JP2008010719A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ESRが低く、かつ漏れ電流の小さい固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた焼結体1の表面に誘電体皮膜2を形成し、その上に固体電解質層3を形成し、さらにその上にカーボン層7および導電体層5、6を形成したものからなる。カーボン層7は樹脂カーボンペーストによって形成され、導電体層は、カーボン層の上に形成された第1の導電体層6と、その上に形成された第2の導電体層5とからなる。第1の導電体層6は、平均粒子径50〜300nmの導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成され、第2の導電体層5は、第1の導電体層6を形成する導電性粒子より大きい粒子径の導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた焼結体1の表面に誘電体皮膜2を形成し、その上に固体電解質層3を形成し、さらにその上にカーボン層7および導電体層5、6を形成したものからなる。カーボン層7は樹脂カーボンペーストによって形成され、導電体層は、カーボン層の上に形成された第1の導電体層6と、その上に形成された第2の導電体層5とからなる。第1の導電体層6は、平均粒子径50〜300nmの導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成され、第2の導電体層5は、第1の導電体層6を形成する導電性粒子より大きい粒子径の導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関し、特に、等価直列抵抗(ESR)が低く、漏れ電流が小さい固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
従来、固体電解コンデンサは、例えば、次のようにして製造されている。まず、タンタル、ニオブ、アルミニウム等の弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた陽極リード線を有する焼結体に、陽極酸化等によって誘電体酸化皮膜が形成される。その後、この誘電体酸化皮膜上に二酸化マンガンまたは導電性高分子からなる固体電解質層が形成される。
続いて、固体電解質層上にカーボン層が形成され、さらにその上に銀、金、銅の金属粒子を含有する導電性ペーストが塗布、乾燥されて導電体層が形成され、それによって、コンデンサ素子が形成される。
この場合、カーボン層は、一般的に、水性カーボンペーストを用いて形成されている。また、カーボン層の形成の際、水性カーボンペーストを用いた層と樹脂カーボンペーストを用いた層の2層を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
続いて、固体電解質層上にカーボン層が形成され、さらにその上に銀、金、銅の金属粒子を含有する導電性ペーストが塗布、乾燥されて導電体層が形成され、それによって、コンデンサ素子が形成される。
この場合、カーボン層は、一般的に、水性カーボンペーストを用いて形成されている。また、カーボン層の形成の際、水性カーボンペーストを用いた層と樹脂カーボンペーストを用いた層の2層を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
その後、コンデンサ素子の陽極リード線と陽極端子が接続され、さらに導電体層と陰極端子が導電性接着剤で接続された後、トランスファーモールドがなされ、固体電解コンデンサが作製される。
一方、近年、優れた高周波特性を有し、ESRが低く、かつ誘電損失の小さい固体電解コンデンサが要望されている。この要望に応えるべく、固体電解質である二酸化マンガン、または導電性高分子の導電率向上のための取組がなされている。
しかし、各層の固有抵抗を低下させても、各層間における接触抵抗が大きいため、十分な低ESR化の実現には至っていない。
しかし、各層の固有抵抗を低下させても、各層間における接触抵抗が大きいため、十分な低ESR化の実現には至っていない。
そこで、各層間の接触抵抗を小さくするために、カーボン層と導電体層の間に、平均粒子径が50〜300nmの範囲内にある導電性粒子を含む導電性ペーストを用いて他の導電体層を形成することにより、接触抵抗を小さくし、低ESR化を実現させる方法がこれまでに提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−110688号公報
特開2006−13031号公報
この従来の方法により、各層間の接触抵抗を小さくすることができるため、固体電解コンデンサの低ESR化が可能となった。
しかし、上記特許文献1記載の方法では、カーボン層を2回形成する必要があり、また形成温度が250〜300℃と高温であるため、製造コストがかかる問題があった。
また、特許文献2記載の方法では、カーボン層が水性カーボンペーストのみから形成されており、層形成時、水分が飛散し、疎な層となってしまうため、平均粒子径50〜300nmの導電体粒子が、カーボン層および固体電解質層の隙間に染み込み、誘電体皮膜の欠陥部にまで到達し、その結果、漏れ電流を改善することができなかった。
しかし、上記特許文献1記載の方法では、カーボン層を2回形成する必要があり、また形成温度が250〜300℃と高温であるため、製造コストがかかる問題があった。
また、特許文献2記載の方法では、カーボン層が水性カーボンペーストのみから形成されており、層形成時、水分が飛散し、疎な層となってしまうため、平均粒子径50〜300nmの導電体粒子が、カーボン層および固体電解質層の隙間に染み込み、誘電体皮膜の欠陥部にまで到達し、その結果、漏れ電流を改善することができなかった。
本発明は、上記課題を解決するもので、弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた焼結体の表面に誘電体皮膜を形成し、その上に固体電解質層を形成し、さらにその上にカーボン層および導電体層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、
前記カーボン層が樹脂カーボンペーストによって形成され、前記導電体層が、前記カーボン層の上に形成された第1の導電体層と、その上に形成された第2の導電体層とからなり、前記第2の導電体層が、前記第1の導電体層を形成する導電性粒子より大きい粒子径の導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
前記カーボン層が樹脂カーボンペーストによって形成され、前記導電体層が、前記カーボン層の上に形成された第1の導電体層と、その上に形成された第2の導電体層とからなり、前記第2の導電体層が、前記第1の導電体層を形成する導電性粒子より大きい粒子径の導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
前記第1の導電体層が、平均粒子径50〜300nmの導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成され、前記第2の導電体層が、平均粒子径1200〜1500nmの導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
上記構成において、前記樹脂カーボンペーストが、バインダーとして、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、樹脂カーボンペーストに含まれるバインダーの含有量が10〜60wt%であることが好ましい。
また、樹脂カーボンペーストに含まれるバインダーの含有量が10〜60wt%であることが好ましい。
また、本発明は、上記課題を解決するため、弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた焼結体の表面に誘電体皮膜を形成し、その上に固体電解質層を形成し、さらにその上にカーボン層および導電体層を形成してなる固体電解コンデンサを製造する方法において、
前記カーボン層を樹脂カーボンペーストを用いて形成し、前記導電体層を、前記カーボン層の上に形成した第1の導電体層と、その上に形成した第2の導電体層の2層構造とし、前記第2の導電体層を、前記第1の導電体層を形成する導電性粒子より大きい粒子径の導電性粒子を含む導電性ペーストを用いて形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
前記カーボン層を樹脂カーボンペーストを用いて形成し、前記導電体層を、前記カーボン層の上に形成した第1の導電体層と、その上に形成した第2の導電体層の2層構造とし、前記第2の導電体層を、前記第1の導電体層を形成する導電性粒子より大きい粒子径の導電性粒子を含む導電性ペーストを用いて形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
前記第1の導電体層を、平均粒子径50〜300nmの導電性粒子を含む導電性ペーストを用いて形成し、前記第2の導電体層を、平均粒子径1200〜1500nmの導電性粒子を含む導電性ペーストを用いて形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。この構成において、前記樹脂カーボンペーストが、バインダーとして、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、前記樹脂カーボンペースト中のバインダーの含有量を、10〜60wt%とすることが好ましい。
また、前記樹脂カーボンペースト中のバインダーの含有量を、10〜60wt%とすることが好ましい。
本発明は、固体電解質層と、微細な導電性粒子、好ましくは平均粒子径50〜300nmの導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成した導電体層の間に、樹脂カーボンペーストを用いて、従来のカーボン層よりも密なカーボン層を形成したことにより、平均粒子径50〜300nmの導電性粒子のカーボン層および固体電解質層の隙間への染み込みを防止することができ、さらに、微細な導電性粒子層の上に大きな導電性粒子、好ましくは平均粒子径1200〜1500nmの導電性粒子を含む導電体層を形成することで、所望の厚さの銀層を形成することができるため、ESRが低く、かつ漏れ電流の小さな固体電解コンデンサを提供することができる。
[実施例1]
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しながら説明する。
まず、弁作用金属粉末としてタンタル粉末を加圧成形し、焼結により多孔質焼結体を形成した後、陽極酸化により、焼結体の表面に誘電体酸化皮膜を形成した。
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しながら説明する。
まず、弁作用金属粉末としてタンタル粉末を加圧成形し、焼結により多孔質焼結体を形成した後、陽極酸化により、焼結体の表面に誘電体酸化皮膜を形成した。
次に、この陽極酸化した焼結体を硝酸マンガン溶液への含浸、熱分解によって二酸化マンガンを析出させた。この含浸−熱分解の操作を10回繰り返し、二酸化マンガンからなる固体電解質層を形成した。
その後、カーボン粒子と、バインダーとしてフェノール樹脂を20wt%含むカーボンペーストを、BCA(ブチルセロソルブアセチレート)を用いて希釈し、前述の固体電解質層を形成した素子を希釈したカーボンペーストに浸漬し、熱硬化によりカーボン層を形成した。さらに、平均粒子径200nmの銀粒子を含む導電性ペーストに浸漬塗布して、200℃で乾燥させることにより第1の導電体層を形成した。
さらに、その上に、第1の導電体層を形成する銀粒子より大きく、平均粒子径1300nmの銀粒子を含む導電性ペーストに浸漬塗布し、同様に200℃で乾燥させ、第2の導電体層を形成し、固体電解コンデンサ素子とした。図1に実施例1の固体電解コンデンサ素子の縦断面模式図を示す。
その後、コンデンサ素子の陽極リード線と陽極リードフレームとを抵抗溶接にて接続し、第2の導電体層と陰極リードフレームとを導電性接着剤を介して取り付け、トランスファーモールドを行い、定格10V−100μFの固体電解コンデンサを作製した。
さらに、その上に、第1の導電体層を形成する銀粒子より大きく、平均粒子径1300nmの銀粒子を含む導電性ペーストに浸漬塗布し、同様に200℃で乾燥させ、第2の導電体層を形成し、固体電解コンデンサ素子とした。図1に実施例1の固体電解コンデンサ素子の縦断面模式図を示す。
その後、コンデンサ素子の陽極リード線と陽極リードフレームとを抵抗溶接にて接続し、第2の導電体層と陰極リードフレームとを導電性接着剤を介して取り付け、トランスファーモールドを行い、定格10V−100μFの固体電解コンデンサを作製した。
[実施例2]
第2の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径を1200nmとした以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。
第2の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径を1200nmとした以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。
[実施例3]
第2の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径を1500nmとした以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。
第2の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径を1500nmとした以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。
[実施例4]
第1の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径を50nmとした以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。
第1の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径を50nmとした以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。
[実施例5]
第1の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径を300nmとした以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。
第1の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径を300nmとした以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。
[実施例6〜9]
フェノール樹脂の含有量が、それぞれ、10wt%、30wt%、50wt%および60wt%である樹脂カーボンペーストを用いてカーボン層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
フェノール樹脂の含有量が、それぞれ、10wt%、30wt%、50wt%および60wt%である樹脂カーボンペーストを用いてカーボン層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
[実施例10、11]
バインダーとしてエポキシ樹脂またはポリエステル樹脂を20wt%含む樹脂カーボンペーストを用いてカーボン層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
バインダーとしてエポキシ樹脂またはポリエステル樹脂を20wt%含む樹脂カーボンペーストを用いてカーボン層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
(従来例)
水性カーボンペーストを用いてカーボン層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。従来例の固体電解コンデンサ素子の縦断面模式図を図2に示す。
(比較例1〜2)
フェノール樹脂の含有量が、それぞれ、5wt%、70wt%である樹脂カーボンペーストを用いてカーボン層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3〜4)
それぞれ、平均粒子径40nmまたは350nmの銀粒子を含む導電性ペーストを用いて第1の導電体層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
(比較例5〜6)
それぞれ、平均粒子径1100nmおよび1600nmの銀粒子を含む導電性ペーストを用いて第2の導電体層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
(比較例7)
平均粒子径200nmの銀粒子を含む導電性ペーストを用いて第2の導電体層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
水性カーボンペーストを用いてカーボン層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。従来例の固体電解コンデンサ素子の縦断面模式図を図2に示す。
(比較例1〜2)
フェノール樹脂の含有量が、それぞれ、5wt%、70wt%である樹脂カーボンペーストを用いてカーボン層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3〜4)
それぞれ、平均粒子径40nmまたは350nmの銀粒子を含む導電性ペーストを用いて第1の導電体層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
(比較例5〜6)
それぞれ、平均粒子径1100nmおよび1600nmの銀粒子を含む導電性ペーストを用いて第2の導電体層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
(比較例7)
平均粒子径200nmの銀粒子を含む導電性ペーストを用いて第2の導電体層を形成する点を除いて、実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを作製した。
実施例1〜11、従来例および比較例1〜7による固体電解コンデンサを、それぞれ、1000個作製し、それぞれの100kHzでのESR、および定格電圧を印加してから1分後の漏れ電流値を比較した。その平均値を表1に示す。
表1から、実施例1〜11のように、固体電解質層と第1の導電体層の間に樹脂カーボンペーストを用いてカーボン層を形成した場合は、従来例と比較してESRがほぼ同等で、漏れ電流が低くなっていることがわかる。
次に、比較例1のようにバインダーの含有量が5wt%と極端に少ない場合は、銀粒子の染み込みを防止することが出来ず、漏れ電流が高くなり、逆に、比較例2のようにバインダーの含有量が70wt%と極端に増加すると、カーボン層の導電率が低くなり、ESRが悪化する。
この結果から、樹脂カーボンペーストに含まれるバインダーの含有量の最適範囲は、10〜60wt%であることがわかる。
次に、比較例1のようにバインダーの含有量が5wt%と極端に少ない場合は、銀粒子の染み込みを防止することが出来ず、漏れ電流が高くなり、逆に、比較例2のようにバインダーの含有量が70wt%と極端に増加すると、カーボン層の導電率が低くなり、ESRが悪化する。
この結果から、樹脂カーボンペーストに含まれるバインダーの含有量の最適範囲は、10〜60wt%であることがわかる。
また、実施例1、4、5と比較例3、4の比較結果から、第1の導電体層を形成する銀粒子の粒子径が300nm以下であれば、ほぼ同等のESR低減効果が得られることがわかる。しかし、粒子径50nm未満の銀粒子を含む導電性ペーストを用いると、銀粒子の染み込みを防止することが出来ず、漏れ電流が高くなる。また、300nmを超えるとESRが高くなる。
このことより、第1の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径の最適範囲は、50〜300nmであることがわかる。
このことより、第1の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径の最適範囲は、50〜300nmであることがわかる。
また、実施例1〜3と比較例5〜7の比較結果から、平均粒子径1200nm未満の銀粒子を含む導電性ペーストを用いると、漏れ電流が高くなり、また、1500nmを超えるとESRが高くなる。
このことより、第2の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径の最適範囲は、1200〜1500nmであることがわかる。
このことより、第2の導電体層を形成する銀粒子の平均粒子径の最適範囲は、1200〜1500nmであることがわかる。
次に、実施例1および従来例による固体電解コンデンサをそれぞれ12個ずつ耐熱試験(260℃、10秒、3回リフロー)を行い、試験前後のESRおよび漏れ電流の測定を行った。測定結果を表2に示す。
表2からわかるように、実施例1は、従来例より漏れ電流、ESRの特性劣化が少なく、優れた効果が得られた。
本発明の構成は、上述の実施例に限定されるものではなく、例えば、上述の本実施例では、固体電解質に二酸化マンガンを使用したが、導電性高分子でも同等の効果が得られる。また、上述の本実施例では、導電性ペーストに含まれる導電性粒子に銀を用いたが金、銅でも同様の効果が得られる。
1 多孔質焼結体
2 誘電体酸化皮膜
3 固体電解質層
4 水性カーボンペーストを用いて形成したカーボン層
5 第2の導電体層
6 第1の導電体層
7 樹脂カーボンペーストを用いて形成したカーボン層
2 誘電体酸化皮膜
3 固体電解質層
4 水性カーボンペーストを用いて形成したカーボン層
5 第2の導電体層
6 第1の導電体層
7 樹脂カーボンペーストを用いて形成したカーボン層
Claims (8)
- 弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた焼結体の表面に誘電体皮膜を形成し、その上に固体電解質層を形成し、さらにその上にカーボン層および導電体層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、
前記カーボン層が樹脂カーボンペーストによって形成され、前記導電体層が、前記カーボン層の上に形成された第1の導電体層と、その上に形成された第2の導電体層とからなり、前記第2の導電体層が、前記第1の導電体層を形成する導電性粒子より大きい粒子径の導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 前記第1の導電体層が、平均粒子径50〜300nmの導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成され、前記第2の導電体層が、平均粒子径1200〜1500nmの導電性粒子を含む導電性ペーストによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記樹脂カーボンペーストが、バインダーとして、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記樹脂カーボンペースト中のバインダーの含有量が、10〜60wt%であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた焼結体の表面に誘電体皮膜を形成し、その上に固体電解質層を形成し、さらにその上にカーボン層および導電体層を形成してなる固体電解コンデンサを製造する方法において、
前記カーボン層を樹脂カーボンペーストを用いて形成し、前記導電体層を、前記カーボン層の上に形成した第1の導電体層と、その上に形成した第2の導電体層の2層構造とし、前記第2の導電体層を前記第1の導電体層を形成する導電性粒子より大きい粒子径の導電性粒子を含む導電性ペーストを用いて形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記第1の導電体層を、平均粒子径50〜300nmの導電性粒子を含む導電性ペーストを用いて形成し、前記第2の導電体層を、平均粒子径1200〜1500nmの導電性粒子を含む導電性ペーストを用いて形成することを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記樹脂カーボンペーストが、バインダーとして、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記樹脂カーボンペースト中のバインダーの含有量を、10〜60wt%とすることを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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