JP6846939B2 - モータ制御装置、ロータリ圧縮機システム及びモータ制御方法 - Google Patents
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Description
速度を取得し、前記モータの制御方法を、前記取得した回転速度における前記モータの効
率に基づいて、前記効率がより高い制御方法に切り替える制御方法切替部、を備え、前記制御方法切替部は、前記モータの回転速度が所定の閾値より低速となると、前記モータの制御方法を、センサレスベクトル制御に切り替えるモータ制御装置である。
1.5×104 ≦ I/N ≦ 4.9×104
以下、本発明の一実施形態によるロータリ圧縮機システムについて図1〜図8を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の側方断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る圧縮機10は、モータ18と、モータ18によって回転されるクランクシャフト16と、クランクシャフト16の回転に伴って偏心回転するピストンロータ13A,13Bと、ピストンロータ13A,13Bを収容する圧縮室が内部に形成されたシリンダ12A,12Bと、シリンダ12A,12Bを囲うことで圧縮された冷媒が排出される吐出空間Vを形成するハウジング11、を備えている。
上段側のシリンダのピストンロータ13Aと、下段側のピストンロータ13Bとは、その位相が互いに180°だけ異なるように設けられている。
また、上下のシリンダ12A、12Bの間には、ディスク状の仕切板15が設けられている。仕切板15により、上段側のシリンダ12A内の空間Rと、下段側の空間Rとが互いに連通せずに圧縮室R1とR2とに仕切られている。
クランクシャフト16は、クランクシャフト16の中心線に直交する方向にオフセットした偏心軸部14A、14Bを有している。これら偏心軸部14A、14Bがクランクシャフト16の中心軸線回りに旋回することで、上下のピストンロータ13A、13Bがこの旋回に追従してシリンダ12A、12B内で、偏心回転する。
そして、ピストンロータ13A、13Bが偏心回転することにより、圧縮室R1、R2の容積が徐々に減少して冷媒が圧縮される。この冷媒は、モータ18の周囲を通過してから、上部に設けられた吐出口を経由して冷凍サイクルを構成する配管27に排出される。
図2にモータ18の制御を行うセンサレスベクトル制御回路74(MRAS制御部74)のブロック図を示す。図2に示すセンサレスベクトル制御回路74は、コンバータ31と、コンデンサ32と、リアクタ33と、インバータ34と、電流センサ35と、電流検出回路36と、A/D変換回路37と、PWM(Pulse Width Modulation)デュ−ティ計算回路38と、A/D変換回路39と、電圧検出回路40と、フルベクトル制御回路41と、を備えている。また、フルベクトル制御回路41は、2相/3相変換回路42と、2相/3相変換回路43と、電流PI制御回路44と、電流変換テーブル45と、速度PI制御回路46と、速度位置推定回路47と、減算器48と、減算器49と、を備える。
図3に速度位置推定回路47のブロック図を示す。速度位置推定回路47は、電流推定回路50と、速度推定回路51と、積分回路52とを備える。電流推定回路50は、電力指令値vd、vqと、速度推定回路51が推定したモータロータ19の回転速度の推定値ω_Mを入力し、モータ18をモデル化した適応モデル(Adjustable Model)に基づいて、電流推定値id_est、iq_estを推定する。速度推定回路51は、電流推定値id_est、iq_estとid、iqを入力し、回転速度の推定(ω_M)を行う。積分回路52は、回転速度の推定値ω_Mを積分して、モータロータ19の磁極角度の推定値θesを算出する。速度位置推定回路47は、速度推定回路51が推定した回転速度の推定値ω_Mを回転速度の推定値ωesとして、積分回路52が算出したモータロータ19の磁極角度の推定値θesと共に出力する。
図4は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の制御回路を示す第三の図である。
図4にモータ18の制御を行うV/f制御回路73(V/f制御部73)のブロック図を示す。図4に示すV/f制御回路73は、電圧指令演算回路61、2相/3相変換回路62、3相/2相変換回路63、および力率角演算回路64、乗算器65と、減算器66と、を備える。図4において、ωmは回転数指令、nはモータの極対数、ω1はインバータ出力周波数(一次周波数)、vδ*、vγ*は、それぞれδ軸、γ軸電圧指令、vu*、vv*、vw*はそれぞれu相、v相、w相の電圧指令、vu、vv、vwはそれぞれu相、v相、w相の出力電圧、iu、iv、iwは、それぞれu相、v相、w相の出力電流、iδ、iγはそれぞれδ軸、γ軸のインバータ出力電流であり、iδは励磁電流成分、iγはトルク電流成分である。θは出力電圧位相、およびφは力率角である。
図5は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機のモータ制御装置を示す図である。
モータ制御装置70は、MCU(Micro Controller Unit)などのコンピュータである。
図5に示すようにモータ制御装置70は、回転速度指令部71と、制御方法切替部72と、V/f制御部73と、MRAS制御部74と、記憶部75とを備えている。
回転速度指令部71は、モータ18の回転速度の指令値を算出する。
制御方法切替部72は、回転速度指令部71が算出した回転速度に基づいて、モータの制御方法に切り替える。例えば、制御方法切替部72は、モータの回転速度が所定の閾値未満となる低速域では、モータの制御方法を、センサレスベクトル制御に切り替える。また、制御方法切替部72は、モータの回転速度が所定の閾値以上となる場合には、モータの制御方法を、V/f制御に切り替える。
V/f制御部73は、例えば図4で例示した回路を有し、V/f制御によってインバータ34を制御する。
MRAS制御部74は、例えば図2、3で例示した回路を有し、センサレスベクトル制御(MRAS制御)によってインバータ34を制御する。
記憶部75は、制御方法切替部72が制御方法の切り替えの指標とする閾値等の情報を記憶する。
図6は、V/f制御によってインバータ34を制御したときのモータ18の回転速度と効率の関係を示している。グラフP1は、負荷が一定な場合の回転速度とモータ効率の関係を示している。グラフP2は、負荷が変動する場合の回転速度とモータ効率の関係を示している。グラフP1,P2が示すように、低速域ではモータ18の効率が低下するが、負荷が変動する場合には、その傾向はより顕著である。ロータリ圧縮機10では、1回の圧縮工程中にガス圧縮トルクが大きく変動する。また、1回の圧縮工程中におけるガス圧縮トルクの変動は、回転数が低速になるほど大きくなる。つまり、ロータリ圧縮機10の運転中、特に低速域において、モータ18の効率は、グラフP2と同様の推移を示す。また、ロータリ圧縮機10を備える空調機において、モータ18の回転速度が、モータ効率が著しく低下するまでに低速となるのは、暖房定格出力、暖房中間出力、冷房定格出力、冷房中間出力のうち、冷房中間出力を行う場合に該当する。冷房中間出力を行う場合とは、例えば、冷房中に設定温度に到達した後の運転などが考えられる。つまり、インバータ34をV/f制御によって制御すると、例えば、長時間の冷房運転を行う場合において、設定温度到達後の多くの時間を、モータ効率が低下した状態で行わなければならない可能性がある。本実施形態では、このような場面でもモータ効率を高く維持したまま、ロータリ圧縮機10を運転するモータ制御方法を提供する。
図7は、V/f制御によってインバータ34を制御したときのモータ18の効率と、センサレスベクトル制御によってインバータ34を制御したときのモータ18の効率とを回転速度領域別(冷房中間出力、暖房中間出力)に比較したグラフである。なお、センサレスベクトル制御においては、モータ18の回転角度の推定にMRAS制御を使用している。グラフP1a、P1bは、V/f制御によってインバータ34を制御したときの負荷一定時のモータ効率、グラフP2a、P2bは、V/f制御によってインバータ34を制御したときの負荷変動時のモータ効率を示している。グラフP3a、P3bは、センサレスベクトル制御によってインバータ34を制御したときの負荷変動時のモータ効率を示している。
図7の左図に冷房中間出力時の上記P1a〜P3aのグラフ、図7の右図に暖房中間出力時の上記P1b〜P3bのグラフを示す。なお、冷房中間出力時におけるモータ18の回転速度は、図6においてモータ効率が低下するXrpm以下の回転速度領域である。また、暖房中間出力時におけるモータ18の回転速度は、Xrpmよりも高速である。
1.5×104≦ I/N ≦ 4.9×104 ・・・・(1)
同程度のサイズのモータ18であれば、上の式(1)を満たす範囲で、センサレスベクトル制御を適用すると効率の低減を防ぐことができると考えられる。なお、本実施形態の低速領域にてセンサレスベクトル制御を適用する範囲は式(1)に限定されるものではない。
図8は、本発明の一実施形態におけるモータ制御装置のフローチャートである。
前提として記憶部75には、制御方法の切り替えに用いる回転速度の閾値が記録されている。閾値とは、V/f制御によるモータ効率が著しく低下する低速領域でのある回転速度である。この閾値は、事前に実験や計算によって予め決定されている。また、モータ制御装置70は、ロータリ圧縮機10のモータ18を駆動しているとする。また、ロータリ圧縮機10は、空調機の室外機などに設けられており、空調機の制御装置は、ユーザが指定する設定温度と室内温度に応じて、ロータリ圧縮機10の回転速度などを制御する。モータ制御装置70は、この空調機の制御装置から指令信号を入力して、モータ18の回転速度を制御する。
なお、モータ18は、永久磁石同期モータ、誘導モータなど各種モータを適用することができる。また、本実施形態の回転速度制御は多気筒のロータリ圧縮機に適用することができる。また、本実施形態の制御回路にはMRAS制御以外のセンサレスベクトル制御を適用してもよい。
なお、ロータリ圧縮機システムは、モータ制御装置70とセンサレスベクトル制御回路74とロータリ圧縮機10とを含んで構成される。また、制御システムは、モータ制御装置70とセンサレスベクトル制御回路74とを含んで構成される。本実施形態のロータリ圧縮機システムは、例えば空調機に使用される。速度位置推定回路47はMRAS制御回路の一例である。
11・・・ハウジング
12A,12B・・・シリンダ
13A,13B・・・ピストンロータ
16・・・クランクシャフト
18・・・モータ
22A、22B・・・開口
23A、23B・・・吸入ポート
24・・・アキュムレータ
25・・・ステー
26A、26B・・・吸入管
31・・・コンバータ
32・・・コンデンサ
33・・・リアクタ
34・・・インバータ
35・・・電流センサ
36・・・電流検出回路
37・・・A/D変換回路
38・・・PWMデュ−ティ計算回路
39・・・A/D変換回路
40・・・電圧検出回路
41・・・フルベクトル制御回路
42、43・・・2相/3相変換回路
44・・・電流PI制御回路
45・・・電流変換テーブル
46・・・速度PI制御回路
47・・・速度位置推定回路
48・・・減算器
49・・・減算器
50・・・電流推定回路
51・・・速度推定回路
52・・・積分回路
61・・・電圧指令演算回路
62・・・2相/3相変換回路
63・・・3相/2相変換回路
64・・・力率角演算回路
65・・・乗算器
66・・・減算器
70・・・モータ制御装置
71・・・回転速度指令部
72・・・制御方法切替部
73・・・V/f制御部
74・・・MRAS制御部(センサレスベクトル制御回路)
75・・・記憶部
Claims (8)
- ロータリ圧縮機のピストンロータを回転駆動するモータの回転速度を取得し、前記モータの制御方法を、前記取得した回転速度における前記モータの効率に基づいて、前記効率がより高い制御方法に切り替える制御方法切替部、
を備え、
前記制御方法切替部は、前記モータの回転速度が所定の閾値より低速となると、前記モータの制御方法を、センサレスベクトル制御に切り替える、
モータ制御装置。 - 前記制御方法切替部は、前記センサレスベクトル制御において、MRAS(model reference adaptive system)制御により前記モータの回転角度を推定する、
請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記制御方法切替部は、前記モータの回転速度が所定の閾値以上となると、前記モータの制御方法を、V/f制御に切り替える、
請求項1から請求項2の何れか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記閾値は、負荷が変動する場合のV/f制御による前記モータの効率が、センサレスベクトル制御による前記モータの効率よりも低下する回転速度である、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記所定の閾値は、10rpm以上30rpm以下の範囲に含まれる、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記モータのモータロータのイナーシャをI g・mm2、前記所定の閾値より低速となる回転速度をN rpmとした場合、以下の式が成り立つ、
1.5×104 ≦ I/N ≦ 4.9×104
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のモータ制御装置。 - ロータリ圧縮機と、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載のモータ制御装置と、
を備えるロータリ圧縮機システム。 - モータ制御装置が、
ロータリ圧縮機のピストンロータを回転駆動するモータの回転速度を取得するステップと、
前記モータの制御方法を、前記取得した回転速度における前記モータの効率に基づいて、前記効率がより高い制御方法に切り替えるステップと、
を備え、
前記効率がより高い制御方法に切り替えるステップでは、前記モータの回転速度が所定の閾値より低速となると、前記モータの制御方法を、センサレスベクトル制御に切り替える、
モータ制御方法。
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