JP2006283053A - スパッタリングターゲット、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法、並びに反射型マスクの製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法、並びに反射型マスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜時にターゲットから生成されるパーティクルを抑制することが可能な露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜成膜用スパッタリングターゲット、そのターゲットを用いたパーティクルの発生を抑制し表面欠陥の少ない多層反射膜付き基板の製造方法、マスクブランク及び反射型マスクの製造方法を提供する。
【解決手段】スパッタリングターゲットの構成を実質的にルテニウム(Ru)からなり、焼結密度が95%以上であり、酸素(O)と炭素(C)の含有量が共に200ppm以下とする。平均結晶粒径は5nm以上1000nm以下である。このターゲットを用いて基板1上の多層反射膜2の上にルテニウム保護膜6を形成して多層反射膜付き基板30を得る。この多層反射膜付き基板30のルテニウム保護膜6上に吸収体膜を形成して反射型マスクブランクとする。また、この反射型マスクブランクの吸収体膜にパターンを形成して反射型マスクを得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜のスパッタ成膜に用いるスパッタリングターゲット、該スパッタリングターゲットを用いた成膜工程を有する多層反射膜付き基板の製造方法、該基板を用いた反射型マスクブランク及び反射型マスクの製造方法に関する。
近年、半導体産業において、半導体デバイスの微細化に伴い、極紫外(Extreme Ultra Violet、EUV)光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィー(EUVL)が有望視されている。なお、ここで、EUV光とは、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。このEUVリソグラフィーにおいて用いられるマスクとしては、特開平8-213303号公報に記載されたような露光用反射型マスクが提案されている。
このような反射型マスクは、基板上にEUV光を反射する多層反射膜を有し、更に、多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜がパターン状に設けられた構造をしている。このような反射型マスクを搭載した露光機(パターン転写装置)において、反射型マスクに入射した露光光は、吸収体膜パターンのある部分では吸収され、吸収体膜パターンのない部分では多層反射膜により反射された光像が反射光学系を通して半導体基板(レジスト付きシリコンウエハ)上に転写される。
上記多層反射膜としては、相対的に屈折率の高い物質と相対的に屈折率の低い物質が、数nmオーダーで交互に積層された多層膜が通常使用される。例えば、13〜14nmのEUV光に対する反射率の高いものとして、SiとMoの薄膜を交互に積層した多層膜が知られている。また、多層反射膜上には、この多層反射膜の保護膜として、例えばルテニウム(Ru)からなる保護膜を形成することが行われている。
多層反射膜は、基板上に、例えば、スパッタ法により形成することができる。MoとSiを含む場合、SiターゲットとMoターゲットを用いて交互にスパッタし、30〜60周期、好ましくは40周期積層し、最後に多層膜の最上層としてSi膜を成膜する。多層反射膜上の保護膜であるルテニウム膜についても同様な方法で形成することが出来る。
特許文献1には、半導体デバイス等に使用される電極や配線をスパッタ法で形成するために用いられるスパッタリングターゲットであって、W,Mo,Nb,Ta,Ruの少なくとも1種の高融点金属を主成分として含有するスパッタリングターゲットについて開示されている。また、特許文献2には、デバイスの強誘電体電極等としてルテニウム薄膜を形成する場合に用いられる、酸素と窒素がいずれも10wtppm以下である鍛造組織を備えた高純度ルテニウムターゲットについて開示されている。
特開2001−295035号公報 特開2002−327265号公報
ところで、このような成膜時にパーティクルが発生すると、製品(多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク)における欠陥が多くなり、高品質の製品が得られない。従来の露光用透過型マスクを用いたパターン転写の場合には、露光光の波長が紫外域(150〜248nm程度)と比較的長いため、マスク面に凹凸欠陥が生じても、これが重大な欠陥とまではなりにくく、そのため従来では露光用マスクの分野においては、成膜時のパーティクルの発生は課題としては格別認識されていなかった。しかしながら、EUV光のような短波長の光を露光光として用いる場合には、マスク面上の微細な凹凸欠陥があっても、転写像への影響が大きくなるため、パーティクルの発生は無視できない。このようなEUV光を露光光とする反射型マスクにおいては、たとえば多層反射膜表面での数nm〜数十nm程度の凸状の欠陥があっても、転写像に影響を与えるような位相欠陥となり得る。
本発明者の検討によると、通常のスパッタ法による成膜時のパーティクルの発生については、たとえばターゲットの異常放電によって起こることがわかった。また、イオンビームスパッタ成膜(Ion Beam Deposition:IBD)法による成膜工程では、電気的に中性な粒子でスパッタするので、異常放電によるパーティクルは生じないが、それでもターゲットの品質がパーティクルの発生に関与することも判明した。特に、多層反射膜上にルテニウム保護膜を設けた場合、このルテニウム保護膜表面での欠陥があると、転写像へ影響するような位相欠陥となり得るので、ルテニウム保護膜の成膜時のパーティクル発生は極力抑える必要がある。また、成膜時に発生したパーティクルが膜中に埋め込まれていると、成膜後の洗浄工程でそこから膜剥れが生じることも多く、更なるパーティクルの発生要因となるだけでなく、新たな凹凸欠陥を生じる。
従って、EUV光のような短波長の光を露光光として用いる反射型マスクブランク及び反射型マスクにおいては、非常に高精度のパーティクル制御が要求されるが、従来は課題としては認識されていなかったこともあり、対応策について十分な検討がなされていなかったのが実情である。
尚、上記特許文献1には、半導体デバイス等に使用される電極や配線を形成する高融点金属膜をスパッタ形成する際のパーティクル低減については記載されているが、EUV光のような短波長の光を露光光として用いる反射型マスクブランク及び反射型マスクにおけるパーティクルによる課題があることについては記載がない。また、上記特許文献2に開示されているスパッタリングターゲットは、純度向上による電極等におけるノイズ防止などの電気的特性を向上するものであるが、EUV光のような短波長の光を露光光として用いる反射型マスクブランク及び反射型マスクにおけるパーティクル発生による課題については特許文献2には記載がない。
そこで、本発明の目的は、第1に、成膜時にターゲットから生成されるパーティクルを抑制することが可能なスパッタリングターゲットを提供することであり、第2に、ターゲットの異常放電や、成膜後のルテニウム保護膜の膜剥れ等によるパーティクルの発生を抑制し、表面欠陥の少ない多層反射膜付き基板の製造方法を提供することであり、第3に、表面欠陥の少ない高品質の露光用反射型マスクブランクの製造方法を提供することであり、第4に、パターン欠陥のない高品質の露光用反射型マスクの製造方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を有する。
(構成1)実質的にルテニウム(Ru)からなるスパッタリングターゲットであって、焼結密度が95%以上であり、酸素(O)と炭素(C)の含有量が共に200ppm以下であることを特徴とする露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜成膜用スパッタリングターゲットである。
構成1によれば、スパッタリングターゲットの構成を、実質的にルテニウム(Ru)からなり、焼結密度が95%以上であり、酸素(O)と炭素(C)の含有量が共に200ppm以下としたことにより、このスパッタリングターゲットを用いてルテニウム膜をスパッタ成膜する際のパーティクルの発生を著しく低減することが出来る。
尚、スパッタリングターゲットの純度は3N(99.9重量%)レベル以上とすることが好ましい。不純物混入によるEUV光に対する反射率低下と、スパッタ成膜時の異常放電によるパーティクルの発生を抑制することができるからである。
(構成2)平均結晶粒径が5nm以上1000nm以下であることを特徴とする構成1に記載の露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜成膜用スパッタリングターゲットである。
構成2によれば、前記スパッタリングターゲットにおける平均結晶粒径が5nm以上1000nm以下に制御したことにより、このスパッタリングターゲットを用いてルテニウム膜をスパッタ成膜する際のパーティクルの発生を好適に抑えることが出来る。
(構成3)イオンビームスパッタ成膜法による薄膜成膜工程に用いるスパッタリングターゲットであることを特徴とする構成1又は2に記載の露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜成膜用スパッタリングターゲットである。
通常のスパッタ法による成膜時は、たとえばターゲットの異常放電によってパーティクルの発生が起こるが、イオンビームスパッタ成膜(IBD)法の場合、電気的に中性な粒子でスパッタするので、異常放電によるパーティクルは生じないものの、ターゲットの品質がパーティクルの発生に影響する。構成3のように、本発明のスパッタリングターゲットはIBD法による成膜工程に用いてもパーティクルの発生を抑えることが出来るので、本発明は特に好適である。
(構成4)基板上に、露光光を反射する多層反射膜を有する多層反射膜付き基板の製造方法であって、構成1乃至3の何れか一に記載のスパッタリングターゲットを用いて、前記多層反射膜上にルテニウム(Ru)保護膜を成膜する工程を有することを特徴とする多層反射膜付き基板の製造方法である。
構成4によれば、多層反射膜上に、構成1乃至3の何れか一に記載のスパッタリングターゲットを用いて、ルテニウム(Ru)保護膜を成膜して、多層反射膜付き基板を製造するので、ターゲットの異常放電や、成膜後のルテニウム保護膜の膜剥れ等によるパーティクルの発生を抑制でき、パーティクルによる表面欠陥の極めて少ない多層反射膜付き基板を得ることができる。
(構成5)構成4に記載の多層反射膜付き基板の製造方法により得られた多層反射膜付き基板の前記ルテニウム(Ru)保護膜上に、露光光を吸収する吸収体膜を形成する工程を有することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法である。
構成5によれば、構成4に記載の多層反射膜付き基板の製造方法により得られた多層反射膜付き基板を使用し、そのルテニウム(Ru)保護膜上に露光光を吸収する吸収体膜を形成して反射型マスクブランクを製造するので、とくに最終的にマスクの反射面となるルテニウム保護膜表面でのパーティクルによる表面欠陥の極めて少ない反射型マスクブランクを得ることができる。
なお、上記吸収体膜とルテニウム保護膜との間に、吸収体膜へのパターン形成時に多層反射膜を保護するためのエッチングストッパー機能を有するバッファ膜を設けることができる。
(構成6)構成5に記載の反射型マスクブランクの製造方法により得られた反射型マスクブランクの前記吸収体膜に転写パターンとなる吸収体膜パターンを形成することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。
構成6によれば、構成5に記載の反射型マスクブランクを使用し、その吸収体膜にパターンを形成して反射型マスクを製造するので、とくにマスクの反射面での表面欠陥に起因するパターン欠陥の無い反射型マスクを得ることが出来る。
本発明によれば、成膜時にターゲットから生成されるパーティクルを抑制することが可能な露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜成膜用スパッタリングターゲットを提供することができる。特にIBD法による成膜工程に用いてもパーティクルの発生を好適に抑制できるスパッタリングターゲットを提供することが出来る。
また、本発明によれば、多層反射膜上に、本発明に係るスパッタリングターゲットを用いて、ルテニウム(Ru)保護膜を成膜することにより、ターゲットの異常放電や、成膜後のルテニウム保護膜の膜剥れ等によるパーティクルの発生を抑制でき、パーティクルによる表面欠陥の極めて少ない多層反射膜付き基板を提供することができる。
また、本発明によれば、上述の多層反射膜付き基板を用いて、ルテニウム保護膜上に露光光を吸収する吸収体膜を形成することにより、とくにマスクの反射面となるルテニウム保護膜表面でのパーティクルによる表面欠陥の極めて少ない高品質の反射型マスクブランクを提供することができる。
さらに、本発明によれば、上述の反射型マスクブランクを用いて、その吸収体膜に転写パターンとなる吸収体膜パターンを形成することにより、とくにマスクの反射面での表面欠陥に起因するパターン欠陥のない高品質の反射型マスクを提供することができる。
以下、本発明を実施の形態により詳述する。
本発明のスパッタリングターゲット(以下、単にターゲットと称する。)の一実施の形態は、実質的にルテニウム(Ru)からなるターゲットであって、焼結密度が95%以上であり、酸素(O)と炭素(C)の含有量が共に200ppm以下である。
本発明では、ターゲットを上記のように構成したことにより、このターゲットを用いてルテニウム膜をスパッタ成膜する際のパーティクルの発生を著しく低減することが出来る。
ここで、実質的にルテニウム(Ru)からなるとは、ターゲットを構成する材料の主成分がルテニウム(Ru)であって、不純物としてその他の成分が含まれていても、その含有量が1000ppm以下であることをいう。
本発明のターゲットは、不純物の中でも特に酸素(O)と炭素(C)が少なく、その含有量は共に200ppm以下である。酸素(O)と炭素(C)の含有量が何れも少ないことにより、成膜時にターゲットから生成されるパーティクルを減少することができる。
また、本発明のターゲットは、焼結密度が95%以上である。本発明のターゲットは、たとえばルテニウムの原料粉末を一旦電子ビーム等で溶解して精製し、高純度の原料粉末を種々の方法で成形、焼結してターゲットとする方法で得られる。得られたターゲットの焼結密度が95%以上であることにより、成膜時にターゲットから生成されるパーティクルを減少することができる。本発明において、焼結密度は99%以上であることがさらに好ましい。本発明において、ターゲットの焼結密度は、ターゲットの体積と重量、及びX線光電子分光法(XPS)から得られた組成より算出した値である。
また、ターゲットに含まれる不純物の中でも特に酸素(O)と炭素(C)を少なくするために、ターゲットの作製後、或いはターゲット作製前の例えばペレットの作製時に、たとえば水素還元やプラズマ処理を実施して、これらの不純物濃度を低下させることが好ましい。
また、本発明のターゲットにおいて、平均結晶粒径が5nm以上1000nm以下であることが好ましい。ターゲットにおける平均結晶粒径を5nm以上1000nm以下に制御したことにより、このターゲットを用いてルテニウム膜をスパッタ成膜する際のパーティクルの発生を好適に抑えることが出来る。パーティクル発生の低減化を図る観点からは結晶粒径が出来るだけ小さいことが望ましいが、平均結晶粒径が5nm未満であると、ターゲット製造コストが高くなることと、粉末焼結法では5nm未満の結晶粒径を得ることは難しいという問題を生じる。本発明において、平均結晶粒径が、5〜200nmの範囲であることがさらに好ましい。
また、本発明のターゲットは、その純度が3N以上であることが好ましい。ターゲットの純度を3N(99.9重量%)レベル以上とすることにより、不純物混入によるEUV光に対する反射率低下と、スパッタ成膜時の異常放電によるパーティクルの発生を抑制することができる。ターゲットの純度は、ターゲットの成形、焼結前のルテニウム原料粉末の溶解、精製工程において制御することが出来る。
本発明のターゲットは、通常のスパッタ法による薄膜成膜工程に用いられるが、とりわけイオンビームスパッタ成膜(IBD)法による薄膜成膜工程に用いると好適である。
通常のスパッタ法による成膜は、次のようにして行われる。
すなわち、スパッタ用イオン源から不活性ガスのイオンを引き出してターゲットへ照射する。すると、ターゲットを構成する原子がイオンの衝突によって叩き出され、ターゲット物質が発生する。ターゲット物質はターゲットに対向する位置に設置された基板上に付着して薄膜層が形成される。従って、通常のスパッタ法による成膜工程では、たとえばターゲットの異常放電によってパーティクルの発生が起こるが、本発明のターゲットを用いることにより、このようなターゲットの異常放電により生成されるパーティクルを低減することが出来る。
一方、イオンビームスパッタ成膜(IBD)法の場合、電気的に中性な粒子でスパッタするので、ターゲットの異常放電によるパーティクルは生じないものの、それでもターゲットの品質がパーティクルの発生に影響することが判明し、従来のターゲットではパーティクルの発生を低減することは出来なかった。本発明のターゲットはIBD法による成膜工程に用いてもパーティクルの発生を有効に抑えることが出来るので、本発明は特に好適である。
次に、本発明の多層反射膜付き基板の製造方法について説明する。
図1は、多層反射膜付き基板の断面図であるが、これによると、多層反射膜付き基板30は、基板1上に、露光光を反射する多層反射膜2と、その上に設けられたルテニウム(Ru)保護膜6とを有している。このような多層反射膜付き基板30は、本発明の多層反射膜付き基板の製造方法によれば、本発明のターゲットを用いて、前記多層反射膜2上にルテニウム(Ru)保護膜6を成膜することにより得られる。
すなわち、多層反射膜2上に、本発明のターゲットを用いて、ルテニウム(Ru)保護膜6を成膜するので、ターゲットの異常放電や、成膜後のルテニウム保護膜6の膜剥れ等によるパーティクルの発生を抑制でき、パーティクルによる表面欠陥の極めて少ない多層反射膜付き基板を得ることができる。
基板1の材料としては、ガラス基板を好ましく用いることが出来る。ガラス基板は良好な平滑性と平坦度が得られ、特にマスク用基板として好適である。ガラス基板材料としては、低熱膨張係数を有するアモルファスガラス(例えばSiO2−TiO2系ガラス等)、石英ガラス、β石英固溶体を析出した結晶化ガラス等が挙げられる。基板は0.2nmRms以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることが高反射率および転写精度を得るために好ましい。尚、本発明において平滑性を示す単位Rmsは、二乗平均平方根粗さであり、原子間力顕微鏡で測定することができる。又本発明における平坦度は、TIR(total indicated reading)で示される表面の反り(変形量)を示す値である。これは、基板表面を元に最小二乗法で定められる平面を焦平面としたとき、この焦平面より上にある基板表面の最も高い位置と、焦平面より下にある最も低い位置の高低差の絶対値である。平滑性は10μm角エリアでの平滑性、平坦度は142mm角エリアでの平坦度で示している。
上記基板1上に形成する多層反射膜2は、屈折率の異なる材料を交互に積層させた構造をしており、特定の波長の光を反射することが出来る。例えば13〜14nmのEUV光に対する反射率が高い、MoとSiを交互に40周期程度積層したMo/Si多層反射膜が挙げられる。EUV光の領域で使用されるその他の多層反射膜の例としては、Ru/Si周期多層反射膜、Mo/Be周期多層反射膜、Mo化合物/Si化合物周期多層反射膜、Si/Nb周期多層反射膜、Si/Mo/Ru周期多層反射膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層反射膜、Si/Ru/Mo/Ru周期多層反射膜などが挙げられる。多層反射膜2は、基板1上に例えば通常のスパッタ法により形成することができる。
多層反射膜2上のルテニウム(Ru)保護膜6は、上述のように、本発明のターゲットを用いて、通常のスパッタ法、IBD法により形成される。この場合のルテニウム(Ru)保護膜6の膜厚は、反射率の点から1.0〜4.0nmの範囲で適宜選定するのが適当である。さらに好ましくは、反射領域の保護膜上で反射される光の反射率が最大となる膜厚とすることが望ましい。但し、反射型マスクの製造工程において、保護膜6上の例えばバッファ膜や吸収体膜のエッチングによる物理的な膜減りを考慮する必要があり、このような膜減りが生じた際に反射率が最大となる膜厚を選定することが望ましい。
このような多層反射膜及びルテニウム保護膜を基板上に形成した多層反射膜付き基板は、例えばEUV反射型マスクブランク又はEUV反射型マスクにおける多層反射膜付き基板、或いはEUVリソグラフィーシステムにおける多層反射膜ミラーとして使用される。
次に、本発明の反射型マスクブランクの製造方法について説明する。
上述の本発明による多層反射膜付き基板のルテニウム(Ru)保護膜上に、露光光を吸収する吸収体膜を形成することにより、露光用反射型マスクブランクが得られる。必要に応じて、上記ルテニウム保護膜と吸収体膜の間に、吸収体膜へのパターン形成時のエッチング環境に耐性を有し、多層反射膜を保護するためのバッファ膜を有していてもよい。本発明による多層反射膜付き基板を使用し、そのルテニウム(Ru)保護膜上に吸収体膜を形成して反射型マスクブランクを製造するので、とくに最終的にマスクの反射面となるルテニウム保護膜表面でのパーティクルによる表面欠陥の極めて少ない反射型マスクブランクを得ることができる。
図2(a)は、本発明により得られる反射型マスクブランクの一実施の形態の断面図である。これによると、反射型マスクブランク10は、前述の多層反射膜付き基板のルテニウム(Ru)保護膜6上に、バッファ膜3、吸収体膜4を順に有する構成である。
吸収体膜4の材料としては、露光光の吸収率が高く、吸収体膜の下側に位置する膜(本実施の形態ではバッファ膜であるが、バッファ膜を設けない構成ではルテニウム保護膜である。)とのエッチング選択比が十分大きいものが選択される。例えば、Taを主要な金属成分とする材料が好ましい。この場合、バッファ膜にCrを主成分とする材料を用いれば、エッチング選択比を大きく(10以上)取ることができる。Taを主要な金属元素とする材料は、通常金属または合金である。また、平滑性、平坦性の点から、アモルファス状または微結晶の構造を有しているものが好ましい。Taを主要な金属元素とする材料としては、TaとBを含む材料、TaとNを含む材料、TaとBとOを含む材料、TaとBとNを含む材料、TaとSiを含む材料、TaとSiとNを含む材料、TaとGeを含む材料、TaとGeとNを含む材料等を用いることができる。TaにBやSi,Ge等を加えることにより、アモルファス状の材料が容易に得られ、平滑性を向上させることができる。また、TaにNやOを加えれば、酸化に対する耐性が向上するため、経時的な安定性を向上させることができるという効果が得られる。
他の吸収体膜の材料としては、Crを主成分とする材料(クロム、窒化クロム等)、タングステンを主成分とする材料(窒化タングステン等)、チタンを主成分とする材料(チタン、窒化チタン)等を用いることができる。
これらの吸収体膜は、通常のスパッタ法で形成することが出来る。吸収体膜の膜厚は、露光光である例えばEUV光が十分に吸収できる厚みであればよいが、通常は30〜100nm程度である。
また、上記バッファ膜3は、吸収体膜4に転写パターンを形成する際に、エッチング停止層として下層の多層反射膜を保護する機能を有し、本実施の形態では多層反射膜上のルテニウム保護膜と吸収体膜との間に形成される。なお、バッファ膜は必要に応じて設ければよい。
バッファ膜の材料としては、吸収体膜とのエッチング選択比が大きい材料が選択される。バッファ膜と吸収体膜のエッチング選択比は5以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上である。更に、低応力で、平滑性に優れた材料が好ましく、とくに0.3nmRms以下の平滑性を有していることが好ましい。このような観点から、バッファ膜を形成する材料は、微結晶あるいはアモルファス構造であることが好ましい。
一般に、吸収体膜の材料には、TaやTa合金等が良く用いられている。吸収体膜の材料にTa系の材料を用いた場合、バッファ膜としては、Crを含む材料を用いるのが好ましい。例えば、Cr単体や、Crに窒素、酸素、炭素の少なくとも1つの元素が添加された材料が挙げられる。具体的には、窒化クロム(CrN)等である。
一方、吸収体膜として、Cr単体や、Crを主成分とする材料を用いる場合には、バッファ膜には、Taを主成分とする材料、例えば、TaとBを含む材料や、TaとBとNを含む材料等を用いることができる。
このバッファ膜は、反射型マスク形成時には、マスクの反射率低下を防止するために、吸収体膜に形成されたパターンに従って、パターン状に除去してもよいが、バッファ膜に露光光の透過率の大きい材料を用い、膜厚を十分薄くすることが出来れば、パターン状に除去せずに、ルテニウム保護膜を覆うように残しておいてもよい。バッファ膜は、例えば、通常のスパッタ法(DCスパッタ、RFスパッタ)、IBD法等の成膜法で形成することができる。バッファ膜の膜厚は、集束イオンビーム(FIB)を用いた吸収体膜パターンの修正を行う場合には、20〜60nm程度にするのが好ましいが、FIBを用いない場合には、5〜15nm程度としてもよい。
以上のようにして得られる反射型マスクブランクの吸収体膜に所定の転写パターンを形成することにより、露光用反射型マスクが得られる。
吸収体膜へのパターン形成は、リソグラフィーの手法を用いて形成することができる。図2を参照して説明すると、まず、本発明による多層反射膜付き基板30(図1参照)のルテニウム(Ru)保護膜6上にバッファ膜3及び吸収体膜4を形成して得られた反射型マスクブランク10(図2(a)参照)を準備する。次に、この反射型マスクブランク10の吸収体膜4上にレジスト層を設け、このレジスト層にパターン描画、現像を行って所定のレジストパターン5aを形成する(図2(b)参照)。次に、このレジストパターン5aをマスクとして、吸収体膜4にエッチングなどの手法でパターン4aを形成する。例えばTaを主成分とする吸収体膜の場合には、塩素ガスやトリフロロメタンを含むドライエッチングを適用することが出来る。
残存するレジストパターン5aを除去して、図2(c)に示すように所定の吸収体膜パターン4aが形成されたマスク11が得られる。
吸収体膜4にパターン4aを形成した後、バッファ膜3を吸収体膜パターン4aにしたがって除去し、吸収体膜パターン4aのない領域では多層反射膜上のルテニウム(Ru)保護膜6を露出させた反射型マスク20が得られる(図2(d)参照)。ここで、例えばCr系材料からなるバッファ膜の場合は、塩素と酸素を含む混合ガスでのドライエッチングを用いることが出来る。このとき、ルテニウム保護膜6は、バッファ膜3のドライエッチングに対して多層反射膜2を保護する。尚、バッファ膜3を除去しなくても必要な反射率が得られる場合は、図2(c)のように、バッファ膜3を吸収体膜と同様のパターン状に加工せず、保護膜6を備えた多層反射膜2上に残すこともできる。
本発明によれば、上述の反射型マスクブランクを使用して反射型マスクとしているので、とくにマスクの反射面での表面欠陥に起因するパターン欠陥の無い反射型マスクを得ることが出来る。
次に、実施例により本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。以下、実施例、比較例におけるRuターゲットの焼結密度、平均結晶粒径、酸素(O)、炭素(C)の含有量は、原料粉末の純度、原料粉末の粉砕条件(粉砕時間)や焼結温度、焼結時の圧力、等を適宜調整して、使用するRuターゲットの焼結密度、平均結晶粒径、酸素(O)、炭素(C)の含有量が異なるターゲットを準備した。
(実施例1)
基板として、外形152mm角、厚さが6.3mmの低膨張のSiO2−TiO2系のガラス基板を用意した。このガラス基板は、機械研磨により、0.12nmRmsの平滑な表面と100nm以下の平坦度を有している。
次に、上記基板上に、多層反射膜として、露光波長13〜14nmの領域の反射膜として適したMoとSiからなる交互積層膜を形成した。成膜はイオンビームスパッタリング装置を用いて行った。まずSiターゲットを用いて、Si膜を4.2nm成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Mo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層した後、最後にSi膜を4nm成膜した。合計膜厚は、284nmである。
以上のようにして得られた多層反射膜付き基板の多層反射膜表面のパーティクル個数を測定したところ、基板全体で12個であった。尚、上記パーティクルは、大きさが150nm以上のものとし、欠陥検査装置(レーザーテック社製 MAGICS M-1320)により測定した。
次に、上記で得られた多層反射膜付き基板の多層反射膜上に、ルテニウム保護膜を形成した。成膜は、イオンビームスパッタリング装置を用いて行い、その際使用したRuターゲットは、焼結密度が99.5%、平均結晶粒径は103nmであった。
尚、ターゲットの平均結晶粒径の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により行った。また、得られたターゲットの組成をX線光電子分光法(XPS)により分析したところ、ルテニウム(Ru)が99.9重量%以上含まれており、不純物として酸素(O)と炭素(C)が含まれていたが、何れも含有量は200ppm以下であった。
上記Ruターゲットを用いて成膜したルテニウム保護膜の膜厚は4nmとした。
尚、ルテニウム保護膜の成膜後、多層反射膜付き基板のルテニウム保護膜表面のパーティクル個数を上記欠陥検査装置を用いて測定したところ、基板全体で112個増加していた。
次に、上記多層反射膜付き基板のルテニウム保護膜上に、窒化クロム(CrN:N=10at%)からなるバッファ膜を形成した。成膜は、DCマグネトロンスパッタリング装置により行い、膜厚は20nmとした。
次いで、上記バッファ膜上に、波長13〜14nmの露光光に対する吸収体膜として、Taを主成分とし、BとNを含む膜を形成した。成膜方法は、Ta及びBを含むターゲットを用いて、Arに窒素を10%添加して、DCマグネトロンスパッタリング装置によって行った。膜厚は、露光光を十分に吸収できる厚さとして、70nmとした。成膜されたTaBN膜の組成比は、Taは0.8、Bは0.1、Nは0.1であった。
以上のようにして、本実施例の反射型マスクブランクが得られた。
次に、上記反射型マスクブランクを用いて、その吸収体膜にパターンを形成し、デザインルールが0.07μmの16Gbit−DRAM用のパターンを有する反射型マスクを作製した。
まず、上記反射型マスクブランク上にEBレジストを塗布し、EB描画と現像により所定のレジストパターンを形成した。次に、このレジストパターンをマスクとして、吸収体膜であるTaBN膜を塩素を用いてドライエッチングし、吸収体膜パターンを形成した。
次いで、この吸収体膜に形成されたパターンをマスクとして、バッファ膜であるCrN膜を、塩素と酸素の混合ガス(混合比は体積比で1:1)を用いてドライエッチングし、吸収体膜に形成されたパターンに従ってパターン状に除去した。
以上のようにして、本実施例の反射型マスクが得られた。前記欠陥検査装置でパターン欠陥を測定したところ、パーティクルによるパターン欠陥の無いことが判った。また、この反射型マスクを用いて、図3に示すようなパターン転写装置50により、半導体基板上へのパターン転写を行った。パターン転写装置50は、レーザープラズマX線源31、縮小光学系32等から概略構成され、縮小光学系32により、反射型マスク20で反射されたパターンは通常1/4程度に縮小される。尚、露光波長として13〜14nmの波長帯を使用するので、光路が真空中になるように予め設定した。このような状態で、レーザープラズマX線源31から得られたEUV光を反射型マスク20に入射し、ここで反射された光を縮小光学系32を通して半導体基板33(レジスト層付きシリコンウエハ)上へ転写した。その結果、半導体基板上に良好な転写像が得られた。
(実施例2)
実施例1と同様にして、基板上にSiとMoの多層反射膜を形成した多層反射膜付き基板を得た。得られた多層反射膜付き基板の多層反射膜表面のパーティクル個数を前記欠陥検査装置を用いて測定したところ、基板全体で23個であった。
次に、上記で得られた多層反射膜付き基板の多層反射膜上に、ルテニウム保護膜を形成した。本実施例では成膜は、イオンビームスパッタリング装置を用いて行い、本実施例で使用したRuターゲットは、ターゲットの焼結密度が99.8%、ターゲットの平均結晶粒径は10nmであった。
また、得られたターゲットの組成をXPSで分析したところ、ルテニウム(Ru)が99.9重量%以上含まれており、不純物として酸素(O)と炭素(C)が含まれていたが、何れも含有量は200ppm以下であった。
上記Ruターゲットを用いて成膜したルテニウム保護膜の膜厚は4nmとした。
尚、ルテニウム保護膜の成膜後、多層反射膜付き基板のルテニウム保護膜表面のパーティクル個数を前記欠陥検査装置を用いて測定したところ、基板全体で59個増加していた。
次に、上記多層反射膜付き基板のルテニウム保護膜上に、実施例1と同様のバッファ膜及び吸収体膜を形成して、反射型マスクブランクを作製した。
次いで、上記反射型マスクブランクを用いて、実施例1と同様に、その吸収体膜にパターンを形成し、さらにバッファ膜を吸収体膜と同様のパターンに形成して、デザインルールが0.07μmの16Gbit−DRAM用のパターンを有する反射型マスクを作製した。得られた反射型マスクについて、パターン欠陥を測定したところ、パーティクルによるパターン欠陥が殆ど無いことが判った。また、この反射型マスクを用いて半導体基板上へのパターン転写を行ったところ、良好な転写像が得られた。
次に、上記実施例に対する比較例を挙げる。
(比較例1)
実施例1と同様にして、基板上にSiとMoの多層反射膜を形成した多層反射膜付き基板を得た。得られた多層反射膜付き基板の多層反射膜表面のパーティクル個数を前記欠陥検査装置を用いて測定したところ、基板全体で22個であった。
次に、上記で得られた多層反射膜付き基板の多層反射膜上に、ルテニウム保護膜を形成した。成膜は、実施例1と同様、イオンビームスパッタリング装置を用いて行い、本比較例1で使用したRuターゲットは、ターゲットの焼結密度が92.3%、平均結晶粒径は10nmであった。
また、得られたターゲットの組成をXPSで分析したところ、ルテニウム(Ru)が99.9重量%以上含まれており、不純物として酸素(O)と炭素(C)が含まれていたが、とくに酸素の含有量は200ppmを超えていた。
上記Ruターゲットを用いて成膜したルテニウム保護膜の膜厚は4nmとした。
ルテニウム保護膜の成膜後、多層反射膜付き基板のルテニウム保護膜表面のパーティクル個数を前記欠陥検査装置を用いて測定したところ、基板全体で1513個増加していた。本比較例のターゲットを用いてルテニウム保護膜を成膜すると、成膜時のパーティクル発生が非常に多いことがわかった。
次に、上記多層反射膜付き基板のルテニウム保護膜上に、実施例1と同様のバッファ膜及び吸収体膜を形成して、反射型マスクブランクを作製した。
次いで、上記反射型マスクブランクを用いて、実施例1と同様に、その吸収体膜及びバッファ膜にパターンを形成して、デザインルールが0.07μmの16Gbit−DRAM用のパターンを有する反射型マスクを作製したが、得られた反射型マスクについて、パターン欠陥を測定したところ、パーティクルによるパターン欠陥が非常に多かった。
(比較例2)
実施例1と同様にして、基板上にSiとMoの多層反射膜を形成した多層反射膜付き基板を得た。得られた多層反射膜付き基板の多層反射膜表面のパーティクル個数を前記欠陥検査装置を用いて測定したところ、基板全体で24個であった。
次に、上記で得られた多層反射膜付き基板の多層反射膜上に、ルテニウム保護膜を形成した。成膜は、実施例2と同様、イオンビームスパッタリング装置を用いて行い、本比較例2で使用したRuターゲットは、ターゲットの焼結密度は93.8%、平均結晶粒径は10nmであった。
また、得られたターゲットの組成をXPSで分析したところ、ルテニウム(Ru)が99.9重量%以上含まれており、不純物として酸素(O)と炭素(C)が含まれていたが、とくに炭素の含有量は200ppmを超えていた。
上記Ruターゲットを用いて成膜したルテニウム保護膜の膜厚は4nmとした。
ルテニウム保護膜の成膜後、多層反射膜付き基板のルテニウム保護膜表面のパーティクル個数を前記欠陥検査装置を用いて測定したところ、基板全体で1158個増加していた。即ち、本比較例2のターゲットを用いてルテニウム保護膜を成膜すると、成膜時のパーティクル発生が非常に多いことがわかった。
次に、上記多層反射膜付き基板のルテニウム保護膜上に、実施例1と同様のバッファ膜及び吸収体膜を形成して、反射型マスクブランクを作製した。
次いで、上記反射型マスクブランクを用いて、実施例1と同様に、その吸収体膜及びバッファ膜にパターンを形成して、デザインルールが0.07μmの16Gbit−DRAM用のパターンを有する反射型マスクを作製したが、得られた反射型マスクについて、パターン欠陥を測定したところ、パーティクルによるパターン欠陥が非常に多かった。
また、以上の実施例では挙げなかったが、多層反射膜上に形成するルテニウム保護膜は、イオンビームスパッタリング以外のDCスパッタリングや、RFスパッタリングで形成してもよく、本発明のターゲットはこれらのターゲットとしても使用することができる。
また、以上の実施例では挙げなかったが、本発明のターゲットは、多層反射膜上に形成するルテニウム保護膜の成膜に限らず、Ru/Si周期多層反射膜や、Si/Mo/Ru周期多層反射膜といった多層反射膜に使用するRu層の成膜用のターゲットとしても使用することができる。
本発明により得られる多層反射膜付き基板の断面図である。 本発明による反射型マスクブランク及び該マスクブランクを用いた反射型マスクの製造工程を示す断面図である。 実施例に使用したパターン転写装置の概略構成を示す構成図である。
符号の説明
1 基板
2 多層反射膜
3 バッファ膜
4 吸収体膜
5a レジストパターン
6 ルテニウム(Ru)保護膜
10 反射型マスクブランク
20 反射型マスク
30 多層反射膜付き基板
50 パターン転写装置

Claims (6)

  1. 実質的にルテニウム(Ru)からなるスパッタリングターゲットであって、焼結密度が95%以上であり、酸素(O)と炭素(C)の含有量が共に200ppm以下であることを特徴とする露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜成膜用スパッタリングターゲット。
  2. 平均結晶粒径が5nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜成膜用スパッタリングターゲット。
  3. イオンビームスパッタ成膜法による薄膜成膜工程に用いるスパッタリングターゲットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光光に対して反射に寄与するルテニウム膜成膜用スパッタリングターゲット。
  4. 基板上に、露光光を反射する多層反射膜を有する多層反射膜付き基板の製造方法であって、請求項1乃至3の何れか一に記載のスパッタリングターゲットを用いて、前記多層反射膜上にルテニウム(Ru)保護膜を成膜する工程を有することを特徴とする多層反射膜付き基板の製造方法。
  5. 請求項4に記載の多層反射膜付き基板の製造方法により得られた多層反射膜付き基板の前記ルテニウム(Ru)保護膜上に、露光光を吸収する吸収体膜を形成する工程を有することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  6. 請求項5に記載の反射型マスクブランクの製造方法により得られた反射型マスクブランクの前記吸収体膜に転写パターンとなる吸収体膜パターンを形成することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
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