JP2010149411A - 板状成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、均一な機械強度を有する大型の板状成形体を得ることができる成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】流動開始温度が315〜325℃である液晶ポリエステル粉末と充填剤とを含み、液晶ポリエステル粉末と充填剤との合計に対する充填剤の割合が20容量%以上である特定の樹脂組成物を用いることにより、充填剤を液晶ポリエステル中に均一に分散することができ、これにより均一な機械強度を有する板状成形体1を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状成形体及びその製造方法に関する。
液晶ポリエステルは、耐熱性、機械特性或いは成形加工性に優れていることから、高い特性を有するエンジニアリング材料として期待されている。また、更なる高機能化の要求に対応するため、液晶ポリエステルに充填剤を充填した樹脂組成物を用いて、様々な機能を有する成形体を得ることが試みられている。
液晶ポリエステル及び充填剤を含む樹脂組成物から成形体を製造する方法としては、この樹脂組成物から一旦ペレットを作製した後、このペレットを射出成形するという方法が広く行われている。しかしながら、このような射出成形では、複雑な形状を有する成形体を作製しやすい反面、大型の成形体を作製する場合、充填剤による所望の特性を均一に有する成形体を得るのは困難な傾向にあった。
そこで、下記特許文献1には、流動開始温度が280℃以上であり平均粒径0.5〜50μmである液晶ポリエステル(液晶ポリマー)微粉末と充填剤とを含む樹脂組成物をプレス成形して成形体を得る方法が提案されている。
特開2008−75063号公報
上述した特許文献1に記載された製造方法によれば、比較的大型の成形体を製造する場合であっても、充填剤の液晶ポリエステルへの分散性が良好であるため、均一な特性が得られる。しかしながら、このような方法であっても、大型の成形体、特に板状の成形体(板状成形体)を製造する場合に、その面方向の機械強度のばらつきを十分に小さくすることが未だ困難な場合も少なくなかった。
面方向の機械強度のばらつきが大きいと、例えば、大型の板状成形体を作製してから、これを切り出して多数の成形体を製造しようとした場合に、得られる成形体ごとに機械強度のばらつきが生じ易くなる傾向があった。そのため、従来の成形体の製造方法では、一生産ロット当たりに得られる成形体の数を向上するのが困難な傾向にあった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、均一な機械強度を有する大型の板状成形体を得ることができる成形体の製造方法、及びこれにより得られる成形体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の成形体の製造方法は、流動開始温度が315〜325℃である液晶ポリエステル粉末と充填剤とを含み、液晶ポリエステル粉末と充填剤との合計に対する充填剤の割合が20容量%以上である樹脂組成物を成形して板状成形体を得る工程を含むことを特徴とする。
上記本発明の成形体の製造方法においては、特定の流動開始温度を有する液晶ポリエステル粉末と、液晶ポリエステル粉末に対して特定割合の充填剤とを含む樹脂組成物を用いることにより、特に、大型の板状成形体を形成する場合であっても、充填剤が液晶ポリエステル中に均一に分散することができ、これによって均一に高い機械強度を有する板状成形体を得ることが可能となる。
また、本発明の製造方法で製造する板状成形体は、厚さに対する、この厚さ方向に垂直な面方向の幅の比が、少なくとも250を超えるものであると好適である。本発明によれば、このように厚さに対して幅が大きくされても、均一に高い機械強度を発揮することができる板状成形体を製造することができる。
本発明はまた、上記本発明の製造方法により得られる板状成形体を提供する。かかる本発明の板状成形体は、上述した本発明の製造方法によって得られることから、厚さに対して幅が大きいものであっても、均一に高い機械強度を有するものとなる。
さらに、本発明の板状成形体は、厚さ方向に垂直な面方向の最も長い幅が4等分されるように分割した4つの部分成形体のそれぞれの中央部での曲げ強度の値を、一方の端側の部分成形体から順にT1、T2、T3及びT4としたとき、T1、T2、T3及びT4が下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とするものであってもよい。
0.90≦(T2+T3)/(T1+T4)<1.10 (1)
このような条件を満たす板状成形体は、中央付近と端部付近とで曲げ強度のばらつきが小さいため、均一な機械強度を有するものとなる。
本発明によれば、均一な機械強度を有する大型の板状成形体を得ることができる成形体の製造方法を提供することが可能となる。また、本発明によれば、このような製造方法により得られ、厚さに対する幅が大きい形状であっても、均一に高い機械強度を有する板状成形体を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(液晶ポリエステル)
まず、液晶ポリエステル粉末を構成する液晶ポリエステルについて説明する。
本実施形態における液晶ポリエステルとは、光学的異方性を有する溶融相を形成する(すなわち、液晶特性を示す)ポリエステルを意味する。このような液晶ポリエステルとしては、芳香環がエステル結合(−CO−O−又は−O−CO−)により連結してなる全芳香族ポリエステルや、この全芳香族ポリエステルのエステル結合の一部がアミド結合(−CO−NH−又は−NH−CO−)に置き換わった全芳香族ポリ(エステル−アミド)が好ましい。このような全芳香族ポリエステル又は全芳香族ポリ(エステル−アミド)は、液晶ポリエステル粉末から得られる成形体(成形板)の機械強度や耐熱性を向上させる観点から、特に有利である。
好適な液晶ポリエステルとしては、例えば、以下の(I)〜(VI)で示される構造を有するものが挙げられる。
(I):芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位、芳香族ジカルボン酸由来の構造単位及び芳香族ジオール由来の構造単位の組み合わせからなるもの。
(II):複数種類の芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位からなるもの。
(III):芳香族ジカルボン酸由来の構造単位と芳香族ジオール由来の構造単位との組み合わせからなるもの。
(IV):ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの。
(V):(I)の芳香族ジオール由来の構造単位の一部又は全部を、フェノール性水酸基を有する芳香族アミン由来の構造単位又は芳香族ジアミン由来の構造単位に置き換えたもの。
(VI):(I)又は(V)の芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位の一部を、芳香族アミノカルボン酸由来の構造単位に置き換えたもの。
なお、上述した各構造単位に誘導される化合物である、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ジアミン又はフェノール性水酸基を有する芳香族アミンは、液晶ポリエステルを製造する際には、それらのエステル形成性誘導体やアミド形成性誘導体であってもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、パラヒドロキシ安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2―ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1―ヒドロキシ−4−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシジフェニルエーテル、2,6−ジクロロ−パラヒドロキシ安息香酸、2−クロロ−パラヒドロキシ安息香酸、2,6−ジフルオロ−パラヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジオールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、アセトキシハイドロキノン、ニトロハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2―ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,4’−ジカルボン酸、2,2’―ジフェニルプロパン−4,4’−ジカルボン酸等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族アミノカルボン酸としては、パラアミノ安息香酸、メタアミノ安息香酸、2―アミノ−6−ナフトエ酸、2―アミノ−3−ナフトエ酸、1―アミノ−4−ナフトエ酸、2−クロロ−パラアミノ安息香酸等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール性水酸基を有する芳香族アミンとしては、p−アミノフェノール、3−アミノフェノール、p−N−メチルアミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、芳香族ジアミンとしては1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
各構造単位に誘導される化合物としては、それぞれ上述したもののなかでも、耐熱性に優れる成形体が得られる点や、経済性に優れる点から、以下の化合物が好適である。すなわち、芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、パラヒドロキシ安息香酸及び/又は2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸が好ましい。芳香族ジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン及び2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジオールが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸及び2,6―ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸が好ましい。また、芳香族アミノカルボン酸としては、パラアミノ安息香酸及び/又は2―アミノ−6−ナフトエ酸が好ましい。
液晶ポリエステルとしては、特に、下記の(1)〜(9)の構造を有するものが好ましい。これらの液晶ポリエステルは、耐熱性等の特性に特に優れる傾向にあり、かかる液晶ポリエステルを用いた板状成形体によれば、例えば、回路基板に使用した場合に十分な耐熱性を有する回路基板を得ることが可能となる。
(1):パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位、テレフタル酸由来の構造単位及びイソフタル酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル。
(2):パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位、ハイドロキノン由来の構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位、テレフタル酸由来の構造単位及び2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル。
(3):パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位、ハイドロキノン由来の構造単位、テレフタル酸由来の構造単位及び2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル。
(4):2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位、パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位及びテレフタル酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル。
(5):2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位及び2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル。
(6):2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位、ハイドロキノン由来の構造単位、テレフタル酸由来の構造単位及び2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル。
(7):2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位、2,6−ジヒドロキシナフタレン由来の構造単位及び2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位からなる液全芳香族液晶ポリエステル。
(8)2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位、2,6−ジヒドロキシナフタレン由来の構造単位、テレフタル酸由来の構造単位及び2,6―ナフタレンジカルボン酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル
(9)パラヒドロキシ安息香酸由来の構造単位及び2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位からなる全芳香族液晶ポリエステル
を挙げることができる。
上述した全芳香族液晶ポリエステルのうち、その構造中に芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位を有するものは、優れた耐熱性を得る観点から、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位を、次のような割合で含むことが好ましい。すなわち、全芳香族液晶ポリエステルを構成する全ての構造単位に対し、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位を30〜70モル%の範囲で含むことが好ましく、40〜65モル%の範囲で含むことがより好ましく、50〜60モル%の範囲で含むことが更に好ましい。
また、上述した構造を有する液晶ポリエステルにおいて、その液晶性は、芳香族ジオール由来の構造単位、芳香族アミノカルボン酸由来の構造単位及び芳香族ジアミン由来の構造単位の合計と、芳香族ジカルボン酸由来の構造単位と、の共重合比率に応じて発現される。確実に液晶性を発現するポリエステルを得る観点からは、[芳香族ジオール由来の構造単位、芳香族アミノカルボン酸由来の構造単位及び芳香族ジアミン由来の構造単位の合計]/[芳香族ジカルボン酸由来の構造単位]で表される比率が、モル分率で、85/100〜100/85の範囲であることが好ましい。
このような液晶ポリエステルは、例えば、液晶ポリエステルが有している各構造単位に誘導される化合物、或いはそれらのエステル形成性誘導体又はアミド形成性誘導体(以下、これらの化合物又は誘導体をまとめて「原料化合物」という)を、液晶ポリエステルを構成する構造単位の組み合わせやそれらのモル比率に応じて適宜準備し、それらを反応させることによって得ることができる。
この液晶ポリエステルを合成する反応においては、例えば、まず、原料化合物(芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ジアミン及び芳香族アミノカルボン酸等)が有しているアミノ基又はフェノール性水酸基を脂肪酸無水物によりアシル化する。次いで、この反応により得られたアシル基と、原料化合物のうちのカルボキシル基を有している化合物におけるカルボキシル基との間で、エステル交換又はアミド交換反応を生じさせて重縮合反応を進行させる。
ここで、原料化合物のうちのエステル形成性誘導体又はアミド形成性誘導体は、次のような化合物である。すなわち、芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジカルボン酸等のカルボキシル基を有する化合物の場合、そのエステル形成性又はアミド形成性誘導体としては、例えば、これらのカルボキシル基が、エステル生成反応又はアミド生成反応を促進するような酸塩化物又は酸無水物になっている化合物や、これらのカルボキシル基が、エステル交換又はアミド交換反応によりポリエステル又はポリアミドを生成できるように、アルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成した化合物が挙げられる。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジオール等のフェノール性水酸基を有する化合物の場合、エステル形成性又はアミド形成性誘導体としては、例えば、それらのフェノール性水酸基が、エステル交換又はアミド交換反応によりポリエステル又はポリアミドを生成できるように、カルボン酸類とエステルを形成した化合物が挙げられる。また、フェノール性水酸基を有する芳香族アミン等のアミノ基を有する化合物の場合、エステル形成性又はアミド形成性誘導体としては、例えば、それらのアミノ基が、エステル交換又はアミド交換反応によりポリエステル又はポリアミドを生成できるように、カルボン酸類とアミドを形成した化合物が挙げられる。
液晶ポリエステルを得るための反応において、アシル化を生じさせるための脂肪酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸等の低級脂肪酸無水物が挙げられる。なかでも、経済性や取扱い性の観点からは、無水酢酸が好ましい。フェノール性水酸基やアミノ基をアシル化する際の脂肪酸無水物の使用量は、フェノール性水酸基及びアミノ基の合計当量に対して、1.05〜1.1倍当量とすることが好ましい。また、アシル化反応の条件は、130〜180℃で30分〜20時間とすることが好ましく、140〜160℃で1〜5時間とすることがより好ましい。
また、エステル交換又はアミド交換による重縮合反応は、130〜400℃の範囲で0.1〜50℃/分の割合で昇温させながら反応させることにより生じさせることが好ましく、150〜350℃の範囲で0.3〜5℃/分の割合で昇温させながら生じさせることがより好ましい。
このような液晶ポリエステルの製造方法において、後述するような所定の流動開始温度を有する液晶ポリエステルを得る手法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。すなわち、液晶ポリエステルを合成する重縮合反応の過程で、所定時間おきに反応物を取り出し、その都度取り出した反応物の流動開始温度の測定を行い、所定の流動開始温度が得られた時点で、例えば加熱を止める等によって重縮合反応を停止する方法が挙げられる。また、このような操作により予め反応時間と流動開始温度との相関を求めておけば、同種の材料や反応条件を適用する場合、所望の流動開始温度を得るのに要する反応時間を予測することができる。したがって、実際の合成においては、事前に求めた相関に基づいて予測された反応時間が経過した時点で反応を停止することで、所望の流動開始温度を有する液晶ポリエステルを得ることもできる。
このようにして製造される液晶ポリエステルは、その流動開始温度が315〜325℃であると、そのまま後述するような液晶ポリエステル粉末に加工する等して板状成形体の製造に用いることができる。ただし、液晶ポリエステル粉末を好適に得る観点からは、粉末化を容易化するため、重縮合反応後の粉末でない液晶ポリエステルの状態では、これよりも低い流動開始温度を有していると好ましい。具体的には、重縮合反応後の液晶ポリエステルの流動開始温度は、200〜270℃であると好ましく、230〜260℃であるとより好ましい。このような液晶ポリエステルは、上述した液晶ポリエステルの製造において、エステル交換又はアミド交換反応による重縮合反応の温度、時間等の条件を、所望とする流動開始温度が得られるように調整することによって得ることができる。
液晶ポリエステルの流動開始温度が上記の範囲であると、後述する液晶ポリエステル粉末が機械粉砕等によって得られ易くなる。また、上述した重縮合反応後に、反応釜から液晶ポリエステルを抜き出す際の作業性が良好となる傾向がある。
ここで、「流動開始温度」とは、内径1mm、長さ10mmのダイスを取付けた毛細管型レオメーターを用い、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下において昇温速度4℃/分で液晶ポリエステルをノズルから押出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度である。かかる流動開始温度は、液晶ポリエステルの分子量を表す指標とされる(例えば、小出直之編、「液晶性ポリマー合成・成形・応用−」、95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。
そして、この範囲の流動開始温度を有する液晶ポリエステルを用いて液晶ポリエステル粉末を製造する際に、後述するような固相重合を行うことで、所定の流動開始温度(例えば、315〜325℃)を有する液晶ポリエステル粉末を得ることが好ましい。
(液晶ポリエステル粉末)
本実施形態における液晶ポリエステル粉末は、液晶ポリエステルの粒子から構成される粉末である。液晶ポリエステル粉末は、0.5〜30μmの平均粒径を有すると好ましい。
上述した製造方法によって得られた液晶ポリエステルは、通常、塊状を有している。そこで、例えば、この塊状の液晶ポリエステルを機械粉砕して、平均粒径0.5〜5mm程度の粗粉砕粉を得た後、更に微粉砕を行って、平均粒径0.5〜30μm程度の微粉を得るといった2段階の粉砕を得ることにより、所望の液晶ポリエステル粉末を得ることができる。
なお、液晶ポリエステル粉末の平均粒径は、例えば、次のようにして求められる値である。まず、粗粉砕後の粒子の平均粒径は、水を測定溶媒とするレーザー回折散乱法を用いて求められる体積平均粒径としてもよく、篩いによる平均粒径測定により求められた値としてもよい。一方、微粉砕後の液晶ポリエステル粉末の平均粒径は、水を測定溶媒とするレーザー回折散乱法を用いて求められる体積平均粒径とすることが好ましい。このレーザー回折散乱法に用いる測定溶媒(水)には、適当な分散剤を添加してもよい。
粗粉砕の方法としては、例えば、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー、粗砕カッター等を用いる方法が適用できる。なかでも粗砕カッター型粉砕機を用いた方法が好ましい。
また、微粉砕の方法としては、ロッドミル、ボールミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、パンミル、ローラミル、インパクトミル、円盤形ミル、攪拌摩砕ミル、流体エネルギーミル、ジェットミル等を用いる方法が挙げられる。なかでもジェットミルを用いた方法が好適である。
ジェットミルを用いた微粉砕における粉砕においては、ノズル圧を0.5〜0.8MPa程度の範囲とすることが好ましい。また、粉砕処理速度は、ジェットミルとして、例えば(株)セイシン企業製STJ−200ジェットミルを用いた場合、2.5kg/Hr以上とすることが好ましい。このようにして微粉砕を行うことにより、上述した好適な範囲の平均粒径を有する液晶ポリエステル粉末を構成する微粉砕粒子が得られ易くなる。
微粉砕においては、微粉砕粒子を分級処理することで、所望の粒径範囲よりも過度に小さい微粉を除去してもよい。この分級処理は、例えば、コアンダ効果利用型分級機等の慣性分級機、自由渦又は半自由渦利用型分級機、強制渦利用型分級機、自由渦及び強制渦利用型分級機等の遠心分級機等を用いて好適に行うことができる。これらのなかでも、比較的多量の微粉砕粒子を分級できるといった点で、遠心分級機が好ましい。
液晶ポリエステル粉末の平均粒径は、上述のように0.5〜30μmであると好ましく、3.0〜25μmであるとより好ましく、5.0〜20μmであるとさらに好ましい。微粉砕後にこのような平均粒径を有する液晶ポリエステル粉末とすることで、充填剤との混合が有利となり、充填剤が均一に分散された成形体が得られ易くなる。また、このような平均粒径の液晶ポリエステル粉末とすれば、後述するような熱処理やその後の解砕処理を行った場合であっても、最終的に好適範囲の平均粒径を有する液晶ポリエステル粉末を得ることも容易となる。
液晶ポリエステル粉末の平均粒径が0.5μmより小さいと、後述するような熱処理において、液晶ポリエステル粉末を構成する粒子同士の熱による融着が冗長され、微細な液晶ポリエステル粉末が得られ難くなる場合がある。一方、液晶ポリエステル粉末の平均粒径が30μmを超えると、充填剤との混合性が低下し、大型の板状成形体を形成したときに、特に面方向に機械強度のばらつきが生じ易くなる傾向にある。
なお、液晶ポリエステル粉末は、上記の方法に限定されず種々の粉砕方法等によって調製することができる。例えば、粗粉砕後、微粉砕を行う二段階の方法以外にも、所望とする平均粒径が得られる限り、一段階の粉砕や、3段階以上の粉砕を行って調製してもよい。また、上述した合成方法によって得られた液晶ポリエステルが、はじめから所定範囲の平均粒径を有する粉末状であった場合は、特段の粉砕処理等を行わなくてもよい。
上述したような液晶ポリエステル粉末の製造においては、微粉砕後、得られた微粉に対して熱処理を施してもよい。この熱処理によって、粉末状態の液晶ポリエステルにおいて重合反応(固相重合)が進行し、液晶ポリエステル粉末の流動開始温度が高められる。これにより、315〜325℃の範囲内の流動開始温度を有する液晶ポリエステル粉末が得られ易くなる。この固相重合は、回文式反応装置(たとえば、イナートオーブン等)を用いて行うことができる。固相重合の際には、例えば、上述したような液晶ポリエステルを合成する際の重縮合反応と同じように、設定温度がそれぞれ異なる回文式反応装置を用い、所定時間おきに固相重合の進行を追跡することで、各設定温度における重合時間と流動開始温度との相関を予め求めておいてもよい。そうすれば、かかる相関に基づき、315〜325℃の範囲内の流動開始温度を有する液晶ポリエステル粉末を得るための固相重合の条件(重合温度、重合時間)を容易に設定することができる。
熱処理は、例えば、液晶ポリエステル粉末を、不活性気体の雰囲気下又は減圧下で加熱処理する方法や、液晶ポリエステル粉末を、ビフェニルとジフェニルエーテルの混合物やジフェニルスルホンなどの高沸点溶媒中で加熱しながら攪拌した後、使用した高沸点溶媒を除去する方法等によって行うことができる。
熱処理を不活性気体の雰囲気下で行う場合、不活性気体としては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等を用いることができる。また、かかる熱処理に使用する装置としては、例えば、乾燥機、反応機、イナートオーブン、混合機、電気炉等が挙げられる。
熱処理の温度、昇温速度や処理時間等の条件は、上述した所定範囲の流動開始温度が得られ、且つ液晶ポリエステル粉末を構成する粒子同士の融着が生じないように適宜設定することが好ましい。融着が生じると、流動開始温度の向上が妨げられる場合がある。ただし、熱処理後、融着が生じて粒径が大きくなった場合は、粒子同士の融着を解く解砕等の処理を行うことで、粒径を加熱処理前と同程度に戻して使用することもできる。かかる解砕処理としては、機械粉砕が好ましく、特に粉砕処理に係るコストや生産性の観点から、ジエットミル粉砕機を使用することが好ましい。
熱処理の温度は、150〜350℃の範囲内であると好ましく、熱処理時間は1〜20時間の範囲であると好ましい。熱処理の温度が150℃未満であると、流動開始温度の向上効果が十分に得られない傾向にあり、350℃を超えると、液晶ポリエステルの分解反応が生じるおそれがある。
上述のように、液晶ポリエステル粉末は、流動開始温度が315〜325℃であり、318〜325℃であると好ましく、320〜325℃であるとより好ましい。流動開始温度が好ましい範囲となるほど、樹脂組成物とした場合の充填剤の分散性が向上し、均一な機械強度を有する板状成形体が得られ易くなる。流動開始温度が315℃未満であると、得られる成形体がアウトガスを生じやすくなるほか、成形体がはんだリフロー等の熱処理プロセスに曝露された場合に膨れ等が生じ易くなる傾向にある。一方、325℃を超えると、成形に要する温度も高くなるため、得られる成形体の表面が局所的に変色し、外観不良が生じ易くなる傾向にある。
(樹脂組成物)
本実施形態の樹脂組成物は、上述した液晶ポリエステル粉末と、充填剤とを含有するものである。
充填剤の含有量は、液晶ポリエステル粉末と充填剤の合計100容量部に対し、充填剤が20容量%以上であり、25容量%以上であると好ましく、30容量%以上であると更に好ましい。かかる充填剤の含有量が20容量%未満であると、成形体に対する充填剤による機能が十分に付与されない傾向があり、所望の特性を有する成形体が得られにくくなる。ただし、充填剤の含有量が多すぎると、大型の成形体を製造する際の成形性、特に成形体をプレス成形により製造する際の成形性が悪くなるおそれがあることから、充填剤の含有量は、液晶ポリエステル粉末と充填剤の合計100容量部に対し、40容量部以下であることが好ましい。
充填剤としては、無機充填剤及び有機充填剤の両方が適用可能であり、その形状も繊維状、粒子状、板状のいずれであってもよい。
繊維状充填剤としては、例えば、ガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、炭素繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸炭素繊維、ウォラストナイト等の珪酸塩の繊維、硫酸マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維のほか、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属からなる繊維状物質といった無機質の繊維状物質が挙げられる。
粒子状充填剤としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、シリカ、ポーラスシリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻土、ウォラストナイト等の硅酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、誘電体セラミック粉末や、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル酸化物、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化珪素、アルミナ等の金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属の硫酸塩、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素のほか、鉄、ニッケル等の各種金属やそれらの金属を含有する合金の粉末等が挙げられる。
さらに、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、タルク、板状アルミナや、各種の金属箔等が挙げられる。
また、有機充填剤としては、芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリマー繊維、芳香族ポリアミド、ポリイミド繊維等の耐熱性高強度合成繊維が挙げられる。さらに、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用することができる。
充填剤は、少なくとも成形体の機械強度に影響し、その分散が不十分であったりすると、成形体の機械強度が均一でなくなるといった不都合を生じる。これに対し、本実施形態の樹脂組成物では、特定の流動開始温度を有する液晶ポリエステルと、特定量の充填剤とを組み合わせることから、どのような充填剤を用いても均一な分散が可能となり、均一な機械強度を有する成形体の製造が可能である。
充填剤は、成形体に付与する機能に応じて選択することが好ましい。例えば、成形体の機械強度を大きく向上させる目的では、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウム繊維等の繊維状充填剤や、マイカ、ガラスフレーク、タルク、板状アルミナ等の板状充填剤が挙げられる。なかでも、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、タルクがより好ましい。
磁性を付与する目的では、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト、鉄、ニッケル等の各種金属粉末及びそれらの合金粉末が挙げられる。なかでも、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、鉄、ニッケル等の各種金属粉末及びそれらの金属を含有する合金粉末が好ましい。
熱伝導性を付与する目的では、アルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、窒化珪素、酸化珪素、炭化硅素、窒化硼素等、金属粉末や金属の酸化物を用いることが好ましい。
誘電特性を付与する目的では、高誘電材料又は低誘電材料からなる充填剤(以下、必要に応じ、これらをまとめて「誘電性充填剤」という)を用いればよい。高誘電材料からなる充填剤としては、比誘電率100以上の誘電体セラミック粉末、具体的には、チタン、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、カリウム、カルシウム、ジルコニウム、スズ、ネオジウム、ビスマス、サマリウム、リチウム、タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を含む誘電体セラミック粉末が挙げられる。一方、低誘電材料からなる充填剤としては、いわゆる中空体からなる充填剤や低誘電樹脂であるフッ素樹脂からなる充填剤が挙げられる。
充填剤は、上述したもののうち、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、繊維状充填剤と、粒状又は板状充填剤とを併用すると、成形体の機械強度や寸法精度、電気的性質等が良好に得られ易い傾向にある。
また、充填剤は、平均粒径が0.5〜50μmであると好ましく、1〜40μmであるとより好ましい。このような平均粒径を有する充填剤を含む場合、上述した液晶ポリエステル粉末との混合が容易となり、液晶ポリエステル中に充填剤を更に均一に分散させることができる。かかる樹脂組成物によれば、均一な機械強度を有する大型の板状成形体が一層得られ易くなる。
なお、樹脂組成物は、上述した液晶ポリエステル粉末及び充填剤に加え、成形体に付与する所望の特性に応じてその他の添加剤を更に含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、液晶ポリエステル以外の樹脂や、公知のカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤等が挙げられる。
(板状成形体の製造方法及びそれにより得られる板状成形体)
次に、上述した樹脂組成物を用いた板状成形体の製造方法及びそれにより得られる板状成形体について説明する。
板状成形体は、樹脂組成物をプレス成形することによって製造することが好ましい。プレス成形の条件は、次のように設定することが好適である。すなわち、プレス成形における加工温度(以下、「Tp」と表記する)は、樹脂組成物中の液晶ポリエステル粉末の流動開始温度に対し、以下の式で示される関係を満たすようにすることが好ましい。
(流動開始温度−10)[℃]≦Tp≦(流動開始温度+100)[℃]
Tpが(流動開始温度―10)[℃]よりも低い場合、液晶ポリエステル粉末が十分に溶融せずに、十分な機械強度を有する成形体を得ることが困難となる傾向にある。一方、Tpを(流動開始温度+100)[℃]よりも高くすると、液晶ポリエステル粉末が熱分解により劣化してしまうおそれがある。
また、プレス成形時の圧力は、成形体の反りを低減する観点から、400kgf/cm以下であると好ましく、200kgf/cm以下であるとより好ましく、100kgf/cmであると更に好ましい。さらに、プレス成形時における最高温度での保持時間は、加工性と生産性を良好に得る観点から、1〜180分とすることが好ましく、5〜120分とすることがより好ましい。
なお、プレス成形は、真空中で行ってもよく、不活性ガス(窒素等)の雰囲気下で行ってもよい。
このような方法によって得られる板状成形体は、液晶ポリエステル中に充填剤が均一に分散した構造を有するものとなる。そして、本実施形態では、上述した液晶ポリエステル粉末及び充填剤を含む樹脂組成物を用いて成形体を製造することから、大型の板状成形体を製造する場合であっても、高い機械強度が均一に得られるようになる。
図1は、好適な実施形態に係る板状成形体の例を示す斜視図である。図1に示すように、板状成形体1は、互いに対向する一対の長方形状の上面及び下面と、これらの面の縁部同士をつなぐ側面とからなる平板状の形状を有している。なお、板状成形体の形状はこれに限定されず、例えば上下面が正方形状であってもよい。
本実施形態の製造方法においては、厚さに対して面方向の幅が極めて大きい板状成形体を製造しても、高い機械強度を均一に有する板状成形体が得られる。このような板状成形体としては、厚さに対する、厚さ方向に垂直な面方向の幅の比が、少なくとも250を超えるような形状を有するものが挙げられる。例えば、図1に示す板状成形体1においては、厚さtに対する、最も小さい面方向の幅(w)の比が250を超えていれば、上記の条件を満たす。板状成形体1としては、より具体的には、厚さtが1mm未満で、その面方向の幅(w及びw)が250mmを超えるような形状を有するものを製造することができる。このような形状の板状成形体であっても、均一に高い機械強度を有するものとなる。また、板状成形体の厚さ(t)は、0.4〜1.5mmであると好ましく、0.7〜1.0mmであるとより好ましい。このような厚さの板状成形体とすることで、板状成形体中に充填剤が特に均一に分散されるようになる。
特に、本実施形態により得られる板状成形体は、次のような条件を満たすものとなる。すなわち、厚さ方向に垂直な面方向の最も長い幅が4等分されるように分割した4つの部分成形体のそれぞれの中央部での曲げ強度の値を、一方の端側の部分成形体から順にT1、T2、T3及びT4としたとき、T1、T2、T3及びT4が下記式(1)で表される関係を満たす。
0.90≦(T2+T3)/(T1+T4)<1.10 (1)
例えば、図1に示す板状成形体1では、面方向の最も長い幅wを4等分して得られる部分成形体を、端側から順にS1、S2、S3及びS4とする。そして、これらのS1、S2、S3及びS4それぞれの中央部での曲げ強度をT1、T2、T3及びT4としたとき、これらが上記式(1)の関係を満たすようになる。ここで、各部分成形体の中央部での曲げ強度とは、各部分成形体の面方向の幅のうちの長い方の幅の中央部分で、曲げ強度を測定するための試験片を切り出し、その曲げ強度を測定して得られる値である。「中央部分」とは、部分成形体における面方向の幅のうちの長い方の幅の中点を少なくとも含む領域である。試験片は、例えば127mm×12.7mmの大きさを有するものを用いる。
そして、好適な板状成形体1は、上記式(1)で示される条件を満たすことで、中央部と端部との機械強度のばらつきが小さく、全体として均一な機械強度を有するものとなる。このような効果が更に顕著となるのは、上述した(T2+T3)/(T1+T4)の値が0.95〜1.05である場合であり、1.0であると、板状成形体1の機械強度は極めて均一であると認められる。
なお、本発明者等の検討により、比較的大型の板状成形体であっても、上述のように4つに分割した部分成形体について、そのそれぞれの中央部の曲げ強度を測定し、上記式(1)の関係を満たすかどうかを求めることで、板状成形体において充填剤が均一に分散しているかどうかの分散性を評価できることも判明した。すなわち、上記式(1)の条件を満たしていれば、均一な強度を有していることから、充填剤が均一に分散していると判定することができる。したがって、上記手法を応用することで、板状成形体に対し、上記式(1)の関係を満たしているか否かを判定する、板状成形体における充填剤の分散性の評価方法を提供することも可能である。
このようにして製造した板状成形体は、従来よりも大型で且つ均一な機械強度を有するものとなるため、例えば、かかる大型の成形体から所望の形状に部材を切り出すような加工を行うこともできる。こうすれば、個々の成形体を別々に製造するよりも、生産性を向上させることができる。そして、もとの大型の板状成形体が均一な機械強度を有することから、このように切り出された複数の成形体同士も、機械強度のばらつきが小さいものとなり得る。
また、機械強度の均一性に優れた大型の板状成形体は、電気・電子部品の部材に好適である。かかる部品の一例として回路基板が挙げられる。
回路基板は、板状成形体上に所望の形状の導体層を形成し、この導体層を回路加工することで製造することができる。成形体上に導体層を形成する手段としては、銅箔などの金属箔を熱プレスにより貼り合わせる方法や、接着剤を介して金属箔を貼り合わせる方法等、導体層の形成方法として知られている方法を適用することができる。また、成形体に、スパッタリング法やイオンプレーティング法、真空蒸着法、無電解めっき等の方法で導体層を形成してもよい。
さらに、上記に例示した方法により導体層を形成した後には、電解めっき等を用いて更に導体層を積層させてもよい。また、導体層を形成する前には、成形体表面と導体層との密着性を上げる目的で、成形体の表面に紫外線処理、プラズマ処理、コロナ処理、酸アルカリ処理、サンドブラスト処理等の各種の表面処理を行ってもよい。
回路基板は、このようにして板状成形体上に導体層を形成した後、各種の用途に応じて導体層に任意の回路形成を施すことで得ることができる。このような回路形成によってアンテナ基板やプリント配線板を製造することができる。
さらに、本実施形態により得られる板状成形体は、上述した回路基板以外に、次のような用途において適用可能である。板状成形体を適用可能な部品としては、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、コンピュータ関連部品等の電気・電子部品;VTR、テレビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具等の家庭電気製品部品;ランプリフレクター、ランプホルダー等の照明器具部品;コンパクトディスク、レーザーディスク、スピーカー等の音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電話機部品、ファクシミリ部品、モデム等の通信機器部品;分離爪、ヒータホルダー等の複写機、印刷機関連部品;インペラー、ファン歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース等の機械部品;自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品等の自動車部品;マイクロ波調理用鍋、耐熱食器等の調理用器具;床材、壁材などの断熱、防音用材料、梁、柱などの支持材料、屋根材等の建築資材、土木建築用材料等;航空機、宇宙機、宇宙機器用部品;原子炉等の放射線施設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、膜、医療用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、サニタリー備品、スポーツ用品、レジャー用品等の幅広いものが例示できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[体積平均粒径の測定方法]
以下の実施例又は比較例で製造する各種の粉末の体積平均粒径は、分散剤(花王(株)製ノニオン界面活性剤エマルゲン)を数十ppm程度溶解させた水を測定溶媒として用いて、レーザー回折散乱粒径測定を行うことにより求めた。なお、レーザー回折散乱粒度分布測定機としては、(株)セイシン企業製LMS−30を使用した。
[部分成形体の曲げ強度の測定方法及び成形体の機械強度の均一性の評価方法]
まず、実施例又は比較例で製造した成形体の部分成形体の曲げ強度は、次のようにして測定した。すなわち、各実施例又は比較例で得られた成形体を、大きい方の幅が4等分されるように切断して4つの部分成形体(端側から順にS1、S2、S3及びS4)を得た。次いで、これらの部分成形体のそれぞれの中央部において127mm×12.7mmの試験片を切り出した。そして、4つの部分成形体から得られた各試験片に対して、島津製作所製オートグラフAG5000Dを用い、ASTM D790に準拠する試験を行い、各試験片の曲げ強度を測定した。部分成形体S1、S2、S3及びS4から得られた各試験片の曲げ強度を、それぞれT1、T2、T3及びT4とした。
そして、これらの結果に基づき、各実施例又は比較例の成形体における機械強度の均一性を、各成形体で得られたT1〜T4の値に基づいて評価した。機械強度の均一性は、(T2+T3)/(T1+T4)で表され、これが下記式(1)を満たす場合、成形体の機械強度は均一であると評価する。
0.90≦(T2+T3)/(T1+T4)<1.10 (1)
[製造例1;液晶ポリエステル粉末の製造]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸を911g(6.6モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを409g(2.2モル)、テレフタル酸を274g(1.65モル)、イソフタル酸を91g(0.55モル)、無水酢酸を1235g(12.1モル)、それぞれ仕込んだ。
この反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、2時間50分かけて300℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、溶融状態のまま反応器内の内容物をバットに取り出し、冷却した。得られた液晶ポリエステルの収量は1430gであった。
その後、室温程度まで冷却した液晶ポリエステルを、セイシン企業製・オリエントVM−16竪型粉砕機を用いて、その体積平均粒径が1mm以下になるまで粗粉砕した。粗粉砕後の粗粉砕粉末の流動開始温度を、島津製作所製毛細管型レオメーターCFT−500Dにより測定したところ、252℃であり、280℃以上の温度において光学異方性を呈する溶融状態を示した。この液晶ポリエステルの粗粉砕粉末の体積平均粒径は249μmであった。
上記の液晶ポリエステルの粗粉砕粉末(平均粒径249μm)を、セイシン企業(株)製STJ−200ジェットミルを用いて微粉砕して、体積平均粒径が8.3μmである液晶ポリエステル粉末Aを得た。
得られた液晶ポリエステル粉末Aに対し、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、次いで250℃から281℃まで5時間かけて昇温し、さらに281℃に到達した後、同温度で3時間加熱する熱処理を行った。熱処理後の液晶ポリエステル粉末A1を冷却して取り出した後、セイシン企業(株)製STJ−200ジェットミルを用いて解砕処理(粉砕処理)を行った。その結果、平均粒径が8.3μmであり、流動開始温度が322℃である液晶ポリエステル粉末B1が得られた。
[製造例2;液晶ポリエステル粉末の製造]
製造例1で得た熱処理前の液晶ポリエステル粉末Aに対し、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、次いで250℃から275℃まで5時間かけて昇温し、さらに275℃に到達した後、同温度で3時間加熱する熱処理を行った。熱処理後の液晶ポリエステル粉末を冷却して取り出した後、セイシン企業(株)製STJ−200ジェットミルを用いて解砕処理(粉砕処理)を行った。その結果、平均粒径が8.3μmであり、流動開始温度が312℃である液晶ポリエステル粉末B2が得られた。
[製造例3;液晶ポリエステル粉末の製造]
製造例1で得た熱処理前の液晶ポリエステル粉末Aに対し、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、次いで250℃から288℃まで5時間かけて昇温し、さらに288℃に到達した後、同温度で3時間加熱する熱処理を行った。熱処理後の液晶ポリエステル粉末を冷却して取り出した後、セイシン企業(株)製STJ−200ジェットミルを用いて解砕処理(粉砕処理)を行った。その結果、平均粒径が8.3μmであり、流動開始温度が330℃である液晶ポリエステル粉末B3が得られた。
[実施例1]
製造例1で得た液晶ポリエステル粉末B1を、表1に示す割合で充填剤であるチタン酸ストロンチウム(ST:富士チタン工業(株)製 数平均粒径1μm)と混合した後、山本鉄工所製TA−200−1Wプレス機を用いて表1に示す加工条件でプレス成形を行い、板状成形体(寸法サイズ;300mm×300mm×0.95mm)を得た。得られた板状成形体について、上述した方法にしたがって部分成形体の曲げ強度の測定及び成形体の機械強度の均一性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
製造例2で得た液晶ポリエステル粉末B2を、液晶ポリエステル粉末B1に代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして板状成形体を製造し、更に部分成形体の曲げ強度の測定及び成形体の機械強度の均一性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
製造例3で得た液晶ポリエステル粉末B3を、液晶ポリエステル粉末B1に代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして板状成形体を製造し、更に部分成形体の曲げ強度の測定及び成形体の機械強度の均一性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2010149411
表1に示すように、実施例1で得られた板状成形体は、300mm×300mm×0.95mmという厚さに対して幅方向の大きさが大きい形状を有するにもかかわらず、機械強度の均一性の値が0.95であり、その面方向の機械強度が均一であることが判明した。
これに対し、流動開始温度がそれぞれ312℃及び330℃である液晶ポリエステル粉末を用いた比較例1及び2の板状成形体は、実施例1と同様の板状成形体とした場合、均一な機械強度を有していないことが確認された。
好適な実施形態に係る板状成形体の例を示す斜視図である。
符号の説明
1…板状成形体。

Claims (4)

  1. 流動開始温度が315〜325℃である液晶ポリエステル粉末と充填剤とを含み、前記液晶ポリエステル粉末と前記充填剤との合計に対する前記充填剤の割合が20容量%以上である樹脂組成物を成形して板状成形体を得る工程を含む、ことを特徴とする板状成形体の製造方法。
  2. 厚さに対する、この厚さ方向に垂直な面方向の幅の比が、少なくとも250を超える板状成形体を製造する、ことを特徴とする請求項1記載の板状成形体の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の板状成形体の製造方法により得ることができる板状成形体。
  4. 厚さ方向に垂直な面方向における最も長い幅が4等分されるように分割した4つの部分成形体のそれぞれの中央部での曲げ強度の値を、一方の端側の前記部分成形体から順にT1、T2、T3及びT4としたとき、T1、T2、T3及びT4が下記式(1)で表される関係を満たす、ことを特徴とする板状成形体。
    0.90≦(T2+T3)/(T1+T4)<1.10 (1)

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