JP2011211068A - 焼結磁石、モーター及び自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】残留磁束密度及び保磁力に優れた焼結磁石を提供すること。
【解決手段】本発明の焼結磁石は、コア4と、コア4を被覆する第1シェル6と、第1シェル6を被覆する第2シェル8と、を有するR−T−B系希土類磁石の結晶粒子群2を備え、第1シェル6における重希土類元素の質量の比率が、コア4における重希土類元素の質量の比率よりも高く、第2シェル8における重希土類元素の質量の比率が、第1シェル6における重希土類元素の含有率よりも高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼結磁石、モーター及び自動車に関する。
希土類元素Rと、Fe又はCo等の遷移金属元素Tと、ホウ素Bとを含有するR−T−B系希土類磁石は、優れた磁気特性を有する。従来、R−T−B系希土類磁石の残留磁束密度(Br)及び保磁力(HcJ)を向上させるために、多くの検討がなされている(下記特許文献1,2参照)。以下では、場合により、R−T−B系希土類磁石を「R−T−B系磁石」と記す。
国際公開第2006/098204号パンフレット 国際公開第2008/120784号パンフレット
R−T−B系磁石はニュークリエーション型の保磁力機構を有すると考えられている。ニュークリエーション型の保磁力機構では、磁化と反対の磁場をR−T−B系磁石に印加したとき、R−T−B系磁石を構成する結晶粒子群(主相粒子群)の粒界近傍において磁化反転の核が発生する。この磁化反転の核は、R−T−B系磁石の保磁力を低下させる。
R−T−B系磁石の保磁力を向上させるためには、R−T−B系磁石にRとしてDyやTb等の重希土類元素を添加すればよい。重希土類元素の添加によって、異方性磁界が大きくなり、磁化反転の核が発生し難くなり、保磁力が高くなる。しかし、重希土類元素の添加量が多すぎると、R−T−B系磁石の飽和磁化(飽和磁束密度)が小さくなり、残留磁束密度も小さくなる。したがって、R−T−B系磁石では、残留磁束密度と保磁力を両立させることが課題となる。特に、近年需要が高まる自動車用のモーター又は発電機に組み込まれるR−T−B系磁石には、残留磁束密度と保磁力の向上が求められている。
本発明者らは、磁化反転の核が発生し易い領域のみにおいて、重希土類元素を存在させ、異方性磁界を高くすることにより、保磁力と残留磁束密度の両立が可能となると考えた。すなわち、本発明者らは、R−T−B系磁石を構成する結晶粒子の表面近傍における重希土類元素の質量の比率を結晶粒子のコア(中心部)よりも高めると共に、コアにおけるNdやPr等の軽希土類元素の質量の比率を表面近傍よりも高めることが重要である、と考えた。これにより、表面近傍の高い異方性磁界(Ha)によって保磁力が高くなると共に、コアの高い飽和磁化(Is)によって残留磁束密度が高くなることが可能になるはずである。
本発明者らは、上記特許文献1又は2に記載された製法を用いて、軽希土類元素の質量の比率が高いコアと、このコアを被覆し、重希土類元素の質量の比率が高いシェルとを有する結晶粒子から構成されるR−T−B系磁石の作製を試みた。しかし、R−T−B系磁石の作製中に、シェルとコアとの間における重希土類元素の濃度勾配によって、シェルからコアへ重希土類元素が拡散してしまうため、シェルにおける重希土類元素の質量の比率をコアに対して充分に高めることができず、残留磁束密度及び保磁力を両立させることは困難であった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、残留磁束密度及び保磁力に優れた焼結磁石、当該焼結磁石を備えるモーター及び当該モーターを備える自動車を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の焼結磁石は、コアと、コアを被覆する第1シェルと、第1シェルを被覆する第2シェルと、を有するR−T−B系希土類磁石の結晶粒子群を備え、第1シェルにおける重希土類元素の質量の比率が、コアにおける重希土類元素の質量の比率よりも高く、第2シェルにおける重希土類元素の質量の比率が、第1シェルにおける重希土類元素の含有率よりも高い。なお、結晶粒子群とは、複数の結晶粒子を意味する。
上記本発明の焼結磁石は、第2シェルを備えない結晶粒子から構成される従来のR−T−B系磁石に比べて、残留磁束密度及び保磁力に優れる。
上記本発明では、第1シェル又は第2シェルの少なくともいずれかが、Dy又はTbを含んでもよい。また、上記本発明では、第1シェル又は第2シェルの少なくともいずれかが、Dy及びTbを含んでもよい。つまり、上記本発明では、重希土類元素としてDy又はTbが好適である。
本発明のモーターは、上記本発明の焼結磁石を備える。
本発明の焼結磁石の残留磁束密度は高い。したがって、本発明の焼結磁石の体積及び形状が従来のR−T−B系磁石と同じである場合、本発明の焼結磁石の磁束数は従来よりも増加する。したがって、本発明の焼結磁石を備えるモーターでは、従来よりもエネルギー変換効率が向上する。
本発明の焼結磁石の体積が従来のR−T−B系磁石よりも小さい場合であっても、残留磁束密度が高い本発明の焼結磁石は従来の磁石と同等の数の磁束を有する。つまり、本発明の焼結磁石は、従来の磁石に比べて、磁束数を減らすことなく小型化できる。その結果、本発明では、ヨーク体積及び巻線の量も焼結磁石の小型化に応じて減るため、モーターの小型化及び軽量化が可能となる。
本発明の焼結磁石は、高温下においても残留磁束密度と保磁力に優れる。すなわち、本発明の焼結磁石は耐熱性に優れる。したがって、本発明の焼結磁石を備えるモーターでは、従来のR−T−B系磁石を備えるモーターに比べて渦電流による発熱が起き難い。したがって、本発明では、発熱防止よりもエネルギー変換効率を重視したモーターの設計が可能となる。
本発明の自動車は、上記本発明のモーターを備える。すなわち、本発明の自動車は、本発明のモーターによって駆動される。なお、本発明において、自動車とは、例えば、本発明のモーターによって駆動される電気自動車、ハイブリッド自動車、又は燃料電池車である。
本発明の自動車は、従来よりもエネルギー変換効率が高い本発明のモーターによって駆動されるため、その燃費が向上する。また、本発明の自動車では、上記のように、モーターの小型化及び軽量化が可能であるため、自動車自体の小型化及び軽量も可能になる。その結果、自動車の燃費が向上する。
本発明の焼結磁石では、コアにおいて重希土類元素の添加量を低減し、第1シェル及び第2シェルにおいて重希土類元素の添加量を局所に高めることにより、残留磁束密度と保磁力が向上する。つまり、本発明の焼結磁石では、従来のように磁石全体に重希土類元素を添加しなくても、残留磁束密度と保磁力が向上する。したがって、本発明の焼結磁石では、従来のR−T−B系磁石に比べて重希土類元素の添加量が少ない場合であっても、十分な残留磁束密度と保磁力が達成される。そのため、本発明の焼結磁石では、高価な重希土類元素の添加量を低減し、磁気特性を損なうことなくコストを下げることが可能となる。その結果、本発明の焼結磁石を備えるモーター、及びモーターを備える自動車のコストを下げることも可能となる。
本発明によれば、残留磁束密度及び保磁力に優れた焼結磁石、当該希土類焼結磁石を備えるモーター及び当該モーターを備える自動車を提供することが可能となる。
図1(a)及び図1(b)は、本発明の一実施形態に係る焼結磁石の製造過程の焼結磁石が備える結晶粒子の断面図を示す模式図であり、図1(c)は、本発明の一実施形態に係る焼結磁石が備える結晶粒子の断面模式図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るモーターの内部構造を示す模式図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る自動車の概念図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。
(焼結磁石)
本実施形態の焼結磁石が備える結晶粒子は、R−T−B系磁石(例えば、R14B)から構成される。図1(c)に示すように、結晶粒子2は、コア4と、コア4を被覆する第1シェル6と、第1シェル6を被覆する第2シェル8と、を有する。本実施形態の焼結磁石では、複数の結晶粒子2が互いに焼結している。第1シェル6における重希土類元素の質量の比率(質量濃度)は、コア4における重希土類元素の質量濃度よりも高い。第2シェル8における重希土類元素の質量の質量濃度は、第1シェル6における重希土類元素の質量濃度よりも高い。つまり、焼結磁石において結晶粒子2の粒界近傍の重希土類元素の質量濃度が最も高くなる。なお、コア又は各シェルが複数種の重希土類元素が含む場合、重希土類元素の質量濃度とは、各重希土類元素の質量濃度の合計値を意味する。
本実施形態では、結晶粒子2が2層のシェル6,8を有することにより、コア4における重希土類元素の濃度を低く保ちながら、最外殻の第2シェル8における重希土類元素の濃度をコア4及び第1シェル6よりも高くすることが可能となる。
ニュークリエーション型の保磁力機構を有するR−T−B系磁石では、焼結した主相粒子の粒界近傍において磁化反転の核が発生する。この磁化反転の核は、R−T−B系磁石の保磁力を低下させる。つまり、主相粒子の表面近傍において磁化反転の核が発生し易くなる。そこで、本実施形態では、結晶粒子2の表面に位置する第2シェル8において重希土類元素の質量濃度を高くする。つまり、結晶粒子群の粒界近傍の重希土類元素の質量濃度を高くする。その結果、結晶粒子群の粒界近傍における異方性磁界が高くなり、焼結磁石の保磁力が高くなる。また、本実施形態では、第1シェル6及び第2シェル8に比べて、コア4における重希土類元素の質量濃度が低くなり、且つ軽希土類元素の質量濃度が相対的に高くなる。その結果、コア4の飽和磁化(Is)が高くなり、焼結磁石の残留磁束密度が高くなる。
希土類元素Rは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種であればよい。遷移金属元素Tは、Fe又はCoの少なくもいずれかであればよい。軽希土類元素は、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及びEuからなる群より選ばれる少なくとも一種であればよい。重希土類元素は、Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種であればよい。なお、焼結磁石は、必要に応じて、Co、Ni、Mn、Al、Cu、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn、Si,Bi等の他の元素を更に含んでもよい。
第1シェル6又は第2シェル8の少なくともいずれかが、重希土類元素としてDy又はTbを含むことが好ましい。第1シェル6又は第2シェル8の少なくともいずれかが、Dy及びTbを含むことが特に好ましい。Dy又はTbを含むR14B化合物は、Nd、Pr等の軽希土類元素を含むR14B化合物よりも異方性磁界が高い。したがって、第1シェル6又は第2シェル8が、Dy又はTbを含むR14B化合物を備えることにより、高い保磁力を得ることができる。特に第1シェル6がDyを含み、第2シェル8がTbを含む場合、本発明の効果が顕著になる。なお、第1シェル6が含む重希土類元素は、第2シェル8が含む重希土類元素と同じでもよく、異なってもよい。
例えば、第1シェル6及び第2シェル8がそれぞれ重希土類元素としてTbを含んでいてもよい。第1シェル6及び第2シェル8がそれぞれ重希土類元素としてDyを含んでいてもよい。第1シェル6及び第2シェル8がそれぞれ重希土類元素としてDy及びTbの両元素を含んでいてもよい。第1シェル6が重希土類元素としてTbだけを含み、第2シェルが重希土類元素としてDyだけを含んでもよい。第1シェル6が重希土類元素としてTbだけを含み、第2シェルが重希土類元素としてTb及びDyを含んでもよい。第1シェル6が重希土類元素としてDyだけを含み、第2シェルが重希土類元素としてTbだけを含んでもよい。第1シェル6がDyを含み、第2シェルが重希土類元素としてTb及びDyを含んでもよい。第1シェル6が重希土類元素としてTb及びDyを含み、第2シェルが重希土類元素としてTbだけを含んでもよい。第1シェル6が重希土類元素としてTb及びDyを含み、第2シェルが重希土類元素としてDyだけを含んでもよい。
第1シェル6と第2シェル8との間における重希土類元素の質量濃度の差は1〜10質量%以上であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが最も好ましい。コア4と第1シェル6との間における重希土類元素の質量濃度の差は1〜10質量%以上であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが最も好ましい。
シェル間又はコア−シェル間の重希土類元素の質量濃度の差が小さい場合、結晶粒子2の最外殻(第2シェル8)における重希土類元素の質量濃度が小さくなり、保磁力向上幅が小さくなる傾向がある。シェル間又はコア−シェル間の重希土類元素の質量濃度の差が大きい場合、焼結磁石の製造過程において、第2シェル8からコア4へ重希土類元素が熱拡散し易くなる。その結果、重希土類元素の添加量に見合った保磁力向上が見られず、コア4の飽和磁化が低下し、焼結磁石の残留磁束密度が低下する傾向がある。ただし、シェル間又はコア−シェル間の重希土類元素の質量濃度の差が上記の数値範囲外である場合も、本発明の効果は達成される。
コア4における軽希土類元素の質量濃度は、17〜27質量%程度であればよい。第2シェル8における重希土類元素の質量濃度は、2〜20質量%程度であればよい。第1シェル6における重希土類元素の質量濃度は、1〜15質量%程度であればよい。コア4における重希土類元素の質量濃度は、0〜10質量%程度であればよい。
コア4、第1シェル6又は第2シェル8における元素Tの質量濃度は、65〜75質量%程度であればよい。コア4、第1シェル6又は第2シェル8におけるBの質量濃度は、0.88〜2.0質量%程度であればよい。ただし、元素T及びBの各質量濃度が上記の数値範囲外ある場合も、本発明の効果は達成される。
第2シェル8の厚みは結晶粒子2の粒径の0.1〜15%であることが好ましく、0.5〜10%であることがより好ましく、1.0〜5.0%であることが最も好ましい。第2シェル8が薄い場合、保磁力向上の効果が小さくなる傾向がある。第2シェル8が厚い場合、コア4が相対的に小さくなって、その飽和磁化が低くなり、残留磁束密度が低下する傾向がある。ただし、第2シェル8の厚みが上記の数値範囲外であっても、本発明の効果は達成される。第1シェル6の厚みの範囲は、第2シェルと同様であればよい。第1シェル6及び第2シェル8の総厚みは、逆磁区の発生を抑えるために不必要に厚くないことが好ましい。結晶粒子2の粒径は15μm以下又は10μm以下程度であればよい。
本実施形態の焼結磁石全体に対する結晶粒子2の割合は、10体積%以上であること好ましく、30体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることが最も好ましい。焼結磁石中の結晶粒子2の割合が多いほど、保磁力向上の効果が大きくなる。保磁力向上の効果は結晶粒子間の相互作用によって発現するが、焼結磁石が含む全ての粒子がコアシェル構造を有している必要はない。焼結磁石全体に対する結晶粒子群の割合が10体積%未満である場合も、本発明の効果は達成される。なお、焼結磁石全体に対する結晶粒子2の体積の割合、結晶粒子2の粒径、第1シェル6及び第2シェル8の各厚みは、走査透過電子顕微鏡が備えるエネルギー分散型X線分光器(STEM−EDS)を用いて撮影した焼結磁石の写真の解析により求めればよい。
(焼結磁石の製造方法)
本実施形態に係る焼結磁石は、下記の第1製法、第2製法及び第3製法のいずれかによって形成すればよい。第1製法及び第2製法は、第1シェル及び第2シェルに同種の重希土類元素を含有させる場合に好適である。第3製法は、第2シェルに含有させる重希土類元素を第1シェルに含有させる重希土類元素と異ならせる場合に好適である。
<第1製法>
第1製法では、重希土類元素の質量濃度が異なる2種類の原料合金を準備する。例えば、主に焼結磁石の主相を構成する主相合金、及び主に焼結磁石の粒界相を構成する粒界相合金を準備すればよい。主相合金としては、元素R,T及びBを含有し、粒界相合金よりも軽希土類元素の含有率が高いR−T−B系合金が挙げられる。粒界相合金としては、主相合金よりも重希土類元素の含有率が高いR−T−B系合金が挙げられる。また、粒界相合金として、元素R及びTを含有し、主相合金よりも重希土類元素の含有率が高いR−T系合金を用いてもよい。各原料合金の化学組成及び混合比は、最終的に得たい結晶粒子の化学組成に応じて適宜調整すればよい。原料合金が含有する重希土類元素としては、Dy又はTbの少なくともいずれかが好ましい。
全原料合金におけるBの含有量は2.0質量%以下であることが好ましく、0.95質量%以下であることがより好ましく、0.90質量%以下であることが最も好ましい。Bの含有量が多い場合、焼結磁石中にBリッチ相が析出し易い。Bリッチ相は、後述する焼結体の熱処理において、重希土類元素の拡散の妨げる傾向がある。焼結体におけるBの含有量は0.88質量%以上であることが好ましい。Bの含有量が少ない場合、焼結磁石中にR17相が析出し易くなる。R17相は焼結磁石の保磁力を低下させる傾向がある。ただし、焼結体におけるBの含有量が上記の範囲外であっても、本実施形態の焼結磁石の作成は可能である。
原料合金はZrを含有することが好ましい。Zrは主相近傍の粒界に析出し易い。そして、Zrは、粒界の主相結晶粒子近傍に偏析した重希土類元素の結晶粒子内への拡散を適度に阻害する。つまり、原料合金にZrを添加することにより、重希土類元素の粒界から結晶粒子内への拡散を制御しやすくなる。原料合金に対するZrの添加量は2000ppm質量以下程度であればよい。
原料合金の準備工程では、例えば、R−T−B系磁石の組成に対応する金属等の元素を含む単体、合金又は化合物等を、真空又はAr等の不活性ガス雰囲気下で溶解した後、鋳造法やストリップキャスト法等を実施すればよい。これにより、所望の組成を有する原料合金を作製する。
原料合金を粗粉砕して、数百μm程度の粒径を有する粒子にする。原料合金の粗粉砕には、例えば、ジョークラッシャー、ブラウンミル、スタンプミル等の粗粉砕機を用いればよい。また、原料合金の粗粉砕は、不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。原料合金に対して水素吸蔵粉砕を行ってもよい。水素吸蔵粉砕では、原料合金に水素を吸蔵させた後、原料合金を不活性ガス雰囲気下で加熱し、異なる相間の水素吸蔵量の相違に基づく自己崩壊によって原料合金を粗粉砕することができる。
粗粉砕後の原料合金を、その粒径が1〜10μmになるまで微粉砕してもよい。微粉砕には、ジェットミル、ボールミル、振動ミル、湿式アトライター等を用いればよい。微粉砕では、ステアリン酸亜鉛やオレイン酸アミド等の添加剤を原料合金に添加してもよい。これにより、成形時の原料合金の配向性を向上することができる。
各原料合金の粗粉砕及び微粉砕を別々に行った後で、原料合金を混合してもよい。混合した原料合金の粗粉砕及び微粉砕を行ってもよい。各原料合金の粗粉砕を行った後で、原料合金を混合し、混合後の原料合金の微粉砕を行ってもよい。各原料合金の混合比は、最終的に得たい結晶粒子の化学組成に応じて適宜調整すればよい。例えば、比率(主相合金の質量):(粒界相合金の質量)は、70:30〜97:3程度にすればよい。
粗粉砕、微粉砕及び混合を行った後の原料合金を磁場中で加圧成形して、成形体を形成する。加圧成形時の磁場は、950〜1600kA/m程度であればよい。加圧成形時の圧力は、50〜200MPa程度であればよい。成形体の形状は特に制限されず、柱状、平板状、リング状等とすればよい。
成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結させて、焼結体を形成する。焼結温度は、原料合金の組成、粉砕方法、粒度、粒度分布等の諸条件に応じて調節すればよい。焼結温度は、900〜1100℃であればよく、焼結時間は、1〜5時間程度であればよい。
焼結体は、焼結した複数の主相粒子から構成される。図1(b)に示すように、焼結体を構成する主相粒子2bは、コア4と、コア4を被覆する第1層6aを有する。コア4及び第1層6aはR−T−B系磁石の組成を有する。コア4における軽希土類元素の質量濃度は第1層6aよりも高い。第1層6aにおける重希土類元素の質量濃度はコア4よりも高い。つまり、主相粒子2bの表面近傍に位置する第1層6aには、重希土類元素が偏析している。第1層6aの厚みは、主相合金と粒界合金相との組み合わせ方、主相合金若しくは粒界合金における重希土類元素の含有量、又は焼結条件によって制御できる。第1層6aにおける重希土類元素の質量濃度の制御についても同様である。
焼結体における酸素の含有量は3000質量ppm以下であることが好ましく、2500質量ppm以下であることがより好ましく、1000質量ppm以下であることが最も好ましい。酸素量が少ないほど、得られる焼結磁石中の不純物が少なくなり、焼結磁石の磁気特性が向上する。酸素量が多い場合、後述する焼結体の熱処理において、焼結体中の酸化物が、重希土類元素の拡散の妨げ、第2シェルが形成され難くなる傾向がある。焼結体における酸素の含有量を低減する方法のとしては、水素吸蔵粉砕から焼結までの間、原料合金を酸素濃度が低い雰囲気下に維持することが挙げられる。ただし、焼結体における酸素の含有量が上記の範囲外であっても、本実施形態の焼結磁石の作成は可能である。
焼結体を構成する主相粒子2aの粒径は15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。主相粒子2aの粒径が大きい場合、後述する焼結体の熱処理において、重希土類化合物を焼結体の表面に均一に付着させ難くなる。主相粒子2aの粒径は、粉砕後の原料合金の粒径、焼結温度、及び焼結時間等によって制御できる。ただし、主相粒子2aの粒径が上記の範囲外であっても、本実施形態の焼結磁石の作成は可能である。
焼結体を所望の形状に加工した後、焼結体の表面を酸溶液によって処理してもよい。表面処理に用いる酸溶液としては、硝酸、塩酸等の水溶液と、アルコールとの混合溶液が好適である。この表面処理では、例えば、焼結体を酸溶液に浸漬したり、焼結体に酸溶液を噴霧したりすればよい。表面処理によって、焼結体に付着していた汚れや酸化層等を除去して清浄な表面を得ることができ、後述する重希土類化合物の付着及び拡散を確実に実施できる。汚れや酸化層等の除去を更に良好に行う観点からは、酸溶液に超音波を印加しながら表面処理を行ってもよい。
表面処理後の焼結体の表面に、重希土類元素を含む重希土類化合物を付着させる。重希土類化合物としては、合金、酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、水素化物等が挙げられるが、特に水素化物を用いることが好ましい。水素化物を用いた場合、後述する焼結体の熱処理工程において、水素化物に含まれる重希土類元素だけが焼結体内へ拡散する。水素化物に含まれる水素は熱処理工程中に焼結体の外部へ放出される。したがって、重希土類元素の水素化物を用いれば、最終的に得られる焼結磁石中に重希土類化合物に由来する不純物が残留しないため、焼結磁石の残留磁束密度の低下を防止し易くなる。重希土類の水素化物としては、DyH、TbH又はDy−Fe若しくはTb−Feの水素化物が挙げられる。DyH又はTbHがより好ましい。Dy−Feの水素化物を用いた場合、Feも熱処理工程において焼結体中に拡散する傾向がある。重希土類元素のフッ化物又は酸化物を用いた場合、熱処理中にフッ素又は酸素が焼結体内へ拡散して焼結磁石中に残存し、磁気特性を劣化させる傾向がある。したがって、重希土類元素のフッ化物又は酸化物は、本実施形態で用いる重希土類化合物として好ましくない。
焼結体に付着させる重希土類化合物は、粒子状であることが好ましく、その平均粒径は100nm〜50μmであることが好ましく、1μm〜10μmであることがより好ましい。重希土類化合物の粒径が100nm未満であると、熱処理により焼結体中に拡散する重希土類化合物の量が過多になり、希土類磁石の残留磁束密度が低くなる傾向がある。粒径が50μmを超えると、焼結体中への重希土類化合物が拡散し難くなり、保磁力の向上効果が十分に得られない傾向がある。
焼結体に重希土類化合物を付着させる方法としては、例えば、重希土類化合物の粒子をそのまま焼結体に吹き付ける方法、重希土類化合物を溶媒に溶解した溶液を焼結体に塗布する方法、重希土類化合物の粒子を溶媒に分散させたスラリー状の拡散剤を焼結体に塗布する方法、重希土類元素を蒸着する方法等が挙げられる。なかでも、拡散剤を焼結体に塗布する方法が好ましい。拡散剤を用いた場合、重希土類化合物を焼結体に均一に付着させることができ、後述する熱処理において重希土類元素の拡散を確実に進行させることができる。以下では、拡散剤を用いる場合について説明する。
拡散剤に用いる溶媒としては、重希土類化合物を溶解させずに均一に分散させ得るものが好ましい。例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン等が挙げられ、なかでもエタノールが好ましい。拡散剤中に焼結体を浸漬させたり、焼結体に拡散剤を滴下したりしてもよい。
拡散剤を用いる場合、拡散剤中の重希土類化合物の含有量は、第1シェル6及び第2シェル8における重希土類元素の質量濃度の目標値に応じて適宜調整すればよい。例えば、拡散剤中の重希土類化合物の含有量は、10〜50質量%であってもよく、40〜50質量%であってもよい。拡散剤中の重希土類化合物の含有量がこれらの数値範囲外である場合、焼結体に重希土類化合物が均一に付着し難くなる傾向にある。また、拡散剤中の重希土類化合物の含有量が多すぎる場合、焼結体の表面が荒れてしまい、得られる磁石の耐食性を向上させるためのめっき等の形成が困難となる場合もある。
なお、拡散剤中には、必要に応じて重希土類化合物以外の成分を更に含有させてもよい。拡散剤に含有させてもよい他の成分としては、例えば、重希土類化合物の粒子の凝集を防ぐための分散剤等が挙げられる。
拡散剤を塗布した焼結体に対し、熱処理を施す。これにより、焼結体の表面に付着した重希土類化合物が焼結体内に拡散する。重希土類化合物は焼結体内の粒界に沿って拡散する。粒界における重希土類元素の質量濃度は、焼結体を構成する主相粒子2bよりも高い。重希土類元素は、質量濃度が高い領域から低い領域へ拡散する。したがって、粒界に拡散した重希土類元素は、主相粒子2b内へ拡散する。図2(c)に示すように、第1層6aの表面側に重希土類元素が拡散する。その結果、拡散剤に由来する重希土類元素と原料合金に由来する重希土類元素とを含む第2シェル8が、第1層6aの表面側に形成される。また、第1層6aのコア4側には、拡散剤に由来する重希土類元素が拡散し難い。その結果、拡散剤に由来する重希土類元素を実質的に含有しない第1シェル6が、第1層6aのコア4側に形成される。つまり、第1シェル6が含む重希土類元素は、実質的に原料合金だけに由来する。したがって、第1シェル6における重希土類元素の質量濃度は、第2シェル8よりも低くなる。このようにして、コア4、第1シェル6及び第2シェル8を備えるR−T−B系磁石の結晶粒子2が形成される。
本実施形態では、重希土類元素の質量濃度が異なる2種の原料合金から焼結体を形成する。そのため、焼結体を構成する主相粒子2bは、その表面に重希土類元素の質量濃度が高い第1層6aを備える。この焼結体に拡散剤を塗布し、焼結体を熱処理した場合、主相粒子2bの表面と粒界との間における重希土類元素の質量濃度の勾配は、主相粒子が第1層6aを備えない場合に比べて小さくなる。濃度勾配の減少によって、拡散剤に由来する重希土類元素の拡散距離は小さくなる。つまり、本実施形態では、拡散剤に由来する重希土類元素のコア4への拡散が第1層6aによって抑制される。その結果、拡散剤に由来する重希土類元素は主相粒子の表面近傍に留まり、重希土類元素の質量濃度が充分に高い第2シェル8が形成される。このように、本実施形態では、希土類元素の質量濃度が高い第2シェル8を形成するために、第1層6aを形成する。
拡散剤を塗布した焼結体の熱処理は、上記の成形体を焼結させるための焼結温度よりも低温で行うことが好ましい。焼結体の熱処理を焼結温度よりも高温で行うと、2層のシェル構造が実現され難くなる。つまり、熱処理中に第1層6aが破壊され、拡散剤に由来する重希土類元素がコア4内へ拡散してしまう。
拡散剤を塗布した焼結体の熱処理は、例えば2段階の工程で行うことができる。1段階目の熱処理では、800〜1000℃程度で10分〜10時間焼結体を加熱することが好ましい。2段階目の熱処理では、500〜600℃程度で1〜4時間焼結体を加熱することが好ましい。このような2段階の熱処理では、例えば、1段階目で主に重希土類化合物の拡散が生じる。2段階目の熱処理は時効処理に相当する。時効処理によって焼結磁石の磁気特性(特に保磁力)の向上に寄与する。なお、熱処理は必ずしも2段階で行う必要はなく、少なくとも重希土類化合物の拡散が生じるように行えばよい。
第2シェル8の厚みは、拡散剤の塗布量、拡散剤における重希土類化合物の含有量、熱処理温度又は熱処理時間によって制御できる。第2シェル8における重希土類元素の質量濃度についても同様である。
拡散剤を用いた熱処理後の焼結体を、必要に応じて所望のサイズに切断したり、表面処理を施したりすることによって、本実施形態に係る焼結磁石が得られる。なお、焼結磁石の表面にめっき層、酸化層又は樹脂層等を形成してもよい。これらの層は、磁石の劣化を防止するための保護層として機能する。
<第2製法>
以下では、第1製法と第2製法との共通事項については説明を省略し、両者の相違点だけについて説明する。
第2製法では、第1製法とは異なり、1種類の原料合金から焼結体を形成する。原料合金としては主相合金を用いればよい。図1(a)に示すように、第2製法で得られる焼結体を構成する主相粒子2aは、均一な組成を有するR−T−B系磁石からなり、図1(b)に示すような第1層6aを備えない。
第2製法では、主相粒子2aから構成される焼結体に拡散剤を塗布し、第1製法と同様に焼結体に対して熱処理を行う。これにより、図1(b)に示すように、コア4と、コア4を被覆する第1層6aを有する主相粒子2bが形成される。
第2製法では、熱処理後の焼結体に再び拡散剤を塗布し、焼結体に対して2回目の熱処理を行う。2回目の熱処理によって、図1(c)に示すように、コア4、第1シェル6及び第2シェル8を備えるR−T−B系磁石の結晶粒子2が形成される。
2回目の熱処理の温度は、1回目の熱処理の温度よりも低いことが好ましい。1回目の熱処理の温度は800〜1000℃程度であればよい。2回目の熱処理の温度は700℃〜950℃程度であればよい。2回目の熱処理後に時効処理を行う。時効処理では、500〜600℃程度で1〜4時間焼結体を加熱することが好ましい。
<第3製法>
以下では、第2製法と第3製法との共通事項については説明を省略し、両者の相違点だけについて説明する。
第3製法では、第2製法と同様に形成した焼結体に、2種類の重希土類元素を含む拡散剤を塗布した後、焼結体に対して熱処理を行う。重希土類元素の拡散係数は、その種類に応じて異なる。熱処理では、拡散剤に含まれる2種の重希土類元素のうち、拡散係数の大きい元素の拡散距離が、拡散係数の小さい元素の拡散距離よりも長くなる。換言すれば、重希土類元素の原子量が大きくなるほど、重希土類元素は熱拡散し難くなる。主相粒子において、拡散係数の大きい重希土類元素だけが到達した領域が第1シェル6となる。主相粒子において、拡散係数の大きい重希土類元素だけではなく拡散係数の小さい重希土類元素が到達した領域が第2シェル8となる。主相粒子において、拡散剤に由来する2種の重希土類元素のいずれも殆ど存在しない領域がコア4となる。第2シェル8における全希土類元素の質量濃度は、第1シェル6に比べて高くなる。以上のように、第3製法では、拡散剤に含まれる重希土類元素の拡散係数の違いによって、結晶粒子のコアシェル構造を制御できる。
(モーター)
図2に示すように、本実施形態のモーター100は、永久磁石同期モーター(IPMモーター)であり、円筒状のロータ20と該ロータ20の外側に配置されるステータ30とを備えている。ロータ20は、円筒状のロータコア22と、円筒状のロータコア22の外周面に沿って所定の間隔で希土類焼結磁石10を収容する複数の磁石収容部24と、磁石収容部24に収容された複数の希土類焼結磁石10とを有する。
ロータ20の円周方向に沿って隣り合う希土類焼結磁石10は、N極とS極の位置が互いに逆になるように磁石収容部24に収容されている。これによって、円周方向に沿って隣り合う希土類焼結磁石10は、ロータ20の径方向に沿って互いに逆の方向の磁力線を発生する。
ステータ30は、ロータ20の外周面に沿って、所定の間隔で設けられた複数のコイル部32を有している。このコイル部32と希土類焼結磁石10とは互いに対向するように配置されている。ステータ30は、電磁気的作用によってロータ20にトルクを与え、ロータ20は円周方向に回転する。
IPMモーター100は、ロータ20に、上記実施形態に係る希土類焼結磁石10を備える。希土類焼結磁石10は優れた磁気特性を有するため、IPMモーター100の高出力が達成される。IPMモーター100の製造方法は、希土類焼結磁石10の製造方法以外の点において、通常のモーター部品を用いた通常の方法と同様である。
(自動車)
図3は、本実施形態の自動車の発電機構、蓄電機構及び駆動機構を示す概念図である、ただし、本実施形態の自動車の構造は、図3に示すものに限定されない。図3に示すように、本実施形態に係る自動車50は、上記本実施形態のモーター100、車輪48、蓄電池44、発電機42及びエンジン40を備える。
エンジン40で発生した機械的エネルギーは、発電機42によって電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーは蓄電池44に蓄電される。蓄電された電気エネルギーは、モーター100によって機械的エネルギーに変換される。モーター100からの機械的エネルギーによって、車輪48が回転し、自動車50が駆動される。なお、蓄電池44及び発電機42を介することなく、エンジン40で発生した機械的エネルギーによって車輪48を直接回転させてもよい。
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の焼結磁石が備える結晶粒子が、3層以上のコアで被覆されていてもよい。すなわち、結晶粒子が、コアと、コアを被覆する第1シェルと、第1シェルを被覆する第2シェルと、第(n−1)シェルを被覆する第nシェルを備えてもよい。このとき、nは3以上の整数である。第nシェルにおける重希土類元素の質量濃度は、第(n−1)シェルにおける重希土類元素の質量濃度よりも高い。この場合も、上記実施形態と同様の効果を達成できる。なお、n層のシェルを有する結晶粒子は、第1製法において、焼結体に対して(n−1)回の熱処理を行うことにより形成される。また、n層のシェルを有する結晶粒子は、第2製法において、焼結体に対してn回の熱処理を行うことにより形成される。また、n層のシェルを有する結晶粒子は、第3製法において、拡散剤にn種類の重希土類元素を含有させることにより形成される。
本発明のモーターは、永久磁石同期モーターの場合、IPMモーターに限定されるものではなくSPMモーターであってもよい。また、本発明のモーターは、永久磁石同期モーターの他に永久磁石直流モーター、リニア同期モーター、ボイスコイルモーター、振動モーターであってもよい。
本発明の自動車が備える発電機が、本発明の焼結磁石を有してもよい。これにより、モーターと同様に、発電機の小型化及び発電効率の向上が可能となる。
(実施例1)
実施例1では、上記製法1によって希土類焼結磁石を作製した。以下、実施例1について詳説する。
30wt%Nd−1wt%Dy-0.2wt%Al−0.1wt%Ga−1wt%B−bal.Feの組成を有する主相合金をストリップキャストで作製した。30wt%Dy−5wt%Co−0.2wt%Al−0.7wt%Cu−1.5wt%Zr−bal.Feの組成を有する粒界相合金をストリップキャストで作製した。水素吸蔵粉砕によって主相合金の粉末を調製した。水素吸蔵粉砕では、主相合金に、水素を吸蔵させた後、Ar雰囲気下、600℃で1時間の脱水素を行った。粒界相合金の粉末を、主相合金と同様の方法で調製した。
主相合金の粉末、粒界相合金の粉末及び粉砕助剤であるオレイン酸アミドを、ナウターミキサーを用いて10分間混合した後、ジェットミルで微粉砕して、平均粒径が4μmである微粉を得た。主相合金の粉末と粒界相合金の粉末との配合比は、90質量部:10質量部に調整した。オレイン酸アミドの添加量は、主相合金の粉末及び粒界相合金の全体を基準として0.1質量%に調整した。
微粉を、電磁石中に配置された金型内に充填し、磁場中で成形して成形体を作製した。成形では、微粉に1200kA/mの磁場を印加しながら、微粉を120MPaで加圧した。
成形体を、真空中、1050℃で4時間焼結した後、急冷して焼結体を得た。なお、水素吸蔵粉砕から焼結までの各工程を、酸素濃度が100ppm未満である雰囲気下で行なった。得られた焼結体の組成は、27wt%Nd−3.9wt%Dy−0.2wt%Al−0.07wt%Cu−0.5wt%Co−0.09wt%Ga−0.15wt%Zr−0.9wt%B−bal.Feであった。
焼結体を10mm×10mm×3mmに加工した。加工後の焼結体にDyHを含む拡散剤を塗布した後に、焼結体に2段階の熱処理を施し、実施例1の希土類焼結磁石を作製した。拡散剤としては、DyHを有機溶媒に分散させたスラリーを用いた。拡散剤の塗布量は、焼結体に対するDyHの割合が0.4質量%となるように調整した。1段階目の熱処理では、焼結体をAr雰囲気において900℃で1時間加熱した。2段階目の熱処理では、焼結体をAr雰囲気において540℃で2時間加熱した。
(比較例1)
焼結体に拡散剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で、比較例1の希土類焼結磁石を作製した。
(比較例2)
比較例2では、27wt%Nd−3.9wt%Dy−0.2wt%Al−0.5wt%Co−0.07wt%Cu−0.15wt%Zr−0.09wt%Ga−0.9wt%B−bal.Feの組成を有する主相合金をストリップキャストで作製した。また比較例2では、粒界相合金を用いることなく、焼結体を作製した。比較例2の焼結体の組成は、主相合金の組成と同じであった。以上の事項以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の希土類焼結磁石を作製した。
(実施例2)
実施例2では、上記製法2によって希土類焼結磁石を作製した。以下、実施例2について詳説する。
実施例2では、比較例2の焼結体を用いた。実施例2では、実施例1と同様に、焼結体にDyHを含む拡散剤を塗布した後に、焼結体を900℃で1時間、1回目の熱処理をした。熱処理後の焼結体の表面にTbHを含む拡散剤を塗布した後に、焼結体をAr雰囲気において850℃で1時間、2回目の熱処理をした。その後に焼結体の時効処理を、Ar雰囲気において540℃で2時間行い、実施例2の希土類焼結磁石を作製した。TbHを含む拡散剤としては、TbHを有機溶媒に分散させたスラリーを用いた。拡散剤の塗布量は、焼結体に対するTbHの割合が0.4質量%となうように調整した。
[組成分析]
電子線マイクロアナライザ(EPMA)による分析の結果、実施例1,2の各希土類焼結磁石を構成する複数の結晶粒子は、コアと、コアを被覆する第1シェルと、第1シェルを被覆する第2シェルとを有することが確認された。また、EPMAによる分析の結果、比較例1,2の各希土類焼結磁石を構成する結晶粒子はコアと第1シェルとを有するが、第2シェルを有していないことが確認された。
STEM−EDSを用いて、各実施例及び比較例の希土類焼結磁石を構成する結晶粒子の組成を分析した。そして、コア、第1シェル及び第2シェルそれぞれにおけるNd,Dy又はTbの含有率を求めた。分析結果を表1に示す。なお、実施例1の希土類焼結磁石全体の平均的な組成は、27wt%Nd−4.2wt%Dy−0.2wt%Al−0.07wt%Cu−0.5wt%Co-0.09wt%Ga−0.15wt%Zr−0.9wt%B−bal.Feであった。実施例2及び比較例1,2の各希土類焼結磁石の組成は、実施例1と同様であった。表1のコアの行に記載されている数値は、コアを構成する全元素に対するNd,Dy又はTbのいずれか一元素の比率である。表1の第1シェルの行に記載されている数値は、第1シェルを構成する全元素に対するNd,Dy又はTbのいずれか一元素の比率である。表1の第2シェルの行に記載されている数値は、第2シェルを構成する全元素に対するNd,Dy又はTbのいずれか一元素の比率である。
[磁気特性の評価]
各実施例及び比較例の希土類焼結磁石の残留磁束密度(Br)及び保磁力(HcJ)をBHトレーサーで測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2011211068
Figure 2011211068
実施例1,2は残留磁束密度及び保磁力に優れることが確認された。比較例1,2は実施例1,2に比べて保磁力に劣ることが確認された。
2・・・結晶粒子、2a,2b・・・主相粒子、4・・・結晶粒子のコア、6・・・第1シェル、6a・・・第1層、8・・・第2シェル、10・・・焼結磁石、20・・・ロータ、22・・・ロータコア、24・・・磁石収容部、30・・・ステータ、32・・・コイル部、40・・・エンジン、42・・・発電機、44・・・蓄電池、48・・・車輪、50・・・自動車、100・・・モーター。

Claims (5)

  1. コアと、前記コアを被覆する第1シェルと、前記第1シェルを被覆する第2シェルと、を有するR−T−B系希土類磁石の結晶粒子群を備え、
    前記第1シェルにおける重希土類元素の質量の比率が、前記コアにおける重希土類元素の質量の比率よりも高く、
    前記第2シェルにおける重希土類元素の質量の比率が、前記第1シェルにおける重希土類元素の含有率よりも高い、
    焼結磁石。
  2. 前記第1シェル又は前記第2シェルの少なくともいずれかが、Dy又はTbを含む、
    請求項1に記載の焼結磁石。
  3. 前記第1シェル又は前記第2シェルの少なくともいずれかが、Dy及びTbを含む、
    請求項1に記載の焼結磁石。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の焼結磁石を備える、
    モーター。
  5. 請求項4に記載のモーターを備える、
    自動車。
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