JP2011177312A - モータ駆動装置及び圧縮機及び冷凍サイクル装置及び洗濯機及び洗濯乾燥機及び送風機 - Google Patents

モータ駆動装置及び圧縮機及び冷凍サイクル装置及び洗濯機及び洗濯乾燥機及び送風機 Download PDF

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Abstract

【課題】モータ駆動中の振動抑制及び振動による機器の劣化や騒音発生によるユーザ不満を解消する。
【解決手段】この発明に係るモータ駆動装置100は、負荷を駆動するモータ3と、モータ3に電圧を印加するインバータ2と、インバータ2が出力する電圧を制御するインバータ制御手段4と、モータ3の所定の箇所に取り付けられて、モータ3の振動を検出する振動検出手段5と、振動検出手段5の出力を補正する振動出力補正手段27と、振動出力補正手段27の出力からモータ3の回転軸に対して接線方向の振動成分を分離する振動分離手段6と、振動分離手段6の出力に基づいて、振動を抑制するための信号を出力する振動抑制制御手段7と、を備え、インバータ制御手段4は、振動抑制制御手段7の出力に基づいてインバータ2にて印加する電圧を制御するものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、モータに発生する振動を抑制するモータ駆動装置に関する。また、そのモータ駆動装置を搭載した圧縮機、その圧縮機を用いる冷凍サイクル装置、洗濯機、洗濯乾燥機並びに送風機に関する。
従来、モータを用いる洗濯機は、例えば、洗濯槽の振動を洗濯槽の上部に取り付けた振動センサで検出し、その検出信号をもとにモータの回転数制御を脱水工程制御部で行っているが、振動を検出してそのレベルに応じて回転数を制御しているのみで、モータ制御で積極的に振動を低減することは行っておらず、振動低減は洗濯槽の下側に配置されたダンパで行っているのみであり、安定に洗濯機の振動を低減することができないという課題を有していた。
そこで、洗濯槽を含む受け筒の振動状態を検出し、その振動が小さくなるように制御して脱水時の振動、騒音を低減することを目的として、回転ドラムを回転駆動するモータの駆動を制御する制御手段と、受け筒を支持する支持手段と、振動を検知する振動センサと、振動センサで検知した振動の出力信号をモータ制御信号として制御手段に入力する振動制御手段とを具備した洗濯機が提案されている。この洗濯機は、洗濯脱水工程において、洗濯槽を含む受け筒の振動状態を検出して、その振動量を小さくするように制御量をモータ制御電流にフィードバック制御することが可能なため、脱水時の受け筒の振動や筐体の振動を制御することで、振動の低減を実現することができるというものである(例えば、特許文献1参照)。
また、ほぼ一定の速度で回転する少なくとも1つの軸、または機械の仮想的な機械軸における、外乱とよばれる好ましくない振動を減らすことを目的として、特に印刷ユニットや印刷機の機械軸における、複数の不連続な周波数部分によって近似的に表すことが可能な周波数スペクトルを有する機械振動、特に回転振動を、直接的または間接的に機械軸に作用する少なくとも1つのアクチュエータによって補償する方法において、機械振動の不連続な周波数部分の少なくとも1つに、他の周波数部分に依存することなく、特定の振幅と位相をもつ同じ周波数の実質的に調波の少なくとも1つのモーメントが、機械軸の振動の振幅が当該周波数で小さくされるように、アクチュエータによって重ね合わされることを特徴とする機械振動を補償する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、洗濯機の脱水時の騒音を確実に低減するために、2方向以上の振動を検知する振動検出センサを水槽に取り付け、水槽の水平方向(第1の方向)の振動と上下方向(第2の方向)の振動の大きさを検出することにより、脱水時の水槽のパラレルモードとコニカルモードの振動を検知することができるようにする。そして、この振動検出センサによる振動検知結果から、パラレルモードの振動が現れる1次共振回転数の通過時、コニカルモードの振動が現れる2次共振回転数の通過時の洗濯槽の回転数ならびに時間を制御することにより、異常振動を未然に防ぐことを可能とする。また、洗濯槽の高速回転数域でのパラレルモードとコニカルモードの振動を検知することで騒音を予測し、その予測された騒音を基に回転数を制御して、静かで且つ短時間の脱水を実現する洗濯機が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、誘導電動機により回転圧縮機を駆動する場合にも良好な振動低減効果を発揮できる振動低減装置を提供するために、トルク指令に基づいて回転圧縮機の電動機の発生トルクを制御するトルク制御インバータと、回転圧縮機の回転方向加速度検出手段により検出された回転方向加速度に基づいて、トルク制御インバータに与えるトルク指令を発生するトルク指令発生手段とを含み、回転方向加速度検出手段が、回転圧縮機の中心からの角度差が90°となる所定位置においてケーシングに装着された一対の加速度検出手段と、両加速度検出手段からの出力信号の差を算出する差算出手段とを含む回転圧縮機の振動低減装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2008−142231号公報(第1頁、第1図) 特開2002−196828号公報(第1頁、第1図) 特開2006−141566号公報(第1頁、第1図) 特開平04−185294号公報(第2頁、第4図)
しかしながら、特許文献1に記載された洗濯機における振動とそれに伴う騒音を低減する技術は、検出した振動をフィードバックして振動を抑制するよう制御されるが、モータの回転により発生する振動以外の振動が検出されると、モータにより振動を抑制することができず、フィードバック制御が破綻してしまい、かえって振動が大きくなる課題がある。
また、特許文献2に記載された機械振動を補償する方法における振動低減技術は、検出した振動から特定の周波数成分を抽出することで外乱による影響を排除するが、モータ制御により抑制可能なモータの速度脈動による回転軸に対する接線方向に現れる振動と、モータにより抑制が困難なモータの回転子のアンバランスによる回転軸に対して振れ回る振動が同一周波数成分であるため、モータにより抑制できない振れ回り振動の影響により制御が破綻し、かえって振動を増大させる課題がある。
また、特許文献3に記載された洗濯機の脱水時の騒音低減の技術は、検出した振動をコニカルモードとパラレルモードに分離するが、コニカルモードには接線振動と振れ回り振動が含まれるため、モータにより振動の抑制が困難な振れ回り振動の影響により、制御が不安定になり振動が増大する課題がある。
また、特許文献4に記載された回転圧縮機の振動低減装置における振動低減技術は、二つの加速度ピックアップを用いるため、コスト面で不利なだけでなく、加速度ピックアップの電源線や信号線が増えるなど取り付け面においても課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、モータの振動による機器の経年劣化や、モータ駆動中の振動抑制及び振動による機器の劣化や騒音発生によるユーザ不満を解消することができるモータ駆動装置を提供する。
また、そのモータ駆動装置を搭載した圧縮機、その圧縮機を用いる冷凍サイクル装置、洗濯機、洗濯乾燥機並びに送風機を提供する。
この発明に係るモータ駆動装置は、
負荷を駆動するモータと、
モータに電圧を印加するインバータと、
インバータが出力する電圧を制御するインバータ制御手段と、
モータの所定の箇所に取り付けられて、モータの振動を検出する振動検出手段と、
振動検出手段の出力を補正する振動出力補正手段と、
振動出力補正手段の出力からモータの回転軸に対して接線方向の振動成分を分離する振動分離手段と、
振動分離手段の出力に基づいて、振動を抑制するための信号を出力する振動抑制制御手段と、を備え、
インバータ制御手段は、振動抑制制御手段の出力に基づいてインバータにて印加する電圧を制御するものである。
この発明に係るモータ駆動装置は、モータの振動を検出する振動検出手段が理想的な設置位置および設置角度で取り付けられていない場合においても、自動で検出した出力を補正することが可能であり、その補正した値に基づいて高精度な振動抑制制御を行うため、信頼性が高く、安全性を保つことが可能となる。
実施の形態1を示す図で、モータ駆動装置100の構成図。 実施の形態1を示す図で、PWM信号生成手段13の動作を示す図。 実施の形態1を示す図で、電圧制御手段11の一つめの動作を示す図。 実施の形態1を示す図で、電圧制御手段11の二つめの動作を示す図。 実施の形態1を示す図で、電圧制御手段11の三つめの動作を示す図。 実施の形態1を示す図で、3軸方向の振動が検出可能な振動検出手段5(加速度センサ)の構成図(図6(a)は振動検出手段5が傾いていない状態、図6(b)は振動検出手段5が傾いている状態)。 実施の形態1を示す図で、3軸方向の重力加速度の合成を示す図(図7(a)は傾き角0degの場合、図7(b)はy軸を固定としてx軸の傾きをα、z軸の傾きをγに傾けた場合、図7(c)はx軸,y軸,z軸全てを傾けた場合(x軸の傾きα、y軸の傾きβ、z軸の傾きγ))。 実施の形態1を示す図で、モータ3の振動の一例を表す図。 実施の形態1を示す図で、振動分離手段6の動作を示す図。 実施の形態1を示す図で、補正係数の場合分けを示す図。 実施の形態1を示す図で、振動抑制制御手段7の動作を示す図。 実施の形態1を示す図で、振動抑制制御手段7の他の一つの動作を示す図。 実施の形態1を示す図で、モータ駆動装置100を機器に搭載した場合の動作を示すフローチャート図。 実施の形態1を示す図で、変形例1のモータ駆動装置200の構成図。 実施の形態1を示す図で、変形例1のモータ駆動装置200の振動抑制制御手段7の動作を示す図。 実施の形態1を示す図で、変形例1のモータ駆動装置200の振動抑制制御手段7の他の一つの動作を示す図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機24を駆動するモータ駆動装置300の構成図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機24を冷凍サイクルに使用する空気調和機400の冷媒回路図。 実施の形態2を示す図で、空気調和機400の室外機400Aの分解斜視図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機24の縦断面図。 図20のA−A断面図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160を取り付けた圧縮機24の外形図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160の上面図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160の側面図(一部を断面で示す)。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160の底面図。 図23のX−X断面図。 図22のY部付近を示し、圧縮機用ターミナル保護カバー160を図20のX−X断面で示す図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160の上面を見た斜視図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160の底面を見た斜視図。 実施の形態2を示す図で、基板組立270を加速度センサ272側から見た斜視図。 実施の形態2を示す図で、基板組立270を加速度センサ272側から見た分解斜視図。 実施の形態2を示す図で、基板組立270を加速度センサ272の反対側から見た斜視図。 実施の形態2を示す図で、基板押え部品280を上面から見た斜視図。 実施の形態2を示す図で、基板押え部品280の上面図。 実施の形態2を示す図で、基板押え部品280の側面図。 実施の形態2を示す図で、基板押え部品280を底面から見た斜視図。 実施の形態2を示す図で、基板押え部品280の底面図。 実施の形態2を示す図で、第1の係り止め部281の拡大斜視図。 実施の形態2を示す図で、第2の係り止め部284の拡大斜視図。 実施の形態2を示す図で、加速度センサ272の基本構成図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160のモールド金型203のセット前の状態を示す分解図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160のモールド金型203をセットした状態を示す図。 実施の形態2を示す図で、圧縮機用ターミナル保護カバー160の製造工程を示す図。 実施の形態3を示す図で、洗濯ドラム25を駆動するモータ駆動装置500の構成図。 実施の形態4を示す図で、送風ファン26を駆動するモータ駆動装置600の構成図。
実施の形態1.
図1乃至図13は実施の形態1を示す図で、図1はモータ駆動装置100の構成図、図2はPWM信号生成手段13の動作を示す図、図3は電圧制御手段11の一つめの動作を示す図、図4は電圧制御手段11の二つめの動作を示す図、図5は電圧制御手段11の三つめの動作を示す図、図6は3軸方向の振動が検出可能な振動検出手段5(加速度センサ)の構成図(図6(a)は振動検出手段5が傾いていない状態、図6(b)は振動検出手段5が傾いている状態)、図7は3軸方向の重力加速度の合成を示す図(図7(a)は傾き角0degの場合、図7(b)はy軸を固定としてx軸の傾きをα、z軸の傾きをγに傾けた場合、図7(c)はx軸,y軸,z軸全てを傾けた場合(x軸の傾きα、y軸の傾きβ、z軸の傾きγ))、図8はモータ3の振動の一例を表す図、図9は振動分離手段6の動作を示す図、図10は補正係数の場合分けを示す図、図11は振動抑制制御手段7の動作を示す図、図12は振動抑制制御手段7の他の一つの動作を示す図、図13はモータ駆動装置100を機器に搭載した場合の動作を示すフローチャート図である。
図1を参照しながらモータ駆動装置100について説明する。図1に示すモータ駆動装置100は、以下に示す要素を備える。
(1)直流電源1:商用電源から供給される交流を直流に変換して得られる;
(2)インバータ2:スイッチング素子14a〜14fを有し、直流電源1を電源として交流電圧(疑似交流電圧)を生成するとともに、モータ3と電気的に接続されている;
(3)モータ3:例えば、ブラシレスDCモータ、誘導電動機等;
(4)インバータ制御手段4:CPU(Central Processing Unit)、マイクロコンピュータ(マイコン)、DSP(Digital Signal Processor)等で構成されるが、それ以外に、IC等の電子回路で構成しても良い。詳細は後述するが、インバータ制御手段4は、回転座標変換手段10、電圧制御手段11、逆回転座標変換手段12、PWM信号生成手段13を備える(詳細は後述する);
(5)振動検出手段5:モータ3に取り付けられて、モータ3の振動Vibを検出し、重力加速度が検出可能なものである。振動検出手段5は、振動を検出可能なセンサ以外にも、変位センサや加速度センサ、ジャイロセンサ等の振動を検出可能なセンサであれば何を用いても良い。また、振動を検出する軸に関しては、少なくとも3軸以上の振動方向を検出可能なものである。また、振動検出手段5により検出する振動方向のそれぞれの成す角は90度である。さらに、振動検出手段5により検出する振動方向の少なくとも2軸は、モータ3の回転軸に垂直な振動方向を検出するものである;
(6)振動分離手段6:振動検出手段5が検出したモータ3の振動Vibの振動成分のうちモータ3の回転軸に対して接線方向の振動成分Vib_nrのみを分離して検出する(詳細は後述する)。本実施の形態は、この振動分離手段6に特徴がある;
(7)振動出力補正手段27:振動検出手段5が理想的な設置位置および設置角度で取り付けられていない場合の誤差を含む振動出力値に対しても、正確な振動出力値に自動で補正する手段である;
(8)振動抑制制御手段7:振動分離手段6の出力に基づいて、振動を抑制する補償量Vib_cを演算する(詳細は後述する);
(9)電流検出手段8:モータ3に流れる電流Iu、Iv、Iwを検出する。電流検出手段8は、インバータ2とモータ3の間に電流を検出するDCCT(直流電流検出器)やACCT(交流変流器)等のホールセンサを用いることで容易に検出が可能である。また、図1では、インバータ2とモータ3の間の電流を検出しているが、直流電源1とインバータ2の間の電流や、インバータ2の下アーム(スイッチング素子14d,14e,14f)に流れる電流を検出するようにしても良い。なお、電流は最低2相分を検出できれば、キルヒホッフの法則に基づいて、例えばIuとIvが検出できれば、Iu+Iv+Iw=0より、Iw=−Iu−Ivにて求めることが可能であり、センサ数削減によるコスト削減が可能である;
(10)直流電圧検出手段9:直流電源1の電圧Vdcを検出する。直流電圧に関しては、直流電源1の両端に接続した分圧抵抗により電圧を前述のマイコン等で検出できるよう低圧化し、内部で分圧比に基づいて電圧を復元することで検出が可能である。その他にも電圧を検出可能な手段であれば、何を用いて電圧を検出しても何ら問題ない。
次に、インバータ制御手段4の動作について説明する。電流検出手段8にて検出したU相、V相、W相の電流Iu、Iv、Iwと、モータ3の回転位相θ(磁極位置)を用いて回転座標変換手段10において、次式(1)を用いて回転座標系(dq座標系)の電流Id、Iqに変換する。
Figure 2011177312
振動抑制制御手段7の出力Vib_cと、電流Id、Iqを用いて電圧制御手段11において、dq座標系の電圧指令Vd*、Vq*を生成するとともに、磁極位置θの演算を行う。電圧制御手段11の動作については後述する。ここでは、dq座標系にて説明するが、UVWもしくは直交座標系であるαβ座標上で制御を行っても何ら問題ない。
その後、電圧制御手段11にて得られたVd*、Vq*を、磁極位置θを用いて、次式(2)により逆回転座標変換手段12において、U相、V相、W相の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を求める。U相、V相、W相の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*の求め方については、今回は逆回転座標変換により求めたが、二相変調や三相変調、空間ベクトル変調などの方法を用いても何ら問題ない。
Figure 2011177312
さらに、逆回転座標変換手段12と電流検出手段8の出力とを用いて、PWM信号生成手段13において、インバータ2内のスイッチング素子14a,14b,14c,14d,14e,14fを駆動するPWM信号を生成して、インバータ2が出力する電圧を制御する。
PWM信号生成手段13の信号生成方法について説明する。図2はPWM信号生成手段13の入出力波形を示す図である。ここで、電圧指令Vu*、Vv*、Vw*は、式(2)により求めることができるが、ここでは説明を容易にするため、次式(3)〜(5)の通り定義する。但し、Aは電圧指令の振幅である。
Figure 2011177312
Figure 2011177312
Figure 2011177312
式(3)〜式(5)により得られた電圧指令信号と所定の周波数で振幅Vdc/2(ここで、Vdcは直流電圧検出手段9にて検出した母線電圧)のキャリア信号を比較し、相互の大小関係に基づきPWM信号UP,VP,WP,UN,VN,WNを生成する。
続いて電圧制御手段11の動作について説明する。図3は電圧制御手段11の一つめの動作を示す図で、電圧制御手段11の入出力関係を示す。速度制御器15は、速度指令ω*と速度推定器18の出力ωの差に基づいて、q軸電流指令Iq*を求める。
また、d軸電流制御器16は、d軸電流指令Id*とd軸電流Idの差に基づいて、d軸指令電圧Vd*を求める。
また、q軸電流制御器17は、q軸電流指令Iq*とq軸電流Iqの差に基づいて、q軸電圧指令Vq*を求める。
速度制御器15、d軸電流制御器16、q軸電流制御器17については、比例制御、積分制御、比例積分制御などの一般的に用いられる制御器で容易に実現可能であり、その他の制御方法を用いても何ら問題ない。
速度推定器18については、d軸指令電圧Vd*、q軸電圧指令Vq*、d軸電流Id、q軸電流Iq等を用いて、モータ3の電圧電流方程式に基づいて速度ωを求めることが可能である。また、モータ3の磁極位置θを検出するセンサ(図示せず)を用いて、速度ωを求めても何ら問題ない。
さらに、位置推定器19に関しては、速度推定器18で得られた速度ωを積分することでモータ3の磁極位置θを得ることができる。また、エンコーダ等で直接、磁極位置θを検出しても何ら問題ない。
図3では、速度指令ω*に振動抑制制御手段7の出力Vib_cを加算することで、振動発生の原因であるモータ3の速度リップルによる速度ムラを抑えるように、速度を制御することで振動を抑制する。
また、前述の速度リップルは、次式(6)の通り、モータ3が駆動する負荷トルクτlと、モータ3が発生するトルクτmに差がある場合に発生する。但し、Jはモータ3及び負荷のイナーシャである。
Figure 2011177312
すなわち、トルクτmと負荷トルクτlを一致させることで、速度リップルの発生が抑えられる。そこで、モータ3のトルクτmは、表面磁石形同期モータの場合には、極対数Pmとモータ3の誘起電圧定数φf、q軸電流Iqの積で表される。そのため、図4に示すように、q軸電流指令Iq*を、振動を抑制する補償量Vib_cを用いて調整するように構成することで、トルクτmと負荷トルクτlを一致させることができる。
また同様に、図5に示すように、トルクτmに関係するq軸電圧指令Vq*を、振動を抑制する補償量Vib_cを用いて調整するように構成しても同様の効果を得ることができる。ここでは、図示しないが、直接トルク指令を与える制御系においては、直接トルクを操作することで同様の効果を得ることができる。また、ここで説明した以外の制御系でも同様の効果が得られる。
次に振動出力補正手段27の動作について説明する。振動出力補正手段27は、振動検出手段5が理想的な設置位置および設置角度で取り付けられていない場合の誤差を含む振動出力値に対しても、正確な振動出力値に自動で補正する手段である。
具体的な方法としては、図6に示すように各軸が直交するx軸,y軸,z軸の3方向の振動が検出可能な振動検出手段5(加速度センサ)を用いた場合を想定する。但し、重力加速度が検出可能なものとする。この振動検出手段5(加速度センサ)をx軸方向に動かした場合、図6(a)に示すように、x軸方向の加速度Axが検出される。
ここで、振動検出手段5(加速度センサ)が傾いている状態、例えば、図6(b)に示すように、x軸に対する傾き角をα、y軸に対する傾き角をβ、z軸に対する傾き角をγとする。この状態で傾けた加速度センサをx方向に動かした場合、図6(a)と同様にx軸方向の加速度Axの値が検出できるわけではなく、傾き角αに応じた検出値Axが検出されることになる。検出されたAxの大きさは、真のx軸の加速度をAx_tとすると、Ax_t・cosαとなる。つまり加速度センサで検出される信号をAx、Ay、Azとすると、真のxyz軸上の加速度Ax_t、Ay_t、Az_tは式(7)にて求めることができる。
Figure 2011177312
次に式(7)に示す傾き角α、β、γを求める方法として振動検出手段5(加速度センサ)で検出される重力加速度gを用いる方法について説明する。図7(a)に示すように、傾き角0degの場合、z軸方向のみ重力加速度1gが検出される。
ところが、図7(b)に示すように、y軸を固定としてx軸の傾きをα、z軸の傾きをγに傾けた場合、振動検出手段5(加速度センサ)のx軸,z軸から傾き角に応じた重力加速度が検出されることになり、その合成値が1gとなる。このとき、振動検出手段5(加速度センサ)の3軸の検出値の中で最大となる軸を重力加速度検出用として、この軸を基準にして出力補正を行なうことも可能である。
また、同様に図7(c)に示すように、x軸,y軸,z軸全てを傾けた場合は、x軸,y軸,z軸全てから傾き角に応じた重力加速度が検出され、その合成ベクトルが1gとなる。つまり、傾き角に応じた加速度と重力加速度gから、式(8)により傾き角を求めることができる。
Figure 2011177312
また、振動出力補正手段27では、振動出力値をもとに振動検出手段5の異常を判断することも可能である。例えば、3軸のうちいずれかの軸もしくは複数の軸の出力値が正規の出力範囲以外となる場合、また3軸の出力の合成値が重力加速度と一致しない場合は、振動検出手段5の異常および故障またはモータ3の動作異常と判断する。このような場合は、後述する振動分離手段6や振動抑制制御手段7を動作させないような対策をするか、もしくはこれらの異常をユーザに知らせるような表示をする対策を施すことで安全性を確保する。
以上のように、振動出力補正手段27では、振動検出手段5が理想的な設置位置および設置角度で取り付けられていない場合の誤差を含む出力値に対しても正確な出力値に自動で補正することが可能であり、信頼性の高い、高精度な制御が可能になる。
但し、振動出力補正手段27を動作させる場合は、モータ3の駆動前もしくは停止状態である必要がある。そうでない場合、例えば、モータ3が駆動している状態では重力加速度以外の加速度を検出してしまい、正確に補正することができない可能性があるため注意が必要である。
続いて振動分離手段6の動作について説明する。図8はモータ3の振動の一例を表す図である。モータ3の振動としては、速度リップル発生によるモータ回転軸に対して接線方向の振動(接線振動)と、モータ3の機械的アンバランスによる振れ回り振動とに分けられ、実際に検出される振動は、その二つ(接線振動、振れ回り振動)が合成されたものとなる。
接線振動は、モータ3の速度リップルによって発生しているため、モータ3の制御により抑制が可能であるのに対して、振れ回り振動は機械的なアンバランスにより発生するため、モータ3の制御により抑制することが困難である。そのため、振動を抑制する制御を行っても振れ回り振動成分が残り続けるため、振動抑制を行う制御系が発散する恐れがある。
ここで、図8におけるxy座標系にて、接線振動のリサージュ波形は直線軌跡を描くことから、x方向の振動Axtとy方向の振動Aytは、次式(9)で表すことが可能である。但し、Atは接線加速度の振幅、φは接線加速度の傾き、αは接線加速度の位相である。また、θmはモータ3(ロータ)の機械的な回転位置であり、磁極位置θをモータ3の極対数Pmで除したものである。
Figure 2011177312
また、振れ回り振動は円軌跡を描くことから、AxsとAysは次式(10)にて表すことが可能である。Asは振れ回り加速度の振幅、βは振れ回り加速度の初期位相である。
Figure 2011177312
よって、合成振動Vib(Ax、Ay)は次式(11)で表される。
Figure 2011177312
ここで、合成振動Vibに含まれる振れ回り振動を除去する方法について、図9を用いて説明する。図9において、式(11)に示すAx、Ayを回転座標変換手段10を用いて、式(12)に示すように回転座標上の振動Ad、Aqに変換を行う。すると、式(12)の第一項は接線振動の交流成分、第二項は接線振動の直流成分、第三項は振れ回り振動の直流成分になる。
Figure 2011177312
ここで、式(12)により得られた、Ad、AqをHPF20(High Pass Filter)において直流成分を除去した信号Ad_hpf、Aq_hpfは、式(13)となる。HPF20を、回転座標変換手段10の出力の低周波成分を除去する低周波成分除去手段と定義する。
Figure 2011177312
さらに、式(13)を式(14)に示すように、逆回転座標変換手段12により逆回転座標変換を行うと振幅は1/2になるものの、接線振動成分のみの信号Vib_nr(Ax_nr、Ay_nr)を得ることが可能となる。つまり回転軸方向に対して垂直方向、且つ互いに90度の角度を持つ2軸以上の振動を検出することにより、接線振動成分のみを分離して検出することが可能となる。
Figure 2011177312
また、振れ回り振動がモータ3の回転に同期しておらず、例えばモータ3の回転の2倍の周波数で変化する場合には、θmを2×θmとして、前述の演算を行うことで振れ回り振動を除去することができることは言うまでもない。
前述したように振動分離手段6は、図6に示すように回転軸に対して垂直方向かつ互いに90度の角度を持つ2軸の振動を検出すれば分離可能である。しかしながら、振動検出手段5が理想的な設置位置および設置角度で取り付けられていない場合、触れ回り振動を正確に分離できない恐れがある。
そこで、前述したように3軸方向の振動を検出可能な振動検出手段5(加速度センサ)を用いて検出した出力を振動出力補正手段27にて補正した後、振動分離手段6で必要な2軸を3軸のうちから選択すれば、正確な振れ回り振動を分離可能になる。そこで、振動分離手段6に必要な3軸のうちの2軸を選択する方法の一例を以下に説明する。
式(7)に補正係数(Khx、Khy、Khz)を掛け合わせた式(15)により、各軸の方向(回転角度)に対してモータ3により発生する振動の検出に必要な加速度成分を選択する。
Figure 2011177312
但し、Khxは振動検出手段5(加速度センサ)x軸の補正係数、Khyは振動検出手段5(加速度センサ)y軸の補正係数、Khzは振動検出手段5(加速度センサ)z軸の補正係数である。補正係数は図10に示すように、傾き角α、β、γの角度に応じて決定する。
即ち、補正係数Khx、Khy、Khzは、傾き角α、β、γの角度に応じて、以下に示すようになる。
(1)傾き角αの角度に応じて補正係数Khxを決定する。
α=X1(315〜45°)の範囲では、Khx=1
α=X2(45〜135°)の範囲では、Khx=0
α=X3(135〜225°)の範囲では、Khx=−1
α=X4(225〜315°)の範囲では、Khx=0
(2)傾き角βの角度に応じて補正係数Khyを決定する。
α=Y1(315〜45°)の範囲では、Khy=1
α=Y2(45〜135°)の範囲では、Khy=0
α=Y3(135〜225°)の範囲では、Khy=−1
α=Y4(225〜315°)の範囲では、Khy=0
(3)傾き角γの角度に応じて補正係数Khzを決定する。
α=Z1(315〜45°)の範囲では、Khz=0
α=Z2(45〜135°)の範囲では、Khz=1
α=Z3(135〜225°)の範囲では、Khz=0
α=Z4(225〜315°)の範囲では、Khz=−1
次に、振動抑制制御手段7の動作について説明する。振動抑制制御手段7は、式(12)で得られたVib_nrのうち、例えばAx_nrを用いて、図11に示すように、その振動がゼロになるよう振動抑制補償量演算手段21にて、振動補償量Vib_cを求める。但し、Ax_nrの代わりにAy_nrを用いても、位相が90度異なるだけで、同じく接線振動成分を有しているため、どちらを用いても振動抑制制御が可能である。
また、マイコン等で制御を行う場合には、無駄時間等の影響を受けるため、図12に示すように、図11の振動抑制制御手段7に位相を調整する位相調整手段22を追加することで、確実に振動を抑制することが可能となる。位相調整手段22による位相調整量は、振動の増減を検出して減少する位相に設定すればよい。
なお、振動抑制補償量演算手段21については、比例制御、積分制御、比例積分制御などの一般的に用いられる制御器で容易に実現可能であり、その他の制御方法を用いても何ら問題ない。
振動抑制制御手段7の出力であるVib_cを、前述の通りω*、Iq*、Vq*等に加減算することで、振動を抑制することが可能となる。
ここで、実際の機器(圧縮機、冷凍サイクル装置(空気調和機、ヒートポンプ式給湯器、冷蔵庫等)、洗濯機、洗濯乾燥機及び送風機等)に搭載した場合の動作について、図13のフローチャートを用いて説明する。
(1)S1:モータ駆動装置100を動作させた場合、初めに機器のシステムの初期化処理を行う;
(2)S2:振動検出手段5から得た出力の出力補正を行う;
(3)S3:その後、機器に搭載されたモータ3の起動要求が来るまで待機する;
(4)S4:モータ3の起動要求が来た場合に、モータ3を起動しモータ3の振動検出を行う;
(5)S5:検出した振動値に基づいて、制御に不要な振れ回り振動を除去する;
(6)S6:その後、振れ回り振動を除去した振動成分を用いて振動抑制を行うための補償量を求める;
(7)S7:インバータ制御手段4にて、モータ3に印加する電圧を演算して、インバータ2を動作させる;
(8)S8:この動作を停止要求があるまで継続して行い、停止要求が来た場合に運転を停止する。
以上の動作により、モータ3の振動を抑えた運転が可能となる。
但し、振動検出手段5から得た出力に異常があった場合は、振動検出手段5の故障等が考えられるため、それ以降の動作をさせないなどの安全対策が必要である(図示せず)。
本実施の形態によれば、モータ3が回転することにより発生する振動を、振動センサ(振動検出手段5)により検出した振動を用いて抑制することが可能となるため、モータ3自体やモータ3に接続された機器への振動が小さくなるため、振動による破壊や騒音の発生を抑制することが可能となり、信頼性の高いモータ駆動装置100を得ることが可能となる。
振動検出手段5の出力から、振動分離手段6によりモータ3の制御により抑制ができない振れ回り振動を除去することが可能となるため、制御系の発散による異常振動を抑制することが可能となるため信頼性の高いモータ駆動装置100を得ることができる。
また、一つの振動検出手段5のみで接線振動を精度良く検出可能であるため、複数の振動検出手段5によるコスト増加を抑制できるだけでなく、振動検出手段5の配線も簡素化可能である。
図14乃至図16は実施の形態1を示す図で、図14は変形例1のモータ駆動装置200の構成図、図15は変形例1のモータ駆動装置200の振動抑制制御手段7の動作を示す図、図16は変形例1のモータ駆動装置200の振動抑制制御手段7の他の一つの動作を示す図である。
変形例1のモータ駆動装置200は、振動抑制制御手段7の入力に磁極位置θが加わった以外は、モータ駆動装置100(図1)の構成と同様であるため、同一箇所には同一の符号を付して説明は省略し、変更点のみ説明する。
図14に示すように、変形例1のモータ駆動装置200は、振動抑制制御手段7の入力に、振動分離手段6からの接線方向の振動成分Vib_nrの他に、磁極位置θが加わる。
入力としてVib_nrの内、Ax_nr、Ay_nrのどちらを用いても制御可能であることは前述の通りであるが、ここではAx_nrを入力とした場合について説明する。
振動抑制制御手段7は、Ax_nrと磁極位置θに基づいて、特定周波数成分抽出手段23にて、検出した振動のうち、特定の周波数成分のみを抽出する。図15では、磁極位置θを極対数Pmで除したものが、モータ3の機械的な回転角となる。n=1の場合は、1f成分の回転角、n=2の場合は、2f成分の回転角となる。この回転角θn(nは自然数)を用いて、Ax_nrにsinθn、cosθnを乗じて、これらを積分することでフーリエ変換を行い、an、bnを得る。
得られたan、bnが0となるよう比例積分(PI)制御を行い、再度sinθn、cosθnを乗じて加算することで、振動補償量Vib_cを得ることができる(振動抑制補償量演算手段21)。なお、ここでは、比例積分制御を用いたが、比例制御、積分制御等の一般的に用いられる制御を用いも何ら問題ない。
さらにフーリエ変換を用いて特定周波数成分を抽出したが、フーリエ級数展開、高速フーリエ変換、離散フーリエ変換、ウェーブレット変換等の周波数を抽出する手段を用いても何ら問題ない。
また、マイコン等で制御を行う場合には、無駄時間等の影響を受けるため、図16に示すように位相を調整する位相調整手段22を設けることで、無駄時間による制御遅れの影響を排除することで、確実に振動を抑制することが可能となる。位相調整手段22による位相調整量は、振動の増減を検出して、減少する位相に設定すればよい。
変形例1のモータ駆動装置200によれば、モータ3が回転することにより発生する振動を、振動センサ(振動検出手段5)により検出した振動を用いて抑制することが可能となるため、モータ自体やモータに接続された機器への振動が小さくなるため、振動による破壊や騒音の発生を抑制することが可能となるため、信頼性の高いモータ駆動装置200を得ることが可能となる。
振動検出手段5の出力から、振動分離手段6によりモータ3の制御により抑制ができない振れ回り振動を除去することが可能となり、制御系の発散による異常振動を抑制することが可能となるため、信頼性の高いモータ駆動装置200を得ることができる。
また、検出した振動から特定周波数成分のみを抽出するため、外乱等による振動が振動検出手段5にて検出された場合においても、外乱の振動成分を排除することが可能となる。従って、制御系への影響を最小限にすることが可能となり、信頼性の高いモータ駆動装置200を得ることが可能となる。
また、一つの振動検出手段5のみで接線振動を精度良く検出可能であるため、複数の振動検出手段5によるコスト増加を抑制できるだけでなく、振動検出手段5の配線も簡素化が可能である。
実施の形態2.
図17乃至図43は実施の形態2を示す図で、図17は圧縮機24を駆動するモータ駆動装置300の構成図、図18は圧縮機24を冷凍サイクルに使用する空気調和機400の冷媒回路図、図19は空気調和機400の室外機400Aの分解斜視図、図20は圧縮機24の縦断面図、図21は図20のA−A断面図、図22は圧縮機用ターミナル保護カバー160を取り付けた圧縮機24の外形図、図23は圧縮機用ターミナル保護カバー160の上面図、図24は圧縮機用ターミナル保護カバー160の側面図(一部を断面で示す)、図25は圧縮機用ターミナル保護カバー160の底面図、図26は図23のX−X断面図、図27は図22のY部付近を示し、圧縮機用ターミナル保護カバー160を図23のX−X断面で示す図、図28は圧縮機用ターミナル保護カバー160の上面を見た斜視図、図29は圧縮機用ターミナル保護カバー160の底面を見た斜視図、図30は基板組立270を加速度センサ272側から見た斜視図、図31は基板組立270を加速度センサ272側から見た分解斜視図、図32は基板組立270を加速度センサ272の反対側から見た斜視図、図33は基板押え部品280を上面から見た斜視図、図34は基板押え部品280の上面図、図35は基板押え部品280の側面図、図36は基板押え部品280を底面から見た斜視図、図37は基板押え部品280の底面図、図38は第1の係り止め部281の拡大斜視図、図39は第2の係り止め部284の拡大斜視図、図40は加速度センサ272の基本構成図、図41は圧縮機用ターミナル保護カバー160のモールド金型203のセット前の状態を示す分解図、図42は圧縮機用ターミナル保護カバー160のモールド金型203をセットした状態を示す図、図43は圧縮機用ターミナル保護カバー160の製造工程を示す図である。
図17に示すモータ駆動装置300は、空気調和機、ヒートポンプ給湯器、冷蔵庫等の冷凍サイクルに使用される圧縮機24を駆動する。尚、空気調和機、ヒートポンプ給湯器、冷蔵庫等を、冷凍サイクル装置と定義する。
先ず、圧縮機に電力供給を行うターミナルを埃や水などから防ぎ、導電性の異物などの接触を防ぐために設けられ、ピエゾ抵抗効果を用いて圧縮機の3軸加速度を検出する電子部品(実施の形態1の振動検出手段5に相当する)を実装した基板をターミナル保護カバーの天面に埋没するように熱硬化性樹脂で一体に成形して製作されるターミナル保護カバーを説明する前に、ターミナルが設けられる圧縮機を使用する冷媒回路(冷凍サイクル)及び圧縮機が設置される空気調和機の室外機について説明する。
図18に示すように、空気調和機の冷媒回路は、主に以下に示す要素により構成され、これらの各要素を順次接続して冷凍サイクルを構成する。
(1)冷媒を圧縮する圧縮機24;
例えば、空気調和機(小形)の圧縮機24には、主にロータリ圧縮機(シングルシリンダ)が使用されている。ロータリ圧縮機(シングルシリンダ)は、ローリングピストンが回転軸(主軸)に対して偏心して回転するため、回転速度に同期したアンバランス振動が発生し振れ回り振動が発生すると共に、圧縮時の負荷トルク変動が回転速度に同期して発生するため、速度リップルが生じて接線方向の振動が発生する。ロータリ圧縮機以外に、スクロール圧縮機等も用いられる。また、冷媒には、主にR410Aが使用される。また、圧縮機24の潤滑油には、非相溶油、エステル油、エーテル油等が用いられる。
(2)冷房運転と暖房運転とで冷媒の流れる方向を切り替える四方弁32;
四方弁32は、冷房運転時は図18の実線で示すように、圧縮機24から室外側熱交換器33、室内側熱交換器35から圧縮機24へ冷媒が流れるように、暖房運転時は、図18の破線で示すように、圧縮機24から室内側熱交換器35、室外側熱交換器33から圧縮機24へ冷媒が流れるように動作する。
(3)冷房運転時は凝縮器、暖房運転時は蒸発器として動作する室外側熱交換器33;
(4)高圧の液冷媒を減圧して低圧の気液二相冷媒にする減圧装置34(例えば、電子制御式膨張弁);
(5)冷房運転時は蒸発器、暖房運転時は凝縮器として動作する室内側熱交換器35。
図18の実線矢印は、冷房運転時の冷媒の流れる方向を示す。また、図18の破線矢印は、暖房運転時の冷媒の流れる方向を示す。
室外側熱交換器33には室外側送風機36(例えば、軸流ファン)が設けられ、そして室内側熱交換器35には室内側送風機37(例えば、貫流ファン)が設けられている。
冷房運転時は、圧縮機24から圧縮された高温高圧の冷媒が吐出し、四方弁32を介して室外側熱交換器33へ流入する。この室外側熱交換器33では、その風路に設けられた室外側送風機36(例えば、軸流ファン)により室外の空気が室外側熱交換器33のフィンとチューブ(伝熱管)の間を通過しながら冷媒と熱交換し、冷媒は冷却されて高圧の液状態になり、室外側熱交換器33は凝縮器として作用する。その後、減圧装置34(例えば、電子制御式膨張弁)を通過して減圧され低圧の気液二相冷媒となり室内側熱交換器35に流入する。室内側熱交換器35では、その風路に取り付けられた室内側送風機37(例えば、貫流ファン)の駆動により室内空気が室内側熱交換器35のフィンとチューブ(伝熱管)の間を通過し冷媒と熱交換することにより、室内空間に吹き出される空気は冷やされ、一方冷媒は空気より熱を受け取り蒸発して気体状態となり(室内側熱交換器35は蒸発器として作用する)、冷媒はその後圧縮機24へ戻る。室内側熱交換器35で冷却された空気により、室内空間を空調(冷房)する。
また、暖房運転時は、四方弁32が反転することより、冷凍サイクルにおいて上記冷房運転時の冷媒の流れと逆向きに冷媒が流れ、室内側熱交換器35が凝縮器として、室外側熱交換器33が蒸発器として作用する。室内側熱交換器35で暖められた空気により、室内空間を空調(暖房)する。
図19に示すように、空気調和機400の室外機400Aは、主に以下に示す要素により構成される。
(1)平面視で略L字状の室外側熱交換器33;
(2)室外機400Aの筐体の底部を構成する底板38(ベース);
(3)筐体の天面を構成する平板状のトップパネル39;
(4)筐体の前面と一側部を構成する平面視で略L字状のフロントパネル40;
(5)筐体の他側部を構成するサイドパネル41;
(6)風路(送風機室)と機械室を分けるセパレータ42;
(7)電気品が収納される電気品ボックス43;
(8)冷媒を圧縮する圧縮機24;
(9)冷媒回路を形成する冷媒配管・冷媒回路部品類44;
(10)室外側熱交換器33に送風を行う室外側送風機36。
次に、圧縮機24について、図20乃至図22を参照しながらロータリ圧縮機(シングルシリンダ)を一例として説明する。図20乃至図22に示す圧縮機24(ロータリ圧縮機(シングルシリンダ))は、密閉容器170内が高圧の縦型のものである。密閉容器170内の下部に圧縮要素165(負荷の一例)が収納される。密閉容器170内の上部で、圧縮要素165の上方に圧縮要素165を駆動する電動要素150(例えば、誘導電動機)が収納される。ここでは、電動要素150として、誘導電動機を示すが、ブラシレスDCモータでもよい。
密閉容器170内の底部に、圧縮要素165の各摺動部を潤滑する冷凍機油190が貯留されている。
先ず、圧縮要素165の構成を説明する。内部に圧縮室が形成されるシリンダ101は、外周が平面視略円形で、内部に平面視略円形の空間であるシリンダ室101b(図21参照)を備える。シリンダ室101bは、軸方向両端が開口している。シリンダ101は、側面視で所定の軸方向の高さを持つ。
シリンダ101の略円形の空間であるシリンダ室101bに連通し、半径方向に延びる平行なベーン溝101a(図21参照)が軸方向に貫通して設けられる。
また、ベーン溝101aの背面(外側)に、ベーン溝101aに連通する平面視略円形の空間である背圧室101c(図21参照)が設けられる。
シリンダ101には、冷凍サイクルからの吸入ガスが通る吸入ポート(図示せず)が、シリンダ101の外周面からシリンダ室101bに貫通している。
シリンダ101には、略円形の空間であるシリンダ室101bを形成する円の縁部付近(電動要素150側の端面)を切り欠いた吐出ポート(図示せず)が設けられる。
シリンダ101の材質は、ねずみ鋳鉄、焼結、炭素鋼等である。
ローリングピストン102が、シリンダ室101b内を偏心回転する。ローリングピストン102はリング状で、ローリングピストン102の内周が回転軸50の偏心軸部50aに摺動自在に嵌合する。
ローリングピストン102が、回転軸50の偏心した偏心軸部50aに摺動自在に嵌合して、シリンダ室101b内を偏心回転するので、回転速度に同期したアンバランス振動が発生し振れ回り振動が発生する。電動要素150の回転子111に、図示しないバランスウエイトを取り付けて、この振れ回り振動を緩和する方法もあるが、十分ではない。
ローリングピストン102の外周と、シリンダ101のシリンダ室101bの内壁との間は、常に一定の隙間があるように組立られる。
ローリングピストン102の材質は、クロム等を含有した合金鋼等である。
ベーン103がシリンダ101のベーン溝101a内に収納され、背圧室101cに設けられるベーンスプリング108(図20参照)でベーン103が常にローリングピストン102に押し付けられている。圧縮機24(ロータリ圧縮機)は、密閉容器170内が高圧であるから、運転を開始するとベーン103の背面(背圧室101c側)に密閉容器170内の高圧とシリンダ室101bの圧力との差圧による力が作用するので、ベーンスプリング108は主に圧縮機24(ロータリ圧縮機)の起動時(密閉容器170内とシリンダ室101bの圧力に差がない状態)に、ベーン103をローリングピストン102に押し付ける目的で使用される。
ベーン103の形状は、平たい(周方向の厚さが、径方向及び軸方向の長さよりも小さい)略直方体である。
ベーン103の材料には、高速度工具鋼が主に用いられている。
主軸受け104は、回転軸50の主軸部50b(偏心軸部50aより上の部分で、回転子111に嵌合する部分)に摺動自在に嵌合するとともに、シリンダ101のシリンダ室101b(ベーン溝101aも含む)の一方の端面(電動要素150側)を閉塞する。
主軸受け104は、吐出弁(図示せず)を備える。但し、主軸受け104、副軸受け105のいずれか一方、または、両方に付く場合もある。
主軸受け104は、側面視略逆T字状である。
副軸受け105が、回転軸50の副軸部50c(偏心軸部50aより下の部分)に摺動自在に嵌合するとともに、シリンダ101のシリンダ室101b(ベーン溝101aも含む)の他方の端面(冷凍機油190側)を閉塞する。
副軸受け105は、側面視略T字状である。
主軸受け104、副軸受け105の材質は、シリンダ101の材質と同じで、ねずみ鋳鉄、焼結、炭素鋼等である。
主軸受け104には、その外側(電動要素150側)に吐出マフラ107が取り付けられる。主軸受け104の吐出弁から吐出される高温・高圧の吐出ガスは、一端吐出マフラ107に入り、その後吐出マフラ107から密閉容器170内に放出される。但し、副軸受け105側に吐出マフラ107を持つ場合もある。
密閉容器170の横に、冷凍サイクルからの低圧の冷媒ガスを吸入し、液冷媒が戻る場合に液冷媒が直接シリンダ101のシリンダ室に吸入されるのを抑制する吸入マフラ121が設けられる。吸入マフラ121は、シリンダ101の吸入ポートに吸入管122を介して接続する。吸入マフラ121本体は、溶接等により密閉容器170の側面に固定される。
密閉容器170には、電力の供給源である電源に接続する端子124(ガラス端子という)が、溶接により固定されている。図20の例では、密閉容器170の上面に端子124が設けられる。端子124には、電動要素150の固定子112(巻線120)からのリード線123が接続される。
密閉容器170の上面に、両端が開口した吐出管125が嵌挿されている。圧縮要素165から吐出される吐出ガスは、密閉容器170内から吐出管125を通って外部の冷凍サイクルへ吐出される。
圧縮機24(ロータリ圧縮機(シングルシリンダ))の一般的な動作について説明する。端子124、リード線123から電動要素150の固定子112に電力が供給されることにより、回転子111が回転する。すると回転子111に固定された回転軸50が回転し、それに伴いローリングピストン102はシリンダ101のシリンダ室101b内で偏心回転する。シリンダ101のシリンダ室101bとローリングピストン102との間の空間は、ベーン103によって2分割されている。回転軸50の回転に伴い、それらの2つの空間の容積が変化し、片側はだんだん容積が広がることにより吸入マフラ121より冷媒を吸入し、他側は容積が除々に縮小することにより、中の冷媒ガスが圧縮される。圧縮された吐出ガスは、吐出マフラ107から密閉容器170内に一度吐出され、更に電動要素150を通過して密閉容器170の上面にある吐出管125より密閉容器170外へ吐出される。
電動要素150を通過する吐出ガスは、例えば、電動要素150の回転子111の風穴部(貫通孔、図示せず)、固定子鉄心112aのスロットオープニング(図示せず、スロット開口部ともいう)含む空隙(図示せず)、固定子鉄心112aの外周に配置された固定子切欠(図示せず)等を通る。
圧縮要素165に設けられる、摺動部を構成する部品をまとめる。
(1)シリンダ101;
(2)ローリングピストン102;
(3)ベーン103;
(4)主軸受け104;
(5)副軸受け105;
(6)回転軸50。
密閉容器170の外側では、外部の電源からリード線が接続された端子124(ガラス端子)の端子付近は導電部が剥き出しであり、そのまま空気調和機の室外機に組み込まれると、埃、水、導電性異物等により端子124が絶縁不良になる恐れがある。
そこで、端子124の外部に露出している部分を埃、水、導電性異物等から保護する圧縮機用ターミナル保護カバーが必要になる。
図22の圧縮機24の外形図に示すように、圧縮機24の密閉容器170の上面に立設しているロッド146を利用して、圧縮機用ターミナル保護カバー160を圧縮機24に固定する。
ナット147をロッド146のねじ部146aに締結して、圧縮機用ターミナル保護カバー160をロッド146に固定する。
図23乃至図26を参照しながら、圧縮機用ターミナル保護カバー160について説明する。圧縮機用ターミナル保護カバー160は、BMC(不飽和ポリエステル)等の熱硬化性樹脂でモールド成形して形成される。
図23乃至図26に示すように、モールド部161は、ターミナル保護部163と足部162とからなる。ターミナル保護部163は圧縮機24の端子124を覆い、端子124を埃、水、導電性の異物等から保護する部分である(図27参照)。また、足部162により、圧縮機用ターミナル保護カバー160は圧縮機24の密閉容器170のロッド146に固定される。
詳細は後述するが、基板に3軸加速度センサを実装した基板組立270が、ターミナル保護部163の天面部に埋設されている。
基板に3軸加速度センサを実装した基板組立270を、圧縮機用ターミナル保護カバー160に埋設されている点に特徴がある。
足部162の上面には、圧縮機24の密閉容器170のロッド146(図22参照)に挿入されるねじ穴162aが設けられる。
図27は図22のY部付近を示し、圧縮機用ターミナル保護カバー160を図23のX−X断面で示す図であるが、具体的には、図27に示すように、圧縮機用ターミナル保護カバー160の足部162に設けられたねじ穴162aをロッド146に通し、ねじ穴162aをロッド146の段差部146b(ロッド146の先端部よりも径が大きい部分)に当接させる。このとき、圧縮機用ターミナル保護カバー160と密閉容器170との間に、所定の隙間(数ミリ)ができるような構成とする。この所定の隙間がないと、圧縮機用ターミナル保護カバー160の密閉容器170に対する軸方向の位置が決まらない。また、所定の隙間が大きすぎると埃、水、導電性の異物等が端子124へ侵入する恐れが生じる。
さらに、ナット147をねじ部146aに締結して、圧縮機用ターミナル保護カバー160をロッド146に固定する。
図28、図29を参照しながら、圧縮機用ターミナル保護カバー160についてさらに説明する。圧縮機用ターミナル保護カバー160は、既に説明したように、圧縮機24の端子124を覆い、端子124を埃、水、導電性の異物等から保護するターミナル保護部163と、圧縮機24の密閉容器170のロッド146に固定される足部162とからなるモールド部161に、基板組立270が埋設されている。
図28に示すように、ターミナル保護部163の上面に、後述する基板押え部品280の突起285の端面が表出している。この点については、後述する。
図29に示すように、ターミナル保護部163の底面に、後述する基板押え部品280の突起283が突出している。この点についても、後述する。
図30乃至図32に示すように、基板組立270は、少なくとも加速度センサ272が実装された基板271と、リード線274が接続され、基板271に半田付けされるボードイン形コネクタ275と、リード線274を口出しするリード線口出し部品273と、基板271に組み付けられる基板押え部品280と、を備える。
略正方形の基板271の各辺の外周縁部には、基板押え部品280の第1の係り止め部281(三個)、第2の係り止め部284(一個)が係り止められる切欠き276a,276bが形成されている。
切欠き276a,276bは、略四角形であるが、これに限定されない。任意の形状でよい。
二つの切欠き276aは、ボードイン形コネクタ275が半田付される辺に隣接する二辺の略中央部に形成されている。二つの切欠き276aは、加速度センサ272を間にして対向している。
二つの切欠き276aに、一つの第1の係り止め部281と、一つの第2の係り止め部284が係り止められる。
ボードイン形コネクタ275が半田付される辺に形成される切欠き276bは、ボードイン形コネクタ275と重ならないように辺の中央部からずれた位置に形成される。
ボードイン形コネクタ275が半田付される辺の対辺の切欠き276bは、ボードイン形コネクタ275が半田付される辺に形成される切欠き276bと点対称に形成される。
二つの切欠き276bに、二つの第1の係り止め部281が係り止められる。
図33乃至図39を参照しながら基板押え部品280について詳述する。図に示すように、基板押え部品280は、全体が略四角形の額縁状である。基板押え部品280は、基板271の加速度センサ272側の面の四隅に突起285(四個)が立設している。
基板押え部品280は、PBT(ポリブチレンテレフタラート)等の熱可塑性樹脂を射出成形して形成される。
基板押え部品280の四個の突起285は、圧縮機用ターミナル保護カバー160をモールド成形する際に、基板組立270の軸方向(圧縮機24に取り付けた際の軸方向)の一方の位置決めになる。
そのため、図28に示すように、圧縮機用ターミナル保護カバー160のターミナル保護部163の上面に、基板押え部品280の四個の突起285の端面が露出している。
基板押え部品280は、四つの連結部286で全体が略四角形の額縁状に形成されている。
四つの連結部286の突起285と反対側の面に、前述の第1の係り止め部281(三個)、第2の係り止め部284(一個)が形成されている。
第1の係り止め部281は、連結部286から延びる略角柱状の足部282と、足部282の先端に形成される略円柱状の突起283とを備える(特に、図38参照)。また、第1の係り止め部281の足部282には、段差部282aが形成されている。足部282が基板271の切欠き276a,276bに嵌り、さらに連結部286と段差部282aとで基板271を挟持することで、基板押え部品280が基板271に固定される。但し、後述する第2の係り止め部284も同様の機能を有し、第1の係り止め部281と第2の係り止め部284とで基板271を挟持することにより、基板押え部品280が基板271に固定される。
基板押え部品280の第1の係り止め部281の足部282及び第2の係り止め部284が基板271の切欠き276a,276bに嵌まることで、基板押え部品280と基板271との組みつけに対するガタを極力少なくすることで基板271の水平方向、及び、回転方向の位置ずれを防止することが可能となる。
第1の係り止め部281の足部282の段差部282aの反対側の端面は、圧縮機用ターミナル保護カバー160をモールド成形する際に、基板組立270の軸方向(圧縮機24に取り付けた際の軸方向)の他方の位置決めになる金型設置面287(図35参照)になっている。
圧縮機用ターミナル保護カバー160のモールド成形時には、モールド金型が、基板押え部品280の四個の突起285と三箇所の金型設置面287とを挟持してモールド成形することにより、基板271の軸方向の位置決めを行うことが可能となる。
圧縮機用ターミナル保護カバー160のモールド成形時に、第1の係り止め部281の足部282の先端に形成される略円柱状の突起283(三個)をモールド金型の対応する穴(後述する)に挿入してモールド成形することにより、モールド成形時の成形圧力による基板271の水平方向、及び、回転方向の位置ずれを防止することが可能となる。
第2の係り止め部284(段差部284aを有する)は、特に図36に示すように、第1の係り止め部281の足部282の先端に形成される略円柱状の突起283に相当する部分を持たない。この理由について、以下説明する。
図35、図36に示すように、圧縮機用ターミナル保護カバー160のターミナル保護部163の裏面(圧縮機24に取り付けたときに密閉容器170側となる面)に、基板押え部品280における第1の係り止め部281の足部282の先端に形成される略円柱状の突起283が三本突出している。
第2の係り止め部284は、モールド成形後の圧縮機用ターミナル保護カバー160のターミナル保護部163の側壁163aの内部に埋まる。このように、第2の係り止め部284に突起283相当部を形成しても、ターミナル保護部163の側壁163aの内部に埋まり外部に突出しないので、第2の係り止め部284には、第1の係り止め部281の足部282の先端に形成される略円柱状の突起283相当部分を形成していない。
ここで、加速度センサ272について説明する。加速度センサ272は、三次元の各成分ごとに加速度(その他、力、磁気)等の物理量を検出しうる小型のセンサであり、シリコンなどの半導体基板にゲージ抵抗を形成し、外部から加わる力に基づいて基板に生じる機械的な歪みを、ピエゾ抵抗効果を利用して電気信号に変換するものである。基本的な原理は、例えば、国際出願(WO 93/02342)に開示されている。
図40に示す加速度センサ272は、3軸の力・モーメントを検出する3軸力・モーメントセンサである。加速度センサ272は、台座291にSi基板292(起歪体)が固定され、さらにSi基板292(起歪体)に重錘体293が接合されている。
Si基板292に加わる力によってSi基板292上に形成されたピエゾ抵抗体(図示せず)に歪が生じる。ピエゾ抵抗体お電気抵抗は、ピエゾ抵抗効果に基づき歪に比例して変化する。この抵抗変化を利用して力を検出する。
Si基板292にダイヤフラムを形成し、Si基板292を起歪体とすることで3軸加速度センサとして機能する。
Si基板292表面には、3軸の加速度成分を検出するたえの3組のゲージ抵抗が形成されている。Si基板292裏面には、環状のダイヤフラムが形成され、中央部に重錘体293が、周辺部に台座291が接合されている。
重錘体293にXまたはY軸方向またはZ軸方向の加速度が作用すると、環状のダイヤフラムはそれぞれの方向に変位する。このとき、Si基板292に形成されたゲージ抵抗をブリッジ回路に接続することにより、各軸加速度が独立して検出できる。
図41、図42に示すように、圧縮機用ターミナル保護カバー160のモールド金型203は、上型201と、下型202とを備える。
圧縮機用ターミナル保護カバー160のモールド成形時には、第1の係り止め部281の足部282の先端に形成される略円柱状の突起283(三個)をモールド金型の対応する穴204に挿入してモールド成形することにより、モールド成形時の成形圧力による基板271の水平方向、及び、回転方向の位置ずれを防止することが可能となる。
図43により圧縮機用ターミナル保護カバー160の製造工程を説明する。
(1)ステップ1:基板271を製造する。基板271には、ピエゾ抵抗効果を用いて圧縮機24の加速度を検出する加速度センサ272等が実装されている。また、基板271には、その外周縁部付近にリード線274を口出しするリード線口出し部品273が取り付けられる。併せて、熱可塑性樹脂を用いて基板押え部品280を製作する。
(2)ステップ2:基板押え部品280を基板271に固定する。PBT(ポリブチレンテレフタラート)等の熱可塑性樹脂を射出成形して形成される基板押え部品280がリード線口出し部品273が取り付けられた基板271に組み付けられ基板組立270が製造される。
(3)ステップ3:基板組立270をBMC(不飽和ポリエステル)等の熱硬化性樹脂でモールド成形して、圧縮機用ターミナル保護カバー160を製造する。
以上のように構成された圧縮機用ターミナル保護カバー160においては、圧縮機用ターミナル保護カバー160の足部162に設けられたねじ穴162aを介して、圧縮機24に設けられたロッド146に備えるねじ部146aにねじ留めして固定することで、圧縮機24の製造工程を増加することなく圧縮機24に加速度センサ272を組み付けることが可能となる。
また、基板271に基板押え部品280の第1の係り止め部281及び第2の係り止め部284が係り止められて組み付けられ、かつ、モールド金型203が突起285と第1の係り止め部281を挟持してモールド成形することにより、基板271の軸方向の位置決めを行うことが可能となる。
また、モールド金型203の対応する穴204に基板押え部品280の第1の係り止め部281の先端に設けられた突起283を挿入してモールド成形することにより、モールド成形時の成形圧力による基板271の水平方向、及び、回転方向の位置ずれを防止することが可能となる。
さらに、基板押え部品280に備える第1の係り止め部281の足部282及び第2の係り止め部284が基板271に備える切欠き276a,276bに嵌まることで、基板押え部品280と基板271との組みつけに対するガタを極力少なくすることで基板271の水平方向、及び、回転方向の位置ずれを防止することが可能となる。
圧縮機24(ロータリ圧縮機(シングルシリンダ))は、振れ回り振動と接線振動とを発生する。実施の形態1で説明したように、振動分離手段6により、圧縮機24(ロータリ圧縮機(シングルシリンダ))の振れ回り振動を除去して、接線振動のみを抽出し、特定周波数成分抽出手段23にて回転速度と同期した振動成分のみをフーリエ変換等で抽出し、振動抑制制御手段7にて振動補償量を得ることで、圧縮機24の回転により生じる振動を抑制することが可能となる。
本実施の形態によれば、圧縮機24内のモータ3(電動要素150に相当する)が回転することにより発生する振動を、振動検出手段5(加速度センサ272)により検出した振動を用いて抑制することが可能となるため、モータ3自体や圧縮機24、圧縮機24に接続された配管等の振動が小さくなるため、振動による破壊や騒音の発生を抑制することが可能となり、信頼性の高い空気調和機やヒートポンプ式給湯器(圧縮機24を用いる装置)を得ることが可能となる。
振動検出手段5の出力から、振動分離手段6によりモータ3の制御により抑制ができない振れ回り振動を除去することが可能となるため、制御系の発散による異常振動を抑制することが可能となるため信頼性の高い圧縮機24、その圧縮機24を用いる空気調和機やヒートポンプ式給湯器を得ることができる。
また、一つの振動検出手段5のみで接線振動を精度良く検出可能であるため、複数の振動検出手段5によるコスト増加を抑制できるだけでなく、振動検出手段5の配線も簡素化が可能である。
さらに、振動検出手段5を圧縮機の端子を保護するカバー(圧縮機用ターミナル保護カバー160)の樹脂内に埋め込むことで、漏洩電流が発生する圧縮機24に取り付けた際においても絶縁が確保でき、振動検出手段5の信頼性を向上させる事が可能となる。
実施の形態3.
図44は実施の形態3を示す図で、洗濯ドラム25を駆動するモータ駆動装置500の構成図である。図1のモータ3が洗濯ドラム25に代わった以外は、同様であるため、同一箇所に同一の符号を付して説明は省略する。
図44では、洗濯機の中で最も振動が大きい斜めドラム型の洗濯機について説明する。斜めドラム洗濯機の洗濯ドラム25(負荷の一例)は衣類を洗濯ドラム25で持ち上げて上空から落とすことによる、たたき洗いで汚れを落とす。その際、水分を含んだ衣類を洗濯ドラム25の回転により持ち上げる際にモータ(図示せず)にかかる負荷が大きくなり、上空から落とす際に負荷が小さくなるため、衣類が落ちることによる振動の他に、負荷トルク変動により生じる速度リップルにより、回転速度と同期した振動が発生する。
よって、実施の形態1で説明したように、特定周波数成分抽出手段23にて回転速度と同期した振動成分のみをフーリエ変換等で抽出することで、水分を含んだ衣類が落ちることによる振動を除去し、振動抑制制御手段7にて振動補償量を得ることで、洗濯ドラム25の回転により生じる振動を抑制することが可能となる。
本実施の形態によれば、洗濯ドラム25を駆動するモータ(図示せず)が回転することにより発生する振動を、振動検出手段5により検出した振動を用いて抑制することが可能となるため、洗濯ドラム25の振動を小さくでき、夜間においても他住人の迷惑になることなく、洗濯を実行可能なユーザーメリットの高い洗濯乾燥機を得ることができる。
また、振動分離手段6の出力から、外乱であるたたき洗い時の水分を含んだ衣類が落ちる際の振動成分を特定周波数成分抽出手段23にて除去することで、安定した振動の抑制が可能となり、信頼性の高いモータ駆動装置500を得ることができる。
また、一つの振動検出手段5のみで接線振動を精度良く検出可能であるため、複数の振動検出手段5によるコスト増加を抑制できるだけでなく、振動検出手段5の配線も簡素化が可能である。
また、振動出力補正手段27で、振動検出手段5が理想的な設置位置および設置角度で取り付けられていない場合の誤差を含む出力値に対しても正確な出力値に自動で補正することが可能であり、信頼性の高い、高精度な制御が可能になる。
実施の形態4.
図45は実施の形態4を示す図で、送風ファン26を駆動するモータ駆動装置600の構成図である。図1のモータ3に送風ファン26が接続された以外は、同様であるため、同一箇所に同一の符号を付して説明は省略する。
モータ3は構造上発生するコギングトルクにより回転速度のn倍の周波数のトルク脈動が発生し、微弱な振動が生じる。そのモータ3を送風ファン26(負荷の一例)に適用した場合、送風ファン26に微弱な振動が伝わり、送風ファン26から騒音が発生することがある。
そこで、本実施の形態1で説明したように、特定周波数成分抽出手段23にてコギングトルク成分である回転速度のn倍と同期した振動成分のみをフーリエ変換等で抽出することで、コギングトルク成分を抽出し、振動抑制制御手段7にて振動補償量を得ることで、モータ3のコギングトルクによる振動を抑制し、送風ファン26の騒音を抑制することが可能となる。
本実施の形態によれば、送風ファン26を駆動するモータ3が回転することにより発生する振動を、振動検出手段5により検出した振動を用いて抑制することが可能となるため、振動発生によるモータ3や送風ファン26の経年劣化を抑制することが可能なだけでなく、送風ファン26から発生する騒音も抑制可能となるため、高信頼性、低騒音な送風機を得ることが可能となる。
また、一つの振動検出手段5のみで接線振動を精度良く検出可能であるため、複数の振動検出手段5によるコスト増加を抑制できるだけでなく、振動検出手段5の配線も簡素化可能である。
さらに、樹脂モールド型の送風ファン26の場合、樹脂モールド内に振動検出手段5を埋め込むことで、絶縁を確保し、また風雨による劣化の影響を抑制でき、振動検出手段5の信頼性を向上することが可能となる。
また、振動出力補正手段27で、振動検出手段5が理想的な設置位置および設置角度で取り付けられていない場合の誤差を含む出力値に対しても正確な出力値に自動で補正することが可能であり、信頼性の高い、高精度な制御が可能になる。
本発明の活用例としては、空気調和機は勿論、冷蔵庫、冷凍機、ヒートポンプ給湯機などモータ駆動装置を用いる冷凍サイクルに限らず、手乾燥機、電気掃除機、換気扇等の家電機器や、エレベータ、電鉄、車両等においても適用が可能である。
1 直流電源、2 インバータ、3 モータ、4 インバータ制御手段、5 振動検出手段、6 振動分離手段、7 振動抑制制御手段、8 電流検出手段、9 直流電圧検出手段、10 回転座標変換手段、11 電圧制御手段、12 逆回転座標変換手段、13 PWM信号生成手段、14a スイッチング素子、14b スイッチング素子、14c スイッチング素子、14d スイッチング素子、14e スイッチング素子、14f スイッチング素子、15 速度制御器、16 d軸電流制御器、17 q軸電流制御器、18 速度推定器、19 位置推定器、20 HPF、21 振動抑制補償量演算手段、22 位相調整手段、23 特定周波数成分抽出手段、24 圧縮機、25 洗濯ドラム、26 送風ファン、27 振動出力補正手段、32 四方弁、33 室外側熱交換器、34 減圧装置、35 室内側熱交換器、36 室外側送風機、37 室内側送風機、38 底板、39 トップパネル、40 フロントパネル、41 サイドパネル、42 セパレータ、43 電気品ボックス、44 冷媒配管・冷媒回路部品類、50 回転軸、50a 偏心軸部、50b 主軸部、50c 副軸部、100 モータ駆動装置、101 シリンダ、101a ベーン溝、101b シリンダ室、101c 背圧室、102 ローリングピストン、103 ベーン、104 主軸受け、105 副軸受け、107 吐出マフラ、108 ベーンスプリング、111 回転子、112 固定子、121 吸入マフラ、122 吸入管、123 リード線、124 端子、125 吐出管、146 ロッド、146a ねじ部、146b 段差部、147 ナット、150 電動要素、161 モールド部、162 足部、162a ねじ穴、163 ターミナル保護部、163a 側壁、165 圧縮要素、170 密閉容器、180 圧縮機用ターミナル保護カバー、190 冷凍機油、200 モータ駆動装置、201 上型、202 下型、203 モールド金型、204 穴、270 基板組立、271 基板、272 加速度センサ、273 リード線口出し部品、274 リード線、275 ボードイン形コネクタ、276a 切欠き、276b 切欠き、280 基板押え部品、281 第1の係り止め部、282 足部、282a 段差部、283 突起、284 第2の係り止め部、285 突起、286 連結部、287 金型設置面、291 台座、292 Si基板、293 重錘体、300 モータ駆動装置、400 空気調和機、400A 室外機、500 モータ駆動装置、600 モータ駆動装置。

Claims (21)

  1. 負荷を駆動するモータと、
    前記モータに電圧を印加するインバータと、
    前記インバータが出力する前記電圧を制御するインバータ制御手段と、
    前記モータの所定の箇所に取り付けられて、該モータの振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段の出力を補正する振動出力補正手段と、
    前記振動出力補正手段の出力から前記モータの回転軸に対して接線方向の振動成分を分離する振動分離手段と、
    前記振動分離手段の出力に基づいて、振動を抑制するための信号を出力する振動抑制制御手段と、を備え、
    前記インバータ制御手段は、前記振動抑制制御手段の出力に基づいて前記インバータにて印加する電圧を制御することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記振動検出手段は、重力加速度が検出可能であり、少なくとも3軸以上の振動方向を検出可能であることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記振動検出手段により検出する振動方向のそれぞれの成す角は90度であることを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記振動検出手段により検出する振動方向の少なくとも2軸は、前記モータの回転軸に垂直な振動方向を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  5. 前記振動出力補正手段は、前記モータの駆動前もしくは停止時に動作させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  6. 前記振動出力補正手段は、前記振動検出手段により検出するいずれかの出力値が予め設定した閾値以外の場合、前記振動抑制制御手段を動作させないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  7. 前記振動出力補正手段は、前記振動検出手段により検出する振動方向の少なくとも3軸の合成値が重力加速度と一致しない場合は、前記振動抑制制御手段を動作させないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  8. 前記振動出力補正手段は、前記振動検出手段により検出する振動方向の少なくとも3軸のうち1軸を重力方向検出用とし、この軸の検出値が重力加速度と一致するように前記振動検出手段の出力を補正することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  9. 前記振動分離手段は、
    前記モータの回転角度に基づいて、前記振動検出手段の出力を回転座標系に変換する回転座標変換手段と、
    前記回転座標変換手段の出力の低周波成分を除去する低周波成分除去手段と、
    前記モータの回転角度に基づいて、前記低周波成分除去手段の出力を逆回転座標変換する逆回転座標変換手段を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  10. 前記振動抑制制御手段は、
    前記振動検出手段の出力のうち特定の周波数成分のみを抽出する特定周波数成分抽出手段を備え、
    前記特定周波数成分抽出手段の出力に基づいて、前記モータの振動を抑制するための信号を出力することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  11. 前記特定周波数成分抽出手段は、
    前記モータの回転角のn(nは自然数)倍の周波数成分を抽出することを特徴とする請求項10に記載のモータ駆動装置。
  12. 前記インバータ制御手段が、速度指令に前記振動抑制制御手段の出力を加算することで、前記モータの振動を抑制するためのdq座標系の電圧指令を生成するとともに、磁極位置の演算を行う電圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  13. 前記インバータ制御手段が、q軸電流指令を前記振動抑制制御手段の出力を用いて調整するように構成することで、前記モータの振動を抑制するためのdq座標系の電圧指令を生成するとともに、磁極位置の演算を行う電圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  14. 前記インバータ制御手段が、q軸電圧指令を前記振動抑制制御手段の出力を用いて調整するように構成することで、前記モータの振動を抑制するためのdq座標系の電圧指令を生成するとともに、磁極位置の演算を行う電圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  15. 前記インバータ制御手段が、トルク指令を前記振動抑制制御手段の出力を用いて操作するように構成することで、前記モータの振動を抑制するためのdq座標系の電圧指令を生成するとともに、磁極位置の演算を行う電圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  16. 圧縮要素と電動要素とを備え、前記電動要素を請求項1乃至15のいずれかに記載のモータ駆動装置により駆動することを特徴とする圧縮機。
  17. 1シリンダのロータリ圧縮機であることを特徴とする請求項16に記載の圧縮機。
  18. 請求項16又は請求項17記載の圧縮機を搭載したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  19. 請求項1乃至15のいずれかに記載のモータ駆動装置を搭載したことを特徴とする洗濯機。
  20. 請求項1乃至15のいずれかに記載のモータ駆動装置を搭載したことを特徴とする洗濯乾燥機。
  21. 請求項1乃至15のいずれかに記載のモータ駆動装置を搭載したことを特徴とする送風機。
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