JP2011180732A - 紙葉類集積装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣接する羽根の間に紙幣を確実に収容可能で、かつ羽根の間に収容された紙幣の取りこぼしを防止し、さらに、紙幣を均一に揃えて集積部に積層可能とする。
【解決手段】外周面に複数の羽根15を有し、隣接する羽根15の間に紙幣12を収容して回転搬送する羽根車14と、羽根車14で搬送された紙幣12を集積する集積部16と、該集積部16に紙幣12を案内すべく紙幣12の搬送先端が当接する案内部材18とを備えた紙葉類集積装置10であって、羽根車14は、紙幣12よりも幅狭の間隔で駆動軸22に固定された一対の対称な第1及び第2の羽根車14A、14Aと、第1及び第2の羽根車14A,14Aの間で駆動軸22に固定され第1及び第2の羽根車14A,14Aと同一形状の第3の羽根車14Bとを有し、第3の羽根車14Bを、第1及び第2の羽根車14A,14Aに対して回転位相をずらして配置した。
【選択図】図4A

Description

本発明は、紙幣、小切手、有価証券等の紙葉類を羽根車により搬送して集積部内に集積する紙葉類集積装置に関する。
この種、紙葉類集積装置は、例えば指定した枚数(例えば100枚)ごとに紙葉類(例えば紙幣)を結束するために、集積部に積層する装置である。この紙葉類集積装置は、順次連続して搬送される紙幣を、隣接する羽根の間に受け入れて回転搬送し、集積部に落下させて積層している。
図1A〜図1Cは、紙幣を縦収納(紙幣面が重力方向と略平行となるような収納)したときの紙葉類集積装置の従来例を示している。
図1Aに示すように、搬送ローラ対120,120’によって矢印A方向に供給された紙幣112が、羽根115と羽根115の間に収容されて矢印B方向に回転搬送されていても、たまたま、紙幣112’の搬送先端が羽根115の先端部に衝突する等の原因により、この紙幣112’は羽根115と羽根115の間に入り込まずに羽根115にはじかれてしまうことがある。
この場合、図1Bに示すように、羽根115にはじかれた紙幣112’は、収納された紙幣112に対し直交するように当接し、その当接位置と羽根115の先端とで支持された状態のまま保持されてしまう。
すると、図1Cに示すように、この紙幣112’の上に、後から次々と搬送されてくる紙幣112が乗ってしまい、均一に積層されない(ジャムの発生の)おそれがあった。
一方、図2は、紙幣を横収納(紙幣面が重力方向と略直交方向となるような収納)したときの紙葉類集積装置の従来例を示している。
図2に示すように、矢印C方向に供給された紙幣112が、矢印D方向に案内部材118や集積部116に当ったときの紙幣112の搬送速度が速いと、矢印E方向に紙幣112が跳ね返り、不揃いのまま集積されるおそれがあった。
これを解決すべく、例えば特許文献1では、紙幣の搬送先端が羽根車の羽根の先端部に衝突しないように、紙幣を1枚ずつ供給する紙幣供給部からの供給タイミングと、羽根車の回転位相と、を最適位相に制御する技術が開示されている。
また、特許文献2では、紙幣を受け入れる入口部を有する集積箱と、入口部に向けて搬送されてきた紙幣に接触するように入口部に減速シートを設け、次々と搬送されてくる紙幣を減速して1枚ずつ集積可能とした点が開示されている。
特開2002−193517号公報 特開平8−245040号公報
しかしながら、特許文献1では、複数箇所にセンサを配置して夫々の位置での紙幣の速度等をその都度検出し、それに応じて搬送ベルトの速度等も調整しなければならず、制御内容が煩雑となる。
また、特許文献2では、減速シートの間に紙幣を通過させることで搬入速度を減速しているが、環境湿度の違いや紙幣の種類等により一律に減速することは困難である。
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、隣接する羽根の間に紙葉類を確実に収容可能で、かつ羽根の間に収容された紙葉類の取りこぼしを防止し、さらに、紙葉類を均一に揃えて集積部に積層可能とした紙葉類集積装置を提供することを目的とする。
本発明の紙葉類集積装置は、外周面に複数の羽根を有し、隣接する羽根の間に紙葉類を収容して回転搬送する羽根車と、該羽根車で搬送された前記紙葉類を集積する集積部と、該集積部に前記紙葉類を案内すべく該紙葉類の搬送先端が当接する案内部材と、を備えた紙葉類集積装置であって、
前記羽根車は、前記紙葉類よりも幅狭の間隔で駆動軸に固定された一対の対称な第1の羽根車及び第2の羽根車と、該第1及び第2の羽根車の間で前記駆動軸に固定され前記第1及び第2の羽根車と同一形状の第3の羽根車と、を有し、
該第3の羽根車を、前記第1及び第2の羽根車に対して回転位相をずらして配置した。
本実施の形態によれば、第1及び第2の羽根車の間に回転位相をずらした第3の羽根車を追加したことで、隣接する羽根の間に紙葉類を確実に収容することが可能となり、また、収容した紙葉類に凸状の折り目をつけ、羽根と紙葉類との間の摩擦力を大きくしたので、紙葉類の取りこぼしの防止が可能となる。
また、隣接する羽根の間に収容した紙葉類に凸状の折り目をつけることで、紙葉類が羽根車からリリースされるときの速度を減少させ、案内部材による紙葉類の跳ね返りを軽減して、紙葉類の収納時の不揃いを改善することが可能となる。
また、本発明の紙葉類集積装置は、外周面に複数の羽根を有し、隣接する羽根の間に紙葉類を収容して回転搬送する羽根車と、該羽根車で搬送された前記紙葉類を集積する集積部と、該集積部に前記紙葉類を案内すべく該紙葉類の搬送先端が当接する案内部材と、を備えた紙葉類集積装置であって、
前記羽根車は、前記紙葉類よりも幅狭の間隔で駆動軸に固定された一対の対称な第1の羽根車及び第2の羽根車を有し、
前記第1及び第2の羽根車の間に前記駆動軸に固定された円柱状のローラを配置した。
本実施の形態によれば、第1及び第2の羽根車の間に円柱状のローラを追加したことで、収容した紙葉類に凸状の折り目をつけ、羽根と紙葉類との間の摩擦力を大きくして、紙葉類の取りこぼしの防止が可能となる。また、紙葉類についた凸状の折り目により、紙葉類が羽根車からリリースされるときの速度を減少させ、紙葉類の収納時の不揃いを改善することが可能となる。
さらに、本発明の紙葉類集積装置は、外周面に複数の羽根を有し、隣接する羽根の間に紙葉類を収容して回転搬送する羽根車と、該羽根車で搬送された前記紙葉類を集積する集積部と、該集積部に前記紙葉類を案内すべく該紙葉類の搬送先端が当接する案内部材と、を備えた紙葉類集積装置であって、
前記羽根車は、前記紙葉類よりも幅狭の間隔で駆動軸に固定された一対の対称な第1の羽根車及び第2の羽根車を有し、
前記第1及び第2の羽根車の夫々の羽根の外表面に突起部を形成した。
本実施の形態によれば、第1及び第2の羽根車の夫々の羽根の外表面に突起部を形成したことで、羽根と紙葉類との間の摩擦力を大きくして、紙葉類の取りこぼしの防止が可能となる。また、紙葉類が羽根車からリリースされるときの速度を減少させ、紙葉類の収納時の不揃いを改善することが可能となる。
本発明によれば、隣接する羽根の間に紙葉類を確実に収容可能で、かつ羽根の間に収容された紙葉類の取りこぼしを防止し、さらに、紙葉類を均一に揃えて集積部に積層可能とした紙葉類集積装置を提供することができる。
紙幣を縦収納したときの紙葉類集積装置の従来例を示す図である。 紙幣を縦収納したときの紙葉類集積装置の従来例を示す図である。 紙幣を縦収納したときの紙葉類集積装置の従来例を示す図である。 紙幣を横収納したときの紙葉類集積装置の従来例を示す図である。 第1の実施の形態の紙葉類集積装置の側面図である。 羽根車の正面図である。 同上の側面図である。 同上の側面図である。 第1及び第2の羽根車の間に位相をずらした第3の羽根車を追加したことによる作用説明図である。 紙幣を横収納したときの紙葉類集積装置の側面図である。 第2の実施の形態の紙葉類集積装置の羽根車の正面図である。 同上の側面図である。 第3の実施の形態の紙葉類集積装置の羽根車の正面図である。 同上の側面図である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図3は、第1の実施の形態の紙葉類集積装置の側面図であり、図4Aは、羽根車の正面図、図4B及び図4Cは、その側面図である。
図3において、この紙葉類集積装置10は、紙幣、小切手、有価証券等の紙葉類としての、例えば紙幣12を縦収納する形式の装置である。
この紙葉類集積装置10は、外周面に複数の羽根15を有し、隣接する羽根15、15の間に紙幣12を収容して矢印F方向に回転搬送する羽根車14と、この羽根車14で搬送された紙幣12を集積する集積部16と、この集積部16に紙幣12を案内すべく紙幣12の搬送先端が当接する案内部材18と、を備えている。
なお、羽根車14には、搬送ローラ対20,20’によって紙幣12が一定方向に一定速度で連続的に1枚ずつ供給されるものとする。
さらに、紙幣12は羽根車14によって1枚ずつ回転搬送されるとともに、紙幣12の搬送先端の左右側は案内部材18に当接しながら搬送される。こうして、紙幣12は、搬送途中から下方に傾斜する案内部材18に沿って移動する。やがて、羽根車14から離脱して集積部16に自重で集積される。この場合、紙幣12が自重で移動し易いように、集積部16の下面は奥行き側(図3の右側)が下方に若干傾斜している。
図4Aに示すように、羽根車14は、中央の羽根車本体21と、その外周面に等間隔で一体的に形成された複数の羽根15と、を有している。複数の羽根15は、全体として渦巻き状をなすように夫々が湾曲して形成されている。
この羽根車14及び羽根15は、例えば成形技術を用いて合成樹脂により成形することができる。合成樹脂で羽根車14等を形成した場合、軽量であるため回転制御が容易であり、また、近年の成形技術の進歩により精密成形も可能となる。また、合成樹脂を用いた場合、紙幣12を傷付けるおそれが少ない。ただし、羽根車14及び羽根15の材質は合成樹脂に限らず、例えば金属等を用いてもかまわない。
ここで、本実施の形態では、説明の便宜上、一対の対称な第1の羽根車及び第2の羽根車として、夫々同一の符号14Aを付して説明する。また、第1及び第2の羽根車14A,14Aに設けられた夫々の羽根についても、同様に、夫々同一の符号15Aを付して説明する。この点は、後述する全ての実施の形態を通じて共通する。
図4A〜図4Cに示すように、羽根車14は、紙幣12よりも幅狭の間隔で駆動軸22に固定された一対の対称な第1の羽根車14A及び第2の羽根車14Aと、この第1及び第2の羽根車14A,14Aの間で駆動軸22に固定され、第1及び第2の羽根車14A,14Aと同一形状の第3の羽根車14Bと、を有している。
本実施の形態では、この第3の羽根車14Bを、第1及び第2の羽根車14A,14Aに対して回転位相をずらして配置したことを特徴とする。
このように、第3の羽根車14Bを、第1及び第2の羽根車14A,14Aに対して回転位相をずらすことで、第1及び第2の羽根車14A,14Aの夫々の隣接する羽根15A,15Aの間に入り込んだ紙幣12は、第3の羽根車14Bの羽根15Bによって、紙幣12の中央が上に凸状の折り目24(図4B参照)、又は下に凸状の折り目25(図4C参照)が付けられる。
こうして、羽根15A,15Aの間に収容された紙幣12は、この凸状の折り目24,25により、ある程度の摩擦力が付与された状態で回転搬送される。このため、この回転搬送時に、紙幣12が第1〜第3の羽根車14A、14A、14Bから容易に抜け出るのが防止される。こうして、回転搬送時の紙幣12の取りこぼしを防止することができる。
また、本実施の形態では、図4Aにおいて、第1及び第2の羽根車14A,14Aの隣接する羽根15A−1,15A−2の先端の外周円に沿う距離を1ピッチ(p)とした場合に、第3の羽根車14Bの回転位相を、第1及び第2の羽根車14A,14Aの回転位相よりも1/2ピッチ(1/2p)ずらして配置した。
なお、この位相のずれ量は、1/2ピッチ(1/2p)に限るものではないが、この1/2ピッチ(1/2p)を中心として、その前後に若干ずらして配置したとしても同様の効果が得られるものと考えられる。
ここで、図4Aの(I)部に示すように、紙幣12は図4Aの左方から一定角度かつ一定速度で供給されて、羽根15A−1と羽根15A−2との間に入り込む。
このとき、紙幣12の搬送先端が、羽根15A−1と羽根15Bとの間に入り込んだとする(羽根15Bと羽根15A−2との間ではなく)。
入り込んだ紙幣12は、羽根15A−1の先端aと、紙幣12と羽根15A−2との接点bと、紙幣12の搬送先端と羽根15A−1との当接点cと、の3点で支持された状態で取り込まれる。
このように、紙幣12はc点、b点、a点で支持されるとともに、紙幣12の供給速度により、紙幣12は羽根車14の内側(中心側)に入っていくため、紙幣12の幅方向の中央には、羽根15Bによって上方に付勢圧が加えられる。
こうして、図4Bに示すように、紙幣12の幅方向の中央には上に凸状の折り目24がつく。この凸状の折り目24により、羽根15A−1,15A−2,15Bとの間に、ある程度の摩擦力が付与された状態で紙幣12が回転搬送される。このため、回転搬送中の紙幣12の取りこぼしが防止される。
なお、この凸状の折り目24は瞬間的かつ弱い圧力で形成されるものであるため、紙幣12が羽根車14から離脱したときには完全に消失してしまう程度のものである。
次に、図4Aの(II)部に示すように、紙幣12の搬送先端が、羽根15Bと羽根15A−2との間に入り込んだとする。なお、図4Aにおいては、発明の内容を把握し易くするため、紙幣12の供給位置を、前述した(I)部の場合よりも下方位置に記載してある。
この場合、一定方向から供給された紙幣12は、羽根15Bの先端a’と、紙幣12と羽根15A−2との接点b’と、紙幣12の搬送先端と羽根15Bとの当接点c’と、の3点で支持された状態で取り込まれる。
このように、紙幣12はc’点、b’点、a’点で支持されるとともに、紙幣12の供給速度により、紙幣12は羽根車14の内側(中心側)に入っていくため、紙幣12の幅方向の中央には、羽根15Bによって下方に付勢圧が加えられる。
こうして、図4Cに示すように、紙幣12の幅方向の中央には羽根15Bによって下に凸状の折り目25がつく。この凸状の折り目25により、紙幣12は、羽根15A−1,15A−2,15Bとの間にある程度の摩擦力が付与された状態で回転搬送される。このため、回転搬送中の紙幣12の取りこぼしが防止される。
こうして、第1〜第3の羽根車14A,14A、14Bに収容された紙幣12は、幅方向の中央が上に凸状の折り目24(又は、下に凸状の折り目25)がついた状態で回転搬送される。このため、紙幣12と羽根15A−1,15A−2,15Bとの間の摩擦力が大きくなり、紙幣12は容易に抜け出ることなく回転搬送される。
次に、図5は、第1及び第2の羽根車14A,14Aの間に、位相をずらした第3の羽根車14Bを追加したことによる作用を説明する図である。
例えば、隣接する羽根15A−1,15A−2の間に入り込もうとする紙幣12の搬送先端が、一方の羽根15A−2の先端のテーパ部分Pに衝突したとする。なお、羽根15Aの先端部は、紙幣12が入り込み易いようにテーパに形成されている。すると、羽根15A−2に対する紙幣12の反射角度が大きくなる。このため、紙幣12は羽根15A−1と羽根15A−2との間に収容されないことがある。
これは、紙幣12の供給速度成分V0の羽根15A−2の接線方向の分速度V1と、回転する羽根15A−2が紙幣12に与える速度成分V2と、の合力V3の延長線P−P’が、隣接する羽根15A−1の先端から外れてしまうためと考えられる。よって、このままでは、紙幣12は羽根15A−1と羽根15A−2との間に収容されない。
しかし、本実施の形態では、羽根15A−1と羽根15A−2との間に、1/2ピッチ回転位相を進めて配置した羽根15Bを追加したことにより、合力V3の延長線P−P’は羽根15Bの先端よりも内側に位置することになる。
こうして、紙幣12を安定して羽根15A−2と羽根15Bとの間に収容することができる。この場合は、図4Cに示したように、紙幣12の中央は下に凸状の折り目25がつく。
これにより、紙幣12は羽根15A−2と羽根15Bとの間に挟まれて、取りこぼしがないように回転搬送される。すなわち、紙幣12が羽根15A−1と羽根15A−2との間に収容されないという不具合を解消することができる。
次に、図6は、紙幣12を横収納したときの紙葉類集積装置10の側面図である。
この図6において、紙幣12を横収納する場合は、羽根車14の矢印G方向への回転による紙幣12の収納速度が速いと、紙幣12は案内部材18や集積部16の内壁に跳ね返って不整列となる。
しかし、本実施の形態によれば、図4A〜図4Cに示したように、第1及び第2の羽根車14A,14Aの間に回転位相をずらした第3の羽根車14Bを追加して、隣接する羽根15A、15Aの間に入った紙幣12に上に凸状、又は下に凸状の折り目24,25をつけたことにより、紙幣12に付与される摩擦力が大きくなるため、紙幣12を羽根車14から容易に抜け出さないように回転搬送することができる。
なお、紙幣12は、搬送先端が案内部材18に当接して離脱され集積部16に集積される。こうして、回転搬送中の紙幣12の取りこぼしをなくすことができる。
また、本実施の形態によれば、図5に示したように、回転位相をずらした第3の羽根車14Bを追加したことにより、羽根15A,15Aの先端のテーパ部分Pに紙幣12の先端が衝突したとしても、紙幣12を安定して羽根15A,15Aと羽根15Bとの間に確実に収容することができる。
さらに、本実施の形態によれば、図3及び図6に示したように、隣接する羽根15A、15Aの間に入った紙幣12の摩擦力が大きくなるため、紙幣12が羽根車14からリリースされるときの速度が減少する。なお、この速度の減少とは、羽根車14の回転速度に紙幣12の供給速度が加算されてリリースされる場合に比較して速度が減少するとの意味である。この点は、以下の実施の形態においても同様である。
このため、案内部材18等による紙幣12の跳ね返り速度が軽減され、紙幣12の収納時の不揃いを改善することができる。
そして、これらの効果は、紙幣12を縦収納するか又は横収納するかの収納形式に関わりなく、共通して得ることができる。
[第2の実施の形態]
図7Aは、第2の実施の形態の紙葉類集積装置の羽根車の正面図、図7Bは、その側面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、図7A及び図7Bに示すように、一対の対称な第1及び第2の羽根車14A,14Aの間に、駆動軸22に固定された円柱状のローラ30を配置したものである。
このように、第1及び第2の羽根車14A,14Aの間にローラ30を配置した場合であっても、紙幣12の幅方向の中央には上に凸状の折り目24が付く(図7B参照)。これにより、紙幣12と羽根15A、15A等との間の摩擦力が増大し、回転搬送中に紙幣12が羽根車14から離脱して取りこぼしが生じるのを防止することができる。
本実施の形態では、図7Aに示すように、ローラ30の半径を次のように設定した。
すなわち、紙幣12が、第1及び第2の羽根車14A,14Aの夫々の隣接する一方の羽根15A−1の先端dに接するように供給されたときに、紙幣12と他方の羽根15A−2との接点eにおいて紙幣12に直交方向に引いた直線e−f’と、一方の羽根15A−1との交点fの半径rとした。
なお、ここでの交点fは、具体的には直線e−f’と一方の羽根15A−1の内周面との交点を意味する。
また、本実施の形態では、ローラ30の半径として半径rに設定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、この半径rよりも小さい半径としてもよい。ただし、紙幣12の供給速度や羽根車14の回転速度等との関係から、ローラ30の半径を厳密に定めることは困難である。
こうして、図7Aにおいて、紙幣12の左右幅方向の搬送先端の中央は、羽根15A−1の内周面とローラ30の外周との接点fにて支持され、搬送先端の左右側は、紙幣12と羽根15A−2との接点eの近傍で支持される。また、紙幣12の後端は、羽根15A−1の先端dにて支持される。
このように、紙幣12は、f点、e点、d点の3点で支持されるとともに、紙幣12の供給速度により、紙幣12は羽根車14の内側(中心側)に入っていこうとするため、紙幣12の幅方向の中央には、ローラ30によって上方に付勢圧が加えられる。このため、図7Bに示すように、紙幣12の幅方向の中央には上に凸状の折り目24がつく。
この凸状の折り目24により、羽根15A,15A及びローラ30の外周面との間に、ある程度の摩擦力が付与された状態で紙幣12が回転搬送される。このため、回転搬送中の紙幣12の取りこぼしが防止される。
本実施の形態によれば、第1及び第2の羽根車14A,14Aの間に、円柱状のローラ30を追加したことにより、紙幣12の幅方向の中央には上に凸状の折り目24がつく。これにより、紙幣12と羽根15A,15A等との間の摩擦力が大きくなるため、紙幣12が羽根車14から容易に抜け出ないように回転搬送することができる。
また、本実施の形態によれば、紙幣12と羽根15A,15A等との間の摩擦力が大きくなったことにより、紙幣12が羽根車14からリリースされるときの速度が減少する。このため、案内部材18(図3、図6参照)による紙幣12の跳ね返りの速度が軽減され、紙幣12を均一に揃えて集積部16に集積することができる。
[第3の実施の形態]
図8Aは、第3の実施の形態の紙葉類集積装置の羽根車の正面図、図8Bは、その側面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、図8Aに示すように、第1及び第2の羽根車14A,14Aの夫々の羽根15A,15Aの外表面に突起部32を形成したものである。
本実施の形態では、図8Aにおいて、この突起部32を、第1及び第2の羽根車14A,14Aの夫々の隣接する一方の羽根15A−1の先端gに紙幣12が接するように供給されたときに、紙幣12と他方の羽根15A−2との接点hに形成した。
なお、本実施の形態では、接点hと同一の位置に突起部32を形成した場合について説明したが、これに限らない。例えば、突起部32を接点hよりも内側(中心側)に形成してもよい。ただし、紙幣12の供給速度や羽根車14の回転速度等との関係から、突起部32の位置を厳密に定めることは困難である。
また、本実施の形態では、この突起部32の形状は、接点hの位置が最高高さとなり、かつこの接点hの位置から羽根15Aの先端側(g側)に向けてなだらかに傾斜する断面略三角形状をなしている。これにより、羽根15A−1と羽根15A−2の間に入り込んだ紙幣12は、このなだらかに傾斜する部分に沿って羽根車14の内側に取り込まれる。
また、突起部32の形状はこれに限らない。例えば、断面半円状や楕円形状等であってもよい。
本実施の形態によれば、第1及び第2の羽根車14A,14Aの夫々の羽根15A,15Aの外表面に突起部32を形成したことにより、紙幣12と羽根15A,15Aとの間の摩擦力が大きくなる。このため、紙幣12が羽根車14から容易に抜け出ないようにして、紙幣12を回転搬送することができる。
また、本実施の形態によれば、紙幣12と羽根15A,15Aとの間の摩擦力が大きくなるため、紙幣12が羽根車14からリリースされるときの速度が減少する。このため、案内部材18(図3、図6参照)による紙幣12の跳ね返り速度が軽減され、収納時の不揃いを改善することができる。
10 紙葉類集積装置
12 紙幣
14 羽根車
14A 第1の羽根車
14A 第2の羽根車
14B 第3の羽根車
15 羽根
15A 第1の羽根
15A 第2の羽根
15B 第3の羽根
16 集積部
18 案内部材
20、20’ 搬送ローラ対
21 羽根車本体
22 駆動軸
24 折り目
25 折り目
30 ローラ
32 突起部

Claims (6)

  1. 外周面に複数の羽根を有し、隣接する羽根の間に紙葉類を収容して回転搬送する羽根車と、該羽根車で搬送された前記紙葉類を集積する集積部と、該集積部に前記紙葉類を案内すべく該紙葉類の搬送先端が当接する案内部材と、を備えた紙葉類集積装置であって、
    前記羽根車は、前記紙葉類よりも幅狭の間隔で駆動軸に固定された一対の対称な第1の羽根車及び第2の羽根車と、該第1及び第2の羽根車の間で前記駆動軸に固定され前記第1及び第2の羽根車と同一形状の第3の羽根車と、を有し、
    該第3の羽根車を、前記第1及び第2の羽根車に対して回転位相をずらして配置した
    ことを特徴とする紙葉類集積装置。
  2. 前記第1及び第2の羽根車の隣接する羽根の先端の外周円に沿う距離を1ピッチとした場合に、
    前記第3の羽根車の回転位相を、前記第1及び第2の羽根車の回転位相よりも1/2ピッチずらして配置した
    ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類集積装置。
  3. 外周面に複数の羽根を有し、隣接する羽根の間に紙葉類を収容して回転搬送する羽根車と、該羽根車で搬送された前記紙葉類を集積する集積部と、該集積部に前記紙葉類を案内すべく該紙葉類の搬送先端が当接する案内部材と、を備えた紙葉類集積装置であって、
    前記羽根車は、前記紙葉類よりも幅狭の間隔で駆動軸に固定された一対の対称な第1の羽根車及び第2の羽根車を有し、
    前記第1及び第2の羽根車の間に前記駆動軸に固定された円柱状のローラを配置した
    ことを特徴とする紙葉類集積装置。
  4. 前記ローラの半径を、前記第1及び第2の羽根車の夫々の隣接する一方の羽根の先端に前記紙葉類が接するように供給されたときに、前記紙葉類と前記他方の羽根との接点において前記紙葉類に直交方向に引いた直線と前記一方の羽根との交点の半径とした
    ことを特徴とする請求項3に記載の紙葉類集積装置。
  5. 外周面に複数の羽根を有し、隣接する羽根の間に紙葉類を収容して回転搬送する羽根車と、該羽根車で搬送された前記紙葉類を集積する集積部と、該集積部に前記紙葉類を案内すべく該紙葉類の搬送先端が当接する案内部材と、を備えた紙葉類集積装置であって、
    前記羽根車は、前記紙葉類よりも幅狭の間隔で駆動軸に固定された一対の対称な第1の羽根車及び第2の羽根車を有し、
    前記第1及び第2の羽根車の夫々の羽根の外表面に突起部を形成した
    ことを特徴とする紙葉類集積装置。
  6. 前記突起部を、前記第1及び第2の羽根車の夫々の隣接する一方の羽根の先端に前記紙葉類が接するように供給されたときに、前記紙葉類と他方の羽根との接点に形成した
    ことを特徴とする請求項5に記載の紙葉類集積装置。
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