JP3097533B2 - 表面処理剤 - Google Patents

表面処理剤

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JP3097533B2
JP3097533B2 JP07346071A JP34607195A JP3097533B2 JP 3097533 B2 JP3097533 B2 JP 3097533B2 JP 07346071 A JP07346071 A JP 07346071A JP 34607195 A JP34607195 A JP 34607195A JP 3097533 B2 JP3097533 B2 JP 3097533B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカ、タルク、
クレー、水酸化アルミニウム、酸化チタン等のフィラー
の表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
シリカ、タルク、クレー、水酸化アルミニウム、酸化チ
タン等のフィラーの表面処理剤として、下記式に示され
るようなアルコキシシリル基含有シロキサン化合物或い
はシラザン化合物が知られている。
【0003】
【化3】
【0004】しかしながら、これら表面処理剤は、これ
で処理したフィラーを熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、オ
イル、溶剤等へ添加した場合の分散性、高充填化の点で
なお充分でない。
【0005】本発明は上記事情を改善するためになされ
たもので、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、オイル、溶剤
等にフィラーを添加した場合のフィラーの分散性を改良
し、また高充填化し得るようにフィラーを表面処理する
ことができる新規表面処理剤を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、下記一般式(I)で示される化合物を表面処理剤と
して用いた場合、シリカ、タルク、クレー、水酸化アル
ミニウム、酸化チタン等のフィラーを熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、オイル、溶剤等へ添加した場合の分散性の
改良、高充填化に効果があることを知見したものであ
る。
【0007】
【化4】 〔式中、Aは下記一般式(1)
【化5】 (式中、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基、アセトキシ
基、アミノ基又はハロゲン原子、R2は炭素数1〜6の
1価炭化水素基、R3はN,O又はSを含んでいてもよ
い炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、tは1〜
3を示す。)で示される加水分解性シリル基含有有機
基、Bはアリール基又はアラルキル基、Cは上記A、メ
チル基、又は水素原子、炭素数1〜10の脂肪族不飽和
1価炭化水素基、ハロゲン原子置換1価炭化水素基、グ
リシジルオキシ置換1価炭化水素基、SH基置換1価炭
化水素基、アクリロキシ置換1価炭化水素基、メタクリ
ロキシ置換1価炭化水素基から選ばれる基を示し、mは
0〜200の整数、pは0〜100の整数、qは0〜1
00の整数で、p+q≧1である。〕
【0008】更に詳述すると、上記式(I)の化合物
は、その分子末端が加水分解性シリル基であり、フィラ
ーに強固に結合すると共に、フィラー表面をフェニル基
を持つ有機ポリシロキサンで改質するため、表面を疎水
化することができ、更にフェニル基を持っていることか
らポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン等の樹
脂との相溶性、或いは“ぬれ”が改良され、フィラー樹
脂複合材料の機械的特性、例えば曲げ強度や耐衝撃性の
改良がなされる。また、本処理剤をガラスや金属等の無
機材料基材表面に処理した場合にも、表面に疎水化皮膜
を形成し、更にフェニル基を持っているために表面屈折
率を高くすることが可能となるものである。
【0009】従って、本発明は上記式(I)で示される
有機シロキサン化合物を主剤とする表面処理剤を提供す
るものである。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明は、下記一般式(I)の有機シロキサン化合
物を主剤とする表面処理剤である。
【0011】
【化6】 〔式中、Aは下記一般式(1)
【化7】 (式中、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基、アセトキシ
基、アミノ基又はハロゲン原子、R2は炭素数1〜6の
1価炭化水素基、R3はN,O又はSを含んでいてもよ
い炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、tは1〜
3を示す。)で示される加水分解性シリル基含有有機
基、Bはアリール基又はアラルキル基、Cは上記A、メ
チル基又は水素原子、炭素数1〜10の脂肪族不飽和1
価炭化水素基、ハロゲン原子置換1価炭化水素基、グリ
シジルオキシ置換1価炭化水素基、SH基置換1価炭化
水素基、アクリロキシ置換1価炭化水素基、メタクリロ
キシ置換1価炭化水素基から選ばれる基を示し、mは0
〜200の整数、pは0〜100の整数、qは0〜10
0の整数で、p+q≧1である。〕
【0012】ここで、Aの加水分解性シリル基含有有機
基としては、下記式(1)で表されるものを挙げること
ができる。
【0013】
【化8】 (式中、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基、アセトキシ
基、アミノ基又はハロゲン原子、R2は炭素数1〜6の
1価炭化水素基、R3はN,O又はSを含んでいてもよ
い炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、tは1〜
3を示す。)
【0014】具体的には、下記のものが挙げられる。
【0015】
【化9】
【0016】また、Bのアリール基、アラルキル基とし
ては、炭素数6〜12、特に6〜9であることが好まし
く、具体的には下記のものが挙げられる。
【0017】
【化10】
【0018】更に、CはA、メチル基又は加水分解性基
導入前の残基であるが、具体的には水素原子、それぞれ
炭素数1〜10の脂肪族不飽和1価炭化水素基(例えば
アルケニル基)、ハロゲン原子置換1価炭化水素基、グ
リシジルオキシ置換1価炭化水素基、SH基置換1価炭
化水素基、アクリロキシ置換1価炭化水素基、メタクリ
ロキシ置換1価炭化水素基が例示され、例えば下記のも
のを挙げることができる。
【0019】
【化11】
【0020】なお、mは0〜200であるが、好ましく
は10〜50であり、pは0〜100、好ましくは0〜
15、qは0〜100、好ましくは0〜15であるが、
pが0の場合、qは1以上、qが0の場合、pは1以上
である。
【0021】このような式(I)の化合物として、下記
のものが例示される。
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】上記式(I)の化合物は、側鎖にアリール
基又はアラルキル基を有し、末端にアルケニル基、アミ
ノ基、ハロゲン原子等の反応性基を有するシロキサン
に、アルコキシ基を有し、かつ上記反応性基と反応する
反応性基を有するシランを反応させて上記シロキサンに
アルコキシシリル基を導入する当業者にとって公知の反
応方式にて製造することができ、例えば下記の反応によ
って得ることができる。
【0025】
【化14】
【0026】上記した式(I)の分子末端に少なくとも
一つの加水分解性シリル基を有する有機官能基を持ち、
更に分子内にアリール基又はアラルキル基を持つシロキ
サン化合物はフィラーに表面処理をした場合にフィラー
に強固に結合し、フィラー表面を疎水化し、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、オイル等にフィラーを添加した場合
に、その混合時の粘度を低下させ、フィラーを高充填化
することができる。
【0027】本発明の表面処理剤は、従来公知の溶媒等
に希釈して使用してもよく、このような溶媒としては、
例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の
アルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、ヘキサン、デカン等の脂肪族炭化水素類、ジエチル
エーテルテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジ
メチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、四塩
化炭素等のハロゲン化炭化水素類、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、エチルアクリレート等のポリマー原料などが挙
げられる。
【0028】また、本発明の表面処理剤に酸化防止剤、
老化防止剤、顔料、染料、他の有機ケイ素化合物、例え
ばシランカップリング剤やシリル化剤、有機チタネート
化合物、有機アルミネート化合物、有機スズ化合物、ワ
ックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、有機スズ
化合物等のシラノール縮合触媒などを添加してもよい。
【0029】本発明の表面処理剤は従来公知の無機材料
に処理することができる。例えばシリカ、タルク、クレ
ー、マイカ粉、水酸化アルミニウム、酸化鉄、ガラスパ
ウダー、ガラスフリット、石英粉、酸化チタン、窒化ケ
イ素粉、アルミナ、アルミニウム、鉄、アスベスト、亜
鉛華等のフィラー、ガラスクロス、ガラステープ、ガラ
スマット、ガラスペーパー、ガラス板、マイカシート、
ステンレス板等が挙げられる。
【0030】本発明の表面処理剤の無機材料への処理方
法は、そのまま無機材料を浸漬させてもよく、また、ス
プレーやはけ等で塗布してもよい。フィラーに処理する
場合も、フィラーを処理剤に浸漬した後、濾別し乾燥す
るか、そのまま乾燥すればよく、また、フィラー撹拌下
処理剤をスプレー或いは滴下し、その後乾燥すればよ
い。処理の温度は室温下で行えばよいが、場合によって
は150℃以下程度の加熱下で行ってもよい。また、乾
燥についても風乾のみでもよいが50〜150℃程度で
乾燥するのが好ましい。
【0031】
【発明の効果】本発明の表面処理剤は、シリカ、タル
ク、クレー、水酸化アルミニウム、酸化チタン等のフィ
ラーを熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、オイル、溶剤等へ
添加した場合の分散性の改良、高充填化に効果がある。
【0032】
【実施例】以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。
【0033】〔合成例1〕 撹拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素導入管を備え
た1リットルフラスコに式(A)で表されるフェニル基
含有両末端ビニルポリシロキサン113.06g(0.
01モル)及びトルエン300gを仕込み、白金濃度が
50ppmとなるように塩化白金酸の2%エタノール溶
液を添加し80℃に昇温した。この溶液に式HSi(O
CH33で示されるハイドロジェントリメトキシシラン
2.44g(0.02モル)を添加し、更にこの温度で
3時間撹拌を続けた。反応終了後90℃/5mmHgに
て減圧濃縮を行い、褐色透明な液体を111.4g得
た。このものを1H−核磁気共鳴スペクトル分析、赤外
線吸収スペクトル分析にて構造確認したところ、下記式
(B)の化合物であることが認められた。
【0034】
【化15】
【0035】〔合成例2〜4〕 合成例1と同様にして表1に示す式(C)〜(E)のフ
ェニル基含有両末端ビニルポリシロキサン及びハイドロ
ジェントリメトキシシランHSi(OCH33を用いて
同様な操作を行い、得られた化合物の1H−核磁気共鳴
スペクトル分析、赤外線吸収スペクトル分析を行ったと
ころ、表1に示す化合物(F)〜(H)が得られたこと
が確認できた。
【0036】
【表1】
【0037】
【化16】
【0038】〔合成例5〕 合成例1と同様な装置に式(I)で示されるフェニル基
含有両末端アミノプロピルポリシロキサン107.5g
(0.025モル)、式(J)で示されるγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン11.8g(0.05
モル)、式(CH33SiNHSi(CH33で示され
るヘキサメチルジシラザン4.83g(0.03モ
ル)、キシレン60gを仕込み、130〜140℃にて
10時間反応を続けた。反応終了後、90℃/5mmH
gにて減圧濃縮を行い、黄色透明な液体を118.5g
得た。このものを1H−核磁気共鳴スペクトル分析、赤
外線吸収スペクトル分析にて構造確認したところ、式
(K)で示される化合物であることが認められた。
【0039】
【化17】
【0040】〔実施例1〜5、比較例1〜3〕 合成例1〜5で得られた化合物及び下記式(L)〜
(N)で示される化合物をトルエンで10%に希釈して
表面処理剤とし、次に示す方法にて表面処理を行った。
これを実施例1〜5、比較例1〜3とした。表面処理を
行った粉体を下記に示す方法にて評価した。
【0041】
【化18】
【0042】<表面処理方法> スパルタンリューザー(不二パウダル社製)にタルクを
400g仕込み、撹拌下に表面処理剤120gをスプレ
ー処理した。処理後、120℃にて3時間減圧乾燥を行
った。 <評価> 表面処理タルク1.0kgとポリプロピレン4.0kg
をラボプラストミルを用いて混練し、200℃にて20
分間圧縮成型した成型物のアイゾット衝撃強度を測定し
た。結果を表2に示すが、本発明の表面処理剤を用いた
ものはブランクや比較例を用いたものに比べ高い衝撃強
度を示した。
【0043】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−206637(JP,A) 特開 平7−118562(JP,A) 特開 平6−228457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 3/12 C07F 7/18 C08G 77/20 C08G 77/38 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔式中、Aは下記一般式(1) 【化2】 (式中、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基、アセトキシ
    基、アミノ基又はハロゲン原子、R2は炭素数1〜6の
    1価炭化水素基、R3はN,O又はSを含んでいてもよ
    い炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、tは1〜
    3を示す。)で示される加水分解性シリル基含有有機
    基、Bはアリール基又はアラルキル基、Cは上記A、メ
    チル基、又は水素原子、炭素数1〜10の脂肪族不飽和
    1価炭化水素基、ハロゲン原子置換1価炭化水素基、グ
    リシジルオキシ置換1価炭化水素基、SH基置換1価炭
    化水素基、アクリロキシ置換1価炭化水素基、メタクリ
    ロキシ置換1価炭化水素基から選ばれる基を示し、mは
    0〜200の整数、pは0〜100の整数、qは0〜1
    00の整数で、p+q≧1である。〕で示される有機シ
    ロキサン化合物を主剤とする表面処理剤。
  2. 【請求項2】 フィラーの表面処理用である請求項1記
    載の表面処理剤。
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