JP4060805B2 - 電動機のトルク制御装置及び電動機のトルク制御方法及び電動機の回転子位置検出装置及び電動機の回転子位置検出方法及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置 - Google Patents

電動機のトルク制御装置及び電動機のトルク制御方法及び電動機の回転子位置検出装置及び電動機の回転子位置検出方法及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置 Download PDF

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Description

この発明は、空気調和機・冷蔵庫等の冷凍空調装置に使用される圧縮機等の周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機をトルク制御する電動機のトルク制御装置及び電動機のトルク制御方法及び電動機の回転子位置検出装置及び電動機の回転子位置検出方法及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置に関するものである。
周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素の代表としては、空気調和機・冷蔵庫等の冷凍空調装置に使用される密閉型圧縮機が挙げられる。この密閉型圧縮機は、吸入・圧縮・吐出の各行程での冷媒ガス圧変化が負荷トルクに作用することが知られている。また、このガス圧による負荷トルクは圧縮機の回転に同期して変動し、それに伴い圧縮機の回転速度が周期的に変動し、圧縮機自体の振動を生ずることも知られている。上記振動を抑制する手段として、圧縮機の負荷トルクに同期して電動機の出力トルクを変化させ、回転速度変動を抑制する方式(以下、トルク制御と称する)が従来より提案されてきた。
トルク制御は、インバータ方式により、実現手段が異なる。インバータ方式は大別すると、120度矩形波通電、180度正弦波通電の2方式に分けられる。
一般に、120度矩形波通電では、無通電区間中に電動機コイルに発生する誘起電圧を観測できるため、ゼロクロスポイントを使ったエッジ検出等により、回転子速度を算出することが可能である。このように、誘起電圧を利用した回転速度変動を抑制する手法が数多く提案されている。
一方近年においては、効率向上・振動及び騒音低減を目的として、180度正弦波通電が使用されることが多くなってきた。180度正弦波通電は、無通電区間が無いため、120度矩形波通電のように、誘起電圧から得られる速度情報を使用できない。よって、180度正弦波通電でトルク制御を行うためには、他の物理量より、回転子速度を算出するか、あるいは回転子位置を検出する必要がある。
例えば、特許文献1では、180度正弦波通電において、回転子位置誤差より回転子速度を推定して速度制御を行う方法を開示している。
従来の180度正弦波通電で行うトルク制御装置では、電動機を駆動するインバータと、電動機に流れる電流検出手段と、電流検出手段により得られた電流から励磁電流成分(以下、γ軸電流Iγ)とトルク電流成分(以下、δ軸電流Iδ)を求める手段と、γ軸電流Iγ及びδ軸電流Iδより回転子実速度ωrを推定する回転子位置速度推定部と、推定回転子速度ωと速度指令ωからδ軸電流指令Iδ を作成する速度制御部で構成される。
回転子位置速度推定部はさらに、回転子位置誤差Δθを演算する回転子位置誤差演算部と、回転子位置誤差Δθより回転子位置θ及び回転子回転速度ωを推定するPLL(Phase Locked Loop)制御部(ブロック内に回転子位置繰返し制御部を含む)と、周期変動の影響を抑制する回転子回転速度繰返し制御部で構成される。
次に、従来のトルク制御装置の動作を説明する。
電動機特性を表すd−q軸上の電動機電圧方程式は、式(1)、式(2)となる。
Figure 0004060805
E=ω{(L−L)+φ}−(L−L)・pI (2)
ここで、ω、φ、R、E、V、V、I、I、pはそれぞれ回転子速度、誘起電圧定数、巻線抵抗、誘起電圧、d軸電圧、q軸電圧、d軸電流、q軸電流、微分演算子を示す。このとき、d−q軸とΔθだけずれた仮想γ−δ軸上の電動機電圧方程式は、d−q軸とγ−δ軸での回転速度が一致するとすれば、式(3)で表される。
Figure 0004060805
ここで、ω、R、E、Vγ、Vδ、Iγ、Iδ、p、Δθはそれぞれ回転子速度、巻線抵抗、誘起電圧、γ軸電圧、δ軸電圧、γ軸電流、δ軸電流、微分演算子、回転子位置誤差を示す。
d−q軸及びγ−δ軸については、この明細書では統一して次のように扱う。電動機の回転子上でN極側をd軸とし、回転方向に90度進んだ位相をq軸とする。また、同期電動機の駆動に、パルスエンコーダ等の回転子位置を検出するセンサーを用いない場合、インバータでは回転子のd−q軸座標を正確に捉えることができず、d−q軸座標系と位相差Δθだけずれて回転するため、一般にγ−δ軸座標と称するのが慣例になっており、この明細書でもこれに準じて、γ軸及びδ軸と称すこととする。
式(3)を用いて、微分項の近似またはオブザーバの構成などの手法を用いることにより回転子位置誤差Δθを推定演算することができる。つまり、回転子位置誤差演算部はVγ、Vδ、Iγ、Vδ、R、L、L、φ、ωの入力により、回転子位置誤差Δθを出力できることになる。このΔθが零となるように推定回転子回転速度ωを制御することによって、回転子位置推定を行う。Δθが零となるようωを調整するPLL制御器では、式(4)のようにΔθに対してPI制御を行って、推定回転子回転速度ωが得られる。
ω=KpΔθ+Ki∫Δθdt (4)
式(4)のKpは比例ゲイン、Kiは積分ゲインである。さらに、推定回転子回転速度ωを積分することによって推定回転子位置θが得られる。推定回転子位置θは、インバータにおいて座標変換に利用される。
ここで、回転子位置推定演算において、負荷トルク変動の周期性を排除するために、PLL制御器内の積分演算部に回転子位置繰返し制御部を設ける。回転子位置繰返し制御部は、360分割された整数値となる推定回転子位置θ毎に、回転子位置誤差Δθを積分した積分値をメモリに保持するとともに次段に出力する。積分値が比例積分演算された結果、推定回転子回転速度ωが得られ、この推定回転子回転速度ωも回転子回転速度繰返し制御部において、推定回転子位置毎にメモリ保持されて、次回転における同じ推定回転子位置θ時に回転子位置誤差演算部にフィードバックされる。
上記で得られた推定回転子回転速度ωを速度制御部に入力する。速度制御部では、速度指令ω*と推定回転子速度ωの偏差ΔωからPI(比例積分)制御を行うことにより、δ軸電流指令値Iδ *を出力する。電動機はIδに比例したトルクを発生するので、Iδ *を調整することにより速度制御を行うことができる。インバータにおいて、Iδ *及びIγ *に基づきインバータによりPWM(パルス幅変調)信号を作成し、電動機を駆動する。
特開2003−199388号公報
従来の180度正弦波通電において、回転子位置誤差より回転子速度を推定してトルク制御を行う装置は、以上のように構成されているので、制御開始から繰返し制御の積分値が収束するまでの時間が長くかかり、この間圧縮機及び圧縮機周囲に伝わる振動抑制が充分に行えなかった。
また、オブザーバなどの手法を用いることにより回転子位置誤差Δθを推定演算するために、常時ソフトウェアの占有率が大きくなるという問題点があった。
また、オブザーバなどの手法を用いることにより回転子位置誤差Δθを推定演算するために、制御のためのハードウェアとして、高いパフォーマンスのものが必要であり、高価なるいう問題点があった。
また、制御に積分器を用いるため、積分誤差の影響が制御性に影響を与えやすいという問題点があった。
また、制御に使用する電動機パラメータであるR、L、L、φ等に関して設定値のバラツキが速度推定精度に与える影響が大きく、また負荷による変動量も、振動抑制性能に与える影響が大きいという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、新たな装置を負荷することなく、ハードウェアを高コストにせずに、制御処理負荷を軽減し、簡易な方法で振動を抑制できる電動機のトルク制御装置及び電動機のトルク制御方法及び電動機の回転子位置検出装置及び電動機の回転子位置検出方法及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電動機のトルク制御装置は、負荷トルクが周期的に変動する負荷要素を駆動する電動機と、電動機を制御するインバータと、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、電動機に流れる電流からγ軸電流とδ軸電流とを求める手段と、γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分を算出する順変換手段と、γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分の交流成分を除去して、複素平面上の実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量を算出する手段と、実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量から、γ軸電流又はδ軸電流の基本波ピーク位相を算出し、基本波ピーク位相により回転子の機械的位置を特定する回転子位置検出手段と、回転子位置検出手段からの回転子の機械的位置情報を用いて、電動機のトルク制御を行うトルク制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電圧量の検出や振動の検出に新たな装置を付加することなく、密閉型圧縮機及び密閉型圧縮機周囲に伝わる振動を抑制することができる。また、高次のノイズに対して強く、検出の精度が高い。また、位置検出に電動機の定数を含まないので、固体バラツキによる検出精度悪化を伴わない。また、オブザーバ等を用いることなく、簡易な方法で回転子位置を検出できるので、ハードウェアにかかるコストも安価で済む。また、回転子位置の検出は起動時最低1回行い、定常時は必要に応じて行えば良いので、ソフトウェアの負荷が軽くて済む。
実施の形態1.
図1〜13は実施の形態1を示す図で、図1は電動機のトルク制御装置の全体構成を示すブロック図、図2は電動機の一例のDCブラシレスモータの断面図、図3は電動機を駆動するインバータの内部構成図、図4は電動機巻線に流れる電流より励磁電流成分(γ軸電流Iγ)とトルク電流成分(δ軸電流Iδ)を求める手段の内部構成図、図5は座標変換手段の内部構成図、図6はインバータ回転周期及び回転角(機械角及び電気角)と経過時間(位相)関係の概略図(極対数2の回転子を持つ電動機の場合)、図7は電動機のトルク制御装置において、負荷要素がシングルロータリ圧縮機である場合の機械的位置、負荷トルク、γ軸電流Iγ及びδ軸電流Iδ(トルク制御無時)、γ軸電流指令Iγ **(トルク制御有時とトルク制御無時)、出力トルク(トルク制御有時とトルク制御無時)と経過時間(位相)関係を示す概略図、図8は座標変換時の概略図、図9はフィルタ処理手段にローパスフィルタを用いた例を示す図、図10はフィルタ処理の要否切替が必要な場合の座標変換手段から回転子位置検出手段までのフローチャート図、図11はフィルタ処理の要否切替が不要で、フィルタ処理を行う場合の座標変換手段から回転子位置検出手段までのフローチャート図、図12はフィルタ処理の要否切替が不要で、フィルタ処理を行わない場合の座標変換手段から回転子位置検出手段までのフローチャート図、図13は回転速度指令と励磁電流指令の関係図である。
図1に示す電動機のトルク制御装置8は、電動機1を駆動するインバータ2と、電動機1に流れる電流を検出する電流検出手段3と、電流検出手段3により得られた電流から励磁電流成分(γ軸電流Iγ)とトルク電流成分(δ軸電流Iδ)を求める手段4と、γ軸電流Iγ又はδ軸電流Iδの基本波実軸成分直流量と基本波虚軸成分直流量を求めるための座標変換手段5と、座標変換手段5により得られたγ軸電流Iγ又はδ軸電流Iδの基本波実軸成分直流量と基本波虚軸成分直流量を用いて電動機1の回転子位置を検出する回転子位置検出手段6と、回転子位置情報を用いて周期的にγ軸電流指令Iγ *を変化させてトルク制御を行うトルク制御手段7とを備えている。
電動機1は、例えば図2に示すDCブラシレスモータが代表的なものである。DCブラシレスモータ30は、スロット31a、磁極ティース31bを有する固定子鉄心31に3相の巻線32を巻回した固定子と、回転子軸34を中心にして回転子鉄心37、回転子鉄心37の外周に設けられた永久磁石36を有する回転子35とを備える。
図3のインバータ2のブロック図において、インバータ2は、外部より与えられる回転速度指令ω*と、算出したγ軸電流Iγとδ軸電流Iδと、次に与える励磁電流指令Iγ **に基づいて駆動信号生成手段10によりPWM信号を作成し、PWM信号発生手段13によりPWM信号を発生させ、インバータ主回路9により電動機1を駆動する。駆動信号生成手段10は、電圧指令演算手段16によりγ軸電圧指令Vγ *とδ軸電圧指令Vδ *を演算し、2相3相変換手段15において3相分の出力電圧V*(V、V、V)を得る。PWM信号作成部14は、出力電圧指令V*(V、V、V)が得られるようにPWM信号を作成する。インバータ主回路9はスイッチング素子11a〜11f及び還流ダイオード12a〜12fで構成され、PWM信号発生手段13により発せられる信号を受けて各時刻におけるスイッチング素子11a〜11fの導通幅を変化し出力する。
相電流は、インバータ主回路9から出力され電動機1に流れる電流を電流検出手段3により検出する。
電動機1に流れる電流から、励磁電流成分(γ軸電流Iγ)とトルク電流成分(δ軸電流Iδ)を求めるブロック図の一例を図4に示す。図4のブロックは、相電流演算手段17と3相2相変換手段18より成る。相電流演算手段17において、電動機1に流れる少なくとも2相分の電流から、「3相電流の総和が0になる」といった3相平衡インバータの特徴等を利用し、UVW各相に流れる電流量を算出する。さらに、各相電流値を3相2相変換手段18により座標変換し、励磁電流成分(γ軸電流)Iγとトルク電流成分(δ軸電流)Iδを算出する。
図5の座標変換手段5のブロックにおいて、γ軸電流値Iγ又はδ軸電流値Iδに対し、順変換手段19によりインバータの回転周期(機械角)に同期させた座標変換を施す。なお、インバータの回転周期は電気角で表すのが普通であるが、この明細書では主に電動機の回転周期(機械角を基準とする)を記述の対象とする。従って混同しないように、電気角及び機械角を以下のように区別して扱うこととする。
すなわち、機械角換算した時のインバータ回転周期及び回転角のことを、それぞれ「インバータ回転周期(機械角)」及び「インバータ回転角(機械角)」と称す。また、電気角換算した時のインバータ回転周期及び回転角のことを、それぞれ「インバータ回転周期(電気角)」及び「インバータ回転角(電気角)」と称す。
例えば図6を例に極対数2の回転子を持つ電動機を対象とした場合を考えると、インバータ回転周期(機械角)1周期分とは、インバータ回転周期(電気角)2周期分相当の意味となる。また見方の例として、図中の黒丸に時刻T1におけるインバータ回転角(機械角)θM1とインバータ回転角(電気角)θE1を示している。
上記の座標変換の結果、基本波実軸成分I及び基本波虚軸成分Iを得る。基本波実軸成分I及び基本波虚軸成分Iを用い、回転子位置検出手段6において、γ軸電流値Iγ又はδ軸電流値Iδの基本波ピーク位相を算出する。
基本波ピーク位相を基点とし、トルク制御手段7により、γ軸電流指令Iγ **を周期的に変化させてトルク操作を行う。
次に、動作について説明する。周期性を持つ負荷トルク変動を有する負荷の場合、例えば図7に示す「経過時間(位相)と負荷トルク(負荷が圧縮機の場合、圧縮機の高低圧差)の関係」のように、負荷と回転子の機械的位置の関係は1周期の中で決まっている。よって、負荷トルク変動の基本波位相を抽出することで回転子の機械的位置を知ることができる。しかしながら、密閉型圧縮機の場合、圧縮機内部における高温、高圧、油循環のためにセンサー取付け等が難しいので、負荷トルク変動を直接モニタすることは困難である。
そこで、負荷トルク変動と相関があるδ軸電流Iδ又はγ軸電流Iγを用いることでも負荷トルク変動を間接的にモニタしていることになる。負荷トルク変動に周期性があるため、δ軸電流Iδ及びγ軸電流Iγには、例えば図7の「経過時間(位相)とγ軸電流Iγ及びδ軸電流Iδの関係」に示すような電流リプルが表れる(トルク制御を行っていない時)。
ここで、負荷トルク変動と同一周期のリプルを持つγ軸電流Iγ及びδ軸電流Iδの基本波位相を抽出することでも回転子の機械的位置を知ることが出来る。実際の制御上では、事前に試験やシミュレーション等によりδ軸電流Iδ及びγ軸電流Iγと回転子の機械的位置との位相関係をデータとして保有しておくことで、回転子の機械的位置を求めることができる。
ここでは特に、周期性のある負荷を対象としているため、回転子の機械的位置特定のためには、最低1ポイント基準点を定めれば良い。また、トルク制御中はδ軸電流Iδ及びγ軸電流Iγとも高調波成分が増えるため、回転子の機械的位置特定は、トルク制御実施前の方が精度良く行える。
特に、周期的な負荷トルク変動により発生する負荷及び筐体に伝わる振動成分には、インバータの回転周期(機械角)で見たときの基本波成分が多く含まれる。よって回転子の機械的位置を求めるには、負荷トルクあるいはδ軸電流Iδ又はγ軸電流Iγについてインバータの回転周期(機械角)で見た際の基本波成分を取り出して行うことで、検出精度が良くなる。観測波形について所定の周波数成分の位相抽出を行う際、実時間処理を考慮し、また処理時間短縮を図るため、観測波形を実軸成分と虚軸成分に分解して扱う。2軸成分にはそれぞれ交流成分が存在するが、各々の軸に分解しているので、必要に応じて各軸毎に複素平面上でのフィルタ処理が可能となり検出精度の向上が行える。
また、フィルタ処理を行った場合、収束までの時間は数秒程度で行える。よって観測波形を2軸成分に分解し回転子位置検出を行う手法は、電動機の起動時から、即座に負荷及び筐体に伝わる振動を抑制したい場合、回転子の機械的位置特定を短時間で行える意味で有効である。また、回転子位置誤差検出のように逐次処理が不要であるので、処理負荷が軽くて済む利点がある。
今、インバータ回転角(機械角)より所定の進み位相差αを維持しながら同一回転数で同じ方向に回転している単相信号(負荷トルクの代替量としてδ軸電流Iδ又はγ軸電流Iγを想定)について考える。単相信号の瞬時値をインバータ回転角(機械角)の初期位相方向(実軸方向)と、初期位相方向より機械角で90度だけ進んだ方向(虚軸方向)の直交2軸へ分解すると、インバータ回転角(機械角)の初期位相と単相信号のピーク位相(機械角)までの位相差αを求めることができる。
図8に、振幅Aの単相信号瞬時値を直交2軸へ分解している例を示す。実際は、単相信号にはオフセット(直流成分)や高調波が存在する。よって考察する単相信号を、式(5)のようなn次高調波及びオフセット量を含む余弦波として定義する。ただし、Aは基本波振幅、αはインバータ回転角(機械角)の初期位相方向(実軸方向)から見た時の単相信号のピーク値が表れる回転角(機械角)を表す(以後、基本波ピーク位相と称す)。また、Bはn次高調波振幅、βはn次高調波のピーク位相を表す。Cはオフセット値(直流成分)とする。
f(θ)=Acos(θ+α)+Bcos(nθ+β)(5)
ただし、n≧2
式(5)をインバータ回転周期(機械角)に同期させ、座標変換を施す。その結果、式(6)のような、基本波実軸成分I(θ)及び基本波虚軸成分I(θ)を得る。
(θ)=f(θ)・cosθ
(θ)=f(θ)・sinθ (6)
(θ)、I(θ)に対し、周期積分を用い、アークタンジェント計算を施すと、定義した単相信号の基本波ピーク位相αを、式(7)のように求めることができる。
Figure 0004060805
式(7)は、扱う単相信号にn次高調波あるいはオフセット値(直流成分)が含まれていても基本波ピーク位相を正確に求められることを示している。ここで式(7)の演算は周期積分であるので、1周期分のデータが必要であるが、本処理をフィルタに置き換えることで処理の高速化が行える(1周期分のデータストックのため、1周期の時間待ちがなく、演算が可能となる)。また、フィルタにより、I(θ)、I(θ)のノイズ(交流成分)を除去することができる。
ノイズ(交流成分)除去には、従来ローパスフィルタがよく用いられるので、ノイズ(交流成分)除去の一例として、図9に、ローパスフィルタを使用した位相演算の例を示す。単相信号f(θ)に対して、インバータ回転角(機械角)に同期させたサイン、コサインを乗じて得られる実軸成分Ir(θ)及び虚軸成分Ii(θ)に、各々ローパスフィルタを通す。結果、複素平面上の実軸成分の直流量Ir(DC)及び虚軸成分の直流量Ii(DC)が得られる。
回転子位置検出手段6において、各直流量Ir(DC)、Ii(DC)について式(8)を用いて、アークタンジェント計算を行うことで、瞬時データを用いノイズに強い位相演算を行うことが出来る。
α=tan−1(Ir(DC) /Ii(DC) ) (8)
上述の内容(図1の座標変換手段5から回転子位置検出手段6まで)を実際に運用する場合のフローチャートの例を図10に示す。STEP1においては、式(6)を用いて座標変換を行う。すなわち、δ軸電流Iδ又はγ軸電流Iγを高調波及びオフセット成分を含む単相信号f(θ)として、インバータ回転角(機械角)に同期させて座標変換を行う。
次に、STEP2において、フィルタ処理を行うかどうか判断する。フィルタ処理を行わないと判断した場合は、STEP5にて式(6)を用い回転子位置検出を行い、フローを終了する。また、STEP2でフィルタ処理を行うと判断した場合は、図9の例のようなフィルタ処理をSTEP3にて行う。得られた各直流量を用い、STEP4にて式(8)による回転子位置検出を行い、フローを終了する。
ただし、図10のフローチャートはフィルタ処理の要否切替えが必要な場合の例であり、切替えが不要な場合は、STEP1から直接STEP3・STEP4へ(図11)、あるいはSTEP5の流れで(図12)、フローチャートを組めば良い。
図7に示す負荷がシングルロータリ圧縮機の場合の回転子位置図で見た場合、基本波ピーク位相αの通過点に相当するのは上死点近傍ということになる。このようにして回転子の機械的位置が間接的に特定できる。実使用上は、基本波ピーク位相αと回転子の機械的位置関係は、負荷の種類、インバータ制御の方法等によって変化するので、機械設計、振動試験及びシミュレーション等により所定の位相補正量を事前に設定しておくことで、負荷及び筐体に伝わる振動成分が最小になるように調整する。図7の例では、基本波ピーク位相αから電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも重くなりはじめる点までをθadjとして設定している。
回転子位置検出が完了したら、トルク制御手段7により、トルク操作を開始する。基本波ピーク位相αを基点として、1回転中における負荷トルクが大きい領域で出力トルクを大きく発生するように、また負荷トルクが小さい領域で出力トルクを小さく発生するように、内部パラメータを操作する。
ここで、この明細書で述べる負荷トルクが大きい領域・小さい領域とは、使用する負荷の負荷トルクパターンの解析・シミュレーション、あるいは実機試験により算出した1回転中の平均負荷トルクよりも負荷が重い領域・負荷が軽い領域のことである。
電動機に関し、1回転中の出力トルクを変化させるには、励磁電流Iγ、トルク電流Iδ、γ軸電圧Vγ、δ軸電圧Vδをインバータ1回転中で変化させて操作してやれば良い。
本実施の形態では、励磁電流指令値Iγ **を操作する例を示す。同様の手法で、トルク電流指令値Iδ **、γ軸電圧指令値Vγ **、δ軸電圧指令値Vδ **のいずれかを操作しても同様の効果が得られる。
回転子位置情報を用いて周期的に励磁電流指令値Iγ **又はトルク電流指令値Iδ **又はγ軸電圧指令値Vγ **又はδ軸電圧指令値Vδ **を変化させてトルク制御を行うので、トルク制御実施時長い時間スパンで見た際の電流脈動が少なくて済む。また、速度フィードバック系を有しないシステムであっても、トルク制御を行うことができる。
図7には制御が比較的簡易な励磁電流指令値Iγ **を操作することでトルク操作する例を示している。通常運転(トルク制御を行わない運転)において、励磁電流指令値Iγ *は、例えば外部より与える回転速度指令ω*に応じ、図13のように設定する。
図13の例では、同一回転速度においてIγ *は変化させていない。また、電動機の出力トルクを高効率に出すような制御を実施する際には、同一回転速度であっても数秒程度の時定数でIγ *の値を少量変化させることはあるが、故意に1回転中に急激にIγ *の値を変化させるようなことは普通行わない。しかし、周期的な負荷トルク変動を有する負荷の場合、Iγ、Iδ、Vγ、Vδ等の制御パラメータにより周期的に出力トルクを制御してやらないと、負荷トルクと出力トルクとの差分が負荷又は筐体に伝わる振動成分となって表れる。よって、1回転中において、周期的にIγ *を操作し、Iγ **として出力する。
トルク制御を行わない時、Iγ **は式(9)のように設定する。
γ **=Iγ * (9)
トルク制御を行う時、Iγ **は式(10)のように設定する。
(負荷が大きい領域)
γ **=Iγ *+K
(負荷が小さい領域) (10)
γ **=Iγ *−K
トルク制御を行う際は、負荷が大きい領域では補正値Kを加算し、負荷が小さい領域では補正値Kを減算している。各補正量の出力幅は、出力トルクのバランスを保つために、周期性を持たせて与えるのが良い。本例では、半周期毎にKの符号を切替える。その結果、図7のように、トルク制御実施中は出力トルク波形が負荷トルク波形に近づき、負荷又は筐体に伝わる振動が抑制される。
補正値Kは、トルク制御を行わない際の励磁電流指令Iγ *に対して、負荷トルク脈動の変化形状に応じて矩形波、あるいは正弦波、あるいは余弦波、あるいは台形波を選んで重畳させると良い。特に、負荷トルク脈動が特異形状である場合は、出力トルクの変化を実負荷変化に近づけるため、1回転中の変化値を関数化するか、マップ化させて適合させ変化させるとより精度良く負荷又は筐体に伝わる振動抑制を行える。
実施の形態2.
図14、15は実施の形態2を示す図で、図14は電動機のトルク制御装置の全体構成を示すブロック図、図15は電動機のトルク制御装置において、負荷要素がシングルロータリ圧縮機である場合の負荷トルク、及び回転子実速度ωr、及び回転子速度指令ω**を示す概略図である。
図14に示す電動機のトルク制御装置8は、回転子位置検出手段6により得られた回転子位置情報を用いて周期的に回転子回転速度指令を変化させてトルク制御を行うトルク制御手段7を備えている。他ブロックは、実施の形態1の図1と同じであるので、ここでは説明を省略する。
以下、動作について説明する。周期性を持つ負荷変動を有する負荷に対して、回転子実速度ωrは、図15に示す通りとなる。すなわち、負荷トルクが大きい領域ではωrが遅くなり、負荷トルクが小さい領域ではωrが速くなる(トルク制御を行わない時)。よって、負荷トルクが大きい領域で回転子速度指令ω**を上げ、負荷トルクが小さい領域で回転子速度指令ω**を下げることでも1回転中の回転子速度変動を小さくし、振動抑制することができる。
回転子の機械的位置と負荷トルク変動の挙動については、機械設計段階で、図7の例のように把握することができる。よって、負荷トルクが大きい領域及び負荷トルクが小さい領域において、回転子速度指令ω**の操作を行うことでも、間接的に出力トルク操作が行える。
すなわち、外部から与える所定の回転子速度指令ω*に対し、回転子位置検出手段6により得られた基本波ピーク位相αを用いて、一回転中のω*を周期的に操作し、回転子速度指令ω**として出力すれば良い。
外部より与える回転子速度指令ω*に重畳する補正波形を振幅Kの正弦波とし、ω*に重畳させω**として設定し出力する例を図15に示す。重畳波形の形状は、回転子実速度変動が小さくなるように、正弦波、または余弦波、あるいは連続性を持つ関数化あるいはマップを選定することで、より精度良く振動抑制を行える。
位相補正量θadjは実験、シミュレーション等により、圧縮機の振動が一番小さくなる(電動機1の回転子速度変動が一番小さくなる)ように、回転子速度指令ω*への重畳波形形状に合わせて選定する。
以上よりインバータ2にて電動機1の負荷トルクと出力トルクの偏差が小さくなり、回転子の実速度変動が抑制され、負荷及び筐体に伝わる振動が抑制される。
上述の実施の形態によれば、回転子位置情報を用いて周期的に回転速度指令値を変化させてトルク制御を行うので、トルク制御実施時長い時間スパンで見た際の電流脈動が少なくて済む。また、速度フィードバック系を有しないシステムであっても、トルク制御を行うことができる。
実施の形態3.
図16〜18は実施の形態3を示す図で、図16はシングルロータリ圧縮機の縦断面図、図17はシングルロータリ圧縮機に関し、吸入管に振動センサーを取付て振動レベルを測定する測定方法を示す概略図、図18はシングルロータリ圧縮機の吸入管部分の振動レベルの測定結果を示す図である。
実施の形態1又は実施の形態2で示した電動機を、実際に密閉型圧縮機に組み込み、トルク制御の振動抑制効果を確認したので、その結果を以下説明する。
試験に用いた密閉型圧縮機は、図16に示すような単シリンダのロータリ圧縮機40であり、密閉容器43内に圧縮要素42とともに収納される電動要素41に、実施の形態1又は実施の形態2で示した電動機(ここでは、DCブラシレスモータ)を用いた。
ロータリ圧縮機40の振動測定方法は、図17に示すように、密閉容器43に接続される吸入マフラー付近の吸入管に振動センサーを設置し、設置方向は圧縮機外周に対して接線方向とした。振動センサーからの出力を増幅器を介し、周波数分析装置に入力し、1次の振動成分を抽出して振動レベルを測定した。
測定結果を図18に示す。図において、横軸はロータリ圧縮機40の運転周波数[S−1]、縦軸は接線方向の加振力[dB]である。図に示すように、実施の形態1又は実施の形態2で示した電動機のトルク制御による、顕著な振動抑制効果が確認された。
実施の形態4.
図19〜22は実施の形態4を示す図で、図19は空気調和機の室外機の正面図、図20は同平面図、図21は空気調和機の室外機の振動測定方法を示す図、図22は空気調和機の室外機の振動測定結果を示す図である。
実施の形態3では、実施の形態1又は実施の形態2で示した電動機を、実際に密閉型圧縮機に組み込み、トルク制御の振動抑制効果を確認したが、さらに、その密閉型圧縮機を用いた空気調和機の室外機の振動測定も行った。
図19、20に示すように、空気調和機の室外機50は、実施の形態3で示した密閉型圧縮機、熱交換器、送風機、電気品室等を備える。
空気調和機の室外機50の振動測定は、図21に示すように、空気調和機の室外機50の下面支持台4ポイントより外部に伝わる振動を振動センサーで測定した。振動センサーからの信号を増幅器を介して周波数分析装置に取り込み、各ポイントの1次の振動成分を抽出する。4ポイントの振動レベル合計を振動伝達力とした。
測定結果を図22に示す。図において、横軸はロータリ圧縮機40の運転周波数[S−1]、縦軸は振動伝達力[gf]である。図に示すように、実施の形態1又は実施の形態2で示した電動機のトルク制御による、顕著な振動抑制効果が確認された。
実施の形態5.
図23は実施の形態5を示す図で、冷蔵庫の縦断面図である。図において、冷蔵庫60の機械室は、背面の最下部に位置し、その機械室に密閉型圧縮機が設置されている。冷蔵庫60は室内で使用されるものであり、密閉型圧縮機の振動を抑制することは、極めて重要である。
特に、密閉型圧縮機に、単シリンダのロータリ圧縮機40を使用する場合は、その特有な振動が問題になることが多い。そこで、実施の形態1又は実施の形態2に示した電動機のトルク制御を適用した単シリンダのロータリ圧縮機40を冷蔵庫60に使用することで、振動抑制効果が期待できる。
以上の説明では、空気調和機と冷蔵庫を例に挙げたが、それ以外の冷凍空調装置においても、同様の効果が期待できる。
実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置の全体構成を示すブロック図である。 実施の形態1を示す図で、電動機の一例のDCブラシレスモータの断面図である。 実施の形態1を示す図で、電動機を駆動するインバータの内部構成図である。 実施の形態1を示す図で、電動機巻線に流れる電流より励磁電流成分(γ軸電流Iγ)とトルク電流成分(δ軸電流Iδ)を求める手段の内部構成図である。 実施の形態1を示す図で、座標変換手段の内部構成図である。 実施の形態1を示す図で、インバータ回転周期及び回転角(機械角及び電気角)と経過時間(位相)関係の概略図(極対数2の回転子を持つ電動機の場合)である。 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、負荷要素がシングルロータリ圧縮機である場合の機械的位置、負荷トルク、γ軸電流Iγ及びδ軸電流Iδ(トルク制御無時)、γ軸電流指令Iγ **(トルク制御有時とトルク制御無時)、出力トルク(トルク制御有時とトルク制御無時)と経過時間(位相)関係を示す概略図である。 実施の形態1を示す図で、座標変換時の概略図である。 実施の形態1を示す図で、フィルタ処理手段にローパスフィルタを用いた例を示す図である。 実施の形態1を示す図で、フィルタ処理の要否切替が必要な場合の座標変換手段から回転子位置検出手段までのフローチャート図である。 実施の形態1を示す図で、フィルタ処理の要否切替が不要で、フィルタ処理を行う場合の座標変換手段から回転子位置検出手段までのフローチャート図である。 実施の形態1を示す図で、フィルタ処理の要否切替が不要で、フィルタ処理を行わない場合の座標変換手段から回転子位置検出手段までのフローチャート図である。 実施の形態1を示す図で、回転速度指令と励磁電流指令の関係図である。 実施の形態2を示す図で、電動機のトルク制御装置の全体構成を示すブロック図である。 実施の形態2を示す図で、電動機のトルク制御装置において、負荷要素がシングル回転子リ圧縮機である場合の負荷トルク、及び回転子実速度ωr、及び回転子速度指令ω**を示す概略図である。 実施の形態3を示す図で、シングルロータリ圧縮機の縦断面図である。 実施の形態3を示す図で、シングルロータリ圧縮機に関し、吸入管に振動センサーを取付て振動レベルを測定する測定方法を示す概略図である。 実施の形態3を示す図で、シングルロータリ圧縮機の吸入管部分の振動レベルの測定結果を示す図である。 実施の形態4を示す図で、空気調和機の室外機の正面図である。 実施の形態4を示す図で、空気調和機の室外機の平面図である。 実施の形態4を示す図で、空気調和機の室外機の振動測定方法を示す図である。 実施の形態4を示す図で、空気調和機の室外機の振動測定結果を示す図である。 実施の形態5を示す図で、冷蔵庫の縦断面図である。
符号の説明
1 電動機、2 インバータ、3 電流検出手段、4 励磁電流成分(γ軸電流)とトルク電流成分(δ軸電流)を求める手段、5 座標変換手段、6 回転子位置検出手段、7 トルク制御手段、8 電動機のトルク制御装置、9 インバータ主回路、10 駆動信号生成手段、11a〜11f スイッチング素子、12a〜12f 還流ダイオード、13 PWM信号発生手段、14 PWM信号作成部、15 2相3相変換手段、16 電圧指令演算手段、17 相電流演算手段、18 3相2相変換手段、19 順変換手段、20 フィルタ処理手段、30 DCブラシレスモータ、31 固定子鉄心、31a スロット、31b 磁極ティース、32 巻線、34 回転子軸、35 回転子、36 永久磁石、37 回転子鉄心、38 空隙、40 ロータリ圧縮機、41 電動要素、42 圧縮要素、43 密閉容器、50 空気調和機の室外機、60 冷蔵庫。

Claims (11)

  1. 負荷トルクが周期的に変動する負荷要素を駆動する電動機と、
    前記電動機を制御するインバータと、
    前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電動機に流れる電流から励磁電流成分(以下、γ軸電流)とトルク電流成分(以下、δ軸電流)とを求める手段と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分を算出する順変換手段と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分の交流成分を除去して、複素平面上の実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量を算出する手段と、
    前記実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量から、前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波ピーク位相を算出し、基本波ピーク位相により回転子の機械的位置を特定する回転子位置検出手段と、
    前記回転子位置検出手段からの回転子の機械的位置情報を用いて、前記電動機のトルク制御を行うトルク制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機のトルク制御装置。
  2. 前記トルク制御手段は、前記回転子位置情報を用いて周期的にγ軸電流指令値又はδ軸電流指令値又はγ軸電圧指令値又はδ軸電圧指令値を変化させてトルク制御を行うことを特徴とする請求項1記載の電動機のトルク制御装置。
  3. 前記トルク制御手段は、前記回転子位置情報を用いて周期的に回転速度指令値を変化させてトルク制御を行うことを特徴とする請求項1記載の電動機のトルク制御装置。
  4. 前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分に含まれる交流成分を除去するフィルタ処理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動機のトルク制御装置。
  5. 負荷トルクが周期的に変動する負荷要素を、インバータにより制御される電動機により駆動する電動機のトルク制御方法において、
    前記電動機に流れる電流を検出する工程と、
    前記電動機に流れる電流からγ軸電流とδ軸電流とを求める工程と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分を算出する工程と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分の交流成分を除去して、複素平面上の実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量を算出する工程と、
    前記実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量から、前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波ピーク位相を算出し、基本波ピーク位相より回転子の機械的位置を特定する工程と、
    前記回転子の機械的位置情報を用いて、前記電動機のトルク制御を行う工程と、
    を備えたことを特徴とする電動機のトルク制御方法。
  6. 負荷トルクが周期的に変動する負荷要素を駆動する電動機と、
    前記電動機を制御するインバータと、
    前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電動機に流れる電流からγ軸電流とδ軸電流とを求める手段と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分を算出する順変換手段と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分の交流成分を除去して、複素平面上の実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量を算出する手段と、
    前記実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量から、前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波ピーク位相を算出し、基本波ピーク位相より回転子の機械的位置を特定する回転子位置検出手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機の回転子位置検出装置。
  7. 前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分に含まれる交流成分を除去するフィルタ処理手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の電動機の回転子位置検出装置。
  8. 負荷トルクが周期的に変動する負荷要素を、インバータにより制御される電動機により駆動する電動機の回転子位置検出方法において、
    前記電動機に流れる電流を検出する工程と、
    前記電動機に流れる電流からγ軸電流とδ軸電流とを求める工程と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分を算出する工程と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分の交流成分を除去して、複素平面上の実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量を算出する工程と、
    前記実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量から、前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波ピーク位相を算出し、基本波ピーク位相より回転子の機械的位置を特定する工程と、
    を備えたことを特徴とする電動機の回転子位置検出方法。
  9. 密閉容器内に設けられ、冷媒を圧縮して負荷トルクが周期的に変動する圧縮要素と、
    前記圧縮要素を駆動する電動機で構成される電動要素と、
    前記電動機を制御するインバータと、
    前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電動機に流れる電流からγ軸電流とトルク電流成分とを求める手段と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分を算出する順変換手段と、
    前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波実軸成分と基本波虚軸成分の交流成分を除去して、複素平面上の実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量を算出する手段と、
    前記実軸成分の直流量と虚軸成分の直流量から、前記γ軸電流又はδ軸電流の基本波ピーク位相を算出し、基本波ピーク位相より回転子の機械的位置を特定する回転子位置検出手段と、
    前記回転子位置検出手段からの回転子の機械的位置情報を用いて、前記電動機のトルク制御を行うトルク制御手段と、
    を備えたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  10. 前記圧縮要素が、単気筒のローリングピストン式のもので構成されることを特徴とする請求項9記載の密閉型圧縮機。
  11. 冷凍サイクルに、請求項9記載の密閉型圧縮機を用いたことを特徴とする冷凍空調装置。
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