JP2008294231A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Takahiro Umehara
孝洋 梅原
Akihiro Matsuda
晃啓 松田
Kunihisa Kijima
邦久 来嶋
Akira Kuniyone
亮 國米
Yuichi Nakajima
雄一 中嶋
Teruki Otsuki
輝喜 大月
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Abstract

【課題】固体電解コンデンサにおいて、生産性を高め、かつ電気特性を安定させること。
【解決手段】陽極引き出し電極5が接続された陽極体1と陰極引き出し電極5が接続された陰極体3とをセパレータ21,22を介して巻回した、コンデンサ素子4に導電性高分子を保持させてなる固体電解コンデンサにおいて、陽極引き出し電極5は、陽極体1に接続される陽極コンタクト部51と、陽極コンタクト部51の端部から陽極体1と離間するように所定方向に向かって延びる陽極リード部52とを備え、陰極引き出し電極6は、陰極体3に接続される陰極コンタクト部61と、陰極コンタクト部61の端部から陰極体3と離間するように所定方向に向かって引き出された陰極リード部62とを備え、これら両引き出し電極5,6は、少なくともそのリード部52,62が銀または錫を含有させた銅で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
従来、電解コンデンサの陽極電極は、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属からなるが、この陽極電極はエッチングピットや微細孔を持ち、陽極電極表面に誘電体となる酸化皮膜層を形成し、この酸化皮膜層上に電解質層を形成し、電極を引き出して構成される。
電解コンデンサにおける真の陰極は、上記の電解質層であり、この電解質層が電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすため、数々の形成方法が提案されている。
固体電解コンデンサは、イオン伝導性であるために高周波領域でインピーダンス特性が悪化する液状の電解質に替えて、電子伝導性を有する固体の電解質を用いるもので、なかでも7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られており、このTCNQ錯体を熱溶融して陽極電極に浸漬、塗布し、固体電解質層を形成している(特許文献1)。
他の手法として、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)等の導電性高分子を固体電解質として用いることが試みられている(特許文献2)。
導電性高分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサにおいても、一般的に電子部品の引き出し電極に電子伝導度の低い材料を使用し、電子部品自体の抵抗を低くする方法は種々提案されているが、製品としての等価直列抵抗(以下、「ESR」という)を低くするために、銅で構成された引き出し電極を用いる検討がなされている(特許文献3および4)。
上記導電性高分子を固体電解質とした固体電解コンデンサの製造方法には、それぞれに引き出し電極が接続された陽極体と陰極体とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を高温中に放置し、セパレータを炭化処理して導電性高分子を保持しやすくする工程が含まれるが、外表面に高い融点を有する金属メッキ層を形成した引き出し電極を使用する検討がなされている(特許文献5)。
また、陽極引き出し電極および陰極体の各露出部分に積層した、表面に銀を塗布した銅粒子を主成分とする電極を有する固体電解コンデンサが提案されている(特許文献6)。
さらに、引き出し電極の表面に、銅または銅と錫との合金とカップリング剤とのメッキ液により、メッキ処理された複合メッキ層を形成するようにした固体電解コンデンサが提案されている(特許文献7)。
特開昭58−191414号公報 特開平2−15611号公報 特開2001−44078号公報 特開2003−297676号公報 特開2000−277385号公報 特開平7−74054号公報 特開平10−289838号公報
PEDT等の導電性高分子を固体電解質とした固体電解コンデンサは、その作製工程の中で高温加熱を行う炭化処理工程を有するが、銅で構成された引き出し電極を使用している場合、この高温加熱を行う際に引き出し電極が軟化してしまい、設備仕掛かりやリード曲がりなどの外観上の問題が生じ、生産性が悪いという問題があった。
また、外表面に高い融点を有する金属メッキ層を形成した引き出し電極を使用した場合でも、引き出し電極の母材自体が銅であるため、上記と同様に、高温加熱を伴う炭化処理を行うと、引き出し電極が軟化してしまい、設備仕掛かりやリード曲がりなどの外観上の問題が生じる。
さらに、陽極引き出し電極および陰極引き出し電極に、銀を表面に塗布した銅を主成分とする電極を積層した場合や、引き出し電極の表面に銅または銅と錫との合金を含む複合メッキ層を形成する場合でも、引き出し電極自体には銀または錫が含有されていないため、やはり炭化処理(加熱処理)を行うと、引き出し電極が軟化してしまう。
本発明は、上記技術的課題に鑑みなされたもので、生産性が高く、かつ電気特性が安定する固体電解コンデンサおよびその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者等は、引き出し電極の母材を銅とし、この引き出し電極の少なくとも一部に銀または錫を含有させればよいと着想した。
かかる着想に基づく具体的な発明は、以下の通りである。
ある局面から観ると、本発明は、陽極引き出し電極が接続された陽極体と陰極引き出し電極が接続された陰極体とをセパレータを介して巻回した、コンデンサ素子に導電性高分子を保持させてなる固体電解コンデンサにおいて、
上記陽極引き出し電極は、上記陽極体に接続される陽極コンタクト部と、この陽極コンタクト部の端部から上記陽極体と離間するように所定方向に向かって引き出された陽極リード部とを備え、上記陰極引き出し電極は、上記陰極体に接続される陰極コンタクト部と、この陰極コンタクト部の端部から上記陰極体と離間するように所定方向に向かって引き出された陰極リード部とを備え、これら陽極引き出し電極および陰極引出電極のうち何れか一方または双方は、少なくともそのリード部が銀を含有させた銅で構成されている。
上記銀の含有量は、0.01〜5.00wt%に設定されていることが好ましい。この範囲より少ない銀の含有量では、固体電解コンデンサの作製する過程で引き出し電極が軟化してしまう一方、この範囲より多い銀の含有量では、生産コストが高くなってしまうからである。
他の局面から観ると、本発明は、陽極引き出し電極が接続された陽極体と陰極引き出し電極が接続された陰極体とをセパレータを介して巻回した、コンデンサ素子に導電性高分子を保持させてなる固体電解コンデンサにおいて、
上記陽極引き出し電極は、上記陽極体に接続される陽極コンタクト部と、この陽極コンタクト部の端部から上記陽極体と離間するように所定方向に向かって引き出された陽極リード部とを備え、上記陰極引き出し電極は、上記陰極体に接続される陰極コンタクト部と、この陰極コンタクト部の端部から上記陰極体と離間するように所定方向に向かって引き出された陰極リード部とを備え、これら陽極引き出し電極および陰極引出電極のうち何れか一方または双方は、少なくともそのリード部が錫を含有させた銅で構成されている。
上記錫の含有量は、0.005〜7.00wt%に設定されていることが好ましい。この範囲より少ない錫の含有量では、固体電解コンデンサを作製する過程で引き出し電極が軟化してしまう一方、この範囲より多い錫の含有量では、引き出し電極の抵抗が大きくなってしまう問題があるからである。
なお、上記導電性高分子は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリエチレンジオキシチオフェンうちの何れかである。
上記固体電解コンデンサの製造方法は、上記コンデンサ素子を高温中に放置し、上記セパレータを炭化処理して上記導電性高分子を保持しやすくする工程を含み、この工程における炭化処理温度は、150〜450℃に設定されている。
なお、上記炭化処理温度での加熱時間は、5〜180分であることが好ましい。
本発明では、引き出し電極の母材を銅とし、この引き出し電極の少なくとも一部自体に銀または錫を含有させているので、コンデンサ素子を炭化処理しても引き出し電極が軟化するのを防止できる。その結果、固体電解コンデンサの生産性が高くなると共に、その電気特性も安定する。
以下、本発明の実施の形態について添付図面に基づき説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサのコンデンサ素子の概略構成を示す斜視図である。
図1を参照して、本実施の形態に係る固体電解コンデンサは、陽極引き出し電極5が接続された陽極電極箔1と、陰極引き出し電極6が接続された陰極電極箔3とをセパレータ21,22を介して巻回した、コンデンサ素子4に導電性高分子を保持させてなる。
図2は陽極側セパレータを巻回する前の状態を示す展開図である。
図2を参照して、陽極引き出し電極5は、銅を母材とした棒状のリード部材であって、陽極電極箔1に接続される陽極コンタクト部51と、陽極コンタクト部51の上端部から陽極電極箔1と離間するように図面の上方に向かって引き出された陽極リード部52とを備えた棒状のリード部材である。この陽極引き出し電極5は、陽極コンタクト部51の上端部を陽極電極箔1から露出させた状態で当該陽極電極箔1に接続される。
それゆえ、陽極コンタクト部51の上端部は、陽極側セパレータ21を巻き止めした状態においても当該セパレータ21から露出される。陽極リード部52には、所定量の銀または錫が含有されている。
換言すると、陽極引き出し電極5の陽極リード部52は、銀または錫が含有された銅で構成されている。
図3は陰極側セパレータを巻回する前の状態を示す展開図である。
図3を参照して、陰極引き出し電極6は、銅を母材とした棒状のリード部材であって、陰極電極箔3に接続される陰極コンタクト部61と、陰極コンタクト部61の上端部から陰極電極箔3と離間するように図面の上方に向かって引き出された陰極リード部62とを備えた棒状のリード部材である。この陰極引き出し電極6は、陰極コンタクト部61の上端部を陰極電極箔3から露出させた状態で当該陰極電極箔3に接続される。
それゆえ、陰極コンタクト部61の上端部は、陰極側セパレータ22を巻き止めした状態においても当該セパレータ22から露出される。陰極リード部62には、所定量の銀または錫が含有されている。
換言すると、陰極引き出し電極6の陽極リード部62は、銀または錫が含有された銅で構成されている。
導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)等が適用可能である。
上記固体電解コンデンサの製造方法においては、導電性高分子を保持しやすくするために、コンデンサ素子4を高温中に放置し、セパレータ21,22を炭化処理する工程が含まれるが、この工程における炭化処理温度には、所定の制限が加えられている。
以下に示す実施例1〜6は、リード部52,62が銀を含有された銅で構成された引き出し電極5,6を使用して固体電解コンデンサを作製したものである。
(実施例1)
本実施例1では、まず、アルミニウム等の弁作用金属からなる陽極電極箔1の表面をエッチングにより粗面化した後、陽極酸化により酸化皮膜層を形成し、同様に、陰極電極箔3の表面をエッチングにより粗面化した後、陽極電極箔1および陰極電極箔3に、それぞれ陽極引き出し電極5および陰極引き出し電極6を接続し、セパレータ21,22を介して巻回することによって、コンデンサ素子4を作製した。このときに使用した引き出し電極5,6のリード部52,62の銀の含有量は、各々0.005wt%である。
続いて、上記のコンデンサ素子4をアジピン酸アンモニウム水溶液中で、電圧を印加し素子化成を行った。さらに、素子化成済みのコンデンサ素子4を350℃で60分間加熱放置してセパレータ21,22の炭化処理を行い、重合前処理を行った。
この重合前処理済みコンデンサ素子4を、p−トルエンスルホン酸鉄溶液に浸漬後、100℃で30分間加熱し乾燥させた。この後、モノマー(エチレンジオキシチオフェン)を溶媒で1/2の濃度に希釈調合した液にこのコンデンサ素子4を浸漬し、100℃で60分間加熱して化学重合によるPEDTを形成した。
さらに、コンデンサ素子4を有底筒状の外装ケースに収納し、開口部をゴムパッキング等により密封した後、エージング処理を行い、定格2.5V−560μFの固体電解コンデンサを作製した。
(実施例2)
本実施例2では、銀の含有量が0.01wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
本実施例3では、銀の含有量が0.10wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
本実施例4では、銀の含有量が1.00wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例5)
本実施例5では、銀の含有量が5.00wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例6)
本実施例6では、銀の含有量が7.00wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(従来例)
従来例では、上記のようにリード部52,62に銀を含有しない、即ち従来通りの銅100%で構成される引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
上記の実施例1〜6および従来例に係る固体電解コンデンサの電気特性(静電容量、ESRおよび漏れ電流)を測定した。また、製品の外観不良率(リード曲がり発生率)も集計した。その結果を表1に示す。
Figure 2008294231
表1から明らかな通り、実施例2〜6に係る固体電解コンデンサの方が、従来例に係る固体電解コンデンサに比べて、電気特性は同レベルの値であり、外観不良が少ないことが確認された。さらに、実施例1に係る固体電解コンデンサに関しては、従来例と比べ、外観不良率は同程度であることが確認された。一方、銀の含有量が多くなると、本発明の効果は得られるものの、引き出し電極の生産コストが高くなるという問題が生じる。これらのことから、銀の含有量は0.01〜5.00wt%であることが望ましいことが判明した。
以下に示す実施例7〜13は、リード部52,62が銀を含有した銅で構成された引き出し電極5,6を使用して固体電解コンデンサを作製したものである。
(実施例7)
本実施例7では、錫の含有量が0.002wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例8)
本実施例8では、錫の含有量が0.005wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例9)
本実施例9では、錫の含有量が0.05wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例10)
本実施例10では、錫の含有量が0.50wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例11)
本実施例11では、錫の含有量が3.00wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例12)
本実施例12では、錫の含有量が7.00wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例13)
本実施例13では、錫の含有量が10.0wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用してコンデンサ素子4を作製した以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
上記の実施例7〜13に係る固体電解コンデンサの電気特性(静電容量、ESRおよび漏れ電流)を測定した。また、製品の外観不良率(リード曲がり発生率)も集計した。その結果を表2に示す。
Figure 2008294231
表2から明らかな通り、実施例8〜12に係る固体電解コンデンサの方が、上記の比較例1に係る固体電解コンデンサに比べて、電気特性は同レベルの値であり、外観不良が少ないことが確認された。また、実施例7に係る固体電解コンデンサに関しては、上記の比較例1と比べ、外観不良が高くなることが確認された。さらに、実施例13に係る固体電解コンデンサに関しては、上記の比較例1と比べ、ESRが高いことが確認された。これらのことから、錫の含有量は0.005〜7.00wt%であることが望ましいことが判明した。
以下に示す実施例14〜18は、炭化処理における加熱温度を変更させて固体電解コンデンサを作製したものである。
(実施例14)
本実施例14では、銀の含有量が0.10wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を100℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例15)
本実施例15では、銀の含有量が0.10wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を150℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例16)
本実施例16では、銀の含有量が0.10wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を350℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例17)
本実施例17では、銀の含有量が0.10wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を450℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例18)
本実施例18では、銀の含有量が0.10wt%の銅で構成されるリード部52,62を有する引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を500℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
比較例1では、従来通りの銅100%で構成される引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を100℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
比較例2では、従来通りの銅100%で構成される引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を150℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
比較例3では、従来通りの銅100%で構成される引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を450℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例4)
比較例4では、従来通りの銅100%で構成される引き出し電極5,6を使用すると共に、上記のコンデンサ素子4の炭化処理温度を500℃とした以外は、上記実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
上記の実施例14〜18および従来例(炭化処理温度:350℃)ならびに比較例1〜4に係る固体電解コンデンサの電気特性(静電容量、ESRおよび漏れ電流)を測定した。また、製品の外観不良率も集計した。その結果を表3および図4に示す。なお、図4は炭化処理における加熱温度と外観不良率との相関関係を示す図である。
Figure 2008294231
表3および図4から明らかな通り、実施例15〜17に係る固体電解コンデンサの方が、従来例および比較例2〜3に係る固体電解コンデンサに比べて、電気特性は同レベルの値であり、外観不良が少ないことが確認された。また、実施例14に係る固体電解コンデンサに関しては、静電容量が低く、ESRが高くなることが確認された。さらに、実施例18に係る固体電解コンデンサに関しては、外観不良が高くなることが確認された。これらのことから、炭化処理における加熱温度は150〜450℃の範囲が望ましいことが判明した。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、銅を母材とする引き出し電極のリード部のみに銀または錫を含有させる例について記載したが、引き出し電極全体に銀または錫を含有する銅で構成してもよい。
また、上記実施例においては、銀または錫単体を銅に含有させた引き出し電極を使用する例について記載したが、銀と他の金属または錫と他の金属とを含有する銅で構成された引き出し電極を使用しても同様な効果が得られる。ここに、上記含有させる他の金属としては、鉛、鉄、亜鉛、リン等が挙げられる。
その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更および修正を加え得ることは勿論である。
本発明では、引き出し電極が軟化するのを防止できる結果、生産性が高くなると共に電気特性も安定するゆえ、固体電解コンデンサおよびその製造方法として有用である。
本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサのコンデンサ素子の概略構成を示す斜視図である。 陽極側セパレータを巻回する前の状態を示す展開図である。 陰極側セパレータを巻回する前の状態を示す展開図である。 炭化処理における加熱温度と外観不良率との相関関係を示す図である。
符号の説明
1 陽極電極箔
21,22 セパレータ
3 陰極電極箔
4 コンデンサ素子
5 陽極引き出し電極
51 陽極コンタクト部
52 陽極リード部
6 陰極引き出し電極
61 陰極コンタクト部
62 陰極リード部

Claims (6)

  1. 陽極引き出し電極が接続された陽極体と陰極引き出し電極が接続された陰極体とをセパレータを介して巻回した、コンデンサ素子に導電性高分子を保持させてなる固体電解コンデンサにおいて、
    上記陽極引き出し電極は、上記陽極体に接続される陽極コンタクト部と、この陽極コンタクト部の端部から上記陽極体と離間するように所定方向に向かって引き出された陽極リード部とを備え、
    上記陰極引き出し電極は、上記陰極体に接続される陰極コンタクト部と、この陰極コンタクト部の端部から上記陰極体と離間するように所定方向に向かって引き出された陰極リード部とを備え、
    これら陽極引き出し電極および陰極引き出し電極のうち何れか一方または双方は、少なくともそのリード部が銀を含有させた銅で構成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 上記銀の含有量は、0.01〜5.00wt%に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 陽極引き出し電極が接続された陽極体と陰極引き出し電極が接続された陰極体とをセパレータを介して巻回した、コンデンサ素子に導電性高分子を保持させてなる固体電解コンデンサにおいて、
    上記陽極引き出し電極は、上記陽極体に接続される陽極コンタクト部と、この陽極コンタクト部の端部から上記陽極体と離間するように所定方向に向かって引き出された陽極リード部とを備え、
    上記陰極引き出し電極は、上記陰極体に接続される陰極コンタクト部と、この陰極コンタクト部の端部から上記陰極体と離間するように所定方向に向かって引き出された陰極リード部とを備え、
    これら陽極引き出し電極および陰極引き出し電極のうち何れか一方または双方は、少なくともそのリード部が錫を含有させた銅で構成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  4. 上記錫の含有量は、0.005〜7.00wt%に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 上記導電性高分子は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリエチレンジオキシチオフェンうちの何れかであることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の固体電解コンデンサの製造方法であって、
    上記コンデンサ素子を高温中に放置し、上記セパレータを炭化処理して上記導電性高分子を保持しやすくする工程を含み、
    この工程における炭化処理温度は、150〜450℃に設定されていることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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