JP2011205028A - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い電気特性および信頼性を有する電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】表面を粗面化し誘電体皮膜を形成した陽極箔と、陰極箔と、合成繊維と水溶性バインダーとを含むセパレータと、を巻回してコンデンサ素子を形成する工程と、コンデンサ素子を、水を主溶媒とする化成液に浸漬して再化成する工程と、再化成処理したコンデンサ素子を、60℃以上、100℃未満で第1熱処理を行う工程と、第1熱処理したコンデンサ素子を、150℃以上、合成繊維の融点未満で第2熱処理を行う工程と、を含む電解コンデンサの製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解コンデンサの製造方法に関し、特に、セパレータに合成繊維を用いた電解コンデンサの製造方法に関する。
近年、電子機器のデジタル化および高周波化に伴い、小型で大容量であり、高周波領域においてもインピーダンスの低い電解コンデンサが要求されている。
上記要求に対応する電解コンデンサとして、巻回型の電解コンデンサが開発されている。巻回型の電解コンデンサは、セパレータを介して巻回された陽極箔と陰極箔との隙間に液体または固体の電解質が含浸された構成を有する。このような巻回型の構成によって、小型で大容量の電解コンデンサを実現することができる。
この電解コンデンサの性能を高めるために、様々な検討がなされている。たとえば、特許文献1には、リフロー時の膨れ及び特性劣化を防ぐため、ビニロン繊維からなるセパレータを用いたコンデンサ素子を、切り口化成工程の後に175〜300℃で熱処理する電解コンデンサの製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR)を低減するために、セルロース繊維、アクリル繊維およびバインダーからなるセパレータを備えたコンデンサ素子を、切り口化成工程の後に200℃以上で熱処理する電解コンデンサの製造方法が記載されている。
特開2001−284179号公報 特開2009−71324号公報
しかしながら、前述の電解コンデンサの製造方法において、切り口化成工程後の熱処理によって、電解コンデンサの静電容量、ESR、漏れ電流(LC)など電気特性および信頼性の低下という問題があった。
そこで、本発明は、高い電気特性および信頼性を有する電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、表面を粗面化し誘電体皮膜を形成した陽極箔と、陰極箔と、合成繊維と水溶性バインダーとを含むセパレータと、を巻回してコンデンサ素子を形成する工程と、コンデンサ素子を、水を主溶媒とする化成液に浸漬して再化成する工程と、再化成処理したコンデンサ素子を、60℃以上、100℃未満で第1熱処理を行う工程と、第1熱処理したコンデンサ素子を、150℃以上、合成繊維の融点未満で第2熱処理を行う工程と、を含む電解コンデンサの製造方法である。
上記電解コンデンサの製造方法において、合成繊維は、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維およびアラミド繊維のうち少なくとも1以上を含むことが好ましい。
また、上記電解コンデンサの製造方法において、セパレータは、水溶性バインダーを5〜40重量%含んでいることが好ましい。
また、上記電解コンデンサの製造方法において、水溶性バインダーは、ポリビニルアルコールまたはポリアクリルアミドであることが好ましい。
また、上記電解コンデンサの製造方法において、第2熱処理工程の後に、コンデンサ素子に導電性高分子からなる電解質を含浸させる工程と有することが好ましい。
本発明によれば、高い静電容量および信頼性を有する電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
本実施の形態に係る巻回型の電解コンデンサの構造を概略的に示す断面図である。 本実施の形態に係るコンデンサ素子の構成を説明するための図である。
本発明者は、電解コンデンサの電気特性および信頼性が低下する原因について、切り口化成工程においてセパレータから溶出した成分の一部が、熱処理工程で誘電体皮膜に融着することに着目し鋭意検討した結果、熱処理工程を段階的に行うことにより、高い静電容量および信頼性を有する電解コンデンサを製造できることを知見した。
以下、上記知見に基づいた本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一または対応する部分について同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
≪コンデンサ素子形成工程≫
まず、公知の化成処理方法に従って、エッチング等の粗面化処理が施された陽極箔21の表面に誘電体被膜を形成する。たとえば、陽極箔をアジピン酸アンモニウム溶液などの公知の化成液に浸漬し、熱処理または電圧を印加することによって陽極箔の表面に誘電体被膜を形成することができる。陽極箔としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンなどの弁作用金属を用いることができる。また、エッチング等の粗面化処理がされた陽極箔は、表面に無数の細孔を有し、非常に大きい表面積を有している。
そして、誘電体被膜が形成された陽極箔21と陰極箔22とをセパレータ23を介して巻回し、巻き止めテープ24で止めてコンデンサ素子10を作製する。ここで、陽極箔21及び陰極箔22には、リードタブ15A,15Bを介して、端子となるリード線14A,14Bが夫々接続されている。
セパレータ23としては、合成繊維とバインダーとを含む不織布等を用いることができる。合成繊維として、融点または分解温度が150℃以上の合成繊維が好ましく、特に、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維およびアラミド繊維のうち少なくとも1以上を含むことが好ましい。その中でも、アラミド繊維は耐熱性が高いため特に好ましい。
バインダーとして、水溶性バインダーが、再化成時におけるセパレータへの化成液の浸み込み易さから好ましい。その中でも、ポリビニルアルコール(PVA),ポリアクリルアミドが好ましく、特にPVAは電解コンデンサのESRを低減することができるため好ましい。
セパレータ23におけるバインダーの含有量は、バインダーが少なすぎると、セパレータの引張強度が低くコンデンサ素子の巻回が困難になるため5重量%以上が好ましく、バインダーが多すぎると、後述する再化成工程において溶出したバインダーが陽極箔の細孔を塞いでしまい、静電容量が低下する虞があるため40重量%以下が好ましい。
≪再化成工程≫
続いて、巻回して形成したコンデンサ素子10に対して再化成を行う。一般的に、陽極箔21には、大判の金属箔を化成処理し、その後所望の大きさに裁断された金属箔が用いられるため、陽極体21の切断面である切り口には誘電体被膜が形成されてない。また、上述のように形成したコンデンサ素子は、巻回する際のストレスなどによって、誘電体皮膜が損傷していることがある。再化成は、陽極箔21の切り口に誘電体皮膜を形成するため、誘電体皮膜の損傷部分を修復するため等に行われる。
再化成は、コンデンサ素子10を化成液に浸漬して、コンデンサ素子10の陽極箔21に電圧を印加して行うことができる。化成液は、アジピン酸、リン酸等の公知の化成促進剤を含む水溶液を用いることができる。化成促進剤の濃度は、0.1〜10.0重量%が好ましく、化成液の温度は、15〜35℃で行うことが好ましい。再化成処理の要する時間は、30〜180分が好ましい。
化成液から引き揚げたコンデンサ素子10は、純水などの洗浄水を用いて洗浄してもよい。
≪第1熱処理工程≫
再化成工程後のコンデンサ素子10を第1熱処理することによって、コンデンサ素子10に残留している水分を蒸発させる。コンデンサ素子10に残留している水分とは、再化成で用いた化成液または洗浄液に含まれている水分である。第1熱処理は、化成液および洗浄液の溶媒である水の沸点100℃より低い温度で行うことが好ましい。コンデンサ素子10に残留している水分には、セパレータ23の合成繊維やバインダーなどが溶出した溶出成分が含まれているため、100℃以上で熱処理した場合、急激な蒸発による拡散作用のため溶出成分が陽極箔21の細孔の深部まで浸み込み、熱により該溶出成分が誘電体皮膜の表面に融着し、電解コンデンサの静電容量を低下させる。本発明は、第1熱処理を100℃以下で行うことにより、コンデンサ素子10に残留している水分の蒸発速度が緩やかになり、溶出成分が陽極箔21の細孔の深部への浸み込むことを抑え、誘電体皮膜に融着することを防ぐことができ、その結果、電解コンデンサの静電容量を高めることができる。また、セパレータ23に含まれるバインダー量が多い場合、特に20%以上の場合は、溶出成分が多くなるため静電容量の低下が顕著に起るが、本工程を行うことにより静電容量の低下を抑えることができる。
また、第1熱処理は、確実に水分を除去するために60℃以上で行うことが好ましい。第1熱処理に要する時間は、確実に水分を除去するために10分以上であることが好ましく、製造効率の観点から60分以下であることが好ましい。
≪第2熱処理工程≫
次に、第1熱処理したコンデンサ素子10を、第1熱処理工程よりも高い温度で第2熱処理する。本工程を行うことで、陽極箔および陰極箔のアニール効果により電解コンデンサの信頼性が向上する。
第2熱処理は、陽極箔および陰極箔のアニール効果により150℃以上で行うことが好ましい。第2熱処理温度が高温すぎる場合、セパレータに含まれる合成繊維が融解または熱分解することで、電解コンデンサのESRやLCなどの電気特性が悪化するため、セパレータに含まれる合成繊維の融点または分解温度よりも低い温度で行うことが好ましい。
また、第2熱処理に要する時間は、陽極箔および陰極箔のアニール効果のため10分以上であることが好ましく製造効率の観点から180分以下であることが好ましい。
≪電解質含浸工程≫
次に、第2熱処理したコンデンサ素子10に電解質を含浸させる。電解質には、γブチルラクトン等からなる電解液、二酸化マンガン、TCNQ錯体、導電性高分子等からなる固体電解質を用いることができる。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン若しくはポリアニリン、またはこれらの誘導体などの高分子を用いることができる。本発明に導電性高分子を用いることは、耐熱性、熱安定性の理由から特に好ましい。また、ポリチオフェンまたはその誘導体の導電性が高いことから、ポリチオフェンまたはその誘導体からなる高分子が好ましく、特に、ポリエチレンジオキシチオフェンからなる高分子が好ましい。また、コンデンサ素子10への導電性高分子の含浸方法としては、化学重合、電解重合など公知の方法を用いることができる。
≪封止工程≫
上記工程によって作製されたコンデンサ素子10は、有底ケース11に収納され、コンデンサ素子10の上面に、リード線14A,14Bが貫通するように形成された封止部材12が配置されることによって、有底ケース11内に封止される。そして、有底ケース11の開口端近傍が、横絞り・カール加工され、加工されたカール部分に座板13が配置されることにより、図1に示す電解コンデンサが作製される。
<実施例1>
まず、表面をエッチング処理によって粗面化されたアルミニウム箔を、アジピン酸アンモニウム溶液を含む化成液に浸漬して電圧を印加し、アルミニウム箔の表面に誘電体被膜を形成した。そして、この誘電体被膜が形成されたアルミニウム箔を裁断して、陽極箔21を作製した。その後、陽極箔21およびアルミニウム箔からなる陰極箔22に、リードタブ15A,15Bを介して、端子となるリード線14A,14Bをそれぞれ接続した。なお、リード線14A,14Bには銅被覆鋼線を用いた。そして、陽極箔21と陰極箔22とを、90重量%のビニロン繊維と10重量%のポリビニルアルコール(PVA)とを含むセパレータ23を介して巻回し、巻き止めテープ24で止めてコンデンサ素子10を作製した。
次に、コンデンサ素子10を、2.0重量%のアジピン酸アンモニウム水溶液からなる25℃の化成液に浸漬し、8Vで60分間電圧を印加することで再化成処理を行った。
そして、化成液から引き揚げたコンデンサ素子10を、85℃、30分間の条件で第1熱処理を行った後、220℃、60分間の条件で第2熱処理を行った。
次に、モノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤としてのp−トルエンスルホン酸第二鉄ブチルアルコール溶液とを、重量比で1:3になるように混合した重合液を調製した。そして、コンデンサ素子10を重合液に浸漬し、引き上げた後、250℃で加熱して、コンデンサ素子10の内部にポリエチレンジオキシチオフェンからなる導電性高分子を形成した。
そして、コンデンサ素子10を有底ケース11としてのアルミケースに収納し、収納されたコンデンサ素子10の上面に、リード線14A,14Bが貫通するように、封止部材12としてのゴム部材を配置した。その後、有底ケース11の開口端近傍を横絞り・カール加工し、加工されたカール部分に座板13としてのプラスチック板を配置した。最後に、リード線14A,14Bのプレス加工および折り曲げ加工を行った後にエージングし、図1に示すような電解コンデンサを作製した。
<実施例2>
セパレータに、90重量%のナイロン繊維と10重量%のPVAとを含むセパレータ23を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<実施例3>
セパレータに、90重量%のアクリル繊維と10重量%のPVAとを含むセパレータ23を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<実施例4>
セパレータに、90重量%のアラミド繊維と10重量%のPVAとを含むセパレータ23を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<実施例5>
第1熱処理温度を120℃にした以外は、実施例1と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<実施例6>
第2熱処理温度を145℃にした以外は、実施例1と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<実施例7>
第2熱処理温度を280℃にした以外は、実施例1と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<実施例8>
第2熱処理温度を280℃にした以外は、実施例4と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<実施例9>
PVAの含有量を40%にした以外は、実施例4と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<実施例10>
PVAの含有量を50%にした以外は、実施例4と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<比較例1>
第1熱処理を行わず、第2熱処理を220℃で行った以外は、実施例1と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<比較例2>
第1熱処理を行わず、第2熱処理を85℃で行った以外は、実施例1と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<比較例3>
第1熱処理を行わず、第2熱処理を220℃で行った以外は、実施例2と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<比較例4>
第1熱処理を行わず、第2熱処理を220℃で行った以外は、実施例3と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<比較例5>
第1熱処理を行わず、第2熱処理を220℃で行った以外は、実施例4と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
<比較例6>
PVAの含有量を40%にした以外は、比較例5と同様の方法により、電解コンデンサを作製した。
以上の実施例1〜10および比較例1〜6の対比が容易となるように、各実施例および比較例に用いた各セパレータと各熱処理条件を表1にまとめた。

<性能評価>
各実施例および各比較例の電解コンデンサの定格電圧は4V、定格容量は150μFであった。また、電解コンデンサの外形は、直径が6.3mm、高さが6mmであった。
≪初期静電容量≫
各実施例および各比較例における20個ずつの電解コンデンサを、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの電解コンデンサの周波数120Hzにおける初期静電容量(μF)を測定した。測定された結果のそれぞれの平均値を表2に示した。
≪初期ESR≫
各実施例および各比較例における20個ずつの電解コンデンサについて、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR(mΩ)を測定した。測定された結果のそれぞれの平均値を表2に示した。
≪tanδ≫
各実施例および各比較例における20個ずつの電解コンデンサについて、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの電解コンデンサの周波数120Hzにおけるtanδ(%)を測定した。測定された結果のそれぞれの平均値を表2に示した。
≪漏れ電流≫
各実施例および各比較例における20個ずつの電解コンデンサについて、定格電圧4Vを2分間印加した後の漏れ電流(μA)を測定した。測定された結果のそれぞれの平均値を表2に示した。
≪信頼性試験≫
各実施例および各比較例の電解コンデンサについて信頼性試験を行った。具体的には、125℃の環境下で、各実施例および各比較例の電解コンデンサに定格電圧4Vを印加して、500時間保持した。
≪静電容量変化率≫
リフロー試験後の各実施例および各比較例の20個ずつの電解コンデンサについて、上述と同様の方法で静電容量を測定し、それぞれの電解コンデンサの平均値を算出した。そして、初期静電容量をC0、リフロー試験後の静電容量をCとして下記式(1)に代入して、静電容量変化率ΔC(%)を算出した。結果を表2に示した。
ΔC(%)=(C−C0)/C0×100・・・(1)
≪ESR変化率≫
リフロー試験後の各実施例および各比較例の20個ずつの電解コンデンサについて、上述と同様の方法でESRを測定し、それぞれの電解コンデンサの平均値を算出した。そして、初期ESRをR0、リフロー試験後のESRをRとして下記式(2)に代入して、ESR変化率ΔR(倍)を算出した。結果を表2に示した。
ΔR(倍)=R/R0・・・(2)

表2において、実施例1〜10と比較例1〜6とを比べると、実施例1〜10の電解コンデンサは、比較例1〜6の電解コンデンサよりも、初期静電容量が大きかった。したがって、第1熱処理を行わなかった電解コンデンサよりも、第1熱処理を行った電解コンデンサのほうが、セパレータからの溶出成分の影響を受けにくく、初期静電容量が低下しにくいことが分かった。
また、セパレータのPVA含有量が40%の実施例9と比較例6とを比べると、第1および第2熱処理を行った実施例9は、第1熱処理を行わなかった比較例6よりも初期静電容量が大きかった。したがって、セパレータに含まれるバインダーが比較的多い場合であっても、第1熱処理を行うことによって、電解コンデンサの初期静電容量が低下しにくいことが分かった。
実施例1と実施例5とを比べると、85℃で第1熱処理を行った実施例1の電解コンデンサは、120℃で第1熱処理を行った実施例5よりも、初期静電容量が大きかった。したがって、第1熱処理を水の沸点よりも低い温度で行うことによって、さらに初期静電容量を高めることができることが分かった。
実施例1と実施例6とを比べると、第2熱処理を220℃で行った実施例1の電解コンデンサは、第2熱処理を145℃で行った実施例6よりも、静電容量変化率およびESR変化率がわずかであった。したがって、より高温で第2熱処理を行うことで、静電容量変化率およびESR変化率を低く抑えることができることが分かった。
また、第2熱処理を280℃で行った実施例7と実施例8とを比べると、セパレータにビニロン繊維を用いた実施例7の電解コンデンサは、セパレータにアラミド繊維を用いた実施例8の電解コンデンサよりも、初期ERSおよびLCが大きかった。これは、アラミド繊維の融点(分解温度)が400℃以上であるのに対して、ビニロン繊維の融点(分解温度)が約240℃であるため、セパレータの融点よりも高い温度で第2熱処理を行った実施例7の電解コンデンサでは、融解したセパレータによって陽極箔が損傷を受けたことが原因と考えられる。したがって、第2熱処理は、電解コンデンサのセパレータに含まれる合成繊維の融点より低い温度で行うことで、初期ERSおよびLCを低く抑えることができることが分かった。
実施例4、9および10を比べると、セパレータのPVAの含有量が少ないほど静電容量が高く、特にPVAの含有量40%以下の実施例4および9では、ESR変化率も低かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、電解コンデンサとしての特性を向上させるために広く利用することができる。
10 コンデンサ素子、11 有底ケース、12 封止部材、13 座板、14A,14B リード線、15A,15B リードタブ、21 陽極体、22 陰極体、23 セパレータ、24 巻き止めテープ、100 電解コンデンサ。

Claims (5)

  1. 表面を粗面化し誘電体皮膜を形成した陽極箔と、陰極箔と、合成繊維と水溶性バインダーとを含むセパレータと、を巻回してコンデンサ素子を形成する工程と、
    前記コンデンサ素子を、水を主溶媒とする化成液に浸漬して再化成する工程と、
    前記再化成処理したコンデンサ素子を、60℃以上、100℃未満で第1熱処理を行う工程と、
    前記第1熱処理したコンデンサ素子を、150℃以上、前記合成繊維の融点未満で第2熱処理を行う工程と、
    を含む電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記合成繊維は、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維およびアラミド繊維のうち少なくとも1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記セパレータは、前記水溶性バインダーを5〜40重量%含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記水溶性バインダーは、ポリビニルアルコールまたはポリアクリルアミドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記第2熱処理工程の後に、前記コンデンサ素子に導電性高分子からなる電解質を含浸させる工程と有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
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