JP2011190153A - 表面処理無機粉体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無機粉体を、Xm(R2)nSi(OR1)(4-m-n)
(X、R1、R2は1価炭化水素基、mは1又は2、nは0又は1、m+nは1又は2)
の化合物或いはその部分加水分解縮合物、又はこれと、
(OR1)3-q(R2)qSi−Y−Si(R2)p(OR1)3-p
(Yは2価有機基又は−(R4−Si(R3)2)s−(OSi(R3)2)r−R5 t−、R3は1価炭化水素基、R4は2価炭化水素基、R5はO又は2価炭化水素基、rは1〜40、s,tは0又は1、p,qは0〜3、p+qは0〜4)
の化合物或いはその部分加水分解縮合物を含む原料を、生成するポリシロキサンと分離状態となる液状加水分解縮合触媒を用いて得たオルガノポリシロキサンで表面処理してなる表面処理無機粉体。
【選択図】なし
Description
〔請求項1〕
無機粉体を下記(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理してなることを特徴とする表面処理無機粉体。
(A)オルガノポリシロキサン
下記一般式(1)
Xm(R2)nSi(OR1)(4-m-n)・・・(1)
(式中、Xは炭素原子数6〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基、R1は炭素原子数1〜4の1価炭化水素基であり、R2は炭素原子数1〜3の1価炭化水素基であり、mは1又は2、nは0又は1であり、m+nは1又は2である。)
で表される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、又はこの有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物と、下記一般式(2)
(OR1)3-q(R2)qSi−Y−Si(R2)p(OR1)3-p・・・(2)
(式中、R1及びR2は上記と同じであり、Yは2価の有機基又は−(R4−Si(R3)2)s−(OSi(R3)2)r−R5 t−基であり、ここでR3は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基、R4は炭素原子数1〜6の2価の炭化水素基、R5は酸素原子又は炭素原子数1〜6の2価の炭化水素基、rは1〜40の整数、sは0又は1、tは0又は1である。p、qは独立に0〜3の整数であるが、p+qは0〜4の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物とを含む有機ケイ素化合物原料を、生成するオルガノポリシロキサンと分離状態となる液状の加水分解縮合触媒を用いて加水分解、重縮合したオルガノポリシロキサン。
〔請求項2〕
加水分解縮合触媒が、尿素塩酸塩であることを特徴とする請求項1記載の表面処理無機粉体。
〔請求項3〕
無機粉体が、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、アンチモン化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物及びリン化合物から選ばれるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理無機粉体。
〔請求項4〕
無機粉体が、アルミニウム化合物及び/又はマグネシウム化合物である請求項1又は2に記載の表面処理無機粉体。
本発明で使用する無機粉体としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、四酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、ジルコニウム化合物、モリブデン化合物、炭酸カルシウム、シリカ、シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、タルク、アクリルシリコーンパウダー、酸化チタン、ろう石、石英、けいそう土、硫化鉱、硫化焼鉱、黒鉛、ベントナイト、カオリナイト、活性炭、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、大理石、ベークライト、ポートランドセメント、SiOパウダー、窒化ホウ素、合成マイカ、ガラスビーズ、マイカ、セリサイト、ドロマイト、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、ポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤、膨脹性黒鉛、光酸化チタン等が挙げられるが、本発明はこれらの無機粉体に限定されるものではない。
また、上記した各種無機粉体は、未処理のものであっても、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、チタネートカップリング剤、シランカップリング剤、熱可塑性樹脂等の表面処理剤で処理されているものであってもよい。
Xm(R2)nSi(OR1)(4-m-n)・・・(1)
で表される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物単独、又は
これと、下記一般式(2)
(OR1)3-q(R2)qSi−Y−Si(R2)p(OR1)3-p・・・(2)
で表される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物とを含む有機ケイ素化合物原料を加水分解縮合したものであり、生成するオルガノポリシロキサンと分離状態となる液状の加水分解縮合触媒を使用して加水分解、重縮合することにより得られるオルガノポリシロキサンを使用することが特徴である。
C6H13Si(OCH3)3、C6H13SiCH3(OCH3)2、
C6H13Si(OCH2CH3)3、C6H13SiCH3(OCH2CH3)2、
C8H17Si(OCH3)3、C8H17SiCH3(OCH3)2、
C8H17Si(OCH2CH3)3、C8H17SiCH3(OCH2CH3)2、
C10H21Si(OCH3)3、C10H21SiCH3(OCH3)2、
C10H21Si(OCH2CH3)3、C10H21SiCH3(OCH2CH3)2、
C12H25Si(OCH3)3、C12H25SiCH3(OCH3)2、
C12H25Si(OCH2CH3)3、C12H25SiCH3(OCH2CH3)2、
C14H29Si(OCH3)3、C14H29SiCH3(OCH3)2、
C14H29Si(OCH2CH3)3、C14H29SiCH3(OCH2CH3)2、
C16H33Si(OCH3)3、C16H33SiCH3(OCH3)2、
C16H33Si(OCH2CH3)3、C16H33SiCH3(OCH2CH3)2、
C18H37Si(OCH3)3、C18H37SiCH3(OCH3)2、
C18H37Si(OCH2CH3)3、C18H37SiCH3(OCH2CH3)2
などが挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2C4F8CH2−、−CH2C6F12CH2−、
−CH2CH2C4F8CH2CH2−、−CH2CH2C6F12CH2CH2−、
−CH2CH2C8F16CH2CH2−、−CH2CH2C10F20CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)O−、−(OSi(CH3)2)2O−、
−(OSi(CH3)2)4O−、−(OSi(CH3)2)6O−、
−(OSi(CH3)2)8O−、−(OSi(CH3)2)9O−、
−(OSi(CH3)2)10O−、−(OSi(CH3)2)20O−、
−(OSi(CH3)2)30O−、−(OSi(CH3)2)40O−、
−(OSi(CH3)2)2−CH2−、−(OSi(CH3)2)4−CH2−、
−(OSi(CH3)2)6−CH2−、−(OSi(CH3)2)8−CH2−、
−(OSi(CH3)2)10−CH2−、−(OSi(CH3)2)20−CH2−、
−(OSi(CH3)2)30−CH2−、
−(OSi(CH3)2)2−CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)4−CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)6−CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)8−CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)9−CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)10−CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)20−CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)30−CH2CH2−、
−(OSi(CH3)2)40−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)2−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)4−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)6−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)8−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)9−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)10−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)18−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)20−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)28−CH2CH2−、
−CH2CH2−Si(CH3)2(OSi(CH3)2)30−CH2CH2−。
(CH3O)3SiCH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)2(CH3)SiCH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)3SiCH2CH2C4F8CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2C6F12CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2C8F16CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2C10F20CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C4F8CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C6F12CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C8F16CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C10F20CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、
(CH3O)3Si(OSi(CH3)2)OSi(OCH3)3、
(CH3O)3Si(OSi(CH3)2)2OSi(OCH3)3、
(CH3O)3Si(OSi(CH3)2)4OSi(OCH3)3、
(CH3O)3Si(OSi(CH3)2)6OSi(OCH3)3、
(CH3O)3Si(OSi(CH3)2)8OSi(OCH3)3、
(CH3O)3Si(OSi(CH3)2)10OSi(OCH3)3、
(CH3O)3Si(OSi(CH3)2)20OSi(OCH3)3、
(CH3O)3Si(OSi(CH3)2)30OSi(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)2CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)4CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)6CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)8CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)9CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)10CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)18CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)28CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)4OSi(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)6OSi(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)8OSi(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)9OSi(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)10OSi(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)20OSi(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)30OSi(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)40OSi(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)4CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)6CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)8CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)9CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)10CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)20CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)30CH2CH2Si(OCH3)3、
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)40CH2CH2Si(OCH3)3
などが挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
更に、調製した含水加水分解縮合触媒中に有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を加えて、加水分解、縮合反応を行ってもよい。
(1)オルガノポリシロキサンの平均分子量であるポリスチレン換算分子量における重量平均分子量(Mw)をポリスチレン標準サンプルから作成した検量線を基準として算出した。
(2)ケイ素核磁気共鳴スペクトル分析におけるアルコキシ基が2つ加水分解縮合し、シロキサン単位となった成分(T2)は、例えば官能基がアルキル基の場合、−55〜−61ppmのピークであり、
環状体成分を表すピーク成分(T2a)はT2成分のうちの前半部分のピークであり、例えば官能基がアルキル基の場合、−55〜−59ppmの範囲のピークの積分値であり、リニア体成分を表すピーク成分(T2b)は−59〜−61ppmの範囲のピークの積分値である。このT2成分のピーク範囲は官能基の種類によって異なるが、全体のピーク形状から、どの位置がT2成分であること、そのうちの前半部分がT2a成分であることは判断可能である(図1を参考例として示す)。
撹拌装置、冷却コンデンサー、温度計、滴下ロートを取り付けた容量300mlのフラスコに、メタノール60g(1.875mol)、尿素66g(1.1mol)を仕込み、内温22℃にて、濃塩酸(塩酸濃度35質量%)100gをゆっくり滴下した。溶液は発熱し、35℃まで上昇した。滴下終了後、撹拌を続けたところ、30分で25℃まで温度が低下したことから撹拌を停止し、尿素塩酸塩の含水メタノール溶液を得た。
撹拌装置、冷却コンデンサー、温度計、滴下ロートを取り付けた容量2Lのフラスコに、C12H25SiCl3152g(0.5mol)及びC14H29SiCl3167g(0.5mol)を仕込み、65℃にて、メタノール64g(2.0mol)を滴下し、脱塩酸反応を行った。その後、尿素を66g(1.1mol)添加し、撹拌を続けた。更に、65℃にて、メタノール38.4g(1.2mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、更に65℃にて、2時間撹拌を続けた。撹拌を停止すると、フラスコ内は、メトキシ化して生じたC12H25Si(OCH3)3145g及びC14H29Si(OCH3)3と発生した塩酸により生成した尿素塩酸の混合物を得た。この反応液を再度撹拌し、65℃にて、水54g(3mol)をゆっくり滴下した。滴下には15分を要した。滴下終了後、65℃にて3時間撹拌を続けた。撹拌を停止すると、生成したポリシロキサンと尿素塩酸塩触媒層は分離状態であった。その後、冷却を行い、トルエン200gを加えて静置し、下層の触媒層を分離した。得られた上層を90℃、減圧度0.7kPaにて減圧濃縮を行い、更に濾過による精製を行ったところ、得られたオルガノポリシロキサン1は251gであった。
このもののキャノンフェンスケ粘度計による(以下同じ)25℃における粘度は239mm2/sであり、25℃における比重は0.948であった。また、このもののゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析における重量平均分子量(Mw)は1,778であった。
更に、ケイ素核磁気共鳴スペクトル分析における環状体成分を表すピーク成分(T2a)とリニア体成分を表すピーク成分(T2b)との比率(T2a/T2b)は5.5であった。
合成例2における水の量を108g(6.0mol)とし、他は同様に操作を行ったところ、オルガノポリシロキサン2を267g得た。なお、反応終了後、生成したポリシロキサンと尿素塩酸塩触媒層は分離状態であった。
このものの25℃における粘度は251mm2/sであり、25℃における比重は0.94であった。また、このもののゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析における重量平均分子量(Mw)は1,796であった。
更に、ケイ素核磁気共鳴スペクトル分析における環状体成分を表すピーク成分(T2a)とリニア体成分を表すピーク成分(T2b)との比率(T2a/T2b)は8.6であった。
撹拌装置、冷却コンデンサー、温度計、滴下ロートを取り付けた容量1Lのフラスコに、C10H21Si(OCH3)3262g(1.0mol)を仕込み、65℃にて、合成例1にて調製した尿素塩酸塩の含水メタノール溶液93.8g(水1.5mol)をゆっくり滴下した。滴下には30分を要した。滴下終了後、70℃〜65℃にて3時間撹拌を続けた。撹拌を停止すると、生成したポリシロキサンと尿素塩酸塩触媒層は分離状態であった。その後、冷却を行い、トルエン200gを加えて静置し、下層の触媒層を分離した。得られた上層を90℃、減圧度0.7kPaにて減圧濃縮を行い、更に濾過による精製を行ったところ、得られたオルガノポリシロキサン3は203gであった。
このものの25℃における粘度は93.0mm2/sであり、25℃における比重は0.941であった。また、このもののゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析における重量平均分子量(Mw)は1,430であった。
更に、ケイ素核磁気共鳴スペクトル分析における環状体成分を表すピーク成分(T2a)とリニア体成分を表すピーク成分(T2b)との比率(T2a/T2b)は2.3であった。
撹拌装置、冷却コンデンサー、温度計、滴下ロートを取り付けた容量2Lのフラスコに、C12H25SiCl3152g(0.5mol)及びC14H29SiCl3167g(0.5mol)を仕込み、65℃にて、メタノール64g(2.0mol)を滴下し、脱塩酸反応を行った。その後、尿素を66g(1.1mol)添加し、撹拌を続けた。更に、65℃にて、メタノール38.4g(1.2mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、更に65℃にて、2時間撹拌を続けた。撹拌を停止すると、フラスコ内は、メトキシ化して生じたC12H25Si(OCH3)3145g及びC14H29Si(OCH3)3と発生した塩酸により生成した尿素塩酸塩が分離した状態であることが確認できた。ここに(CH3O)3SiCH2CH2Si(CH3)2(OSi(CH3)2)8OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)37.8g(0.01mol)を添加し、再度撹拌し、65℃にて、水54g(3mol)をゆっくり滴下した。滴下には15分を要した。滴下終了後、65℃にて3時間撹拌を続けた。撹拌を停止すると、生成したポリシロキサンと尿素塩酸塩触媒層は分離状態であった。その後、冷却を行い、トルエン200gを加えて静置し、下層の触媒層を分離した。得られた上層を90℃、減圧度0.7kPaにて減圧濃縮を行い、更に濾過による精製を行ったところ、得られたオルガノポリシロキサン4は257gであった。
このものの25℃における粘度は263mm2/sであり、25℃における比重は0.940であった。また、このもののゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析における重量平均分子量(Mw)は1,944であった。
更に、ケイ素核磁気共鳴スペクトル分析における環状体成分を表すピーク成分(T2a)とリニア体成分を表すピーク成分(T2b)との比率(T2a/T2b)は3.6であった。
撹拌装置、冷却コンデンサー、温度計、滴下ロートを取り付けた容量1Lのフラスコに、C10H21Si(OCH3)3262g(1.0mol)及びメタノール772g(24.1mol)を仕込み、25℃にて、5質量%塩酸水56.8g(水3mol)を滴下し、加水分解反応を行った。更に65℃にて、3時間撹拌を続けた。その後、冷却を行い、90℃、減圧度0.7kPaにて減圧濃縮を行い、更に濾過による精製を行ったところ、得られたオルガノポリシロキサン5は164gであった。
このもののゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析における重量平均分子量(Mw)は710であった。本合成方法では、モノマー成分であるデシルトリメトキシシランが15.6モル%含まれていた。
更に、ケイ素核磁気共鳴スペクトル分析における環状体成分を表すピーク成分(T2a)とリニア体成分を表すピーク成分(T2b)との比率(T2a/T2b)は0.79であった。
撹拌装置、冷却コンデンサー、温度計、滴下ロートを取り付けた容量2Lのフラスコに、C12H25Si(OCH3)3145g(0.5mol)及びC14H29Si(OCH3)3159g(0.5mol)を仕込み、25℃にて、5質量%塩酸水56.8g(水3mol)を滴下し、加水分解反応を行った。更に65℃にて、3時間撹拌を続けた。その後、冷却を行い、90℃、減圧度0.7kPaにて減圧濃縮を行い、更に濾過による精製を行ったところ、得られたオルガノポリシロキサン6は232gであった。
このものの25℃における粘度は110mm2/sであり、25℃における比重は0.941であった。また、このもののゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析における重量平均分子量(Mw)は1,320であった。
更に、ケイ素核磁気共鳴スペクトル分析における環状体成分を表すピーク成分(T2a)とリニア体成分を表すピーク成分(T2b)との比率(T2a/T2b)は0.82であった。
上記のように合成したオルガノポリシロキサンを用いて無機難燃粉体に表面処理を施した。
(使用無機難燃粉体) 平均粒子径2.1μmの水酸化マグネシウム
平均粒子径2.5μmの炭酸マグネシウム
平均粒子径1.9μmの水酸化アルミニウム
その方法は以下の通りである。
撹拌装置、冷却コンデンサー、温度計を取り付けた容量0.5Lのフラスコに、無機難燃粉体100g、トルエン300g、オルガノポリシロキサンXgを仕込み、80℃に加熱して3時間撹拌した。その後、エステルアダプターを取り付け、常圧下内温を120℃まで上げて、溶媒であるトルエンを除去し、得られた表面処理無機難燃粉体を取り出し、常圧下105℃で24時間乾燥した。
得られた表面処理無機難燃粉体の評価として、以下に示すような疎水化度測定とコールターマルチサイザーII(コールター社製)を使用して平均粒子径及び10μm以上の塊の有無の測定を行った。それぞれの結果を表1に示す。
(1)500mlの三角フラスコにサンプル0.2gを秤量した。
(2)イオン交換水50mlを(1)に加え、スターラーにて撹拌した。
(3)撹拌をしたままビュレットよりメタノールを滴下させ、試料の全量がイオン交換水に懸濁された時の滴下量を測定した。
(4)次式より疎水化度を求めた。
疎水化度(%)=(メタノール滴下量(ml))×100/(メタノール滴下量(ml)+イオン交換水量(ml))
粉体0.1質量部に対してノニオン界面活性剤0.6質量部と水20質量部を加え、超音波振動機等を用いて粉体を分散した後、コールターマルチサイザーIIを用いて測定を行った。
≪10μm以上の塊の有無の測定方法≫
上記のコールターマルチサイザーIIの測定結果より判断した。
上記表面処理例1〜10で作製した表面処理無機難燃粉体又は未処理の無機難燃粉体150質量部、ポリプロピレン樹脂100質量部、酸化防止剤1質量部の割合で混合(使用した無機難燃粉体を表2,3に示す)したものを10kg用意した。その混合物を2軸押出機により混練し、ペレットを作製した。更に、このペレットを用いて射出成形し、テストピース作製後、物性、難燃性及び熱安定性を測定した。その結果を表2,3に示す。
(1)テストピースの作製法
粉体を105℃×16時間、更に120℃×2時間の前処理乾燥後、樹脂(ポリプロピレン)及び酸化防止剤とともに2軸押出機により230℃で混練し、そのサンプルを再び120℃×2時間乾燥を行い、射出成形機により230℃で成形した。
2軸押出機:プラスチック工学研究所製 BT−30−S2−30−L
射出成形機:日清樹脂工業(株)製 FS 120S 18A SE
(2)引張強度試験
JIS K 7113による
(3)曲げ強度、曲げ弾性率試験
JIS K 7203による
(4)難燃性試験
UL−94垂直燃焼試験による
Claims (4)
- 無機粉体を下記(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理してなることを特徴とする表面処理無機粉体。
(A)オルガノポリシロキサン
下記一般式(1)
Xm(R2)nSi(OR1)(4-m-n)・・・(1)
(式中、Xは炭素原子数6〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基、R1は炭素原子数1〜4の1価炭化水素基であり、R2は炭素原子数1〜3の1価炭化水素基であり、mは1又は2、nは0又は1であり、m+nは1又は2である。)
で表される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、又はこの有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物と、下記一般式(2)
(OR1)3-q(R2)qSi−Y−Si(R2)p(OR1)3-p・・・(2)
(式中、R1及びR2は上記と同じであり、Yは2価の有機基又は−(R4−Si(R3)2)s−(OSi(R3)2)r−R5 t−基であり、ここでR3は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基、R4は炭素原子数1〜6の2価の炭化水素基、R5は酸素原子又は炭素原子数1〜6の2価の炭化水素基、rは1〜40の整数、sは0又は1、tは0又は1である。p、qは独立に0〜3の整数であるが、p+qは0〜4の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物とを含む有機ケイ素化合物原料を、生成するオルガノポリシロキサンと分離状態となる液状の加水分解縮合触媒を用いて加水分解、重縮合したオルガノポリシロキサン。 - 加水分解縮合触媒が、尿素塩酸塩であることを特徴とする請求項1記載の表面処理無機粉体。
- 無機粉体が、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、アンチモン化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物及びリン化合物から選ばれるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理無機粉体。
- 無機粉体が、アルミニウム化合物及び/又はマグネシウム化合物である請求項1又は2に記載の表面処理無機粉体。
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