JP2011204650A - 燃料電池セパレータ用組成物、燃料電池セパレータ、及び燃料電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池セパレータ用組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、及び黒鉛粒子を含有し、且つ、前記硬化促進剤の少なくとも一部として下記構造式(1)で示される化合物を含有する。
【選択図】図1
Description
酸化剤電極反応 : 2H++2e−+1/2O2→H2O…(2)
全体反応 : H2+1/2O2→H2O
即ち、燃料電極上で水素(H2)はプロトン(H+)となり、このプロトンが固体高分子電解質膜4中を酸化剤電極上まで移動し、酸化剤電極上で酸素(O2)と反応して水(H2O)を生ずる。従って、固体高分子型燃料電池の運転には、反応ガスの供給と排出、電流の取り出しが必要となる。
空気極反応 : 3/2O2+6H++6e−→3H2O…(2’)
全体反応 : CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O
メタノール直接型燃料電池(DMFC)と通常の固体高分子型燃料電池との全体反応同士を比較すると、メタノール直接型燃料電池では6倍の水が発生しているので、酸化剤電極からの液体状態の水の排出が更に重要となる。
各実施例及び比較例につき、表1に示す原料成分を攪拌混合機(ダルトン製「5XDMV−rr型」)に表1に示す組成となるように入れて攪拌混合し、得られた混合物を整粒機で粒径500μm以下に粉砕した。
各実施例及び比較例において、セパレータAを作製する場合と同じ方法で80mm×10mm×4mmの寸法の曲げ強度測定用の成形品を作製し、JIS K6911に準拠し、支点間距離64mm、クロスヘッドスピード2mm/分の条件で曲げ強度を測定した。
各実施例及び比較例において、セパレータAの厚みを3mmに形成し、このセパレータAの上下にカーボンペーパーを配置し、更にその上下に銅板を配置し、上下方向に面圧1MPaの圧力をかけた。そして、2枚のカーボンペーパー間の電圧を電圧計で測定すると共に2枚の銅板間の電流を電流計で測定し、その結果から抵抗(平均値)を計算した。なお、使用したカーボンペーパーは、東レ社製のTGP−H−Mシリーズ(090M:厚さ0.28mm、120M:厚さ0.38mm)である。
JIS K0551−4.3に準拠し、まず各実施例及び比較例におけるセパレータAをメタノールで1分間洗浄した後、イオン交換水にて1分間洗浄した。次いで、ガラス製容器中にセパレータAとイオン交換水とを、セパレータAの質量10gに対してイオン交換水が100mlとなるように入れ、90℃で50時間処理した。処理後のイオン交換水中に燐酸を添加してpH2以下に調整した後、湿式酸化−赤外線式TOC測定法(東レエンジニアリング社製「東レアストロTOC自動分析計MODEL1800」を使用)にて、有機炭酸量を測定した。
各実施例及び比較例におけるセパレータAをメタノールにて1分間洗浄した後、イオン交換水で1分間洗浄した。次いで、ポリエチレン製容器中にセパレータAとイオン交換水とを、セパレータAの質量10gに対してイオン交換水が100mlとなるように入れ、90℃で50時間処理した。処理後のイオン交換水(抽出水)をイオンクロマトグラフィ(島津製作所社製「CDD−6A」)で測定した。
各実施例及び比較例におけるセパレータAをメタノールにて1分間洗浄した後、イオン交換水で1分間洗浄した。次いで、ポリエチレン製容器中にセパレータAとイオン交換水とを、セパレータAの質量10gに対してイオン交換水が100mlとなるように入れ、90℃で50時間処理した。処理後のイオン交換水(抽出水)を導電率計で測定した。
各実施例及び比較例で得られたセパレータA上の外周部分にエチレン−プロピレン−ジエンゴムをスクリーン印刷により塗布した後、加熱加硫することでガスケット12を形成した。このガスケット12が設けられたセパレータAを観察して、クラックの発生の有無を確認した。各実施例及び比較例それぞれにつき、30個のセパレータAに対してガスケット12を形成し、クラックの発生したセパレータAの数により、評価をおこなった。
各実施例及び比較例におけるセパレータAの重量を測定した後、このセパレータAを90℃のイオン交換水に1000時間浸漬する処理を施した。処理後のセパレータAの重量を測定し、処理後のセパレータAの重量増加率により吸湿量を評価した。
・エポキシ樹脂A:構造式(2)で示されるエポキシ樹脂、大日本インキ化学工業社製、品番EXA7200。
・エポキシ樹脂B:構造式(3)で示されるエポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製、品番YH−4000H。
・エポキシ樹脂C:構造式(4)で示されるエポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、品番NC−3000H。
・エポキシ樹脂D:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、住友化学工業社製、品番EOCN195X。
・硬化剤A:フェノールノボラック樹脂、群栄化学社製、品番PSM6200。
・硬化剤B:ハイパラノボラック型フェノール樹脂、明和化成株式会社製、品番HF−1M。
・硬化剤C:オルソノボラック型フェノール樹脂、明和化成株式会社製、品番H−1。
・硬化促進剤A:構造式(1)で示される化合物。
・硬化促進剤B:トリフェニルホスフィン(北興化学社製「TPP」)
・天然黒鉛(中越黒鉛工業所社製「WR50A」、平均粒径50μm、灰分0.05%、ナトリウムイオン4ppm、塩化物イオン2ppm)
・人造黒鉛(エスイーシー社製「SGP100」、平均粒径100μm、灰分0.05%、ナトリウムイオン3ppm、塩化物イオン1ppm)
・カップリング剤:エポキシシラン(日本ユニカー社製「A187」)
・ワックスA:天然カルナバワックス(大日化学社製「H1−100」、融点83℃)
・ワックスB:モンタン酸ビスアマイド(大日化学社製「J−900」、融点123℃)
C 燃料電池
Claims (9)
- 前記構造式(1)で示される化合物の、前記硬化促進剤全量に対する割合が、20〜100質量%の範囲である請求項1に記載の燃料電池セパレータ用組成物。
- 前記構造式(2)で示されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂と、前記構造式(3)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂、及び前記構造式(4)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂のうち少なくとも一種を含有し、
前記構造式(2)で示されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂と、前記構造式(3)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂と、前記構造式(4)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂との合計量の、前記エポキシ樹脂全量に対する割合が、15〜100質量%の範囲である請求項3乃至5のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータ用組成物。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータ用組成物から形成される燃料電池セパレータ。
- ガスケットを備える請求項7に記載の燃料電池セパレータ。
- 請求項7又は8に記載の燃料電池セパレータと膜−電極複合体とを積層する燃料電池の製造方法。
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