JP2011219471A - プロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料であるプロピレンの供給を有利に実施することができるプロピレンオキサイドの製造方法を提供すること。
【解決手段】プロパン脱水素工程:プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程、エポキシ化工程:触媒の存在下に、プロピレンと有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルコールを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程で得られたプロピレンである工程、プロピレン回収工程:エポキシ化工程における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程へリサイクルする工程、プロピレンオキサイド精製工程:エポキシ化工程で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロピレンオキサイドの製造方法に関するものである。更に詳しくは、原料であるプロピレンの供給を有利に実施することができるプロピレンオキサイドの製造方法に関するものである。
有機ハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させることによりプロピレンオキサイドを製造する方法は公知である。たとえば、特許文献1にはクメンハイドロパーオキサイドとプロピレンからプロピレンオキサイドとクミルアルコールを得る方法が記載されている。
ところで、プロピレンを工業的規模で製造する方法として、ナフサ等を熱分解してエチレンとプロピレンを得る方法が知られており、石油化学産業において実施されている。ところが、近年、エチレンに比べてプロピレンに対する需要が増加しつつあり、この傾向は今後も加速されることが予想される。その結果、石油化学産業においてプロピレンが不足するという問題がある。
特許文献2には、スチレンおよびプロピレンオキサイドの製造方法において、流動床接触分解ユニット(FCC)を併設し、プラントで使用するエチレンおよびプロピレンを製造する方法が記載されている。しかし、この技術はFCCで経済的に得られるエチレン/プロピレン比が、プラントで要求されるエチレン/プロピレン比と一致しない場合、FCCを併設したにも関わらず、他の源から不足するエチレンまたはプロピレンの一方の供給を受けなくてはならないという点で不満足である。
特開2003−064069号公報 特表2002−521351号公報
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、原料であるプロピレンの供給を有利に実施することができるプロピレンオキサイドの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明のうち第一の発明は、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法に係るものである。
プロパン脱水素工程(1):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
エポキシ化工程(1):触媒(1)の存在下に、プロピレンと有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルコールを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(1)で得られたプロピレンである工程
プロピレン回収工程(1):エポキシ化工程(1)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(1)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(1)へリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程(1):エポキシ化工程(1)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
また、本発明のうち第二の発明は、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法に係るものである。
プロパン脱水素工程(2):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
アルキル化工程:触媒(2)の存在下に、ベンゼンとプロピレンとを反応させることによりクメンを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンである工程
酸化工程:クメンを酸化してクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液を得る工程
エポキシ化工程(2):触媒(3)の存在下に、プロピレンと酸化反応液中のクメンハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを含むエポキシ反応液を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンである工程
プロピレン回収工程(2):エポキシ化工程(2)における未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程(2)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(2)へリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程(2):エポキシ化工程(2)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
水素化工程:触媒(4)の存在下に、エポキシ化工程(2)で得たクミルアルコールを水素化することによりクメンを得、該クメンを酸化工程の原料の少なくとも一部として酸化工程へリサイクルする工程
また、本発明のうち第三の発明は、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法に係るものである。
プロパン脱水素工程(3):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
エポキシ化工程(3):触媒(5)の存在下に、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによりプロピレンオキサイド及び水を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(3)で得られたプロピレンである工程
プロピレン回収工程(3):エポキシ化工程(3)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(3)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(3)へリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程(3):エポキシ化工程(3)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
また、本発明のうち第四の発明は、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法に係るものである。
プロパン脱水素工程(4):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
過酸化水素製造工程:酸素と水素とを反応して過酸化水素を得る工程
エポキシ化工程(4):触媒(6)の存在下に、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによりプロピレンオキサイド及び水を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(4)で得られたプロピレンである工程
プロピレン回収工程(4):エポキシ化工程(4)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(4)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(4)へリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程(4):エポキシ化工程(4)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
本発明により、原料であるプロピレンの供給を有利に実施することができるプロピレンオキサイドの製造方法を提供することができる。
実施例1のフローの概略を示す図である。 実施例2のフローの概略を示す図である。 実施例3のフローの概略を示す図である。 実施例4のフローの概略を示す図である。
(1)プロピレンオキサイドの製造方法(第一の発明)
本発明の第一の発明に係るプロピレンオキサイドの製造方法は、下記の工程を含む製造方法である。
プロパン脱水素工程(1):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
エポキシ化工程(1):触媒(1)の存在下に、プロピレンと有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルコールを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(1)で得られたプロピレンである工程
プロピレン回収工程(1):エポキシ化工程(1)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(1)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(1)へリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程(1):エポキシ化工程(1)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
本発明の第一の発明におけるプロパン脱水素工程(1)は、プロパンを脱水素してプロピレンを含む区分を得る工程である。
プロパンを脱水素する反応は、分子状酸素の存在下において酸化脱水素反応を行ってもよく、分子状酸素の非存在下にて脱水素反応を行ってもよい。このような脱水素反応としては、例えば、特表2008−540492号公報に記載された反応が挙げられる。反応に用いられるプロパンは粗製プロパンであってもよいが、通常は精製されたプロパンを用いることが多い。反応の形態としては、例えば、均一系脱水素反応、不均一系触媒脱水素反応、均一系酸化脱水素反応、不均一系触媒酸化脱水素反応等が挙げられ、これらのうち少なくとも1つを選択して、反応生成物であるプロピレン、副生成物(例えば水素)および未反応プロパンを含む混合物を得ることができる。
本発明の第一の発明では、プロピレンを精留、吸着、吸収、凝縮、膜分離等の公知の単位操作が単独で用いられるか、又は組み合わせられる「分離工程」を設けて、所望のプロピレン純度まで精製するとともに、未反応のプロパンをプロパン脱水素工程(1)へリサイクルすることが効果的である。分離工程の具体例としては、まず水等のプロピレンやプロパンよりも沸点の高い成分が選択的に凝縮する温度及び圧力を条件として、それら成分を除去し、次いで圧力変動吸着(PSA)等の公知の吸着操作を組み合わせて分離工程を行い、前述のプロピレンを含む区分を、プロパン、プロピレンおよびその他の不純物を分離する方法を挙げることができる。
プロパン脱水素工程(1)を実施する好ましい具体例としては下記の方法をあげることができる。
プロパン脱水素工程(1)の反応条件は採用する均一系脱水素反応、不均一系触媒脱水素反応、均一系酸化脱水素反応、不均一系触媒酸化脱水素反応の反応形態や触媒に応じて適時最適化された条件を採用すればよい。一般的には400℃以上で実施されることが多い。
また、この好ましくない副反応を抑制する目的でスチームを添加してもよい。
反応器についても特に制限はないが、例えば、均一系の反応形態を採用する場合は攪拌槽等をあげることができ、不均一系の反応形態を採用する場合は固定床流通反応器をあげることができる。
本発明の第一の発明においては、下記の分離工程(1)を含むことが好ましい。
分離工程(1):プロパン脱水素工程(1)で得られたプロピレンを分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(1)へリサイクルする工程。
プロパン脱水素工程(1)では、水素が副生する場合があり、このような場合、分離工程(1)においては、該水素は、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分のいずれの区分に含まれるように分離してもよく、また、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とは別に、水素を主として含む区分として分離してもよい。
プロパン脱水素工程(1)において、水素が副生する場合、該水素は、燃焼燃料として用いることができる。特に、プロパン脱水素工程(1)で原料であるプロパンの予熱で必要な、又は脱水素反応の反応温度制御で必要な加熱用の燃焼燃料源として利用することが好ましい。加熱用の燃焼燃料源として利用する方法としては、例えば、水素燃焼用バーナーを有した燃焼炉を用いて、プロパン脱水素工程(1)の反応原料を予熱する方法、触媒(1)の充填された反応層を燃焼炉内に設置して反応層を加熱する方法が挙げられる。また、別の方法としては、プロパン脱水素工程(1)で生成した水素と所定量の酸素を混合して、触媒下で燃焼させる方法等が挙げられる。(例えば、特表2008−0519792公報、特表2009−531368等には、該反応で生成した水素に酸素ガスを添加して触媒下に燃焼させて反応ガスに直接的に熱を得る方法が例示されている。)
本発明の第一の発明においては、プロパン脱水素工程(1)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程であることが好ましく、下記の分離工程(2)を含むことが更に好ましい。
分離工程(2):プロパン脱水素工程(1)で得られたプロピレン及び水素を分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分と、水素を主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(1)へリサイクルする工程
また、本発明の第一の発明において、プロパン脱水素工程(1)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である場合、プロパン脱水素工程(1)は、その工程(1)で必要な加熱用の燃焼燃料源の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(1)で得られる水素を用いるものであることが好ましい。また、不純物として分離される炭化水素も燃焼燃料として用いてよい。
本発明の第一の発明におけるエポキシ化工程(1)は、触媒(1)の存在下に、プロピレンと有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルコールを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(1)で得られたプロピレンである工程である。
本発明の第一の発明におけるエポキシ化工程(1)に用いる触媒(1)としては、目的物を高収率及び高選択率下に得る観点から、好ましくは、チタン含有珪素酸化物からなる触媒であり、より好ましくは、珪素酸化物と化学的に結合したTiを含有する、いわゆるTi−シリカ触媒である。Ti−シリカ触媒としては、例えば、Ti化合物をシリカ担体に担持した触媒、Ti化合物を共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合した触媒、Tiを含むゼオライト化合物等が挙げられる。
エポキシ化工程(1)に用いる有機ハイドロパーオキサイドは、希薄又は濃厚な精製物又は非精製物であってよい。有機ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、エチルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
エポキシ化反応は、プロピレンと有機ハイドロパーオキサイドとを触媒(1)に接触させることで行われる。反応は、溶媒を用いて液相中で実施される。溶媒は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ反応物及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用されるハイドロパーオキサイド溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえばエチルベンゼンハイドロパーオキサイドやクメンハイドロパーオキサイドがその原料であるエチルベンゼンやクメンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。その他、有用な溶媒としては、例えば、芳香族の単環式化合物、アルカン等が挙げられ、芳香族の単環式化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられ、アルカンとしては、例えば、オクタン、デカン、ドデカン等が挙げられる。
エポキシ化反応の温度としては、通常、0〜200℃であり、好ましくは、25〜200℃である。エポキシ化反応の圧力としては、反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよく、通常、100〜10000kPaである。
触媒(1)は、スラリー状又は固定床の形で用いるのが好ましい。大規模な工業的操作の場合には、固定床を用いるのが好ましい。また、回分法、半連続法、連続法等によって実施できる。反応原料を含有する液を固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含まれていない。
エポキシ化工程(1)へ供給されるプロピレン/有機ハイドロパーオキサイドのモル比は2/1〜50/1であることが好ましい。該比が過小であると反応速度が低下して効率が悪く、一方該比が過大であるとリサイクルされるプロピレンの量が過大となり、回収工程において多大なエネルギーを必要とするため、該モル比の範囲とする場合、より優れた効果が得られる。
本発明の第一の発明におけるプロピレン回収工程(1)は、エポキシ化工程(1)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(1)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(1)へリサイクルする工程である。
プロピレン回収工程(1)を実施する好ましい具体例としては下記の方法をあげることができる。
プロピレンを有機ハイドロパーオキサイドに対して、過剰に用いる場合、エポキシ化工程(1)から出てくる反応液中には未反応のプロピレンが含まれる。該プロピレンを反応液から分離して回収する方法としては、反応液を蒸留する方法をあげることができる。蒸留は通常反応液の中からプロピレンが気化しやすい条件を用いる。蒸留の条件としては、蒸留工程に供給される反応液の温度や組成によっても変化するが、圧力としては、ゲージ圧で、通常、0〜5MPaであり、好ましくは、0〜3MPaであり、塔頂温度としては、通常、−50〜150℃である。また、複数の蒸留塔を用いて段階的にプロピレンを蒸留する方法を用いてもよい。
本発明の第一の発明におけるプロピレンオキサイド精製工程(1)は、エポキシ化工程(1)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程である。
プロピレンオキサイド精製工程(1)を実施する好ましい具体例としては下記の方法をあげることができる。
精製に付されるプロピレンオキサイドはエポキシ化工程の反応液から、上述の通り未反応のプロピレンを回収した後の液である。
通常、はじめにエポキシ化工程で生成したアルコールおよび溶媒が蒸留により除去され、粗プロピレンオキサイドが得られる。
この粗プロピレンオキサイドは、不純物として、水、炭化水素、酸素含有化合物が含まれているのが一般であり、炭化水素としては炭素数3〜7の炭化水素を例示することができる。酸素含有化合物としてはメタノール、アセトアルデヒド、アセトン、プロピオンアルデヒド、ギ酸メチル等の化合物を例示することができる。
これらの不純物を除去する方法として、公知の蒸留、抽出、吸着、晶析等の分離技術を適宜組み合わせてよいが、水、炭化水素、酸素含有化合物を効率的に除去する観点から、粗プロピレンオキサイドを炭素数7〜10の炭化水素を抽剤とする抽出蒸留とその他の蒸留を組み合わせて精製に付すことが好ましい。
抽剤である炭素数7〜10の炭化水素としては、例えば、炭素数7〜10の直鎖状飽和炭化水素、炭素数7〜10の分岐状飽和炭化水素、炭素数7〜10の直鎖状不飽和炭化水素、炭素数7〜10の分岐状不飽和炭化水素等が挙げられ、炭素数7〜10の直鎖状飽和炭化水素としては、例えば、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等が挙げられ、炭素数7〜10の分岐状飽和炭化水素としては、例えば、2,2―ジメチルペンタン、2,3―ジメチルペンタン、2,2―ジメチルヘキサン、2,3―ジメチルヘキサン等が挙げられ、炭素数7〜20の直鎖状不飽和炭化水素としては、例えば、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられ、炭素数7〜10の分岐状不飽和炭化水素としては、例えば、2−メチル−2−ヘプテン等が挙げられる。これらの油剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
抽出蒸留塔およびその他の蒸留塔の型式と運転条件、抽剤の使用量等は要求される製品の品質により適宜決定するこができる。
かくして得られた精製プロピレンオキサイドは所望の製品品質を満たしている。
(2)プロピレンオキサイドの製造方法(第二の発明)
本発明の第二の発明に係るプロピレンオキサイドの製造方法は、下記の工程を含む製造方法である。
プロパン脱水素工程(2):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
アルキル化工程:触媒(2)の存在下に、ベンゼンとプロピレンとを反応させることによりクメンを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンである工程
酸化工程:クメンを酸化してクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液を得る工程
エポキシ化工程(2):触媒(3)の存在下に、プロピレンと酸化反応液中のクメンハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを含むエポキシ反応液を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンである工程
プロピレン回収工程(2):エポキシ化工程(2)における未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程(2)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(2)へリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程(2):エポキシ化工程(2)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
水素化工程:触媒(4)の存在下に、エポキシ化工程(2)で得たクミルアルコールを水素化することによりクメンを得、該クメンを酸化工程の原料の少なくとも一部として酸化工程へリサイクルする工程
本発明の第二の発明におけるプロパン脱水素工程(1)は、プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程であり、第一の発明において説明したプロパン脱水素工程(1)と同様である。
本発明の第二の発明においては、下記の分離工程(3)を含むことが好ましい。
分離工程(3):プロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンを分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(2)へリサイクルする工程。
プロパン脱水素工程(2)では、水素が副生する場合があり、このような場合、分離工程(3)においては、該水素は、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分のいずれの区分に含まれるように分離してもよく、また、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とは別に、水素を主として含む区分として分離してもよい。
プロパン脱水素工程(2)において、水素が副生する場合、該水素は、燃焼燃料として用いることができる。特に、プロパン脱水素工程(2)で原料であるプロパンの予熱や脱水素反応の反応温度制御で必要な加熱用の燃焼燃料源として利用することが好ましい。加熱用の燃焼燃料源として利用する方法としては、例えば、水素燃焼用バーナーを有した燃焼炉を用いて、プロパン脱水素工程(2)の反応原料を予熱する方法、触媒(3)の充填された反応層を燃焼炉内に設置して反応層を加熱する方法が挙げられる。また、別の方法としては、プロパン脱水素工程(2)で生成した水素と所定量の酸素を混合して、触媒下で燃焼させる方法等が挙げられる。
本発明の第二の発明においては、プロパン脱水素工程(2)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程であることが好ましく、下記の分離工程(4)を含むことが更に好ましい。
分離工程(4):プロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレン及び水素を分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分と、水素を主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(2)へリサイクルする工程
また、本発明の第二の発明において、プロパン脱水素工程(2)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である場合、プロパン脱水素工程(2)は、その工程(2)で必要な加熱用の燃焼燃料源の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られる水素を用いるものであることが好ましい。また、不純物として分離される炭化水素も燃焼燃料として用いてよい。
本発明の第二の発明におけるアルキル化工程は、触媒(2)の存在下に、ベンゼンとプロピレンとを反応させることによりクメンを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンである工程である。
触媒(2)としては、例えば、塩化アルミ触媒、ゼオライト触媒、リン酸触媒等が挙げられる。
アルキル化工程を実施する好ましい具体例としては下記の方法をあげることができる。
アルキル化工程の反応条件は採用する触媒に応じて適時最適化された反応条件を採用すればよい。例えば、反応圧力、温度は採用する触媒系や気相法、液相法によって異なるが、一般に加圧下、50〜500℃付近で実施されることが多い。
アルキル化工程に用いる反応器としては、例えば、均一系の塩化アルミ触媒を採用した場合攪拌槽を用いることができ、ゼオライト触媒を用いた場合、固定床流通反応器を用いることができる。
本発明の第二の発明における酸化工程は、クメンを酸化してクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液を得る工程である。
酸化工程を実施する好ましい具体例としては下記の方法をあげることができる。
クメンの酸化は、通常、空気や酸素濃縮空気などの含酸素ガスによる自動酸化で行われる。この酸化反応は添加剤を用いずに実施してもよいし、アルカリのような添加剤を用いてもよい。通常の反応温度は50〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間である。添加剤を用いた酸化法の場合、アルカリ性試薬としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び(NH42CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等が用いられる。
本発明の第二の発明におけるエポキシ化工程(2)は、触媒(3)の存在下に、プロピレンと酸化反応液中のクメンハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを含むエポキシ反応液を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンである工程であり、反応条件及び装置については、第一の発明において説明したエポキシ化工程(1)と同様であり、触媒(3)としては、触媒(1)として例示したものと同じものを挙げることができる。
本発明の第二の発明におけるプロピレン回収工程(2)は、エポキシ化工程(2)における未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程(2)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(2)へリサイクルする工程であり、反応条件及び装置については、第一の発明において説明したプロピレン回収工程(1)と同様である。
本発明の第二の発明におけるプロピレンオキサイド精製工程(2)は、エポキシ化工程(2)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程であり、反応条件及び装置については、第一の発明において説明したプロピレンオキサイド精製工程(1)と同様である。
本発明の第二の発明における水素化工程は、触媒(4)の存在下に、エポキシ化工程(2)で得たクミルアルコールを水素化することによりクメンを得、該クメンを酸化工程の原料の少なくとも一部として酸化工程へリサイクルする工程であり、クメンを効率的にリサイクルするという観点から、脱水工程、水添工程の順番で行う脱水/水添法であることが好ましい。
脱水/水添法の場合、触媒(4)は、脱水触媒と水添触媒の2種類を組み合わせて用いることが好ましい。
脱水工程は、脱水触媒の存在下に、エポキシ化工程(2)で得たクミルアルコールを脱水することによりα−メチルスチレンと水とを得る工程である。脱水触媒としては、例えば、酸、金属酸化物等が挙げられ、酸としては、例えば、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、金属酸化物としては、例えば、活性アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ、ゼオライト等が挙げられ、反応液との分離、触媒寿命、選択性等の観点から、好ましくは、活性アルミナである。
脱水触媒の量は、クミルアルコールが充分に転化する量であればよく、クミルアルコール転化率は90%以上であることが好ましく、98%以上であることが更に好ましい。
具体的な脱水触媒の充填量は、許容される反応温度、使用される触媒の脱水活性、触媒寿命等を考慮して、実施者が決定すればよい。
脱水反応は、クミルアルコールを含む溶液を脱水触媒に接触させることで行われるが、脱水/水添法においては、脱水反応に引き続いて水添反応を行なうので、水素も触媒へフィードしてもよい。脱水反応を行う際の反応温度としては、通常、50〜450℃であり、好ましくは、150〜300℃である。脱水反応を行う際の反応圧力としては、通常、10〜10000kPaである。
水添工程は、水添触媒の存在下に、脱水工程で得たα−メチルスチレンを水添することによりクメンを得、該クメンを酸化工程の原料の少なくとも一部として酸化工程へリサイクルする工程である。
水添触媒としては、例えば、周期律表10族又は11族の金属を含む触媒が挙げられ、好ましくは、ニッケル、パラジウム、白金または銅を含む触媒であり、芳香環の核水添反応の抑制、高収率の観点から、より好ましくは、パラジウムまたは銅を含む触媒である。
銅を含む触媒としては、例えば、銅、ラネー銅、銅・クロム、銅・亜鉛、銅・クロム・亜鉛、銅・シリカ、銅・アルミナ等が挙げられる。パラジウムを含む触媒としては、パラジウム・アルミナ、パラジウム・シリカ、パラジウム・カーボン等が挙げられる。これらの触媒は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、水添触媒に同時に脱水能がある場合は、脱水工程で用いる脱水触媒と、水添工程で用いる水添触媒とは、同じものを用いてもよい。
水添触媒の量はα−メチルスチレンが充分に転化する量であればよく、α−メチルスチレン転化率は98%以上が好ましい。
具体的な水添触媒の充填量は、許容される反応温度、使用される触媒の水添活性、触媒寿命等を考慮して、実施者が決定すればよい。
水添反応は、α−メチルスチレンを含む溶液と水素とを水添触媒に接触させることで行われるが、脱水/水添法においては脱水反応に引き続いて水添反応を行なうため、水添反応は、脱水反応において発生した水を油水分離等によって分離した後行ってもよいし、水を分離せずにα−メチルスチレンとともに水添触媒に供して行っても良い。
反応に必要な水素量はα−メチルスチレンと等モルであればよいが、通常、原料中には水素を消費する他の成分も含まれており、過剰の水素が必要とされる。また水素の分圧を上げるほど反応は速やかに進むことから、水素/α−メチルスチレンモル比としては、通常、1〜10であり、好ましくは、1〜5である。反応後に残存した過剰分の水素は反応液と分離した後にリサイクルして使用することもできる。
水添反応を行う際の反応温度としては、通常、0〜500℃であり、好ましくは、30〜300℃である。水添反応を行う際の反応圧力としては、通常、100〜10000kPaである。
脱水/水添法は、固定床によって有利に実施できる。脱水反応と水添反応は別々の反応器を用いてもよいし、単一の反応器を用いてもよいが、コストの観点から考えると、脱水触媒と水添触媒は多段のリアクターとすることなく、単一の固定床反応器に充填されていることが好ましい。
反応物の流れとしてはアップフロー、ダウンフロー、トリクル流のいずれの場合を用いてもよい。
プロパン脱水素工程(2)において、水素が副生する場合、水素化工程でクミルアルコールの水素化に用いる水素の少なくとも一部が分離工程(4)で得られる水素であることが、副生する水素をより有効に利用できるという観点から好ましい。
(3)プロピレンオキサイドの製造方法(第三の発明)
本発明の第三の発明に係るプロピレンオキサイドの製造方法は、下記の工程を含む製造方法である。
プロパン脱水素工程(3):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
エポキシ化工程(3):触媒(5)の存在下に、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによりプロピレンオキサイド及び水を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(3)で得られたプロピレンである工程
プロピレン回収工程(3):エポキシ化工程(3)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(3)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(3)へリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程(3):エポキシ化工程(3)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
本発明の第三の発明におけるプロパン脱水素工程(3)は、プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程であり、第一の発明において説明したプロパン脱水素工程(1)と同様である。
本発明の第三の発明においては、下記の分離工程(5)を含むことが好ましい。
分離工程(5):プロパン脱水素工程(3)で得られたプロピレンを分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(3)へリサイクルする工程。
プロパン脱水素工程(3)では、水素が副生する場合があり、このような場合、分離工程(5)においては、該水素は、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分のいずれの区分に含まれるように分離してもよく、また、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とは別に、水素を主として含む区分として分離してもよい。
プロパン脱水素工程(3)において、水素が副生する場合、該水素は、燃焼燃料として用いることができる。特に、プロパン脱水素工程(3)で原料であるプロパンの予熱や脱水素反応の反応温度制御で必要な加熱用の燃焼燃料源として利用することが好ましい。加熱用の燃焼燃料源として利用する方法としては、例えば、水素燃焼用バーナーを有した燃焼炉を用いて、プロパン脱水素工程(3)の反応原料を予熱する方法、触媒(5)の充填された反応層を燃焼炉内に設置して反応層を加熱する方法が挙げられる。また、別の方法としては、プロパン脱水素工程(3)で生成した水素と所定量の酸素を混合して、触媒下で燃焼させる方法等が挙げられる。
本発明の第三の発明においては、プロパン脱水素工程(3)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程であることが好ましく、下記の分離工程(6)を含むことが更に好ましい。
分離工程(6):プロパン脱水素工程(3)で得られたプロピレン及び水素を分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分と、水素を主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(3)へリサイクルする工程
また、本発明の第三の発明において、プロパン脱水素工程(3)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である場合、プロパン脱水素工程(3)で必要な加熱用の燃焼燃料源の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(3)で得られる水素を用いるものであることが好ましい。また、不純物として分離される炭化水素も燃焼燃料として用いてよい。
本発明の第三の発明におけるエポキシ化工程(3)は、触媒(5)の存在下に、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによりプロピレンオキサイド及び水を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(3)で得られたプロピレンである工程であり、反応条件及び装置については、第一の発明において説明したエポキシ化工程(1)と同様であり、触媒(5)としては、触媒(1)として例示したものと同じものを挙げることができる。
エポキシ化工程(3)で用いられる過酸化水素を製造する方法としては、酸素と水素とを反応させて生成する方法が例示できる。過酸化水素は不安定な物質として一般的に知られている。このため、本発明では後述する過酸化水素製造工程をプロセス内に設置して製造することが過酸化水素の安全、安定供給の観点から好ましい。さらに、プロパン脱水素工程(3)において、水素が副生する場合、後述する過酸化水素製造工程で用いられる水素の少なくとも一部が分離工程(6)で得られる水素であることが、水素の有効利用の観点から好ましい。
本発明の第三の発明におけるプロピレン回収工程(3)は、エポキシ化工程(3)における未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程(3)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(3)へリサイクルする工程であり、反応条件及び装置については、第一の発明において説明したプロピレン回収工程(1)と同様である。
本発明の第三の発明におけるプロピレンオキサイド精製工程(3)は、エポキシ化工程(3)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程であり、反応条件及び装置については、第一の発明において説明したプロピレンオキサイド精製工程(1)と同様である。
(4)プロピレンオキサイドの製造方法(第四の発明)
本発明の第四の発明に係るプロピレンオキサイドの製造方法は、下記の工程を含む製造方法である。
プロパン脱水素工程(4):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
過酸化水素製造工程:酸素と水素とを反応して過酸化水素を得る工程
エポキシ化工程(4):触媒(6)の存在下に、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによりプロピレンオキサイド及び水を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(4)で得られたプロピレンである工程
プロピレン回収工程(4):エポキシ化工程(4)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(4)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(4)へリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程(4):エポキシ化工程(4)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
本発明の第四の発明における過酸化水素製造工程は、酸素と水素とを反応して過酸化水素を得る工程である。酸素と水素を反応して過酸化水素を得る方法は、例えば、特開昭63−156005号公報、特開平9−235108号公報、特開平10−7408等に記載の方法等を挙げることができる。
本発明の第四の発明におけるプロパン脱水素工程(4)は、プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程であり、第一の発明において説明したプロパン脱水素工程(1)と同様である。
本発明の第四の発明においては、下記の分離工程(7)を含むことが好ましい。
分離工程(7):プロパン脱水素工程(4)で得られたプロピレンを分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(4)へリサイクルする工程。
プロパン脱水素工程(4)では、水素が副生する場合があり、このような場合、分離工程(7)においては、該水素は、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分のいずれの区分に含まれるように分離してもよく、また、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とは別に、水素を主として含む区分として分離してもよい。
プロパン脱水素工程(4)において、水素が副生する場合、該水素は、燃焼燃料として用いることができる。特に、プロパン脱水素工程(4)で原料であるプロパンの予熱や脱水素反応の反応温度制御で必要な加熱用の燃焼燃料源として利用することが好ましい。加熱用の燃焼燃料源として利用する方法としては、例えば、水素燃焼用バーナーを有した燃焼炉を用いて、プロパン脱水素工程(4)の反応原料を予熱する方法、触媒(6)の充填された反応層を燃焼炉内に設置して反応層を加熱する方法が挙げられる。また、別の方法としては、プロパン脱水素工程(4)で生成した水素と所定量の酸素を混合して、触媒下で燃焼させる方法等が挙げられる。
本発明の第四の発明においては、プロパン脱水素工程(4)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程であることが好ましく、下記の分離工程(8)を含むことが更に好ましい。
分離工程(8):プロパン脱水素工程(4)で得られたプロピレン及び水素を分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分と、水素を主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(4)へリサイクルする工程
また、本発明の第四の発明において、プロパン脱水素工程(4)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である場合、プロパン脱水素工程(4)で必要な加熱用の燃焼燃料源の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(4)で得られる水素を用いるものであることが好ましい。また、不純物として分離される炭化水素も燃焼燃料として用いてよい。
また、本発明の第四の発明において、プロパン脱水素工程(4)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である場合、過酸化水素製造工程で酸素との反応に用いる水素の少なくとも一部が分離工程(8)で得られる水素であることが、水素の有効利用の観点から好ましい。
本発明の第四の発明におけるプロピレン回収工程(4)は、エポキシ化工程(4)における未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程(4)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(4)へリサイクルする工程であり、反応条件及び装置については、第一の発明において説明したプロピレン回収工程(1)と同様である。
本発明の第四の発明におけるプロピレンオキサイド精製工程(4)は、エポキシ化工程(4)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程であり、反応条件及び装置については、第一の発明において説明したプロピレンオキサイド精製工程(1)と同様である。
次に本発明を実施例により説明する。簡単のため、主要反応のみを量論的に説明するが、実際のプロセスにおいては当業者が必要に応じた収率、選択率で実施すればよい。
[実施例1]
プロパン脱水素工程(1)にプロパンを含む原料を供給し、プロピレンを含む混合物(101)を得る。
次に、プロピレンを含む混合物(101)を分離工程(1)にて分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分(102)と未反応のプロパンを主として含む区分(103)に分離し、未反応のプロパンを主として含む区分(103)はプロパン脱水素工程へリサイクルする。
有機ハイドロパーオキサイドを含む液(104)とプロピレンを主として含む区分(102)はエポキシ化工程(1)へ送り、触媒(1)の存在下に有機ハイドロパーオキサイドに対して過剰量のプロピレンのモル比にて反応をおこない、プロピレンオキサイドとアルコールを含むエポキシ反応液(105)を得る。
エポキシ反応液(105)は、プロピレン回収工程(1)で未反応のプロピレン(106)を回収した後、プロピレン回収後の反応液(107)としてプロピレンオキサイド精製工程(1)へ送られる。
プロピレン回収工程で回収される未反応のプロピレン(106)は分離工程(1)で得られたプロピレンを主として含む区分(102)の一部と合流させて、再びエポキシ化工程に供給される。
プロピレンオキサイド精製工程では、理論的にエポキシ反応で生成したアルコールとプロピレンオキサイドを分離する他、溶液中に存在する溶媒や副生成物も分離し、製品品質を満足するプロピレンオキサイドが得られる。
[実施例2]
プロパン脱水素工程(2)にプロパンを含む原料を供給し、プロピレンを含む混合物(201)を得る。
次に、プロピレンを含む混合物(201)を分離工程(4)にて分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分(202)と未反応のプロパンを主として含む区分(203)と水素を含む区分(208)に分離し、未反応のプロパンを主として含む区分(203)はプロパン脱水素工程(2)へリサイクルする。得られる水素を含む区分(208)の一部に酸素を加えてプロパン脱水素工程(2)の加熱のための燃焼燃料として用いる。得られるプロピレンを主として含む区分(202)の一部をアルキル化工程(2)へ送り、触媒(2)の存在下に1モルのプロピレンと1モルのベンゼンを反応させ、1モルのクメンを合成する。
得られるクメン(209)はリサイクルクメン(210)と合流して酸化工程へ送り、空気酸化によりクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液(204)を得る。
得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液(204)と前記プロピレンを主として含む区分(202)の残りはエポキシ化工程(2)へ送り、触媒(3)の存在下にクメンハイドロパーオキサイドに対して過剰量のプロピレンのモル比にて反応をおこない、1モルのプロピレンと反応して1モルのプロピレンオキサイドと1モルのクミルアルコールを生成する。
プロピレンオキサイドとクミルアルコールを含むエポキシ反応液(205)は、プロピレン回収工程(2)で未反応のプロピレン(206)を回収した後、プロピレン回収後の反応液(207)としてプロピレンオキサイド精製工程(2)へ送られる。
プロピレン回収工程(2)で回収された未反応のプロピレン(206)は分離工程(4)で得られるプロピレンを主として含む区分(202)の一部と合流させて、再びエポキシ化工程(2)に供給される。
プロピレンオキサイド精製工程(2)では、理論的にエポキシ反応で等モル生成したクミルアルコールとプロピレンオキサイドを分離する他、溶液中に存在するクメンや副生成物も分離し、製品品質を満足するプロピレンオキサイドが得られる。
一方、分離されたクミルアルコールおよびクメンを主とする液(211)は、水素化工程に送られる。
水素化工程では、触媒(4)の存在下にクミルアルコールに対して過剰量の水素モル比にてクミルアルコール1モルと水素1モルを用いて、クメン1モルを生成する。このとき、水素として分離工程(4)で得られる水素を含む区分(208)の一部を精製して用いる。得られるクメンは、水素化工程に送られる液(211)中に含まれるクメンと区別なくリサイクルクメン(210)となる。一方各工程で副反応等により失われたクメンに相当する量は、アルキル化工程で生成したクメンにより補われる。
[実施例3]
プロパン脱水素工程(3)にプロパンを含む原料を供給し、プロピレンを含む混合物(301)を得る。
次に、プロピレンを含む混合物(301)を分離工程(6)にて分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分(302)と未反応のプロパンを主として含む区分(303)と水素を含む区分(308)に分離し、未反応のプロパンを主として含む区分(303)はプロパン脱水素工程(3)へリサイクルする。得られる水素を含む区分(308)に酸素を加えてプロパン脱水素工程(3)の加熱のための燃焼燃料として用いる。過酸化水素を含む液(304)をプロパンを主として含む区分(303)とともにエポキシ化工程(3)へ送り、触媒(5)の存在下に過酸化水素に対して過剰量のプロピレンのモル比にて反応をおこない、1モルのプロピレンと反応して1モルのプロピレンオキサイドと1モルの水を生成する。
プロピレンオキサイドと水を含むエポキシ反応液(305)は、プロピレン回収工程で未反応のプロピレン(306)を回収した後、プロピレン回収後の反応液(307)としてプロピレンオキサイド精製工程(3)へ送られる。
プロピレン回収工程(3)で回収される未反応のプロピレン(306)は分離工程(6)で得られるプロピレンを主として含む区分(302)の一部と合流させて、再びエポキシ化工程(3)に供給される。
プロピレンオキサイド精製工程(3)では、理論的にエポキシ反応で等モル生成する水とプロピレンオキサイドを分離する他、溶液中に存在する副生成物や溶媒も分離し、製品品質を満足するプロピレンオキサイドが得られる。
[実施例4]
プロパン脱水素工程(4)にプロパンを含む原料を供給し、プロピレンを含む混合物(401)を得る。
次に、プロピレンを含む混合物(401)を分離工程(8)にて分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分(402)と未反応のプロパンを主として含む区分(403)と水素を含む区分(408)に分離し、未反応のプロパンを主として含む区分(403)はプロパン脱水素工程(4)へリサイクルする。得られる水素を含む区分(408)の一部に酸素を加えてプロパン脱水素工程(4)の加熱のための燃焼燃料として用いる。過酸化水素製造工程では、水素と酸素を触媒の存在下に反応し、過酸化水素を含む反応液(404)を得る。このとき、水素として分離工程(8)で得られる水素を含む区分(408)の一部を精製して用いる。過酸化水素を含む反応液(404)を必要に応じて精製し、プロピレンを主として含む区分(402)とともにエポキシ化工程(4)へ送り、触媒(6)の存在下に過酸化水素に対して過剰量のプロピレンのモル比にて反応をおこない、1モルのプロピレンと反応して1モルのプロピレンオキサイドと1モルの水を生成する。
プロピレンオキサイドと水を含むエポキシ反応液(405)は、プロピレン回収工程で未反応のプロピレン(406)を回収した後、プロピレン回収後の反応液(407)としてプロピレンオキサイド精製工程(4)へ送られる。
プロピレン回収工程(4)で回収される未反応のプロピレン(406)は分離工程(8)で得られるプロピレンを主として含む区分(402)の一部と合流させて、再びエポキシ化工程(4)に供給される。
プロピレンオキサイド精製工程(4)では、理論的にエポキシ反応で等モル生成する水とプロピレンオキサイドを分離する他、溶液中に存在する副生成物や溶媒も分離し、製品品質を満足するプロピレンオキサイドが得られる。
このようにして、プロピレンが不足する環境に左右されること無く、プロピレンの供給を外部から受けなくても、従来燃料として用いられていたプロパンを原料として合理的にプロピレンオキサイドを製造することができる。
(101) プロピレンを含む混合物
(102) プロピレンを主として含む区分
(103) 未反応のプロパンを主として含む区分
(104) 有機ハイドロパーオキサイドを含む液
(105) プロピレンオキサイドとアルコールを含むエポキシ反応液
(106) 未反応プロピレン
(107) プロピレン回収後の反応液
(201) プロピレンを含む混合物
(202) プロピレンを主として含む区分
(203) 未反応のプロパンを主として含む区分
(204) クメンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液
(205) プロピレンオキサイドとクミルアルコールを含むエポキシ反応液
(206) 未反応プロピレン
(207) プロピレン回収後の反応液
(208) 水素を含む区分
(209) アルキル化工程で得られるクメン
(210) リサイクルクメン
(211) クミルアルコールおよびクメンを主とする液
(301) プロピレンを含む混合物
(302) プロピレンを主として含む区分
(303) 未反応のプロパンを主として含む区分
(304) 過酸化水素を含む液
(305) プロピレンオキサイドと水を含むエポキシ反応液
(306) 未反応プロピレン
(307) プロピレン回収後の反応液
(308) 水素を含む区分
(401) プロピレンを含む混合物
(402) プロピレンを主として含む区分
(403) 未反応のプロパンを主として含む区分
(404) 過酸化水素を含む液
(405) プロピレンオキサイドと水を含むエポキシ反応液
(406) 未反応プロピレン
(407) プロピレン回収後の反応液
(408) 水素を含む区分

Claims (22)

  1. 下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法。
    プロパン脱水素工程(1):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
    エポキシ化工程(1):触媒(1)の存在下に、プロピレンと有機ハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルコールを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(1)で得られたプロピレンである工程
    プロピレン回収工程(1):エポキシ化工程(1)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(1)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(1)へリサイクルする工程
    プロピレンオキサイド精製工程(1):エポキシ化工程(1)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
  2. 下記の工程を含む請求項1に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
    分離工程(1):プロパン脱水素工程(1)で得られたプロピレンを分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(1)へリサイクルする工程
  3. プロパン脱水素工程(1)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である請求項1に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  4. 下記の工程を含む請求項3に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
    分離工程(2):プロパン脱水素工程(1)で得られたプロピレン及び水素を分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分と、水素を主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(1)へリサイクルする工程
  5. プロパン脱水素工程(1)で必要な加熱用の燃焼燃料源の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(1)で得られる水素を用いるものである請求項3または4に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  6. 下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法。
    プロパン脱水素工程(2):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
    アルキル化工程:触媒(2)の存在下に、ベンゼンとプロピレンとを反応させることによりクメンを得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンである工程
    酸化工程:クメンを酸化してクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液を得る工程
    エポキシ化工程(2):触媒(3)の存在下に、プロピレンと酸化反応液中のクメンハイドロパーオキサイドとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを含むエポキシ反応液を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンである工程
    プロピレン回収工程(2):エポキシ化工程(2)における未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程(2)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(2)へリサイクルする工程
    プロピレンオキサイド精製工程(2):エポキシ化工程(2)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
    水素化工程:触媒(4)の存在下に、エポキシ化工程(2)で得たクミルアルコールを水素化することによりクメンを得、該クメンを酸化工程の原料の少なくとも一部として酸化工程へリサイクルする工程
  7. 下記の工程を含む請求項6に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
    分離工程(3):プロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレンを分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(2)へリサイクルする工程
  8. プロパン脱水素工程(2)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である請求項6に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  9. 下記の工程を含む請求項8に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
    分離工程(4):プロパン脱水素工程(2)で得られたプロピレン及び水素を分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分と、水素を主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(2)へリサイクルする工程
  10. プロパン脱水素工程(2)で必要な加熱用の燃焼燃料源の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られる水素を用いるものである請求項8または9に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  11. 水素化工程で用いる水素の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(2)で得られる水素である請求項8〜10いずれかに記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  12. 下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法。
    プロパン脱水素工程(3):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
    エポキシ化工程(3):触媒(5)の存在下に、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによりプロピレンオキサイド及び水を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(3)で得られたプロピレンである工程
    プロピレン回収工程(3):エポキシ化工程(3)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(3)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(3)へリサイクルする工程
    プロピレンオキサイド精製工程(3):エポキシ化工程(3)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
  13. 下記の工程を含む請求項12に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
    分離工程(5):プロパン脱水素工程(3)で得られたプロピレンを分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(3)へリサイクルする工程
  14. プロパン脱水素工程(3)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である請求項12に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  15. 下記の工程を含む請求項14に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
    分離工程(6):プロパン脱水素工程(3)で得られたプロピレン及び水素を分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分と、水素を主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(3)へリサイクルする工程
  16. プロパン脱水素工程(3)で必要な加熱用の燃焼燃料源の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(3)で得られる水素を用いるものである請求項14または15に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  17. 下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法。
    プロパン脱水素工程(4):プロパンを脱水素してプロピレンを得る工程
    過酸化水素製造工程:酸素と水素とを反応して過酸化水素を得る工程
    エポキシ化工程(4):触媒(6)の存在下に、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによりプロピレンオキサイド及び水を得る工程であって、プロピレンの少なくとも一部がプロパン脱水素工程(4)で得られたプロピレンである工程
    プロピレン回収工程(4):エポキシ化工程(4)における未反応のプロピレンを回収し、該プロピレンをエポキシ化工程(4)の原料の少なくとも一部としてエポキシ化工程(4)へリサイクルする工程
    プロピレンオキサイド精製工程(4):エポキシ化工程(4)で得られたプロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製されたプロピレンオキサイドを得る工程
  18. 下記の工程を含む請求項17に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
    分離工程(7):プロパン脱水素工程(4)で得られたプロピレンを分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(4)へリサイクルする工程
  19. プロパン脱水素工程(4)がプロパンを脱水素してプロピレン及び水素を得る工程である請求項17に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  20. 下記の工程を含む請求項19に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
    分離工程(8):プロパン脱水素工程(4)で得られたプロピレン及び水素を分離操作に付し、プロピレンを主として含む区分と、プロパンを主として含む区分と、水素を主として含む区分とに分離し、プロパンを主として含む区分をプロパン脱水素工程(4)へリサイクルする工程
  21. プロパン脱水素工程(4)で必要な加熱用の燃焼燃料源の少なくとも一部がプロパン脱水素工程(4)で得られる水素を用いるものである請求項19または20に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
  22. 過酸化水素製造工程で酸素との反応に用いる水素の少なくとも一部が分離工程(7)で得られる水素を主として含む区分である請求項20または21に記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
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