JP5396764B2 - 液晶ポリエステル粒子及びその成形体 - Google Patents
液晶ポリエステル粒子及びその成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5396764B2 JP5396764B2 JP2008193203A JP2008193203A JP5396764B2 JP 5396764 B2 JP5396764 B2 JP 5396764B2 JP 2008193203 A JP2008193203 A JP 2008193203A JP 2008193203 A JP2008193203 A JP 2008193203A JP 5396764 B2 JP5396764 B2 JP 5396764B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- crystal polyester
- particles
- polyester particles
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
かかる状況下、本発明の目的は、大型成形体、特に大型の成形板を製造する際、厚み精度に優れた成形板を得ることができる液晶ポリエステル粒子、該液晶ポリエステル粒子と充填剤とを含む液晶ポリエステル樹脂組成物及びこれらを用いてなる成形体を提供するものである。
すなわち本発明は、以下の<1>を提供するものである。
<1>液晶ポリエステルからなる不定形粒子を高速気流中衝撃法で球形化してなる、改質液晶ポリエステル粒子。
ここで、球形化処理を行う前の液晶ポリエステルからなる不定形粒子(以下、「液晶ポリエステル粒子」という)とは通常、重縮合等で得られる塊状の液晶ポリエステルを機械粉砕して得られるものであり、本発明に使用する好適な液晶ポリエステル粒子に関しては後述する。
<2>体積平均粒径が0.5〜50μmの範囲である、<1>の改質液晶ポリエステル粒子。
<3>安息角が48°以下である、<1>又は<2>の改質液晶ポリエステル粒子。
<4>前記液晶ポリエステルが、流動開始温度が280℃以上の液晶ポリエステルである、<1>〜<3>のいずれかの改質液晶ポリエステル粒子。
<5><1>〜<4>のいずれかの改質液晶ポリエステル粒子と、充填剤とを含んでなり、改質液晶ポリエステル粒子と充填剤の合計量に対して、充填剤が20容量%以上である液晶ポリエステル樹脂組成物。
<6><1>〜<4>のいずれかの改質液晶ポリエステル粒子又は<5>の液晶ポリエステル樹脂組成物をプレス成形することにより得られる成形体。
<7><6>の成形体に導体回路層を形成してなる回路基板。
<8>液晶ポリエステルからなる不定形粒子を高速気流中衝撃法で球形化する、改質液晶ポリエステル粒子の製造方法。
<9>前記液晶ポリエステルからなる不定形粒子が安息角48°を越える粒子であり、球形化後の改質液晶ポリエステル粒子が安息角48°以下の粒子である、<8>の改質液晶ポリエステル粒子の製造方法。
まず、改質液晶ポリエステル粒子の製造用として使用する液晶ポリエステルからなる不定形粒子に関し、好適な実施態様を説明する。
液晶ポリエステル粒子を構成する液晶ポリエステルは、光学的異方性を有する溶融相を形成する(液晶特性を示すもの)ポリエステルであり、好ましくは、芳香環がエステル結合(−CO−O−又は−O−CO−)により連結してなる全芳香族ポリエステルである。また、該全芳香族ポリエステルのエステル結合の一部がアミド結合(−CO−NH−又は−NH−CO−)に置き換わった全芳香族ポリ(エステル−アミド)も本発明に適用する液晶ポリエステルとして使用することができる。このような全芳香族ポリエステル又は全芳香族ポリ(エステル−アミド)は、得られる成形体(成形板)の機械強度や耐熱性をより良好とする点で好ましい。
(I)芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位、芳香族ジカルボン酸由来の構造単位および芳香族ジオール由来の構造単位の組み合わせからなるもの
(II)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位からなるもの
(III)芳香族ジカルボン酸由来の構造単位と芳香族ジオール由来の構造単位との組み合わせからなるもの
(IV)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの
(V)(I)の芳香族ジオール由来の構造単位の一部または全部を、フェノール性水酸基を有する芳香族アミン由来の構造単位及び/又は芳香族ジアミン由来の構造単位に置き換えたもの
(VI)(I)又は(V)の芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位の一部を、芳香族アミノカルボン酸由来の構造単位に置き換えたもの
等が挙げられる。
なお、液晶ポリエステルを製造する際には、上記構造単位を誘導する芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ジアミン及びフェノール性水酸基を有する芳香族アミンは、そのエステル形成性誘導体やアミド形成性誘導体にしてから使用してもよい。
(1)パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位と、4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位と、テレフタル酸由来の構造単位と、イソフタル酸由来の構造単位とからなる全芳香族液晶ポリエステル
(2)パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位と、ハイドロキノン由来の構造単位と、4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位と、テレフタル酸由来の構造単位と、2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位とからなる全芳香族液晶ポリエステル
(3)パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位と、ハイドロキノン由来の構造単位と、テレフタル酸由来の構造単位と、2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位とからなる全芳香族液晶ポリエステル
(4)2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位と、パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位と、4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位と、テレフタル酸由来の構造単位とからなる全芳香族液晶ポリエステル
(5)2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位と、4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位と、2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位とからなる全芳香族液晶ポリエステルマー
(6)2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位と、ハイドロキノン由来の構造単位と、テレフタル酸由来の構造単位と、2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位とからなる全芳香族液晶ポリエステル
(7)2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位と、2,6−ジヒドロキシナフタレン由来の構造単位と、2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位とからなる全芳香族液晶ポリエステル
(8)2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位と、2,6−ジヒドロキシナフタレン由来の構造単位と、テレフタル酸由来の構造単位と、2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位とからなる全芳香族液晶ポリエステル
(9)パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位及び2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル
を挙げることができる。
まず、上記構造単位を誘導する化合物のエステル形成性誘導体、アミド形成性誘導体について説明する。
かかる化合物がカルボキシル基を有するものである場合、そのエステル形成性・アミド形成性誘導体とは、例えば、該カルボキシル基が、エステル生成反応又はアミド生成反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物となっているもの、該カルボキシル基が、エステル交換・アミド交換反応によりポリエステル又はポリアミドを生成するように、アルコール類やエチレングリコール等とエステルを形成しているものを挙げることができる。また、フェノール性水酸基を有する化合物のエステル形成性・アミド形成性誘導体としては、例えば、エステル交換・アミド交換反応により、ポリエステル又はポリアミドを生成するように、フェノール性水酸基が、カルボン酸類とエステルを形成しているものを挙げることができる。またアミノ基を有する化合物のエステル形成性・アミド形成性誘導体としては、例えば、エステル交換・アミド交換反応によりポリエステル又はポリアミドを生成するように、アミノ基が、カルボン酸類とアミドを形成しているものが挙げられる。
重縮合反応後の液晶ポリエステルは、その流動開始温度を200〜270℃とすることが好ましい。重縮合反応後の液晶ポリエステルの流動開始温度をこのような範囲にすると、重縮合反応後に反応釜から液晶ポリエステルを抜出する際の作業性が良好となる。なお、流動開始温度とは、内径1mm、長さ10mmのダイスを取付けた毛細管型レオメーターを用い、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下において昇温速度4℃/分で液晶ポリエステルをノズルから押出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度であり、当該分野で周知の液晶ポリエステルの分子量を表す指標である(例えば、小出直之編、「液晶性ポリマー合成・成形・応用−」、95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。上記の製造方法においては、エステル交換・アミド交換による重縮合反応の条件をコントロールすることで、好適な流動開始温度の液晶ポリエステルを得ることができる。
なお、粗粉砕後の粗粒子の体積平均粒径は、後述する微粉砕後の液晶ポリエステル粒子の平均粒径測定と同じようにしてレーザー回折式粒度分布計を用いて測定してもよいし、篩いを用いた平均粒径測定により求めてもよい。
微粉砕後の液晶ポリエステル粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計を用い、水を測定溶媒として求められるものである。また、レーザー回折式粒度分布計に用いる測定溶媒(水)に適当な分散剤を添加してもよい。
また、微粉砕の方法としては、ロッドミル、ボールミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、パンミル、ローラミル、インパクトミル、円盤形ミル、攪拌摩砕ミル、流体エネルギーミル、ジェットミル等を用いる方法が挙げられる。粗粉砕、微粉砕の粉砕条件は上述の好適な平均粒径の粒子が得られるようにして、用いる粉砕機の種類により適宜最適化されるが、湿式粉砕では液晶ポリエステルが加水分解するおそれがあるため、乾式で粉砕を行うことが好ましい。
なお、粗粉砕においては、上述のように平均粒径0.5〜5mm程度まで粉砕を行うが、かかる平均粒径の粗粒子とするのは、次工程の微粉砕の取扱い性を良好にするためであり、微粉砕に使用する粉砕機に容易に搬送できる程度の平均粒径を目安とすればよい。微粉砕は、例えば、ジエット粉砕機を使用する場合には、ノズル圧を0.5〜1MPaにし、0.5kg/Hr以上の処理速度で行うことが生産性の観点から好ましい。また、粗粉砕及び微粉砕に係る処理温度は25℃程度の室温で行うと、粉砕処理の作業性が良好となるので好ましい。
上記のようにして得られた液晶ポリエステル粒子は、機械粉砕により不定形粒子となっている。このような不定形の液晶ポリエステル粒子は高速気流中衝撃法により球形化される。
かかる高速気流中衝撃法による球形化処理は例えば、奈良機械製作所(株)製ハイブリダイゼーションシステム(NHS−1型)を用いることにより実施できる。このシステムは樹脂の塑性変形性を利用し、衝撃打撃力で不定形粒子を球形状にすることが可能である。
図1は、このハイブリダイゼーションシステムの構成を模式的に表す断面図である。ハイブリダイゼーションシステムは、リング状空間からなる衝撃室(リング状衝撃室)中で微小粒子材料に回転衝撃を与えて、該微小粒子材料を球形化するものであり、当該システムは試料投入口1、排出口2(排出弁2a)、ステーター3、循環回路4、高速回転するロータ5、ブレード6から構成されている。そして、ステーター3には熱媒又は冷媒を循環できるジャケット7を備えている。
液晶ポリエステル粒子は、試料投入口1からリング状衝撃室に供給される。するとロータ5の回転によりリング状衝撃室中の液晶ポリエステル粒子は、高速で衝撃室内を回転しながら飛散し、その間、ステーター3の表面とブレード6に衝突する。衝突した液晶ポリエステル粒子は衝突室に開口している循環回路4の一端口からその管内に入り循環した後、他端口から再び衝突室内に導入される。このようにして、回転衝突はロータ5の回転にしたがって多数回続けられ、所望の球形状となるまで続行される。
かかる高速気流中衝撃法により、当初不定形であった液晶ポリエステル粒子は球形化され、改質された液晶ポリエステル粒子(改質液晶ポリエステル粒子)が形成される。そして、得られた改質液晶ポリエステル粒子は排出口2から衝撃室外に排出される。
次に、上記改質液晶ポリエステル粒子と充填剤とを用いてなる液晶ポリエステル樹脂組成物について説明する。
該充填剤の使用量は、目的とする用途にもよるが、改質液晶ポリエステル粒子と充填剤の合計量に対して、充填剤が20容量%以上であると好ましく、充填剤が25容量%以上であるとさらに好ましい。また、大型成形体を製造する際の成形性、特に成形板をプレス成形で製造する際の成形性を良好にする観点から、充填剤は改質液晶ポリエステル粒子と充填剤の合計量に対して、40容量%以下であると好ましい。
繊維状充填剤としてはガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、炭素繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸炭素繊維、ウォラストナイトの如き珪酸塩の繊維、硫酸マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属からなる繊維状物等の無機質繊維状物質が挙げられる。
一方、粒子状充填剤としてはカーボンブラック、黒鉛、シリカ、ポーラスシリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、誘電体セラミック粉末、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル酸化物、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化珪素、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、鉄、ニッケル等の各種金属粉末及びそれらの金属を含有する合金粉末、等が挙げられる。
また、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、タルク、板状アルミナ、各種の金属箔等が挙げられる。
有機充填剤の例を示せば芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリマー繊維、芳香族ポリアミド、ポリイミド繊維等の耐熱性高強度合成繊維である。また、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用することができる。
これらの無機充填剤及び有機充填剤は1種を使用してもよく、2種以上を併用することもできる。
なお、前記に例示した充填剤において、改質液晶ポリエステル粒子との混合性を向上させる観点から、該充填剤の体積平均粒径も0.5〜50μm程度が好ましく、1〜40μmがより好ましい。
例えば、成形体に機械強度を付与する目的では、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウム繊維等の繊維状充填剤やマイカ、ガラスフレーク、タルク、板状アルミナ等の板状充填剤が挙げられ、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、タルクがより好ましい。
成形体に磁性を付与する目的では、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト、鉄、ニッケル等の各種金属粉末及びそれらの合金粉末、が挙げられ、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、鉄、ニッケル等の各種金属粉末及びそれらの金属を含有する合金粉末がより好ましい。
成形体に熱伝導性を付与する目的では、上記例示の中でもアルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、窒化珪素、酸化珪素、炭化硅素、窒化硼素、金属粉末又は金属の酸化物を用いることができる。
一方、低誘電材料からなる充填剤としては、いわゆる中空体からなる充填剤や低誘電樹脂であるフッ素樹脂からなる充填剤が挙げられる。
本発明の改質液晶ポリエステル粒子は充填剤を使用しないで、成形体を得ることもできるが、改質液晶ポリエステル粒子と充填剤とを含む液晶ポリエステル樹脂組成物を用いたプレス成形が、得られる成形体中にある充填剤の分散性を良好にするという好適な効果を奏する。ここでは、この液晶ポリエステル樹脂組成物をプレス成形して得られる成形体について詳述する。なお、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物には、含有される充填剤に係る所望の効果を損なわない範囲であれば、充填剤以外の添加剤を混合することも可能である。かかる添加剤としては、液晶ポリエステル以外の樹脂を混合することもできるし、公知のカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤等を混合することもできる。
(流動開始温度−10)[℃] ≦ Tp ≦ (流動開始温度+100)[℃]
加工温度(Tp)が(流動開始温度−10)[℃]より低い場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物が溶融し難くなって、十分な強度を有する成形体を得ることが困難になる傾向がある。また加工温度(Tp)が(流動開始温度+100)[℃]より高い場合は、液晶ポリエステル自体が熱分解により劣化するおそれがある。
該回路基板は、成形板に導体層を形成することで製造することができ、導体層を形成する手段としては、銅箔などの金属箔を成形体に熱プレスにより貼り合わせる方法、接着剤を介して金属箔を貼り合わせる方法等が、当該分野で広範に使用されている手段が用いられる。
また、成形板にスパッタリング法やイオンプレーティング、真空蒸着法、無電解めっきなどで導体層を形成してもよい。さらに、上記に例示した方法により導体層を形成した後、電解めっき等を用いて導体層をさらに積層させてもよい。また、導体層を形成する前に成形板表面と導体層との密着性を上げる目的で、紫外線処理、プラズマ処理、コロナ処理、酸アルカリ処理、サンドブラスト処理等の各種の表面処理を成形板に行っても構わない。
このようにして導体層を形成した後、各種の用途に応じて任意の回路形成が可能であり、回路形成により前記のアンテナ基板やプリント配線板を製造することができる。
具体的には、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、コンピュータ関連部品等の電気・電子部品はもとより、
VTR、テレビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具等の家庭電気製品部品;
ランプリフレクター、ランプホルダー等の照明器具部品;
コンパクトディスク、レーザーディスク、スピーカー等の音響製品部品;
光ケーブル用フェルール、電話機部品、ファクシミリ部品、モデム等の通信機器部品;
分離爪、ヒータホルダー等の複写機、印刷機関連部品;
インペラー、ファン歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース等の機械部品;
自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品等の自動車部品;
マイクロ波調理用鍋、耐熱食器等の調理用器具;
床材、壁材などの断熱、防音用材料、梁、柱などの支持材料、屋根材等の建築資材、または土木建築用材料;
航空機、宇宙機、宇宙機器用部品;
原子炉等の放射線施設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、膜、医療用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、サニタリー備品、スポーツ用品、レジャー用品等にも、用いることができる。
粗粉砕後の粒子(粗粉砕粒子)、微粉砕後の液晶ポリエステル粒子及び改質液晶ポリエステル粒子の平均粒径は、測定溶媒として分散剤(花王(株)製ノニオン界面活性剤エマルゲン)を数十ppm程度溶解させた水を用いて、レーザー回折式粒径分布測定を行い、体積平均粒径を求めた。なお、レーザー回折式粒度分布測定機には、(株)セイシン企業製LMS−30を使用した。
粉体計測機(ホソカワミクロン社製、商品名「パウダーテスターPT−E」)を用い、この装置のスタンドに、サンプルロートを乗せ、さらに目開き250μmの標準篩を重ね、固定後、振動させ、サンプルロートを通じ、直径8cmの円形テーブル上に改質液晶ポリエステル粒子を落下させ、トナーの山を形成させた後、この山の稜線が明瞭になる程度に振動させた。その後、山の稜線と水平線との角度をレーザー光で測定し、この角度を安息角とした。
図2に示すプレス成形板中9箇所の厚みをマイクロメータにて測定した。測定された9箇所全ての厚み結果に基づき、統計的に平均値と標準偏差を算出した。この標準偏差の値が小さいものほど厚み精度が良好であると判定される。
図2に示すプレス成形板中9箇所の比誘電率をインピーダンスアナライザー(HP製4291A)を用い、測定周波数1GHz、測定温度25℃、測定湿度50%RHの条件で測定した。測定された9箇所全ての比誘電率結果に基づき、統計的に平均値と標準偏差を算出した。標準偏差の値が小さいものほど成形板中にある充填剤の分散性が良好であると判定される。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸 911g(6.6モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 409g(2.2モル)、テレフタル酸 274g(1.65モル)、イソフタル酸91g(0.55モル)及び無水酢酸 1235g(12.1モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて300℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、溶融状態で内容物をバットの中に取り出して冷却した。得られた液晶ポリエステルの収量は1430gであった。室温程度まで冷却した液晶ポリエステルをセイシン企業製・オリエントVM−16竪型粉砕機で、その平均粒径が1mm以下になるまで粗粉砕した。粗粉砕後の粗粒子の流動開始温度を測定したところ252℃であり、280℃以上の温度では溶融状態で光学異方性を示した。この粗粉砕後の粗粒子の体積平均粒径は197μmであった。
製造例1で得られた液晶ポリエステル粒子を、奈良機械製作所(株)製のNHS−1型にて球形化処理した結果、平均粒径7.9μmの改質液晶ポリエステル粒子が得られた。この改質液晶ポリエステル粒子の安息角は46°であった。また、この改質液晶ポリエステル粒子の流動開始温度を測定したところ、328℃であり、球形化処理前の液晶ポリエステル粒子と同等であった。この改質液晶ポリエステル粒子の外観を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した写真(倍率:5000倍)を図4に示す。球形化処理前の液晶ポリエステル粒子に比して、球形化されたことを確認した。
実施例1で得られた改質液晶ポリエステル粒子を、表1に示す割合でチタン酸ストロンチウム(ST:富士チタン工業(株)製 数平均粒径1μm)とブレンドした後、プレス機を用いて表1に示す加工条件にてプレス成形を行い、成形板(寸法サイズ;150mm×150mm×1mm)を得た。次いで、得られた成形板の厚み、比誘電率の評価を行った。厚み及び比誘電率の結果を表2に示す。
製造例1で得られた液晶ポリエステル粒子を、表1に示す割合でチタン酸ストロンチウム(ST:富士チタン工業(株)製 数平均粒径1μm)とブレンドした後、プレス機を用いて表1に示す加工条件にてプレス成形を行い、成形板(寸法サイズ;150mm×150mm×1mm)を得た。次いで、得られた成形板の厚み、比誘電率の評価を行った。厚み及び比誘電率の結果を表2に示す。
6;ブレード6、7;ジェケット
Claims (9)
- 液晶ポリエステルからなる不定形粒子を高速気流中衝撃法で球形化する、改質液晶ポリエステル粒子の製造方法。
- 前記改質液晶ポリエステル粒子の体積平均粒径が0.5〜50μmの範囲である、請求項1記載の改質液晶ポリエステル粒子の製造方法。
- 前記改質液晶ポリエステル粒子の安息角が48°以下である、請求項1又は2に記載の改質液晶ポリエステル粒子の製造方法。
- 前記液晶ポリエステルの流動開始温度が280℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の改質液晶ポリエステル粒子の製造方法。
- 前記液晶ポリエステルからなる不定形粒子の安息角が48°を越える、請求項1〜4のいずれかに記載の改質液晶ポリエステル粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により改質液晶ポリエステル粒子を得、前記改質液晶ポリエステル粒子と、充填剤とを、前記改質液晶ポリエステル粒子と前記充填剤の合計量に対して、前記充填剤が20容量%以上になるように、混合する、液晶ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により改質液晶ポリエステル粒子を得、前記改質液晶ポリエステル粒子をプレス成形する、成形体の製造方法。
- 請求項6記載の製造方法により液晶ポリエステル樹脂組成物を得、前記液晶ポリエステル樹脂組成物をプレス成形する、成形体の製造方法。
- 請求項7又は8に記載の製造方法により成形体を得、前記成形体に導体回路層を形成する、回路基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008193203A JP5396764B2 (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 液晶ポリエステル粒子及びその成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008193203A JP5396764B2 (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 液晶ポリエステル粒子及びその成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010031104A JP2010031104A (ja) | 2010-02-12 |
JP5396764B2 true JP5396764B2 (ja) | 2014-01-22 |
Family
ID=41735976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008193203A Active JP5396764B2 (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 液晶ポリエステル粒子及びその成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5396764B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010077397A (ja) * | 2008-08-25 | 2010-04-08 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 液晶ポリエステル粒子及びそれを用いる改質液晶ポリエステル粒子の製造方法 |
TW201211123A (en) * | 2010-03-24 | 2012-03-16 | Sumitomo Chemical Co | Liquid composition and metal base circuit substrate |
US11001046B2 (en) | 2015-06-29 | 2021-05-11 | Toray Industries, Inc. | Polybutylene terephthalate resin powder mixture |
CA2984474A1 (en) * | 2015-06-29 | 2017-01-05 | Toray Industries, Inc. | Polyester resin powder mixture |
JP6913523B2 (ja) * | 2017-06-13 | 2021-08-04 | 住友化学株式会社 | 芳香族ポリエステル粒子および芳香族ポリエステル粒子の製造方法 |
CN113166433B (zh) | 2018-12-06 | 2023-04-04 | 宝理塑料株式会社 | 压制成形品用粉状液晶性树脂、压制成形品及其制造方法 |
WO2020166644A1 (ja) | 2019-02-15 | 2020-08-20 | 住友化学株式会社 | フィルム及び積層体 |
JP2022190608A (ja) * | 2021-06-14 | 2022-12-26 | Eneos株式会社 | フィブリル状液晶ポリマー粒子の製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02119926A (ja) * | 1988-10-28 | 1990-05-08 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 熱可塑性粒子の連続球形化方法 |
JPH06102731B2 (ja) * | 1989-04-21 | 1994-12-14 | 工業技術院長 | サーモトロピック液晶性ポリエステル微小球状体 |
JP3390863B2 (ja) * | 1997-12-01 | 2003-03-31 | 株式会社奈良機械製作所 | 複合固体粒子とその製造方法 |
JP2008075063A (ja) * | 2006-08-22 | 2008-04-03 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 液晶性ポリマー成形体 |
-
2008
- 2008-07-28 JP JP2008193203A patent/JP5396764B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010031104A (ja) | 2010-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5396764B2 (ja) | 液晶ポリエステル粒子及びその成形体 | |
US8178646B2 (en) | Method for producing liquid-crystalline polyester powder | |
JP2008075063A (ja) | 液晶性ポリマー成形体 | |
TWI762742B (zh) | 液晶聚酯樹脂組成物及成形體 | |
TWI773853B (zh) | 液晶聚酯樹脂組成物及成形體 | |
TWI772452B (zh) | 液晶聚酯樹脂組成物及成形體 | |
JP4631272B2 (ja) | フィラー高充填樹脂組成物およびそれから得られる成形品 | |
CN103459496B (zh) | 液晶性聚酯树脂组合物及使用了该组合物的金属复合成型品 | |
WO2018056294A1 (ja) | 液晶性ポリエステル樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法 | |
JP2019006973A (ja) | 液晶性ポリエステル樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法 | |
JP6844755B1 (ja) | 液晶ポリエステル樹脂組成物、積層体、液晶ポリエステル樹脂フィルムおよびその製造方法 | |
JP2008163324A (ja) | 樹脂組成物およびそれから得られる成形品 | |
JP2019094489A (ja) | 液晶ポリエステル樹脂組成物および成形体 | |
JP2019094497A (ja) | 液晶ポリエステル樹脂組成物および成形体 | |
JP4419529B2 (ja) | 樹脂組成物、それから得られる成形品 | |
JP2004323705A (ja) | 液晶性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2010077397A (ja) | 液晶ポリエステル粒子及びそれを用いる改質液晶ポリエステル粒子の製造方法 | |
JP2011006629A (ja) | 液晶ポリエステル粉体及びその成形体 | |
WO2019221094A1 (ja) | 熱プレス成形品用粉状液晶性樹脂及び熱プレス成形品 | |
JP2010149411A (ja) | 板状成形体及びその製造方法 | |
JP5085863B2 (ja) | 液晶ポリマー組成物 | |
JP2018104527A (ja) | 液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
JP2010168576A (ja) | 液晶ポリエステル粉末及びその製造方法 | |
JP2019142225A (ja) | 3dプリンター用粉体材料、三次元造形物及びその製造方法 | |
JP2001278987A (ja) | 液晶性樹脂の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110606 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130521 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130624 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130924 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131007 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5396764 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |