JP2011213802A - 液晶ポリエステル粉体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微粒で、フィブリル状物が生じ難い液晶ポリエステル粉体を製造する。
【解決手段】溶融重縮合により流動開始温度が240〜300℃である液晶ポリエステルを得る工程(1)と、前記液晶ポリエステルを厚さが1cm以上の状態で固化させて、固化物を得る工程(2)と、前記固化物を粉砕して、体積平均粒径が3〜30μmである粉体(A)を得る工程(3)と、前記粉体(A)を熱処理して、前記液晶ポリエステルの流動開始温度より高い流動開始温度を有する粉体(B)を得る工程(4)とにより、液晶ポリエステル粉体を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】溶融重縮合により流動開始温度が240〜300℃である液晶ポリエステルを得る工程(1)と、前記液晶ポリエステルを厚さが1cm以上の状態で固化させて、固化物を得る工程(2)と、前記固化物を粉砕して、体積平均粒径が3〜30μmである粉体(A)を得る工程(3)と、前記粉体(A)を熱処理して、前記液晶ポリエステルの流動開始温度より高い流動開始温度を有する粉体(B)を得る工程(4)とにより、液晶ポリエステル粉体を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶ポリエステル粉体を製造する方法に関する。
液晶ポリエステルは、溶融流動性に優れ、耐熱性や機械強度も高いことから、薄肉部を有する成形体や複雑な形状を有する成形体を製造するための射出成形材料として好ましく用いられている。また、近年、比較的大型の成形体を製造するためのプレス成形材料として、微粒の液晶ポリエステル粉体を用いることが検討されている(例えば特許文献1参照)。
液晶ポリエステル粉体は、溶融重縮合により液晶ポリエステルを得、固化させた後、粉砕することにより得られるが、液晶ポリエステルの流動開始温度があまり高いと、耐熱性や機械強度は高いが、微粒に粉砕し難いという問題がある。このような問題を解決するため、例えば、特許文献2には、流動開始温度が200〜270℃と低い液晶ポリエステルを粉砕することにより、平均粒径が0.5〜50μmの微粒の液晶ポリエステル粉体が得られることが開示されており、粉砕後に熱処理して、流動開始温度を高めることにより、耐熱性や機械強度を高めることも開示されている。
特許文献1に記載の方法によれば、微粒での液晶ポリエステル粉体が得られるが、フィブリル状物が生じ易く、プレス成形に適さないことがある。そこで、本発明の目的は、微粒で、フィブリル状物が生じ難い液晶ポリエステル粉体を製造しうる方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、溶融重縮合により流動開始温度が240〜300℃である液晶ポリエステルを得る工程(1)と、前記液晶ポリエステルを厚さが1cm以上の状態で固化させて、固化物を得る工程(2)と、前記固化物を粉砕して、体積平均粒径が3〜30μmである粉体(A)を得る工程(3)と、前記粉体(A)を熱処理して、前記液晶ポリエステルの流動開始温度より高い流動開始温度を有する粉体(B)を得る工程(4)とを有する液晶ポリエステル粉体の製造方法を提供する。
本発明によれば、微粒で、フィブリル状物が生じ難い液晶ポリエステル粉体を得ることができる。
本発明が製造の対象とする液晶ポリエステル粉末を構成する液晶ポリエステルは、溶融時に光学異方性を示し、450℃以下の温度で異方性溶融体を形成するポリエステルである。そして、液晶ポリエステルとしては、下記式(1)で表される構造単位(以下、構造単位(1)ということがある)と、下記式(2)で表される構造単位(以下、構造単位(2)ということがある)と、下記式(3)で表される構造単位(以下、構造単位(3)ということがある)とを有し、Ar1、Ar2及びAr3の合計個数に占める2,6−ナフタレンジイル基の個数の割合が、40%以上である液晶ポリエステルが、誘電損失が小さいことから、好ましい。また、この液晶ポリエステルは、分子鎖が高い剛直性を有するため、微粉砕によりフィブリル状物が生じ易いが、本発明の方法によれば、これを効果的に抑制することができる。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−O−Ar3−O−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−O−Ar3−O−
(Ar1は、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基又は4,4’−ビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基又は4,4’−ビフェニリレン基を表す。Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基で置換されていてもよい。)
ここで、前記ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基が挙げられ、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいし、環状であってもよい。また、前記アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
液晶ポリエステル中、Ar1、Ar2及びAr3の合計個数に占める2,6−ナフタレンジイル基の個数の割合を、40%以上とすることにより、液晶ポリエステルの誘電損失を低くすることができる。この割合は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。
液晶ポリエステル中、構造単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位であり、その含有量は、全構造単位の合計量に対して、好ましくは30〜80モル%、より好ましくは40〜70モル%、さらに好ましくは45〜65モル%である。また、構造単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位であり、その含有量は、全構造単位の合計量に対して、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは15〜30モル%、さらに好ましくは17.5〜27.5モル%である。また、構造単位(3)は、所定の芳香族ジオールに由来する構造単位であり、その含有量は、全構造単位の合計量に対して、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは15〜30モル%、さらに好ましくは17.5〜27.5モル%である。また、構造単位(2)の含有量と構造単位(3)の含有量とは、実質的に等しいことが好ましい。
耐熱性が高く、誘電損失が小さい液晶ポリエステルの典型的な例では、構造単位(1)として、Ar1が2,6−ナフタレンジイル基であるもの、すなわち2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位の含有量が、全構造単位の合計量に対して、好ましくは40〜74.8モル%、より好ましくは40〜64.5モル%、さらに好ましくは50〜58モル%であり、構造単位(2)として、Ar2が2,6−ナフタレンジイル基であるもの、すなわち2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する構造単位の含有量が、全構造単位の合計量に対して、好ましくは12.5〜30モル%、より好ましくは17.5〜30モル%、さらに好ましくは20〜25モル%であり、また構造単位(2)として、Ar2が1,4−フェニレン基であるもの、すなわちテレフタル酸に由来する構造単位の含有量が、全構造単位の合計量に対して、好ましくは0.2〜15モル%、より好ましくは0.5〜12モル%、さらに好ましくは2〜10モル%であり、構造単位(3)として、Ar3が1,4−フェニレン基であるもの、すなわちハイドロキノンに由来する構造単位の含有量が、全構造単位の合計量に対して、好ましくは12.5〜30モル%、より好ましくは17.5〜30モル%、さらに好ましくは20〜25モル%であり、かつ、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する構造単位の含有量が、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する構造単位及びテレフタル酸に由来する構造単位の合計量に対して、好ましくは0.5モル倍以上、より好ましくは0.6モル倍以上である。
本発明の液晶ポリエステル粉末の製造方法は、典型的には、まず、仕込み工程で、粉体状の原料モノマーを仕込んだ後、アシル化工程に移行し、この原料モノマーをアシル化してエステル形成性誘導体に転換する。このように、後述する溶融重縮合に先立って原料モノマーをアシル化する方法が、操作が簡便であるため、好ましい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジカルボン酸のような、カルボキシル基を有するモノマーのエステル形成性誘導体としては、当該カルボキシル基が、ポリエステルを生成する反応を促進するように、酸塩化物、酸無水物等の反応活性の高い基になっているものや、当該カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するようにアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているもの等が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジオール等のような、フェノール性ヒドロキシル基を有するモノマーのエステル形成性誘導体としては、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、フェノール性ヒドロキシル基がカルボン酸類とエステルを形成しているもの等が挙げられる。
これらの中でも液晶ポリエステルをより簡便に製造するうえでは、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジオールといったフェノール性ヒドロキシル基を有するモノマーとを、脂肪酸無水物でアシル化してエステル形成性誘導体(アシル化物)とした後、このアシル化物のアシル基と、カルボキシル基を有するモノマーのカルボキシル基とがエステル交換を生じるようにして重合させ、液晶ポリエステルを製造する方法が特に好ましい。
このような液晶ポリエステルの製造方法は、例えば、特開2002−220444号公報または特開2002−146003号公報に記載されている。
アシル化においては、フェノール性ヒドロキシル基に対して、脂肪酸無水物の使用量が1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、1.05〜1.1倍当量であると、より好ましい。脂肪酸無水物の使用量が1.0倍当量未満では、重合時にアシル化物や原料モノマーが昇華して反応系が閉塞しやすくなる傾向があり、また、1.2倍当量を超える場合には、得られる液晶ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
アシル化は、130〜180℃で5分〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分〜3時間反応させることがより好ましい。
アシル化に使用される脂肪酸無水物は、価格と取扱性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸またはこれらから選ばれる2種以上の混合物が好ましく、特に好ましくは、無水酢酸である。
次いで、溶融重縮合工程(1)に移行し、溶融重縮合によって流動開始温度が240〜300℃である液晶ポリエステルを調製する。
このとき、アシル化に続く溶融重縮合は、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行うことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行うことがより好ましい。
また、溶融重縮合においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
アシル化および/または溶融重縮合の際には、ル・シャトリエ‐ブラウンの法則(平衡移動の原理)により、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸や未反応の脂肪酸無水物は蒸発させる等して系外へ留去することが好ましい。
なお、アシル化や溶融重縮合においては触媒の存在下に行ってもよい。こうした触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属塩触媒、N,N―ジメチルアミノピリジン、N―メチルイミダゾール等の有機化合物触媒を挙げることができる。
ただし、金属を含む触媒は半導電性樹脂ベルトを製造する際の電気特性に影響することが大きいため、前記の触媒の中でも、N,N―ジメチルアミノピリジン、N―メチルイミダゾール等の窒素原子を2個以上含む複素環状化合物が好ましく使用される(例えば、特開2002−146003号公報参照)。
この触媒は、通常、原料モノマーの投入時に一緒に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、触媒を除去しない場合には、アシル化からそのまま溶融重縮合に移行することができる。
この溶融重縮合工程(1)で得られる低重合度の液晶ポリエステルは、反応容器からの排出性(抜き出しやすさ)を考慮し、流動開始温度が300℃以下であることが必要である。好ましくは240〜300℃であり、より好ましくは250〜280℃である。溶融重縮合反応後の液晶ポリエステルの流動開始温度をこのような範囲にすると、該液晶ポリエステルを機械粉砕することにより、より容易に液晶ポリエステル粒子を製造できる傾向がある。また、溶融重縮合反応後に反応釜から液晶ポリエステルを抜出する際の作業性が良好になるという利点もある。
ここでいう流動開始温度とは、フローテスターによる溶融粘度の評価において、9.8MPa(100kg/cm2)の圧力下で液晶ポリエステルの溶融粘度が4800Pa・s以下になる温度をいう。なお、この流動開始温度とは、液晶ポリエステルの分子量の目安として当業者には周知のものである(例えば、小出直之編「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」第95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。
その後、冷却・固化工程(2)に移行し、液晶ポリエステルを冷却して固化させる。
このとき、固化後の厚さが1cm以上(例えば、2cm)になるように液晶ポリエステルを反応容器から取り出す。すると、液晶ポリエステルの分子鎖の配向度を低下させることができるため、その後の機械粉砕によりフィブリル状物とならない。
次に、粗粉砕工程(3−1)に移行し、液晶ポリエステルを所定の粒径(例えば、0.2〜3.0mm)になるまで粗粉砕する。この粗粉砕は、乾式であっても湿式であってもよい。
さらに、微粉砕工程(3−2)に移行し、液晶ポリエステルを所定の粒径(例えば、3〜30μm)になるまで微粉砕する。この微粉砕は、乾式であっても湿式であってもよい。すると、所定の粒径を有するプレポリマーの粉末(A)が得られる。
このような粗粉砕と微粉砕とを用いた好適な粉砕処理に関して説明する。粗粉砕では、溶融重縮合反応後の塊状の液晶ポリエステルを、体積平均粒径0.2〜3.0mm程度の粗粉砕粒子とする。かかる粗粉砕には、例えば、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー、粗砕カッター等を用いる方法が適用できるが、中でも粗砕カッター型粉砕機を用いることが好ましい。
微粉砕の方法としては、ロッドミル、ボールミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、パンミル、ローラミル、インパクトミル、円盤形ミル、攪拌摩砕ミル、流体エネルギーミル、ジェットミル等を用いる方法が挙げられるが、中でもジェットミルを用いると好適である。
このように、粗粉砕工程(3−1)および微粉砕工程(3−2)の2段階で液晶ポリエステルの粉砕作業が行われるため、所定の粒径に揃えられたプレポリマーを短時間で得ることができる。
次いで、熱処理工程(4)に移行し、このプレポリマーの粉末(A)を固相重合させて固形状ポリマーの粉末(B)を調製する。
すなわち、粉砕後の液晶ポリエステルを、例えば、窒素等の不活性ガスの雰囲気下、反応温度240〜320℃で、5分〜30時間固相状態で加熱処理するという操作により実施できる。好ましい反応温度は260〜310℃であり、より好ましくは270〜300℃である。加熱処理後の液晶ポリエステルの流動開始温度は、310℃以上であると好ましい。液晶ポリエステルの流動開始温度が310℃以上であると、液晶ポリエステル粒子から得られる成形体が、耐熱性及び機械強度がともに優れたものとなる。特に、該成形体を電気・電子用部品等に使用する際、このような部品がはんだリフロー等のプロセスに曝露されたとしても、ブリスター等の膨れ状欠陥が生じ難くなる傾向がある。
上述した熱処理工程(4)では、液晶ポリエステル粉末を構成している粒子同士が付着したり、また熱による融着が一部で生じたりして、液晶ポリエステル粉末の平均粒径が大きくなってしまう場合がある。その場合、そのままでは、最終的に得られる液晶ポリエステル粉末の平均粒径も大きくなってしまい、微細な液晶ポリエステル粉末を得ることが困難となるおそれがある。
これに対し、本発明では、このような熱処理後の液晶ポリエステル粉末(B)に対し、粒子同士の付着や融着を解く解砕処理を行い、微粉砕工程(3b)と同等以下の平均粒径を有するように処理することにより、微細な液晶ポリエステル粉末(C)を得ることができる。これにより、微細な液晶ポリエステル粉末(C)を得ることが容易となる。
最後に、解砕工程(5)における解砕処理は、微粉砕工程(3−2)における液晶ポリエステル粉末(A)の調製と同様にして行うことができる。例えば、液晶ポリエステル粉末(B)に対して機械粉砕を行うことが好ましく、この粉砕処理にかかるコストや生産性の観点から、ジエットミルを用いた粉砕方法が好適である。
このとき、プレポリマーは、固相重合によって所望の重合度(流動開始温度)に到達する。したがって、流動開始温度が310℃以上、且つ体積平均粒径が0.5〜30μmの液晶ポリエステル粉末(C)を工業的に製造することが可能となる。
次に、上記改質液晶ポリエステル粉体と充填剤とを用いてなる液晶ポリエステル組成物について説明する。該充填剤の使用量は、目的とする用途にもよるが、改質液晶ポリエステル粉体と充填剤の合計容量に対して、充填剤が20容量%以上であると好ましく、充填剤が25容量%以上であるとさらに好ましい。また、大型成形体を製造する際の成形性、特に成形板をプレス成形で製造する際の成形性を良好にする観点から、充填剤は改質液晶ポリエステル粉体と充填剤の合計容量に対して、40容量%以下であると好ましい。
かかる充填剤としては、繊維状、粉粒状、板状の無機及び有機の充填剤を配合することができる。繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、炭素繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸炭素繊維、ウォラストナイトの如き珪酸塩の繊維、硫酸マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属からなる繊維状物等の無機質繊維状物質が挙げられる。
一方、粉粒状充填剤としてはカーボンブラック、黒鉛、シリカ、ポーラスシリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、誘電体セラミック粉末、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル酸化物、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化珪素、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、鉄、ニッケル等の各種金属粉末及びそれらの金属を含有する合金粉末等が挙げられる。
また、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、タルク、板状アルミナ、各種の金属箔等が挙げられる。
有機充填剤の例を示せば芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリマー繊維、芳香族ポリアミド、ポリイミド繊維等の耐熱性高強度合成繊維である。また、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機質繊維状物質も使用することができる。
これらの無機及び有機充填剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。繊維状充填剤と粒状又は板状充填剤との併用は、特に機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合わせである。
なお、前記に例示した充填剤において、改質液晶ポリエステル粉末との混合性を向上させる観点から、該充填剤の体積平均粒径も、0.5〜50μm程度が好ましく、1〜30μmがより好ましい。
本発明においては、かかる充填剤により各種の機能を大型成形体に付与することができ、該充填剤は、目的とする機能によって選択する。例えば、成形体に機械強度を付与する目的では、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウム繊維等の繊維状充填剤やマイカ、ガラスフレーク、タルク、板状アルミナ等の板状充填剤が挙げられ、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、タルクがより好ましい。
成形体に磁性を付与する目的では、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト、鉄、ニッケル等の各種金属粉末及びそれらの合金粉末が挙げられ、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、鉄、ニッケル等の各種金属粉末及びそれらの金属を含有する合金粉末がより好ましい。
成形体に熱伝導性を付与する目的では、上記例示の中でもアルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、窒化珪素、酸化珪素、炭化硅素、窒化硼素、金属粉末又は金属の酸化物を用いることができる。
また、成形体に誘電特性を付与する目的では、高誘電材料又は低誘電材料からなる充填剤(以下、これらを総じて「誘電性充填剤」と呼ぶこともある)を用いればよく、高誘電材料からなる充填剤としては、上記例示の中でも、比誘電率100以上の誘電体セラミック粉末、より具体的には、チタン、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、カリウム、カルシウム、ジルコニウム、スズ、ネオジウム、ビスマス、サマリウム、リチウム、タンタルからなる郡より選ばれる少なくとも1種類の金属を含む誘電体セラミック粉末が挙げられる。
一方、低誘電材料からなる充填剤としては、いわゆる中空体からなる充填剤や低誘電樹脂であるフッ素樹脂からなる充填剤が挙げられる。
次に、上記の液晶ポリエステル粉末と充填剤を含む液晶ポリエステル組成物を用いてなる成形体、特に該液晶ポリエステル組成物を、プレス成形して得られる成形体について説明する。なお、本発明の液晶ポリエステル組成物には、含有される充填剤に係る所望の効果を損なわない範囲であれば、充填剤以外の添加剤を混合することも可能である。かかる添加剤を混合する場合、液晶性ポリマー以外の樹脂を混合することもできるし、公知のカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤等を混合することもできる。
次に、プレス成形の成形条件について説明する。プレス成形時の加工温度(Tp)は液晶ポリエステル組成物の流動開始温度、すなわち該液晶ポリエステル組成物にある液晶ポリエステルの流動開始温度に対し以下の関係を満たす条件下で加工することが好ましい。
(流動開始温度−10)[℃] ≦ Tp ≦ (流動開始温度+100)[℃]
(流動開始温度−10)[℃] ≦ Tp ≦ (流動開始温度+100)[℃]
加工温度(Tp)が(流動開始温度−10)[℃]より低い場合には、液晶ポリエステル組成物が溶融せず、十分な強度を有する成形体を得ることが困難となる傾向がある。また加工温度(Tp)が(流動開始温度+100)[℃]より高い場合は、液晶ポリエステル自体が熱分解により劣化する傾向がある。
プレス成形時の圧力は、得られる成形体の反りを低減するといった観点から400kgf/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは200kgf/cm2以下、更に好ましくは100kgf/cm2である。また、プレス成形時における最高温度での保持時間としては、1〜180分であることが加工性と生産性の観点から好ましく、5〜120分であることがより好ましい。
プレス成形は真空中や不活性ガス(窒素等)雰囲気下で実施しても構わない。
本発明によれば、比較的大型の成形体を得たとき、充填剤の分散性に優れるために成形板の特性バラツキを良好に防止することが可能である。かかる成形体は、液晶ポリエステル組成物の成形加工法として広く利用されている射出成形法では実現困難な、例えば250×250mmサイズの大型成形体板も作製可能である。
また、本発明に適用する液晶ポリエステル組成物は種々の大型成形体を得ることを可能とするが、比較的形状の小さな成形体や、フィルム状成形体に加工することもできる。更に、プレス成形に係る金型を種々変更することにより、例えば、円筒形状、四角形状、歯車や軸受け等の機械部品の形状等、任意形状に加工できるし、一旦シート形状に成形した成形体から所望の形状に切り出して加工することもできる。
前記のように、充填剤の分散性に優れた成形体は、電気・電子部品の部材に好適であり、かかる部品の一例として回路基板について説明する。該回路基板は、成形体に導体層を形成することで製造することができ、導体層を形成する手段としては、銅箔等の金属箔を成形体に熱プレスにより貼り合わせる方法、接着剤を介して金属箔を貼り合わせる方法等が、当該分野で広範に使用されている手段が用いられる。
また、成形体にスパッタリング法やイオンプレーティング、真空蒸着法、無電解めっき等で導体層を形成する方法等も利用してもよい。さらに、上記に例示した方法に導体層を形成した後、電解めっき等を用いて導体層を積層させてもよい。また、導体層を形成する前に成形体表面と導体層との密着性を上げる目的で、紫外線処理、プラズマ処理、コロナ処理、酸アルカリ処理、サンドブラスト処理等の各種の表面処理を成形体に行っても構わない。
このようにして導体層を形成した後、各種の用途に応じて任意の回路形成が可能であり、回路形成により前記のアンテナ基板やプリント配線板を製造することができる。
本発明の成形体は前記のとおり、とりわけ電気・電子部品に係る部材に好適に使用できるが、他の用途に適用してもよい。具体的には、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、コンピュータ関連部品等の電気・電子部品はもとより、VTR、テレビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具等の家庭電気製品部品;ランプリフレクター、ランプホルダー等の照明器具部品;コンパクトディスク、レーザーディスク、スピーカー等の音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電話機部品、ファクシミリ部品、モデム等の通信機器部品;分離爪、ヒータホルダー等の複写機、印刷機関連部品;インペラー、ファン歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース等の機械部品;自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品等の自動車部品;マイクロ波調理用鍋、耐熱食器等の調理用器具;床材、壁材等の断熱、防音用材料、梁、柱等の支持材料、屋根材等の建築資材、又は土木建築用材料;航空機、宇宙機、宇宙機器用部品;原子炉等の放射線施設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、膜、医療用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、サニタリー備品、スポーツ用品、レジャー用品等にも、用いることができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。測定方法ないし評価方法は以下のとおりである。
〔粉体の体積平均粒径〕
粉体を、分散剤(花王(株)製の“エマルゲン”:ノニオン界面活性剤)を数十ppm程度溶解させた水に分散させて、レーザー回折式粒度分布測定機((株)セイシン企業製の“LMS−30”)を用いて測定した。
粉体を、分散剤(花王(株)製の“エマルゲン”:ノニオン界面活性剤)を数十ppm程度溶解させた水に分散させて、レーザー回折式粒度分布測定機((株)セイシン企業製の“LMS−30”)を用いて測定した。
実施例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ハイドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰仕込み)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87g(12.0モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間にわたって攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度(145℃)を保持したまま1時間にわたって攪拌した。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ハイドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰仕込み)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87g(12.0モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間にわたって攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度(145℃)を保持したまま1時間にわたって攪拌した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度(310℃)で3時間保温して液晶ポリエステルを、厚みが2cmとなるように溶融状態でバットの中に取り出した。こうして得られた液晶ポリエステルを室温程度まで冷却し、固化させ、竪型粉砕機((株)セイシン企業製の“オリエントVM−16”)で粉砕して、体積平均粒径が約0.5mmの粗粉砕粉体の液晶ポリエステル(プレポリマー)を得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度を測定したところ266℃であり、280℃以上の温度では溶融状態で光学異方性を示した。
次いで、粗粉砕粉体の液晶ポリエステルを、ジェットミル((株)セイシン企業製の“STJ−200”)を用い、ノズル圧0.7MPa、粉砕処理量3.0kg/hrの条件で微粉砕したところ、体積平均粒径8.4μmの液晶ポリエステル粉体(A)を得た。得られた液晶ポリエステル粉体(A)を走査電子顕微鏡により観察したところ、粒子状であった。
得られた液晶ポリエステル粉体(A)を窒素雰囲気下に、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、次いで250℃から292℃まで7時間かけて昇温し、さらに292℃に到達した後、同温度で5時間加熱するといった熱処理を行った。熱処理後の液晶ポリエステル粉体(B)を冷却して取り出した後、ジェットミル((株)セイシン企業製の“STJ−200”)を用い、ノズル圧0.7MPaの条件で解砕処理した結果、体積平均粒径8.4μm、流動開始温度325℃の液晶ポリエステル粉体(C)が得られた。得られた液晶ポリエステル粉体(C)を走査電子顕微鏡により観察したところ、粒子状であった。
比較例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ハイドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰仕込み)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87g(12.0モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間にわたって攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度(145℃)を保持したまま1時間にわたって攪拌した。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ハイドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰仕込み)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87g(12.0モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間にわたって攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度(145℃)を保持したまま1時間にわたって攪拌した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度(310℃)で3時間保温して液晶ポリエステルを、厚みが0.2cmとなるように溶融状態でバットの中に取り出した。こうして得られた液晶ポリエステルを室温程度まで冷却し、固化させ、竪型粉砕機((株)セイシン企業製の“オリエントVM−16”)で粉砕して、体積平均粒径が約0.1〜1mmの粗粉砕粉体の液晶ポリエステル(プレポリマー)を得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度を測定したところ266℃であり、280℃以上の温度では溶融状態で光学異方性を示した。
次いで、粗粉砕粉体の液晶ポリエステルを、ジェットミル((株)セイシン企業製の“STJ−200”)を用い、ノズル圧0.7MPa、粉砕処理量4.0kg/hrの条件で微粉砕したところ、液晶ポリエステル粉体(A’)を得た。得られた液晶ポリエステル粉体(A’)を走査電子顕微鏡により観察したところ、フィブリル状であった。
得られた液晶ポリエステル粉体(A’)を窒素雰囲気下に、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、次いで250℃から292℃まで7時間かけて昇温し、さらに292℃に到達した後、同温度で5時間加熱するといった熱処理を行った。熱処理後の液晶ポリエステル粉体(B’)を冷却して取り出した後、ジェットミル((株)セイシン企業製の“STJ−200”)を用い、ノズル圧0.7MPaの条件で解砕処理した結果、体積平均粒径8.8μm、流動開始温度320℃の液晶ポリエステル粉体(C’)が得られた。得られた液晶ポリエステル粉体(C’)を走査電子顕微鏡により観察したところ、フィブリル状であった。
Claims (10)
- 溶融重縮合により流動開始温度が240〜300℃である液晶ポリエステルを得る工程(1)と、前記液晶ポリエステルを厚さが1cm以上の状態で固化させて、固化物を得る工程(2)と、前記固化物を粉砕して、体積平均粒径が3〜30μmである粉体(A)を得る工程(3)と、前記粉体(A)を熱処理して、前記液晶ポリエステルの流動開始温度より高い流動開始温度を有する粉体(B)を得る工程(4)とを有する液晶ポリエステル粉体の製造方法。
- 前記工程(3)を、ジェットミルを用いる機械粉砕により行う請求項1に記載の製造方法。
- 前記粉体(B)を解砕して、前記粉体(A)の体積平均粒径以下の体積平均粒径を有する粉体(C)を得る工程(5)をさらに有する請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記工程(5)を、ジェットミルを用いる機械粉砕により行う請求項3に記載の製造方法。
- 前記液晶ポリエステル粉体を構成する液晶ポリエステルが、下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)で表される構造単位と、下記式(3)で表される構造単位とを有し、Ar1、Ar2及びAr3の合計個数に占める2,6−ナフタレンジイル基の個数の割合が、40%以上である液晶ポリエステルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−O−Ar3−O−
(Ar1は、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基又は4,4’−ビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基又は4,4’−ビフェニリレン基を表す。Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基で置換されていてもよい。) - 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られる液晶ポリエステル粉体と、充填剤とを含む組成物。
- 前記充填剤の含有量が、前記液晶ポリエステル粉体及び充填剤の合計容量に対して、20容量%以上である請求項6に記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られる液晶ポリエステル粉体を、プレス成形してなる成形体。
- 請求項6又は7に記載の組成物を、プレス成形してなる成形体。
- 請求項8又は9に記載の成形体に、導体回路層を形成してなる回路基板。
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