JP2014049521A - 銅配線半導体用洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅配線の腐食、特にガルバニック腐食を発生させることなく、かつ砥粒、有機残渣物、および金属残渣物の除去性に優れる銅配線半導体用の洗浄剤を提供することを目的とする。
【解決手段】銅配線とバリアメタル層との腐食電位差が1.0V以下であることを特徴とする銅配線半導体用洗浄剤であり、水酸基を1個以上有するアミン(A1)および下記一般式(1)で表され水酸基を含有しない脂肪族ポリアミン(A2)からなる群より選ばれる1種以上のアミン(A)、ポリフェノール化合物(B)並びに水を必須成分とし、使用時のpHが7.0〜13.0であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】銅配線とバリアメタル層との腐食電位差が1.0V以下であることを特徴とする銅配線半導体用洗浄剤であり、水酸基を1個以上有するアミン(A1)および下記一般式(1)で表され水酸基を含有しない脂肪族ポリアミン(A2)からなる群より選ばれる1種以上のアミン(A)、ポリフェノール化合物(B)並びに水を必須成分とし、使用時のpHが7.0〜13.0であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体の製造工程における化学的機械的研磨(以下、「化学的機械的研磨」をCMPと略称する。)工程の後の洗浄工程に用いられる洗浄剤(以下、CMP後洗浄剤と略記する。)に関するものであって、特に表面に銅配線が施された半導体のCMP後洗浄剤に関する。
シリコン半導体に代表される半導体素子は、高性能化、小型化等の市場ニーズに対応して微細化、高集積化が進んでいる。これに伴い微細な配線パターンを作成するための高度な平坦化技術が必須となり、半導体の製造工程において、ウエハ表面をアルミナやシリカの微粒子を含む研磨スラリー(以下、CMPスラリーと略称する。)を用いて研磨するCMP工程が導入されている。
しかしながらこのCMP工程では、CMPスラリー中のアルミナやシリカなどの研磨微粒子(以下、「研磨微粒子」を砥粒と略記する。)、研磨を促進するために添加された硝酸鉄水溶液、金属腐食抑制目的で添加されている防食剤、研磨された金属研磨カスなどが、研磨後のウエハ上に残留しやすい。これら残留物は配線間の短絡など半導体の電気的な特性に悪影響を及ぼすため、このCMP工程後において、これら残留物を除去し、ウエハ表面を清浄化する洗浄剤が必要である。
このCMP工程後の洗浄工程に用いる洗浄剤として、クエン酸やシュウ酸等の有機酸を主成分とする酸性の洗浄剤が知られている(特許文献1)。しかしこれらの洗浄剤は、金属残渣除去性に優れているものの、銅配線に対する腐食が大きいという問題がある。
この腐食を改善するため、銅配線に対して腐食性の小さい鎖状アルカノールアミンを主成分とするアルカリ性の洗浄剤が知られている(特許文献2)。しかしこれらの洗浄剤は、銅配線の腐食性が低く、またCMPスラリー中に添加された防食剤に由来する有機残渣物の除去性に優れているものの、金属残渣除去性が低いという問題がある。
さらに、鎖状アルカノールアミンを主成分とするアルカリ性の洗浄剤にコハク酸やシュウ酸等の有機酸を添加することにより、金属残渣除去性を付与した洗浄剤が知られている(特許文献3)。しかしこれらの洗浄剤は、金属残渣除去性および有機残渣除去性に優れているものの、コハク酸やシュウ酸等の有機酸を添加したことによって銅配線に対する腐食性が高く、微細化の進んだ近年の銅配線形成プロセスには適用できなくなっている。
そこで、シュウ酸などの脂肪族ポリカルボン酸類、およびアルギニンなどの塩基性アミノ酸類を主成分とする酸性の洗浄剤が知られている(特許文献4)。
しかしながら、特許文献4の洗浄剤は、銅配線の腐食性が低く、金属残渣除去性に優れているものの、CMPスラリー中に添加された砥粒の除去性および有機残渣除去性が低いという問題がある。
そこで本発明は、銅配線の腐食を発生させることなく、かつ砥粒、有機残渣物、および金属残渣物の除去性に優れる銅配線半導体用の洗浄剤を提供することを目的とする。
そこで本発明は、銅配線の腐食を発生させることなく、かつ砥粒、有機残渣物、および金属残渣物の除去性に優れる銅配線半導体用の洗浄剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、銅配線とバリアメタル層との間の腐食電位差が1.0V以下である銅配線半導体用洗浄剤;銅配線を形成する半導体製造工程中の化学的機械的研磨の後に続く工程において該洗浄剤を使用する半導体基板の洗浄方法;該洗浄剤を使用して製造された半導体基板または半導体素子である。
すなわち、本発明は、銅配線とバリアメタル層との間の腐食電位差が1.0V以下である銅配線半導体用洗浄剤;銅配線を形成する半導体製造工程中の化学的機械的研磨の後に続く工程において該洗浄剤を使用する半導体基板の洗浄方法;該洗浄剤を使用して製造された半導体基板または半導体素子である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、研磨剤由来の砥粒や有機残渣物の除去性、および金属残渣除去性に優れ、かつ銅配線の耐腐食性に優れている。また、半導体製造工程におけるCMP工程の後の工程において本発明の洗浄剤を用いることにより、接触抵抗に優れ、かつ配線の短絡がない半導体基板または半導体素子が容易に得られる。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、銅配線とバリアメタル層との腐食電位差が1.0V以下であることを特徴とする。銅配線とバリアメタル層との腐食電位差が1.0V以下である場合、銅配線とバリアメタル層との間の局部電流を抑制することができるため、銅配線表面に発生するガルバニック腐食を抑制でき、デバイスの信頼性を向上させることが可能となる。
本発明において、銅およびバリアメタルの腐食電位は、下記のような公知の方法等で測定できる。
<腐食電位の測定方法>
参照電極(銀/塩化銀電極)、対極(白金電極)、および作用極(銅、タンタル、チタン等の単層膜を蒸着したウエハを、1.0cm×2.0cmの切片に切断)で構成される電気化学測定装置(例えば、北斗電工社製、HZ−5000型)を用いて、洗浄剤中における銅およびバリアメタルのターフェルプロットを測定し、この曲線の変極点にあたる電極電位を腐食電位として求めることができる。
<腐食電位の測定方法>
参照電極(銀/塩化銀電極)、対極(白金電極)、および作用極(銅、タンタル、チタン等の単層膜を蒸着したウエハを、1.0cm×2.0cmの切片に切断)で構成される電気化学測定装置(例えば、北斗電工社製、HZ−5000型)を用いて、洗浄剤中における銅およびバリアメタルのターフェルプロットを測定し、この曲線の変極点にあたる電極電位を腐食電位として求めることができる。
銅配線半導体用洗浄剤中の銅配線とバリアメタル層との腐食電位差が1.0V以下である場合、優れた銅配線表面のガルバニック腐食抑制効果を有する。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、水酸基を1個以上有するアミン(A1)および下記一般式(1)で表され水酸基を含有しない脂肪族ポリアミン(A2)からなる群より選ばれる1種以上のアミン(A)、ポリフェノール化合物(B)、並びに水を必須成分とし、使用時のpHが7.0〜13.0であることを特徴とする。
本発明のアミン(A)において、水酸基を1個以上有するアミン(A1)としては、水酸基を1個以上有する直鎖または分岐脂肪族アミン(A11)、水酸基を1個以上有するアラルキルアミン(A12)、水酸基を1個以上有する脂環式アミン(A13)などが挙げられる。
水酸基を1個以上有する直鎖または分岐脂肪族アミン(A11)としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−(アミノエチル)エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリエチレンテトラミンのヒドロキシアルキル置換体、1,3−または1,4−ジアミノシクロヘキサンのヒドロキシアルキル置換体、イソホロンジアミンのヒドロキシアルキル置換体、メンタンジアミンのヒドロキシアルキル置換体、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)のヒドロキシアルキル置換体等が挙げられる。
水酸基を1個以上有するアラルキルアミン(A12)としては、メタキシリレンジアミン、アミノエチルベンゼン等のヒドロキシアルキル置換体等などの芳香脂肪族アミンが挙げられる。
水酸基を1個以上有する脂環式アミン(A13)としては、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン等のヒドロキシアルキル置換体等が挙げられる。
水酸基を1個以上有するアミン(A1)として好ましいのは、水酸基を1個以上有する直鎖または分岐脂肪族アミン(A11)、さらに好ましくは、トリエタノールアミン、トリエチレンテトラミンのヒドロキシアルキル置換体である。
本発明のアミン(A)において使用できるもう1つのアミンは、下記一般式(1)で表され、水酸基を含有しない脂肪族ポリアミン(A2)である。
[式(1)中、mは0〜10の整数、nは1〜10の整数である。R1〜R5はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表すが、(m+2)個のアミノ基のうち、少なくとも1個は3級アミノ基である。]
上記の一般式(1)で表される脂肪族ポリアミン(A2)の具体例としては、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1−ジメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン等が挙げられる。
この脂肪族ポリアミン(A2)のうち、CMP工程後のウエハ上に残留する砥粒の除去性の観点から、上記一般式(1)で表されるアミンであって、アミノ基がすべて3級アミノ基である脂肪族ポリアミン(A21)が好ましい。さらに好ましくは、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミンである。
これらのアミン(A)のうち、銅配線耐腐食性および有機残渣除去性の観点から好ましいのは、水酸基を1個以上有する直鎖または分岐脂肪族アミン(A11)、上記一般式で表される脂肪族ポリアミン(A2)である。
アミン(A)の含有量は、銅配線耐腐食性および有機残渣除去性の観点から、アミン(A)、ポリフェノール化合物(B)および水の使用時の合計重量に基づいて、通常0.001〜10重量%であり、好ましくは0.005〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.01〜1重量%である。
本発明のポリフェノール化合物(B)としては、カテコール、コーヒー酸、ヒドロキノン、アリザリン、ナフトレゾルシノール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸アミド、没食子酸プロピル、没食子酸ラウリル、フロログリシノール、ケルセチン、およびカテキン等が挙げられ、これらのうち好ましいのは、芳香環などに2〜5個の水酸基が結合し、それらの水酸基のうちの少なくとも2個が芳香環のオルト位もしくはパラ位に結合したフェノール骨格を含む化合物のうち、HLBが15〜40であるポリフェノール化合物(B1)である。なお、芳香環には炭化水素基やカルボキシル基などの他の官能基が結合していてもよい。
ここでの「HLB」とは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、例えば「界面活性剤入門」〔2007年三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著〕212頁に記載されている小田法による計算値として知られているものであり、グリフィン法による計算値ではない。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB=10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値および無機性の値については前記「界面活性剤入門」213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB=10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値および無機性の値については前記「界面活性剤入門」213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
具体的には、水酸基を2個有するポリフェノール化合物(B11)としては、カテコール(HLB=17.9)、コーヒー酸(HLB=20.5)、ヒドロキノン(HLB=17.9)等が挙げられる。
水酸基を3個有するポリフェノール化合物(B12)としては、ピロガロール(HLB=26.3)、没食子酸(HLB=33.2)、没食子酸アミド(HLB=36.8)、没食子酸プロピル(HLB=18.8)等が挙げられる。
水酸基を4個または5個有するポリフェノール化合物(B13)としては、ケルセチン(HLB=23.7)、カテキン(HLB=21.2)等が挙げられる。
水酸基を3個有するポリフェノール化合物(B12)としては、ピロガロール(HLB=26.3)、没食子酸(HLB=33.2)、没食子酸アミド(HLB=36.8)、没食子酸プロピル(HLB=18.8)等が挙げられる。
水酸基を4個または5個有するポリフェノール化合物(B13)としては、ケルセチン(HLB=23.7)、カテキン(HLB=21.2)等が挙げられる。
これらのポリフェノール化合物(B1)のうち、銅配線耐腐食性の観点から、好ましくは水酸基を3個有するポリフェノール化合物(B12)、水酸基を4個または5個有するポリフェノール化合物(B13)である。また、洗浄剤中における経時化学安定性の観点からより好ましくはHLBが17〜38であり、水酸基を3個有するポリフェノール化合物(B12)である。また、金属残渣除去性の観点から、カルボキシル基を有する没食子酸が特に好ましい。
本発明におけるポリフェノール化合物(B)の含有量は、銅配線耐腐食性と金属残渣除去性の観点から、アミン(A)、ポリフェノール化合物(B)および水の使用時の合計重量に基づいて、通常0.001〜5重量%であり、好ましくは0.001〜2重量%、さらに好ましくは0.005〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.3重量%である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、水が必須成分であり、具体的には、電気伝導率(μS/cm;25℃)が小さいものが挙げられる。具体的には、電気伝導率は、有機残渣除去性および金属残渣除去性、入手のしやすさ、および銅配線の再汚染(水中の金属イオンの銅配線への再付着)防止の観点から、通常0.055〜0.2μS/cm、好ましくは0.056〜0.1μS/cm、さらに好ましくは0.057〜0.08μS/cmである。このような電気伝導率が小さい水としては、超純水が好ましい。
なお、電気伝導率は、JIS K0552に準拠して測定される。
なお、電気伝導率は、JIS K0552に準拠して測定される。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、銅配線耐腐食性および砥粒除去性の観点から、使用時のpHが、通常7.0〜13.0であり、好ましくは8.0〜12.0であり、さらに好ましくは8.0〜10.0である。洗浄剤の使用時のpHが7.0未満、もしくはpHが13.0を超えると、銅がイオン化しやすく、銅配線耐腐食性が悪化する。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、有機残渣除去性および銅配線耐腐食性を向上させる目的で、必須成分であるアミン(A)、ポリフェノール化合物(B)、および水以外に、(A)を除く塩基性化合物(C)を併用することができる。
塩基性化合物(C)としては、第4級アンモニウムヒドロキシド(C1)、アンモニア(C2)が挙げられる。
第4級アンモニウムヒドロキシド(C1)としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、またはこれらの1部がヒドロキシ基で置換された炭化水素基が4級窒素原子に結合したカチオンとヒドロキシアニオンで構成された化合物が挙げられる。
第4級アンモニウムヒドロキシド(C1)としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、またはこれらの1部がヒドロキシ基で置換された炭化水素基が4級窒素原子に結合したカチオンとヒドロキシアニオンで構成された化合物が挙げられる。
第4級アンモニウムヒドロキシド(C1)のうち、好ましくは、下記一般式(2)で表される第4級アンモニウムヒドロキシド(C11)が挙げられる。
[式(2)中のR6〜R9はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。]
具体的には、炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキル−ヒドロキシアルキルアンモニウム塩、ジアルキル−ビス(ヒドロキシアルキル)アンモニウム塩およびトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
これらの第4級アンモニウムヒドロキシド(C1)のうち、有機残渣除去性の観点から、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド、ビス(ヒドロキシアルキル)ジアルキルアンモニウムヒドロキシドおよびトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
また、銅配線耐腐食性の観点からテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドおよび(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、(ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)が好ましく、特に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドである。
また、銅配線耐腐食性の観点からテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドおよび(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、(ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)が好ましく、特に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドである。
塩基性化合物(C)の含有量は、有機残渣除去性および銅配線耐腐食性の観点から、使用時のアミン(A)、ポリフェノール化合物(B)、塩基性化合物(C)および水の合計重量に基づいて、通常0〜10重量%であり、好ましくは0.02〜5重量%、さらに好ましくは0.03〜2重量%である。
銅配線半導体用洗浄剤は、ポリフェノール化合物(B)に対する酸化抑制機能および金属残渣除去性を向上させる目的で、必須成分であるアミン(A)、ポリフェノール化合物(B)および水以外に、塩基性化合物(C)を併用でき、さらにアスコルビン酸(D)を併用することができる。
アスコルビン酸(D)として、具体的には、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸)が挙げられる。
アスコルビン酸(D)として、具体的には、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸)が挙げられる。
アスコルビン酸(D)の含有量は、金属残渣除去性の観点から、アミン(A)、ポリフェノール化合物(B)、水、塩基性化合物(C)およびアスコルビン酸(D)の使用時の合計重量に基づいて、通常0〜5重量%であり、好ましくは0.05〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、必須成分であるアミン(A)、ポリフェノール化合物(B)、水および必要に応じて添加する塩基性化合物(C)、アスコルビン酸(D)を含有するが、さらに、本発明の半導体用洗浄剤の性能を損なわない範囲で界面活性剤(E)、ポリフェノール化合物(B)およびアスコルビン酸(D)以外の還元剤(F)、錯化剤(G)などを添加してもよい。
界面活性剤(E)は、有機残渣除去性および金属残渣除去性向上の観点から添加することができる。
このような界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、洗浄剤の表面張力を低下させるのに必要な量でよく、本発明の銅配線半導体用洗浄剤の重量に基づいて、通常0〜1重量%、好ましくは0.005〜0.3重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%である。
このような界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、洗浄剤の表面張力を低下させるのに必要な量でよく、本発明の銅配線半導体用洗浄剤の重量に基づいて、通常0〜1重量%、好ましくは0.005〜0.3重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%である。
ポリフェノール化合物(B)以外の還元剤(F)としては、有機還元剤および無機還元剤が挙げられる。
有機還元剤としては、シュウ酸またはその塩、炭素数6〜9のアルデヒドおよび水酸基を1個含むフェノール化合物等が挙げられ、無機還元剤としては、亜硫酸またはその塩、チオ硫酸またはその塩等が挙げられる。
有機還元剤としては、シュウ酸またはその塩、炭素数6〜9のアルデヒドおよび水酸基を1個含むフェノール化合物等が挙げられ、無機還元剤としては、亜硫酸またはその塩、チオ硫酸またはその塩等が挙げられる。
これらの還元剤(F)のうち、水溶性および銅配線耐腐食性の観点から、有機還元剤が好ましく、さらに好ましくは脂肪族有機還元剤、特に好ましくはシュウ酸またはその塩である。さらに、錯化作用の観点等から、シュウ酸塩が好ましく、さらに好ましくはシュウ酸アンモニウムである。
還元剤(F)の含有量は、銅配線の腐食抑制性向上の観点から、本発明の銅配線半導体用洗浄剤の重量に基づいて、通常0〜1.0重量%、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%、特に好ましくは0.05〜0.1重量%である。これらの還元剤、すなわち水酸基を2〜5個有するポリフェノール化合物以外の還元剤の含有量が1.0重量%より多くなると銅配線耐腐食性が逆に低下してしまう。
錯化剤(G)としては、芳香族または脂肪族ヒドロキシカルボン酸(またはその塩)、ポリカルボン酸(またはその塩)、ヒドロキシル基かカルボキシル基の少なくとも一方を有する複素環式化合物、ホスホン酸(またはその塩)等が挙げられる。
これらの錯化剤(G)のうち、銅配線腐食性向上の観点から、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(またはその塩)およびポリカルボン酸(またはその塩)が好ましく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(またはその塩)が更に好ましい。
錯化剤(G)の含有量は、銅配線耐腐食性向上の観点から、本発明の銅配線半導体用洗浄剤の重量に基づいて、通常0〜0.5重量%であり、好ましくは0.01〜0.3重量%、更に好ましくは0.05〜0.1重量%である。錯化剤(G)の含有量が0.5重量%より多くなると銅配線耐腐食効果が低下する。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、必須成分であるアミン(A)、ポリフェノール化合物(B)、水、および必要に応じて添加する塩基性化合物(C)、アスコルビン酸(D)を含有するが、ガルバニック腐食抑制性の観点から、含窒素芳香族複素環を有する化合物(H)は添加するべきではない。含窒素芳香族複素環を有する化合物(H)を含有すると、ガルバニック腐食の抑制が阻害されるため、好ましくない。
含窒素芳香族複素環を有する化合物(H)としては、窒素原子含有複素環含有化合物(アデニン、アデノシン、トリアゾール、プリン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、キノリン、キノキサリンおよびその誘導体など)等が挙げられる。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、アミン(A)、ポリフェノール化合物(B)および必要によりその他の成分を水と混合することによって製造することができる。
混合する方法としては、特に限定されないが、容易かつ短時間で均一に混合できるという観点等から、水とアミン(A)を混合し、続いてポリフェノール化合物(B)および必要によりその他の成分を混合する方法が好ましい。
均一混合する際の温度および時間には制限はなく、製造する規模や設備等に応じて適宜決めることができる。
混合装置としては、撹拌機または分散機等が使用できる。撹拌機としては、メカニカルスターラーおよびマグネチックスターラー等が挙げられる。分散機としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミルおよびビーズミル等が挙げられる。
混合する方法としては、特に限定されないが、容易かつ短時間で均一に混合できるという観点等から、水とアミン(A)を混合し、続いてポリフェノール化合物(B)および必要によりその他の成分を混合する方法が好ましい。
均一混合する際の温度および時間には制限はなく、製造する規模や設備等に応じて適宜決めることができる。
混合装置としては、撹拌機または分散機等が使用できる。撹拌機としては、メカニカルスターラーおよびマグネチックスターラー等が挙げられる。分散機としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミルおよびビーズミル等が挙げられる。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、銅配線を有する半導体基板、半導体素子、半導体洗浄性評価用の銅メッキ基板などを洗浄する洗浄方法に使用することができる。
銅配線を有する半導体基板または半導体素子などを洗浄する洗浄方法としては、枚葉方式とバッチ方式が挙げられる。枚葉方式は、一枚ずつ半導体基板または半導体素子を回転させ、銅配線半導体用洗浄剤を注入しながら、ブラシを用いて洗浄する方法であり、バッチ方式とは複数枚の半導体基板または半導体素子を銅配線半導体用洗浄剤に漬けて洗浄する方法である。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、銅配線を有する半導体基板または半導体素子を製造する過程において、レジスト現像後、ドライエッチング後、ウェットエッチング後、ドライアッシング後、レジスト剥離後、CMP処理前後およびCVD処理前後等の洗浄工程に使用できる。特に、有機残渣物の除去性と金属残渣物の除去性の観点から、CMP処理後の洗浄工程に用いることが好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1〜6、および比較例1〜4
ポリエチレン製容器内で表1に記載の配合を行い、本発明の銅配線半導体用洗浄剤および比較のための洗浄剤を得た。
ポリエチレン製容器内で表1に記載の配合を行い、本発明の銅配線半導体用洗浄剤および比較のための洗浄剤を得た。
本発明の銅配線用半導体用洗浄剤および比較のための銅配線半導体用洗浄剤について、pH、腐食電位差、銅配線耐腐食性、金属残渣除去性、有機残渣除去性、砥粒除去性、ガルバニック腐食抑制性を以下の方法で測定し、評価した。
評価結果を表1に示す。
評価結果を表1に示す。
<pHの測定方法>
pHの測定方法は、以下の手順によりおこなった。
pHは、JISZ8802に準拠し、pHメータ(東亜電波工業社製、HV−30V型)を用いて測定した。
pHの測定方法は、以下の手順によりおこなった。
pHは、JISZ8802に準拠し、pHメータ(東亜電波工業社製、HV−30V型)を用いて測定した。
<銅とバリアメタルとの腐食電位差の測定方法>
腐食電位差の測定方法は、以下の手順によりおこなった。
(1)腐食電位差の測定
参照電極(銀/塩化銀電極)、対極(白金電極)、および作用極(銅の単層膜を蒸着したウエハ(アドバスマテリアルズテクノロジー社製、シリコン基板に銅金属を膜厚2μmで蒸着したもの)を、1.0cm×2.0cmの切片に切断したもの)で構成される電気化学測定装置(北斗電工社製、HZ−5000型)を用いて、実施例および比較例の洗浄剤中における銅のターフェルプロットを測定し、この曲線の変極点にあたる電極電位を腐食電位(V)として求めた。
同様にして、銅の代わりにタンタルの単層膜を蒸着したウエハ(アドバスマテリアルズテクノロジー社製、シリコン基板にタンタルを膜厚2μmで蒸着したもの)を、1.0cm×2.0cmの切片に切断したものを作用極として用い、バリアメタルであるタンタルのターフェルプロットを測定し、この曲線の変極点にあたる電極電位差を腐食電位(V)として求めた。
銅およびタンタルの腐食電位の差を求め、小数点2桁を四捨五入した値を腐食電位差(V)として求めた。
腐食電位差の測定方法は、以下の手順によりおこなった。
(1)腐食電位差の測定
参照電極(銀/塩化銀電極)、対極(白金電極)、および作用極(銅の単層膜を蒸着したウエハ(アドバスマテリアルズテクノロジー社製、シリコン基板に銅金属を膜厚2μmで蒸着したもの)を、1.0cm×2.0cmの切片に切断したもの)で構成される電気化学測定装置(北斗電工社製、HZ−5000型)を用いて、実施例および比較例の洗浄剤中における銅のターフェルプロットを測定し、この曲線の変極点にあたる電極電位を腐食電位(V)として求めた。
同様にして、銅の代わりにタンタルの単層膜を蒸着したウエハ(アドバスマテリアルズテクノロジー社製、シリコン基板にタンタルを膜厚2μmで蒸着したもの)を、1.0cm×2.0cmの切片に切断したものを作用極として用い、バリアメタルであるタンタルのターフェルプロットを測定し、この曲線の変極点にあたる電極電位差を腐食電位(V)として求めた。
銅およびタンタルの腐食電位の差を求め、小数点2桁を四捨五入した値を腐食電位差(V)として求めた。
<銅配線耐腐食性の評価方法>
銅配線の耐腐食性評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅単層膜を有するウエハの前処理
銅単層膜を蒸着したウエハ(アドバスマテリアルズテクノロジー社製、シリコン基板に銅金属を膜厚2μmで蒸着したもの)を、1.0cm×2.0cmの切片に切断し、10%酢酸水溶液に1分間浸漬した後、超純水で洗浄した。
銅配線の耐腐食性評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅単層膜を有するウエハの前処理
銅単層膜を蒸着したウエハ(アドバスマテリアルズテクノロジー社製、シリコン基板に銅金属を膜厚2μmで蒸着したもの)を、1.0cm×2.0cmの切片に切断し、10%酢酸水溶液に1分間浸漬した後、超純水で洗浄した。
(2)銅の抽出
前処理した銅単層膜を有するウエハの切片を、銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬し、25℃で3分間静置した後、洗浄剤から取り出した。
前処理した銅単層膜を有するウエハの切片を、銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬し、25℃で3分間静置した後、洗浄剤から取り出した。
(3)銅イオン濃度の測定
切片を取り出した後の銅配線半導体用洗浄剤を5g秤量し、0.1%硝酸水溶液を加えてpHを3.0に調整した。その後、全量が10gになるまで超純水を加えて測定用試料液とした。
測定用試料液中の銅イオン濃度を、ICP−MS分析装置(誘導結合プラズマ質量分析装置)(アジレントテクノロジー社製、Agilent7500cs型)を用いて測定した。
切片を取り出した後の銅配線半導体用洗浄剤を5g秤量し、0.1%硝酸水溶液を加えてpHを3.0に調整した。その後、全量が10gになるまで超純水を加えて測定用試料液とした。
測定用試料液中の銅イオン濃度を、ICP−MS分析装置(誘導結合プラズマ質量分析装置)(アジレントテクノロジー社製、Agilent7500cs型)を用いて測定した。
(4)銅イオンの溶出量の算出
銅イオンの濃度を下記数式(1)に代入し、銅イオンの溶出量(ng/cm2)を算出した。
銅イオンの濃度を下記数式(1)に代入し、銅イオンの溶出量(ng/cm2)を算出した。
Cucon:ICP−MS分析で定量した測定液中の銅イオン濃度(ppb(ng/g))
H1:試験片を浸漬させた銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
H2:pH調整前に取り出した銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
H3:測定液の液量(g)
SCu:銅の単層膜を有するウエハにおける銅単層膜の面積(cm2)
H1:試験片を浸漬させた銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
H2:pH調整前に取り出した銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
H3:測定液の液量(g)
SCu:銅の単層膜を有するウエハにおける銅単層膜の面積(cm2)
(5)銅配線耐腐食性の評価判定
算出した銅イオンの溶出量から、銅配線耐腐食性を評価し、銅単層膜を有するウエハ単位面積あたりの銅イオンの溶出量が少ないほど、銅配線耐腐食性が優れていると判定した。具体的には、以下の判定基準で銅配線耐腐食性を判定した。
◎:15.0ng/cm2未満
○:15.0ng/cm2〜17.5ng/cm2未満
△:17.5ng/cm2〜20.0ng/cm2未満
×:20.0ng/cm2以上
算出した銅イオンの溶出量から、銅配線耐腐食性を評価し、銅単層膜を有するウエハ単位面積あたりの銅イオンの溶出量が少ないほど、銅配線耐腐食性が優れていると判定した。具体的には、以下の判定基準で銅配線耐腐食性を判定した。
◎:15.0ng/cm2未満
○:15.0ng/cm2〜17.5ng/cm2未満
△:17.5ng/cm2〜20.0ng/cm2未満
×:20.0ng/cm2以上
<金属残渣除去性の評価方法>
金属残渣除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)酸化シリコン単層膜を有するウエハの前処理
酸化シリコン単層膜を有するシリコンウエハ(アドバンテック社製、「P−TEOS1.5μ」、酸化シリコンの膜厚=1.5μm)を、1.0cm×2.0cmの切片に切断し、10%酢酸水溶液に1分間浸漬した後、超純水で洗浄した。
金属残渣除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)酸化シリコン単層膜を有するウエハの前処理
酸化シリコン単層膜を有するシリコンウエハ(アドバンテック社製、「P−TEOS1.5μ」、酸化シリコンの膜厚=1.5μm)を、1.0cm×2.0cmの切片に切断し、10%酢酸水溶液に1分間浸漬した後、超純水で洗浄した。
(2)金属イオンを含有する水溶液の調製
硝酸亜鉛0.1部、硝酸鉄0.1部および硝酸マグネシウム0.1部に、全量が100部になるように水を加え、亜鉛、鉄、マグネシウムの金属イオンをそれぞれ0.1%含有する水溶液を調製した。
硝酸亜鉛0.1部、硝酸鉄0.1部および硝酸マグネシウム0.1部に、全量が100部になるように水を加え、亜鉛、鉄、マグネシウムの金属イオンをそれぞれ0.1%含有する水溶液を調製した。
(3)金属イオン水溶液によるウエハの汚染処理
前処理したウエハの切片を、金属イオンを含有する水溶液10gに1分間浸漬した後、窒素ブローで乾燥させることにより、ウエハの表面に金属イオンを付着させた。
前処理したウエハの切片を、金属イオンを含有する水溶液10gに1分間浸漬した後、窒素ブローで乾燥させることにより、ウエハの表面に金属イオンを付着させた。
(4)ウエハの洗浄
汚染処理したウエハの切片を、銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬した。25℃で3分間静置した後、洗浄剤から取り出した。
汚染処理したウエハの切片を、銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬した。25℃で3分間静置した後、洗浄剤から取り出した。
(5)ウエハの表面から洗浄剤中に溶出した金属イオン濃度の測定
浸漬させた後の銅配線半導体用洗浄剤を5g取り出し、硝酸水溶液でpHを3.0に調整した。
その後、全量が10gになるまで超純水を加えて測定液とした。測定液中に含有する亜鉛、鉄、およびマグネシウム金属イオンの濃度を、ICP−MS分析装置(誘導結合プラズマ質量分析装置)(アジレントテクノロジー社製、Agilent7500cs型)を用いて測定した。
浸漬させた後の銅配線半導体用洗浄剤を5g取り出し、硝酸水溶液でpHを3.0に調整した。
その後、全量が10gになるまで超純水を加えて測定液とした。測定液中に含有する亜鉛、鉄、およびマグネシウム金属イオンの濃度を、ICP−MS分析装置(誘導結合プラズマ質量分析装置)(アジレントテクノロジー社製、Agilent7500cs型)を用いて測定した。
(6)ウエハの表面から洗浄剤中に溶出した金属イオンの溶出量の計算
下記数式(2)を用いて各金属イオンの溶出量を計算した。
下記数式(2)を用いて各金属イオンの溶出量を計算した。
Metalcon:ICP−MS分析で定量した測定液中の各金属イオン濃度(ppb(ng/g))
G1:試験片を浸漬させた銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
G2:pH調整前に取り出した銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
G3:測定液の液量(g)
SSiO2:酸化シリコンの単層膜を有するウエハにおける酸化シリコン膜の面積(cm2)
G1:試験片を浸漬させた銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
G2:pH調整前に取り出した銅配線半導体用洗浄剤の液量(g)
G3:測定液の液量(g)
SSiO2:酸化シリコンの単層膜を有するウエハにおける酸化シリコン膜の面積(cm2)
(7)金属残渣除去性の評価判定
算出した各金属イオンの溶出量の合計量から、金属残渣除去性を評価し、ウエハ単位面積あたりの金属イオンの溶出量が多いほど、金属残渣除去性が優れていると判定した。具体的には、以下の判定基準で金属残渣除去性を判定した。
◎:15ng/cm2以上
○:10〜15ng/cm2未満
△:5〜10ng/cm2未満
×:5ng/cm2未満
算出した各金属イオンの溶出量の合計量から、金属残渣除去性を評価し、ウエハ単位面積あたりの金属イオンの溶出量が多いほど、金属残渣除去性が優れていると判定した。具体的には、以下の判定基準で金属残渣除去性を判定した。
◎:15ng/cm2以上
○:10〜15ng/cm2未満
△:5〜10ng/cm2未満
×:5ng/cm2未満
<有機残渣除去性の評価方法>
有機残渣除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅メッキされたシリコンウエハの洗浄
シリコンウエハに銅メッキが施されたウエハ(アドバンスマテリアルテクノロジー社製、「Cuメッキ10000A Wafer」、銅メッキの膜厚=1.0μm)を、1.5cm×横1.5cmに切断し、10%酢酸水溶液中に1分間浸漬した後、超純水で洗浄した。
有機残渣除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅メッキされたシリコンウエハの洗浄
シリコンウエハに銅メッキが施されたウエハ(アドバンスマテリアルテクノロジー社製、「Cuメッキ10000A Wafer」、銅メッキの膜厚=1.0μm)を、1.5cm×横1.5cmに切断し、10%酢酸水溶液中に1分間浸漬した後、超純水で洗浄した。
(2)有機残渣液の調製
キナルジン酸0.4g、濃度30%の過酸化水素水0.6g、超純水200gを混合し、塩酸でpHが3.0になるように調整し、有機残渣液を作成した。
キナルジン酸0.4g、濃度30%の過酸化水素水0.6g、超純水200gを混合し、塩酸でpHが3.0になるように調整し、有機残渣液を作成した。
(3)有機残渣を付着させた銅メッキウエハの作成
銅メッキウエハを(2)で調整した有機残渣液に60秒間浸漬した後、超純水に60秒間浸漬し、有機残渣を付着させた銅メッキウエハを作成した。
銅メッキウエハを(2)で調整した有機残渣液に60秒間浸漬した後、超純水に60秒間浸漬し、有機残渣を付着させた銅メッキウエハを作成した。
(4)銅メッキウエハに付着させた有機残渣量の測定
有機残渣物であるキナルジン酸に由来する窒素の量を、X線光電子分光(XPS)装置(アルバックファイ社製、ESCA−5400型)を用いて測定することによって、銅メッキウエハに付着した有機残渣量を測定した。
具体的には、XPSを用いて、結合エネルギー397eV〜399eVの範囲で光電子数の測定を行い、窒素に由来する397.5〜398.4eVの範囲におけるピーク面積値を求めた。軟X線は、MgKα線(1253.6eV)を使用した。
有機残渣物であるキナルジン酸に由来する窒素の量を、X線光電子分光(XPS)装置(アルバックファイ社製、ESCA−5400型)を用いて測定することによって、銅メッキウエハに付着した有機残渣量を測定した。
具体的には、XPSを用いて、結合エネルギー397eV〜399eVの範囲で光電子数の測定を行い、窒素に由来する397.5〜398.4eVの範囲におけるピーク面積値を求めた。軟X線は、MgKα線(1253.6eV)を使用した。
(5)銅メッキウエハに付着させた有機残渣の除去
本発明および比較用の銅配線半導体用洗浄剤各50gに、(3)で作成した有機残渣を付着させた銅メッキウエハを3分間浸漬し、銅メッキウエハから有機残渣を除去した。その後、超純水1Lに60秒間浸漬し、窒素気流でウエハ表面を乾燥させた。
本発明および比較用の銅配線半導体用洗浄剤各50gに、(3)で作成した有機残渣を付着させた銅メッキウエハを3分間浸漬し、銅メッキウエハから有機残渣を除去した。その後、超純水1Lに60秒間浸漬し、窒素気流でウエハ表面を乾燥させた。
(6)銅メッキウエハに残留した有機残渣量の測定
有機残渣物であるキナルジン酸に由来する窒素の量を、(4)と同様に、XPSを用いて測定することによって銅メッキウエハに残留した有機残渣量を測定した。
有機残渣物であるキナルジン酸に由来する窒素の量を、(4)と同様に、XPSを用いて測定することによって銅メッキウエハに残留した有機残渣量を測定した。
(7)有機残渣除去性の評価判定
(4)と(6)のXPSで測定したそれぞれのピーク面積値を下記数式(3)に代入し、有機残渣除去率を算出した。
(4)と(6)のXPSで測定したそれぞれのピーク面積値を下記数式(3)に代入し、有機残渣除去率を算出した。
Xa:有機残渣除去前のキナルジン酸由来の窒素のピーク面積値
Xb:有機残渣除去後のキナルジン酸由来の窒素のピーク面積値
Xb:有機残渣除去後のキナルジン酸由来の窒素のピーク面積値
算出した有機残渣除去率から、以下の判定基準で有機残渣除去性を判定した。
◎:有機残渣除去率が95%以上
○:有機残渣除去率が85%〜95%未満
△:有機残渣除去率が75%〜85%未満
×:有機残渣除去率が75%未満
◎:有機残渣除去率が95%以上
○:有機残渣除去率が85%〜95%未満
△:有機残渣除去率が75%〜85%未満
×:有機残渣除去率が75%未満
<砥粒除去性の評価方法>
砥粒除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅メッキされたシリコンウエハの洗浄
有機残渣除去性の評価で使用したのと同じ銅メッキされたシリコンウエハを用いて同様の方法で洗浄した。
砥粒除去性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)銅メッキされたシリコンウエハの洗浄
有機残渣除去性の評価で使用したのと同じ銅メッキされたシリコンウエハを用いて同様の方法で洗浄した。
(2)CMPスラリーによる汚染処理
洗浄した銅メッキされたシリコンウエハを、CMPスラリー(キャボット社製、W7000、砥粒の主成分SiO2、平均粒子径0.2μm)に1分間浸漬した後、窒素ブローで乾燥させた。
得られた汚染処理後ウエハを1.0cm×1.5cmに切断して評価用サンプルを得た。
洗浄した銅メッキされたシリコンウエハを、CMPスラリー(キャボット社製、W7000、砥粒の主成分SiO2、平均粒子径0.2μm)に1分間浸漬した後、窒素ブローで乾燥させた。
得られた汚染処理後ウエハを1.0cm×1.5cmに切断して評価用サンプルを得た。
(3)銅配線半導体用洗浄剤による洗浄
(2)で得られた評価用サンプルを、本発明と比較用の銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬し、25℃で3分間静置した後、評価用サンプルを洗浄剤から取り出し、窒素ブローにて乾燥させた。
(2)で得られた評価用サンプルを、本発明と比較用の銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬し、25℃で3分間静置した後、評価用サンプルを洗浄剤から取り出し、窒素ブローにて乾燥させた。
(4)洗浄後の評価サンプル表面のSEM観察
(3)で得られた洗浄後の評価サンプルの表面を、SEM(日立ハイテクノロジー社製 走査型電子顕微鏡、機種名S−4800)を用い、50,000倍の倍率で観察した。
(3)で得られた洗浄後の評価サンプルの表面を、SEM(日立ハイテクノロジー社製 走査型電子顕微鏡、機種名S−4800)を用い、50,000倍の倍率で観察した。
(5)砥粒除去性の評価判定
SEM画像から、視野あたりの残存砥粒数が少ないほど砥粒除去性が優れていると判定した。
具体的には、50,000倍の倍率での視野内の残存砥粒数を確認し、以下の判定基準で判定した。
◎:5個未満
○:5個〜10個未満
△:10個〜15個未満
×:15個以上
SEM画像から、視野あたりの残存砥粒数が少ないほど砥粒除去性が優れていると判定した。
具体的には、50,000倍の倍率での視野内の残存砥粒数を確認し、以下の判定基準で判定した。
◎:5個未満
○:5個〜10個未満
△:10個〜15個未満
×:15個以上
<ガルバニック腐食抑制性の評価方法>
ガルバニック腐食抑制性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)パターンウエハの洗浄
パターンウエハ(アドバンスマテリアルテクノロジー社製、「Min.0.1μm TEOS/Cu CMP Wafer」、バリアメタル:Ta)を、1.5cm×1.5cmに切断し、10%酢酸水溶液中に1分間浸漬した後、超純水で洗浄した。
ガルバニック腐食抑制性の評価は、以下に示す手順によりおこなった。
(1)パターンウエハの洗浄
パターンウエハ(アドバンスマテリアルテクノロジー社製、「Min.0.1μm TEOS/Cu CMP Wafer」、バリアメタル:Ta)を、1.5cm×1.5cmに切断し、10%酢酸水溶液中に1分間浸漬した後、超純水で洗浄した。
(2)銅配線半導体用洗浄剤による洗浄
(1)で前処理したサンプルを、本発明と比較用の銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬し、25℃で3分間静置した後、超純水で洗浄した。
(1)で前処理したサンプルを、本発明と比較用の銅配線半導体用洗浄剤各10gに浸漬し、25℃で3分間静置した後、超純水で洗浄した。
(3)洗浄後の評価サンプル表面のSEM観察
(2)で得られた洗浄後の評価サンプルをクリーンルーム内に2週間放置後の銅配線表面をSEM(日立ハイテクノロジー社製 走査型電子顕微鏡、機種名S−4800)を用い、50,000倍の倍率で観察した。
(2)で得られた洗浄後の評価サンプルをクリーンルーム内に2週間放置後の銅配線表面をSEM(日立ハイテクノロジー社製 走査型電子顕微鏡、機種名S−4800)を用い、50,000倍の倍率で観察した。
(4)ガルバニック腐食抑制性の評価判定
SEM画像から、ガルバニック腐食由来の異物があるかないかを判定した。
具体的には、50,000倍の倍率での異物数を確認し、以下の判定基準で判定した。
○:0個
×:1個以上
SEM画像から、ガルバニック腐食由来の異物があるかないかを判定した。
具体的には、50,000倍の倍率での異物数を確認し、以下の判定基準で判定した。
○:0個
×:1個以上
表1に示すように、実施例1〜6の本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、銅配線耐腐食性、金属残渣除去性、有機残渣除去性、砥粒除去性、およびガルバニック腐食抑制性の全てで良好な結果が得られた。
一方、水酸基を有しないアミンを使用した比較例1は、銅配線耐腐食性、有機残渣除去性、砥粒除去性、およびガルバニック腐食抑制性が不良であった。また、ポリフェノール化合物を使用しない比較例2、およびpH13.5の比較例3は銅配線耐腐食性、金属残渣除去性、有機残渣除去性、砥粒除去性、ガルバニック腐食抑制性の全てで不良な結果であった。さらに、腐食防止剤を添加した比較例4は銅配線耐腐食性、金属残渣除去性、有機残渣除去性、および砥粒除去性で良好な結果であったが、銅配線とバリアメタル層との腐食電位差が1.0V以上であったため、ガルバニック腐食抑制性が不良な結果であった。
一方、水酸基を有しないアミンを使用した比較例1は、銅配線耐腐食性、有機残渣除去性、砥粒除去性、およびガルバニック腐食抑制性が不良であった。また、ポリフェノール化合物を使用しない比較例2、およびpH13.5の比較例3は銅配線耐腐食性、金属残渣除去性、有機残渣除去性、砥粒除去性、ガルバニック腐食抑制性の全てで不良な結果であった。さらに、腐食防止剤を添加した比較例4は銅配線耐腐食性、金属残渣除去性、有機残渣除去性、および砥粒除去性で良好な結果であったが、銅配線とバリアメタル層との腐食電位差が1.0V以上であったため、ガルバニック腐食抑制性が不良な結果であった。
本発明の銅配線半導体用洗浄剤は、銅配線耐腐食性、絶縁膜上の金属残渣除去性に優れ、ならびに研磨剤由来の有機残渣や砥粒の除去性に優れているため、銅配線を形成する半導体製造工程中のCMP工程の後に続く工程において使用される洗浄剤として好適に使用できる。
Claims (9)
- 銅配線とバリアメタル層との腐食電位差が1.0V以下であることを特徴とする銅配線半導体用洗浄剤。
- 該脂肪族ポリアミン(A2)を表す式(1)中のR2〜R5のすべてがそれぞれ独立にアルキル基である請求項2に記載の銅配線半導体用洗浄剤。
- ポリフェノール化合物(B)が、2〜5個の水酸基を有し、それらの水酸基のうちの少なくとも2個が芳香環のオルト位もしくはパラ位に結合し、かつHLBが15〜40であるポリフェノール化合物(B1)であることを特徴とする請求項2または3に記載の銅配線半導体用洗浄剤。
- さらに、塩基性化合物(C)を含有する請求項2〜4いずれか記載の銅配線半導体用洗浄剤。
- 該塩基性化合物(C)が、4級アンモニウム化合物(C1)である請求項5に記載の銅配線半導体用洗浄剤。
- さらに、アスコルビン酸(D)を含有する請求項2〜6いずれか記載の銅配線半導体用洗浄剤。
- 銅配線を形成する半導体製造工程中の化学的機械的研磨の後に続く工程において請求項1〜7いずれか記載の洗浄剤を使用する半導体基板の洗浄方法。
- 銅配線を形成する半導体製造工程中の化学的機械的研磨の後に続く工程において請求項1〜7いずれか記載の洗浄剤を使用して製造された半導体基板または半導体素子。
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- 2012-08-30 JP JP2012189550A patent/JP2014049521A/ja active Pending
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