JP5581797B2 - 反射型マスクの製造方法 - Google Patents
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Description
図1(a)〜(e)は、本発明の反射型マスクの製造方法の一例を示す工程図である。図1(a)に例示する反射型マスク1Aは、基板2と、基板2上に形成された多層膜3と、多層膜3上に形成されたキャッピング層4と、キャッピング層4上にパターン状に形成された吸収層積層体7とを有している。吸収層積層体7は、キャッピング層4上に形成された第1吸収層5と、第1吸収層5上に形成された第2吸収層6とを有する。例えば、第1吸収層5がTa(タンタル)などの酸化されやすい金属材料を含有する場合、第2吸収層6は自然酸化膜となる。また、EUVリソグラフィ用反射型マスクのDUVによるパターン欠陥検査を容易にするために、第2吸収層6には検査光のDUVに対して反射率が低い材料を用い、第1吸収層5には露光光のEUVに対して吸収率が高い材料を用いることもある。この反射型マスク1Aは、吸収層積層体7の側面にて第1吸収層5が第2吸収層6よりも過度に欠落している側面欠陥部10aを有している。
まず、図1(a)〜(c)に示すように、反射型マスク1Aの側面欠陥部10aに位置する吸収層積層体7を、走査型プローブ顕微鏡の探針11で削り除去する(側面欠陥部除去工程)。次に、図1(d)〜(e)に示すように、吸収層積層体7が除去された側面欠陥部除去部10bの上部に、原料ガス12を吹きつけながら、FIBまたはEB13を照射して、堆積膜8を形成する(堆積膜形成工程)。これにより、側面欠陥部10aが補修された反射型マスク1Bが得られる(図1(b)〜(e)、補修工程)。
吸収層積層体7(第1吸収層5および第2吸収層6)のパターニング後、黒欠陥部20が検出された場合には、黒欠陥部20を修正するために、図2(c)に示すように、黒欠陥部20に、アシストガス21を吹きつけながら、FIBまたはEB22を照射して、黒欠陥部20に位置する吸収層積層体7(第1吸収層5および第2吸収層6)をエッチングする。その結果、図2(d)に示すように、黒欠陥部20に位置する吸収層積層体7(第1吸収層5および第2吸収層6)が除去される。吸収層積層体7においては、上述したように、第2吸収層6が第1吸収層5の材料の酸化膜であったり、第2吸収層6が検査光のDUVに対して反射率が低い材料を含有し、第1吸収層5が露光光のEUVに対して吸収率が高い材料を含有していたりする。そのため、第1吸収層5および第2吸収層6のエッチング速度が異なり、それにより、図2(d)および図3(b)に示すように吸収層積層体7の側面において第1吸収層5が第2吸収層6よりも過度に除去されてしまう場合がある。すなわち、サイドエッチングが発生する場合がある。これは、吸収層積層体7の側面にて第1吸収層5が第2吸収層6よりも欠落している側面欠陥部10aとなる。なお、図2(d)は図3(b)のB−B線断面図であり、図3(b)において多層膜およびキャッピング層は省略されている。
そこで本発明においては、側面欠陥部10aを補修するために、上述の図1(a)〜(e)に示すように、反射型マスク1Aの側面欠陥部10aに位置する吸収層積層体7を、走査型プローブ顕微鏡の探針11で除去し(側面欠陥部除去工程)、吸収層積層体7が除去された側面欠陥部除去部10bの上部に、原料ガス12を吹きつけながらFIBまたはEB13を照射して、堆積膜8を形成する(堆積膜形成工程)。これにより、側面欠陥部10aが補修された反射型マスク1Bが得られる(補修工程)。
そこで本発明においては、側面欠陥部10aを補修するために、上述の図1(a)〜(e)と同様に、図4(c)〜(e)に示すように、反射型マスク1Aの側面欠陥部10aに位置する吸収層積層体7を、走査型プローブ顕微鏡の探針11で除去し(側面欠陥部除去工程)、吸収層積層体7が除去された側面欠陥部除去部10bの上部に、原料ガス12を吹きつけながらFIBまたはEB13を照射して、堆積膜8を形成する(堆積膜形成工程)。これにより、側面欠陥部10aが補修された反射型マスク1Bが得られる(補修工程)。
本発明における補修工程は、基板と、上記基板上に形成された多層膜と、上記多層膜上にパターン状に形成された吸収層積層体とを有し、上記吸収層積層体が上記多層膜上に形成された第1吸収層と上記第1吸収層上に形成された第2吸収層とを有し、上記吸収層積層体の側面にて上記第1吸収層が上記第2吸収層よりも欠落している側面欠陥部を有する反射型マスクの、上記側面欠陥部に位置する上記吸収層積層体を除去する側面欠陥部除去工程と、上記吸収層積層体が除去された側面欠陥部除去部に堆積膜を形成する堆積膜形成工程とを有する工程である。
本発明における側面欠陥部除去工程は、基板と、上記基板上に形成された多層膜と、上記多層膜上にパターン状に形成された吸収層積層体とを有し、上記吸収層積層体が上記多層膜上に形成された第1吸収層と上記第1吸収層上に形成された第2吸収層とを有し、上記吸収層積層体の側面にて上記第1吸収層が上記第2吸収層よりも欠落している側面欠陥部を有する反射型マスクの、上記側面欠陥部に位置する上記吸収層積層体を除去する工程である。
この方法の場合、側面欠陥部に位置する吸収層積層体にアシストガスを供給しながらエネルギービームを照射することにより、吸収層積層体をガスアシストエッチングしてもよい。エネルギービームのみを用いる場合に比較して、吸収層積層体を良好にエッチングすることができる。FIBの場合、アシストガスを用いてもよく用いなくてもよい。一方、EBの場合、アシストガスが必要である。
エネルギービームの照射条件としては、側面欠陥部に位置する吸収層積層体を局所的にエッチングでき、かつ、サイドエッチングが発生しないような条件であれば特に限定されるものではなく、適宜選択される。
従来、黒欠陥を修正する際に、サイドエッチングが発生しないように、吸収層のエッチングおよび酸化を繰り返し行う場合、修正に時間および手間を要するなどの不具合があった。これに対し本発明においては、側面欠陥部に位置する吸収層積層体を除去する際に、サイドエッチングが発生しないような条件に設定したとしても、側面欠陥部では下層の第1吸収層が上層の第2吸収層よりも欠落しており、第2吸収層が第1吸収層の材料の酸化膜である場合等には第2吸収層の厚みは薄いので、多大な時間および手間を要することなく修正が可能である。
なお、図5(b)は図5(a)のC−C線断面図であり、図6(b)は図6(a)のD−D線断面図であり、図5(a)および図6(a)において多層膜およびキャッピング層は省略されている。
本発明における堆積膜形成工程は、上記吸収層積層体が除去された側面欠陥部除去部に堆積膜を形成する工程である。
原料ガスとしては、FIBまたはEBを用いたCVD法を適用する場合に一般的に用いられるガスを使用することができる。例えば、フェナントレン、ナフタレン、ピレンなどの炭化水素系のガス、タングステンカルボニル(W(CO)6)、クロムカルボニル(Cr(CO)6)、コバルトカルボニル(Co2(CO)8)、鉄カルボニル(Fe(CO)5)等の金属カルボニル、Trimethyl(methylcyclopentadienyl)platinum(MeCpPt(Me)3)などの金属含有ガス、テトラエトキシシラン(TEOS)、1,3,5,7-Tetramethylcyclotetra-siloxaneなどのシリコン含有ガスを用いることができる。炭素を含む堆積膜は、形状制御が容易であるという利点を有する。また、タングステンやクロムなどの金属を含む堆積膜は、高い遮光性を得ることができるという利点を有する。
エネルギービームとしては、側面欠陥部除去部に局所的に堆積膜を形成することができるものであれば特に限定されないが、FIBまたはEBが好ましく用いられる。これらは、高度な微細加工が可能であり、微細な側面欠陥部除去部にも対応できるからである。中でも、ダメージを低減できることから、EBが好適である。
また、堆積膜を形成する際、側面欠陥部に対して同等の大きさで堆積膜を形成してもよく、側面欠陥部に対して堆積膜を大きく形成してもよく、側面欠陥部に対して堆積膜を小さく形成してもよい。例えば図5(a)、(b)に示すように側面欠陥部10aに対して吸収層積層体7を大きく除去した場合であって、図7(a)、(b)に例示するように側面欠陥部除去部10bに対して同等の大きさで堆積膜8を形成した場合には、側面欠陥部10aに対して堆積膜8は大きく形成される。また、例えば図6(a)、(b)に示すように側面欠陥部10aに対して吸収層積層体7を小さく除去した場合であって、図8(a)、(b)に例示するように側面欠陥部除去部10bに対して同等の大きさで堆積膜8を形成した場合には、側面欠陥部10aに対して堆積膜8は小さく形成される。側面欠陥部を確実に補修するためには、側面欠陥部に対して堆積膜が大きく形成されるように設定することが好ましいが、側面欠陥部では第1吸収層は欠落しているものの第2吸収層は存在するので、側面欠陥部の位置を正確に検出するのが困難となる場合がある。そのため、側面欠陥部に対して堆積膜が小さく形成されることもある。このように側面欠陥部に対して堆積膜が小さく形成されている場合であっても、良好な転写特性を示す反射型マスクを得ることは可能である。
なお、図7(b)は図7(a)のE−E線断面図であり、図8(b)は図8(a)のF−F線断面図であり、図7(a)および図8(a)において多層膜およびキャッピング層は省略されている。
本発明における補修工程に用いられる反射型マスクは、基板と、上記基板上に形成された多層膜と、上記多層膜上にパターン状に形成された吸収層積層体とを有し、上記吸収層積層体が上記多層膜上に形成された第1吸収層と上記第1吸収層上に形成された第2吸収層とを有し、上記吸収層積層体の側面にて上記第1吸収層が上記第2吸収層よりも欠落している側面欠陥部を有するものである。
以下、反射型マスクにおける各構成について説明する。
本発明における反射型マスクの側面欠陥部は、吸収層積層体が垂直側面を有しておらず、吸収層積層体の側面にて第1吸収層が第2吸収層よりも欠落しているものである。
なお、側面欠陥部の反射領域側の端部に対して垂直な方向の距離とは、図9(a)、(b)に示すような側面欠陥部10aの反射領域側の端部に対して垂直な方向の距離dをいう。側面欠陥部が黒欠陥部を修正する際に形成されたものである場合には、側面欠陥部10aの上記距離dは、サイドエッチング量とも称される。
なお、図9(b)は図9(a)のG−G線断面図であり、図9(a)において多層膜およびキャッピング層は省略されている。
本発明における反射型マスクに用いられる吸収層積層体は、多層膜上にパターン状に形成され、多層膜上に形成された第1吸収層と第1吸収層上に形成された第2吸収層とを有するものであり、反射型マスクを用いたEUVリソグラフィにおいてEUVを吸収するものである。
中でも、第2吸収層の材料は、EUVリソグラフィ用反射型マスクのDUVによるパターン欠陥検査を容易にするために、検査光のDUVに対する反射率が低いものであることが好ましい。このような第2吸収層の材料としては、例えば、上記Ta系材料の酸化物や、Cr(クロム)、SiO(酸化ケイ素)などが挙げられる。
本発明における反射型マスクに用いられる多層膜は、基板上に形成されるものである。
多層膜の材料としては、一般的に反射型マスクの多層膜に使用されるものを用いることができ、中でも、EUVに対する反射率が極めて高い材料を用いることが好ましい。反射型マスク使用時においてコントラストを高めることができるからである。EUVを反射する多層膜としては、通常、Mo/Siの周期多層膜が用いられる。また、特定の波長域で高い反射率が得られる多層膜として、例えば、Ru/Siの周期多層膜、Mo/Beの周期多層膜、Mo化合物/Si化合物の周期多層膜、Si/Nbの周期多層膜、Si/Mo/Ruの周期多層膜、Si/Mo/Ru/Moの周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ruの周期多層膜等も用いることができる。
多層膜の成膜方法としては、例えば、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法などが用いられる。
本発明に用いられる反射型マスクにおいては、多層膜と吸収層積層体との間にキャッピング層が形成されていてもよい。キャッピング層は、多層膜の酸化防止や、反射型マスクの洗浄時の保護のために設けられるものである。キャッピング層が形成されていることにより、多層膜の最表面がSi膜やMo膜である場合には、Si膜やMo膜が酸化されるのを防ぐことができる。Si膜やMo膜が酸化されると、多層膜の反射率が低下するおそれがある。
また、キャッピング層の厚みとしては、例えば2nm〜15nm程度とすることができる。
キャッピング層の成膜方法としては、スパッタリング法等を挙げることができる。
本発明に用いられる反射型マスクにおいては、多層膜と吸収層積層体との間にバッファ層が形成されていてもよい。バッファ層は、下層の多層膜に損傷を与えるのを防止するために設けられるものである。バッファ層が形成されていることにより、吸収層積層体をドライエッチング等の方法でパターンエッチングする際に、下層の多層膜がダメージを受けるのを防止することができる。
本発明において、多層膜上に上記キャッピング層が形成されている場合には、通常、多層膜上にキャッピング層およびバッファ層の順に積層される。
このようなバッファ層の材料としては、例えば、SiO2、Al2O3、Cr、CrN等が挙げられる。
バッファ層の成膜方法としては、例えば、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法などが挙げられる。SiO2を用いる場合は、RFマグネトロンスパッタ法によりSiO2ターゲットを用いてArガス雰囲気下で、多層膜上にSiO2を成膜するのが好ましい。
本発明における反射型マスクに用いられる基板としては、一般的に反射型マスクの基板に使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス基板や金属基板を使用することができる。中でも、ガラス基板が好ましく用いられる。ガラス基板は、良好な平滑性および平坦度が得られるので、特に反射型マスク用基板として好適である。ガラス基板の材料としては、例えば、石英ガラス、低熱膨張係数を有するアモルファスガラス(例えばSiO2−TiO2系ガラス等)、β石英固溶体を析出した結晶化ガラス等が挙げられる。また、金属基板の材料としては、例えば、シリコン、Fe−Ni系のインバー合金等が挙げられる。
本発明の反射型マスクの製造方法は、上記補修工程前に、上記吸収層積層体の余剰に起因する黒欠陥部に位置する上記吸収層積層体を除去する黒欠陥修正工程を有することが好ましい。上述したように、黒欠陥部を修正する際にはサイドエッチングが発生しやすいため、歩留まり低下の原因となるが、本発明を適用することにより歩留まりを高めることができるからである。また、本発明においてはサイドエッチングのような側面欠陥部を補修することができるため、従来のように長時間を要してサイドエッチングが生じないように黒欠陥部の修正を行う必要がなく、効率良く反射型マスクを製造することができるからである。
本発明の反射型マスクの製造方法は、上記補修工程前に、上記反射型マスクの上記側面欠陥部を検査する側面欠陥部検査工程を有することが好ましい。上記黒欠陥修正工程が行われる場合には、上記黒欠陥修正工程後に、側面欠陥部検査工程が行われる。
本発明の反射型マスクの製造方法は、上記の補修工程、黒欠陥修正工程、および側面欠陥部検査工程の他に、反射型マスクブランクスを準備する準備工程、吸収層をパターニングする吸収層パターニング工程などを有していてもよい。
[実施例1]
(1)シミュレーション1
本発明の効果をシミュレーションにより詳しく検証した。シミュレータは、Panoramic Technology社製EM-Suiteを使用した。またシミュレーションは、実際のEUVマスク構造およびEUV転写装置の光学系をモデルに実施した。
EUVマスクの構造は、図10(a)、(b)に示すように、酸化珪素からなる基板2上に、モリブデンおよび珪素(膜厚2.8nm/4.2nm)の40対からなる多層膜3と、珪素からなるキャッピング層4(膜厚11nm)とが順に積層され、キャッピング層4上に、線幅225nmのラインパターンの吸収層積層体7(窒化タンタルからなる第1吸収層5およびタンタルの酸化物からなる第2吸収層6)(膜厚51nm)が形成された構造とした。さらに、側面欠陥部10a(サイドエッチング発生箇所)として、サイドエッチング量31を0〜100nmの範囲で変化させた。なお、図10(b)は図10(a)のH−H線断面図であり、図10(a)において多層膜およびキャッピング層は省略されている。
転写条件は、キヤノン(株)社製EUV露光装置SFET(Small Field Exposure Tool)の光学系に設定し、NA=0.3、σ=0.3/0.7(inner/outer)とした。転写寸法は、ウェハ上へ5分の1縮小露光した光学像から寸法を算出した。
次に、本発明における補修工程がEUV転写特性の回復に有効であることをシミュレーションにより検証した。
シミュレーションに使用した堆積膜の位置と形状は、図10(a)、(b)および図12(a)、(b)に示すように、側面欠陥部10a(サイドエッチング発生箇所)に位置する吸収層積層体7を除去し、吸収層積層体7が除去された側面欠陥部除去部10bに矩形の堆積膜8を形成したモデルで検証した。なお、図12(b)は図12(a)のI−I線断面図であり、図12(a)において多層膜およびキャッピング層は省略されている。EUVマスクのその他の構造は、上記の図10(a)、(b)に示すEUVマスクの構造と同様とした。
シミュレーション条件は上記シミュレーション1と同様とした。堆積膜8は炭化水素として光学定数を指定した。
シミュレーションの結果、サイドエッチング量毎に堆積膜を適切な膜厚で形成することで、転写寸法のズレ量はゼロ、つまり正常部と同等な転写寸法に近づき、本発明における補修工程が側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)のEUV転写特性の回復に有効であることが確認された。
シミュレーション結果によると、サイドエッチング量が50nm発生した場合は、堆積膜を30nm程度堆積することでEUV転写寸法のズレ量を5%以内とすることができる。同様に、サイドエッチング量が100nm発生した場合は、堆積膜を40nm程度、望ましくは50nm程度堆積することで、EUV転写寸法のズレ量を5%以内とすることができる。なお、シミュレーションでは堆積膜として炭化水素を想定したが、より遮光能力の高いタングステンやクロムなどの金属含有膜であってもよい。
まず、酸化珪素からなる基板上に、モリブデンと珪素(膜厚2.8nm/4.2nm)の40対からなる多層膜と、珪素からなるキャッピング層(膜厚11nm)とが順に積層され、キャッピング層上に吸収層積層体(窒化タンタルからなる第1吸収層およびタンタルの酸化物からなる第2吸収層)(膜厚51nm)がパターン状に形成された反射型マスクを準備した。第1吸収層および第2吸収層のパターンは、線幅225nmのラインパターンであり、黒欠陥部として幅100nm、長さ300nmサイズのラインが膨らんだ黒欠陥部を形成した。
次に、黒欠陥部に、フッ化キセノンからなるエッチング用ガスを導入しながらFIBを照射するガスアシストエッチングにより、黒欠陥部をエッチング除去した。FIB装置には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製フォトマスク修正用FIB装置SIR7(ガリウムイオン、加速電圧15kV)を使用した。黒欠陥部修正箇所を電子顕微鏡で観察したところ、吸収層積層体にサイドエッチングが発生していることが確認された。このとき、サイドエッチング量は100nmであった。
次に、上記FIB装置を用いて、エッチングガスを導入しながらFIBを照射することで、側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)にある吸収層積層体を除去した。
次いで、上記FIB装置を用いて、吸収層積層体が除去された側面欠陥部除去部に、原料ガスを導入しながらFIBを照射することで、堆積膜を形成した。このとき、原料ガスにはフェナントレンを使用した。上記実施例1で算出したとおり、堆積膜を50nmの膜厚で堆積した。
このレジストパターンを(株)日立ハイテクノロジーズ社製SEM型寸法測定機(CG4000)にて観察することで、補修箇所の転写特性評価を行った。側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)に位置する吸収層積層体を除去して、堆積膜を形成した箇所は、正常なパターンと同等のレジストパターンが形成されていることをSEM観察で確認した。
黒欠陥部の修正、側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)に位置する吸収層積層体の除去、および堆積膜の形成において、FIBに替えてEBを利用したこと以外は、実施例2と同様にした。
EB装置には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製FIB−SEMダブルビーム装置XVision200を使用した。このとき、EBの加速電圧は1keVとし、原料ガスにはフェナントレンを使用した。
このレジストパターンを(株)日立ハイテクノロジーズ社製SEM型寸法測定機(CG4000)にて観察することで、補修箇所の転写特性評価を行った。側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)に位置する吸収層積層体を除去して、堆積膜を形成した箇所は、正常なパターンと同等のレジストパターンが形成されていることをSEM観察で確認した。
黒欠陥部の修正においてFIBを利用し、側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)に位置する吸収層積層体の除去においてFIBに替えて走査型プローブ顕微鏡の探針を利用し、堆積膜の形成においてFIBに替えてEBを利用したこと以外は、実施例2と同様にした。
走査型プローブ顕微鏡には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製マスク欠陥修正装置SPM6300を使用した。
EB装置には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製FIB−SEMダブルビーム装置XVision200を使用した。このとき、EBの加速電圧は1keVとし、原料ガスにはフェナントレンを使用した。
このレジストパターンを(株)日立ハイテクノロジーズ社製SEM型寸法測定機(CG4000)にて観察することで、補修箇所の転写特性評価を行った。側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)に位置する吸収層積層体を除去して、堆積膜を形成した箇所は、正常なパターンと同等のレジストパターンが形成されていることをSEM観察で確認した。
まず、酸化珪素からなる基板上に、モリブデンと珪素(膜厚2.8nm/4.2nm)の40対からなる多層膜と、珪素からなるキャッピング層(膜厚11nm)とが順に積層され、キャッピング層上に吸収層積層体(窒化タンタルからなる第1吸収層およびタンタルの酸化物からなる第2吸収層)(膜厚51nm)がパターン状に形成された反射型マスクを準備した。第1吸収層および第2吸収層のパターンは、線幅225nmのラインパターンである。
反射型マスクを、(株)ニューフレアテクノロジー社製、マスクパターン欠陥検査装置NPI−6000EUVαを使用してパターン欠陥検査を行ったところ、線幅225nmのラインパターンに欠陥が検出された。この欠陥を電子顕微鏡で観察したところ、吸収層積層体に幅75nm、長さ75nmのサイドエッチングが確認された。
次に、実施例2と同様にして、側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)にある吸収層積層体を除去し、堆積膜を形成した。この際、フェナントレンを原料ガスとしてFIBを照射することで、膜厚50nmの堆積膜を形成した。
このレジストパターンを(株)日立ハイテクノロジーズ社製SEM型寸法測定機(CG4000)にて観察することで、補修箇所の転写特性評価を行った。側面欠陥部(サイドエッチング発生箇所)に位置する吸収層積層体を除去して、堆積膜を形成した箇所は、正常なパターンと同等のレジストパターンが形成されていることをSEM観察で確認した。
1C … 反射型マスクブランクス
2 … 基板
3 … 多層膜
4 … キャッピング層
5 … 第1吸収層
6 … 第2吸収層
7 … 吸収層積層体
8 … 堆積膜
10a … 側面欠陥部
10b … 側面欠陥部除去部
11 … 走査型プローブ顕微鏡の探針
12 … 原料ガス
13 … FIBまたはEB
20 … 黒欠陥部
21 … アシストガス
22 … FIBまたはEB
Claims (3)
- 基板と、前記基板上に形成された多層膜と、前記多層膜上にパターン状に形成された吸収層積層体とを有し、前記吸収層積層体が前記多層膜上に形成された第1吸収層と前記第1吸収層上に形成された第2吸収層とを有し、前記吸収層積層体の側面にて前記第1吸収層が前記第2吸収層よりも欠落している側面欠陥部を有する反射型マスクの、前記側面欠陥部に位置する前記吸収層積層体を除去する側面欠陥部除去工程と、
前記吸収層積層体が除去された側面欠陥部除去部に堆積膜を形成する堆積膜形成工程と
を有する補修工程を備える反射型マスクの製造方法であって、
前記側面欠陥部除去工程では、前記側面欠陥部より大きく前記吸収層積層体を除去することを特徴とする反射型マスクの製造方法。 - 前記補修工程前に、前記吸収層積層体の余剰に起因する黒欠陥部に位置する前記吸収層積層体を除去する黒欠陥修正工程を有し、前記側面欠陥部が前記黒欠陥修正工程にて形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクの製造方法。
- 前記側面欠陥部除去工程では、走査型プローブ顕微鏡の探針で、前記側面欠陥部に位置する前記吸収層積層体を除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射型マスクの製造方法。
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