JP2011184417A - 重合性アセチレン化合物 - Google Patents

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正直 林
Masahiro Horiguchi
雅弘 堀口
Tetsuo Kusumoto
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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、重合性の液晶組成物を構成した場合他の液晶化合物と優れた溶解性を有し、前記重合性の液晶組成物を硬化させた場合に優れた耐熱性及び機械強度を示す重合性化合物を提供すること及び屈折率異方性の値が大きく且つ良好な光学特性を示す光学異方体を提供することである。
【解決手段】 一般式(I)
【化1】
Figure 2011184417

で表される重合性化合物を提供し、当該化合物を構成部材とする液晶組成物、更に、当該液晶組成物を用いた光学異方体、又は液晶デバイスを提供する。本願発明の重合性化合物は、他の液晶化合物との優れた溶解性を有することから重合性組成物の構成部材として有用である。又、本願発明の重合性化合物を含有する重合性成物は、液晶相温度範囲が広く当該重合性組成物を用いた光学異方体は、耐熱性が高く、偏向板、位相差板等の用途に有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は重合性化合物、及び当該化合物を含有する液晶組成物、更に当該液晶組成物の硬化物である光学異方体又は液晶デバイスに関する。
近年、情報化社会の進展に伴い液晶ディスプレイに必須な偏向板、位相差板などに用いられる光学補償フィルムの重要性は益々高まっており、耐久性が高く、高機能化が求められる光学補償フィルムには重合性の液晶組成物の重合物を使用する例が報告されている。光学補償フィルム等に用いる光学異方体は光学特性だけでなく化合物の重合速度、溶解性、融点、ガラス転移点、重合物の透明性、機械的強度、表面硬度及び耐熱性なども重要な因子となる。
重合性の液晶組成物を構成する化合物として従来は、1,4−フェニレン基をエステル結合によって連結した構造を有する化合物(特許文献1参照)や、フルオレン基を有する化合物(特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、当該引用文献記載の重合性化合物は溶解性が低く、液晶組成物からの析出等の問題があった。一方、溶解性を向上させるために桂皮酸構造をとした重合性化合物が開示されている(特許文献3参照)。この化合物は溶解性こそ改善しているが、熱及び光により容易にシス−トランス異性化を起こすため、位相差の耐熱性及び表面硬度等が低いという問題点を有していた。
特表平10−513457号公報 特開2005−60373公報 特開2005−120091公報
本発明が解決しようとする課題は、重合性の液晶組成物を構成した場合に他の重合性化合物及び液晶化合物との優れた溶解性を有し、前記重合性の液晶組成物を硬化させた場合に優れた耐熱性及び表面硬度等を示す重合性化合物を提供すること及び屈折率異方性の値が大きく且つ良好な光学特性を示す光学異方体を提供することである。
本願発明者らは重合性化合物における種々の置換基の検討を行った結果、特定の構造を有する重合性化合物が前述の課題を解決できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
本願発明は、一般式(I)
Figure 2011184417
(式中、Rは以下の式(R−1)から式(R−15)の何れか
Figure 2011184417
を表し、Sは、炭素数1〜12のアルキレン基、又は単結合を表すが、メチレン基は酸素原子、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−C≡C−又は−C=C−に置き換えられても良いが、これらにより置換した場合に2個以上の酸素原子、2個以上の−C≡C−及び2個以上の−C=C−が隣り合うことは無く、Lは、単結合、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CR11H−COO−、−COO−CR11H=CH−、−CH=CR11H−OCO−、−OCO−CR11H=CH−、−CH=C(CH)−COO−、−OCO−C(CH)=CH−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−OCOCH−、−CHOCO−、−COOCH−、−CHCOO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−又は−C≡C−を表し(式中、R11は水素原子又は炭素原子1〜4のアルキル基を表す。)、Mは、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、Mは1,4−フェニレン基、1,3,5−ベンゼントリイル基、1,3,4,5−ベンゼントリイル基、1,3,4,5−ベンゼンテトライル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3,5−シクロヘキサントリイル基、1,3,4−シクロヘキサントリイル基、1,3,4,5−シクロヘキサンテトライル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,5,6−トリイル基、ナフタレン−2,5,6,7−テトライル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,5,6−トリイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,5,6,7−テトライル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、M及びMは、お互い独立して無置換であるか又は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、又はニトロ基で置換されていても良く、Zは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、−SCN、−OCF、又は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表し、該アルキル基は酸素原子同士が直接結合しないものとしてメチレン基が酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO、−CH=CH−、又は−C≡C−で置換されても良く、又はZは−L−S−R(式中R、S及びLはR、S及びLと同じ意味を表す。)を表し、nは0、1、2又は3を表し、nが2又は3を表す場合、2個あるいは3個存在するLは同一であっても異なっていても良く、2個あるいは3個存在する、M及びMは同一であっても異なっていても良く、kは1、2又は3を表すが、kが2又は3を表す場合に、2個あるいは3個存在するZは同一であっても異なっていても良い。)で表される重合性化合物を提供し、当該化合物を構成部材とする液晶組成物、更に、当該液晶組成物を用いた光学異方体、又は液晶表示素子を提供する。
本願発明の重合性化合物は、他の重合性化合物及び液晶化合物との優れた溶解性を有することから重合性組成物の構成部材として有用である。又、本願発明の重合性化合物を含有する重合性成物は、硬化速度が速く、且つ液晶相温度範囲が広い。当該重合性組成物を用いた光学異方体は、耐熱性が高く、偏向板、位相差板等の用途に有用であり、また高分子安定化液晶表示素子にも有用である。
一般式(I)において、R及びRはお互い独立して重合性基を表すが、重合性基の具体的な例としては、下記に示す構造が挙げられる。
Figure 2011184417
これらの重合基はラジカル重合、ラジカル付加重合、カチオン重合、及びアニオン重合により硬化する。特に重合方法として紫外線重合を行う場合には、式(R−1)、式(R−2)、式(R−4)、式(R−5)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)及び式(R−15)が好ましく、式(R−1)、式(R−2)、式(R−7)、式(R−11)及び式(R−13)がより好ましく、式(R−1)及び式(R−2)がより好ましい。
及びSはお互い独立してスペーサー基又は単結合を表すが、スペーサー基としては、炭素数1〜6のアルキレン基又は単結合が好ましく、該アルキレン基は酸素原子同士が直接結合しないものとして炭素原子が酸素原子、−CO−、−COO−、−OCO−又は−OCOO−、−C≡C−、−C=C−に置き換えられても良く、溶解性の改善をより重視する場合には、酸素原子同士が直接結合しないものとして炭素原子が酸素原子、−CO−、−COO−、−OCO−又は−OCOO−、−C≡C−、−C=C−に置き換えられても良い炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、耐熱性及び表面硬度の改善をより重視する場合には、単結合が好ましい。
及びLはお互い独立して、単結合、−O−、−OCH−、−OCH−、−C−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−CH=CH−COO−、−OOC−CH=CH−、−CH=CCH−COO−、−OOC−CCH=CH−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−C≡C−、−CFO−及び−OCF−が好ましく、製造の容易性及び液晶配向性の観点から、−O−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−C−、−C≡C−及び単結合がより好ましく、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−及び単結合が特に好ましい。
は、お互い独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びナフタレン−2,6−ジイル基が好ましく、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基及びテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が更に好ましく、製造の容易さからは1,4−フェニレン基が最も好ましく、UV照射により重合させる際の重合度を上げるには、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3,4−ベンゼントリイル基が好ましい。またこれらの基はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基又はニトロ基により置換されていても良く、無置換であるか炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基又はハロゲンにより置換されていているものが更に好ましく、溶解性の改善をより重視する場合には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基又はハロゲンにより置換されていているものが好ましく、耐熱性及び表面硬度の改善をより重視する場合には、無置換のものが好ましい。
は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,3,5−ベンゼントリイル基、1,3,4−ベンゼントリイル基、1,3,4,5−ベンゼンテトライル基、1,3,5−シクロヘキサントリイル基又は1,3,4−シクロヘキサントリイル基が好ましく、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,3,5−ベンゼントリイル基及び1,3,4−ベンゼントリイル基が更に好ましく、UV照射により重合させる際の重合度を上げるには、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基又は、1,3,4−ベンゼントリイル基が好ましい。またこれらの基はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基又はニトロ基により置換されていても良く、無置換であるか炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基又はハロゲンにより置換されていているものが更に好ましく、溶解性の改善をより重視する場合には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基又はハロゲンにより置換されていているものが好ましく、機械的強度の改善をより重視する場合には、無置換のものが好ましい。
Zは、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、又は−L−S−R(式中R、S及びLはR、S及びLと同じ意味を表す)がより好ましく、重合後の架橋密度を高め、耐熱性及び表面硬度の改善や、高分子安定化液晶デバイスには、表面硬度改善するには−L−S−Rが好ましく、相溶性の向上にはフッ素原子、塩素原子、シアノ基、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、又は−L−S−Rが好ましく、セル間に印加した電圧により駆動させるためにはフッ素原子、塩素原子又はシアノ基が好ましい。
nは0、1、2又は3を表すが、nが大きいと溶解性が低下し、nが小さいと配向性が低下してしまう。このため、nが0、1及び2が好ましく、nが1及び2が特に好ましい。
kは1又は2が好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、より具体的には、下記の一般式(I−1)〜一般式(I−40)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011184417
Figure 2011184417
Figure 2011184417
Figure 2011184417
(式中、p及びqは、0〜12の整数を表すが、p又は/及びqが0であって酸素原子同士が直結した構造となる場合には、酸素原子をひとつ除去する。)
本発明の化合物は以下に記載する合成方法で合成することができる。
(製法1) 一般式(I−2)で表される化合物の製造
4−ブロモ−2−フルオロ−フェノールと4−ブロモフェニルホウ酸とをパラジウム触媒による鈴木−宮浦カップリング反応により、ビフェニル誘導体(S−1)を得る。更にプロパルギルアルコールとの薗頭反応によりフェニルアセチレン誘導体(S−2)を得る。次いで、アクリル酸クロリドとのエステル化反応により、目的物であるフェニルアセチレン誘導体(I−2)を得ることが出来る。
Figure 2011184417
(製法2) 一般式(I−6)で表される化合物の製造
4−ブロモベンジルアルコールと4−ブロモ−フェニルホウ酸とのパラジウム触媒による鈴木−宮浦カップリング反応により、ビフェニル誘導体(S−3)を得る。次いで、3−ブチン−1−オールとの薗頭反応によりフェニルアセチレン誘導体(S−4)を得て、更にアクリル酸クロリドとのエステル化反応により、目的物であるフェニルアセチレン誘導体(I−6)を得ることが出来る。
Figure 2011184417
(製法3) 一般式(I−12)で表される化合物の製造
6−メトキシ−2−ブロモナフタレンから調製したグリニア試薬とブロモヨウドベンゼンをパラジウム触媒存在下に反応させてフェニルナフタレン誘導体(S−5)を得た後、酸により加水分解して、ナフトール誘導体(S−6)を得る。更にプロパルギルアルコールとの薗頭反応によりフェニルアセチレン誘導体(S−7)を得る。次いで、アクリル酸クロリドとのエステル化反応により、目的物であるビフェニルアセチレン誘導体(I−12)を得ることが出来る。
Figure 2011184417
(製法4) 一般式(I−18)で表される化合物の製造
4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸と4−ブロモフェノールとのジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を用いたエステル化反応により、桂皮酸エステル誘導体(S−8)を得る。次いで、3−ブチン−1−オールとの薗頭反応によりフェニルアセチレン誘導体(S−9)を得て、更に6−クロロヘキシルアクリレートとの炭酸カリウム等の塩基を用いたエーテル化反応、アクリル酸クロリドとのエステル化反応により、目的物であるフェニルアセチレン誘導体(I−18)を得ることが出来る。
Figure 2011184417
(製法5) 一般式(I−22)で表される化合物の製造
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸と4−ブロモ−2−フルオロフェノールとのジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を用いたエステル化反応により、桂皮酸エステル誘導体(S−10)を得る。次いで、6−クロロヘキサノールとの炭酸カリウム等の塩基を用いたエーテル化反応、更に3−ブチン−1−オールとの薗頭反応によりフェニルアセチレン誘導体(S−11)を得る。次いで、メタアクリル酸クロリドとのエステル化反応により、目的物であるフェニルアセチレン誘導体(I−22)を得ることが出来る。
Figure 2011184417
(製法6) 一般式(I−28)で表される化合物の製造
2−フルオロ−4−ブロモビフェニルと塩化アセチルとを塩化アルミニム(III)を用いたフリーデルクラフト反応を行い、更にギ酸と過酸化水素水から調製した過ギ酸により酸化し、ヒドロキシビフェニル化合物(S−13)を得る。次いで3,5−ジヒドロキシ安息香酸とジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を用いたエステル化反応により、ビフェニル誘導体(S−14)を得る。更に3−ブチン−1−オールとの薗頭反応によりビフェニルセチレン誘導体(S−15)を得る。次いで、コハク酸モノ2−エチルメタクリレートとのエステル化反応により、目的物であるビフェニルアセチレン誘導体(I−28)を得ることが出来る。
Figure 2011184417
(製法7) 一般式(I−31)で表される化合物の製造
4−(4‘−ヒドロキシビフェニル)カルボン酸エチルとトリフルオロメタンスルホン酸無水物とのエステル化反応により、ビフェニル誘導体(S−16)を得る。更に3−ブチン−1−オールとの薗頭反応によりビフェニルセチレン誘導体(S−17)を得る。次いで3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(商品名EOXA,東亜合成社製)とを水酸化ナトリウム等の塩基の存在下でエーテル化反応させ、オキセタン誘導体(S−18)を得る。更に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を用いたエステル化反応により目的物であるビフェニルアセチレン誘導体(I−31)を得ることが出来る。
Figure 2011184417
(製法9) 一般式(I−38)で表される化合物の製造
4’−ブロモ−2’−フルオロ−4−ヒドロキシビフェニルの水酸基を3,4−ジヒドロ−2H−ピランで保護し(S−19)を得た後、3−ブチン−1−オールとの薗頭反応によりビフェニルセチレン誘導体とし、更にメタクリル酸クロリドとのエステル化反応によりビフェニル誘導体(S−20)を得た。これを塩酸により水酸基を脱保護し、メタアクリル基を有するビフェニルアセチレン誘導体(S−21)を得る。
Figure 2011184417
次いで、ヒドロキシビフェニルカルボン酸エチルと6−クロロヘキサノールとを炭酸カリウム等の塩基の存在下でエーテル化反応させ、更に水酸化カリウムで加水分解を行い水酸基を有するビフェニルカルボン酸(S−22)を得る。次いで、メタクリル酸とのエステル化反応後、ビフェニルアセチレン誘導体(S−21)とのエステル化により目的物であるビフェニルアセチレン誘導体(I−38)を得ることが出来る。
Figure 2011184417
本願発明の化合物は、ネマチック液晶、スメクチック液晶、キラルネマチック、キラルスメクチック、及びコレステリック液晶組成物に使用できる。本願発明の液晶組成物は、本願発明の化合物を一種以上用いる以外に、任意の範囲で他の重合性化合物を添加しても構わない。本願発明の重合性液晶組成物中に含まれる重合性液晶化合物としては、重合性官能基としてアクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基を有するものが特に好ましい。更に重合性液晶化合物としては、重合性官能基を分子内に2つ以上持つものが好ましい。また、本願発明の液晶組成物がコレステリック液晶の場合は、キラル化合物の添加が好ましい。更に重合性基を有しない液晶組成物を添加しても構わなく、それにより得られる液晶組成物は特に高分子安定化液晶表示素子に有用な材料である。
本願発明以外の重合性化合物の具体例としては、一般式(I)で表される化合物を含有する以外に制限はないが、組み合わせて使用する重合性液晶化合物としては、化合物中にアクリロイルオキシ基(R−1)又はメタアクリロイルオキシ基(R−2)を有するものが好ましく、重合性官能基を分子内に2つ以上持つものがより好ましい。
組み合わせて使用する重合性液晶化合物として具体的には一般式(II)
Figure 2011184417
(式中Aは、H、F、Cl、CN、SCN、OCF、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、酸素原子同士が直接結合しないものとして炭素原子が酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−で置換されて良く、又はAは−L−S−Rであり、R及びRは、重合性基であり、S及びSは、お互い独立して単結合、又は1〜12個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、ここで一つ以上の−CH−は、酸素原子同士が直接結合しないものとして炭素原子が酸素原子、−COO−、−OCO−、−OCOO−に置き換えられても良く、L、L、及びLはお互い独立して、単結合、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−CO−NR12−、−NR12−CO−、−CH=N−、−SCH−、−CHS−、−CH=CR12−COO−、−OCO−CR12=CH−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−OCOCH−、−CHCOO−、−CH=CH−、−C−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−又は−C≡C−を表すが(式中、R12は炭素原子1〜4のアルキル基を表す。)、M、及びMはお互い独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、フルオレン−2,7−ジイルを表すが、M、及びMはお互い独立して無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、又はニトロ基に置換されていても良く、lは0、1、2又は3を表すが、lが2又は3を表す場合、2個あるいは3個存在するL及び/又はMは同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物が挙げられる。
特に、L、L、及びLがお互い独立して、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、M、及びMがお互い独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基で表される化合物が好ましい。
一般式(II)で表される化合物は具体的には、一般式(II−1)〜一般式(II−22)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011184417
Figure 2011184417
(式中、a及びbは、0〜12の整数を表すが、a又は/及びbが0であって酸素原子同士が直結した構造となる場合には、酸素原子をひとつ除去する。)
また、本願発明の液晶組成物に使用する重合性液晶化合物としては、液晶温度範囲や複屈折率の調節、粘度低減、重合速度の向上及び表示特性向上を目的として一般式(II−23)〜一般式(II−40)を配合することが好ましい。
Figure 2011184417
Figure 2011184417
(式中、a及びbは、0〜12の整数を表すが、a又は/及びbが0であって酸素原子同士が直結した構造となる場合には、酸素原子をひとつ除去する。)
本願発明の液晶組成物がコレステリック液晶の場合は、通常キラル化合物を添加するが、具体的な化合物としては一般式(III−1)〜一般式(III−8)に示される化合物が好ましい。キラル化合物の配合量は、液晶組成物に対して、0.5〜30重量%が好ましく、2〜20重量%がより好ましい。
Figure 2011184417
(式中、a及びbは、0〜12の整数を表すが、a又は/及びbが0であって酸素原子同士が直結した構造となる場合には、酸素原子をひとつ除去する。)
更に本発明の液晶組成物に、重合性基を有しない液晶組成物に添加してもよく、通常の液晶デバイス、例えばSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)液晶や、TN(ツイステッド・ネマチック)液晶、TFT(薄膜トランジスター)液晶等に使用されるネマチック液晶組成物、強誘電液晶組成物等が挙げられる。
また、重合性官能基を有する化合物であって、液晶性を示さない化合物を添加することもできる。このような化合物としては、通常、この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく使用することができるが、その添加量は組成物として液晶性を呈するように調整する必要がある。
本発明の液晶組成物は、π電子を持つ−C≡C−を有するため紫外線吸収域が広く重合開始剤を添加しなくても光又は熱による重合が可能であり、特に高分子安定化液晶デバイスに使用する場合には、光開始剤由来の不純物がないため信頼性が向上する。また、−C≡C−は化学的に安定であり、特に隣接した芳香環があると紫外線吸収域が広くなり、また化学的な安定性も増す。更に−C≡C−を分子内に持つと液晶化合物との相溶性が向上し、析出等による不具合を改善することができる。また−C≡C−が環構造、特に2個のベンゼンの間にある(トラン構造)とベンゼン同士は捩れた位置関係となってしまう。さらにトラン構造の化合物は、紫外線の照射によりその構造が分解し、着色、信頼性低下を起こすため液晶デバイスには不適である。
光重合開始剤を添加する場合は、光重合開始剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜10質量%が更に好ましく、0.4〜5質量%が特に好ましい。光開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド等が挙げられる。
また、本発明の液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン類、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して0.005〜1質量%の範囲が好ましく、0.02〜0.5質量%が更に好ましく、0.03〜0.1質量%が特に好ましい。
また、本発明の液晶組成物を位相差フィルム、偏光フィルムや配向膜の原料、又は印刷インキ及び塗料、保護膜等の用途に利用する場合には、その目的に応じて金属、金属錯体、染料、顔料、色素、蛍光材料、燐光材料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等を添加することもできる。
次に本発明の光学異方体について説明する。本発明の液晶組成物を重合させることによって製造される光学異方体は種々の用途に利用できる。例えば、本発明の重合性液晶組成物を、配向させない状態で重合させた場合、光散乱板、偏光解消板、モアレ縞防止板として利用可能である。また、本発明の重合性液晶組成物を配向させた状態において、重合させることにより製造された光学異方体は、物理的性質に光学異方性を有しており、有用である。このような光学異方体は、例えば、本発明の重合性液晶組成物表面を、布等でラビング処理した基板、もしくは有機薄膜を形成した基板表面を布等でラビング処理した基板、あるいはSiOを斜方蒸着した配向膜を有する基板上に担持させるか、基板間に挟持させた後、本発明の液晶を重合させることによって製造することができる。
重合性液晶組成物を基板上に担持させる際の方法としては、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法等を挙げることができる。またコーティングの際、重合性液晶組成物をそのまま使用しても、有機溶媒を添加しても良い。有機溶媒としては、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、セロソルブ、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン、アセトキシ−2−エトキシエタン、プロピレングリコールモノメチルアセタート、N−メチルピロリジノン類を挙げることができる。これらは単独でも、組み合わせて用いても良く、その蒸気圧と重合性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択すれば良い。また、その添加量は90重量%以下が好ましい。添加した有機溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。重合性液晶材料の塗布性を更に向上させるためには、基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けることや、重合性液晶材料にレベリング剤を添加するのも有効である。基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けるのは、重合性液晶材料を重合させて得られる光学異方体と基板の密着性が良くない場合に、密着性を向上させる手段としても有効である。
液晶組成物を基板間に挟持させる方法としては、毛細管現象を利用した注入法が挙げられる。基板間に形成された空間を減圧し、その後液晶材料を注入する手段も有効である。
ラビング処理、あるいはSiOの斜方蒸着以外の配向処理としては、液晶材料の流動配向の利用や、電場又は磁場の利用を挙げることができる。これらの配向手段は単独で用いても、また組み合わせて用いても良い。更に、ラビングに代わる配向処理方法として、光配向法を用いることもできる。この方法は、例えば、ポリビニルシンナメート等の分子内に光二量化反応する官能基を有する有機薄膜、光で異性化する官能基を有する有機薄膜又はポリイミド等の有機薄膜に、偏光した光、好ましくは偏光した紫外線を照射することによって、配向膜を形成するものである。この光配向法に光マスクを適用することにより配向のパターン化が容易に達成できるので、光学異方体内部の分子配向も精密に制御することが可能となる。
基板の形状としては、平板の他に、曲面を構成部分として有していても良い。基板を構成する材料は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。基板の材料となる有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、また、無機材料としては、例えば、シリコン、ガラス、方解石等が挙げられる。
これらの基板を布等でラビングすることによって適当な配向性を得られない場合、公知の方法に従ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビングしても良い。また、通常のTN液晶デバイス又はSTN液晶デバイスで使用されているプレチルト角を与えるポリイミド薄膜は、光学異方体内部の分子配向構造を更に精密に制御することができることから、特に好ましい。
また、電場によって配向状態を制御する場合には、電極層を有する基板を使用する。この場合、電極上に前述のポリイミド薄膜等の有機薄膜を形成するのが好ましい。
本発明の液晶組成物を重合させる方法としては、迅速な重合の進行が望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。また、照射時の温度は、本発明の液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。特に、光重合によって光学異方体を製造しようとする場合には、意図しない熱重合の誘起を避ける意味からも可能な限り室温に近い温度、即ち、典型的には25℃での温度で重合させることが好ましい。活性エネルギー線の強度は、0.1mW/cm〜2W/cmが好ましい。強度が0.1mW/cm以下の場合、光重合を完了させるのに多大な時間が必要になり生産性が悪化してしまい、2W/cm以上の場合、重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物が劣化してしまう危険がある。
また重合によって得られた本発明の光学異方体は、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜250℃の範囲で、また熱処理時間は30秒〜12時間の範囲が好ましい。このような方法によって製造される本発明の光学異方体は、基板から剥離して単体で用いても、剥離せずに用いても良い。また、得られた光学異方体を積層しても、他の基板に貼り合わせて用いてもよい。
更に、本願記載の重合性化合物を非重合性の液晶組成物に添加してもよい。液晶表示素子に関しては液晶媒体に重合性化合物を添加して表示特性を向上させる例が報告されており、液晶セル内の液晶分子の配向を制御するために本願化合物を使用することもできる。これらは高分子安定型液晶表示素子と呼ばれる。具体的な液晶組成物としては通常の液晶表示素子、例えばSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)液晶や、TN(ツイステッド・ネマチック)液晶、TFT(薄膜トランジスター)液晶等に使用されるネマチック液晶組成物、強誘電液晶組成物等が挙げられる。これらに使用される重合性化合物は、重合後に液晶材料の配向性を制御し、その配向状態を長期に渡って保持する必要がある。このため、液晶の配向規制力と硬化物の機械強度が要求される。また、硬化後に重合性化合物が残っていたり、多量の重合開始剤が残っていると表示不良を惹き起こすことから、少量の重合開始剤若しくは重合開始剤を使用しなくとも重合が進行することが求められる。
また、重合性官能基を有する化合物であって、液晶性を示さない化合物を添加することもできる。このような化合物としては、通常、この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく使用することができる。非重合性液晶組成物に添加する場合、その添加量は組成物として液晶性を呈するように調整する必要があり、一般式(I)で表される重合性化合物を少なくとも1種を含有するが、1種〜5種含有することが好ましく、1種〜3種含有することが特に好ましい。また、一般式(I)で表される化合物の含有率は、少ないと非重合性液晶化合物に対する配向規制力が弱くなり、多すぎると重合時の必要エネルギーが上昇し、重合せず残存してしまう重合性化合物の量が増してしまうため、下限値は0.01質量%であることが好ましく、0.03質量%であることがより好ましく、上限値は2.0質量%であることが好ましく、1.0質量%であることがより好ましい。
非重合性の液晶組成物としては、一般式(IV)
Figure 2011184417
(式中、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
21、M22及びM23はお互い独立して
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、及び
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、
oは0、1又は2を表し、
21、及びL22はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−又は−C≡C−を表し、L22及び/又はM23が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良い。)で表される化合物を一種又は二種以上含有し、第三成分として、一般式(Va)、一般式(Vb)及び一般式(Vc)
Figure 2011184417
(式中R31、R32及びR33はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
31、M32、M33、M34、M35、M36、M37、及びM38はお互い独立して、
(d) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(e) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、及び、
(f) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(d)、基(e)又は基(f)に含まれる水素原子はそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されていても良く、
31、L32、L33、L34、L35、L36、L37及びL38はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M32、M34、M35、M37、M38、L31、L33、L35、L36、及び/又はL38が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
31、X32、X33、X34、X35、X36、及びX37はお互い独立して水素原子又はフッ素原子を表し、
31、Y32、及びY33はお互い独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、チオシアナト基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、又はジフルオロメトキシ基を表し、
31、X32、又はY31のうち少なくともひとつはフッ素原子、塩素原子、シアノ基、チオシアナト基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、又はジフルオロメトキシ基を表すか、M31、又はM32、に含まれる水素原子のうち少なくともひとつはシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子を表し、
33、X34、X35、又はY32のうち少なくともひとつはフッ素原子、塩素原子、シアノ基、チオシアナト基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ジフルオロメトキシ基を表すか、M33、M34、又はM35、に含まれる水素原子のうち少なくともひとつはシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子を表し、
36、X37、又はY33のうち少なくともひとつはフッ素原子、塩素原子、シアノ基、チオシアナト基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ジフルオロメトキシ基を表すか、M36、M37、及びM38、に含まれる水素原子のうち少なくともひとつはシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子を表し、
c、d、e、f、及びgはお互い独立して、0、1又は2を表すが、d+e及びf+gは2以下である。)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物又は一般式(VIa)、一般式(VIb)及び一般式(VIc)
Figure 2011184417
(式中R41、R42、R43、R44、R45及び、R46はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
41、M42、M43、M44、M45、M46、M47、M48、及びM49はお互い独立して、
(d) トランス-1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(e) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)及び、
(f) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(d)、基(e)又は基(f)に含まれる水素原子はそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されていても良く、
41、L42、L43、L44、L45、L46、L47、L48、及びL49はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M42、M43、M45、M46、M48、M49、L41、L43、L44、L46、L47及び/又はL49が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
41、X42はお互い独立してトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表し、X43、X44、X45、X46、X47、及びX48はお互い独立して水素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表すが、X41及びX42の何れか一つはフッ素原子を表し、X43、X44、及びX45の何れか一つはフッ素原子を表し、X46、X47、及びX48の何れか一つはフッ素原子を表すが、X46、及びX47、は同時にフッ素原子を表すことはなく、X46、及びX48は同時にフッ素原子を表すことはない、
Gはメチレン基又は−O−を表し、
h、i、j、r、s、及びtはお互い独立して、0、1又は2を表すが、h+i、j+r及びs+tは2以下である。)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を一種又は二種以上含有することを特徴とする液晶組成物が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
(実施例1)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニル 25g(100ミリモル)、プロパルギルアルコール 8.4g(150ミリモル)、トリエチルアミン 12g(120ミリモル)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 2.4g、ヨウ化銅(I)1g、ジメチルホルムアミド 300mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下で反応器を90℃に加熱し反応させた。反応終了後、酢酸エチル及びTHFを加え、10%塩酸水溶液、純水、飽和食塩水で有機層を洗浄した。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカゲルカラムにより精製を行い式(1)に示す化合物14.5gを得た。
Figure 2011184417
次いで、撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、上記の式(1)に示す化合物14.5g(65ミリモル)、メタクリル酸クロリド 16.3g(156ミリモル)、ジクロロメタン150mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下で反応器を5℃以下に冷却した。次いでトリエチルアミン 16g(156ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、20℃以下で3時間反応させた。反応終了後、ジクロロメタンを加え、10%塩酸水溶液、純水、飽和食塩水で有機層を洗浄した。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカゲルカラムにより精製を行い、ジクロロメタン/メタノールの混合溶媒から再結晶することにより式(2)に示す目的の化合物18gを得た。この化合物の融点は82℃であった。
Figure 2011184417
(物性値)
H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:1.96(s,3H),2 .04(s,3H),5.00(s,2H),5.63(m,1H),5.77(m,1H),6.21(s,1H),6.37(s,1H),7.19(d,2H),7.54(s,4H),7.62(d,2H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:18.3,53.0,83.8,86.1,121.1,122.0,126.4,126.8,127.4,128.0,132.3,135.7,140.5,150.6,165.7,166.6
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr):2925,2855,1760,1652−1622,809 cm−1
融点:82℃
(実施例2)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に4−ブロモ−4’−ヒドロキシメチルビフェニル 26g(100ミリモル)、プロパルギルアルコール 8.4g(150ミリモル)、トリエチルアミン 12g(120ミリモル)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 2.4g、ヨウ化銅(I)1g、ジメチルホルムアミド 300mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下で反応器を90℃に加熱し反応させた。反応終了後、酢酸エチル及びTHFを加え、10%塩酸水溶液、純水、飽和食塩水で有機層を洗浄した。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカゲルカラムにより精製を行い(3)に示す化合物13gを得た。
Figure 2011184417
次いで、撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、上記の式(3)に示す化合物13g(54ミリモル)、メタクリル酸クロリド 13.5g(130ミリモル)、ジクロロメタン150mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下で反応器を5℃以下に冷却した。次いでトリエチルアミン 13g(130ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、20℃以下で3時間反応させた。反応終了後、ジクロロメタンを加え、10%塩酸水溶液、純水、飽和食塩水で有機層を洗浄した。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカゲルカラムにより精製を行い、ジクロロメタン/メタノールによる再結晶により式(2)に示す目的の化合物15gを得た。この化合物の融点は72℃であった。
Figure 2011184417
(物性値)
H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:1.98(s,6H),5.01(s,2H),5.23(s,2H),5.63(s,1H),5.64(s,1H),6.17(s,1H),6.21(s,1H),7.44(d,2H),7.54(s,4H),7.64(d,2H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:18.3,53.0,66.0,83.8,86.1,121.2,125.9,126.4,126.9,127.1,128.5,132.3,135.6,135.7,136.1,140.9
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr):2925,2855,1760,1652−1622,809 cm−1
融点:72℃
(実施例3)
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 18g(100ミリモル)、4−ブロモ−2−フルオロフェノール 19g(100ミリモル)、ジメチルアミノピリジン 120mg、塩化メチレン 150mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下でジイソプロピルカルボジイミド 13.8g(110ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し5時間反応させた。反応液をろ過した後、ろ液に塩化メチレン200mlを加え、10%塩酸水溶液で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカゲルカラムにより精製を行い、塩化メチレン/メタノールによる再結晶により式(5)に示す目的の化合物25gを得た。
Figure 2011184417
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に3−ブチン−1−オール 7g、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩 2g、塩化メチレン50mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン10gをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し2時間反応させた。反応液を純水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去して、水酸基を保護した式(6)に示す化合物15gを得た。
Figure 2011184417
撹拌装置、冷却器、及び温度計を備えた反応容器に上記式(5)に示す化合物 25g(69ミリモル)、上記式(6)に示す化合物 12.7g(83ミリモル)、トリエチルアミン 10g(100ミリモル)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 4g、ヨウ化銅(I)650mg、ジメチルホルムアミド 300mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下で反応器を90℃に加熱し反応させた。反応終了後、酢酸エチル及びTHFを加え、5%塩酸水溶液、純水、飽和食塩水で有機層を洗浄した。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のアルミナカラムにより精製を行い(7)に示す化合物22gを得た。
Figure 2011184417
更に、撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、上記式(7)に示す化合物22g(50ミリモル)、4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸 14.6g(50ミリモル)、ジメチルアミノピリジン 700mg、塩化メチレン 200mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下でジイソプロピルカルボジイミド 7.6g(60ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し5時間反応させた。反応液をろ過した後、ろ液に塩化メチレン200mlを加え、5%塩酸水溶液で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のアルミナカラムにより精製を行い、塩化メチレン/メタノールによる再結晶により式(8)に示す化合物28.3gを得た。
Figure 2011184417
次いで、撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、上記式(8)に示す化合物28g(40ミリモル)、テトラヒドロフラン 100mlを仕込み、塩酸0.2mlのメタノール溶液10mlをゆっくり滴下した。滴下終了後、1時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル及びTHFを加え、10%塩酸水溶液、純水、飽和食塩水で有機層を洗浄した。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカゲルカラムにより精製を行い(9)に示す化合物22gを得た。
Figure 2011184417
次いで、撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、上記式(9)に示す化合物22g(35ミリモル)、アクリル酸クロリド 3.8g(42ミリモル)、ジクロロメタン150mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下で反応器を5℃以下に冷却した。次いでトリエチルアミン 4.2g(42ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、20℃以下で3時間反応させた。反応終了後、ジクロロメタンを加え、10%塩酸水溶液、純水、飽和食塩水で有機層を洗浄した。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカゲルカラムにより精製を行い、ジクロロメタン/メタノールによる再結晶により式(10)に示す目的の化合物19gを得た。
Figure 2011184417
(実施例4)
以下に示す組成の重合性液晶組成物(組成物1)を調製した。
Figure 2011184417
重合性液晶組成物は、他の化合物と良好な相溶安定性を有し、ネマチック液晶相を示した。この組成物に光重合開始剤 イルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカル社製)を3%添加して重合性液晶組成物(組成物2)を調製した。この組成物2のシクロヘキサノン溶液を、ポリイミド付きガラスにスピンコートし、これに高圧水銀ランプを用いて4mW/cmの紫外線を120秒間照射したところ、組成物2が均一な配向状態を保ったまま重合し、光学異方体が得られた。得られた光学異方体の屈折率異方性は、0.22であった。この光学異方体の表面硬度(JIS−S−K−5400による)はHであった。得られた光学異方体の加熱前の位相差を100%としたとき、240℃、1時間加熱後の位相差は90%であり、位相差減少率は10%だった。更に得られた光学異方体に高圧水銀ランプを用いて5mW/cmの光を5分照射後の位相差は92%であり、位相差減少率は、8%であった。
(比較例1)
以下に示す組成の重合性液晶組成物(組成物3)を調製した。
Figure 2011184417
重合性液晶組成物は、ネマチック液晶相を示したが、溶解性が悪く室温1時間で結晶が析出した。
(比較例2)
以下に示す組成の重合性液晶組成物(組成物4)を調製した。
Figure 2011184417
重合性液晶組成物は、良な相溶安定性を有し、ネマチック液晶相を示した。この組成物に光重合開始剤 イルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカル社製)を3%添加して重合性液晶組成物(組成物5)を調製した。この組成物5のシクロヘキサノン溶液を、ポリイミド付きガラスにスピンコートし、これに高圧水銀ランプを用いて4mW/cmの紫外線を120秒間照射したところ、組成物3が均一な配向状態を保ったまま重合し、光学異方体が得られた。得られた光学異方体の屈折率異方性は、0.21であった。
この光学異方体の表面硬度(JIS−S−K−5400による)はBであった。得られた光学異方体の加熱前の位相差を100%としたとき、240℃、1時間加熱後の位相差は73%であり、位相差減少率は27%だった。更に得られた光学異方体に高圧水銀ランプを用いて5mW/cmの光を5分照射後の位相差は81%であり、位相差減少率は、19%であった。このように、比較例2の組成物5は、本願発明の組成物2と比較して、作製できる光学異方体の位相差減少率が大きく、耐熱性に劣ることが明らかである。又表面硬度、屈折率異方性も低く、実施例に比較して不十分なものであった。

Claims (12)

  1. 一般式(I)
    Figure 2011184417
    (式中、Rは以下の式(R−1)から式(R−15)の何れか
    Figure 2011184417
    を表し、Sは、炭素数1〜12のアルキレン基、又は単結合を表すが、メチレン基は酸素原子、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−C≡C−又は−C=C−に置き換えられても良いが、これらにより置換した場合に2個以上の酸素原子、2個以上の−C≡C−及び2個以上の−C=C−が隣り合うことは無く、Lは、単結合、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CR11−COO−、−COO−CR11=CH−、−CH=CR11−OCO−、−OCO−CR11=CH−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−OCOCH−、−CHOCO−、−COOCH−、−CHCOO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−又は−C≡C−を表し(式中、R11は水素原子又は炭素原子1〜4のアルキル基を表す。)、Mは、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、Mは1,4−フェニレン基、1,3,5−ベンゼントリイル基、1,3,4−ベンゼントリイル基、1,3,4,5−ベンゼンテトライル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3,5−シクロヘキサントリイル基、1,3,4−シクロヘキサントリイル基、1,3,4,5−シクロヘキサンテトライル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,5,6−トリイル基、ナフタレン−2,5,6,7−テトライル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,5,6−トリイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,5,6,7−テトライル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、M及びMは、お互い独立して無置換であるか又は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、又はニトロ基で置換されていても良く、Zは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、−SCN、−OCF、又は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表し、該アルキル基は酸素原子同士が直接結合しないものとしてメチレン基が酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO、−CH=CH−、又は−C≡C−で置換されても良く、又はZは−L−S−R(式中R、S及びLはR、S及びLと同じ意味を表す。)を表し、nは0、1、2又は3を表し、nが2又は3を表す場合、2個あるいは3個存在するLは同一であっても異なっていても良く、2個あるいは3個存在するMは同一であっても異なっていても良く、kは1、2又は3を表すが、kが2又は3を表す場合、2個あるいは3個存在するZは同一であっても異なっていても良い。)で表される重合性化合物。
  2. 一般式(I)において、Lが−O−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−C−、−C≡C−、又は単結合を表し、Mが1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基又は、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、Mが1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,3,5−ベンゼントリイル基又は1,3,4−ベンゼントリイル基を表すが、M及びMはお互い独立してアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基又はニトロ基により置換されていても良い請求項1記載の重合性化合物。
  3. nが0、1及び2を表す請求項1又は2記載の重合性化合物。
  4. 一般式(I)において、Mが無置換であるかアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基又はニトロ基により置換されていても良い1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基又は、1,3,4−ベンゼントリイル基を表す請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性化合物。
  5. 一般式(I)において、R及びRがお互いに独立して式(R−1)又は式(R−2)を表す請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合性化合物。
  6. nが1又は2を表す請求項1、2、4又は5のいずれか1項に記載の重合性化合物。
  7. が−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表す請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合性化合物。
  8. nが0であり、Mが1,4−フェニレン基、1,3,5−ベンゼントリイル基、1,3,4−ベンゼントリイル基、1,3,4,5−ベンゼンテトライル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,5,6−トリイル基又はナフタレン−2,5,6,7−テトライル基を表すか又は、nが1、2又は3であり、Mが1,4−フェニレン基又はナフタレン−2,6−ジイル基を表す請求項1、2、4、5又は7のいずれか1項に記載の重合性化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載される重合性化合物を含有する液晶組成物。
  10. 請求9記載の重合性化合物を含有する液晶組成物の重合体により構成される光学異方体。
  11. 請求項10記載の光学異方体を用いることを特徴とする液晶表示素子。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載される重合性化合物及び非重合性液晶化合物を含有する液晶組成物を重合し得られる高分子安定型液晶表示素子。
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