JP2011205011A - 銅配線半導体用洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 研磨剤由来の研磨粒子や有機残渣の除去性、ならびに絶縁膜上の金属残渣の除去性に優れかつ、銅配線の耐腐食性に優れた銅配線半導体用洗浄剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 銅または銅合金配線を形成する半導体製造工程中の化学的機械的研磨の後に続く工程において使用される洗浄剤であって環状ポリアミン(A)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)、および水を必須成分とすることを特徴とする銅配線半導体用洗浄剤を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体の製造工程における化学的機械的研磨(以下、「化学的機械的研磨」をCMPと略称する。)工程の後の洗浄工程に用いられる洗浄剤(以下、CMP後洗浄剤と略記する。)に関するものであって、特に表面に銅または銅合金の配線が施された半導体のCMP後洗浄剤に関する。
シリコン半導体に代表される半導体素子は、高性能化、小型化等の市場ニーズに対応して微細化、高集積化が進んでいる。これに伴い微細な配線パターンを作成するための高度な平坦化技術が必須となり、半導体の製造工程において、ウェハ表面をアルミナやシリカの微粒子を含む研磨スラリー(以下、CMPスラリーと略称する。)を用いて研磨するCMP工程が導入されている。
しかしながらこのCMP工程では、CMPスラリー中のアルミナやシリカなどの研磨微粒子(以下、「研磨微粒子」を砥粒と略記する。)、研磨を促進するために添加された硝酸鉄水溶液、金属腐食抑制目的で添加されている防食剤、研磨された銅配線金属、銅配線のサイドで用いられる亜鉛やマグネシウム金属の残渣などが、研磨後のウェハ上に残留しやすい。これら残留物は配線間の短絡など半導体の電気的な特性に悪影響を及ぼすため、これら残留物を除去し、ウェハ表面を清浄化する必要がある。
このCMP工程後の洗浄工程に用いる洗浄剤として、クエン酸やシュウ酸等の有機酸を主成分とする酸性の洗浄剤が知られている(特許文献1)。しかしこれらの洗浄剤は、金属残渣物の除去性に優れているものの、銅配線に対する腐食が大きいという問題がある。
この腐食を改善するため、銅配線に対して腐食性の小さい鎖状アルカノールアミンを主成分とするアルカリ性の洗浄剤が知られている(特許文献2)。これらの洗浄剤は、銅配線の腐食性が低く、またCMPスラリー中に添加された防食剤に由来する有機残渣の除去性に優れているものの、金属残渣除去性が低いという問題がある。
さらに、鎖状アルカノールアミンを主成分とするアルカリ性の洗浄剤にコハク酸やシュウ酸等の有機酸を添加することにより、金属残渣除去性を付与した洗浄剤が知られている(特許文献3)。しかしこれらの洗浄剤は、金属残渣の除去性、有機残渣の除去性に優れているものの、コハク酸やシュウ酸等の有機酸を添加したことによって銅配線に対する腐食性が高く、微細化の進んだ近年の銅配線形成プロセスには適用できなくなっている。
特開2001−7071号公報 特開平11−74243号公報 特表2003−536258号公報
そこで本発明は、銅配線を腐食させることなく、CMP工程後のウェハ上に残留する成分(CMPスラリー中のアルミナやシリカなどの砥粒、研磨を促進するために添加された硝酸鉄水溶液、配線金属の腐食抑制の目的で添加されている防食剤、および研磨された銅配線金属や銅配線のサイドで用いられる亜鉛、マグネシウム金属の残渣)の除去性に優れる銅および銅合金配線半導体用の洗浄剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、銅または銅合金配線を形成する半導体製造工程中の化学的機械的研磨の後に続く工程において使用される洗浄剤であって、特定の化学構造式で表される環状ポリアミン(A1)または環状ポリアミン(A2)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)、および水を必須成分とすることを特徴とする銅配線半導体用洗浄剤である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、研磨剤由来の砥粒の除去性や絶縁膜上の金属残渣の除去性に優れ、かつ銅配線の耐腐食性に優れている。
また、半導体製造工程におけるCMP工程の後の工程において、本発明の洗浄剤を用いることにより、
また、半導体製造工程におけるCMP工程の後の工程において本発明の洗浄剤を用いることにより、接触抵抗に優れ、かつ配線の短絡がない半導体基板又は半導体素子が容易に得られる。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、下記一般式(1)で表される環状ポリアミン(A1)または下記一般式(2)で表される環状ポリアミン(A2)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)、および水を必須成分とする。
本発明の環状ポリアミン(A)は、下記一般式(1)で表される環状ポリアミン(A1)、または下記一般式(2)で表される環状ポリアミン(A2)が挙げられる。
Figure 2011205011
[式(1)中のRは水素原子、アルキル基、アミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基;Rはアルキル基、アミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。]
Figure 2011205011
[式(2)中のRはアミノアルキル基を表す。]
環状ポリアミン(A1)としては、上記の一般式(1)のR位に水素原子を有しかつ、R位にアルキル基を有する環状ポリアミン(A11);アミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有する環状ポリアミン(A12);R位とR位の両方にアルキル基を有する環状ポリアミン(A13);R位にアルキル基、かつR位にアミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有する環状ポリアミン(A14);R位とR位のいずれにもアミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有する環状ポリアミン(A15)が挙げられる。
環状ポリアミン(A1)としては、上記の一般式(1)のR位に水素原子を有しかつ、R位にアルキル基を有する環状ポリアミン(A11);アミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有する環状ポリアミン(A12);R位とR位の両方にアルキル基を有する環状ポリアミン(A13);R位にアルキル基、かつR位にアミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有する環状ポリアミン(A14);R位とR位のいずれにもアミノアルキル基を有する環状ポリアミン(A15)が挙げられる。
環状ポリアミン(A11)としては、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−イソブチルピペラジン等が挙げられる。
環状ポリアミン(A12)としては、N−アミノメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、N−ヒドロキシメチルピペラジン、N−ヒドロキシエチルピペラジン、N−ヒドロキシプロピルピペラジン等が挙げられる。
環状ポリアミン(A13)としては、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジエチルピペラジン、1,4−ジイソプロピルピペラジン、1,4−ジブチルピペラジン等が挙げられる。
環状ポリアミン(A14)としては、1−アミノメチル−4−メチルピペラジン、1−ヒドロキシメチル−4−メチルピペラジン、1−アミノエチル−4−エチルピペラジン、1−ヒドロキシエチル−4−エチルピペラジン等が挙げられる。
環状ポリアミン(A15)としては、1,4−(ビスアミノエチル)ピペラジン、1,4−(ビスヒドロキシエチル)ピペラジン、1,4−(ビスアミノプロピル)ピペラジン、1,4−(ビスヒドロキシプロピル)ピペラジン、1−アミノエチル−4−ヒドロキシエチルピペラジン、1−アミノプロピル−4−ヒドロキシプロピルピペラジン等が挙げられる。
環状ポリアミン(A2)としては、上述の一般式(2)のR位に炭素数2〜4のアミノアルキル基を有するものが挙げられる。
具体的には、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノイソブチルモルホリン等が挙げられる。
これらの環状ポリアミン(A)のうち、銅配線耐腐食性とCMP工程後のウェハ上に残留する有機残渣の除去性の観点から好ましくは、上述の一般式(1)のRまたはR位にアミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有する環状ポリアミン(A12)、環状ポリアミン(A14)、環状ポリアミン(A15)、および上述の一般式(2)のR位にアミノアルキル基を有する環状ポリアミン(A2)である。
さらにCMP工程後のウェハ上に残留する砥粒の除去性の観点からより好ましくは、上述の一般式(1)のRまたはR位にアミノアルキル基を有する環状ポリアミンであり、特に好ましくは、アミノアルキル基の炭素数が1〜3であるN−アミノアルキルピペラジン、1,4−(ビスアミノアルキル)ピペラジンである。
環状ポリアミン(A)の含有量は、銅配線耐腐食性および有機残渣除去性の観点から、環状ポリアミン(A)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)および水の合計重量に基づいて、通常0.001〜5重量%であり、好ましくは0.005〜2重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)としては、ベンゼン環、芳香環などに2〜5個の水酸基が結合したフェノール骨格を含む化合物であり、カルボキシル基などの他の官能基を含んでいても差しつかえない。
具体的には、水酸基を2個含むポリフェノール系還元剤としては、カテコール、カフェー酸、アリザリン、エンドクロシン、ウルシオール、フラボン、レゾルシノール、ヒドロキノン等が挙げられる。
水酸基を3個含むポリフェノール系還元剤としてはエモジン、ピロガロール、没食子酸が挙げられる。
水酸基を4個または5個含むポリフェノール系還元剤としては、ケルセチン、カテキン、アントシアニン等が挙げられる。
これらの還元剤(B)のうち、銅配線耐腐食性の観点から、好ましくは水酸基を3〜5個含むポリフェノール系還元剤であり、洗浄剤中における経時化学安定性の観点からより好ましくは没食子酸、ピロガロール、カテキンが挙げられる。さらに、金属残渣除去性の観点から、分子中にカルボキシル基を有する没食子酸が特に好ましい。
水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)の含有量は、銅配線耐腐食性と金属残渣除去性の観点から、環状ポリアミン(A)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)および水の合計重量に基づいて、通常0.001〜5重量%であり、好ましくは0.001〜2重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%である。
第4級アンモニウムヒドロキシド(C)としては、アルキル基、アルケニル基、アリル基、アラルキル基、またはこれらの1部がヒドロキシ基で置換された炭化水素基が4級窒素原子に結合したカチオンとヒドロキシアニオンで構成された塩が挙げられる。
好ましくは、下記一般式(3)で表される第4級アンモニウムヒドロキシド(C1)が挙げられる。
Figure 2011205011
[式(3)中のR〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。]
具体的には、炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキル−ヒドロキシアルキルアンモニウム塩、ジアルキル−ビス(ヒドロキシアルキル)アンモニウム塩及びトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
これらの第4級アンモニウムヒドロキシド(C)のうち、有機残渣除去性の観点から、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド、ビス(ヒドロキシアルキル)ジアルキルアンモニウムヒドロキシド及びトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
さらに、銅配線耐腐食性の観点からテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド及び(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましく、より好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、(ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)が好ましく、特に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドである。
第4級アンモニウムヒドロキシド(C)の含有量は、有機残渣除去性および銅配線耐腐食性の観点から、環状ポリアミン(A)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)および水の合計重量に基づいて、通常0.01〜10重量%であり、好ましくは0.02〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、アスコルビン酸(D)が必須成分であり、具体的には、L−(+)−アスコルビン酸、D−(+)−アスコルビン酸(慣用名でエリソルビン酸と呼ばれる)が挙げられる。
アスコルビン酸(D)は、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)に対する酸化抑制機能および金属残渣除去性を向上させる機能を有しており、もしアスコルビン酸(D)を含有しない場合、銅配線耐腐食性と金属残渣除去性の両性能を満足することができない。
アスコルビン酸(D)の含有量は、銅配線耐腐食性と金属残渣除去性の観点から、環状ポリアミン(A)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)および水の合計重量に基づいて、通常0.01〜5重量%であり、好ましくは0.05〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、水が必須成分であり、具体的には、電気伝導率(μS/cm;25℃)が小さいものが挙げられる。具体的には、電気伝導率はが、有機残渣および金属残渣の除去性、入手のしやすさ、及び銅配線の再汚染(水中の金属イオンの銅配線への再付着)防止の観点から、通常0.055〜0.2、好ましくは0.056〜0.1、さらに好ましくは0.057〜0.08である。このような電気伝導率が小さい水としては、超純水が好ましい。
なお、電気伝導率は、JIS K0400−13−10:1999に準拠して測定される。
水の含有量は、有機残渣除去性および金属残渣の除去性及び溶液粘度の観点から、環状ポリアミン(A)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)および水の合計重量に基づいて、通常69.0〜99.9重量%であり、好ましくは79.0〜99.5重量%、さらに好ましくは89.0〜99.0重量%、特に好ましくは92.0〜99.0重量%である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、必須成分である環状ポリアミン(A)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)、水以外に、必要に応じて、その他の成分として界面活性剤(E1)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)以外の還元剤(E2)、錯化剤(E3)などを添加してもよい。
界面活性剤(E1)は、有機残渣除去性および金属不純物除去性向上の観点から添加することができる。
このような界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤を添加する場合、界面活性剤の含有量は、洗浄剤の表面張力を低下させるのに必要な量でよく、本発明の銅配線半導体用洗浄剤の重量に基づいて、通常0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.3重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%である。
水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)以外の還元剤(E2)としては、有機還元剤及び無機還元剤が挙げられる。
有機還元剤としては、シュウ酸またはその塩、シュウ酸水素またはその塩、炭素数6〜9のアルデヒド等、水酸基を1個含む炭素数6〜30のフェノール化合物やベンズアルデヒド等が挙げられ、無機還元剤としては、亜硫酸またはその塩、チオ硫酸またはその塩等が挙げられる。
これらの還元剤(E2)のうち、水溶性及び銅配線耐腐食性の観点から、有機還元剤が好ましく、さらに好ましくは脂肪族有機還元剤、特に好ましくはシュウ酸またはその塩である。さらに、錯化作用の観点等から、シュウ酸塩が好ましく、さらに好ましくはシュウ酸アンモニウムである。
これらの還元剤を添加する場合、還元剤(E2)の含有量は、銅配線の腐食抑制性向上の観点から、本発明の銅配線半導体用洗浄剤の重量に基づいて、通常0.001〜1.0重量%、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%、特に好ましくは0.05〜0.1重量%である。これらの還元剤、すなわち水酸基を2〜5個含むポリフェノール系以外の還元剤の含有量が1.0重量%より多くなると銅配線耐腐食性が逆に低下してしまう。
錯化剤(E3)としては、炭素数1〜6の芳香族又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸(またはその塩)、炭素数9〜23のヒドロキシル基かカルボキシル基の少なくとも一方を有する複素環式化合物、炭素数6〜9のホスホン酸(またはその塩)等が挙げられる。
これらの錯化剤(E3)のうち、銅配線腐食性向上の観点から、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(またはその塩)及びポリカルボン酸(またはその塩)が好ましく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(またはその塩)が特に好ましい。
錯化剤を添加する場合、錯化剤(E3)の含有量は、銅配線耐腐食性向上の観点から、本発明の銅配線半導体用洗浄剤の重量に基づいて、通常0.001〜0.5重量%であり、好ましくは0.01〜0.3重量%、特に好ましくは0.05〜0.1重量%である。錯化剤(E3)の含有量が0.5重量%より多くなると銅配線耐腐食効果が低下する。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、環状ポリアミン(A)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)、および必要によりその他の成分を水と混合することによって製造することができる。
混合する方法としては、特に限定されないが、容易かつ短時間で均一に混合できるという観点等から、水と水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)とアスコルビン酸(D)を混合し、続いて環状ポリアミン(A)と第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、必要によりその他の成分を混合する方法が好ましい。
均一混合する際の温度及び時間には制限はなく、製造する規模や設備等に応じて適宜決めることができる。
混合装置としては、撹拌機又は分散機等が使用できる。撹拌機としては、メカニカルスターラー及びマグネチックスターラー等が挙げられる。分散機としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル及びビーズミル等が挙げられる。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、銅配線を有する半導体基板、半導体素子、半導体洗浄性評価用の銅メッキ基板など、また記録媒体磁気ディスク用のアルミニウム基板、ガラス状炭素基板、ガラス基板、セラミックス基板など、また液晶用ガラス基板、太陽電池用ガラス基板などを洗浄する洗浄方法に使用することができる。
銅配線を有する半導体基板又は半導体素子などを洗浄する洗浄方法としては、枚葉方式とバッチ方式が挙げられる。枚葉方式は、一枚ずつ半導体基板又は半導体素子を回転させ、銅配線半導体用洗浄剤を注入しながら、ブラシを用いて洗浄する方法であり、バッチ方式とは複数枚の半導体基板又は半導体素子を銅配線半導体用洗浄剤に漬けて洗浄する方法である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、銅配線を有する半導体基板又は半導体素子を製造する過程において、レジスト現像後、ドライエッチング後、ウェットエッチング後、ドライアッシング後、レジスト剥離後、CMP処理前後及びCVD処理前後等の洗浄工程に使用できる。特に、有機残渣除去性と金属不純物除去性の観点から、CMP処理後の洗浄工程に用いることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
以下に、実施例1〜6と比較例1〜8の銅配線半導体用洗浄剤の調製について説明をする。
実施例1
ポリエチレン製300ml容器に、N−アミノエチルピペラジン(A−1)(純度99%、和光純薬製)0.07部、没食子酸(B−1)(商品名:没食子酸一水和物、純度99%、和光純薬製)0.05部を加えた。次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液(C−1)(商品名:25%TMAH、純度25%水溶液、多摩化学社製)0.28部、L−アスコルビン酸(D−1)(商品名:L(+)−アスコルビン酸、純度99.5%、ナカライテスク製)0.18部を加えた後、合計重量が100部になるように水(W)99.4部加えた。マグネチックスターラーで撹拌して、本発明の銅配線半導体用洗浄剤(F−1)を得た。
実施例2
実施例1において、(A−1)の代わりに、N−イソブチルピペラジン(A−2)(純度98%、和光純薬製)0.10部を用い、(C−1)の配合量を0.40部に変更し、合計重量が100部になるように水を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の銅配線半導体用洗浄剤(F−2)を得た。
実施例3
実施例1において、(A−1)の代わりに、N−ヒドロキシプロピルピペラジン(A−3)(純度98%、和光純薬製)0.13部を用い、(C−1)の配合量を0.52部に変更し、合計重量が100部になるように水を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の銅配線半導体用洗浄剤(F−3)を得た。
実施例4
実施例1において、(A−1)の代わりに、1,4−ジメチルピペラジン(A−4)(純度98%、広栄化学製)0.08部を用い、(C−1)の代わりに、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液(C−2)(純度25%水溶液、和光純薬製)0.32部に変更し、(D−1)の代わりに、D−アスコルビン酸(D−2)(商品名:D(+)−アスコルビン酸、純度99.5%、ナカライテスク製)0.18部に変更し、合計重量が100部になるように水を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の銅配線半導体用洗浄剤(F−4)を得た。
実施例5
実施例4において、(A−4)の代わりに、1,4−(ビスアミノプロピル)ピペラジン(A−5)(純度98%、広栄化学製)0.08部を用い、(C−2)の代わりに、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液(C−1)0.52部に変更し、合計重量が100部になるように水を加えた以外は、実施例4と同様の操作を行い、本発明の銅配線半導体用洗浄剤(F−5)を得た。
実施例6
実施例5において、(A−5)の代わりに、N−アミノエチルモルホリン(A−6)(純度98%、広栄化学製)0.08部を用い、(C−1)の配合量を0.32部に変更し、合計重量が100部になるように水を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の銅配線半導体用洗浄剤(F−6)を得た。
実施例1〜6における本発明の銅配線半導体用洗浄剤(F−1)〜(F−6)について、表1に各成分の含有量を重量%で示した。
なお、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)の含有量は、配合した第4級アンモニウムヒドロキシド水溶液を固形分に換算して重量%で示した。また、用いた環状ポリアミン(A)について、上述の一般式(1)および一般式(2)におけるR〜R位の結合基を示した。
Figure 2011205011
表1中の化合物名の略称は以下の化合物を示す。
TMAH(C−1):テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
TEAH(C−2):テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
比較例1
実施例1において、没食子酸(B)を配合しない以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−1)を得た。
比較例2
実施例2において、L−アスコルビン酸(D−1)を配合しない以外は、実施例2と同様な操作を行い、比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−2)を得た。
比較例3
実施例3において、(A−1)の代わりに、本発明の環状ポリアミンには該当しないピペラジン(A’−1)(純度98%、広栄化学製)0.13部を用いた以外は、実施例3と同様な操作を行い、比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−3)を得た。
比較例4
実施例6において、(A−6)の代わりに、環状モノアミンであるN−メチルモルホリン(A’−2)(純度98%、広栄化学製)0.08部を用いた以外は、実施例6と同様な操作を行い、比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−4)を得た。
比較例5
実施例3において、(A−3)の代わりに、環状モノアミンである4−ピコリン(A’−3)(純度97%、広栄化学製)0.08部を用いた以外は、実施例3と同様な操作を行い、比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−5)を得た。
比較例6
実施例3において、(A−3)の代わりに、鎖状モノアミンであるトリエタノールアミン(A’−4)(純度98%、和光純薬製)0.08部を用いた以外は、実施例3と同様な操作を行い、比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−6)を得た。
比較例7
実施例1において、(A−1)の代わりに、鎖状ポリアミンであるテトラエチレンペンタミン(A’−5)(商品名:AFR−AN6、純度99.2%、東ソー株式会社製)0.08部を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−7)を得た。
比較例8
実施例1において、没食子酸(B)とL−アスコルビン酸(D−1)を配合しない代わりに、その他の成分としてクエン酸(純度99%、ナカライテスク製)0.20部を配合した以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−8)を得た。
比較例1〜8における比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F‘−1)〜(F’−8)について、表2に各成分の含有量を重量%で示した。
なお、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)の含有量は、配合した第4級アンモニウムヒドロキシド水溶液を固形分に換算して重量%で示した。また、用いた環状ポリアミン(A)について、上述の一般式(1)および一般式(2)におけるR〜R位の結合基を示した。
Figure 2011205011
表2中の化合物名の略称は表1と同じである。
実施例1〜6で作成した本発明の銅配線用半導体用洗浄剤(F−1)〜(F−6)、および比較例1〜8で作成した比較のための銅配線半導体用洗浄剤(F’−1)〜(F’−8)について、有機残渣除去性、砥粒除去性、金属残渣除去性、ならびに銅配線耐腐食性を以下の方法で測定し、評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2011205011
<有機残渣除去性の評価方法>
有機残渣除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅メッキされたシリコンウェハの洗浄
シリコンウェハに銅メッキが施されたウェハ(アドバンスマテリアルテクノロジー社製、「Cuメッキ10000A Wafer」、銅メッキの膜厚=1.0μm)を、縦1.5cm×横1.5cmに切断し、10%酢酸水溶液中に1分間浸漬した後、水で洗浄した。
(2)有機残渣液の調製
ベンゾトリアゾール0.4g、濃度30%の過酸化水素水0.6g、水200gを混合し、塩酸でpHが3.0になるように調整し、有機残渣液を作成した。
(3)有機残渣を付着させた銅メッキウェハの作成
銅メッキウェハを(2)で調整した有機残渣液に60秒間浸漬した後、水に60秒間浸漬し、有機残渣を付着させた銅メッキウェハを作成した。
(4)銅メッキウェハに付着させた有機残渣量の確認
銅メッキウェハに付着した有機残渣量は、有機残渣物であるベンゾトリアゾールに由来する窒素の量を、X線光電子分光(XPS)装置(アルバックファイ社製、ESCA−5400型)を用いて測定することによって確認した。
具体的には、XPSを用いて、結合エネルギー397eV〜399eVの範囲で光電子数の測定を行い、窒素に由来する397.5〜398.4eVの範囲におけるピーク面積値を求めた。軟X線は、MgKα線(1253.6eV)を使用した。
(5)銅メッキウェハに付着させた有機残渣の除去
本発明及び比較用の銅配線半導体用洗浄剤各50gに、(3)で作成した有機残渣を付着させた銅メッキウェハを3分間浸漬し、銅メッキウェハから有機残渣を除去した。その後、水1Lに60秒間浸漬し、窒素気流でウェハ表面を乾燥させた。
(6)銅メッキウェハに残留した有機残渣量の確認
銅メッキウェハに残留した有機残渣量は、有機残渣物であるベンゾトリアゾールに由来する窒素の量を、(4)と同様に、XPSを用いて測定することによって確認した。
(7)有機残渣除去性の評価判定
(4)と(6)で測定した、2つのピーク面積値を下記数式(1)に代入し、有機残渣除去率を算出した。
Figure 2011205011
Xa:有機残渣除去前のベンゾトリアゾール由来の窒素のピーク面積値
Xb:有機残渣除去後のベンゾトリアゾール由来の窒素のピーク面積値
算出した有機残渣除去率から、以下の判定基準で有機残渣除去性を判定した。
○:有機残渣除去率が90%以上
×:有機残渣除去率が90%未満
<砥粒除去性の評価方法>
砥粒除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅メッキされたシリコンウェハの洗浄
銅メッキされたシリコンウェハを有機残渣除去性の評価で用いたものと同様の方法で洗浄した。
(2)CMPスラリーによる汚染処理
洗浄した銅メッキされたシリコンウェハを、CMPスラリー(キャボット製、W7000、砥粒の主成分SiO、平均粒子径0.2μm)に1分間浸漬した後、窒素ブローで乾燥させた。得られた汚染処理後ウェハを縦1.0cm×横1.5cmに切断して評価用サンプルを得た。
(3)銅配線半導体用洗浄剤による洗浄
(2)で得られた評価用サンプルを、本発明と比較用の銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬し、25℃で3分間静置した後、評価用サンプルを洗浄剤から取り出し、窒素ブローにて乾燥させた。
(4)洗浄後の評価サンプル表面のSEM観察
(3)で得られた洗浄後の評価サンプルの表面を、SEM(日立ハイテクノロジー社製、機種名S−4800)を用い、10,000倍の倍率で観察した。
(5)砥粒除去性の評価判定
SEM画像から、視野あたりの残存砥粒数が少ないほど砥粒除去性が優れていると判定した。
具体的には、視野あたりの残存砥粒数を確認し、以下の判定基準で判定した。
○:10個未満
△:10個〜20個
×:20個以上
<金属残渣除去性の評価方法>
金属残渣除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)酸化シリコン単層膜を有するウェハの前処理
酸化シリコン単層膜を有するシリコンウェハ(アドバンテック社製、「P−TEOS1.5μ」、酸化シリコンの膜厚=1.5μm。)を、縦1.0cm×横2.0cmの切片に切断し、10%酢酸水溶液に1分間浸漬した後、水で洗浄した。
(2)金属イオンを含有する水溶液の調製
硝酸亜鉛0.1部、硝酸鉄0.1部および硝酸マグネシウム0.1部に、全量が100gになるように水を加え、亜鉛、鉄、マグネシウムの金属イオンをそれぞれ0.1%含有する水溶液を調製した。
(3)金属イオン水溶液によるウェハの汚染処理
前処理した酸化シリコン単層膜を有するウェハの切片を、金属イオンを含有する水溶液10gに1分間浸漬した後、窒素ブローで乾燥させることにより、ウェハの表面に金属イオンを付着させた。
(4)ウェハの洗浄
汚染処理した酸化シリコン単層膜を有するウェハの切片を、銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬した。25℃で3分間静置した後、洗浄剤から取り出した。
(5)ウェハの表面から洗浄剤中に溶出した金属イオン濃度の測定
浸漬させた後の銅配線半導体用洗浄剤を5g取り出し、硝酸水溶液でpHを3.0に調整した。
その後、全量が10gになるまで水を加えて測定液とした。測定液中に含有する亜鉛、鉄、およびマグネシウム金属イオンの濃度を、ICP−MS分析装置(誘導結合プラズマ質量分析装置)(アジレントテクノロジー社製、Agilent7500cs型)を用いて測定した。
(6)ウェハの表面から洗浄剤中に溶出した金属イオンの溶出量の計算
下記数式(2)を用いて各金属イオンの溶出量を計算した。
Figure 2011205011
Metalcon:ICP−MS分析で定量した測定液中の各金属イオン濃度(ppb(ng/g))
G1:試験片を浸漬させた銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
G2:pH調整前に取り出した銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
G3:測定液の液量(g)
SiO2:酸化シリコンの単層膜を有するウェハにおける酸化シリコン膜の面積(cm
(7)金属残渣除去性の評価判定
算出した各金属イオンの溶出量の合計量から、金属残渣除去性を評価し、ウェハ単位面積あたりの金属イオンの溶出量が多いほど、金属残渣除去性が優れていると判定した。
具体的には、以下の判定基準で金属残渣除去性を判定した。
○:15ng/cm以上
△:10ng/cm〜15ng/cm
×:10ng/cm未満
<銅配線耐腐食性の評価方法>
銅配線の耐腐食性評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅単層膜を有するウェハの前処理
銅単層膜を有するウェハ(アドバスマテリアルズテクノロジー製、シリコン基板に銅金属を膜厚2μmで蒸着したもの)を、縦1.0cm×横2.0cmの切片に切断し、10%酢酸水溶液に1分間浸漬した後、水で洗浄した。
(2)銅の溶出
前処理した銅単層膜を有するウェハの切片を、銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬し、25℃で3分間静置した後、洗浄剤から取り出した。
(3)銅イオン濃度の測定
銅単層膜を有するウェハの切片を浸漬させた後の銅配線半導体用洗浄剤を5g取り出し、硝酸水溶液でpHを3.0に調整した。その後、全量が10gになるまで水を加えて測定液とした。
測定液中の銅イオン濃度を、ICP−MS分析装置(誘導結合プラズマ質量分析装置)(アジレントテクノロジー社製、Agilent7500cs型)を用いて測定した。
(4)銅イオンの溶出量の算出
銅イオンの濃度を下記数式(3)に代入し、銅イオンの溶出量(ng/cm)を算出した。
Figure 2011205011
Cucon:ICP−MS分析で定量した測定液中の銅イオン濃度(ppb(ng/g))
H1:試験片を浸漬させた銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
H2:pH調整前に取り出した銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
H3:測定液の液量(g)
CU:銅の単層膜を有するウェハにおける銅単層膜の面積(cm
(5)銅配線耐腐食性の評価判定
算出した銅イオンの溶出量から、銅配線耐腐食性を評価し、銅単層膜を有するウェハ単位面積あたりの銅イオンの溶出量が少ないほど、銅配線耐腐食性が優れていると判定した。具体的には、以下の判定基準で銅配線耐腐食性を判定した。
○:15ng/cm未満
△:15ng/cm〜20ng/cm
×:10ng/cm以上
表3に示すように、実施例1〜6の本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、評価した4つの項目すべてで良好な結果が得られた。
一方、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)を含まない比較例1は、銅配線耐腐食性が不良であり、アスコルビン酸(D)を含まない比較例2は金属残渣除去性と銅配線耐腐食性が不良であった。また、本発明に該当しない環状ポリアミンを含む比較例3、環状ポリアミン(A)の代わりに環状モノアミンを含む比較例4と5、ならびに鎖状モノアミンを含む比較例6は、いずれも有機残渣除去性と砥粒除去性が不良であった。さらに、環状ポリアミン(A)の代わりに鎖状ポリアミンを含む比較例7、ならびにアスコルビン酸(D)の代わりにクエン酸を含む比較例8は、銅配線耐腐食性が不良であった。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、研磨剤由来の有機残渣や砥粒の除去性、ならびに絶縁膜上の金属残渣の除去性に優れ、かつ銅配線の耐腐食性に優れているため、銅または銅合金配線を形成する半導体製造工程中のCMP工程の後に続く工程において使用される洗浄剤として好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 銅または銅合金配線を形成する半導体製造工程中の化学的機械的研磨の後に続く工程において使用される洗浄剤であって、下記一般式(1)で表される環状ポリアミン(A1)または下記一般式(2)で表される環状ポリアミン(A2)、水酸基を2〜5個含むポリフェノール系還元剤(B)、第4級アンモニウムヒドロキシド(C)、アスコルビン酸(D)、および水を必須成分として含有することを特徴とする銅配線半導体用洗浄剤。
    Figure 2011205011
    [式(1)中のRは水素原子、アルキル基、アミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基;Rはアルキル基、アミノアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。]
    Figure 2011205011
    [式(2)中のRはアミノアルキル基を表す。]
  2. 該ポリフェノール系還元剤(B)が没食子酸である請求項1の銅配線半導体用洗浄剤。
  3. 該第4級アンモニウムヒドロキシド(C)が、下記一般式(3)で表される第4級アンモニウムヒドロキシド(C1)である請求項1または2記載の銅配線半導体用洗浄剤。
    Figure 2011205011
    [式(3)中のR〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。]
  4. 請求項1〜3いずれかの洗浄剤を、銅または銅合金配線を形成する半導体製造工程中の化学的機械的研磨の後に続く工程において使用して製造された半導体基板および半導体素子。
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