JP2018087535A - 回転速度制御装置、ロータリ圧縮機システム、制御システム及び回転速度制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータリ圧縮機において、高圧室から低圧室の冷媒ガスの漏れを防ぐ制御装置を提供する。【解決手段】回転速度制御装置は、ロータリ圧縮機においてピストンロータを駆動するクランクシャフトを回転駆動するモータの回転角度を取得し、シリンダにおける高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された閾値と、取得したモータの回転角度に基づくクランクシャフトの回転角度とを比較して、モータの回転速度を変更するか否かを判定し、回転速度を変更すると判定した場合、モータへの回転速度指令値を変更する。【選択図】図4
Description
本発明は、回転速度制御装置、ロータリ圧縮機システム、制御システム及び回転速度制御方法に関する。
従来より、冷凍装置や空気調和装置などでは、冷媒を必要な圧力まで圧縮する圧縮機が使用されている。このような圧縮機の一つとして、ロータリ圧縮機が知られている。ロータリ圧縮機は、円筒形状のハウジングと、ハウジング内に配設されたモータと、モータにより駆動され冷媒を圧縮する全密閉型のロータリ圧縮機構とを備えて構成されている。
なお、特許文献1には、ロータリ圧縮機において発生する振動を低減するために、負荷トルクの変動に応じてロータリ圧縮機が備えるモータの発生トルクを変動させ、回転部分の回転数変動を抑制することができる制御方法について記載がある。
ロータリ圧縮機では、1回の圧縮工程中にガス圧縮トルクが大きく変動する。このため、1回の圧縮工程でクランクシャフト16の回転速度の変動が発生する。図6にこの様子を示す。図6は、ロータリ圧縮機におけるガス圧縮トルクの変動を説明する図である。1回の圧縮工程中、ピストンロータ13は、図6の左上図の状態から左下図、右下図、右上図、左上図に示すようにシリンダ12内の空間(シリンダ室)を偏心回転する。図中、LP、HP、MPはピストンロータ13とシリンダ12の間に形成された空間でのガス状の冷媒の圧力状態を示している。LPは低圧力、HPは高圧力、MPは中間圧力の状態を示している。左上図に示す状態では、ガス圧力は低く、ピストンロータ13は圧縮冷媒ガスによる反力をあまり受けない。ところが左下図、右下図に示す状態へと進むにつれて、吐出口28側の空間(高圧室)のガス圧力は中間圧力(MP)から高圧(HP)へと上昇していく。これに伴い、クランクシャフト16の回転速度は徐々に遅くなり、高圧室と低圧室(吸入ポート23側の空間)の圧力差が大きい程、クランクシャフト16は圧縮冷媒ガスによる大きな反力を受け、例えば右下図に示す状態から右上図に示す状態へと移動する間、クランクシャフト16は比較的低速で回転することになる。クランクシャフト16の回転速度が低下すると、ピストンロータ13の回転にそれだけ時間が掛かることになる。つまり、右下図に示す状態から右上図に示す状態への遷移は、相対的に長い時間をかけて行われる。ところで、図6に示す圧縮工程中、ピストンロータ13とシリンダ12の間のクリアランスを通じて高圧室から低圧室へと冷媒の漏れが発生する。冷媒が漏れる量は、高圧室と低圧室の圧力差が大きくなる程、多くなる。上記したように、高圧室と低圧室の圧力差が大きいとそれだけ回転に時間が掛かる。従って、1回の圧縮工程中、圧力差が大きい過程では、それだけ冷媒が長時間にわたって漏れ続けることになり、その結果、比較的多量の冷媒が漏れることになる。これにより、再圧縮損失が生じるという課題が存在する。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる回転速度制御装置、ロータリ圧縮機システム、制御システム及び回転速度制御方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、ロータリ圧縮機においてシリンダ内でガスの圧縮を行うピストンロータを駆動するクランクシャフトを回転駆動するモータの回転角度を取得する角度情報取得部と、前記シリンダにおける高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された前記クランクシャフトの回転角度の閾値と、前記角度情報取得部が取得したモータの回転角度に基づく前記クランクシャフトの回転角度と、を比較して前記モータの回転速度を変更するか否かを判定する回転速度切替判定部と、前記回転速度切替判定部が回転速度を変更すると判定した場合、前記モータへの回転速度指令値を変更する回転速度指令部と、を備える回転速度制御装置である。
本発明の第2の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記ピストンロータの上死点における前記クランクシャフトの回転角度を0°とし、前記クランクシャフトの回転方向を正の角度位置とした場合に、180°から360°の間で設定された所定の回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する。
本発明の第3の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室と前記低圧室の冷媒ガスの圧力差が所定の閾値以上となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する。
本発明の第4の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記ロータリ圧縮機の吐出側における冷媒の温度と吸入側における冷媒の温度の温度差が所定の閾値以上となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する。
本発明の第5の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室から前記低圧室への冷媒ガスの漏れが所定の閾値以上となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する。
本発明の第6の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室と前記低圧室の体積比が所定の割合となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する。
本発明の第7の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室の冷媒ガスから前記ピストンロータが受ける圧縮冷媒ガスの反力が所定の閾値以上となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する。
本発明の第8の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室の冷媒ガスから前記ピストンロータが受ける圧縮冷媒ガスの反力によって前記モータの回転速度が所定の閾値以下となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する。
本発明の第9の態様における前記回転速度指令部は、前記回転速度切替判定部が前記モータの回転速度を変更すると判定すると前記モータの回転速度を上昇させる。
本発明の第10の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記ピストンロータの上死点となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定し、前記回転速度指令部は、前記モータの回転速度を所定の速度まで低下させる。
本発明の第11の態様における前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度に代えて、前記モータの回転角度に基づく前記ピストンロータの前記シリンダにおける位置情報と、前記高圧室から前記低圧室への冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された閾値とを比較して、前記モータの回転速度を変更するか否かを判定する。
本発明の第12の態様における前記角度情報取得部は、MRAS(model reference adaptive system)制御により推定された前記モータの回転角度を取得する。
本発明の第13の態様における前記回転速度切替判定部は、1回の圧縮工程中に前記ロータリ圧縮機が備えるシリンダ数と同じ数だけ設定された前記回転角度の閾値に基づいて、前記モータの回転速度の変更を判定し、前記回転速度指令部は、当該判定に基づいて、1回の圧縮工程中に前記シリンダ数と同じ数だけ前記モータの回転速度を上昇させる。
本発明の第14の態様は、ロータリ圧縮機と、上記の何れか1つに記載の回転速度制御装置と、前記回転速度制御装置が出力する回転速度指令値を取得してロータリ圧縮機が備えるモータの回転を制御するセンサレスベクトル制御回路と、を備えるロータリ圧縮機システムである。
本発明の第15の態様における前記ロータリ圧縮機システムは、前記センサレスベクトル制御回路は、MRAS(model reference adaptive system)制御回路を備え、前記MRAS制御回路により前記モータの回転角度および回転速度を推定し、推定した前記モータの回転角度および回転速度に基づいて、前記モータの回転を制御する。
本発明の第16の態様は、ロータリ圧縮機の制御に用いられる制御システムであって、上記の何れか1つに記載の回転速度制御装置と、前記回転速度制御装置が出力する回転速度指令値を取得してロータリ圧縮機が備えるモータの回転を制御するセンサレスベクトル制御回路と、を備える制御システムである。
本発明の第17の態様は、回転速度制御装置が、ロータリ圧縮機においてシリンダ内で冷媒ガスの圧縮を行うピストンロータを駆動するクランクシャフトを回転駆動するモータの回転角度を取得し、前記シリンダにおける高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された前記クランクシャフトの回転角度の閾値と、前記取得したモータの回転角度に基づく前記クランクシャフトの回転角度と、を比較して、前記モータの回転速度を変更するか否かを判定し、前記回転速度を変更すると判定した場合、前記モータへの回転速度指令値を変更する、回転速度制御方法である。
本発明によれば、ロータリ圧縮機における圧縮工程において、高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れを低減し、圧縮効率を高めることができる。
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態によるロータリ圧縮機システムについて図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の側方断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る圧縮機10は、モータ18と、モータ18によって回転されるクランクシャフト16と、クランクシャフト16の回転に伴って偏心回転するピストンロータ13A,13Bと、ピストンロータ13A,13Bを収容する圧縮室が内部に形成されたシリンダ12A,12Bと、シリンダ12A,12Bを囲うことで圧縮された冷媒が排出される吐出空間Vを形成するハウジング11、を備えている。
以下、本発明の一実施形態によるロータリ圧縮機システムについて図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の側方断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る圧縮機10は、モータ18と、モータ18によって回転されるクランクシャフト16と、クランクシャフト16の回転に伴って偏心回転するピストンロータ13A,13Bと、ピストンロータ13A,13Bを収容する圧縮室が内部に形成されたシリンダ12A,12Bと、シリンダ12A,12Bを囲うことで圧縮された冷媒が排出される吐出空間Vを形成するハウジング11、を備えている。
この圧縮機10は、円筒形状のハウジング11に、ディスク状のシリンダ12A、12Bが上下2段に設けられた、いわゆる2気筒タイプのロータリ圧縮機である。シリンダ12A、12Bの内部には、各々、シリンダ内壁面の内側よりも小さな外形を有する円筒状のピストンロータ13A、13Bが配置されている。ピストンロータ13A、13Bは、各々、ハウジング11の中心軸線に沿った回転軸の偏心軸部14A、14Bに挿入固定されている。
上段側のシリンダのピストンロータ13Aと、下段側のピストンロータ13Bとは、その位相が互いに180°だけ異なるように設けられている。
また、上下のシリンダ12A、12Bの間には、ディスク状の仕切板15が設けられている。仕切板15により、上段側のシリンダ12A内の空間Rと、下段側の空間Rとが互いに連通せずに圧縮室R1とR2とに仕切られている。
上段側のシリンダのピストンロータ13Aと、下段側のピストンロータ13Bとは、その位相が互いに180°だけ異なるように設けられている。
また、上下のシリンダ12A、12Bの間には、ディスク状の仕切板15が設けられている。仕切板15により、上段側のシリンダ12A内の空間Rと、下段側の空間Rとが互いに連通せずに圧縮室R1とR2とに仕切られている。
クランクシャフト16は、シリンダ12Aに固定された上部軸受部17A、及びシリンダ12Bに固定された下部軸受部17Bにより、軸線O回りに回転可能に支持されている。
クランクシャフト16は、クランクシャフト16の中心線に直交する方向にオフセットした偏心軸部14A、14Bを有している。これら偏心軸部14A、14Bがクランクシャフト16の中心軸線回りに旋回することで、上下のピストンロータ13A、13Bがこの旋回に追従してシリンダ12A、12B内で、偏心回転する。
クランクシャフト16は、クランクシャフト16の中心線に直交する方向にオフセットした偏心軸部14A、14Bを有している。これら偏心軸部14A、14Bがクランクシャフト16の中心軸線回りに旋回することで、上下のピストンロータ13A、13Bがこの旋回に追従してシリンダ12A、12B内で、偏心回転する。
クランクシャフト16は、上部軸受部17Aから上方(すなわち、圧縮機10から見てモータ18が位置する方向)に突出している。クランクシャフト16における軸線O方向一方側の端部には、該クランクシャフト16を回転駆動させるためのモータ18のモータロータ19が一体に設けられている。モータロータ19の外周部に対向して、ステータ20が、ハウジング11の内周面に固定して設けられている。
圧縮機10には、圧縮機10に供給するのに先立って冷媒を気液分離するアキュムレータ24がステー25を介してハウジング11に固定されている。アキュムレータ24には、アキュムレータ24内の冷媒を圧縮機10に吸入させるための吸入管26A、26Bが設けられている。吸入管26A、26Bの先端部は、開口22A、22Bを通して、吸入ポート23A、23Bに接続されている。
圧縮機10は、アキュムレータ24の吸入口24aからアキュムレータ24の内部に冷媒を取り込み、アキュムレータ24内で冷媒を気液分離して、その気相を吸入管26A、26Bから、シリンダ12A、12Bの吸入ポート23A、23Bを介し、シリンダ12A、12Bの内部空間である圧縮室R1、R2に供給する。
そして、ピストンロータ13A、13Bが偏心回転することにより、圧縮室R1、R2の容積が徐々に減少して冷媒が圧縮される。この冷媒は、モータ18の周囲を通過してから、上部に設けられた吐出口を経由して冷凍サイクルを構成する配管27に排出される。
そして、ピストンロータ13A、13Bが偏心回転することにより、圧縮室R1、R2の容積が徐々に減少して冷媒が圧縮される。この冷媒は、モータ18の周囲を通過してから、上部に設けられた吐出口を経由して冷凍サイクルを構成する配管27に排出される。
なお、圧縮室R1と圧縮室R2のどちらか一方に注目し、その圧縮室内での圧縮工程を扱う場合、単に圧縮室R、シリンダ12、ピストンロータ13、偏心軸部14、吸入ポート23と記載する場合がある。また、ブレード29(図6)によって圧縮室Rが高圧側の空間と低圧側の空間に区切られるが、高圧側の空間を高圧室、低圧側の空間を低圧室と記載する。
図2は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の制御回路を示す第一の図である。
図2にモータ18の制御を行うセンサレスベクトル制御回路1のブロック図を示す。図2に示すセンサレスベクトル制御回路1は、コンバータ31と、コンデンサ32と、リアクタ33と、インバータ34と、電流センサ35と、電流検出回路36と、A/D変換回路37と、PWM(Pulse Width Modulation)デュ−ティ計算回路38と、A/D変換回路39と、電圧検出回路40と、フルベクトル制御回路41と、を備えている。また、フルベクトル制御回路41は、2相/3相変換回路42と、2相/3相変換回路43と、電流PI制御回路44と、電流変換テーブル45と、速度PI制御回路46と、速度位置推定回路47と、減算器48と、減算器49と、を備える。
図2にモータ18の制御を行うセンサレスベクトル制御回路1のブロック図を示す。図2に示すセンサレスベクトル制御回路1は、コンバータ31と、コンデンサ32と、リアクタ33と、インバータ34と、電流センサ35と、電流検出回路36と、A/D変換回路37と、PWM(Pulse Width Modulation)デュ−ティ計算回路38と、A/D変換回路39と、電圧検出回路40と、フルベクトル制御回路41と、を備えている。また、フルベクトル制御回路41は、2相/3相変換回路42と、2相/3相変換回路43と、電流PI制御回路44と、電流変換テーブル45と、速度PI制御回路46と、速度位置推定回路47と、減算器48と、減算器49と、を備える。
コンバータ31は、電力系統Eから入力される三相交流電流を整流する。コンデンサ32、リアクタ33は、整流された電圧を平滑化して直流電圧を生成する。インバータ34は、PWMデュ−ティ計算回路38が出力したデュ−ティ指令値に基づいて、直流入力電圧から3相の駆動電圧を生成し、圧縮機10が備えるモータ18に駆動電圧を供給する。これにより、センサレスベクトル制御回路1は、モータ18を駆動する。
電流検出回路36はモータ18に流れる電流を検出し、A/D変換回路37へ出力する。A/D変換回路37は、電流検出回路36が検出した電流をデジタル信号に変換し、変換後の信号をフルベクトル制御回路41へ出力する。フルベクトル制御回路41では、2相/3相変換回路42が、A/D変換回路37から入力した3相の信号を座標変換(dq変換)し、変換後の電流値id、iqを速度位置推定回路47に出力する。なお、2相/3相変換回路42は、後述するモータロータ19による磁極角度の前回の推定値θesを参照する。速度位置推定回路47は、電流値id、iqと、電流PI制御回路44が出力したdq座標系での電力指令値vd、vqを入力し、モータ18の回転速度の推定値ωesとモータロータ19の磁極角度(磁極位置の角度)の推定値θesを、例えば、MRAS(model reference adaptive system:モデル規範適応システム)と呼ばれる方法で算出する。
減算器48は、回転速度制御装置60による回転速度の指令値ωcmdと、速度位置推定回路47が推定した回転速度の推定値ωesとの偏差Δωを算出して、速度PI制御回路46へ出力する。速度PI制御回路46は、Δωに基づいてPI制御により、偏差を小さくする(0にする)トルク指令値を算出する。フルベクトル制御回路41は、電流変換テーブル45に基づいて、トルク指令値を電流指令値id´、iq´に変換する。減算器49は、電流指令値id´、iq´と、2相/3相変換回路42が出力したid、iqとの偏差Δid、Δiqを算出して、電流PI制御回路44へ出力する。電流PI制御回路44は、偏差Δid、Δiqに基づいてPI制御により、偏差を小さくする(0にする)電圧指令値vd、vqを算出する。電流PI制御回路44は、電圧指令値vd、vqを2相/3相変換回路43へ出力する。2相/3相変換回路43は、速度位置推定回路47が推定したモータロータ19の磁極角度の推定値θesを参照して電圧指令値vd、vqの2相から3相への座標変換を行い、電圧指令値VをPWMデュ−ティ計算回路38へ出力する。PWMデュ−ティ計算回路38は、電圧指令値Vと、電圧検出回路40が検出したインバータ34への直流入力電圧をA/D変換回路39でデジタル変換した信号とを入力し、デュ−ティ指令値を算出する。PWMデュ−ティ計算回路38は、算出したデュ−ティ指令値をインバータ34へ出力する。
図3は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の制御回路を示す第二の図である。
図3に速度位置推定回路47のブロック図を示す。速度位置推定回路47は、電流推定回路50と、速度推定回路51と、積分回路52とを備える。電流推定回路50は、電力指令値vd、vqと、速度推定回路51が推定したモータロータ19の回転速度の推定値ω_Mを入力し、モータ18をモデル化した適応モデル(Adjustable Model)に基づいて、電流推定値id_est、iq_estを推定する。速度推定回路51は、電流推定値id_est、iq_estとid、iqを入力し、回転速度の推定(ω_M)を行う。積分回路52は、回転速度の推定値ω_Mを積分して、モータロータ19の磁極角度の推定値θesを算出する。速度位置推定回路47は、速度推定回路51が推定した回転速度の推定値ω_Mを回転速度の推定値ωesとして、積分回路52が算出したモータロータ19の磁極角度の推定値θesと共に出力する。
図3に速度位置推定回路47のブロック図を示す。速度位置推定回路47は、電流推定回路50と、速度推定回路51と、積分回路52とを備える。電流推定回路50は、電力指令値vd、vqと、速度推定回路51が推定したモータロータ19の回転速度の推定値ω_Mを入力し、モータ18をモデル化した適応モデル(Adjustable Model)に基づいて、電流推定値id_est、iq_estを推定する。速度推定回路51は、電流推定値id_est、iq_estとid、iqを入力し、回転速度の推定(ω_M)を行う。積分回路52は、回転速度の推定値ω_Mを積分して、モータロータ19の磁極角度の推定値θesを算出する。速度位置推定回路47は、速度推定回路51が推定した回転速度の推定値ω_Mを回転速度の推定値ωesとして、積分回路52が算出したモータロータ19の磁極角度の推定値θesと共に出力する。
圧縮機10の内部は、高温高圧環境となるためピストンロータ13の位置を検出するセンサを設けることが難しい。図2、図3に示す制御回路によるセンサレスベクトル制御(例えばMRAS制御)よれば、センサを用いることなくモータロータ19の回転速度や磁極角度を高精度に検出することができる。以下、モータロータ19の回転速度をモータ18の回転速度、モータロータ19の磁極角度をモータ18の回転角度と記述する場合がある。
上述のようにモータ18の回転によりクランクシャフト16が回転駆動し、ピストンロータ13がシリンダ12内で偏心回転する。つまり、モータ18の回転角度とピストンロータ13の位置とは一定の位置関係にある。従って上記のセンサレスベクトル制御によりモータ18の回転角度を推定できると、モータ18によって偏心回転するピストンロータ13の位置も推定できる。本実施形態では、センサレスベクトル制御によって、ピストンロータ13の位置を高精度に推定し、シリンダ12内で、ピストンロータ13の回転速度が圧縮冷媒ガスの反力により遅くなる位置(冷媒ガスの漏れ量が所定の閾値以上になる位置)に達すると、モータ18の回転速度を上昇させ、クランクシャフト16の回転速度の変動を抑制する。また、ピストンロータ13を速やかに偏心回転させることで冷媒ガスの漏れが生じる時間を短くし、高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れを低減する。
次にピストンロータ13の位置に応じてモータ18の回転速度を制御する回転速度制御装置60について説明する。
次にピストンロータ13の位置に応じてモータ18の回転速度を制御する回転速度制御装置60について説明する。
図4は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の回転速度制御装置を示す図である。
回転速度制御装置60は、モータ18の回転速度指令値を算出するMCU(Micro Controller Unit)などのコンピュータである。
図4に示すように回転速度制御装置60は、角度情報取得部61と、回転速度切替判定部62と、回転速度指令部63と、記憶部64とを備えている。
角度情報取得部61は、モータ18の回転角度を取得する。
回転速度切替判定部62は、モータ18の回転角度に基づくクランクシャフト16の回転角度を算出し(例えば、クランクシャフト16の回転角度は、モータ18の回転角度と等しい)、クランクシャフト16の回転角度と冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された閾値とに基づいて、モータ18の回転速度を変更するか否かを判定する。または、回転速度切替判定部62は、シリンダ12内におけるピストンロータ13の位置情報を算出し、ピストンロータ13の位置情報と所定の閾値とに基づいて、モータ18の回転速度を変更するか否かを判定する。
回転速度指令部63は、回転速度切替判定部62が回転速度を変更すると判定した場合、変更後のモータ18の回転速度を決定し、変更後の回転速度指令値をフルベクトル制御回路41へ出力する。
記憶部64は、回転速度切替判定部62が判定に用いる回転角度の閾値や、回転速度切替判定部62が回転速度を変更すると判定した後のモータ18の回転速度、モータ18の回転角度からクランクシャフト16の回転角度やシリンダ12内におけるピストンロータ13の位置情報(例えば偏心軸部14の座標情報など)を算出する変換テーブルや関数等の情報を記憶する。
回転速度制御装置60は、モータ18の回転速度指令値を算出するMCU(Micro Controller Unit)などのコンピュータである。
図4に示すように回転速度制御装置60は、角度情報取得部61と、回転速度切替判定部62と、回転速度指令部63と、記憶部64とを備えている。
角度情報取得部61は、モータ18の回転角度を取得する。
回転速度切替判定部62は、モータ18の回転角度に基づくクランクシャフト16の回転角度を算出し(例えば、クランクシャフト16の回転角度は、モータ18の回転角度と等しい)、クランクシャフト16の回転角度と冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された閾値とに基づいて、モータ18の回転速度を変更するか否かを判定する。または、回転速度切替判定部62は、シリンダ12内におけるピストンロータ13の位置情報を算出し、ピストンロータ13の位置情報と所定の閾値とに基づいて、モータ18の回転速度を変更するか否かを判定する。
回転速度指令部63は、回転速度切替判定部62が回転速度を変更すると判定した場合、変更後のモータ18の回転速度を決定し、変更後の回転速度指令値をフルベクトル制御回路41へ出力する。
記憶部64は、回転速度切替判定部62が判定に用いる回転角度の閾値や、回転速度切替判定部62が回転速度を変更すると判定した後のモータ18の回転速度、モータ18の回転角度からクランクシャフト16の回転角度やシリンダ12内におけるピストンロータ13の位置情報(例えば偏心軸部14の座標情報など)を算出する変換テーブルや関数等の情報を記憶する。
次に図6を用いて、回転速度制御装置60による回転速度の制御について説明する。
図6は、ロータリ圧縮機における圧縮工程を説明する図である。
図6は、圧縮機10の圧縮機構の横断面図である。圧縮機構は、シリンダ12と、ピストンロータ13と、ブレード29等を備える。ピストンロータ13は、クランクシャフト16に嵌合され、偏心軸部14とともに偏心回転する。ブレード29は、シリンダ室(シリンダ12内部の空間)に突出し、ピストンロータ13の外周面にブレード29の先端が圧接されている。シリンダ室は、ブレード29によって、吸入ポート23に連通する低圧室と、ブレード29の他方側に設けられて吐出口28に連通する高圧室とに仕切られている。図6に示すようにピストンロータ13の偏心回転に伴って吸入ポート23から低圧室へと低圧の冷媒ガスが吸入され、一方、前回の偏心回転時に吸入された高圧室側に存在する冷媒ガスはピストンロータ13により圧縮され、圧縮された冷媒ガスは、吐出口28から吐出される。このとき、高圧室の圧力が最大値に達すると、それ以降は、冷媒ガスが吐出口28から吐出されるため、高圧室の圧力は一定のままとなる。
図6は、ロータリ圧縮機における圧縮工程を説明する図である。
図6は、圧縮機10の圧縮機構の横断面図である。圧縮機構は、シリンダ12と、ピストンロータ13と、ブレード29等を備える。ピストンロータ13は、クランクシャフト16に嵌合され、偏心軸部14とともに偏心回転する。ブレード29は、シリンダ室(シリンダ12内部の空間)に突出し、ピストンロータ13の外周面にブレード29の先端が圧接されている。シリンダ室は、ブレード29によって、吸入ポート23に連通する低圧室と、ブレード29の他方側に設けられて吐出口28に連通する高圧室とに仕切られている。図6に示すようにピストンロータ13の偏心回転に伴って吸入ポート23から低圧室へと低圧の冷媒ガスが吸入され、一方、前回の偏心回転時に吸入された高圧室側に存在する冷媒ガスはピストンロータ13により圧縮され、圧縮された冷媒ガスは、吐出口28から吐出される。このとき、高圧室の圧力が最大値に達すると、それ以降は、冷媒ガスが吐出口28から吐出されるため、高圧室の圧力は一定のままとなる。
図6の左上図、左下図、右下図、右上図、左上図と圧縮工程が繰り返される中、角度情報取得部61は、速度位置推定回路47が推定したモータ18の回転角度を継続的にして取得する。モータ18(モータロータ19)、クランクシャフト16、ピストンロータ13は連動して回転駆動するのでモータ18の回転角度から、クランクシャフト16の回転角度やピストンロータ13のシリンダ12内における位置が算出できる。回転速度切替判定部62は、角度情報取得部61が取得したモータ18の回転角度の推定値に基づいて、クランクシャフト16の回転角度(または、ピストンロータ13の位置)を算出する。記憶部64には予め高圧室と低圧室の圧力差が所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度(第一変更角度)やピストンロータ13の位置情報(第一変更位置)が記録されている。回転速度切替判定部62は、クランクシャフト16が回転を継続する中、クランクシャフト16の回転角度が第一変更角度に至るかどうかを監視する。例えば、第一変更角度は、クランクシャフト16の回転状態が図6の右下図の状態となる位置での角度に設定されていて、回転速度切替判定部62は、クランクシャフト16の回転角度が図6の右下図が示す角度(第一変更角度)に至ると回転速度を変更する(上昇する)と判定する。例えば、第一変更角度は、シリンダ12においてピストンロータ13がブレード29を最も押し上げた状態(上死点)におけるクランクシャフト16の回転角度を0°とし、クランクシャフト16の回転方向を正の角度位置とした場合に、クランクシャフト16の回転角度180°〜360°のうちのどこか(例えば270°)に設定されている。
図6の右下図の状態で回転速度切替判定部62が回転速度を上昇すると判定すると、回転速度指令部63は、速度位置推定回路47へより高速な回転速度指令値を出力する。すると、従来よりも短い時間で図6の右下図の状態から右上図の状態へと遷移し、この間の冷媒ガスの漏れを防ぐことができる。回転速度切替判定部62は、クランクシャフト16の回転角度の監視を続け、回転角度が第二変更角度に至ると回転速度を変更する(低下する)と判定する。第二変更角度は、例えば0°に設定されていて、回転速度切替判定部62は、図6の左上図の状態に至ると回転速度を低下する(回転速度の上昇を解除する)と判定する。すると、回転速度指令部63は、速度位置推定回路47へ高速化する前の元の回転速度指令値を出力する。ピストンロータ13は高圧室と低圧室との圧力差が所定の閾値以下の間は所定の回転速度で回転する。このように、本実施形態の回転速度制御装置60は、高圧室と低圧室の圧力差が大きくなり、冷媒ガスの漏れが生じやすくなると回転速度を上げて、ガス圧の高低差が少ない状態となると所定の回転速度に戻すという制御を行う。
ところで、第一変更角度や第一変更位置は次のような考え方に基づいて、予め実験や計算等によって定めておくことができる。
1.ピストンロータ13によるシリンダ12内部の冷媒ガスの圧縮によって生じる高圧室と低圧室の冷媒ガスの圧力差が所定の閾値以上となるとき、または圧力差が最も大きくなるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
2.高圧室の冷媒ガスの圧力が所定の閾値(例えば最大値)となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
3.高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れが所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
4.シリンダ12内部での冷媒ガスの圧縮工程において高圧室と低圧室の体積比が所定の割合となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
5.冷媒ガスの圧縮によって生じる高圧室から受ける圧縮冷媒ガスによる反力が所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
6.圧縮冷媒ガスからの反力を受けてモータ18(モータロータ19)の回転速度が低下し、回転速度の推定値ωesが所定の閾値以下となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
7.モータ18への回転速度指令値ωcmdと回転速度の推定値ωesとの差Δωが所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
8.設計上、冷媒ガスの漏れが最も生じやすく、例えばピストンロータ13とシリンダ12の内壁とのクリアランスが最も小さくなるよう設計された位置にピストンロータ13が至ったときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。次に説明する第二変更角度とともに回転速度を上昇させる角度の範囲を(第一変更位置、第一変更位置)で表すと、例えば、(180、360)、または、(225、360)、または、(270、360)、または、(320、360)などと設定してもよい。
9.圧縮機10の吐出側の冷媒の温度と吸入側の冷媒の温度の温度差が所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。圧縮機10の吐出側の冷媒の温度は高圧室の圧力と対応し、圧縮機10の吸入側の冷媒の温度は低圧室の圧力と対応している。そこで、圧縮機10の吐出側および吸入側の各々にて温度センサで冷媒の温度を計測し、その温度を、例えばNIST(National Institute of Science and Technology)のREFPROP(Reference Fluid Thermodynamic and Transport Properties Database)等を用いて圧力に変換する。上記の1の高圧室と低圧室の冷媒ガスの圧力差の考え方を適用して、圧力差が所定の閾値以上となるときの高圧室の圧力に対応する冷媒の温度と低圧室の圧力に対応する冷媒の温度の温度差を求める。そして、この温度差となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。なお、温度差による判定の場合、実際の圧縮機10の運転中にも、圧縮機10の吐出側および吸入側の配管に温度センサを設け、2つの温度センサで計測した温度の差が閾値以上となると、回転速度を上昇させるという制御を行ってもよい。
1.ピストンロータ13によるシリンダ12内部の冷媒ガスの圧縮によって生じる高圧室と低圧室の冷媒ガスの圧力差が所定の閾値以上となるとき、または圧力差が最も大きくなるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
2.高圧室の冷媒ガスの圧力が所定の閾値(例えば最大値)となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
3.高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れが所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
4.シリンダ12内部での冷媒ガスの圧縮工程において高圧室と低圧室の体積比が所定の割合となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
5.冷媒ガスの圧縮によって生じる高圧室から受ける圧縮冷媒ガスによる反力が所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
6.圧縮冷媒ガスからの反力を受けてモータ18(モータロータ19)の回転速度が低下し、回転速度の推定値ωesが所定の閾値以下となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
7.モータ18への回転速度指令値ωcmdと回転速度の推定値ωesとの差Δωが所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。
8.設計上、冷媒ガスの漏れが最も生じやすく、例えばピストンロータ13とシリンダ12の内壁とのクリアランスが最も小さくなるよう設計された位置にピストンロータ13が至ったときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。次に説明する第二変更角度とともに回転速度を上昇させる角度の範囲を(第一変更位置、第一変更位置)で表すと、例えば、(180、360)、または、(225、360)、または、(270、360)、または、(320、360)などと設定してもよい。
9.圧縮機10の吐出側の冷媒の温度と吸入側の冷媒の温度の温度差が所定の閾値以上となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。あるいはそのときのピストンロータ13の位置を第一変更位置に設定する。圧縮機10の吐出側の冷媒の温度は高圧室の圧力と対応し、圧縮機10の吸入側の冷媒の温度は低圧室の圧力と対応している。そこで、圧縮機10の吐出側および吸入側の各々にて温度センサで冷媒の温度を計測し、その温度を、例えばNIST(National Institute of Science and Technology)のREFPROP(Reference Fluid Thermodynamic and Transport Properties Database)等を用いて圧力に変換する。上記の1の高圧室と低圧室の冷媒ガスの圧力差の考え方を適用して、圧力差が所定の閾値以上となるときの高圧室の圧力に対応する冷媒の温度と低圧室の圧力に対応する冷媒の温度の温度差を求める。そして、この温度差となるときのクランクシャフト16の回転角度を第一変更角度に設定する。なお、温度差による判定の場合、実際の圧縮機10の運転中にも、圧縮機10の吐出側および吸入側の配管に温度センサを設け、2つの温度センサで計測した温度の差が閾値以上となると、回転速度を上昇させるという制御を行ってもよい。
なお、第二変更角度については、例えば、上死点(0°=360°)でのクランクシャフト16の回転角度を第二変更角度と設定する。その他、冷媒ガスの漏れ量が所定の閾値以下に収まるときのクランクシャフト16の回転角度を第二変更角度に設定してもよい。ピストンロータ13の位置を示す第二変更位置についても同様である。
次に回転速度制御装置60による回転速度制御の流れについて説明する。
本発明の一実施形態における回転速度制御装置のフローチャートである。
前提として回転速度制御装置60は、所定の大きさの回転速度指令を速度位置推定回路47に出力し、所望の回転速度でピストンロータ13A、13Bを転動させてロータリ圧縮機10Aを駆動しているとする。また、角度情報取得部61は、速度位置推定回路47からモータ18の回転角度(モータロータ19の磁極角度の推定値θes)を継続的にして取得し、その値を回転速度切替判定部62に出力している。
まず、回転速度切替判定部62は、角度情報取得部61から取得したモータ18の回転角度をクランクシャフト16の回転角度に変換する(例えば、モータ18の回転角度とクランクシャフト16の回転角度は同じ)。回転速度切替判定部62は、クランクシャフト16の回転角度を記憶部64に記録された第一変更角度とを比較して、クランクシャフト16の回転角度が第一変更角度に到達したかどうかを判定する(ステップS11)。第一変更角度に到達した場合(ステップS11;Yes)、回転速度切替判定部62は、その判定結果を回転速度指令部63へ出力する。回転速度指令部63は、取得した判定結果に基づいて、フルベクトル制御回路41に出力する回転速度指令値を上昇させる(ステップS13)。具体的には、回転速度指令部63は、記憶部64から速度を上昇させたときの回転速度指令値を読み出してフルベクトル制御回路41へ出力する。すると、図2、図3で例示したセンサレスベクトル制御回路により、モータ18は以前より速い回転速度で回転する。
本発明の一実施形態における回転速度制御装置のフローチャートである。
前提として回転速度制御装置60は、所定の大きさの回転速度指令を速度位置推定回路47に出力し、所望の回転速度でピストンロータ13A、13Bを転動させてロータリ圧縮機10Aを駆動しているとする。また、角度情報取得部61は、速度位置推定回路47からモータ18の回転角度(モータロータ19の磁極角度の推定値θes)を継続的にして取得し、その値を回転速度切替判定部62に出力している。
まず、回転速度切替判定部62は、角度情報取得部61から取得したモータ18の回転角度をクランクシャフト16の回転角度に変換する(例えば、モータ18の回転角度とクランクシャフト16の回転角度は同じ)。回転速度切替判定部62は、クランクシャフト16の回転角度を記憶部64に記録された第一変更角度とを比較して、クランクシャフト16の回転角度が第一変更角度に到達したかどうかを判定する(ステップS11)。第一変更角度に到達した場合(ステップS11;Yes)、回転速度切替判定部62は、その判定結果を回転速度指令部63へ出力する。回転速度指令部63は、取得した判定結果に基づいて、フルベクトル制御回路41に出力する回転速度指令値を上昇させる(ステップS13)。具体的には、回転速度指令部63は、記憶部64から速度を上昇させたときの回転速度指令値を読み出してフルベクトル制御回路41へ出力する。すると、図2、図3で例示したセンサレスベクトル制御回路により、モータ18は以前より速い回転速度で回転する。
一方、第一変更角度に到達していない場合(ステップS11;No)、回転速度切替判定部62は、クランクシャフト16の回転角度を記憶部64に記録された第二変更角度と比較して、クランクシャフト16の回転角度が第二変更角度に到達したかどうかを判定する(ステップS12)。第二変更角度に到達しない場合(ステップS12;No)、ステップS11からの処理を繰り返す。第二変更角度に到達した場合(ステップS12;Yes)、回転速度切替判定部62は、その判定結果を回転速度指令部63へ出力する。次に回転速度指令部63は、取得した判定結果に基づいて、フルベクトル制御回路41に出力する回転速度指令値を低下させる(ステップS14)。具体的には、回転速度指令部63は、記憶部64から所定の(通常の)回転速度指令値を読み出してフルベクトル制御回路41へ出力する。すると、センサレスベクトル制御回路により、モータ18は所定の回転速度で回転する。以降、圧縮機10の動作中、ステップS11からの処理を繰り返す。これにより、クランクシャフト16の角速度変動を制御し、高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れを低減できる。従って、圧縮機10の再圧縮効率を高めることができる。
なお、ここでは、クランクシャフト16の回転角度に基づいて回転速度制御を行ったが、ピストンロータ13のシリンダ12内における位置情報を磁極角度の推定値θesに基づいて算出し、算出した位置情報と第一変更位置、第二変更位置と比較して回転速度制御を行ってもよい。また、モータロータ19の磁極角度の推定値θesと第一変更角度および第二変更角度に相当する閾値とを比較して回転速度制御を行ってもよい。
また、角度情報取得部61はモータ18の回転角度に代えて速度位置推定回路47から回転速度の推定値を取得し、回転速度切替判定部62は、回転速度の推定値が所定の閾値より遅くなると、ピストンロータ13が第一変更位置に至ったと判定し、回転速度指令部63に回転速度の上昇を指示してもよい。
また、角度情報取得部61はモータ18の回転角度に代えて速度位置推定回路47から回転速度の推定値を取得し、回転速度切替判定部62は、回転速度の推定値が所定の閾値より遅くなると、ピストンロータ13が第一変更位置に至ったと判定し、回転速度指令部63に回転速度の上昇を指示してもよい。
また、上記の説明では1つのシリンダ12に生じるガス圧の変動に注目して回転速度制御を例に説明を行った。上記の制御方法は、1気筒のロータリ圧縮機に適用できる。図1に示す2気筒のロータリ圧縮機10の場合、ピストンロータ13Aとピストンロータ13Bとが180°の位相差をもって回転する。従って、2気筒のロータリ圧縮機10では、上記の方法で設定した第一変更角度と180°逆の回転角度に2つ目の第一変更角度に設定する。また、第二変更角度と180°を加算した回転角度を2つ目の第二変更角度に設定する。同様に3気筒のロータリ圧縮機10では、第一変更角度および第二変更角度に120°の位相差をつけて3つずつ設定する。4気筒以上についても同様である。つまり、多気筒のロータリ圧縮機の場合、シリンダ数と同じ数だけ設定された閾値に基づいて、回転速度を上昇させる判断を行う。
本実施形態によれば、センサレスベクトル制御(MRAS制御)によって、モータ18の回転角度の推定を精度よく行って回転速度を制御することにより、ピストンロータ13の偏心回転速度の変動を抑制することができる。そのため、従来であれば、高圧室と低圧室の冷媒ガスの圧力差が大きくなり回転速度が低下する場面でも、回転速度を維持し(または上昇させ)、冷媒ガスの漏れを低減することができる。これにより、再圧縮損失を低減し、ロータリ圧縮機の高効率化を図ることができる。
なお、モータ18は、永久磁石同期モータ、誘導モータなど各種モータを適用することができる。また、本実施形態の回転速度制御は多気筒のロータリ圧縮機に適用することができる。また、本実施形態の制御回路にはMRAS制御以外のセンサレスベクトル制御を適用してもよい。
なお、モータ18は、永久磁石同期モータ、誘導モータなど各種モータを適用することができる。また、本実施形態の回転速度制御は多気筒のロータリ圧縮機に適用することができる。また、本実施形態の制御回路にはMRAS制御以外のセンサレスベクトル制御を適用してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。なお、第一変更角度、第二変更角度、第一変更位置、第二変更位置、シリンダにおける高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された閾値の一例である。なお、ロータリ圧縮機システムは、回転速度制御装置60とセンサレスベクトル制御回路1とロータリ圧縮機10とを含んで構成される。また、制御システムは、回転速度制御装置60とセンサレスベクトル制御回路1とを含んで構成される。本実施形態のロータリ圧縮機システムは、例えば空調機に使用される。速度位置推定回路47はMRAS制御回路の一例である。
1・・・センサレスベクトル制御回路
10・・・圧縮機
11・・・ハウジング
12A,12B・・・シリンダ
13A,13B・・・ピストンロータ
16・・・クランクシャフト
18・・・モータ
22A、22B・・・開口
23A、23B・・・吸入ポート
24・・・アキュムレータ
25・・・ステー
26A、26B・・・吸入管
31・・・コンバータ
32・・・コンデンサ
33・・・リアクタ
34・・・インバータ
35・・・電流センサ
36・・・電流検出回路
37・・・A/D変換回路
38・・・PWMデュ−ティ計算回路
39・・・A/D変換回路
40・・・電圧検出回路
41・・・フルベクトル制御回路
42、43・・・2相/3相変換回路
44・・・電流PI制御回路
45・・・電流変換テーブル
46・・・速度PI制御回路
47・・・速度位置推定回路
48・・・減算器
49・・・減算器
50・・・電流推定回路
51・・・速度推定回路
52・・・積分回路
10・・・圧縮機
11・・・ハウジング
12A,12B・・・シリンダ
13A,13B・・・ピストンロータ
16・・・クランクシャフト
18・・・モータ
22A、22B・・・開口
23A、23B・・・吸入ポート
24・・・アキュムレータ
25・・・ステー
26A、26B・・・吸入管
31・・・コンバータ
32・・・コンデンサ
33・・・リアクタ
34・・・インバータ
35・・・電流センサ
36・・・電流検出回路
37・・・A/D変換回路
38・・・PWMデュ−ティ計算回路
39・・・A/D変換回路
40・・・電圧検出回路
41・・・フルベクトル制御回路
42、43・・・2相/3相変換回路
44・・・電流PI制御回路
45・・・電流変換テーブル
46・・・速度PI制御回路
47・・・速度位置推定回路
48・・・減算器
49・・・減算器
50・・・電流推定回路
51・・・速度推定回路
52・・・積分回路
Claims (17)
- ロータリ圧縮機においてシリンダ内でガスの圧縮を行うピストンロータを駆動するクランクシャフトを回転駆動するモータの回転角度を取得する角度情報取得部と、
前記シリンダにおける高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された前記クランクシャフトの回転角度の閾値と、前記角度情報取得部が取得したモータの回転角度に基づく前記クランクシャフトの回転角度と、を比較して前記モータの回転速度を変更するか否かを判定する回転速度切替判定部と、
前記回転速度切替判定部が回転速度を変更すると判定した場合、前記モータへの回転速度指令値を変更する回転速度指令部と、
を備える回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記ピストンロータの上死点における前記クランクシャフトの回転角度を0°とし、前記クランクシャフトの回転方向を正の角度位置とした場合に、180°から360°の間で設定された所定の回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する、
請求項1に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室と前記低圧室の冷媒ガスの圧力差が所定の閾値以上となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する、
請求項1に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記ロータリ圧縮機の吐出側における冷媒の温度と吸入側における冷媒の温度との温度差が所定の閾値以上となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する、
請求項1に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室から前記低圧室への冷媒ガスの漏れが所定の閾値以上となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する、
請求項1に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室と前記低圧室の体積比が所定の割合となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する、
請求項1に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室の冷媒ガスから前記ピストンロータが受ける圧縮冷媒ガスの反力が所定の閾値以上となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する、
請求項1に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記高圧室の冷媒ガスから前記ピストンロータが受ける圧縮冷媒ガスの反力によって前記モータの回転速度が所定の閾値以下となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定する、
請求項1に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度指令部は、前記回転速度切替判定部が前記モータの回転速度を変更すると判定すると前記モータの回転速度を上昇させる、
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度が、前記ピストンロータの上死点となるときの回転角度に到達すると、前記モータの回転速度を変更すると判定し、
前記回転速度指令部は、前記モータの回転速度を所定の速度まで低下させる、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、前記クランクシャフトの回転角度に代えて、前記モータの回転角度に基づく前記ピストンロータの前記シリンダにおける位置情報と、前記高圧室から前記低圧室への冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された閾値とを比較して、前記モータの回転速度を変更するか否かを判定する
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の回転速度制御装置。 - 前記角度情報取得部は、MRAS(model reference adaptive system)制御により推定された前記モータの回転角度を取得する、
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の回転速度制御装置。 - 前記回転速度切替判定部は、1回の圧縮工程中に前記ロータリ圧縮機が備えるシリンダ数と同じ数だけ設定された前記回転角度の閾値に基づいて、前記モータの回転速度の変更を判定し、
前記回転速度指令部は、当該判定に基づいて、1回の圧縮工程中に前記シリンダ数と同じ数だけ前記モータの回転速度を上昇させる、
請求項1から請求項12の何れか1項に記載の回転速度制御装置。 - ロータリ圧縮機と、
請求項1から請求項13の何れか1項に記載の回転速度制御装置と、
前記回転速度制御装置が出力する回転速度指令値を取得してロータリ圧縮機が備えるモータの回転を制御するセンサレスベクトル制御回路と、
を備えるロータリ圧縮機システム。 - 前記センサレスベクトル制御回路は、MRAS(model reference adaptive system)制御回路を備え、前記MRAS制御回路により前記モータの回転角度および回転速度を推定し、推定した前記モータの回転角度および回転速度に基づいて、前記モータの回転を制御する、
請求項14に記載のロータリ圧縮機システム。 - ロータリ圧縮機の制御に用いられる制御システムであって、
請求項1から請求項13の何れか1項に記載の回転速度制御装置と、
前記回転速度制御装置が出力する回転速度指令値を取得してロータリ圧縮機が備えるモータの回転を制御するセンサレスベクトル制御回路と、
を備える制御システム。 - 回転速度制御装置が、
ロータリ圧縮機においてシリンダ内で冷媒ガスの圧縮を行うピストンロータを駆動するクランクシャフトを回転駆動するモータの回転角度を取得し、
前記シリンダにおける高圧室から低圧室への冷媒ガスの漏れ量に対応して予め設定された前記クランクシャフトの回転角度の閾値と、前記取得したモータの回転角度に基づく前記クランクシャフトの回転角度と、を比較して、前記モータの回転速度を変更するか否かを判定し、
前記回転速度を変更すると判定した場合、前記モータへの回転速度指令値を変更する、
回転速度制御方法。
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