JP2011233641A - 板状物のレーザー加工方法 - Google Patents

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昇 武田
Yoji Morikazu
洋司 森數
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Abstract

【課題】基板の表面に積層して形成された被膜に分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射し、分割予定ラインに沿ってレーザー加工溝を形成することにより被膜を除去する際に、被膜や基板にクラックを生ずることなくレーザー加工溝を形成することができる板状物のレーザー加工方法を提供する。
【解決手段】基板の表面に被膜が積層して形成された板状物をチャックテーブル上に保持し、所定の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成することにより被膜を分割予定ラインに沿って除去する板状物のレーザー加工方法であって、板状物に所定の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射する前に、板状物を少なくともレーザー光線を照射する分割予定ラインに沿って所定の温度に加熱する。
【選択図】図6

Description

本発明は、基板の表面に被膜が積層して形成された板状物に分割予定ラインに沿ってレーザー加工溝を形成することにより分割予定ラインに沿って被膜を除去する板状物のレーザー加工方法に関する。
当業者には周知の如く、半導体デバイス製造工程においては、シリコン等の基板の表面に絶縁膜と機能膜が積層された積層体によって複数のIC、LSI等のデバイスをマトリックス状に形成した半導体ウエーハが形成される。このように形成された半導体ウエーハは上記デバイスが分割予定ラインによって区画されており、この分割予定ラインに沿って分割することによって個々のデバイスを製造している。
このような半導体ウエーハの分割予定ラインに沿った分割は、通常、ダイサーと呼ばれている切削装置によって行われている。この切削装置は、被加工物である半導体ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された半導体ウエーハを切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる移動手段とを具備している。切削手段は、高速回転せしめられる回転スピンドルと該スピンドルに装着された切削ブレードを含んでいる。切削ブレードは円盤状の基台と該基台の側面外周部に装着された環状の切れ刃からなっており、切れ刃は例えば粒径3μm程度のダイヤモンド砥粒を電鋳によって固定して形成されている。
近時においては、IC、LSI等のデバイスの処理能力を向上するために、シリコン等の基板の表面にSiO2,SiO,SiN等のガラス質材料からなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)と回路を形成する機能膜が積層された積層体によってデバイスを形成せしめた形態の半導体ウエーハが実用化されている。
上述した低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)はウエーハの素材と異なるため、切削ブレードによって同時に切削することが困難である。即ち、Low−k膜は雲母のように非常に脆いことから、切削ブレードにより分割予定ラインに沿って切削すると、Low−k膜が剥離し、この剥離がデバイスにまで達しデバイスに致命的な損傷を与えるという問題がある。
また、ガラス基板の表面に金属膜が積層して形成された板状物を切削ブレードによって切削すると、切削ブレードに金属膜が付着して切削ブレードの切削能力が低下するという問題がある。
上記問題を解消するために、半導体ウエーハに形成された分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成することにより積層体を除去し、このレーザー加工溝に切削ブレードを位置付けて切削ブレードと半導体ウエーハを相対移動することにより、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断するウエーハの分割方法が下記特許文献1に開示されている。
特開2009−21476号公報
而して、シリコンウエーハに形成された分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成することにより積層体を除去すると、低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)等の積層体にクラックが発生し、デバイスの品質を低下させるという新たな問題が生じた。
また、ガラス基板の表面に金属膜が積層して形成された板状物にレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成することにより金属膜を除去すると、ガラス基板にクラックが発生し、分割されたチップの品質を低下させるという問題もある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、基板の表面に積層して形成された被膜に分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射し、分割予定ラインに沿ってレーザー加工溝を形成することにより被膜を除去する際に、被膜や基板にクラックを生ずることなくレーザー加工溝を形成することができる板状物のレーザー加工方法を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、基板の表面に被膜が積層して形成された板状物をチャックテーブル上に保持し、所定の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成することにより被膜を分割予定ラインに沿って除去する板状物のレーザー加工方法であって、
板状物に所定の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射する前に、板状物を少なくともレーザー光線を照射する分割予定ラインに沿って所定の温度に加熱する、
ことを特徴とする板状物のレーザー加工方法が提供される。
上記板状物の加熱は、板状物を保持するチャックテーブルを加熱することによって実施する。
また、上記板状物の加熱は、レーザー光線を照射する照射位置の加工送り方向の上流側に熱風を噴射することによって実施する。
また、上記板状物の加熱は、レーザー光線を照射する照射位置の加工送り方向の上流側に加熱用のレーザー光線を照射することによって実施する。
また、上記板状物の加熱は、レーザー光線を照射する照射位置の加工送り方向の上流側に加熱用赤外線を照射することによって実施する。
上記板状物の加熱温度は、50〜200℃に設定されている。
本発明による板状物のレーザー加工方法においては、基板の表面に被膜が積層して形成された板状物に所定の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射する前に、板状物を少なくともレーザー光線を照射する分割予定ラインに沿って所定の温度に加熱するので、レーザー光線を照射することによって生ずるサーマルショックまたは衝撃力が緩和され、被膜または基板にクラックが生ずることはない。従って、分割予定ラインに沿って分割されたデバイス等のチップは、被膜および基板にクラックが発生しないので、品質が低下することはない。
本発明による板状物のレーザー加工方法によってレーザー加工される板状物としての半導体ウエーハを示す斜視図。 図1に示す半導体ウエーハの要部拡大断面図。 図1に示す半導体ウエーハが環状のフレームにダイシングテープを介して支持された状態を示す斜視図。 本発明による板状物のレーザー加工方法を実施するためのレーザー加工装置の要部斜視図。 図4に示すレーザー加工装置を構成するチャックテーブルの断面図。 本発明による板状物のレーザー加工方法における積被膜除去工程を示す説明図。 図6に示す積被膜除去工程が実施された半導体ウエーハの要部断面拡大図。 本発明による板状物のレーザー加工方法における板状物の加熱方法の第2の実施形態を示す説明図。 本発明による板状物のレーザー加工方法における板状物の加熱方法の第3の実施形態を示す説明図。 本発明による板状物のレーザー加工方法における板状物の加熱方法の第4の実施形態を示す説明図。 本発明による板状物のレーザー加工方法によって加工された半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切削するための切削装置の要部斜視図。 図11に示す切削装置によって半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切削する切削工程を示す説明図。 図12に示す切削工程が実施された半導体ウエーハの要部断面拡大図。
以下、本発明による板状物のレーザー加工方法について添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1には、本発明による板状物のレーザー加工方法によってレーザー加工される板状物としての半導体ウエーハの斜視図が示されており、図2には図1に示す半導体ウエーハの要部拡大断面図が示されている。図1および図2に示す半導体ウエーハ2は、シリコン等の基板20の表面に絶縁膜と回路を形成する機能膜が積層された被膜21によって複数のIC、LSI等のデバイス22がマトリックス状に形成されている。そして、各デバイス22は、格子状に形成された分割予定ライン23によって区画されている。なお、図示の実施形態においては、基板20は、シリコンよって厚さが例えば60μmに形成されている。また、被膜21は厚さが2〜10μmに形成されており、被膜21を形成する絶縁膜は、SiO2,SiO,SiN等ガラス質材料からなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)からなっている。
上述した半導体ウエーハ2を分割予定ライン23に沿って個々のデバイス22に分割するには、半導体ウエーハ2を図3に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に貼着する。このとき、半導体ウエーハ2は、裏面2bをダイシングテープTの表面に貼着する(ウエーハ支持工程)。従って、ダイシングテープTの表面に貼着された半導体ウエーハ2は、表面2aが露出することになる。
次に、上記半導体ウエーハ2の分割予定ライン23に沿ってレーザー光線を照射し、分割予定ライン23に沿って被膜21を除去する被膜除去工程を実施する。この被膜除去工程は、図示の実施形態においては図4に示すレーザー加工装置3を用いて実施する。図4に示すレーザー加工装置3は、被加工物を保持するチャックテーブル31と、該チャックテーブル31上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段32と、チャックテーブル31上に保持された被加工物を撮像する撮像手段33を具備している。
上記チャックテーブル31は、図5に示すように円板状に形成されチャックテーブル本体311と、該チャックテーブル本体311の上面に配設された通気性を有する被加工物保持部材312とからなっている。チャックテーブル本体311はステンレス鋼等の金属材によって形成されており、その上面には円形の嵌合凹部311aが設けられている。この嵌合凹部311aには、底面の外周部に被加工物保持部材312が載置される環状の載置棚311bが設けられている。また、チャックテーブル本体311には嵌合凹部311aに開口する吸引通路311cが設けられており、この吸引通路311cは図示しない吸引手段に連通されている。従って、図示しない吸引手段が作動すると、吸引通路311cを通して嵌合凹部311aに負圧が作用せしめられる。被加工物保持部材312はポーラスなセラミックス等からなる多孔性部材によって形成されており、内部にヒーターコイル312aが埋設されている。このように被加工物保持部材312はポーラスなセラミックス等からなる多孔性部材によって形成されているので、図示しない吸引手段が作動することにより吸引通路311cを通して嵌合凹部311aに作用した負圧が、被加工物保持部材312の上面である保持面に作用せしめられる。このように構成されたチャックテーブル31は、図示しない加工送り手段によって図4において矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り手段によって図4において矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記レーザー光線照射手段32は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング321を含んでいる。ケーシング321内には図示しないYAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器や繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー光線発振手段が配設されている。上記ケーシング321の先端部には、パルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光するための集光器322が装着されている。
上記レーザー光線照射手段32を構成するケーシング321の先端部に装着された撮像手段33は、被加工物を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備え、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上述したレーザー加工装置3を用いて実施する被膜除去工程について図4乃至図7を参照して説明する。
被膜除去工程は、先ず上述した図4に示すレーザー加工装置3のチャックテーブル31の被加工物保持部材312上に半導体ウエーハ2が貼着されたダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、ダイシングテープTを介して半導体ウエーハ2をチャックテーブル31の被加工物保持部材312上に吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル31に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aが上側となる。なお、図4においては、ダイシングテープTが装着された環状のフレームFを省いて示しているが、環状のフレームFはチャックテーブル31に配設された適宜のフレーム保持手段に保持されている。
上述したようにチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2を吸引保持したならば、チャックテーブル31の被加工物保持部材312に埋設されたヒーターコイル312aに通電して被加工物保持部材312を50〜200℃に加熱する。このようにして被加工物保持部材312を加熱することにより、被加工物保持部材312上にダイシングテープTを介して保持された半導体ウエーハ2が50〜200℃に加熱される。
次に、図示しない加工送り手段を作動して半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31を撮像手段33の直下に移動する。チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段33および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されている分割予定ライン23と、分割予定ライン23に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段32の集光器322との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びる分割予定ライン23に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。
上述したアライメント工程を実施したならば、図6の(a)で示すようにチャックテーブル31をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段32の集光器322が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン23を集光器322の直下に位置付ける。このとき、図6の(a)に示すように半導体ウエーハ2は、分割予定ライン23の一端(図6の(a)において左端)が集光器322の直下に位置するように位置付けられる。そして、集光器322から照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを図6の(a)に示すように半導体ウエーハ2の表面2a(上面)付近に合わせる。次に、レーザー光線照射手段32の集光器322から被膜21に対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル31を図6の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図6の(b)で示すように分割予定ライン23の他端(図6の(b)において右端)が集光器322の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル31の移動を停止する。この結果、図6の(b)および図7に示すように半導体ウエーハ2には、分割予定ライン23に沿ってレーザー加工溝24が形成され、被膜21は分割予定ライン23に沿って除去されて分断される。この被膜除去工程においては、半導体ウエーハ2を50〜200℃に加熱した状態で実施するので、パルスレーザー光線を照射することによって生ずるサーマルショックまたは衝撃力が緩和され、被膜21および基板20にクラックが生ずることはない。本発明者等の実験によると、半導体ウエーハ2を200℃に加熱して上記被膜除去工程を実施したところ、被膜21および基板20にクラックが発生しなかった。
なお、上記被膜除去工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :YAGレーザーまたはYVO4レーザー
波長 :355nm
繰り返し周波数:200kHz
出力 :0.5W
集光スポット径:40μm
加工送り速度 :50mm/秒
以上のようにして、半導体ウエーハ2の所定方向に延在する全ての分割予定ライン23に沿って上記被膜除去工程を実施したならば、チャックテーブル31を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直交する方向に形成された各分割予定ライン23に沿って上記被膜除去工程を実施する。
次に、ガラス基板の表面に金属膜からなる被膜が積層して形成された板状物にレーザー光線を照射して、所定の分割ラインに沿って被膜を除去する場合の被膜除去工程における加工条件について説明する。
光源 :YAGレーザーまたはYVO4レーザー
波長 :355nm
繰り返し周波数:500kHz
出力 :4.5W
集光スポット径:40μm
加工送り速度 :600mm/秒
本発明者等の実験によると、ガラス基板の表面に金属膜からなる被膜が積層して形成された板状物を200℃に加熱して上記加工条件により被膜除去工程を実施したところ、ガラス基板にクラックが発生しなかった。
次に、板状物を加熱する加熱方法の他の実施形態について説明する。
図8は、板状物を加熱する加熱方法の第2の実施形態を示すもので、集光器322から照射されるレーザー光線の照射位置より加工送り方向(X1)の上流側に、加熱ヒータを備えた熱風噴射ノズル35から熱風を噴射する。この結果、板状物として半導体ウエーハ2は、熱風噴射ノズル35から噴射される熱風によって加熱される。
なお、熱風噴射ノズル35から噴射される熱風の条件は、次のように設定されている。
加熱ヒータの容量 :100〜800W
熱風噴射ノズルの噴出口径 :0.5〜1mm
風量 :6〜50リットル/分
次に、板状物を加熱する加熱方法の第3の実施形態について、図9を参照して説明する。
図9に示す加熱方法は、集光器322から照射されるレーザー光線の照射位置より加工送り方向(X1)の上流側に加熱用のレーザー光線を照射する集光器322から加熱用のレーザー光線を照射する。この結果、板状物として半導体ウエーハ2は、集光器322から照射される加熱用レーザー光線によって加熱される。
なお、加熱用のレーザー光線の条件は、次のように設定されている。
波長 :790〜980nmの連続波
出力 :0.1〜30W
集光スポット径 :0.05〜2mm
次に、板状物を加熱する加熱方法の第4の実施形態について、図10を参照して説明する。
図10に示す加熱方法は、集光器322から照射されるレーザー光線の照射位置より加工送り方向(X1)の上流側に赤外線ランプ37から加熱用赤外線を照射する。この結果、板状物として半導体ウエーハ2は、赤外線ランプ37から照射される赤外線によって加熱される。
なお、赤外線ランプの条件は、次のように設定されている。
出力 :1000W
集光スポット径 :1〜3mm
上述した被膜除去工程を実施したならば、被膜21が除去された分割予定ライン23に沿って基板20を切断する切削工程を実施する。この切削工程は、図11に示す切削装置を用いて実施する。図11に示す切削装置4は、被加工物を保持するチャックテーブル41と、該チャックテーブル41に保持された被加工物を切削する切削手段42と、該チャックテーブル41に保持された被加工物を撮像する撮像手段43を具備している。チャックテーブル41は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない切削送り手段によって図11において矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り手段によって矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記切削手段42は、実質上水平に配置されたスピンドルハウジング421と、該スピンドルハウジング421に回転自在に支持された回転スピンドル422と、該回転スピンドル422の先端部に装着された切削ブレード423を含んでおり、回転スピンドル422がスピンドルハウジング421内に配設された図示しないサーボモータによって回転せしめられるようになっている。なお、切削ブレード423は、図示の実施形態においては粒径3μmのダイヤモンド砥粒をニッケルメッキで固めた電鋳ブレードからなっており、厚みが20μmに形成されている。上記撮像手段43は、スピンドルハウジング421の先端部に装着されており、被加工物を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備え、撮像した画像信号を後述する制御手段に送る。
このように構成された切削装置4を用いて切削工程を実施するには、チャックテーブル41上に半導体ウエーハ2が貼着されたダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、ダイシングテープTを介して半導体ウエーハ2をチャックテーブル41上に吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル41に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aが上側となる。なお、図11においては、ダイシングテープTが装着された環状のフレームFを省いて示しているが、環状のフレームFはチャックテーブル41に配設された適宜のフレーム保持手段に保持されている。
上述したように半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル41は、図示しない加工送り手段によって撮像手段43の直下に移動される。チャックテーブル41が撮像手段43の直下に位置付けられると、撮像手段43および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2の切削すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段43および図示しない制御手段は、上記被膜除去工程によって半導体ウエーハ2の分割予定ライン23に沿って形成されたレーザー加工溝24と、該レーザー加工溝24と切削ブレード423との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びる分割予定ライン23に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。
以上のようにしてチャックテーブル41上に保持されている半導体ウエーハ2の分割予定ライン23に沿って形成されたレーザー加工溝24を検出し、切削領域のアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル41を切削領域の切削開始位置に移動する。このとき、図12の(a)に示すように半導体ウエーハ2は切削すべき分割予定ライン23(レーザー加工溝24)の一端(図12の(a)において左端)が切削ブレード423の直下より所定量右側に位置するように位置付けられる。そして、切削ブレード423を図12の(a)において矢印423aで示す方向に所定の回転速度で回転し、2点鎖線で示す待機位置から図示しない切り込み送り機構によって図12の(a)において実線で示すように下方に所定量切り込み送りする。この切り込み送り位置は、図12の(a)に示すように切削ブレード423の外周縁がダイシングテープTに達する位置に設定されている。
上述したように切削ブレード423の切り込み送りを実施したならば、切削ブレード423を図12の(a)において矢印423aで示す方向に所定の回転速度で回転しつつ、チャックテーブル41を図12の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、図12の(b)に示すようにチャックテーブル41に保持された半導体ウエーハ2の右端が切削ブレード423の直下を通過したらチャックテーブル41の移動を停止する。そして、切削ブレード423を上昇させ2点鎖線で示す退避位置に位置付ける。この結果、図13に示すように半導体ウエーハ2の基板20は分割予定ライン23に形成されたレーザー加工溝24に沿って切削溝25が形成されて切断される。
なお、上記切削工程は、例えば以下の加工条件で行われる。
切削ブレード :外径52mm、厚み20μm
切削ブレードの回転速度:20000rpm
切削送り速度 :50mm/秒
上述した切削工程を半導体ウエーハ2の所定方向に延在する全ての分割予定ライン23に形成されたレーザー加工溝24に沿って実施したならば、チャックテーブル41を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直交する方向に形成された各分割予定ライン23に形成されたレーザー加工溝24に沿って上記切削工程を実施する。この結果、半導体ウエーハ2は、格子状に形成された分割予定ライン23に沿って切断され個々のデバイス22に分割される。このようにして分割されたデバイス22は、上述したようにレーザー加工溝24を形成する際に被膜21および基板20にクラックが発生しないので、デバイスの品質が低下することはない。
2:半導体ウエーハ
20:基板
21:被膜
22:デバイス
23:分割予定ライン
3:レーザー加工装置
31:レーザー加工装置のチャックテーブル
32:レーザー光線照射手段
322:集光器
4:切削装置
41:切削装置のチャックテーブル
42:切削手段
423:切削ブレード
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ

Claims (6)

  1. 基板の表面に被膜が積層して形成された板状物をチャックテーブル上に保持し、所定の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成することにより被膜を分割予定ラインに沿って除去する板状物のレーザー加工方法であって、
    板状物に所定の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射する前に、板状物を少なくともレーザー光線を照射する分割予定ラインに沿って所定の温度に加熱する、
    ことを特徴とする板状物のレーザー加工方法。
  2. 該板状物の加熱は、該チャックテーブルを加熱することによって、該チャックテーブル保持された該板状物を加熱する、請求項1記載の板状物のレーザー加工方法。
  3. 該板状物の加熱は、レーザー光線を照射する照射位置の加工送り方向の上流側に熱風を噴射することによって、該板状物を加熱する、請求項1記載の板状物のレーザー加工方法。
  4. 該板状物の加熱は、レーザー光線を照射する照射位置の加工送り方向の上流側に加熱用のレーザー光線を照射することによって、該板状物を加熱する、請求項1記載の板状物のレーザー加工方法。
  5. 該板状物の加熱は、レーザー光線を照射する照射位置の加工送り方向の上流側に加熱用赤外線を照射することによって、該板状物を加熱する、請求項1記載の板状物のレーザー加工方法。
  6. 該板状物の加熱温度は、50〜200℃に設定されている、請求項1から5のいずれかに記載の板状物のレーザー加工方法。
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