中間処理で綺麗に分散した状態でPP樹脂と木粉が混じりあっているかどうかと言うことである。
流動性について
流動性は、木粉とポリプロピレン(PP)の混じり合った物の流れの速さですテスト金型での射出タイムを目安にする。
滞留性について
滞留は、混合した物をわざとシリンダーの中で滞留させ、焼け状態を見たものである。
熱変化について
混合物の熱のかけ方での幅(170〜210℃)を測定したものである。
2.1.設定温度:ノズル温度:170℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:170℃
スクリュー回転数:50rpm 相溶物B(オレフィン系樹脂)
2.2.相溶性の各評価基準
相溶性:粒体物質量Aにより相溶物Bがなじみやすく加工されている。
分散性:カルボキシメチルセルロース樹脂(CMC)及びポリビニルアルコール(PVA)の濃度により分散性が変わると見られた。
混合性:成型機背圧により混合性が高まった。
流動性:相溶物B(各種B)で流動性を変えることが出来る。
滞留性:滞留時間によるが、時間が短いほど安定する。
熱変化は、設定温度、可塑化時スクリュー回転数及び滞留時間等で変色しはじめる。
3.成型性の評価
3.1.成型機(日精樹脂工業)形式:FS210S50ASEでの評価
金型:木質専用トレー金型
3.2.「3.1.」の成型性の評価について
3.2.1.成型条件
射出TM1:15sec 冷却TM2:45sec 中間TM3:0・5sec
射出スピード:V1:55 V2:50V3:30
射出圧力 :P1:65 P2:25 P3:20
成型温度:ノズル部:180℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:175℃
3.2.2.金型状態
トレー(木質専用トレー金型)別紙、金型簡略図
金型温度:30〜65℃(冷温調設機にて)
3.2.3.乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
上記の条件で成型した結果、木質感がありながらも、表面光沢を保ち、においの少ない製品に仕上げることができた。試験片の物性値は下記にしるす。
4.試験分析について
試験方法及び実施
4.1.耐熱試験
試験装置:家庭用品品質表示法の耐熱温度測定に準じて試験を行った。提出資料を熱風循環乾燥機(東洋製作所製KVC)中で、板上に載せた状態で1時間保持、取り出し、温室放置した後、提出試料のエッジの高さ(10ミリ)の寸法変化(少数第一位を四捨五入)および目視により外観変化を調べた、耐熱温度は、50℃を起点として10℃おきに120℃まで行った。
4.2.荷重たわみ試験
試験方法:試験断片(幅10×長さ80ミリ)について、JIS K7191−1プラスチックー荷重たわみ温度の試験方法ー第一部に準じてフラットワイズ試験を行った。おもり:0,751N支点間距離:64mm、昇音速度:120℃/hr、たわみ量0.26mm 恒音層:エアー式
試験装置:高温HDTテスター HT−3 東洋精機製作所
4.3.定量試験
試験方法:資料を5mm角に切り出し、試料(約1g)を乾燥(90℃にて24時間放置)させ、予め乾燥させ重量既知な円筒濾紙に入れて正確に秤量した。この試料をO―シ゛クロロベンゼンにて、24時間ソックススレー中質を行った。抽出後、円筒濾紙をアセトンにて加温下で洗浄し、乾燥させ重量測定を行った。
4.4.引っ張り試験
試験装置:インストロン社製材料試験機5569
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック 引っ張り試験方法に準じて試験を行った。チャック間距離80mm、試験速度100mm/min、室温20℃相対温度60%で試験を行い、引っ張り試験での破断時、降状点での強度、変位を測定した。試験は5回行い、その平均値を結果とした。
4.5.曲げ試験
試験装置:インストロン社製材料試験機5569
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック 曲げ特性の試験方法に準じて試験を行った。支点間距離64mm、試験速度100mm/min、室温20℃相対温度60%で試験を行い、曲げ試験での最大荷重での強度、変位、応力を測定した。試験は5回行い、その平均値を結果とした。試料は、室温20℃相対温度60%で静置した後、試験に供した。
4.6.衝撃試験
試験装置:東洋精機製作所製 シャルピー衝撃試験機斧:0.5J
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック シャルピー衝撃強さの試験方法エッチワイズ衝撃ノッチ付きに準じて試験を行った。支持台距離60mm、斧2J、室温20℃相対温度60%で試験を行い、破壊エネルギーを測定し、シャルピー衝撃強さを算出した。試験は10回行い、その平均値を結果とした。試料は、室温20℃相対温度60%で静置した後、試験に供した。
(実施例4)
(9)木質樹脂ペレットIVにかかる発明
(実施例4及び14並びに比較例4及び14)
木粉70〜91重量%、低粘度の単独重合体型ポリプロピレンワックス3〜15重量%、添加剤として、接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%、界面活性剤(ステアリン酸)1〜10重量%、相溶剤(無水マレイン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)、その他を、混合機に仕込んで高速混合しつつ70〜90℃の温水を、前記混合物に対して、重量比で、0.5〜2倍混合させた。混合物を混合機に移して低速混合し50℃まで下げた。得られた混合物をニーダでの混練で混合させたものを乾燥し、ペレット化した。
配合物
木粉(檜粉、含水量:3重量%、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
低粘度の単独重合体型ポリプロピレンワックス(クラリアントジャパン株式会社製:「メタロセンワックスポリマー TP LICOCENE PP MA 6452F」)
カルボキシメチルセルロース樹脂(ダイセルファインケム株式会社製:「CMCダイセル1220」)
無水マレイン酸(三井化学株式会社製)
変性ポリプロピレン(三菱化学株式会社製:「モディックP565」)
ステアリン酸(新日本理化株式会社製:「ステアリン酸300」)
各実施例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表4の1に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
比較例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表4の2に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量%未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、70℃未満であると、主たる合成樹脂が溶けにくい。
温水が、90℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水のより好ましい温度は、80℃である。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
別の実施例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表9の1に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
比較例における、木粉、主たる合成樹脂、添加剤(接着剤、界面活性剤、滑剤、分散剤)及び温水の配合比等は、表9の2に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
木粉が91重量%を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量%未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量%を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量%未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量%を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、70℃未満であると、主たる合成樹脂が溶けにくい。
温水が、90℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水のより好ましい温度は、80℃である。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
<木質樹脂射出成形材料による射出成形について>
(1)混練条件について
混合機:回転数30rpm
混練り温度:40〜100℃
型取り粒径:径5ミリ高さ5ミリ 径4ミリ高さ5ミリ 径3ミリ高さ5ミリ又は径5ミリ高さ3ミリ 径4ミリ高さ3ミリ 径3ミリ高さ3ミリ
乾燥条件:乾燥機にて、60〜120℃ 3時間〜48時間
(2)上記で得られた粒体物A(仮名:SMCP1)をつぎの方法により相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化及び成型性の評価をおこなった。
1.評価を行った機種
射出成型機(日精樹脂工業)形式:FS210S50ASEでの評価
射出成型機(型締め力:210t スクリュー径63ミリ 射出容量:639cm3/ショット 射出圧力:1275kg/hr 射出率:348cm3/sec スクリュー回転数:0〜150rpm低トルク及び高トルク ノズルタッチ力:4.4t
2.相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化の評価
2.相溶性について
相溶性については、前処理時と中間処理時に関係する。
前処理の場合:前処理の場合の相溶性と言うのは、ステアリン酸を使い木粉とオレフィン樹脂を反発しにくくし、くっつきやすい状態にもってく事に(相溶性)と言っている。
中間処理の場合:前処理で出来た物を他のベース樹脂との相溶性である。ここでは、おもに、添加剤である、ステアリン酸とか有機化酸化物を使いベース樹脂との相溶性をはかる。
分散性について
分散性についても、前処理と中間処理での関係があるが、おもに前処理段階で分散しやすく加工することで、中間処理時、いくつもの、グレードポリプロピレン(PP)に対応しやすいと言うことである。なおかつ、中間処理で分散しにくい(だまになる)場合、添加剤の追加調整で分散性を上げると言うことである。
混合性について
混合は、おもに中間的なものであり、前処理したものを、中間処理で綺麗に分散した状態でPP樹脂と木粉が混じりあっているかどうかと言うことである。
流動性について
流動性は、木粉とポリプロピレン(PP)の混じり合った物の流れの速さですテスト金型での射出タイムを目安にする。
滞留性について
滞留は、混合した物をわざとシリンダーの中で滞留させ、焼け状態を見たものである。
熱変化について
混合物の熱のかけ方での幅(170〜210℃)を測定したものである。
2.1.設定温度:ノズル温度:170℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:170℃
スクリュー回転数:50rpm 相溶物B(オレフィン系樹脂)
2.2.相溶性の各評価基準
相溶性:粒体物質量Aにより相溶物Bがなじみやすく加工されている。
分散性:カルボキシメチルセルロース樹脂(CMC)及びポリビニルアルコール(PVA)の濃度により分散性が変わると見られた。
混合性:成型機背圧により混合性が高まった。
流動性:相溶物B(各種B)で流動性を変えることが出来る。
滞留性:滞留時間によるが、時間が短いほど安定する。
熱変化は、設定温度、可塑化時スクリュー回転数及び滞留時間等で変色しはじめる。
3.成型性の評価
3.1.成型機(日精樹脂工業)形式:FS210S50ASEでの評価
金型:木質専用トレー金型
3.2.「3.1.」の成型性の評価について
3.2.1.成型条件
射出TM1:15sec 冷却TM2:45sec 中間TM3:0・5sec
射出スピード:V1:55 V2:50V3:30
射出圧力 :P1:65 P2:25 P3:20
成型温度:ノズル部:180℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:175℃
3.2.2.金型状態
トレー(木質専用トレー金型)別紙、金型簡略図
金型温度:30〜65℃(冷温調設機にて)
3.2.3.乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
上記の条件で成型した結果、木質感がありながらも、表面光沢を保ち、においの少ない製品に仕上げることができた。試験片の物性値は下記にしるす。
4.試験分析について
試験方法及び実施
4.1.耐熱試験
試験装置:家庭用品品質表示法の耐熱温度測定に準じて試験を行った。提出資料を熱風循環乾燥機(東洋製作所製KVC)中で、板上に載せた状態で1時間保持、取り出し、温室放置した後、提出試料のエッジの高さ(10ミリ)の寸法変化(少数第一位を四捨五入)および目視により外観変化を調べた、耐熱温度は、50℃を起点として10℃おきに120℃まで行った。
4.2.荷重たわみ試験
試験方法:試験断片(幅10×長さ80ミリ)について、JIS K7191−1プラスチックー荷重たわみ温度の試験方法ー第一部に準じてフラットワイズ試験を行った。おもり:0,751N支点間距離:64mm、昇音速度:120℃/hr、たわみ量0.26mm 恒音層:エアー式
試験装置:高温HDTテスター HT−3 東洋精機製作所
4.3.定量試験
試験方法:資料を5mm角に切り出し、試料(約1g)を乾燥(90℃にて24時間放置)させ、予め乾燥させ重量既知な円筒濾紙に入れて正確に秤量した。この試料をO―シ゛クロロベンゼンにて、24時間ソックススレー中質を行った。抽出後、円筒濾紙をアセトンにて加温下で洗浄し、乾燥させ重量測定を行った。
4.4.引っ張り試験
試験装置:インストロン社製材料試験機5569
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック 引っ張り試験方法に準じて試験を行った。チャック間距離80mm、試験速度100mm/min、室温20℃相対温度60%で試験を行い、引っ張り試験での破断時、降状点での強度、変位を測定した。試験は5回行い、その平均値を結果とした。
4.5.曲げ試験
試験装置:インストロン社製材料試験機5569
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック 曲げ特性の試験方法に準じて試験を行った。支点間距離64mm、試験速度100mm/min、室温20℃相対温度60%で試験を行い、曲げ試験での最大荷重での強度、変位、応力を測定した。試験は5回行い、その平均値を結果とした。試料は、室温20℃相対温度60%で静置した後、試験に供した。
4.6.衝撃試験
試験装置:東洋精機製作所製 シャルピー衝撃試験機斧:0.5J
試験方法:試験断片(幅10×長さ150mm)について、JIS K 7171(1994)プラスチック シャルピー衝撃強さの試験方法エッチワイズ衝撃ノッチ付きに準じて試験を行った。支持台距離60mm、斧2J、室温20℃相対温度60%で試験を行い、破壊エネルギーを測定し、シャルピー衝撃強さを算出した。試験は10回行い、その平均値を結果とした。試料は、室温20℃相対温度60%で静置した後、試験に供した。
表1に示すように、ポリオレフィン樹脂と木粉に各添加剤を配合した本発明の樹脂組成物(実施例1・2・3・4)では、組み合わせの状態では、溶融粘度が低く、分散性にすぐれ中間処理での混合性の安定で射出成型性が良好であり、かつ得られた成型品表面に光沢をもちながら、木質感が良好で成型に伴う(焼けこげ)がわずかであり、しかも高い耐衝撃グレード品及び曲げ弾性率品の改良の幅が増えた。一方、木粉配合量が過度に少ない場合は、木質感がうすれる傾向であるので、主たる合成樹脂での調整で下限を超えた場合(比較例下限1・2・3・4)は添加物の配合での調整が困難であった。また、主たる合成樹脂の(比較例上限1・2・3・4)を超えてくると添加剤不足での配合となるため、相溶性での問題が生じた。添加剤の不調合での状態では、ショート、ガスやけ、物性の低下などでの成型条件での幅が少ない為、製品にするのには、かなりの困難な結果であった。
上記の内容の結果から、木粉率・主たる合成樹脂・各添加剤及び希釈剤(温水)の配合で使用目的に合った混合で安定したグレードを確立することで、製品に木質感のある製品で形状維持や耐熱・耐候といった物性面でも実証しやすくなった。
以下、更に別の本発明にかかる木質樹脂ペレット及び植物系樹脂ペレット並びにその製造方法について、詳細に説明する。
本件明細書において、「木質樹脂ペレット及び植物系樹脂ペレット並びにその製造方法」を前処理ということがあり、中間処理及び後処理と区別することがある。
この発明にかかる木質樹脂ペレットVは、結晶性樹脂の成形に用いられるもので、30〜200μmの木粉70〜91重量部と、結着剤たる融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部と、混合材及び添加剤10〜40重量部とを、40〜100℃に昇温して、前記ワックス材料を溶融させて木粉と混ぜて、前記木粉の外表面に付着させた後、融点以下に降温させて木粉と結合し造粒して固化させてペレット状に形成されている。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、加熱して木粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成されている。
本発明にかかる木粉は、30〜200μmの木粉に、木材を粉末化するときに油分を消失している場合にはその油分を補うために、油分0.1〜5重量部を混ぜたものを用いられる。
前記油分を補われた木粉は、油分を補われた30〜200μmの木粉70〜91重量部に、結着剤1〜15重量部を混ぜ、更に、水又は10〜80℃の温水を混ぜて、混練される。
水又は温水は、木粉と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、1〜20重量部混合される。好ましくは、温水が、5〜20重量部混合される。
この発明にかかる植物系ペレットVIは、結晶性樹脂の成形に用いられるもので、30〜200μmの植物系粉末70〜91重量部と、結着剤たる融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部と、混合材及び添加剤10〜40重量部とを、40〜80℃に昇温して、前記ワックス材料を溶融させて植物系粉末と混ぜて、前記植物系粉末の外表面に付着させた後、融点以下に降温させて植物系粉末と結合し造粒して固化させてペレット状に形成されている。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、加熱して木粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成されている。
水又は温水は、植物系粉末と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、1〜20重量部混合される。好ましくは、温水が、5〜20重量部混合される。
本発明において、木質系材料として用いる木粉は、特に限定されず、例えば、杉、檜、松、栂、ラワン、チーク、ヒバ、ニオイヒバ、ネズコ、モミ、トドマツ、ハイマツ、クスノキ、ユーカリ、コウヤマキ、サワラ、アカマツ、ベイスギ、ダクラスファー等の針葉樹や広葉樹の材木片、鉋屑、鋸屑などを用いることができる。
また、間伐材、木材を製材する際に副生する木片や住宅の建て替え時に発生する廃材を用いることもできる。このような木粉を用いることにより、製造コストの低減が可能となり、環境保護や資源保護を実現することができる。
本発明において、木粉にかえて用いられる植物系粉体は、木、竹、葦等のセルロースを含む植物系粉末を含む。
セルロースは繊維素ともいい、すべての植物細胞の細胞壁をつくる炭水化物(多糖類の一種)のことを指し、化学式は(C6H10O5)nで示される。植物体内では、ふつう、セルロースは、木質、脂質などと結びついている。
本発明において、結着剤として用いられるワックス材料は、カルナウバワックス、精製パラフィンワックス、エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックスに加えて、高結晶性高級アルファオレフィン系重合体やその変性物などがある。
高結晶性高級α−オレフィン系重合体は、炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたものであり、他のワックス材料と比較して熱安定性が高くかつ、粉砕物に加工しやすい利点がある。
高結晶性高級アルファオレフィン重合体の変性物としては以下のようなものがある。
ここで言う変性物とは前記アルファオレフィン重合体に極性化合物又はハロゲン化合物を反応させる事で得られる生成物の事である。
具体的な化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ソルビン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノアミド、アクリルアミド、アクリル酸グリシジルエチル、アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、スチレン等があげられる。これらは単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて用いても良い。
木粉及びその他の植物系粉末の平均粒径は、30〜200μmが好ましく、50〜100μmの平均粒径がさらに好ましい。
平均粒径が30μm未満では、嵩比重が低下し、そのため得られる成形品の強度が低下する恐れがあり、逆に平均粒径が200μmを超えると、木質樹脂ペレットを用いて射出成形を行った場合に、ノズル部分での詰まりが発生しやすくなり、その結果、成形品の表面が荒れて、木質感が低下することがある。
ここで、上記木粉の平均粒子径は、木粉を篩いにより分級して目開きに対する累積重量部曲線を作成し、その50重量部に相当する目開きの値を意味する。このような平均粒径を有する木粉を得る方法としては、特に限定されず、例えば粉砕機を用いて木材を粉末にする方法が挙げられる。
木粉には、通常、5〜15重量部の水分が含まれている。
本発明においては、木粉を例えば50〜60℃で30〜40時間乾燥させることにより、含水量を10重量部以下とした木粉を用いるのが好ましい。木粉の含水量が10重量部を超えると、合成樹脂ペレットを用いて成形を行った場合に、成形品の中に気泡が発生し、機械的強度が低下したり、外観を損ねたりする恐れがある。より好ましい含水量は5重量部以下である。
木粉以外の植物系粉末は、1〜10重量部の水分が含まれているものが好ましい。
[木粉の油性分補充について]
木材の粉末化処理中に、木材に含まれていた油成分が飛んで消失する。そこで、木粉に油成分を補充して、元々の木材等のときの油成分を保持するようにする方がよい。
補充する油成分としては、元々の木材の油分,カーネーションオイル、ひまし油等の植物系油を用い、1〜5重量部の油分を補う。
その他、結着剤に近い性質を有する樹脂系材料の合成油で油分を補ってもよい。
木質系材料の種類により、次のように油成分が異なるので、それに対応して油分を補う。
木質の種類及び油成分
杉(主要成分)
δ-カジネン・β-オイデスモール・α-ムロレン・クリプトメリオール・クリプトメリジオール等
含有率 0.1〜1.0%
檜(主要成分)
α-ピネン・テルピネオール・リモネン・δ-カジネン・δ-カジノール・T-ムーロロール
油成分を補充するための合成油としては、例えば炭素数16〜40の高級α−オレフィン重合体を用いる。
本発明の結晶性高級α−オレフィン系重合体は以下の(1)及び(2)の要件を満たすことを要し、以下の(1)〜(4)の要件を満たすことが好ましい。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気190℃で5分保持した後、−10℃まで、5℃/分で降温させ、−10℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される融点(Tm)が40〜100℃である。
高結晶性高級α−オレフィン系重合体は、前記(1)における融点(Tm)測定において、融点の融解吸熱ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅である半値幅(Wm)が、10℃以下である。
(2)ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000〜5,000,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下である。
(3)炭素数16〜40の高級α−オレフィン連鎖部に由来する立体規則性指標値M2が50モル%以上
(4)広角X線散乱強度分布における、15deg<2θ<30degに観測される側鎖結晶化に由来する、単一のピークX1が観測される。
融点(Tm)の測定において得られる融解ピークの面積から計算される、高結晶性高級α−オレフィン系重合体の融解熱(ΔH)は、通常30J/g以上、好ましくは50J/g以上、より好ましくは60J/g以上、さらに好ましくは75J/g以上である。ΔHが30J/g以上であると、高い結晶性を有することとなるため、高硬度となり、融解特性が良好となる。
上記(2)において、本発明の高級α−オレフィン系重合体は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000〜5,000,000であることを要し、好ましくは10,000〜1,000,000である。Mwが1,000以上であると、高級α−オレフィン系重合体の強度が向上し、5,000,000以下であると、混練や成形を容易に行うことができる。
また、本発明の高級α−オレフィン系重合体は、GPC法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であることを要し、より好ましくは1.5〜3.5、さらに好ましくは1.5〜3.0である。分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であると、組成分布が広くなりすぎず適度のものとなるため、べたつきなどによる表面特性の悪化や強度低下が抑制される。
なお、上記重量平均分子量(Mw)は、GPC法により下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算の値であり、分子量分布(Mw/Mn)は、この重量平均分子量(Mw)と同様にして測定した数平均分子量(Mn)から算出した値である。
GPC測定装置
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
測定条件
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
上記(3)は、本発明の高級α−オレフィン重合体が、アイソタクチック構造が好ましいことを示すものである。立体規則性指標値M2は、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは55〜85モル%、特に好ましくは55〜75モル%である。この立体規則性指標値M2が50モル%以上であると、アタクチック構造やシンジオタクチック構造となることが抑制され、非晶性となることが抑えられて高結晶性のものとなるため、べたつきなどによる表面特性の悪化や強度低下が抑制される。
先ず、木粉の油分を補う結晶性高級αオレフィン重合体は、炭素数16〜40の高級αオレフィンを50mol%以上含むものである。
好ましくは70〜100mol%、更に好ましくは85〜100%、特に好ましくは炭素数16〜40の高級αオレフィンのみからなる重合体である。
炭素数16〜40の高級αオレフィンの含量が50mol%以下では、結晶性が得られなったり、融点が高すぎてしまい各種物質との相溶性が低下してしまう。
炭素数16〜40の高級αオレフィンとしては、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等が挙げられ、これらのうち一種又は二種以上を用いることができる。
木粉の油分を補う結晶性高級αオレフィン重合体の原料のなる高級αオレフィンの炭素数が16未満の場合は、結晶性が低く、べたつきや強度低下につながる。
本件発明に係る木質樹脂ペレットVは、結晶性樹脂の成形に用いられるものであり、30〜200μmの木粉に木材を粉末化したときに消滅した油分を補う天然系オイル又は合成オイル0.1〜5重量部を混ぜて、混練されたものを用いる。
そして、木質樹脂ペレットVは、前記油分を補われた木粉70〜91重量部が配合される。
木粉の配合量が70重量部未満であると、天然木材に近い良好な木質感および外観を付与することが難しくなり、逆に91重量部を超えると、樹脂への木粉の分散性が悪化するとともに、樹脂組成物の溶融粘度が上昇し、射出成形などの成形性が低下する。木粉の好ましい配合量は70〜91重量部である。
木粉の混合割合が91重量部を超えると、希釈剤不足で、ペレット化しても崩れてしまうおそれが有る。
木粉の混合割合が70重量部未満であると、木粉率の低下を招く。
本発明において、木粉70〜91重量部に対し、結着剤として融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が3〜15重量部混合される。
結着剤は、主たる樹脂系材料として、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が用いられる。
ワックス材料としては、前記油分を補充するために用いられた炭素数16〜40の高級α−オレフィン系重合体を用いる。
木質樹脂ペレットVは、前記木粉70〜91重量部に対して、主たる結着剤として、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が3〜15重量部配合される。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が3重量部未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に15重量部を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が15重量部を超えると、木粉率の低下を招く。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料の混合割合が3重量部以上であると、木粉率の増加で固形困難・添加剤の調整不良とならない。
混合材は、結着剤と比較的よく似た性質を有する合成樹脂から選ばれ、粒度・溶融温度などが結着剤と近いものを選択する。
混合材としては、ポリプロピレン又はポリエチレンのパウダーなど、結晶性樹脂パウダーが用いられる。混合材の粒度は、30〜100μm、混合材の溶融温度は、40〜200℃が好ましい。
混合材は、添加剤と共に増量するオレフィン系樹脂であり、融点を40〜100℃の間にもつワックス材料と粒径を調整したオレフィン系樹脂パウダとが加わり融点は、希釈される、オレフィン系樹脂に近いものを使用しスムーズに溶融し相溶するようにする。
例えば、粒径50〜100μm及び溶融温度125〜200℃のポリプロピレンパウダや粒径50〜100μm及び溶融温度125〜200℃のポリエチレンパウダなどがある。
また、本発明においては、添加剤として、混合材のほか、適宜、相溶剤、分散剤、ブルーム防止剤、滑剤、界面活性剤、接着剤、ラジカル反応剤等の添加剤を、混合する。
添加剤として、酸化防止剤、光安定剤、造核剤、重金属不活性化剤、難燃剤、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、PVA、ステアリン酸、過酸化物、還元剤、界面活性剤、乳化剤、発泡剤、有機過酸化物、脱水剤等も用いられることがある。
相溶剤は、木粉と融点を40〜100℃の間に持つワックス材料とを相溶し易くする作用を有する。
相溶剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム・ステアリン酸マグネシウムが、選択される。
相溶剤は、1〜5重量部混合される。
5重量部を超えると、造粒物の硬度に支障をがきたすおそれがある。
1重量部未満であると、相溶しにくく分離するおそれがある。
分散剤は、木粉と融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を分散し易くする作用を有する。
分散剤として、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、木質プラスチック中の飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸が選択される。
飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸は、 どちらも木粉とポリオレフィンを相溶(分散)しやすくする働きがある。
カルボン酸部分は、木粉と親和性が高く、その他の炭化水素部分は、ポリプロピレンなどのポリオレフィンと親和性が高いためである。
飽和カルボン酸としては、
無水コハク酸・コハク酸・無水フタル酸・フタル酸・無水テトラヒドロフタル酸・無水アジピン酸等がある。
不飽和カルボン酸としては、
マレイン酸・無水マレイン酸・無水ナジック酸・イタコン酸・無水イタコン酸・シトラコン酸・ソルビン酸・アクリル酸等がある。
不飽和カルボン酸の誘導体としては、
不飽和カルボン酸の金属塩・アミド・イミド・エステル等がある。
その他、
ヒドロキシプロピオン酸・フマル酸・リンゴ酸・グルカリン酸・ルベリン酸
ヒドロキシプロピルメチルセルロース等がある。
グリセリン脂肪酸エステルは、固体・液体と界面に作用し、ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),ポリエステル(PS)等の樹脂及び可塑剤への充填剤となり、分散性を向上させる。
分散剤は、1〜5重量部混合される。
5重量部を超えると、相溶剤と同じく硬度が不安定になる。
1重量部未満であると、分散効果がおとろえる。
ブルーム防止剤は、ブルーミング、乳白化を防止する作用を有する。その他、相溶性、相互溶解能に優れているため分散効果をの期待される。
静電気防止作用も期待される。
ブルーム防止剤としては、例えば、有機アミノ酸誘導体などが選択される。
添加剤は、12.5重量部以下混合される。
12.5重量部を超えると:過剰反応をおこし(こげ)等が生じる可能性がある。
1重量部未満であると:相溶性が低下し空洞部が増加する傾向がある。
界面活性剤は、次のような作用するものをいう。
水に油を混ぜようとしても、分離してしまうが、界面活性剤を加えると、界面活性剤の親油基が油の粒子を取り囲み、親水基を外側に向けた状態に並ぶ。
この親水基は水になじみやすいため、水と混じり合い、水と油が均一に混ざった状態(「乳化(エマルジョン)」と呼ばれる)となる。
滑剤は、ポリマーの成形加工機内の挙動がせん断変形により流動と加工機の内壁との摩擦抵抗によって影響を受けるが、この加工に際して、溶融ポリマーとある程度の相溶性を有して流動性を増すと同時に、加工機械の内部金属表面との摩擦抵抗を減少させて粘着を防ぎ加工を容易にする化合物である(例、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレンワックス)。
上記の配合比:(前処理ラテックスでは、0〜20% 中間処理加熱混合時 0〜20%)
このような界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸などが挙げられる。
ステアリン酸のより好ましい配合量は、0〜3重量部である。
界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)が、上限を超えると、絡みやすくなる方向ではあるが、固形維持に影響し、下限未満であると、WOエマルションでの不具合が生じるか絡みにくくなる。
更に、本発明においては、適宜添加剤として、CMC(カルボキシメチルセルロース樹脂)、ポリビニルアルコール等の接着剤を混合してもよい。
前記カルボキシメチルセルロース樹脂は、上記木粉70〜91重量部に対して、前記カルボキシメチルセルロース樹脂0〜10重量部が配合されることもある。
カルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が10重量部を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる方向である。
カルボキシメチルセルロース樹脂のより好ましい配合量は、0〜3重量部である。
カルボキシメチルセルロース樹脂にかえて、木質樹脂ペレットVにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量部に対して、接着剤である上記ポリビニルアルコール0〜10重量部が配合されることもある。
ポリビニルアルコールの配合量が10重量部を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
ポリビニルアルコールのより好ましい配合量は、0〜3重量部である。
なお、必要に応じて、添加剤として、さらに通常のカルボキシメチルセルロース樹脂の加工時に用いられる添加剤、例えば、相溶化剤、熱安定剤、加工助剤、滑剤、充填剤、着色剤、耐衝撃強化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、発泡剤等を配合してもよい。
添加剤としては、その他、無水マレイン酸、無水マレイン酸変性ポリプロプレン、無水コハク酸、無水コハク酸等が、混合される。
添加剤としての無水マレイン酸、無水コハク酸、無水コハク酸は、相溶性、定着性、強度を上げる機能を有する。
マレイン酸を、付加重合前の熱可塑性樹脂の原料に添加して付加重合を行うと、付加重合後の高分子には親水基の一つであるカルボキシル基が付加される。
一般に、重合前の合成樹脂の原料に不飽和有機酸を添加して重合を行うと、重合後の高分子にはカルボキシル基が付加され、得られる酸変性樹脂は木質系材料とのなじみが良くなる。
変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、相溶性、定着性、強度を上げる機能を有する。
さらに、木質樹脂ペレットVにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量部に対して、相溶剤である無水マレイン酸0〜10重量部を配合されることもある。
無水マレイン酸のより好ましい配合量は、0〜2重量部である。
または、木質樹脂ペレットVにかかる発明においては、添加剤として、上記木粉70〜91重量部に対して、無水マレイン酸変性ポリプロピレン0〜10重量部を配合される。
無水マレイン酸変性ポリプロピレンのより好ましい配合量は、0〜2重量部である。
有機過酸化物は、比較的低い温度で熱的に分解し、あるいはまた、還元性物質と反応して、容易に遊離ラジカル(遊離基)を生成する。この生成した遊離ラジカルの性質は、不飽和二重結合への付加反応及び水素などの引き抜き反応を挙げることができる。ポリプロピレンの流動性改良剤およびオレフィンへの無水マレイン酸などのグラフト化剤として使う。
さらに、木質樹脂ペレットVは、前記木質系材料及び結着剤(添加剤を含む)100重量部に対して、15重量部の温水(40〜80℃)が配合される。
温水の温度は、主たる結着剤(炭素数22〜40の高級α−オレフィンを重合して得られた高結晶性高級α−オレフィン系重合体)又は添加剤(カルボキシメチルセルロース樹脂又はポリビニルアルコールの溶融)との関係があり、温水は、40〜80℃の温水を混合する。
温水のより好ましい温度は、50〜70℃である。
80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
40℃未満であると、主たる合成樹脂及び添加剤が溶けにくい。
温水の混合割合は、木粉、結着剤及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
本発明にかかる木質樹脂ペレットVを製造する方法は、次のとおりである。
まず、木粉の調整、例えば、リグニン抜き、油分及び水分の調整がなされる。
[リグニン抜きについて]
木粉は、リグニンを抜くことにより、中・高温度域(150℃〜)でも、本件発明にかかるペレットを使用して成形加工をすることができるようにする。
例えば、ABS,スチロールは、200℃以上で溶融するので、リグニンが多く含有されていると、成形時に変色(焼けこげ)をすることがあるので、リグニンを抜いて、それを抑制するとよい。
リグニン抜きの方法としては、例えば次のような方法がある。
杉,檜等の木粉は、チップとして細かく裁断し湿潤状態にしておく。
リグニンを抜く装置は、材質に合わせた形状の回転擂り盤を擂り盤受け回転台にセットし、攪拌部も付いている回転擂り盤固定締め付け部でしっかり締め付けて固定させ、下部にある回転モーターの回転力を効率良く受けられるようにする。
上部の押付け擂り盤は、材質に合わせた形状の物で上からの圧力を調整するように構成するが、押付け擂り盤は回転させなくても良い。リグニンを抜く装置の回転モーターの回転を上げ、一体化してある回転擂り盤、擂り盤受け回転台、攪拌部を高速で回転させておく。このとき、押付け擂り盤の上からの圧力を調整しておく必要がある。
この状態において、湿潤状態の木粉を水と一緒に材料投入部に投入すると、高速で回転する攪拌部で跳ね飛ばされ上下擂り盤の擂り盤切込み溝に送り込まれ、溝部と溝無し部との凹凸で荒目の粉砕が出来る。溝の構成から外周部に向かうほど細かく粉砕される。
さらに、上下擂り盤が直接擦り合う擂り盤外周部に送り込まれ、木粉の繊維質はペースト状にまで擂り潰される。その際、上下の擂り盤同士が殆ど隙間の無い状態で高速回転して直接擦り合い、そこに繊維質と水の粒子が一緒に入り込むことにより木粉の繊維質を解きほぐし、繊維質に含むリグニンやペクチン等の樹脂分を分離分解させることによりペースト状になり、上下擂り盤回転接触面外周部から放り出され外枠になる木粉受けで受ける。
ペースト状木粉は、分離されたリグニンやペクチン等の樹脂分を含んでいる為洗浄装置での水洗いをした後、乾燥させる。
本発明にかかる木粉は、木材を粉末化するときに油分を消失している場合には、30〜200μmの木粉に、油分を補うために、天然系オイル又は合成オイル0.1〜5重量部を、5〜40℃に加熱して、混合機で混ぜたものを用いられる。
前記油分を補われた木粉70〜91重量部と、結着剤1〜15重量部と、混合材その他の添加剤10〜40重量部とを混合機で混ぜ、更に、水又は10〜80℃の温水を混ぜて、混練される。
水又は温水は、木粉と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、1〜20重量部混合される。好ましくは、温水が、5〜20重量部混合される。
木質系材料である木粉70〜91重量部と、主たる結着剤たる融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部と、添加剤として、混合材であるポリプロピレンパウダ又はポリエチレンパウダ、分散材及びブルーム防止剤等の添加剤10〜40重量部とからなる、混合物を一括して、混合機に投入する。
そして、投入物を激しく撹拌しつつ、40〜80℃の温水を、前記混合される投入物に対して、重量比で、1〜20重量部投入して混合させる。
混合機を用いて全成分を一括投入し混合することにより、嵩比重が大きく、木粉、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料、ポリプロピレンパウダ、その他の添加剤などが均一に分散した混合物を得ることができる。
前記温度(40〜80℃)の温水を混合した後、混合物を別の混合機に移して、その混合機から混合物を粉末の状態で取り出す。
取り出された粉末状の混合物は、そのまま成形用のコンパウンドとすることができるが、さらに押出機で溶融混練し造粒して、ペレット化する。
ペレット化の方法としては、例えば、一軸押出機または二軸押出機を用い、シリンダ温度、ダイス温度を0〜100℃とし、孔から木粉中の残留水分を排除しつつ、ペレット化する方法も採用される。こうして、本発明の木質樹脂ペレットが得られる。
また、ペレット化の方法としては、例えば、射出成形でペレット化を図る方法も採用される。
(中間処理について)
前記したようにして成形された木質樹脂ペレットを用い、用途(例えば、自動用部品、自動車内装材、日用雑貨品、ウッドデッキ、コンテナ、電気製品など)に対応して、射出成形品の物性を変えるために、中間処理木質樹脂成形材料(又は中間処理木質樹脂成形材料からなるグレード試験片)を製造することがある。
以下、その中間処理木質樹脂成形材料及びその製造方法について説明する。
まず、木質樹脂ペレット100重量部、ポリプロピレン50〜800重量部、添加剤5〜20重量部を、混合機にて、混合して、中間処理木質樹脂成形材料を作製する。
ポリプロピレンは、用途あるいは物性(弾性、靱性、強度、耐塞性など)に応じて、ホモポリマー、ランダム共重合体、ブロック共重合体を使い分ける。
又、ランダム共重合体等のように、透明性に優れたものの場合には、木粉が外からよく分かり、木質感を富ませることができる。
(中間処理について)
グレード調整のための中間処理は、軽量で耐熱性が良く、耐薬品性に優れ、また艶があるのが特徴のポリプロピレンを用いて行う。ポリプロピレンは、その組成によりホモポリマー(単独重合体)と、共重合体であるランダムコポリマー、ブロックコポリマーに分かれ、使用用途によって選択される。
一般に、ホモポリマーは、高剛性で、光沢がよく鮮やかな色彩に着色できる。
一方、ランダムコポリマーは、透明性が高く、ブロックコポリマーは、ホモポリマーよりも耐衝撃強度が優れているという特徴がある。
ポリプロピレンには、ホモポリマー、ランダムコポリマー及びブロックコポリマーの3種類がある。
なかでもホモポリマーはプロピレン100%から成るため、剛性や耐熱性に優れている。その反面、低温衝撃性に劣るがエチレンなどのモノマーを共重合することで改良される。さらにガラス繊維などのさまざまな副資材を充填することができるため、目的に応じた物性の材料を作ることが可能である。
これらは自動車部品、家電部品、日用品、その他工業用途に幅広く使用されている。
ポリプロピレンの各グレードについて
プライムポリマー(J−700GP)ホモポリマー 物性表23参照
プライムポリマー(J−3021GR)ランダムコポリマー 物性表23参照
プライムポリマー(J−466HP)ブロックコポリマー 物性表23参照
上記のグレードは、ホモグレード、ランダムグレード、ブロックグレードと言い、物性表23に記載されている、物理的性質、機械的性質、熱的性質、光学的性質にわかれ、数値が記入されているので製品に合った状態をその数値から拾いだし、検証する。
添加剤は、混合率に合わせ1%〜20%までとする。
割合は、木質90%に対してポリプロピレン(PP)、その他が10%で=100%なので使用時は、100gとして、(ポリプロピレン(PP)、その他50g)加算で木質60%入りPP樹脂となる。
Figure 2011236410
ポリプロピレン以外では、ポリエチレンを、グレード調整の中間処理に用いることができる。
中間処理により、ダンベル試験片を製作する条件について、次に説明する。
(1)「成型機(日精樹脂工業)形式:NS60−9Aでの評価金型:ダンベル試験片」について
<成型条件>
i射出時間:10sec 冷却時間:25sec 中間時間:0,5sec
2圧:30% 1圧:50%
2速:20% 1速:40%
ii成型温度:ノズル部:170℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:170℃
iii金型温度:30〜65℃
iv乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
上記の成型条件で、ダンベル試験片を成型し、分散性、流動性、可塑性を検証し試験片では、物性を検証した。
(2)試験片でのペレットと混合するその他の条件について
前処理した状態の物(仮名:SMCP1)に、ポリプロピレン(PP)を追加混合し、木質60%、ポリプロピレン35%、添加剤5%、での混合物による条件
<成型条件>
i射出時間:10sec 冷却時間:25sec 中間時間:0,5sec
2圧:20% 1圧:40%
2速:15% 1速:35%
ii成型温度:ノズル部:170℃ 前部:175℃ 中間部:175℃ 後部:170℃
iii金型温度:30〜65℃
iv乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
流動性がよく、表面光沢にすぐれ、木質感の状態が良い物性値も上がる方向であった。
<成型条件>
i射出時間:8sec 冷却時間:20sec 中間時間:0,5sec
2圧:15% 1圧:40%
2速:15% 1速:25%
ii成型温度:ノズル部:170℃ 前部:180℃ 中間部:175℃ 後部:175℃
iii金型温度:30〜65℃
iv乾燥機:真空乾燥機 70〜100℃
ポリプロピレン以外、ポリエチレン、メタロセン系ポリプロピレン、ポリメチルベンテン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブデン、EVA、エラストマー、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合樹脂、エチレン酢ビコポリマー(例えば、高圧重合機により製造されるエチレン酢酸ビニル共重合体でゴム弾性、優れた低温特性、耐候性を有する合成樹脂)などを用いる。
グレード試験片を作製する場合には、図1に示すような、中間処理射出成形装置10を用い、その中間処理射出成形装置10の可塑化シリンダ12(成形材料を溶融可塑化させ、且つ輸送するための加熱筒)に中間成形材料を送り込む。
中間成形材料は、木質樹脂ペレットと、物性を調整するためのポリプロピレン及び添加材とを、それぞれホッパ13aに送り込み、ホッパ13aの下部の混合部13bにて混合した後、可塑化シリンダ12に送り込む。
可塑化シリンダ12の外周には、バンドヒータ14が取り付けられている。
第1のバンドヒータ14aは、中間成形材料を溶かすときに加熱するもので、第2のバンドヒータ14bは、中間成形材料を混練するときに加熱するもので、第3のバンドヒータ14cは、中間成形材料を押し出す迄滞留するときに加熱するものである。第4のバンドヒータ14dは、ノズルヒータであり、中間成形材料がノズル12aから吹き出す迄に固まらないように加熱するものである。
可塑化シリンダ12の内部には、スクリュー18が内装され、中間成形材料は、外部のバンドヒータ14による加熱とスクリュー18の回転によるせん断力とにより加熱され、効率よく可塑化されるように構成されている。
可塑化シリンダ12の先端には、中間処理木質樹脂成形材料の射出口であるノズル12aが形成され、金型20のスプル22と連設されている。
この中間処理射出成形装置10により、中間処理木質樹脂成形材料(又は中間処理木質樹脂成形材料からなるグレード試験片)を金型20内に作製される。
[成形について]
木質樹脂ペレットVを用いて、成形品を射出成形する方法は、次のとおりである。
木質樹脂ペレット1000重量部に対し、結晶性樹脂、例えばポリプロピレン(P.P.)を600重量部を、射出成形機の可塑化シリンダで混合する。
結晶性樹脂は、木質樹脂ペレットに含まれる木粉及び植物系樹脂ペレットに含まれる植物系粉末が、成形品の中に56〜5重量部含まれるように、配合される。
成形温度は、結晶性樹脂の溶融温度に近い、125〜200℃で成形する。
本件発明にかかる木質樹脂ペレットを用いた中間処理木質樹脂成形材料を、木質樹脂射出成形材料として用いて、射出成形品を射出成形する射出成形装置においては、射出成形材料、例えばポリピレン等の結晶性樹脂を混合するときに、再オイル化する。
ペレタイズ後、乾燥機にて水分を抜くと同時に融点を40〜100℃の間に持つワックス材料の溶解しきれていない部分(中心部)を乾燥機(90℃±10)にて再度オイル化することが行われてもよい。
オイル化した状態になると、圧縮率がやわらぎを見せる。そこで、再度硬度調整を行う。
オイル化することにより、木質樹脂ペレットに均等に融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を染みわたし乾燥機を低温(ワックス材料の融点以下)に戻し、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を固形化に戻しシャープに木質樹脂ペレットを固める方法をとる。
汎用の結晶性プラスチックには、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリビニルアルコール(PVA),ポリ塩化ビニリデン(PVDC),ポリエチレンテレフタレート(PET)等がある。
汎用エンプラの結晶性プラスチックには、ポリアミド(PA),ポリアセタール(ポリオキシメチレン:POM),ポリブチレンテレフタレート(PBT),GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET),超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)がある。
特殊エンプラの結晶性プラスチックには、ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),結晶性ポリマー(LCP),ふっ素樹脂(FR)がある。
本件発明にかかる植物系樹脂ペレットVIIは、非結晶性樹脂の成形に用いられるものであり、30〜200μmの木質系セルロースパウダ70〜91重量部と、結着剤として融点を40〜100℃の間に持つパラフィン系ワックス1〜15重量部と、混合材及びその他の添加剤10〜40重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つパラフィン系ワックスを溶融させて木質系セルロースパウダと混ぜて、前記木質系セルロースパウダの外表面に前記融点を40〜100℃の間に持つパラフィン系ワックスを膜状に付着させ、降温させて融点を40〜100℃の間に持つパラフィン系ワックスにより木質系セルロースパウダと結合し造粒して固化させて、ペレット状に形成されている。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、加熱して木粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成されている。
本発明にかかる木質系セルロースパウダは、30〜200μmのセルロースパウダに、杉等の木材を粉末化するときに油分を消失している場合にはその油分を補うために、油分0.1〜5重量部を混ぜたものを用いられる。
前記油分を補われたセルロースパウダは、油分を補われた30〜200μmのセルロースパウダ70〜91重量部と、結着剤1〜15重量部とを混ぜ、更に、水又は10〜80℃の温水を混ぜて、混練される。
水又は温水は、セルロースパウダと結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、1〜20重量部混合される。好ましくは、温水が、5〜20重量部混合される。
本発明において、植物系材料として用いるセルロースパウダは、特に限定されず、例えば、杉、檜、松、栂、ラワン、チーク、ヒバ、ニオイヒバ、ネズコ、モミ、トドマツ、ハイマツ、クスノキ、ユーカリ、コウヤマキ、サワラ、アカマツ、ベイスギ、ダクラスファー等の針葉樹や広葉樹の材木片、鉋屑、鋸屑などを用いることができる。
また、間伐材、木材を製材する際に副生する木片や住宅の建て替え時に発生する廃材を用いることもできる。このようなセルロースパウダを用いることにより、製造コストの低減が可能となり、環境保護や資源保護を実現することができる。
本発明において、セルロースパウダにかえて用いられる植物系粉体は、木、竹、葦等のセルロースを含む植物系粉末を含む。
セルロースは繊維素ともいい、すべての植物細胞の細胞壁をつくる炭水化物(多糖類の一種)のことを指し、化学式は(C6H10O5)nで示される。植物体内では、ふつう、セルロースは、木質、脂質などと結びついている。
本発明において、結着剤として用いられるワックス材料は、パラフィン系ワックス、カルナウバワックス、精製パラフィンワックス、エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックスに加えて、高結晶性高級アルファオレフィン重合体やその変性物などがある。
高結晶性高級α−オレフィン系重合体は、炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたものであり、他のワックス材料と比較して熱安定性が高くかつ、粉砕物に加工しやすい利点がある。
高結晶性高級アルファオレフィン重合体の変性物としては以下のようなものがある。
ここで言う変性物とは前記アルファオレフィン重合体に極性化合物又はハロゲン化合物を反応させる事で得られる生成物の事である。
具体的な化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ソルビン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノアミド、アクリルアミド、アクリル酸グリシジルエチル、アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、スチレン等があげられる。これらは単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて用いても良い。
セルロースパウダ及びその他の植物系粉末の平均粒径は、30〜200μmが好ましく、50〜100μmの平均粒径がさらに好ましい。
平均粒径が30μm未満では、嵩比重が低下し、そのため得られる成形品の強度が低下する恐れがあり、逆に平均粒径が200μmを超えると、木質樹脂ペレットを用いて射出成形を行った場合に、ノズル部分での詰まりが発生しやすくなり、その結果、成形品の表面が荒れて、木質感が低下することがある。
ここで、上記セルロースパウダの平均粒子径は、セルロースパウダを篩いにより分級して目開きに対する累積重量部曲線を作成し、その50重量部に相当する目開きの値を意味する。このような平均粒径を有するセルロースパウダを得る方法としては、特に限定されず、例えば粉砕機を用いて木材を粉末にする方法が挙げられる。
セルロースパウダには、通常、5〜15重量部の水分が含まれている。
本発明においては、セルロースパウダを例えば50〜60℃で30〜40時間乾燥させることにより、含水量を10重量部以下としたセルロースパウダを用いるのが好ましい。セルロースパウダの含水量が10重量部を超えると、合成樹脂ペレットを用いて成形を行った場合に、成形品の中に気泡が発生し、機械的強度が低下したり、外観を損ねたりする恐れがある。より好ましい含水量は5重量部以下である。
セルロースパウダ以外の植物系粉末は、1〜10重量部の水分が含まれているものが好ましい。
[セルロースパウダの油性分補充について]
木材の粉末化処理中に、木材に含まれていた油成分が飛んで消失することがある。そのときは、セルロースパウダに油成分を補充して、元々の木材等のときの油成分を保持するようにする方がよい。
補充する油成分としては、元々の木材の油分,カーネーションオイル、ひまし油等の植物系油を用い、1〜5重量部の油分を補う。
その他、結着剤に近い性質を有する樹脂系材料の合成油で油分を補ってもよい。
木質系材料の種類により、次のように油成分が異なるので、それに対応して油分を補う。
木質の種類及び油成分
杉(主要成分)
δ-カジネン・β-オイデスモール・α-ムロレン・クリプトメリオール・クリプトメリジオール等
含有率 0.1〜1.0%
檜(主要成分)
α-ピネン・テルピネオール・リモネン・δ-カジネン・δ-カジノール・T-ムー ロロール
油成分を補充するための合成油としては、例えば炭素数16〜40の高級α−オレフィン重合体を用いる。
本発明の結晶性高級α−オレフィン系重合体は以下の(1)及び(2)の要件を満たすことを要し、以下の(1)〜(4)の要件を満たすことが好ましい。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気190℃で5分保持した後、−10℃まで、5℃/分で降温させ、−10℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される融点(Tm)が40〜100℃である。
高結晶性高級α−オレフィン系重合体は、前記(1)における融点(Tm)測定において、融点の融解吸熱ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅である半値幅(Wm)が、10℃以下である。
(2)ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000〜5,000,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下である。
(3)炭素数16〜40の高級α−オレフィン連鎖部に由来する立体規則性指標値M2が50モル%以上
(4)広角X線散乱強度分布における、15deg<2θ<30degに観測される側鎖結晶化に由来する、単一のピークX1が観測される。
融点(Tm)の測定において得られる融解ピークの面積から計算される、高結晶性高級α−オレフィン系重合体の融解熱(ΔH)は、通常30J/g以上、好ましくは50J/g以上、より好ましくは60J/g以上、さらに好ましくは75J/g以上である。ΔHが30J/g以上であると、高い結晶性を有することとなるため、高硬度となり、融解特性が良好となる。
上記(2)において、本発明の高級α−オレフィン系重合体は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000〜5,000,000であることを要し、好ましくは10,000〜1,000,000である。Mwが1,000以上であると、高級α−オレフィン系重合体の強度が向上し、5,000,000以下であると、混練や成形を容易に行うことができる。
また、本発明の高級α−オレフィン系重合体は、GPC法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であることを要し、より好ましくは1.5〜3.5、さらに好ましくは1.5〜3.0である。分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であると、組成分布が広くなりすぎず適度のものとなるため、べたつきなどによる表面特性の悪化や強度低下が抑制される。
なお、上記重量平均分子量(Mw)は、GPC法により下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算の値であり、分子量分布(Mw/Mn)は、この重量平均分子量(Mw)と同様にして測定した数平均分子量(Mn)から算出した値である。
GPC測定装置
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
測定条件
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
上記(3)は、本発明の高級α−オレフィン重合体が、アイソタクチック構造が好ましいことを示すものである。立体規則性指標値M2は、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは55〜85モル%、特に好ましくは55〜75モル%である。この立体規則性指標値M2が50モル%以上であると、アタクチック構造やシンジオタクチック構造となることが抑制され、非晶性となることが抑えられて高結晶性のものとなるため、べたつきなどによる表面特性の悪化や強度低下が抑制される。
先ず、セルロースパウダの油分を補う結晶性高級αオレフィン重合体は、炭素数16〜40の高級αオレフィンを50mol%以上含むものである。
好ましくは70〜100mol%、更に好ましくは85〜100%、特に好ましくは炭素数16〜40の高級αオレフィンのみからなる重合体である。
炭素数16〜40の高級αオレフィンの含量が50mol%以下では、結晶性が得られなったり、融点が高すぎてしまい各種物質との相溶性が低下してしまう。
炭素数16〜40の高級αオレフィンとしては、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等が挙げられ、これらのうち一種又は二種以上を用いることができる。
セルロースパウダの油分を補う結晶性高級αオレフィン重合体の原料のなる高級αオレフィンの炭素数が16未満の場合は、結晶性が低く、べたつきや強度低下につながる。
本件発明に係る植物系樹脂ペレットVIIは、非結晶性樹脂の成形に用いられるものであり、30〜200μmのセルロースパウダに木材を粉末化したときに油分が消滅しているときには、消滅した油分を補う天然系オイル又は合成オイル0.1〜5重量部を混ぜて、混練されたものを用いる。
そして、木質樹脂ペレットVIIは、前記純性セルロースパウダ又は油分を補われたセルロースパウダ70〜91重量部が配合される。
セルロースパウダの配合量が70重量部未満であると、天然木材に近い良好な木質感および外観を付与することが難しくなり、逆に91重量部を超えると、樹脂へのセルロースパウダの分散性が悪化するとともに、樹脂組成物の溶融粘度が上昇し、射出成形などの成形性が低下する。セルロースパウダの好ましい配合量は70〜91重量部である。
セルロースパウダの混合割合が91重量部を超えると、希釈剤不足で、ペレット化しても崩れてしまうおそれが有る。
セルロースパウダの混合割合が70重量部未満であると、セルロースパウダ率の低下を招く。
結着剤は、主たる樹脂系材料として、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が用いられる。
ワックス材料としては、前記油分を補充するために用いられた炭素数16〜40の高級α−オレフィン系重合体を用いる。
木質樹脂ペレットVIIは、前記セルロースパウダ70〜91重量部に対して、主たる結着剤として、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が3〜15重量部配合される。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が3重量部未満であると、樹脂組成物の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、逆に15重量部を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下し、実用上で問題となる。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が15重量部を超えると、セルロースパウダ率の低下を招く。
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料の混合割合が3重量部以上であると、セルロースパウダ率の増加で固形困難・添加剤の調整不良とならない。
混合材は、結着剤と比較的よく似た性質を有する合成樹脂から選ばれ、粒度・溶融温度などが結着剤と近いものを選択する。
混合材としては、ABS又はスチレンのパウダーなど、非結晶性樹脂パウダーが用いられる。混合材の粒度は、30〜100μm、混合材の溶融温度は、160〜200℃が好ましい。
混合材は、添加剤と共に増量するスチレン系樹脂であり、融点を40〜100℃の間にもつワックス材料と粒径を調整したスチレン系樹脂パウダとが加わり融点は、希釈される、スチレン系樹脂に近いものを使用しスムーズに溶融し相溶するようにする。
例えば、粒径50〜100μm及び溶融温度190〜220℃のスチレンパウダや粒径50〜100μm及び溶融温度190〜220℃のABS樹脂パウダなどがある。
本発明にかかる植物系樹脂ペレットVIIを製造する方法は、次のとおりである。
まず、セルロースパウダの調整、例えば、リグニン抜き、油分及び水分の調整がなされる。
[リグニン抜きについて]
セルロースパウダは、リグニンを抜くことにより、中・高温度域(150℃〜)でも、本件発明にかかるペレットを使用して成形加工をすることができるようにする。ABS,スチロールは、200℃以上で溶融するので、リグニンが多く含有されていると、成形時に変色(焼けこげ)をすることがあるので、リグニンを抜いて、それを抑制する事が出来る。
リグニンを抜く方法としては、例えば、次のような方法がある。
杉,檜等のセルロースパウダは、細かく裁断し湿潤状態にしておく。
リグニンを抜く装置は、材質に合わせた形状の回転擂り盤を擂り盤受け回転台にセットし、攪拌部も付いている回転擂り盤固定締め付け部でしっかり締め付けて固定させ、下部にある回転モーターの回転力を効率良く受けられるようにする。
上部の押付け擂り盤は、材質に合わせた形状の物で上からの圧力を調整するように構成するが、押付け擂り盤は回転させなくても良い。リグニンを抜く装置の回転モーターの回転を上げ、一体化してある回転擂り盤、擂り盤受け回転台、攪拌部を高速で回転させておく。このとき、押付け擂り盤の上からの圧力を調整しておく必要がある。
この状態において、湿潤状態の木粉を水と一緒に材料投入部に投入すると、高速で回転する攪拌部で跳ね飛ばされ上下擂り盤の擂り盤切込み溝に送り込まれ、溝部と溝無し部との凹凸で荒目の粉砕が出来る。溝の構成から外周部に向かうほど細かく粉砕される。
さらに、上下擂り盤が直接擦り合う擂り盤外周部に送り込まれ、木粉の繊維質はペースト状にまで擂り潰される。その際、上下の擂り盤同士が殆ど隙間の無い状態で高速回転して直接擦り合い、そこに繊維質と水の粒子が一緒に入り込むことにより木粉の繊維質を解きほぐし、繊維質に含むリグニンやペクチン等の樹脂分を分離分解させることによりペースト状になり、上下擂り盤回転接触面外周部から放り出され外枠になる木粉受けで受ける。
ペースト状木粉は、分離されたリグニンやペクチン等の樹脂分を含んでいる為洗浄装置での水洗いをした後、乾燥させる。
本発明にかかる植物系樹脂ペレットVIIを製造する方法は、次のとおりである。
まず、木粉の調整がなされる。
本発明にかかる植物系粉体である木質系セルロースパウダは、木材を粉末化するときに油分を消失している場合には、30〜200μmの木質系セルロースパウダに、油分を補うために、天然系オイル又は合成オイル0.1〜5重量部を、5〜40℃に加熱して、混合機で混ぜたものを用いられる。
前記油分を補われた木質系セルロースパウダ70〜91重量部と、結着剤1〜15重量部と、混合材その他の添加剤1〜20重量部とを混合機で混ぜ、更に、水又は10〜80℃の温水を混ぜて、混練される。
水又は温水は、木質系セルロースパウダと結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、1〜20重量部混合される。好ましくは、温水が、5〜20重量部混合される。
植物系材料である木質系セルロースパウダ70〜91重量部と、主たる結着剤たる融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部と、添加材として、混合材であるスチレン樹脂パウダ又はABS樹脂パウダ、分散材及びブルーム防止剤等の添加剤10〜40重量部とからなる、混合物を一括して、混合機に投入する。
そして、投入物を激しく撹拌しつつ、40〜80℃の温水を、前記混合される投入物に対して、重量比で、1〜20重量部投入して混合させる。
混合機を用いて全成分を一括投入し混合することにより、嵩比重が大きく、木質系セルロースパウダ、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料、ABS樹脂パウダ、その他の添加剤などが均一に分散した混合物を得ることができる。
前記温度(40〜80℃)の温水を混合した後、混合物を別の混合機に移して、混合機から混合物を粉末の状態で取り出す。取り出された粉末状の混合物は、そのまま成形用のコンパウンドとすることができるが、さらに押出機で溶融混練し造粒してペレット化する。
ペレット化の方法としては、例えば、一軸押出機または二軸押出機を用い、シリンダ温度、ダイス温度を0〜100℃とし、孔から木質系セルロースパウダ中の残留水分を排除しつつ、ペレット化する方法が採用される。こうして、本発明の木質樹脂ペレットが得られる。
また、ペレット化の方法としては、例えば、射出成形でペレット化を図る方法も採用される。
[成形について]
植物系樹脂ペレットVIIを用いて、成形品を射出成形する方法は、次のとおりである。
植物系樹脂ペレット1000重量部に対し、非結晶性樹脂、例えばスチレン系樹脂、ABS樹脂を600重量部を、射出成形機の可塑化シリンダで混合する。
非結晶性樹脂は、植物系樹脂ペレットに含まれる木質系セルロースパウダ及び植物系樹脂ペレットに含まれる植物系粉末が、成形品の中に56〜5重量部含まれるように、配合される。
成形温度は、非結晶性樹脂の溶融温度に近い、125〜200℃で成形した。
本件発明にかかる植物系樹脂ペレット又はそれを用いた中間処理木質樹脂成形材料を、植物系樹脂射出成形材料として用いて、射出成形品を射出成形する射出成形装置においては、射出成形材料、例えばABS樹脂やスチレン等の非結晶性樹脂を混合するときに、再オイル化する。
ペレタイズ後、乾燥機にて水分を抜くと同時に融点を40〜100℃の間に持つワックス材料の溶解しきれていない部分(中心部)を乾燥機(90℃±10)にて再度オイル化することが行われてもよい。
オイル化した状態になると、圧縮率がやわらぎを見せる。そこで、再度硬度調整を行う。
オイル化することにより、植物系樹脂ペレットに均等に融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を染みわたし乾燥機を低温(ワックス材料の融点以下)に戻し、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を固形化に戻しシャープに植物系樹脂ペレットを固める方法をとる。
汎用の非結晶性プラスチックには、ポリ塩化ビニル(PVC),ポリスチレン(PS),ABS樹脂,AS樹脂,アクリル樹脂(PMMA)がある。
汎用エンプラの非結晶性プラスチックには、ポリカーボネート,変成ポリフェニレンエーテル(m−PPE)がある。
特殊エンプラの非結晶性プラスチックには、ポリアリレート(PAR),ポリサルフォン(PSF),ポリエーテルサルフォン(PES),ポリアミドイミド(PAI),ポリエーテルイミド(PEI),熱可塑性ポリイミド(TPI)がある。
(実施例)
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例101及び比較例101)
30〜200μmの杉の木粉70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させて木粉と混合させる。
そのとき、木粉と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記木粉の表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)により木粉を結合し、造粒して固化させてペレット化する。
混合機を用いて全成分を一括投入し混合することにより、嵩比重が大きく、木粉、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料、ポリプロピレンパウダ、その他の添加剤などが均一に分散した混合物を得ることができた。
混合機:回転数30rpm
混練り温度:40〜100℃
型取り粒径:径5ミリ高さ5ミリ 径4ミリ高さ5ミリ 径3ミリ高さ5ミリ又は径5ミリ高さ3ミリ 径4ミリ高さ3ミリ 径3ミリ高さ3ミリ
乾燥条件:乾燥機にて、60〜120℃ 3時間〜48時間
配合物は、次のとおりである。
(1)木粉(檜粉、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
次に、高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)を実施例により、さらに詳細に説明する。
製造ステップ1(触媒成分の調製)
触媒である、(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドを、次のようにして製造した。
窒素気流下、内容積200mlのシュレンク瓶に(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(インデン)2.5g(7.2mmol)とエーテル100mlを加えた。−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.6mol/L)を9.0ml(14.8mmol)加えた後、室温で12時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体をヘキサン20mlで洗浄し減圧乾燥することによりリチウム塩を白色固体として定量的に得た。
シュレンク瓶中、(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(インデン)のリチウム塩(6.97mmol)をTHF(テトラヒドロフラン)50mlに溶解し、室温でヨードメチルトリメチルシラン2.1ml(14.2mmol)をゆっくりと滴下し12時間攪拌した。溶媒を留去し、エーテル50ml加えて飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。
分液後、有機相を乾燥し、溶媒を除去することにより(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.9mmol)を得た(収率84%)。
次に、窒素気流下においてシュレンク瓶に、上記で得られた(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.9mmol)とエーテル50mlを加えた。−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.6モル/L)を7.4ml(11.8mmol)を加えた後、室温で12時間攪拌した。
溶媒を留去し、得られた固体をヘキサン40mlで洗浄することによりリチウム塩をエーテル付加体として3.06gを得た。
このものの1H−NMRを求めたところ、次の結果が得られた。
1H-NMR(90MHz,THF-d8):δ0.04(s,-SiMe3,18H),0.48(s,-Me2Si-,12H),1.10(t,-CH3,6H),2.59(s,-CH2-,4H),3.38(q,-CH2-,4H),6.2-7.7(m,Ar-H,8H)
窒素気流下で、上記で得られたリチウム塩3.06gをトルエン50mlに懸濁させた。−78℃に冷却し、ここへ予め−78℃に冷却した四塩化ジルコニウム1.2g(5.1mmol)のトルエン(20ml)懸濁液を滴下した。滴下後、室温で6時間攪拌した。
反応溶液の溶媒を留去後、得られた残渣をジクロロメタンにより再結晶化することにより(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドの黄色微結晶0.9g(1.33mmol)を得た(収率26%)。
このものの1H−NMRを求めたところ、次の結果が得られた。
1H-NMR(90MHz,CDCl3):δ0.0(s,―SiMe3-,18H),1.02,1.12(s,-Me2Si-,12H),2.51(dd,-CH2-,4H),7.1-7.6(m,Ar-H,8H)
製造ステップ2(高結晶性高級α−オレフィン系重合体用モノマーの調製)
リニアレン26+(商品名、出光興産株式会社製、主として炭素数26以上のα−オレフィンの混合体))を減圧下(0.0067〜0.13kPa)で蒸留し、留出温度200〜300℃の留分であるモノマーを得た。この留分の組成比は、C24:1.2質量%(1.3モル%)、C26:56.8質量%(58.7モル%)、C28:39.4質量%(37.7モル%)、C30:2.6質量%(2.3モル%)であった。加熱乾燥した内容積500mlのシュレンク瓶に、窒素雰囲気下で、モノマー586g及びトルエン100mlを入れ、乾燥窒素及び活性アルミナにて脱水処理した後、室温(25℃)にて、均一な上澄み溶液を抽出し、モノマーのトルエン溶液(濃度50質量%)を得た。
製造ステップ3
加熱乾燥した内容積1Lのオートクレーブに、前記製造ステップ2のモノマーのトルエン溶液(濃度50質量%)200mlを入れ、重合温度25℃において均一溶液であることを確認した。これに、トリイソブチルアルミニウム0.5mmol、前記製造ステップ1で調製した(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド2μmol及びジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート8μmolを加え、85℃で水素を0.15MPa張り込み、60分間重合した。重合反応終了後、沈殿した反応物を室温(25℃)で分離し、トルエン及びアセトンにて洗浄した後、加熱・減圧下で、乾燥処理することにより、高結晶性高級α−オレフィン共重合体A58.8gを得た。
得られた高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aは融点が71.1℃、融解熱量(ΔH)が130.4J/g、分子量が31000、分子量分布が1.47、立体規則性指標M2が55.4mol%となり、広角X線散乱強度分布における15deg<2θ<30degに観測される側鎖結晶化に由来する、単一のピークX1が観測された。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:ポリプロピレンパウダー
実施例101における、木粉、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表11の1,11の2,11の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
比較例101
主たる結着樹脂に、CERAFLOUR990(ポリエチレンワックス融点105℃)を使用し実施例の101〜103の条件と全く同じ条件で造粒しようとしたが、結着剤の効果がなく全く粒にならなかった。
Figure 2011236410
実施例101−1について
木粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例101−2について
木粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が10重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が10重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、圧縮度にむらが出る。
実施例101−3について
木粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が20重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が20重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が充分ではない。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
木粉91重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の硬度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉91重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1がを1重量部を超えると、可塑化能力が低下し、不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、成形するときに用いる成形機のスクリューの摩擦熱が高くなる。
分散剤2が1重量部を超えても、分散効果自体は、余り変わらないので、添加する必要性に乏しい。
分散剤2が1重量部未満では、分散補助効果が低下する。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が充分ではない。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
(結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例102及び比較例102)
30〜200μmの杉の木粉70〜91重量部と、油分補充材としてひまし油0.1〜30重量部とを混ぜて油分を補充して、混練する。
30〜200μmの杉の木粉70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させて木粉と混合させる。
そのとき、油分を補充した木粉と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記木粉の表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)により木粉を結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)木粉(檜粉、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例101と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:ポリプロピレンパウダー
実施例102における、木粉、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表12の1,12の2,12の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例102−1について
木粉87重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉87重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
油分補充剤が3重量部を超えると、油成分の超過では造粒物の硬度調整が必要になる。
油分補充剤が3重量部未満では、分散性・相溶性が低下す。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例102−2について
木粉78重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉78重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
油分補充剤が2重量部を超えると、油成分の超過では造粒物の硬度調整が必要になる。
油分補充剤が2重量部未満では、分散性・相溶性が低下する。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が9重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が9重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例102−3について
木粉69重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉69重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
油分補充剤が18重量部を超えると、油成分の超過では造粒物の硬度調整が必要になる。
油分補充剤が18重量部未満では、分散性・相溶性が低下する。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
(結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例103及び比較例103)
30〜200μmの杉の木粉70〜91重量部と、油分補充材として、合成オイル(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)0.1〜30重量部とを混ぜて油分を補充して、混練する。
油分補充材としては、低温(40℃以下)で溶融する高結晶性高級α−オレフィン系重合体を用いる。
30〜200μmの杉の木粉70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させて木粉と混合させる。
そのとき、油分を補充した木粉と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記木粉の表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)により木粉を結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)木粉(檜粉、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例101と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:ポリプロピレンパウダー
実施例103における、木粉、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表13の1,13の2,13の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例103−1について
木粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が5重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が5重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
油分補充剤が3重量部を超えると、油成分の超過では造粒物の硬度調整が必要になる。
油分補充剤が3重量部未満では、分散性・相溶性が低下する。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例103−2について
木粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
油分補充剤が2重量部を超えると、油成分の超過では造粒物の硬度調整が必要になる。
油分補充剤が2重量部未満では、分散性・相溶性が低下する。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が8重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が8重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例103−3について
木粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
油分補充剤が1重量部を超えると、油成分の超過では造粒物の硬度調整が必要になる。
油分補充剤が1重量部未満では、分散性・相溶性が低下する。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が17重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が17重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
(結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例104及び比較例104)
30〜200μmの杉の木粉70〜91重量部と、油分補充材として、合成オイル(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)0.1〜30重量部とを混ぜて、混練する。
油分補充材としては、低温(40℃以下)で溶融する高結晶性高級α−オレフィン系重合体を用いる。
30〜200μmの杉の木粉70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させて木粉と混合させる。
そのとき、油分を補充した木粉と結着剤と添加剤と乳化用ワックス材料とを含む混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。乳化用ワックス材料は、希釈剤である温水に混ぜたものを、木粉、結着剤及び添加剤に混合する。
前記木粉の表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)により木粉を結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)木粉(檜粉、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例101と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:ポリプロピレンパウダー
実施例104における、木粉、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)、乳化用ワックス材料及び温水の配合比等は、表14の1,14の2,14の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例104−1について
木粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例104−2について
木粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の硬度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が7重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が7重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例104−3について
木粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
木粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が17重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が17重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
(結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例105及び比較例105)
30〜200μmの植物系粉体である竹の粉70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させて竹の粉と混合させる。
そのとき、竹の粉と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記竹の粉の表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)により竹の粉を結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)植物系粉体(竹の粉、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例101と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:ポリプロピレンパウダー
実施例105における、竹の粉、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表15の1,15の2,15の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例105−1について
竹の粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例105−2について
竹の粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が10重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が10重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例105−3について
竹の粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が20重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が20重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
竹の粉が91重量部を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
主たる合成樹脂が3重量部未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量部を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量部未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量部を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水が、40℃未満であると、主たる合成樹脂及び添加剤が溶けにくい。
温水の混合割合は、竹の粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
(結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例106及び比較例106)
30〜200μmの植物系粉体である竹の粉70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させて竹の粉と混合させる。
そのとき、竹の粉と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記竹の粉の表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)により竹の粉を結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)植物系粉体(竹の粉、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例101と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:ポリプロピレンパウダー
実施例106における、竹の粉、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表16の1,16の2,16の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例106−1について
竹の粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例106−2について
竹の粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が9重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が9重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例106−3について
竹の粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が18重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が18重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
(結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例107及び比較例107)
30〜200μmの植物系粉体である竹の粉70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させて竹の粉と混合させる。
そのとき、竹の粉と結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記竹の粉の表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)により竹の粉を結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)植物系粉体(竹の粉、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例101と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:ポリプロピレンパウダー
実施例107における、竹の粉、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表17の1,17の2,17の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例107−1について
竹の粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例107−2について
竹の粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が8重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が8重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例107−3について
竹の粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が10重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が10重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると造粒時の硬度が不安定になる。、
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が17重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が17重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
(結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例108及び比較例108)
30〜200μmの植物系粉体である竹の粉70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させて竹の粉と混合させる。
そのとき、竹の粉と結着剤と添加剤と乳化用ワックス材料とを含む混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。乳化用ワックス材料は、希釈剤である温水に混ぜたものを、木粉、結着剤及び添加剤に混合する。
前記竹の粉の表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)により竹の粉を結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)植物系粉体(竹の粉、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例101と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:ポリプロピレンパウダー
実施例108における、竹の粉、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)、乳化用ワックス材料及び温水の配合比等は、表18の1,18の2,18の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例108−1について
竹の粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例108−2について
竹の粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が7重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が7重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例108−3について
竹の粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
竹の粉70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えてると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が17重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が17重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例101〜108及び比較例の評価(ペレットでの造粒時の評価)
造粒時の評価
造粒条件
混合機:全容:100l 回転速度:60rpm
造粒機:回転数96rpm ・ダイスφ3.0mm
造流時、添加剤が多いと、造流品がソフトな感じになり、硬度が少しおちた。
造粒品の光沢と形状は安定した。
粉化率が増えた。
添加剤が少ないと、造粒品の硬度は、上がったが表面が茶褐色になってきた。
粉化率が少なく安定した。
<木質樹脂射出成形材料による射出成形について>
実施例101〜108の植物系樹脂ペレットを用いて、成形品を射出成形する方法は、次のとおりである。
実施例101〜108の植物系樹脂ペレット100重量部に対し、希釈のための結晶性樹脂、例えばオレフィン系樹脂であるポリプロピレン(P.P.)80〜260重量部を、射出成形機の可塑化シリンダで混合する。
結晶性樹脂は、実施例101〜108の植物系樹脂ペレットに含まれる木粉及び植物系粉末が、成形品の中に56〜5重量部含まれるように、配合される。
成形温度は、125〜200℃で、電動式射出成形機及び油圧式射出成形機により射出成形した。
射出成形の混練条件及び評価基準は、次のとおりであった。
(1)混練条件について
1.ペレットを電動式射出成形機(型締力:60トン、射出一回当たりの最大射出量:80g、スクリュー径:32mm)により、下記の条件で射出成形し、下記の判定基準により成形性を評価した。
2.ペレットを油圧式射出成形機(型締力:60トン、射出一回当たりの最大射出量:70g、スクリュー径:32mm)により、下記の条件で射出成形し、下記の判定基準により成形性を評価した。
スクリュー:回転数60rpm
設定温度 :後部170℃、中部175℃、前部180℃
ノズル180℃
金型:耐衝撃性評価サンプル作製の場合、JIS K7110に基づく金型
曲げ弾性評価サンプル作成の場合、JIS K7171に基づく金型
(2)射出成形性の評価基準
実施例101によれば、成形品の重量が9gおよび10gのいずれの場合でも、射出成形が良好である。(T‐1〜3)
ただし、成形品の重量7gの場合は、成形品が充填不足(ショート)ぎみになる。(T‐4〜5)
(3)射出成形の植物系樹脂ペレット及び希釈のための樹脂(オレフィン系樹脂)の配合割合並びに木質系粉末の充填率は、表24に示すとおりである。
植物系樹脂ペレットは、実施例101−1(木粉90重量部含有)を用いた。
Figure 2011236410
(4)上記で得られた成形物を、射出成形性、可塑化能力、射出圧力・切換位置、射出時間、強度、木質観、光沢について、評価したところ、次のとおりであった(表25)。
Figure 2011236410
・射出スピードの低速・高速ともに、成型性は良好である。(T‐1〜5)
・可塑化能力でも、安定時間内である。(T‐1〜5)
・射出圧力及び切り替え位置は、共に等圧・同位置であるのに対し切り替え位置は、安定位置にある。(T‐2〜5)
・射出圧力に対し、射出時間もほぼ一定である。(T‐2〜5)
成形品の外観及び性能
・ペレットの充填率により、木質観が現れる。(高充填)(T‐1〜3)
ただし、強度に変化が生じる。
・低充填によると、光沢が増し着色も可能になる。(T‐4〜5)
強度の安定と、物性の安定がある。(T‐4〜5)
(5)上記で得られた成形物を、つぎの方法により相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化及び成型性の評価をおこなった。
・相溶性について
相溶性については、前処理時と中間処理時に関係する。
前処理の場合:前処理の場合の相溶性と言うのは、ステアリン酸を使い木粉とオレフィン樹脂を反発しにくくし、くっつきやすい状態にもってく事に(相溶性)と言っている。
中間処理の場合:前処理で出来た物を他のベース樹脂との相溶性である。ここでは、おもに、添加剤である、ステアリン酸とか有機過酸化物を使いベース樹脂との相溶性をはかる。
・分散性について
分散性についても、前処理と中間処理での関係があるが、おもに前処理段階で分散しやすく加工することで、中間処理時、多くのグレードのポリプロピレン(PP)に対応しやすいと言うことである。なおかつ、中間処理で分散しにくい(だまになる)場合、添加剤の追加調整で分散性を上げると言うことである。
・混合性について
混合は、おもに中間的なものであり、前処理したものを、中間処理で綺麗に分散した状態でPP樹脂と木粉が混じりあっているかどうかと言うことである。
・流動性について
流動性は、木粉とポリプロピレン(PP)の混じり合った物の流れの速さですテスト金型での射出タイムを目安にする。
・滞留性について
滞留は、混合した物をわざとシリンダの中で滞留させ、焼け状態を見たものである。
・熱変化について
混合物の熱のかけ方での幅(170〜210℃)を測定したものである。
上記の条件で成型した結果、相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化もよく、木質観等植物の表面に近い外観がありながらも、表面光沢を保ち、においの少ない製品に仕上げることができた。
(非結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例109及び比較例109)
30〜200μmの植物系粉体である杉のセルロースパウダ70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させてセルロースパウダと混合させる。
そのとき、セルロースパウダと結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記セルロースパウダの表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)によりセルロースパウダを結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)植物系粉体(杉のセルロースパウダ、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
次に、高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)を実施例により、さらに詳細に説明する。
製造ステップ1(触媒成分の調製)
触媒である、(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドを、次のようにして製造した。
窒素気流下、内容積200mlのシュレンク瓶に(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(インデン)2.5g(7.2mmol)とエーテル100mlを加えた。−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.6mol/L)を9.0ml(14.8mmol)加えた後、室温で12時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体をヘキサン20mlで洗浄し減圧乾燥することによりリチウム塩を白色固体として定量的に得た。
シュレンク瓶中、(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(インデン)のリチウム塩(6.97mmol)をTHF(テトラヒドロフラン)50mlに溶解し、室温でヨードメチルトリメチルシラン2.1ml(14.2mmol)をゆっくりと滴下し12時間攪拌した。溶媒を留去し、エーテル50ml加えて飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。
分液後、有機相を乾燥し、溶媒を除去することにより(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.9mmol)を得た(収率84%)。
次に、窒素気流下においてシュレンク瓶に、上記で得られた(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.9mmol)とエーテル50mlを加えた。−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.6モル/L)を7.4ml(11.8mmol)を加えた後、室温で12時間攪拌した。
溶媒を留去し、得られた固体をヘキサン40mlで洗浄することによりリチウム塩をエーテル付加体として3.06gを得た。
このものの1H−NMRを求めたところ、次の結果が得られた。
1H-NMR(90MHz,THF-d8):δ0.04(s,-SiMe3,18H),0.48(s,-Me2Si-,12H),1.10(t,-CH3,6H),2.59(s,-CH2-,4H),3.38(q,-CH2-,4H),6.2-7.7(m,Ar-H,8H)
窒素気流下で、上記で得られたリチウム塩3.06gをトルエン50mlに懸濁させた。−78℃に冷却し、ここへ予め−78℃に冷却した四塩化ジルコニウム1.2g(5.1mmol)のトルエン(20ml)懸濁液を滴下した。滴下後、室温で6時間攪拌した。
反応溶液の溶媒を留去後、得られた残渣をジクロロメタンにより再結晶化することにより(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドの黄色微結晶0.9g(1.33mmol)を得た(収率26%)。
このものの1H−NMRを求めたところ、次の結果が得られた。
1H-NMR(90MHz,CDCl3):δ0.0(s,―SiMe3-,18H),1.02,1.12(s,-Me2Si-,12H),2.51(dd,-CH2-,4H),7.1-7.6(m,Ar-H,8H)
製造ステップ2(高結晶性高級α−オレフィン系重合体用モノマーの調製)
リニアレン26+(商品名、出光興産株式会社製、主として炭素数26以上のα−オレフィンの混合体))を減圧下(0.0067〜0.13kPa)で蒸留し、留出温度200〜300℃の留分であるモノマーを得た。この留分の組成比は、C24:1.2質量%(1.3モル%)、C26:56.8質量%(58.7モル%)、C28:39.4質量%(37.7モル%)、C30:2.6質量%(2.3モル%)であった。加熱乾燥した内容積500mlのシュレンク瓶に、窒素雰囲気下で、モノマー586g及びトルエン100mlを入れ、乾燥窒素及び活性アルミナにて脱水処理した後、室温(25℃)にて、均一な上澄み溶液を抽出し、モノマーのトルエン溶液(濃度50質量%)を得た。
製造ステップ3
加熱乾燥した内容積1Lのオートクレーブに、前記製造ステップ2のモノマーのトルエン溶液(濃度50質量%)200mlを入れ、重合温度25℃において均一溶液であることを確認した。これに、トリイソブチルアルミニウム0.5mmol、前記製造ステップ1で調製した(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド2μmol及びジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート8μmolを加え、85℃で水素を0.15MPa張り込み、60分間重合した。重合反応終了後、沈殿した反応物を室温(25℃)で分離し、トルエン及びアセトンにて洗浄した後、加熱・減圧下で、乾燥処理することにより、高結晶性高級α−オレフィン共重合体58.8gを得た。
得られた高結晶性高級α−オレフィン共重合体は融点が71.1℃、融解熱量(ΔH)が130.4J/g、分子量が31000、分子量分布が1.47、立体規則性指標M2が55.4mol%となり、広角X線散乱強度分布における15deg<2θ<30degに観測される側鎖結晶化に由来する、単一のピークX1が観測された。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:スチレン系樹脂パウダー
実施例109における、セルロースパウダ、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表19の1,19の2,19の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例109−1について
(木)セルロースパウダ90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例109−2について
(木)セルロースパウダ80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が10重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が10重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例109−3について
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が7重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が20重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が20重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
セルロースパウダが91重量部を超えると、ペレット化しても崩れてしまうおそれがある。
結着剤たるパラフィン系ワックスが3重量部未満であると、樹脂の溶融粘度の低下効果が十分に発現せず、15重量部を超えると、樹脂ペレットから得られる成形品の強度、耐熱性、耐候性が低下する。
接着剤であるカルボキシメチルセルロース樹脂の配合量が1重量部未満であると、接着粘度が低下し、固形保持力が低下し、3重量部を超えると、接着粘度が高まり分解しにくくなる。
温水が、80℃を超えると、添加剤が蒸発し、作業性が悪い。
温水が、40℃未満であると、主たる合成樹脂及び添加剤が溶けにくい。
温水の混合割合は、木粉、主たる樹脂系材料及び添加剤の混合物に対し、重量比で、0.5〜2倍である。
0.5倍未満であると、混合物が混合しにくく、2倍を超えるとペレット化しにくい。
(非結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例110及び比較例110)
30〜200μmの植物系粉体である杉のセルロースパウダ70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させてセルロースパウダと混合させる。
そのとき、セルロースパウダと結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記セルロースパウダの表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)によりセルロースパウダを結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)植物系粉体(杉のセルロースパウダ、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例109と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:スチレン系樹脂パウダー
実施例110における、セルロースパウダ、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表20の1,20の2,20の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例110−1について
(木)セルロースパウダ90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例110−2について
(木)セルロースパウダ80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が9重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が9重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例110−3について
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、可塑化能力が低下し、不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えても、ると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が19重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が19重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
(非結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例111及び比較例111)
30〜200μmの植物系粉体である杉のセルロースパウダ70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させてセルロースパウダと混合させる。
そのとき、セルロースパウダと結着剤と添加剤とを混ぜた混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。
前記セルロースパウダの表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)によりセルロースパウダを結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)植物系粉体(杉のセルロースパウダ、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例109と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:スチレン系樹脂パウダー
実施例111における、セルロースパウダ、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表21の1,21の2,21の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例111−1について
(木)セルロースパウダ90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ90重量部に対して、結着剤たるワックス材料が8重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例111−2について
(木)セルロースパウダ80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が9重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えても、ると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が8重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が8重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例111−3について
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が10重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が10重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が17重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が17重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
(非結晶性樹脂の成形用ペレットの実施例112及び比較例112)
30〜200μmの植物系粉体である杉のセルロースパウダ70〜91重量部と、主たる結着剤として、下記製造ステップ3で得られたワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)1〜15重量部と、添加剤(分散剤、ブルーム防止剤、混合材、接着剤など)0〜20重量部とを、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜100℃に昇温して、ワックス材料(高結晶性高級α−オレフィン系重合体)及び添加剤を溶融させてセルロースパウダと混合させる。
そのとき、セルロースパウダと結着剤と添加剤と乳化用ワックス材料とを含む混合物100重量部に対して、希釈剤として水又は20〜80℃の温水5〜20重量部混合される。乳化用ワックス材料は、希釈剤である温水に混ぜたものを、セルロースパウダ、結着剤及び添加剤に混合する。
前記セルロースパウダの表面にワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)を付着された混合物を40〜80℃に降温させて、ワックス材料(前記高結晶性高級α−オレフィン系重合体)によりセルロースパウダを結合し、造粒して固化させてペレット化する。
配合物は、次のとおりである。
(1)植物系粉体(杉のセルロースパウダ、含水量:3重量部、粒径範囲:30〜200μm、平均粒径:35μm)
(2)高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)
高結晶性高級α−オレフィン系重合体(炭素数16〜40の高級α−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られたもの)は、実施例109と同じ、高結晶性高級α−オレフィン共重合体Aを用いる。
(3)添加剤
分散剤1:ステアリン酸ナトリウム
分散剤2:ステアリン酸
ブルーム防止剤1:有機アミノ酸誘導体
混合材:スチレン系樹脂パウダー
実施例112における、セルロースパウダ、油分補充材、主たる結着剤、添加剤(混合材、分散剤、ブルーム防止剤)及び温水の配合比等は、表22の1,22の2,22の3に示すとおりである。
Figure 2011236410
Figure 2011236410
Figure 2011236410
実施例112−1について
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例112−2について
(木)セルロースパウダ80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ80重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が7重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が7重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
実施例112−3について
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部を超えると、ペレット状の造粒物の粘度が増していき、木粉の分散効果に影響が出てくる。
(木)セルロースパウダ70重量部に対して、結着剤たるワックス材料が4重量部未満では、ペレット状の造粒物の結着力が低下するおそれがある。
分散剤1が1重量部を超えると、造粒時の硬度が不安定になる。
分散剤1が1重量部未満では、主たる結着剤の分散補助能力が低下する。
分散剤2が1重量部を超えると、可塑化能力が低下する。
分散剤2が1重量部未満では、摩擦温度変化が激しくなる。
ブルーム防止剤が1重量部を超えても、ブルーム効果にあまり変化はないので、添加する必要性に乏しい。
ブルーム防止剤が1重量部未満では、ブルーム状態を抑制できないおそれがある。
混合剤が17重量部を超えると、添加剤の調整と、重量と共に硬度が不安定になる。
混合剤が17重量部未満では、変化はないが重量と共に添加剤の調整が必要。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部を超えると、粘着性及び造粒硬度が安定しない。
希釈剤(乳化ワックス)が6重量部未満では、粘着性及び相溶性が低下する。
希釈剤(水)が15重量部を超えると、圧縮度が低下する。
希釈剤(水)が15重量部未満では、硬度の変化が激しい。
造粒時の評価
造粒条件
混合機:全容:100l 回転速度:60rpm
造粒機:回転数96rpm ・ダイスφ3.0mm
混合時混合剤が多いと均等に混合しにくい状態であった。
造粒時混合品が造粒されない状態のまま排出されている物もあった。
粉化率が、多く見られた。
混合剤が少ない場合、安定して造粒され、粉化もなかった。
<木質樹脂射出成形材料による射出成形について>
実施例109〜112の植物系樹脂ペレットを用いて、成形品を射出成形する方法は、次のとおりである。
実施例109〜112の植物系樹脂ペレット100重量部に対し、希釈のための非結晶性樹脂、例えばスチレン系パウダーを80〜260重量部を、射出成形機の可塑化シリンダで混合する。
非結晶性樹脂は、実施例109〜112の植物系樹脂ペレットに含まれる木粉及び植物系粉末が、成形品の中に56〜5重量部含まれるように、配合される。
成形温度は、125〜200℃で成形した。
射出成形の混練条件及び評価基準は、次のとおりであった。
(1)混練条件について
1.ペレットを電動式射出成形機(型締力:60トン、射出一回当たりの最大射出量:80g、スクリュー径:32mm)により、下記の条件で射出成形し、下記の判定基準により成形性を評価した。
2.ペレットを油圧式射出成形機(型締力:60トン、射出一回当たりの最大射出量:70g、スクリュー径:32mm)により、下記の条件で射出成形し、下記の判定基準により成形性を評価した。
スクリュー:回転数60rpm
設定温度 :後部190℃、中部195℃、前部200℃
ノズル200℃
金型:耐衝撃性評価サンプル作製の場合、JIS K7110に基づく金型
曲げ弾性評価サンプル作成の場合、JIS K7171に基づく金型
(2)射出成形性の評価基準
実施例108によれば、成形品の重量が10gおよび11gのいずれの場合でも、射出成形が良好である。(T‐11〜13)
ただし、成形品の重量9gの場合は、成形品が充填不足(ショート)ぎみになる。(T‐14〜15)
(3)射出成形の植物系樹脂ペレット及び希釈のための樹脂(スチレン系樹脂)の配合割合並びに木質系粉末の充填率は、表26に示すとおりである。
植物系樹脂ペレットは、実施例109−1(木粉90重量部含有)を用いた。
Figure 2011236410
(4)上記で得られた成形物を、射出成形性、可塑化能力、射出圧力・切換位置、射出時間、強度、木質観、光沢について、評価したところ、次のとおりであった(表27)。
Figure 2011236410
・射出圧力及び切り替え位置は、共に等圧・同位置であるのに対し、切り替え位置は、安定位置にある。(T‐12〜15)
・射出圧力に対し、射出時間もほぼ一定である。(T‐13〜15)
・可塑化能力でも、安定時間内である。(T‐12〜15)
成形品の外観及び性能
・ペレットの充填率により、木質観が現れる。(高充填)
ただし、強度に変化が生じる。(T‐11〜13)
あまり入れすぎると、溶融温度が少し高いため、臭気がでる。(T‐11〜13)
・低充填によると、光沢が増し着色も可能になるが、木質観もある程度出る。(T‐14〜15)
強度の安定と、物性の安定がある。(T‐15)
(5)上記で得られた成形物を、つぎの方法により相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化及び成型性の評価をおこなった。
・相溶性について
相溶性については、前処理時と中間処理時に関係する。
前処理の場合:前処理の場合の相溶性と言うのは、ステアリン酸を使い木粉とオレフィン樹脂を反発しにくくし、くっつきやすい状態にもってく事に(相溶性)と言っている。
中間処理の場合:前処理で出来た物を他のベース樹脂との相溶性である。ここでは、おもに、添加剤である、ステアリン酸とか有機化酸化物を使いベース樹脂との相溶性をはかる。
・分散性について
分散性についても、前処理と中間処理での関係があるが、おもに前処理段階で分散しやすく加工することで、中間処理時、いくつもの、グレードポリプロピレン(PP)に対応しやすいと言うことである。なおかつ、中間処理で分散しにくい(だまになる)場合、添加剤の追加調整で分散性を上げると言うことである。
・混合性について
混合は、おもに中間的なものであり、前処理したものを、中間処理で綺麗に分散した状態でPP樹脂と木粉が混じりあっているかどうかと言うことである。
・流動性について
流動性は、木粉とポリプロピレン(PP)の混じり合った物の流れの速さですテスト金型での射出タイムを目安にする。
・滞留性について
滞留は、混合した物をわざとシリンダの中で滞留させ、焼け状態を見たものである。
・熱変化について
混合物の熱のかけ方での幅(170〜210℃)を測定したものである。
上記の条件で成型した結果、相溶性、分散性、混合性、流動性、滞留性、熱変化もよく、木質観等植物の表面に近い外観がありながらも、表面光沢を保ち、においの少ない製品に仕上げることができた。
10,110 射出成形装置
12,112 可塑化シリンダ
12a,112a ノズル
13a,113a ホッパ
13b,113b 混合部
14,114 バンドヒータ
14a,114a 第1のバンドヒータ
14b,114b 第2のバンドヒータ
14c,114c 第3のバンドヒータ
14d,114d 第4のバンドヒータ
16,116 ノズル
18,118 スクリュー
20,120 金型
22,122,122a,122b スプル
26,126 キャビティ
30,130 第1金型
32,132 固定部
40,140 金型部
50,150 第2金型
130a 冷温水孔
134 エア孔
136 シリンダ装填孔
142 ガス抜き兼ガス注入孔
144 ガス孔
146 エアシリンダ
148 バルブ
150a 冷温水孔

Claims (12)

  1. 木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる木質樹脂ペレット。
  2. 植物系粉末70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる植物系樹脂ペレット。
  3. 前記融点を40〜100℃の間に持つワックス材料は、炭素数16〜40の高級α−オレフィンモノマーを重合して得られた高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項1又は請求項2に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレット。
  4. 融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、
    (1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気190℃で5分保持した後、−10℃まで、5℃/分で降温させ、−10℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される融点(Tm)が40〜100℃であり、
    前記(1)における融点(Tm)測定において、融点の融解吸熱ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅である半値幅(Wm)が、10℃以下の高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項1又は請求項2に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレット。
  5. 融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、融点(Tm)が55〜100℃の高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、
    加熱して木粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成された、請求項に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレット。
  6. 植物系粉末70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる植物系樹脂ペレットであって、
    前記植物系粉末が、前記ワックス材料と同質の油分補充剤で油分を補充された植物系粉末である植物系樹脂ペレット
  7. 植物系粉末70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて植物系粉末と混ぜて、前記植物系粉末の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて植物系粉末を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、植物系樹脂ペレットの製造方法。
  8. 前記融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、炭素数16〜40の高級α−オレフィンモノマーを重合して得られた高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項7に記載の植物系樹脂ペレットの製造方法。
  9. 融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、
    (1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気190℃で5分保持した後、−10℃まで、5℃/分で降温させ、−10℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される融点(Tm)が40〜100℃であり、
    前記(1)における融点(Tm)測定において、融点の融解吸熱ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅である半値幅(Wm)が、10℃以下の高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項7に記載の植物系樹脂ペレットの製造方法。
  10. 融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、融点(Tm)が55〜100℃の高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、
    加熱して植物粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成された、請求項7に記載の植物系樹脂ペレットの製造方法。
  11. 植物粉と融点を40〜100℃の間に持つワックス材料との混合物を100重量部,水又は温水を10〜20重量部混合して、混練する、請求項10に記載の植物系樹脂ペレットの製造方法。
  12. 植物系粉末と融点を40〜100℃の間に持つワックス材料との混合物を100重量部,水又は温水を10〜20重量部混合して、混練する、請求項10に記載の植物系樹脂ペレットの製造方法。
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