JP2011192693A - 多層反射膜付基板、反射型マスクブランク及びそれらの製造方法 - Google Patents

多層反射膜付基板、反射型マスクブランク及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多層反射膜中の150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が検出されない多層反射膜付基板および反射型マスクブランクの製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上に、高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層してなる多層反射膜2をスパッタ成膜装置を用いてスパッタリング法で形成することにより、多層反射膜付基板を製造する。また、多層反射膜2上に保護膜3及び吸収体膜4を形成することにより、反射型マスクブランク10を製造する。ここで、基板1が搬入されるスパッタ成膜装置の室内の気体を水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換し終えた後に、該室内の減圧を行い、次いで多層反射膜2のスパッタリング法による成膜を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射型リソグラフィ法による半導体装置製造等に使用される多層反射膜付基板、露光用反射型マスクを製造するための原版である反射型マスクブランク及びそれらの製造方法に関するものである。
近年における超LSIデバイスの高密度化、高精度化により、マスクブランク用基板の平坦度や表面欠陥に対する要求は年々厳しくなる一方である。従来のマスクブランク用基板の表面粗さを低減するための精密研磨方法としては、例えば特開昭64−40267号公報に記載されているものがあり、この精密研磨方法は、マスクブランク用基板の表面を酸化セリウムを主材とする研磨剤を用いて研磨した後、コロイダルシリカを用いて仕上げ研磨するものである。
そして、研磨を終えた基板に洗浄処理を行って、基板表面に付着残留する研磨剤などの異物を除去する。従来の基板洗浄方法としては、例えば下記特許文献1に開示されている方法が一般的である。すなわち、基板に低濃度フッ酸水溶液を用いて処理し、更にアルカリ液を用いて洗浄処理し、最後に水洗(リンス)を行う。
こうして、マスクブランク用基板は製造され、得られたガラス基板の上面に遮光膜または位相シフト膜などを形成してマスクブランクが得られる。
ところで、近年、半導体デバイスの更なる微細化の要求に伴い、極紫外(Extreme Ultra Violet:以下、EUVと呼称する)光を用いた露光技術であり、反射型リソグラフィの1つであるEUVリソグラフィが有望視されている。ここで、EUV光とは、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。このEUVリソグラフィにおいて用いられるマスクとしては、たとえば下記特許文献2に記載された露光用反射型マスクが提案されている。
このような反射型マスクは、基板上に露光光を反射する多層反射膜が形成され、該多層反射膜上に露光光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。露光機(パターン転写装置)に搭載された反射型マスクに入射した光は、吸収体膜のある部分では吸収され、吸収体膜のない部分では多層反射膜により反射された光像が反射光学系を通して半導体基板上に転写される。
このようなEUV反射型マスクブランクの場合、その表面欠陥に対する要求は極めて厳しい。つまり、基板表面に異物付着等による凸状欠陥が存在するガラス基板を使用して反射型マスクブランク、反射型マスクを作製した場合、マスク面のパターン近傍に凸状欠陥が存在すると、露光光の反射光にはその凸状欠陥に起因した位相の変化が起こる。この位相の変化は転写されるパターンの位置精度やコントラストを悪化させる原因となる。特にEUV光のような短波長の光を露光光として用いる場合、マスク面上の微細な凹凸に対して位相の変化が非常に敏感となるため、転写像への影響が大きくなり、微細な凹凸に由来する位相の変化は無視できない問題である。また、EUV反射型マスクブランクの場合、基板上に上記多層反射膜として、例えば数nmの厚さのMoとSiを交互に40乃至60周期程度積層させたものが使用されるため、基板表面上では特に問題とならない程度の微小な凸状欠陥が存在していても、上記多層反射膜を成膜した場合に基板表面の欠陥の大きさが拡大されて多層反射膜の表面では位相欠陥となり得るような大きさの凸状欠陥が生じることがある。
このようなわけで、とくにEUV反射型マスクブランクの場合、表面欠陥に対する非常に高いレベルの条件を満たす必要がある。
特許第3879828号公報 特開2002−122981号公報
上述したように、マスクブランク用基板は、研磨剤を用いて表面研磨した後、洗浄処理することによって製造される。洗浄処理後のマスクブランク用基板は、欠陥検査装置で凸状欠陥や凹状欠陥の有無、大きさおよびその欠陥の位置が検査される。検査された各マスクブランク用基板について、検出された欠陥の分布状態によって、合格品として、後工程(パターン形成用薄膜の成膜工程)に送るか、不合格品として、前工程(研磨工程等)に送るかが判定される。そして、このように製造されたマスクブランク用基板上に、多層反射膜を形成することにより多層反射膜付基板が作製され、さらに多層反射膜上に保護膜や吸収体膜を形成することにより反射型マスクブランクが製造される。また、多層反射膜が成膜された後のマスクブランク用基板についても、欠陥検査装置で凸状欠陥や凹状欠陥の有無、大きさおよびその欠陥の位置が検査される。検査された各マスクブランク用ガラス基板は、検出された欠陥の分布状態によって、合格品として、後工程(保護膜や吸収体膜の成膜工程やレジスト塗布工程等)に送るか、不合格品として、前工程(多層反射膜の剥離工程、研磨工程等)に送るかが判定される。保護膜が成膜された段階、吸収体膜が成膜された段階等についても、同様に欠陥検査が行われる。
近年の転写パターンの微細化が進んできており、それに伴って欠陥検査装置の検出精度も向上してきている。これにより、検出可能な欠陥の下限サイズが小さくなってきており、これまで検出不可能であった微小なサイズの欠陥も検出できるようになってきている。しかし、欠陥の検出下限サイズが150nm相当である欠陥検査装置の検出レベルでの欠陥検査では、合格品として後工程に送ることができるマスクブランク用基板に対し、それよりも小さいサイズの欠陥(150nm相当未満、例えば、100nm相当)が検出可能な欠陥検査装置で欠陥検査を行うと、主表面上に150nm相当未満のサイズの欠陥(主に凸状欠陥)が多数検出されて、不合格品になるマスクブランク用基板が発生する場合があることが判明した。また、検出された150nm相当未満の欠陥は、研磨剤に起因する異物ではないことも判明した。つまり、150nm相当未満の欠陥は、従来の研磨後のガラス基板に対する洗浄処理では、根本的には解決できるものではない。
そこで本発明の目的は、高いレベルの欠陥品質要求を満足できるように微小凸状欠陥数を低減させた高品質の多層反射膜付基板、反射型マスクブランク及びそれらの製造方法を提供することである。
従来、反射型マスクブランク上の多層反射膜、保護膜、吸収体膜等で問題となっていた凸状欠陥は、基板表面にもともと付着していた異物(研磨剤等)によるものを除けば、スパッタ室内の内壁等の付着物が剥離して発生するパーティクルや、ターゲットの異常放電で発生するパーティクルが、成膜時に取り込まれてしまうことに起因するものがほとんどであった。
本発明者は、マスクブランク用基板においては良好な欠陥品質レベルに仕上がっているものの、この基板を用いて製造されたマスクブランクにおいて多数の150nm相当未満の凸状欠陥が発生した反射型マスクブランクについて、その凸状欠陥を克明に調査した。その結果、このような凸状欠陥の多くは、その組成に酸素を多く含有していることが判明した。このような酸素を多く含有する凸状欠陥は、多層反射膜中の基板との界面近傍に存在する(或いは界面近傍から成長している)略球状(真球状だけでなく、平面視楕円状のものも含む)の微小欠陥であることも判明した。また、150nm相当未満のサイズの凹状欠陥の多くについても、その組成に酸素を含有しており、多層反射膜や保護膜や吸収体膜の組成に酸素を含む場合においては、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有していることが判明した(本明細書においては、これらの酸素を多く含有する凸状欠陥および凹状欠陥等の欠陥を「高酸化物欠陥」と呼ぶことにする。)。さらに、欠陥検査装置で検出された150nm相当未満の大きさの凸状および凹上の高酸化物欠陥について、SEM等による観察で実際の大きさを調べたところ、いずれも150nm未満の微小サイズであることも判明した。このような微小な高酸化物欠陥は、近年要請されるようになってきた高いレベルの表面欠陥フリー(欠陥が存在しないこと)の要請を確認するために開発された欠陥検査装置によってはじめて確認することができたものである。近年、反射型マスクの微細パターン化が進み、それに伴って欠陥検査装置の検査精度も向上してきており、従来よりもサイズの小さな凸状欠陥や凹状欠陥も許容されなくなってきている。
本発明者は、上記反射型マスクブランクにおいて発見された凸状欠陥や凹状欠陥の多くが上記高酸化物欠陥であり、しかもこの高酸化物欠陥は酸素を多く含有するという組成からすると、従来の基板表面に付着した例えば研磨剤残りによる異物欠陥(この場合の異物欠陥は、研磨剤由来の元素であるSi等の含有量がその周囲に比べて高くなるが、高酸化物欠陥ではその傾向がない。)や、スパッタ室内の内壁等の付着物が剥離して発生するパーティクルや、ターゲットの異常放電で発生するパーティクル(これらのパーティクルに起因する欠陥の場合、サイズは150nm以上がほとんどである。)が、薄膜の成膜時に取り込まれてしまうことに起因する欠陥とは発生原因がまったく異なるものであるとの認識のもとで、高酸化物欠陥の発生原因(メカニズム)について鋭意検討した結果、以下のように推測した。
一般に多層反射膜付基板は、ガラス基板等の基板上に、スパッタ成膜装置を用いて、まず高屈折率層と低屈折率層の交互積層膜からなる多層反射膜をスパッタリング法で形成して製造される。基板上に多層反射膜を形成する場合に使用されるスパッタリング法としては、主にイオンビームスパッタリング法が用いられる。このイオンビームスパッタリング法による多層反射膜の形成は、基板が置かれたスパッタ室内を真空引きして所定の真空度になった後、スパッタガスを導入し、スパッタ室内のガス圧が安定したときに、イオンビームガンで多層反射膜の1層目を成膜するためのスパッタターゲットに対してイオンビームを当てることで、ターゲットからスパッタ粒子が飛び出し、基板上に堆積して多層反射膜のうちの1層目が形成される。同様に、イオンビームガンで多層反射膜の2層目を成膜するためのスパッタターゲットに対してイオンビームを当てることで、多層反射膜の1層目の上に2層目が形成され、これらの工程を繰り返すことで、基板上に多層反射膜が形成される。
また、多層反射膜付き基板や反射型マスクブランクの保護膜や吸収体膜の場合は、主にDC電源やRF電源によるスパッタリング法が用いられる。ここでは、代表してDCスパッタリング法について説明する。基板が置かれたスパッタ室内を真空引きして所定の真空度になった後、スパッタガスを導入し、スパッタ室内のガス圧が安定したときに、スパッタターゲットに電圧を印加することで、スパッタガスがプラズマ化し、それがターゲットに衝突することでターゲットからスパッタ粒子が飛び出し、基板上に堆積して薄膜(保護膜、吸収体膜、多層反射膜の1層)が形成される。
イオンビームスパッタリング法、DC電源やRF電源によるスパッタリング法のいずれの場合においても、基板は通常大気中に置かれているため、大気中にある基板をスパッタ装置内に導入する室は、その基板の導入時に一度空気が入り込む(大気圧状態になる)。このため、スパッタ装置内の基板が置かれており、室内に大気圧とほぼ同圧の空気が存在するいずれかの室で、所定の真空度になるまで真空引き(真空減圧)する必要がある。この真空引きする室は、スパッタ成膜を行うスパッタ室である場合もあるし、スパッタ室と開閉ゲート(ゲートバルブ)を介して連結されている室であり、基板を導入して真空引きするロードロック室である場合もある。さらに、基板を搬送するための搬送装置(搬送ロボット等)が設置された搬送室(トランスファー室)を中心に、複数のスパッタ室やロードロック室がゲートバルブを介して連結しているマルチチャンバー型(クラスター型)スパッタ装置の場合おいては、搬送室で真空引きする場合もある。
これらのような基板が置かれた室で大気の存在する状態から真空引きする際、その室内の内圧は急低下する。このとき、大気中の水分や二酸化炭素のような比較的凝固点の高い分子が凝固し、氷やドライアイスとして基板表面(すでに前工程で成膜された膜の表面)に付着する。付着した氷やドライアイスは、低圧下で凝固したものであるため粒径も非常に小さく(150nm未満)、ほぼ球状(真球状、楕円球状等)になる。また、過冷却状態で結晶化するため低圧下では蒸発しにくい。このため、スパッタ室で真空引きした場合にはもちろん、前記のロードロック室や搬送室で真空引きした後の基板をスパッタ室まで真空中を搬送して設置した場合においても、基板表面に付着して残存したままになる。この状態で、スパッタ成膜を行うと、基板上に付着した氷やドライアイスなどがそのまま堆積する薄膜(多層反射膜、保護膜、吸収体膜等)の材料に取り込まれ、周囲よりも酸素を多く含有する凸状欠陥(凸状の高酸化物欠陥)となった可能性が高いものと考えられる。
このため、その高酸化欠陥の形状は、ほぼ球状(真球状、楕円球状等)のものが多くなっていると考えられる。また、この凸状欠陥のうち、氷やドライアイスが解けきれない状態で薄膜が形成されてしまったものは、基板を再度大気圧下に戻したときに蒸発して空洞になってしまうか、もしくは酸化度が高いためにマスクプロセスの一部の工程にて溶解してしまって空洞化し、その空洞部分が崩れて、その側壁が周囲よりも酸素を多く含有する凹状欠陥(凹状の高酸化物欠陥)になった可能性が高いと考えられる。
本発明者は、以上の解明事実、考察に基づいて更に鋭意研究した結果、本発明を完成したものである。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
基板上に、高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層してなる多層反射膜を備える多層反射膜付基板において、前記多層反射膜は、少なくとも露光光の照射を受ける領域内において、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が存在しないことを特徴とする多層反射膜付基板。
(構成2)
前記高酸化物欠陥は、前記多層反射膜中の前記基板との界面近傍に発生する欠陥であることを特徴とする構成1に記載の多層反射膜付基板。
(構成3)
前記高酸化物欠陥は、ほぼ球状の欠陥であることを特徴とする構成1又は2に記載の多層反射膜付基板。
(構成4)
前記金属を含有する材料は、モリブデンまたはモリブデン化合物であり、前記ケイ素を含有する材料は、ケイ素またはケイ素化合物であることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の多層反射膜付基板。
(構成5)
基板上に、高屈折率層および低屈折率層を交互に積層した多層反射膜と、前記多層反射膜上に形成される金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる保護膜とを備える多層反射膜付基板において、前記保護膜は、少なくとも露光光の照射を受ける領域内において、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が存在しないことを特徴とする多層反射膜付基板。
(構成6)
構成1乃至5のいずれかに記載の多層反射膜付基板の前記多層反射膜上または前記保護膜上に吸収体膜を備えることを特徴とする反射型マスクブランク。
(構成7)
基板上に、高屈折率層および低屈折率層を交互に積層した多層反射膜と、前記多層反射膜上に形成される金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる吸収体膜とを備える反射型マスクブランクにおいて、前記吸収体膜は、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥の存在個数が10個以下であることを特徴とする反射型マスクブランク。
(構成8)
基板をスパッタ装置内に搬入し、前記基板上にスパッタリング法によって高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層して多層反射膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、前記スパッタ室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
(構成9)
基板をスパッタ装置内に搬入し、前記基板上にスパッタリング法によって高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層して多層反射膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、前記減圧室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
(構成10)
前記水分および二酸化炭素を含有しない気体は、希ガス、水素ガス、窒素ガス、フッ素ガスおよび塩素ガスのうちいずれかの気体あるいはこれらから選ばれる2以上の気体の混合気体であることを特徴とする構成8又は9に記載の多層反射膜付基板の製造方法。
(構成11)
基板をスパッタ装置内に搬入し、前記基板上にスパッタリング法によって高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層して多層反射膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を排気して真空減圧する工程、前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
(構成12)
基板をスパッタ装置内に搬入し、前記基板上にスパッタリング法によって高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層して多層反射膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を排気して真空減圧する工程、前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
(構成13)
多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の保護膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、前記スパッタ室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記保護膜または前記複数層の保護膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
(構成14)
多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の保護膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、前記減圧室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記保護膜または前記複数層の保護膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
(構成15)
前記水分および二酸化炭素を含有しない気体は、希ガス、水素ガス、窒素ガス、フッ素ガスおよび塩素ガスのうちいずれかの気体あるいはこれらから選ばれる2以上の気体の混合気体であることを特徴とする構成13又は14に記載の多層反射膜付基板の製造方法。
(構成16)
多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の保護膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を排気して真空減圧する工程、前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記保護膜または前記複数層の保護膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
(構成17)
多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の保護膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を排気して真空減圧する工程、前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記保護膜または前記複数層の保護膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
(構成18)
構成8乃至17のいずれかに記載の多層反射膜付基板の製造方法で製造された多層反射膜付基板の多層反射膜上または保護膜上に吸収体膜を形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
(構成19)
多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の吸収体膜を形成する反射型マスクブランクの製造方法において、基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、前記スパッタ室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記吸収体膜または前記複数層の吸収体膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
(構成20)
多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の吸収体膜を形成する反射型マスクブランクの製造方法において、基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、前記減圧室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記吸収体膜または前記複数層の吸収体膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
(構成21)
前記水分および二酸化炭素を含有しない気体は、希ガス、水素ガス、窒素ガス、フッ素ガスおよび塩素ガスのうちいずれかの気体あるいはこれらから選ばれる2以上の気体の混合気体であることを特徴とする構成19又は20に記載の反射型マスクブランクの製造方法。
(構成22)
多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の吸収体膜を形成する反射型マスクブランクの製造方法において、加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を排気して真空減圧する工程、前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記吸収体膜または前記複数層の吸収体膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
(構成23)
多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の吸収体膜を形成する反射型マスクブランクの製造方法において、加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を排気して真空減圧する工程、前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記吸収体膜または前記複数層の吸収体膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
本発明によれば、高酸化物欠陥の発生要因と考えられる、真空減圧時に基板表面等に付着する氷やドライアイスをスパッタ成膜前に蒸発させたり、あるいはこのような氷やドライアイスの発生自体を抑制することにより、微小な高酸化物欠陥の発生を低減させることができ、もって高いレベルの欠陥品質要求を満足できるよう高品質の多層反射膜付基板、反射型マスクブランク及びそれらの製造方法を提供することができる。
反射型マスクブランクの一実施の形態を示す断面図である。 第1の実施の形態に係るスパッタ装置の概略構成図である。 第2の実施の形態に係るスパッタ装置の一形態の概略構成図である。 第2の実施の形態に係るスパッタ装置の別の形態の概略構成図である。
以下、本発明を実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、基板上に、高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層してなる多層反射膜を備える多層反射膜付基板において、前記多層反射膜は、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が存在しないことを特徴とする多層反射膜付基板である。また、この多層反射膜付基板の多層反射膜上に保護膜(必要な場合)や吸収体膜が形成された反射型マスクブランクである。
本発明に係る多層反射膜付基板の一実施の形態は、図1を参照すると、基板1上に多層反射膜2が形成された構成である。そして、本発明に係る反射型マスクブランクの一実施の形態は、多層反射膜2の上に保護膜3及び吸収体膜4の各層が形成された構造の反射型マスクブランク10である。
ここで、基板1は、後述するようにSiO−TiO系低熱膨張ガラス基板が好適である。
上記多層反射膜2は、上記のように屈折率の異なる材料が周期的に積層された多層膜であり、詳しくは後述する。また、上記保護膜3と吸収体膜4についても詳しくは後述する。
本発明に係る多層反射膜付基板や反射型マスクブランクは、多層反射膜中の少なくとも露光光の照射を受ける領域内において、150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が存在しないことを特徴としている。
本願発明が特に低減することを目的としている多層反射膜の欠陥は、スパッタ装置内に基板を導入後の真空引き時に発生する氷やドライアイスのような酸素を含有するパーティクルが核となる高酸化物欠陥であり、従来広く使用されている150nm感度の欠陥検査装置では検出できず、それよりも高感度の欠陥検査装置(140nm感度、100nm感度等の欠陥検査装置等)で検出される大きさ(150nm未満、140nm以下、100nm以下、60nm以下等)である。
真空引き時に発生する氷やドライアイスのようなパーティクルは、平均して50〜100nm程度のほぼ球状物であるが、基板上に多層反射膜を成膜する際、基板上に数nmの高さであっても凸欠陥が存在すると、その凸欠陥部分を中心に多層反射膜が基板主表面に対して傾斜して形成されてしまう。多層反射膜が傾斜して成膜された部分では、EUV露光光が正常な反射角度で反射されなかったり、局所的に反射率が低下してしまったりするため、大きな問題となる。このため、少なくとも、EUV露光光の照射を受ける領域においては、多層反射膜内に高酸化物欠陥が存在しないことが必要とされる。EUV露光光の照射を受ける領域とは、この多層反射膜付基板を反射型マスクに用いる場合においては、たとえば、一般的な約152mm角サイズの基板の場合では、基板主表面の中心を基準とした132mm角内の領域については最低限保証する必要があり、142mm角内の領域や、148mm角内の領域を保証するとより安全であるが、基板主表面全面において、多層反射膜内に高酸化物欠陥が存在しないことが最適である。
本発明に係る反射型マスクブランクは、吸収体膜中の35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥の存在個数が10個以下である。
本願発明が特に低減することを目的としている吸収体膜の欠陥は、スパッタ装置内に基板を導入後の真空引き時に発生する氷やドライアイスのような酸素を含有するパーティクルが核となる高酸化物欠陥であり、従来広く使用されている150nm感度の欠陥検査装置では検出できず、それよりも高感度の欠陥検査装置(140nm感度、100nm感度等の欠陥検査装置等)で検出される大きさ(150nm未満、140nm以下、100nm以下、60nm以下等)である。その上で、EUV露光光による露光転写に用いられる反射型マスクであり、DRAM hp45nm世代以降の反射型マスクを作製するための反射型マスクブランクに適用可能とするには、吸収体膜について、少なくとも35nm以上の高酸化物欠陥について最大の存在個数を保証する必要がある。このような微細な大きさの高酸化物欠陥が吸収体膜に存在することが許容される最大の存在個数は、転写パターン領域内(反射型マスクを作製するときに、吸収体膜に転写パターンが形成される領域、例えば、反射型マスクブランクの中心を基準に132mm角内の領域)で10個以下である。高酸化物欠陥の存在個数が10個までであれば、吸収体膜に形成する転写パターンの配置の位置調整や欠陥修正で対応することが可能な範囲である。
また、DRAM hp32nm世代以降の反射型マスクを作製するための反射型マスクブランクに適用可能とするには、吸収体膜について、25nm以上の高酸化物欠陥の転写パターン領域内における存在個数を10個以下に保証することが望ましい。DRAM hp22nm世代以降の反射型マスクを作製するための反射型マスクブランクに適用可能とするには、多層反射膜について、18nm以上の高酸化物欠陥の転写パターン領域内における存在個数を10個以下に保証することが望ましい。
なお、これらの各世代に対応可能な反射型マスクブランクに対し、より高い精度が要求される場合においては、吸収体膜の高酸化物欠陥の存在個数を8個以下とすることが好ましく、より好ましくは5個以下とするとよい。また、吸収体膜の高酸化物欠陥の存在個数を保証する領域については、反射型マスクブランクの中心を基準に142mm角内としてもよい。さらに、本発明では、150nm未満の高酸化物欠陥について、その存在個数を保証しているが、その保証範囲を、例えば、150nm以下、200nm以下等に広げてもよい。
本発明に係る多層反射膜付基板や反射型マスクブランクは、保護膜中の少なくとも露光光の照射を受ける領域内において、150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が存在しないことを特徴としている。
本願発明が特に低減することを目的としている保護膜の欠陥は、スパッタ装置内に基板を導入後の真空引き時に発生する氷やドライアイスのような酸素を含有するパーティクルが核となる高酸化物欠陥であり、従来広く使用されている150nm感度の欠陥検査装置では検出できず、それよりも高感度の欠陥検査装置(140nm感度、100nm感度等の欠陥検査装置等)で検出される大きさ(150nm未満、140nm以下、100nm以下、60nm以下等)である。
保護膜は、使用時に露光光の照射を受ける領域の部分を除去せずに残す場合と除去する場合とがある。特に除去せずに残す場合においては、保護膜を通過する際にEUV露光光の減衰を極力小さくするために膜厚が非常に薄く(例えば、5nm以下)なっている。平均50〜100nm程度の大きさの氷やドライアイスのようなパーティクルが多層反射膜の最表面に付着してしまった状態で保護膜を成膜すると、その部分に保護膜を実質的に形成させることができず、多層反射膜が露出してしまうという問題が発生する。このため、少なくとも、EUV露光光の照射を受ける領域においては、保護膜中に高酸化物欠陥が存在しないことが必要とされる。なお、EUV露光光の照射を受ける領域については、多層反射膜の場合と同様である。
なお、ここでいう、150nm感度の欠陥検査機とは、基板上に粒子径150nmのポリスチレンラテックス(PSL)粒子(PSL粒子は、その粒子同士が1mm以内で近接し合う確率は1%以下となるような特性を有している。)をばらまいた試験体に対する欠陥検査を行っても、そのPSL粒子を検出できる欠陥検査装置のことをいう。
多層反射膜付基板や反射型マスクブランクに対して、欠陥検査装置で検出された多層反射膜や保護膜や吸収体膜の凸状欠陥や凹状欠陥が高酸化物欠陥であるかどうかを確認する方法としては、後述の実施例にも記載したように、例えば断面TEM観察やEDX分析による方法が挙げられる。
本発明は、以上のような多層反射膜、保護膜および吸収体膜の膜中の高酸化物欠陥数を低減させた多層反射膜付基板や反射型マスクブランクを得るのに好適な製造方法についても提供する。なお、イオンビームスパッタリング法とDC電源やRF電源によるスパッタリング法とは原理は大きく異なるが、大気圧下にある基板をスパッタ装置に導入時に真空減圧することに関する工程は概ね同じである。よって、以下の各実施の形態では、多層反射膜付基板の製造方法、反射型マスクブランクの製造方法の両方に適用する場合について併記して説明する。
[第1の実施の形態]
本発明に係る多層反射膜付基板や反射型マスクブランクの製造方法の第1の実施の形態は、基板が設置されたスパッタ装置のスパッタ室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、スパッタ室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、スパッタ室内で、基板上に多層反射膜(保護膜、または吸収体膜)をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことに特徴がある。
図2は、第1の実施の形態を適用するスパッタ装置の概略構成図である。
図2に示すスパッタ装置20は、スパッタ室(成膜室)21、搬送装置(搬送ロボット)22を備えており、このスパッタ装置20は、大気中にある基板1(多層反射膜2が形成された基板1、または多層反射膜2および保護膜3が形成された基板1)をスパッタ室21に直接搬入する構成である。このような構成のスパッタ装置20の場合、まず、大気(クリーンルーム室内の空気)中に置かれている基板1を搬送装置22によって、開閉ゲート(ゲートバルブ)23が開かれて室内が大気開放されているスパッタ室21内に搬入し、開閉ゲート23を閉じる。そして、スパッタ室21内の気体(クリーンルーム室内の空気とほぼ同じであり、水分や二酸化炭素を含んだ空気)を排気しつつ、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体(置換ガス)を導入して、スパッタ室21内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する。置換後、スパッタ室21内の気体を排気する真空減圧を行い、スパッタ室21内を所定の真空度にする。その後、スパッタ室21内にスパッタガスを導入し、所定ガス圧になったところで、スパッタリング法(イオンビームスパッタ法、DCスパッタ法、RFスパッタ法等)によって、基板1上に多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)を形成する。
なお、保護膜3(吸収体膜4)が複数層からなるものであり、同じスパッタターゲットで形成可能であれば、1層目を形成後、基板1をそのままスパッタ室21に置いたまま、大気開放せずにスパッタガスを入れ替えて2層目以降を形成しても、膜中の高酸化物欠陥は抑制できる。
以上のように、基板1(多層反射膜2が形成された基板1、または多層反射膜2および保護膜3が形成された基板1)の搬入・設置後に、スパッタ室21内から空気等の水分や二酸化炭素を含んだ気体を排出し、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換してから、スパッタ室21内を所定の真空度にするための真空減圧を行う。これにより、真空減圧時にスパッタ室21内の内圧が低下しても、スパッタ室21内は、常温で気体であるが凝固点の比較的高い水や二酸化炭素を含まない気体や、水をほとんど含まないドライエアに置換されているため、氷、ドライアイス等の凝固物質の発生を抑制することができ、基板1の表面(多層反射膜2の表面、または保護膜3の表面)に凝固物質が付着することを従来よりも確実に抑制できる。よって、この真空減圧後にスパッタリング法で多層反射膜2や保護膜3を成膜しても、凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を確実に抑制できる。また、真空減圧後にスパッタリング法で吸収体膜4を成膜した場合でも、凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を許容範囲内(35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が転写パターン領域内で10個以下)に確実に抑制できる。
なお、水分および二酸化炭素を含有しない気体としては、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン)、水素ガス、窒素ガス、フッ素ガス、および塩素ガスのうちいずれかの気体あるいはこれらから選ばれる2以上の気体の混合気体が好ましい。
スパッタ室21内へ前記の置換ガスを導入する手段としては、置換ガスを供給する配管を、スパッタ室21内にスパッタガスを供給する配管やスパッタ室21内の内圧を大気圧に戻すときに使用する気体を供給する配管に分岐継ぎ手を介して接続した構成とすることや、直接スパッタ室21に接続する構成等が適用できる。
[第2の実施の形態]
本発明に係る多層反射膜付基板や反射型マスクブランクの製造方法の第2の実施の形態は、基板が設置されたスパッタ装置の減圧室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、減圧室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、スパッタ室内で、基板上に多層反射膜(保護膜、または吸収体膜)をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うことに特徴がある。
図3は、第2の実施の形態を適用するスパッタ装置の一形態の概略構成図である。
図3に示すスパッタ装置30は、スパッタ室(成膜室)31、開閉ゲート33を介して連結する減圧室(ロードロック室)34を備え、さらに減圧室34内に搬送装置(搬送ロボット)32が設置されている。このスパッタ装置30は、大気中にある基板1(多層反射膜2が形成された基板1、または多層反射膜2および保護膜3が形成された基板1)を搬送装置32で減圧室34内に搬入し、基板1が設置された減圧室34内で真空減圧を行うものであり、スパッタ室31は、メンテナンスのような場合を除き、通常時は室内を大気開放とはしない構成となっている。
このような構成のスパッタ装置30の場合は、まず、大気(クリーンルーム室内の空気)中に置かれている基板1を搬送装置32によって、開閉ゲート(ゲートバルブ)35が開かれて室内が大気開放されている減圧室34内に搬入し、開閉ゲート35を閉じる。そして、減圧室34内の気体(クリーンルーム室内の空気とほぼ同じであり、水分や二酸化炭素を含んだ空気)を排気しつつ、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体(置換ガス)を導入して、減圧室34内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する。置換後、減圧室34内の気体を排気する真空減圧を行い、減圧室34内を所定の真空度にする。次に、これまで閉じていた開閉ゲート33を開き、搬送装置32で基板1を減圧室34から取り出し、所定の真空度に真空減圧されているスパッタ室31内に搬入・設置し、開閉ゲート33を再度閉じる。最後に、スパッタ室31内にスパッタガスを導入し、所定ガス圧になったところで、スパッタリング法(イオンビームスパッタ法、DCスパッタ法、RFスパッタ法等)によって、基板1上に多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)を形成する。
なお、保護膜3(吸収体膜4)が複数層からなるものであり、同じスパッタターゲットで形成可能であれば、1層目を形成後、基板1をそのままスパッタ室31に置いたまま、大気開放せずにスパッタガスを入れ替えて2層目以降を形成しても、膜中の高酸化物欠陥は抑制できる。
以上のように、基板1(多層反射膜2が形成された基板1、または多層反射膜2および保護膜3が形成された基板1)の搬入・設置後に、減圧室34内から空気等の水分や二酸化炭素を含んだ気体を排出し、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換してから、減圧室34内を所定の真空度にするための真空減圧を行う。これにより、真空減圧時に減圧室34内の内圧が低下しても、減圧室34内は、常温で気体であるが凝固点の比較的高い水や二酸化炭素を含まない気体や、水をほとんど含まないドライエアに置換されているため、氷、ドライアイス等の凝固物質の発生を抑制することができ、基板1の表面(多層反射膜2の表面、または保護膜3の表面)に凝固物質が付着することを従来よりも確実に抑制できる。さらに、その基板1を大気開放することなく、所定の真空度に真空減圧されているスパッタ室31まで搬送・設置することから、スパッタ室31に基板1を設置するまでの間においても凝固物質の付着を抑制できる。よって、スパッタ室31でスパッタリング法により多層反射膜2や保護膜3を成膜しても、氷、ドライアイス等の凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を確実に抑制できる。また、スパッタリング法で吸収体膜4を成膜した場合でも、凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を許容範囲内(35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が転写パターン領域内で10個以下)に確実に抑制できる。
このスパッタ装置30における第2の実施の形態に係るマスクブランクの製造方法では、スパッタ室31内を通常時は大気開放しない構成であるので、クリーンルーム室内のパーティクルや汚染物質等がスパッタ室31内に入り込むことも抑制できる。
なお、置換ガスに関するその他の事項については、第1の実施の形態と同様である。
このスパッタ装置30においても、基板1が減圧室34に置かれている段階で真空減圧するのではなく、第1の実施の形態と同様に、一度大気圧に戻されたスパッタ室31内に基板1を搬入し、スパッタ室31内を前記の置換ガスに置換してから真空減圧するようにしても、氷、ドライアイス等の凝固物質の発生の抑制や、それに起因して生じる多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)内の高酸化物欠陥の発生の抑制については、第1の実施の形態と同等の効果は得られる。
減圧室34内へ前記の置換ガスを導入する手段としては、置換ガスを供給する配管を、減圧室34内の内圧を大気圧に戻すときに使用する気体を供給する配管に分岐継ぎ手を介して接続した構成とすることや、直接減圧室34に接続する構成等が適用できる。また、スパッタ室31内へ前記の置換ガスを導入する手段としては、第1の実施の形態と同様である。
図4は、第2の実施の形態を適用するスパッタ装置の別の形態の概略構成図である。
図4に示すスパッタ装置40は、マルチチャンバー型(クラスター型)スパッタ装置である。その構成としては、搬送装置(搬送ロボット)42が設置された搬送室(トランスファー室)47を中心に、基板搬入専用および基板搬出専用の各減圧室(ロードロック室)44A,44Bがそれぞれ開閉ゲート(ゲートバルブ)46A,46Bを介して連結されており、さらに、複数のスパッタ室41A,41Bがそれぞれ開閉ゲート(ゲートバルブ)43A,43Bを介して連結されてなる。また、減圧室44Aに基板1(多層反射膜2が形成された基板1、または多層反射膜2および保護膜3が形成された基板1)を搬入し、減圧室44Bから基板1を搬出するための搬送装置(搬送ロボット)48を備えている。
このスパッタ装置40は、大気中にある基板1を搬送装置48で減圧室44A内に搬入し、基板1が設置された減圧室44A内で真空減圧を行うものであり、スパッタ室41A,42Aや搬送室47は、メンテナンスのような場合を除き、通常時は室内を大気開放とはしない構成となっている。
このような構成のスパッタ装置40の場合は、まず、大気(クリーンルーム室内の空気)中に置かれている基板1を搬送装置48によって、開閉ゲート(ゲートバルブ)45Aが開かれて室内が大気開放されている減圧室44A内に搬入し、開閉ゲート45Aを閉じる。そして、減圧室44A内の気体(クリーンルーム室内の空気とほぼ同じであり、水分や二酸化炭素を含んだ空気)を排気しつつ、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体を導入して、減圧室44A内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する。置換後、減圧室44A内の気体を排気する真空減圧を行い、減圧室44A内を所定の真空度にする。
次に、これまで閉じていた開閉ゲート43A,46Aを開き、搬送装置42で基板1を減圧室44Aから取り出し、所定の真空度に真空減圧されている搬送室47を経由して、所定の真空度に真空減圧されているスパッタ室41A内に搬入・設置し、開閉ゲート43A,46Aを再度閉じる。その後、スパッタ室41A内にスパッタガスを導入し、所定ガス圧になったところで、スパッタリング法(イオンビームスパッタ法、DCスパッタ法、RFスパッタ法等)によって、基板1上に多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)を形成する。
保護膜3(吸収体膜4)が複数層からなるものであり、同じスパッタターゲットで成膜可能な場合は、1層目を形成後、基板1をそのままスパッタ室41Aに置いたまま、大気開放せずにスパッタガスを入れ替えて2層目以降を形成する。
また、多層反射膜2の成膜後に大気開放せずに保護膜3を成膜する必要がある場合や、保護膜3(吸収体膜4)が複数層であり、2層目以降を異なるスパッタターゲットで成膜する必要がある場合には、スパッタ室41Bでスパッタ成膜する。この場合、スパッタ室41Aの室内を所定の真空度に真空減圧した後、開閉ゲート43A,43Bを開き、搬送装置42で基板1をスパッタ室41Aから取り出し、搬送室47を経由し、所定の真空度に真空減圧されているスパッタ室41Bに搬入・設置し、開閉ゲート43A,43Bを再度閉じる。その後、スパッタ室41B内にスパッタガスを導入し、所定ガス圧になったところで、スパッタリング法(イオンビームスパッタ法、DCスパッタ法、RFスパッタ法等)によって、保護膜3(保護膜3や吸収体膜4の2層目以降)を形成する。
そして、スパッタ装置40で成膜すべき保護膜3(吸収体膜4)の層を全て成膜し終えたら、所定の真空度に真空減圧されている減圧室44Bの開閉ゲート46Bと、その時点で基板1が設置されているスパッタ室41A(41B)の開閉ゲート43A(43B)を開き、搬送装置42によって、基板1をスパッタ室41A(41B)から取り出し、搬送室47を経由し、減圧室44Bに搬入・設置し、開閉ゲート43A(43B),46Bを再度閉じる。最後に、減圧室44B内を大気開放し、開閉ゲート45Bを開き、搬送装置48により、基板1を減圧室44Bから取り出す。
以上のように、基板1(多層反射膜2が形成された基板1、または多層反射膜2および保護膜3が形成された基板1)の搬入・設置後に、減圧室44A内から空気等の水分や二酸化炭素を含んだ気体を排出し、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換してから、減圧室44A内を所定の真空度にするための真空減圧を行う。これにより、真空減圧時に減圧室44A内の内圧が低下しても、減圧室44A内は、常温で気体であるが凝固点の比較的高い水や二酸化炭素を含まない気体や、水をほとんど含まないドライエアに置換されているため、氷、ドライアイス等の凝固物質の発生を抑制することができ、基板1の表面(多層反射膜2の表面、または保護膜3の表面)に凝固物質が付着することを従来よりも確実に抑制できる。さらに、その基板1を大気開放することなく、所定の真空度に真空減圧されている搬送室47を経由し(真空中を搬送し)、所定の真空度に真空減圧されているスパッタ室41A(41B)まで搬送・設置することから、スパッタ室41A(41B)に基板1を設置するまでの間においても凝固物質の付着を抑制できる。よって、スパッタ室41A(41B)でスパッタリング法により多層反射膜2や保護膜3を成膜しても、氷、ドライアイス等の凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を確実に抑制できる。また、スパッタリング法で吸収体膜4を成膜した場合でも、凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を許容範囲内(35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が転写パターン領域内で10個以下)に確実に抑制できる。
このスパッタ装置40における第2の実施の形態に係るマスクブランクの製造方法では、スパッタ室41A,41B内や、基板1の搬送経路である搬送室47内を通常時は大気開放しない構成であるので、クリーンルーム室内のパーティクルや汚染物質等がスパッタ室41A,41B内および搬送室47内に入り込むことも抑制できる。
なお、置換ガスに関するその他の事項については、第1の実施の形態と同様である。
このスパッタ装置40において、基板1が減圧室44Aに置かれている段階で真空減圧するのではなく、搬送室47を減圧室として兼用する形態、すなわち、一度大気圧に戻された搬送室47にある段階で、搬送室47内を前記の置換ガスに置換してから真空減圧してもよい。この場合、氷、ドライアイス等の凝固物質の発生の抑制や、それに起因して生じる多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)内の高酸化物欠陥の発生の抑制については、第1の実施の形態と同等の効果は得られる。
また、このスパッタ装置40においても、基板1が減圧室44Aに置かれている段階で真空減圧するのではなく、第1の実施の形態と同様に、一度大気圧に戻されたスパッタ室41A(41B)に置かれた段階で、スパッタ室41A(41B)内を前記の置換ガスに置換してから真空減圧しても、氷、ドライアイス等の凝固物質の発生の抑制や、それに起因して生じる多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)内の高酸化物欠陥の発生の抑制については、第1の実施の形態1と同等の効果は得られる。
減圧室44A内や搬送室47内へ前記の置換ガスを導入する手段としては、置換ガスを供給する配管を、減圧室44A内や搬送室47内の内圧を大気圧に戻すときに使用する気体を供給する配管に分岐継ぎ手を介して接続した構成とすることや、直接減圧室44Aや搬送室47内に接続する構成等が適用できる。スパッタ室41A,41B内へ前記の置換ガスを導入する手段としては、第1の実施の形態の場合と同様である。
以上の実施の形態1や実施の形態2で示された構成において、基板が設置され、大気開放状態である室内を真空減圧するスパッタ室、減圧室、搬送室で、真空減圧前に室内の気体を置換するガスを列挙したが、吸収体膜4に生じる高酸化物欠陥の発生個数をより削減する(例えば5個以下とする)には、真空減圧する室内の水や二酸化炭素をより確実に排除することが望まれる。特に、多層反射膜2や保護膜3の場合、高酸化物欠陥が存在しないようにするには、真空減圧する室内の水や二酸化炭素をより確実に排除することが必要とされる。これらの点を考慮した場合、置換する気体としては、水分および二酸化炭素を含有しない気体のみとすることが望ましい。
さらに、使用ガス自体のコスト的な観点を考慮すると、水素ガス、窒素ガスが望ましく、ガス管理の容易性を考慮すると、窒素ガスが最適である。
[第3の実施の形態]
本発明に係る多層反射膜付基板や反射型マスクブランクの製造方法の第3の実施の形態は、加熱状態の基板が設置されたスパッタ装置のスパッタ室内の気体を排気して真空減圧する工程、前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜(保護膜、または吸収体膜)をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うものである。
ここでも前述の図2に示すスパッタ装置20を用いて説明すると、この第3の実施の形態を適用するスパッタ装置の一態様では、スパッタ室21内に基板1を加熱するための加熱装置が設けられたスパッタ装置の構成となっている。この場合のスパッタ装置20は、大気中にある基板1を搬送装置22でスパッタ室21内に搬入・設置し、開閉ゲート23を閉じ、加熱装置を作動させて基板1の多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)を成膜する側の最表面(多層反射膜2を成膜する場合は基板主表面、保護膜3を成膜する場合や保護膜3を設けずに吸収体膜4を成膜する場合は、多層反射膜2の表面、保護膜3が設けられた上に吸収体膜4を成膜する場合は、保護膜3の表面)が所定温度以上になるまで加熱する。ここでの所定温度とは、スパッタ室21内の真空減圧を行って所定の真空度に達するまでの間に生じる室内の気体中の水分や二酸化炭素が凝固した氷やドライアイスのような凝固物質が、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面に付着したときに蒸発するような温度である。そして、スパッタ室21内の気体を排気する真空減圧を行い、所定の真空度にする。最後に、スパッタ室21内にスパッタガスを導入し、所定ガス圧になったところで、スパッタリング法(イオンビームスパッタ法、DCスパッタ法、RFスパッタ法等)により、基板1上に多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)を形成する。
以上のように、スパッタ室21内の真空減圧を行う際、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面を、氷やドライアイスのような凝固物質が蒸発するような温度にしていることから、スパッタ室21内が所定の真空度に達して真空減圧を終了した後に、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面への凝固物質の付着を従来よりも確実に抑制できる。よって、この真空減圧後にスパッタリング法で多層反射膜2や保護膜3を成膜しても、凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を確実に抑制できる。また、スパッタリング法で吸収体膜4を成膜した場合でも、凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を許容範囲内(35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が転写パターン領域内で10個以下)に確実に抑制できる。
基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面を所定温度にするための加熱装置としては、セラミックヒーターに代表される電熱線ヒーター、ヒートポンプ等を用いた熱媒循環型ヒーター等を用いた加熱処理が挙げられる。これらの構成の場合は、基板1を設置する成膜台の内部に配置することができる。その他にも、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面に対し、例えばフラッシュランプ、紫外光、電磁波等を照射する方法を適用してもよい。
開閉ゲート23を閉じるタイミングについては、遅くともスパッタ室21内の真空減圧の開始前には行う必要がある。クリーンルームからのパーティクルのスパッタ室21内への流入を低減するには、基板1を搬入・設置後、すぐに開閉ゲート23を閉じることが望ましい。
加熱装置を作動させるタイミングは、スパッタ室21内でスパッタ成膜を始めるまでに基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面に高酸化物欠陥の発生要因となる凝固物質を蒸発させ、高酸化物欠陥が発生しないようにすることができるのであれば、どの段階であってもよい。望ましくは、スパッタ室21内に凝固物質が蒸発した気体を確実に排除できるように、真空引きが行われるスパッタ室21内を所定の真空度に減圧する工程が完了する前までには、加熱装置を作動させたほうがよい。スパッタ室21内の真空引き中により確実に基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面が所定温度以上になるようにするには、真空引きを始める前には、加熱装置を作動させると好適である。
なお、上記第3の実施の形態を適用するスパッタ装置の一態様では、スパッタ室21内に加熱装置を設けて、基板1をスパッタ室21内で加熱する構成であるが、スパッタ室の外にある加熱装置で基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面が所定温度以上になるように基板1を予め加熱してから、搬送装置22でスパッタ室21内に搬入・設置する構成であってもよい。
[第4の実施の形態]
本発明に係る多層反射膜付基板や反射型マスクブランクの製造方法の第4の実施の形態は、加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を排気して真空減圧する工程、減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、スパッタ室内で、基板上に多層反射膜(保護膜、または吸収体膜)をスパッタリング法によって成膜する工程をこの順に行うものである。
ここでも前述の図3に示すスパッタ装置30を用いて説明すると、この第4の実施の形態を適用するスパッタ装置の一態様では、減圧室(ロードロック室)34内に基板1を加熱するための加熱装置が設けられたスパッタ装置の構成となっている。この場合のスパッタ装置30は、大気中にある基板1を搬送装置32で減圧室34内に搬入・設置し、開閉ゲート35を閉じ、加熱装置を作動させて基板1の多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)を成膜する側の最表面が第3の実施の形態と同様の所定温度以上になるまで加熱する。そして、減圧室34内の気体を排気する真空減圧を行い、所定の真空度にする。その後の工程は、前記第2の実施の形態を適用するスパッタ装置30の場合と同様である。
以上のように、減圧室34内の真空減圧を行う際、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面を、氷やドライアイスのような凝固物質が蒸発するような温度にしていることから、減圧室34内が所定の真空度に達して真空減圧を終了した後に、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面への凝固物質の付着を従来よりも確実に抑制できる。さらに、その基板1を大気開放することなく、所定の真空度に真空減圧されているスパッタ室31まで搬送・設置することから、スパッタ室31に基板1を設置するまでの間においても凝固物質の付着を抑制できる。よって、スパッタ室31でスパッタリング法により多層反射膜2や保護膜3を成膜しても、氷、ドライアイス等の凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を確実に抑制できる。また、スパッタリング法で吸収体膜4を成膜した場合でも、凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を許容範囲内(35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が転写パターン領域内で10個以下)に確実に抑制できる。
基板1の最表面を所定温度にするための加熱装置としては、前記第3の実施の形態を適用するスパッタ装置の一形態の場合と同様である。
加熱装置を作動させるタイミングは、減圧室34内での所定の真空度になるまでの真空減圧(真空引き)が終わるまでに、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面に高酸化物欠陥の発生要因となる凝固物質を蒸発させ、高酸化物欠陥が発生しないようにすることができるのであれば、どの段階であってもよい。減圧室34内の真空引き中により確実に基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面が所定温度以上になるようにするには、真空引きを始める前には、加熱装置を作動させると好適である。
なお、上記第4の実施の形態を適用するスパッタ装置の一態様では、減圧室34内に加熱装置を設けて、基板1を減圧室34内で加熱する構成であるが、減圧室34の外にある加熱装置で基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面が所定温度以上になるように基板1を予め加熱してから、搬送装置32で減圧室34内に搬入・設置する構成であってもよい。
このスパッタ装置30における第4の実施の形態に係るマスクブランクの製造方法では、スパッタ室31内を通常時は大気開放しない構成であるので、クリーンルーム室内のパーティクルや汚染物質等がスパッタ室31内に入り込むことも抑制できる。
なお、このスパッタ装置30においても、基板1が減圧室34に置かれている段階で真空減圧するのではなく、第3の実施の形態と同様に、最表面が所定温度以上になるように加熱されている基板1がスパッタ室31に置かれた段階で真空減圧しても、氷、ドライアイス等の凝固物質の発生の抑制や、それに起因して生じる多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)内の高酸化物欠陥の発生の抑制については、第3の実施の形態と同等の効果は得られる。
第4の実施の形態を適用するスパッタ装置の別の態様について、前述の図4に示すマルチチャンバー型スパッタ装置40を用いて説明する。
この第4の実施の形態を適用するスパッタ装置40においても、同じく第4の実施の形態を適用するスパッタ装置30の場合と同様、減圧室(ロードロック室)44A内に基板1を加熱するための加熱装置が設けられたスパッタ装置の構成となっている。この場合のスパッタ装置40は、大気中にある基板1を搬送装置48で減圧室44A内に搬入・設置し、開閉ゲート45Aを閉じ、加熱装置を作動させて基板1の多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)を成膜する側の最表面が第3の実施の形態と同様の所定温度以上になるまで加熱する。そして、減圧室44A内の気体を排気する真空減圧を行い、所定の真空度にする。その後の工程は、前記第2の実施の形態を適用するスパッタ装置40の場合と同様である。
以上のように、減圧室44A内の真空減圧を行う際、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面を、氷やドライアイスのような凝固物質が蒸発するような温度にしていることから、減圧室44A内が所定の真空度に達して真空減圧を終了した後に、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面への凝固物質の付着を従来よりも確実に抑制できる。さらに、その基板1を大気開放することなく、所定の真空度に真空減圧されている搬送室47を経由し(真空中を搬送し)、所定の真空度に真空減圧されているスパッタ室41A(41B)まで搬送・設置することから、スパッタ室41A(41B)に基板1を設置するまでの間においても凝固物質の付着を抑制できる。よって、スパッタ室41A(41B)でスパッタリング法により多層反射膜2や保護膜3を成膜しても、氷、ドライアイス等の凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を確実に抑制できる。また、スパッタリング法で吸収体膜4を成膜した場合でも、凝固物質に起因して生じる高酸化物欠陥の発生を許容範囲内(35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が転写パターン領域内で10個以下)に確実に抑制できる。
基板1の最表面を所定温度にするための加熱装置としては、前記第4の実施の形態を適用するスパッタ装置30の場合と同様である。
加熱装置を作動させるタイミングは、減圧室44A内での所定の真空度になるまでの真空減圧(真空引き)が終わるまでに、基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面に高酸化物欠陥の発生要因となる凝固物質を蒸発させ、高酸化物欠陥が発生しないようにすることができるのであれば、どの段階であってもよい。減圧室44A内の真空引き中により確実に基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面が所定温度以上になるようにするには、真空引きを始める前には、加熱装置を作動させると好適である。
なお、上記第4の実施の形態を適用するスパッタ装置40では、減圧室44A内に加熱装置を設けて、基板1を減圧室44A内で加熱する構成であるが、減圧室44Aの外にある加熱装置で基板1(多層反射膜2、保護膜3)の表面が所定温度以上になるように基板1を予め加熱してから、搬送装置48で減圧室44A内に搬入・設置する構成であってもよい。
このスパッタ装置40における第4の実施の形態に係るマスクブランクの製造方法では、スパッタ室41A,41B内や、基板1の搬送経路である搬送室47内を通常時は大気開放しない構成であるので、クリーンルーム室内のパーティクルや汚染物質等がスパッタ室41A,41B内および搬送室47内に入り込むことも抑制できる。
なお、このスパッタ装置40においても、基板1が減圧室44Aに置かれている段階で真空減圧するのではなく、第3の実施の形態と同様に、最表面が所定温度以上になるように加熱されている基板1がスパッタ室41A(41B)に置かれた段階や搬送室47にある段階で真空減圧しても、氷、ドライアイス等の凝固物質の発生の抑制や、それに起因して生じる多層反射膜2(保護膜3、または吸収体膜4)内の高酸化物欠陥の発生の抑制については、第3の実施の形態と同等の効果は得られる。
また、図1は本発明により得られる反射型マスクブランクの一実施の形態を示す概略断面図である。
図1に示すように、反射型マスクブランク10は、基板1上に多層反射膜2が形成され、その上に保護膜3及び吸収体膜4の各層が形成された構造をしている。なお、図1に示す構成のうち、基板1上に多層反射膜2が形成されただけの構成(保護膜3及び吸収体膜4がない構成)、あるいは、それに保護膜3が形成された構成が、多層反射膜付基板となる。上記基板1は、露光光にEUV光を用いる反射型マスクブランク用基板として好適なように、露光時の熱によるパターンの歪みを防止するため、0±1.0×10−7/℃の範囲内、より好ましくは0±0.3×10−7/℃の範囲内の低熱膨張係数を有するものが好ましい。この範囲の低熱膨張係数を有する素材としては、例えばアモルファスガラスであれば、SiOに例えば5〜10重量%程度の範囲内でTiOを添加したSiO−TiO系ガラス基板が好ましく挙げられる。
また、上記基板1は、露光光にEUV光を用いる反射型マスクブランク用ガラス基板として好適なように、高反射率及び高転写精度を得るために、高い平滑性と平坦度を備えた基板が好ましい。特に、0.150nmRq以下の平滑な表面(10μm角エリアでの平滑性)と、50nm以下の平坦度(142mm角エリアでの平坦度)を有することが好ましい。また、上記基板は、その上に形成される膜の膜応力による変形を防止するために、高い剛性を有しているものが好ましい。特に、65GPa以上の高いヤング率を有しているものが好ましい。
なお、平滑性を示す単位Rqは、二乗平均平方根粗さであり、原子間力顕微鏡で測定することができる。また平坦度は、TIR(Total Indicated Reading)で示される表面の反り(変形量)を表す値で、基板表面を基準として最小自乗法で定められる平面を焦平面とし、この焦平面より上にある基板表面の最も高い位置と、焦平面より下にある基板表面の最も低い位置との高低差の絶対値である。
多層反射膜2は、前述のように、屈折率の異なる元素が周期的に積層された多層膜であり、一般的には、重元素又はその化合物の薄膜と、軽元素又はその化合物の薄膜とが交互に40〜60周期程度積層された多層膜が用いられる。特に、高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層してなる多層膜が好ましく用いられる。
例えば、波長13〜14nmのEUV光に対する多層反射膜としては、Mo膜とSi膜を交互に40周期程度積層したMo/Si周期積層膜が好ましく用いられる。その他に、EUV光の領域で使用される多層反射膜として、Ru/Si周期多層膜、Mo/Be周期多層膜、Mo化合物/Si化合物周期多層膜、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ru周期多層膜などがある。露光波長により、材質を適宜選択すればよい。
多層反射膜2は、DCマグネトロンスパッタ法や、イオンビームスパッタ法などにより、各層を成膜することにより形成できる。上述したMo/Si周期多層膜の場合、まずSiターゲットを用いて厚さ数nm程度のSi膜を成膜し、その後Moターゲットを用いて厚さ数nm程度のMo膜を成膜し、これを一周期として、40〜60周期積層した後、最後に、Si膜を成膜する。
また、上記多層反射膜2と吸収体膜4との間に、該吸収体膜4とエッチング特性が異なる保護膜3を形成してもよい。かかる保護膜3を形成することにより、多層反射膜2の最表層の酸化防止が図れ、吸収体膜4のパターン形成時、及びパターン修正時のエッチングによる多層反射膜2のダメージが防止される。保護膜3には、吸収体膜4に転写パターンが形成されるときにエッチング除去される領域の直下の保護膜3を除去するタイプと除去しないタイプに大きく分けられる。除去するタイプの保護膜3は、集束イオンビーム(FIB)を用いたパターン修正時のエッチングに対する多層反射膜2を保護する機能は高いが、EUV光に対する透過率が低いため、吸収体パターンが除去される部分については除去する必要があるものである。このタイプの保護膜3に適する材料としては、たとえば、クロムを含有するクロム系材料があげられる。とりわけ、クロム系材料からなるバッファ膜は高い平滑性が得られるため、その上に形成される吸収体膜表面も高い平滑性が得られ、パターンぼけを減少できる。
クロム系材料としては、クロム(Cr)単体や、クロム(Cr)と窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、弗素(F)から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む材料とすることができる。たとえば、窒素を含むことで平滑性に優れ、炭素を含むことで吸収体膜のドライエッチング条件でのエッチング耐性が向上し、酸素を含むことで膜応力低減ができる。具体的には、CrN、CrO、CrC、CrF、CrON、CrCO、CrCON等の材料が好ましく挙げられる。この保護膜3は、DCスパッタ、RFスパッタ、イオンビームスパッタ等のスパッタ法で形成することができる。
なお、保護膜3の膜厚は、たとえば集束イオンビーム(FIB)を用いた吸収体膜パターンの修正を行う場合には、20〜60nm程度とするのが好ましいが、電子線とアシストガス(XeF等)を用いた吸収体膜パターンの修正を行う場合には、5〜15nm程度とすることができる。
前記の除去しないタイプの保護膜3は、集束イオンビーム(FIB)を用いたパターン修正時のエッチングに対する多層反射膜2を保護する機能は比較的弱く適さないが、EUV光に対する透過率が高いため、吸収体パターンが除去される部分についても除去する必要がないものである。このタイプの保護膜3に適する材料としては、たとえば、ルテニウムを含有するルテニウム系材料があげられる。
このタイプの保護膜3に適する材料としては、たとえば、Ru、RuNb、RuZr、RuMo、RuY、RuTi、RuLa、RuSi、RuB等の材料があげられる。このタイプの保護膜3の場合、吸収体膜パターンの修正は、電子線とアシストガス(XeF等)を用いることが好ましい。この場合、保護膜3の膜厚は、0.8〜5nm程度とするのが好ましい。
次に、吸収体膜4は、露光光である例えばEUV光を吸収する機能を有するもので、例えばタンタル(Ta)単体又はTaを主成分とする材料を好ましく用いることができる。このような吸収体膜4の結晶状態は、平滑性、平坦性の点から、アモルファス状又は微結晶の構造を有しているものが好ましい。
Taを主成分とする材料としては、TaとBを含む材料、TaとNを含む材料、TaとBを含み、更にOとNの少なくとも何れかを含む材料、TaとSiを含む材料、TaとSiとNを含む材料、TaとGeを含む材料、TaとGeとNを含む材料、TaとHfを含む材料、TaとHfとNを含む材料、TaとZrを含む材料、TaとZrとNを含む材料、等を用いることが出来る。TaにBやSi、Ge等を加えることにより、アモルファス状の材料が容易に得られ、平滑性を向上させることができる。また、TaにNやOを加えれば、酸化に対する耐性が向上するため、経時的な安定性を向上させることが出来るという効果が得られる。
この中でも特に好ましい材料として、例えば、TaとBを含む材料(組成比Ta/Bが8.5/1.5〜7.5/2.5の範囲である)、TaとBとNを含む材料(Nが5〜30原子%であり、残りの成分を100とした時、Bが10〜30原子%)が挙げられる。これらの材料の場合、容易に微結晶或いはアモルファス構造を得ることが出来、良好な平滑性と平坦性が得られる。
このようなTa単体又はTaを主成分とする吸収体膜4は、マグネトロンスパッタリングなどのスパッタ法で形成するのが好ましい。例えば、TaBN膜の場合、タンタルとホウ素を含むターゲットを用い、窒素を添加したアルゴンガスを用いたスパッタリング法で成膜することができる。
吸収体膜4として、Taを主成分とする材料以外では、例えば、WN、TiN、Ti等の材料が挙げられる。
吸収体膜4の膜厚は、露光光である例えばEUV光が十分に吸収できる厚みであれば良いが、通常30〜100nm程度である。なお、吸収体膜4は、材料や組成の異なる複数層の積層構造としてもよい。
EUV光を露光光に適用する反射型マスクの場合においても、パターン検査を行う時の検査光は、波長193nm、257nm等のEUV光に比べて長波長の光が用いられる場合が多い。長波長の検査光に対応するためには、吸収体膜の表面反射を低減させる必要がある。この場合、吸収体膜4を、基板側から、主としてEUV光を吸収する機能を有する吸収体層と、主として検査光に対する表面反射を低減する機能を有する低反射層とを積層した構成にするとよい。低反射層としては、吸収体層がTaを主成分とする材料の場合、TaやTaBにOを含有した材料やさらにNを含有した材料が好適である。
また、上記反射型マスクブランクは、吸収体膜4に所定の転写パターンを形成するためのレジスト膜が形成された状態であっても構わない。
上記反射型マスクブランクを使用して得られる反射型マスクとしては、以下のような態様が挙げられる。
(1)基板上に形成された多層反射膜上に保護膜が形成され、この保護膜上に所定の転写パターンを有する吸収体膜パターンが形成された反射型マスク。
(2)基板上に形成された多層反射膜上に、所定の転写パターンを有する保護膜と吸収体膜のパターンが形成された反射型マスク。
(3)基板上に形成された多層反射膜上に、所定の転写パターンを有する吸収体膜パターンが形成された反射型マスク(保護膜を有していない場合)。
以下、実施例により、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。
(実施例1)
使用する基板は、SiO−TiO系のガラス基板(6インチ角、厚さが6.35mm)である。この基板の熱膨張係数は0.2×10−7/℃、ヤング率は67GPaである。
このガラス基板の端面を面取加工、及び研削加工、更に酸化セリウム砥粒を含む研磨液で粗研磨処理を終えたガラス基板を両面研磨装置のキャリアにセットし、研磨液にコロイダルシリカ砥粒を含むアルカリ水溶液を用い、所定の研磨条件で精密研磨を行った。精密研磨終了後、所定の洗浄処理を行った。
以上のようにして、EUV反射型マスクブランク用ガラス基板を複数枚製造した。
この得られたガラス基板の主表面をレーザー干渉コンフォーカル光学系による欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行い、これらの欠陥が検出されないガラス基板を10枚選定した。
次に、選定した上記EUV反射型マスクブランク用ガラス基板1上に、図3に示すスパッタ装置(イオンビームスパッタ装置)を用いて多層反射膜2および保護膜3のスパッタリング成膜を行った。
上記スパッタ装置は、前述の図3に示すような減圧室(ロードロック室)34、およびスパッタ室31を備えている。まず、開閉ゲート35を開き、搬送ロボット(搬送装置)32によって上記基板1を減圧室34内に搬入し、開閉ゲート35を閉じる。次に、減圧室34内の気体(クリーンルーム内の空気)を排気しつつ、窒素ガスを供給し、減圧室34内の気体を窒素ガス(水分および二酸化炭素を含有しない気体)に置換し終えた後、減圧室34内の真空減圧を開始した。減圧室34内の減圧が完了した時点で、開閉ゲート33を開き、基板1を減圧室34から同等の真空度のスパッタ室31内に搬入、成膜ステージに静電チャックで設置し、ここでイオンビームスパッタリング法による多層反射膜2の成膜を開始した。
基板1上に形成される多層反射膜2は、13〜14nmの露光光波長帯域に適した多層反射膜2とするために、Mo膜/Si膜周期多層反射膜を採用した。即ち、多層反射膜は、MoターゲットとSiターゲットを使用し、イオンビームスパッタリング法によって基板1上に交互に積層して形成した。Si膜を4.2nm、Mo膜を2.8nm、これを一周期として、40周期積層した後、Si膜を4.2nm成膜した。
さらに引き続き、同じスパッタ室で、ルテニウム(Ru)とニオブ(Nb)の混合ターゲットを用い、イオンビームスパッタ法によって、膜厚2.5nmの保護膜3を多層反射膜2上に成膜した。
このようにして多層反射膜付基板を得た。この多層反射膜2に対し、13.5nmのEUV光を入射角6.0度で反射率を測定したところ、反射率は65.9%であった。
以上のようにして、基板1上に上記多層反射膜2と保護膜3を形成した多層反射膜付基板を10枚作製した。この得られた10枚の多層反射膜付基板の保護膜3の表面を上記と同じ30nm感度の欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行った。その結果、いずれの多層反射膜付き基板においても、150nm未満の欠陥個数は0個であった。この結果は、保護膜3下の多層反射膜2も150nm未満の欠陥個数が0個であることも同時にいえるものである。
次に、同様の手順で、150nm未満の凸状欠陥および凹状欠陥が存在しない多層反射膜付基板を10枚準備した。そして、図4に示すマルチチャンバー型スパッタ装置(スパッタ装置)を用い、DCスパッタリング法によって、吸収体膜4の成膜を行った。
上記スパッタ装置は、前述の図4に示すような減圧室(ロードロック室)44A,44B、搬送室(トランスファー室)47、およびスパッタ室41A,41Bを備えている。まず、開閉ゲート45Aを開き、搬送ロボット(搬送装置)48によって上記基板(ここでは多層反射膜付基板のことである)1を減圧室44A内に搬入し、開閉ゲート45Aを閉じる。次に、減圧室44A内の気体(クリーンルーム内の空気)を排気しつつ、ドライエアを供給し、減圧室44A内の気体をドライエアに置換する。そして、置換し終えた後、減圧室44A内の真空減圧を開始した。減圧室44A内の真空減圧が完了した時点で、開閉ゲート43A,46Aを開き、搬送ロボット42で基板1を減圧室44Aから同等の真空度の搬送室47を通過してスパッタ室41A内に搬入、成膜台に設置し、開閉ゲート43A,46Aを閉じる。ここで、吸収体膜4のスパッタリング成膜を開始した。
スパッタターゲットにタンタル(Ta)とホウ素(B)との混合ターゲット(原子%比 Ta:B=80:20)を用い、スパッタ室41A内にキセノン(Xe)と窒素(N)の混合ガス(流量比 Xe:N=13:6)をスパッタガスとして導入し、DCスパッタリング法により、膜厚50nmのTaBNからなる吸収体膜4の下層を保護膜3上に形成した。続いて、スパッタ室41A内のガスを排気し、アルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガス(流量比 Ar:O=58:32)をスパッタガスとして新たに導入し、DCスパッタリング法により、膜厚15nmのTaBOからなる吸収体膜4の上層(低反射層)を形成し、TaBNとTaBOの積層構造からなる吸収体膜4を形成した。
以上のようにして、基板1上に多層反射膜2、保護膜3、吸収体膜4が積層した反射型マスクブランク10を10枚作製した。この得られた10枚の反射型マスクブランクの吸収体膜4の表面を上記と同じ30nm感度の欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行った。その結果、150nm未満の欠陥個数が2個(凸状欠陥、凹状欠陥が各1個)検出された反射型マスクブランク10が1枚発見された。
150nm未満の欠陥が検出された反射型マスクブランク10に対し、全ての欠陥について、欠陥箇所の膜上方からのSEM観察、断面TEM観察、EDX(Energy DispersiveX-ray spectroscopy)分析を行った。SEM観察の結果では、150nm未満の凸状欠陥および凹状欠陥は、ともにSEMでの測長サイズで直径が約70nmの平面視ほぼ円形状であった。続いて断面TEM観察の結果では、150nm未満の凸状欠陥は、断面TEM画像で吸収体膜4の保護膜3表面側から吸収体膜の表層側にかけて白色度の高い直径50nm程度のほぼ球状の核が存在し、そこから同心円状に凸状欠陥が広がっている断面形状であることが判明した。一方、150nm未満の凹状欠陥は、断面TEM画像で吸収体膜4の保護膜3の表面側から吸収体膜の表層側にかけて白色度の高い部分が存在し、凸形状であったものが崩落してできたような凹形状の断面であることが判明した。
また、EDX分析の結果から、150nm未満の凸状欠陥や凹状欠陥の白色度の高い部分は、Ta、B、NおよびOが主な成分として検出され、吸収体膜4の下層を形成する材料が酸化した高酸化物欠陥であることが判明した。これらの凸状欠陥や凹状欠陥は、いずれも、氷やドライアイスのような高い酸素濃度の凝固物が保護膜3の表面に付着したものに起因するものである可能性が高いことを表している。ただし、凸状欠陥や凹状欠陥は、いずれも吸収体膜4にのみ形成されているものであって欠陥の総数も2個と少ないこと、多層反射膜2や保護膜3は正常に形成されていることから、マスク欠陥修正技術を用いれば十分に反射型マスクを作製することは可能であった。
欠陥検査で150nm未満の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥が検出されなかった反射型マスクブランク10の吸収体膜4上にレジスト膜をスピン塗布で形成し、従来のマスク作製プロセスによって、吸収体膜4にDRAM hp45nm世代の転写パターンを有する反射型マスクを作製した。得られた反射型マスクのマスクパターン検査を行ったところ、半導体デザインルールにおけるDRAM hp45nm世代のパターンを設計通りに形成できていることが確認できた。
続いて、この反射型マスクをEUV光源の露光装置のマスクステージに静電チャックで設置し、ウェハ上のレジスト膜に対して、転写パターンの露光転写を行った。さらに、ウェハ上のレジスト膜の現像処理等を行い、レジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとしたドライエッチングを行って、ウェハ上の薄膜にDRAM hp45nm世代の回路パターンを形成した。回路パターンの欠陥検査を行ったところ、回路パターンに配線短絡や断線はなく、設計パターン(転写パターン)を高い精度で転写できていることを確認できた。
(比較例)
実施例1と同様にして、反射型マスクブランク用ガラス基板を複数枚製造した。
この得られたガラス基板の主表面を前記と同じ欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行い、これらの欠陥が検出されないガラス基板を10枚選定した。
次に、選定した上記ガラス基板1上に、図3に示すスパッタ装置(イオンビームスパッタ装置)を用いて多層反射膜2および保護膜3のスパッタリング成膜を行った。
多層反射膜2および保護膜3の成膜完了までの手順としては、実施例1とほぼ同様としたが、この比較例では、減圧室34に基板1を搬入・設置後、減圧室34内の気体(クリーンルーム内の空気)を窒素ガスに置換する工程は行わずに、室内の気体を真空引きして所定の真空度にする真空減圧を行った。
以上のようにして、基板1上に多層反射膜2と保護膜3を形成した多層反射膜付基板を10枚作製した。この得られた10枚の多層反射膜付基板の保護膜3の表面を上記と同じ30nm感度の欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行った。その結果、10枚の多層反射膜付基板の全てで、150nm未満の欠陥が検出された。多いものでは30個以上検出された。
150nm未満の欠陥個数が検出された10枚の多層反射膜付基板に対し、150nm未満の大きさの全ての欠陥について、欠陥箇所の膜上方からのSEM観察、断面TEM観察、EDX(Energy DispersiveX-ray spectroscopy)分析を行った。SEM観察の結果では、150nm未満の凸状欠陥は、SEMでの測長サイズも直径が約90nmの平面視ほぼ円形状であった。続いて断面TEM観察の結果では、150nm未満の凸状欠陥は、断面TEM画像で基板面近傍に白色度の高い直径50nm程度のほぼ球状の核が存在し、そこから同心円状に凸状欠陥が広がっている断面形状であることが判明した。また、EDX分析の結果から、150nm未満の凸状欠陥の白色度の高い核部分は、SiとMoとOが主な成分として検出され、多層反射膜を形成する材料が酸化した高酸化物欠陥であることが判明した。これは、氷やドライアイスのような高い酸素濃度の凝固物がガラス基板の主表面に付着したものに起因するものである可能性が高いことを表している。この部分は、EUV光を反射する角度が許容できない範囲でずれが生じており、また反射率も許容できない低さであった。このような高酸化物欠陥が多数存在する多層反射膜付基板は、EUV露光光用の反射型マスクブランクや反射型マスクを作製するには不適である。
次に、実施例1と同様の手順で、150nm未満の凸状欠陥および凹状欠陥が存在しない多層反射膜付基板を10枚準備した。そして、図4に示すマルチチャンバー型スパッタ装置(スパッタ装置)を用い、DCスパッタリング法によって、吸収体膜4の成膜を行った。
吸収体膜4の成膜完了までの手順としては、実施例1とほぼ同様としたが、この比較例では、減圧室44Aに基板1を搬入・設置後、減圧室44A内の気体(クリーンルーム内の空気)をドライエアに置換する工程は行わずに、室内の気体を真空引きして所定の真空度にする真空減圧を行った。
以上のようにして、基板1上に多層反射膜2、保護膜3、吸収体膜4が積層した反射型マスクブランク10を10枚作製した。この得られた10枚の反射型マスクブランク10の吸収体膜4の表面を上記と同じ30nm感度の欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行った。その結果、10枚のマスクブランクの全てで、150nm未満の欠陥個数が11個以上検出された。多いものでは30個以上検出された。
150nm未満の欠陥個数が検出された10枚の反射型マスクブランクに対し、150nm未満の大きさの全ての欠陥について、欠陥箇所の膜上方からのSEM観察、断面TEM観察、EDX(Energy DispersiveX-ray spectroscopy)分析を行った。SEM観察の結果では、150nm未満の凸状欠陥および凹状欠陥は、ともにSEMでの測長サイズで直径が約100nmの平面視ほぼ円形状であった。続いて断面TEM観察の結果では、150nm未満の凸状欠陥は、断面TEM画像で吸収体膜4の保護膜3表面側から吸収体膜4の表層側にかけて白色度の高い直径50nm程度のほぼ球状の核が存在し、そこから同心円状に凸状欠陥が広がっている断面形状であることが判明した。一方、150nm未満の凹状欠陥は、断面TEM画像で吸収体膜4の保護膜3表面側から吸収体膜4の表層側にかけて白色度の高い部分が存在し、凸形状であったものが崩落してできたような凹形状の断面であることが判明した。
また、EDX分析の結果から、150nm未満の凸状欠陥や凹状欠陥の白色度の高い部分は、Ta、B、NおよびOが主な成分として検出され、吸収体膜4の下層を形成する材料が酸化した高酸化物欠陥であることが判明した。これらの凸状欠陥や凹状欠陥は、いずれも、氷やドライアイスのような高い酸素濃度の凝固物が保護膜の表面に付着したものに起因するものである可能性が高いことを表している。このような高酸化物欠陥は、吸収体膜4のEUV光に対する吸収率が低下していることから、反射型マスクを作製するには適さないといえる。
次に、製造した反射型マスクブランクから、実施例1と同様の手順で、吸収体膜4にDRAM hp45nm世代の転写パターンを有する反射型マスクを作製した。得られた反射型マスクのマスクパターン検査を行ったところ、吸収体膜の吸収率が不足していることに起因するパターン欠陥が生じていた。さらに、多層反射膜2の内部に高酸化物欠陥が形成されてしまっていることに起因してEUV露光光に対する表面反射率の面内均一性のばらつきが大きく、DRAM hp45nm世代の反射型マスクとしては不適であった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、反射型マスクブランク用ガラス基板を複数枚製造した。
この得られたガラス基板の主表面を前記と同じ欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行い、これらの欠陥が検出されないガラス基板を10枚選定した。
次に、選定した上記ガラス基板1上に、図3に示すスパッタ装置(イオンビームスパッタ装置)を用いて多層反射膜2および保護膜3のスパッタリング成膜を行った。
多層反射膜2および保護膜3の成膜完了までの手順としては、実施例1とほぼ同様としたが、この実施例2では、減圧室34にはセラミックヒーター(加熱装置)を備える載置台が設置されている点、搬送装置32でガラス基板1を、減圧室34内の載置台の上に搬入・設置する点、減圧室34内の気体(クリーンルーム内の空気)を窒素ガスに置換する工程は行わず、セラミックヒーターによってガラス基板1を加熱しながら、減圧室34内の気体(クリーンルーム内の空気)を真空引きして所定の真空度にする真空減圧を行う点が実施例1とは大きく異なる。このとき、セラミックヒーターでガラス基板1の主表面が50〜70℃になるように加熱した。
以上のようにして、基板1上に上記多層反射膜2と保護膜3を形成した多層反射膜付基板を10枚作製した。この得られた10枚の多層反射膜付基板について保護膜3の表面を上記と同じ30nm感度の欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行った。その結果、いずれの多層反射膜付基板においても、150nm未満の欠陥個数は0個であった。この結果は、保護膜3下の多層反射膜2も150nm未満の欠陥個数が0個であることも同時にいえるものである。
次に、この実施例と同様の手順で、150nm未満の凸状欠陥および凹状欠陥が存在しない多層反射膜付基板を10枚準備した。そして、図4に示すマルチチャンバー型スパッタ装置(スパッタ装置)40を用い、DCスパッタリング法によって、吸収体膜4の成膜を行った。
吸収体膜4の成膜完了までの手順としては、実施例1とほぼ同様としたが、この実施例2では、基板1を減圧室44Aに導入してから、減圧室44A内を真空引きによる真空減圧により所定の真空度にする際においては、前記の多層反射膜2の成膜の時と同様、減圧室44A内の気体(クリーンルーム内の空気)をドライエアに置換する工程は行わず、セラミックヒーターによって基板1を加熱しながら、減圧室44A内の気体(クリーンルーム内の空気)を真空引きして所定の真空度にする真空減圧を行った。
以上のようにして、基板1上に多層反射膜2、保護膜3、吸収体膜4が積層した反射型マスクブランク10を10枚作製した。この得られた10枚の反射型マスクブランク10の吸収体膜4の表面を上記と同じ30nm感度の欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行った。その結果、いずれの反射型マスクブランクにおいても、150nm未満の欠陥個数は0個であった。
欠陥検査で150nm未満の凸状欠陥および凹状欠陥が検出されなかった反射型マスクブランク10の吸収体膜4上にレジスト膜をスピン塗布で形成し、従来のマスク作製プロセスによって、吸収体膜4にDRAM hp45nm世代の転写パターンを有する反射型マスクを作製した。得られた反射型マスクのマスクパターン検査を行ったところ、半導体デザインルールにおけるDRAM hp45nm世代のパターンを設計通りに形成できていることが確認できた。
続いて、この反射型マスクをEUV光源の露光装置のマスクステージに静電チャックで設置し、ウェハ上のレジスト膜に対して、転写パターンの露光転写を行った。さらに、ウェハ上のレジスト膜の現像処理等を行い、レジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとしたドライエッチングを行って、ウェハ上の薄膜にDRAM hp45nm世代の回路パターンを形成した。回路パターンの欠陥検査を行ったところ、回路パターンに配線短絡や断線はなく、設計パターン(転写パターン)を高い精度で転写できていることを確認できた。
(実施例3)
実施例1と同様にして、反射型マスクブランク用ガラス基板を複数枚製造した。
この得られたガラス基板の主表面を前記と同じ欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行い、これらの欠陥が検出されないガラス基板を10枚選定した。
次に、選定した上記ガラス基板1上に、図3に示すスパッタ装置(イオンビームスパッタ装置)を用いて多層反射膜2および保護膜3のスパッタリング成膜を行った。
多層反射膜2および保護膜3の成膜完了までの手順としては、実施例1とほぼ同様としたが、この実施例2では、減圧室34の外に配置されているセラミックヒーター(加熱装置)を備える載置台に基板1を設置し、基板1の主表面が90℃になるまで加熱後、搬送装置32で減圧室34内に搬送・設置した点、減圧室34内の気体(クリーンルーム内の空気)を窒素ガスに置換する工程は行わず、基板1が冷えない内に減圧室34内の気体(クリーンルーム内の空気)を真空引きして所定の真空度にする真空減圧を行う点が実施例1とは大きく異なる。
以上のようにして、基板1上に上記多層反射膜2と保護膜3を形成した多層反射膜付基板を10枚作製した。この得られた10枚の多層反射膜付基板について保護膜3の表面を上記と同じ30nm感度の欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行った。その結果、いずれの多層反射膜付基板においても、150nm未満の欠陥個数は0個であった。この結果は、保護膜3下の多層反射膜2も150nm未満の欠陥個数が0個であることも同時にいえるものである。
次に、この実施例と同様の手順で、150nm未満の凸状欠陥および凹状欠陥が存在しない多層反射膜付基板を10枚準備した。そして、図4に示すマルチチャンバー型スパッタ装置(スパッタ装置)40を用い、DCスパッタリング法によって、吸収体膜4の成膜を行った。
吸収体膜4の成膜完了までの手順としては、実施例1とほぼ同様としたが、この実施例3では、減圧室44A内を真空引きによる真空減圧により所定の真空度にする際においては、前記の多層反射膜2の成膜の時と同様、減圧室44Aの外に配置されているセラミックヒーター(加熱装置)を備える載置台で基板1を加熱してから減圧室44A内に搬送・設置し、減圧室44A内の気体(クリーンルーム内の空気)をドライエアに置換する工程は行わず、減圧室44A内の気体を真空引きして所定の真空度にする真空減圧を行った。
以上のようにして、基板1上に多層反射膜2、保護膜3、吸収体膜4が積層した反射型マスクブランク10を10枚作製した。この得られた10枚の反射型マスクブランク10の吸収体膜4の表面を上記と同じ30nm感度の欠陥検査装置(レーザーテック社製 M7360)を用いて、30nm相当以上の大きさの凸状欠陥および凹状欠陥について欠陥検査を行った。その結果、いずれの反射型マスクブランクにおいても、150nm未満の欠陥個数は0個であった。
欠陥検査で150nm未満の凸状欠陥および凹状欠陥が検出されなかった反射型マスクブランク10の吸収体膜4上にレジスト膜をスピン塗布で形成し、従来のマスク作製プロセスによって、吸収体膜4にDRAM hp45nm世代の転写パターンを有する反射型マスクを作製した。得られた反射型マスクのマスクパターン検査を行ったところ、半導体デザインルールにおけるDRAM hp45nm世代のパターンを設計通りに形成できていることが確認できた。
続いて、この反射型マスクをEUV光源の露光装置のマスクステージに静電チャックで設置し、ウェハ上のレジスト膜に対して、転写パターンの露光転写を行った。さらに、ウェハ上のレジスト膜の現像処理等を行い、レジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとしたドライエッチングを行って、ウェハ上の薄膜にDRAM hp45nm世代の回路パターンを形成した。回路パターンの欠陥検査を行ったところ、回路パターンに配線短絡や断線はなく、設計パターン(転写パターン)を高い精度で転写できていることを確認できた。
以上のように、本発明によれば、多層反射膜および保護膜に関して、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する150nm未満の大きさの高酸化物欠陥数を0(ゼロ)個とすることができ、たとえば非常に高いレベルの欠陥品質を要求される多層反射膜付基板が得られる。また、吸収体膜に関して、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥数を大幅に低減させることができ、たとえば非常に高いレベルの欠陥品質を要求される反射型マスクブランクが得られる。
1 基板
2 多層反射膜
3 保護膜
4 吸収体膜
10 反射型マスクブランク
20,30,40 スパッタ装置
21,31,41A,41B スパッタ室
22,32,42,48 搬送装置
23,33,35 開閉ゲート
34,44A,44B 減圧室
43A,43B,45A,45B,46A,46B 開閉ゲート
47 搬送室

Claims (23)

  1. 基板上に、高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層してなる多層反射膜を備える多層反射膜付基板において、
    前記多層反射膜は、少なくとも露光光の照射を受ける領域内において、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が存在しないことを特徴とする多層反射膜付基板。
  2. 前記高酸化物欠陥は、前記多層反射膜中の前記基板との界面近傍に発生する欠陥であることを特徴とする請求項1に記載の多層反射膜付基板。
  3. 前記高酸化物欠陥は、ほぼ球状の欠陥であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層反射膜付基板。
  4. 前記金属を含有する材料は、モリブデンまたはモリブデン化合物であり、前記ケイ素を含有する材料は、ケイ素またはケイ素化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多層反射膜付基板。
  5. 基板上に、高屈折率層および低屈折率層を交互に積層した多層反射膜と、前記多層反射膜上に形成される金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる保護膜とを備える多層反射膜付基板において、
    前記保護膜は、少なくとも露光光の照射を受ける領域内において、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する150nm未満の大きさの高酸化物欠陥が存在しないことを特徴とする多層反射膜付基板。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の多層反射膜付基板の前記多層反射膜上または前記保護膜上に吸収体膜を備えることを特徴とする反射型マスクブランク。
  7. 基板上に、高屈折率層および低屈折率層を交互に積層した多層反射膜と、前記多層反射膜上に形成される金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる吸収体膜とを備える反射型マスクブランクにおいて、
    前記吸収体膜は、膜中のその周囲よりも多く酸素を含有する35nm以上150nm未満の大きさの高酸化物欠陥の存在個数が10個以下であることを特徴とする反射型マスクブランク。
  8. 基板をスパッタ装置内に搬入し、前記基板上にスパッタリング法によって高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層して多層反射膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、
    基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、
    前記スパッタ室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、
    前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
  9. 基板をスパッタ装置内に搬入し、前記基板上にスパッタリング法によって高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層して多層反射膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、
    基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、
    前記減圧室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、
    前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、
    前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
  10. 前記水分および二酸化炭素を含有しない気体は、希ガス、水素ガス、窒素ガス、フッ素ガスおよび塩素ガスのうちいずれかの気体あるいはこれらから選ばれる2以上の気体の混合気体であることを特徴とする請求項8又は9に記載の多層反射膜付基板の製造方法。
  11. 基板をスパッタ装置内に搬入し、前記基板上にスパッタリング法によって高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層して多層反射膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、
    加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を排気して真空減圧する工程、
    前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
  12. 基板をスパッタ装置内に搬入し、前記基板上にスパッタリング法によって高屈折率材料である金属を含有する材料からなる高屈折率層と低屈折率材料であるケイ素を含有する材料からなる低屈折率層を交互に積層して多層反射膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、
    加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を排気して真空減圧する工程、
    前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、
    前記スパッタ室内で、基板上に前記多層反射膜をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
  13. 多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の保護膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、
    基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、
    前記スパッタ室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、
    前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記保護膜または前記複数層の保護膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
  14. 多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の保護膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、
    基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、
    前記減圧室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、
    前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、
    前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記保護膜または前記複数層の保護膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
  15. 前記水分および二酸化炭素を含有しない気体は、希ガス、水素ガス、窒素ガス、フッ素ガスおよび塩素ガスのうちいずれかの気体あるいはこれらから選ばれる2以上の気体の混合気体であることを特徴とする請求項13又は14に記載の多層反射膜付基板の製造方法。
  16. 多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の保護膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、
    加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を排気して真空減圧する工程、
    前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記保護膜または前記複数層の保護膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
  17. 多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の保護膜を形成する多層反射膜付基板の製造方法において、
    加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を排気して真空減圧する工程、
    前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、
    前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記保護膜または前記複数層の保護膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする多層反射膜付基板の製造方法。
  18. 請求項8乃至17のいずれかに記載の多層反射膜付基板の製造方法で製造された多層反射膜付基板の多層反射膜上または保護膜上に吸収体膜を形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  19. 多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の吸収体膜を形成する反射型マスクブランクの製造方法において、
    基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、
    前記スパッタ室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、
    前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記吸収体膜または前記複数層の吸収体膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  20. 多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の吸収体膜を形成する反射型マスクブランクの製造方法において、
    基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を、水分および二酸化炭素を含有しない気体、ドライエアまたはこれらの混合気体に置換する工程、
    前記減圧室内から置換した気体を排気して真空減圧する工程、
    前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、
    前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記吸収体膜または前記複数層の吸収体膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  21. 前記水分および二酸化炭素を含有しない気体は、希ガス、水素ガス、窒素ガス、フッ素ガスおよび塩素ガスのうちいずれかの気体あるいはこれらから選ばれる2以上の気体の混合気体であることを特徴とする請求項19又は20に記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  22. 多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の吸収体膜を形成する反射型マスクブランクの製造方法において、
    加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置のスパッタ室内の気体を排気して真空減圧する工程、
    前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記吸収体膜または前記複数層の吸収体膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  23. 多層反射膜が形成された基板をスパッタ装置内に搬入し、前記多層反射膜上にスパッタリング法によって金属及びケイ素のうち少なくともいずれかを含有する材料からなる単層または複数層の吸収体膜を形成する反射型マスクブランクの製造方法において、
    加熱状態の基板が設置された前記スパッタ装置の減圧室内の気体を排気して真空減圧する工程、
    前記減圧室から基板を取り出して真空中を搬送し、真空減圧されたスパッタ室に設置する工程、
    前記スパッタ室内で、前記多層反射膜上に前記吸収体膜または前記複数層の吸収体膜のうち少なくとも一層をスパッタリング法によって成膜する工程
    をこの順に行うことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
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