JP2021134791A - 圧縮機、空気調和機、冷凍機、圧縮機制御方法、圧縮機制御学習用データ作成方法および圧縮機制御学習済みモデル作成方法 - Google Patents

圧縮機、空気調和機、冷凍機、圧縮機制御方法、圧縮機制御学習用データ作成方法および圧縮機制御学習済みモデル作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧縮機において、運転条件の広い範囲で軸受部での故障を回避することを目的としている。【解決手段】圧縮機は、回転軸(1)と、回転軸(1)を支持するすべり軸受(2)と、回転軸(1)を回転させる電動機(3)と、電動機(3)を制御するインバータ(4)とを有し、すべり軸受(2)またはすべり軸受が嵌合する回転軸部分に設けられ、計測した計測値を出力信号として出力するセンサ(5)と、センサ(5)から出力される出力信号を演算処理し電動機(3)が回転すべき回転数を求めてインバータ(4)へ制御信号として発信して電動機(3)の回転数を制御する信号処理部(7)とを備える。【選択図】図1

Description

この発明は、電動機により駆動される圧縮機、圧縮機を備える空気調和機、圧縮機を備える冷凍機および圧縮機を制御する圧縮機制御方法に関する。
従来の圧縮機の故障の多くは、すべり軸受での焼付きや異常摩耗により発生している。従来の圧縮機は、例えば、潤滑油粘度の低下による冷媒圧縮機軸受の焼付き損傷を防止するために冷媒圧縮機に粘度センサを備え、このセンサにより冷媒圧縮機油溜め部の粘度を測定して、粘度が所定の値を下回る場合に冷媒圧縮機への冷媒供給を停止するものがある。この技術は、冷媒供給を停止することで、圧縮機の負荷を一時的に低減して圧縮機の焼付きを防止している(例えば特許文献1参照)。
特開2002−206486号公報
従来の圧縮機では、圧縮機の油溜め部の粘度を計測するが、油溜め部の粘度から、軸と軸受の接触または焼付きを完全に判断することは困難である。所定の粘度以上であっても、運転条件によっては、軸が軸受に接触し、焼付きや異常摩耗が発生する可能性がある。また、冷媒を供給しないため圧縮機としての機能が停止し、効率が低下する問題点もあった。
上記のような問題点を解決するため、運転条件の広い範囲で軸受部での故障を回避することを目的としている。
本開示の1つの請求項に係る発明は、すべり軸受またはすべり軸受が嵌合する回転軸部分に設けられ、計測した計測値を出力信号として出力するセンサと、センサから出力される出力信号を演算処理し電動機が回転すべき回転数を求めて前記インバータへ制御信号として発信して前記電動機の回転数を制御する信号処理部とを備えるものである。
本開示の一つの実施の形態によれば、運転条件の広い範囲で軸受部での故障を回避することができる。また、本開示の他の実施の形態によれば、圧縮機の運転を停止することなく、圧縮機の回転軸と軸受部での接触、この接触に伴う焼付きおよび異常摩耗を回避することができる。
本開示の実施の形態1を示す圧縮機の構成を示す図である。 本開示の実施の形態1を示す圧縮機の制御のフロー示す図である。 本開示の実施の形態1を示す圧縮機の回転数の制御のフローの例である。 本開示の実施の形態1を示す圧縮機のすべり軸受内における回転軸の偏心状態を表す模式図である。 本開示の実施の形態1を示す圧縮機のすべり軸受に嵌合する回転軸部分に変位センサを設けた構成を示す図である。 本開示の実施の形態2を示す圧縮機の構成を示す図である。 本開示の実施の形態2を示す圧縮機の制御を行う計算機のハードウェアの構成例の図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による冷媒圧縮機を示す縦断面図である。ここでは、圧縮機の例として、冷媒圧縮機を取り上げて説明するが、本実施の形態を適用できる圧縮機は、冷媒圧縮機に限られず、コンプレッサやブロアなど一般的なすべり軸受を有する圧縮機であれば良い。特に、圧縮機が、すべり軸受で支持される回転軸周りに回転する回転機構を持ち、この回転機構により圧縮機能を発揮する圧縮機に適用できる。さらに言えば、回転機構の回転軸に偏心した荷重がかかる圧縮機に適する。
図1は、本実施の形態を示す圧縮機の構成を示す図である。図において、左側は、冷媒圧縮機の一つであるツインロータリ圧縮機の断面図を示し、右側は、この圧縮機を制御する構成を示すブロックを示す。ここでは、ツインロータリ圧縮機を示しているが、圧縮機構が一カ所であるシングルロータリ圧縮機であっても良いし、スクロール圧縮機、スクリュー圧縮機等、軸受支持される圧縮機であれば本発明を適用できる。
図において、冷媒圧縮機6は、回転軸1と、回転軸1を支持するすべり軸受2と、回転軸1を回転させる電動機3と、電動機3を制御するインバータ4を有する。電動機3は、ステータ3aと、ステータ3aの内側に設けられて回転軸1に固定されたロータ3bとで構成される。電動機3は、ステータ3aとロータ3bの間に発生する電磁気力によって回転軸1の中心軸周りに回転する。
また、回転軸1は、回転軸1の中心軸に対して偏心した形状を有するローリングピストンが設けられる。ローリングピストンは、回転軸1の中心軸から外周方向に覆うように設けられたシリンダの中に配置される。ローリングピストンとシリンダとの間には、圧縮室および吸入室を構成が構成される。電動機3が回転すると、回転軸1に固定されるローリングピストンがシリンダ内で回転し、吸入口に接続していた吸入室は、ローリングピストンの回転に伴い空間が小さくなり、内部の媒体が圧縮され圧縮室となり、吐出口と接続して内部の媒体を吐出する。
すべり軸受2は、回転軸1を回転可能に支持し、回転軸1の軸方向に並んで配置される2つのローリングの軸方向外側に配置することができる。この場合、すべり軸受2は、圧縮室の端面を構成するようにしても良い。
さらに、冷媒圧縮機6は、すべり軸受2またはすべり軸受2が嵌合する回転軸1の部分に対して設けられ、科学的原理を用いて冷媒圧縮機6の状態を示す物理量を計測した計測値を出力信号として出力するセンサ5と、センサ5から出力される出力信号を演算処理し、電動機3が回転すべき回転数を求めてインバータ4へ制御信号を発信する制御部である信号処理部7を有する。なお、信号処理部は、制御部と捉えても良い。
センサ5は、接触、非接触の別はなく、センサ5の測定する物理量は、すべり軸受2またはすべり軸受2が嵌合する回転軸1の部分に設けて計測できる冷媒圧縮機6の状態を示す物理量であれば良い。センサ5の物理量は、例えば、振動、温度、圧力である。
センサ5の測定原理は、科学的原理を用いるもので、振動であれば加速度センサ、温度であれば熱電対、圧力であればダイヤフラム式圧力センサが考えられる。
さらに具体的には、センサ5は、変位センサとすることができる。変位センサは、測定対象の変位または距離または厚みなどを計測できるセンサであれば良い。変位センサの測定方式は、接触、非接触の別はなく、渦電流式、静電容量式、レーザ式、超音波式などの何れでも良い。また、変位センサは、すべり軸受2の変位、すべり軸受2と回転軸1との間の相対変位または相対変位の変化であっても良い。
次に動作について説明する。電動機3が、回転軸1を回すと、回転軸1に固定されたロータ3bが回転する。すると圧縮機6は、ロータ3bとシリンダとの間で、冷媒の吸入、圧縮、吐出のサイクルを実行し、冷媒の圧縮、吐出の機能を果たす。
ここで、圧縮機6のロータ3bの回転軸1とすべり軸受2の内側の面との間の軸受け隙間を計測する変位センサ5が、軸受け隙間の大きさに応じた電圧などの信号を出力する。回転軸1とすべり軸受2の内側の面との間の軸受け隙間の大きさを表すセンサ信号は、信号処理部7に伝送され、信号処理部7は、受信したセンサ信号を軸受け隙間の大きさに換算する。信号処理部7は、軸受け隙間の大きさに応じて電動機3の回転すべき回転数を考慮して、インバータ4へ制御信号を出力する。信号処理部7は、上述のセンサ信号から軸受け隙間への換算を行わず、センサ信号に応じてインバータ4への制御信号を求めて、この制御信号をインバータ4へ出力しても良い。
信号処理部7が、軸受け隙間の大きさ、またはセンサ信号に応じた制御信号を求める際には、次のようにすることができる。予め設定するセンサ5の計測値の健全性の基準となる閾値を保持し、閾値で定まる健全である健全範囲からセンサ5の計測値が外れる場合には、センサ5の計測値を健全範囲となることを目標として、電動機3の回転数をフィードバック制御する。
閾値は、センサ5の計測値の健全性の基準として、上限閾値および下限閾値の2つの値で構成することもできる。この例では、センサ5の計測値が上限閾値から下限閾値の間での値であれば、圧縮機の状態が健全であることを示す健全範囲となり、それまでの回転数を維持する制御信号をインバータ4へ出力する。センサ5の計測値が健全範囲外となった場合には、センサ5の計測値を健全範囲となることを目標として、電動機3の回転数をフィードバック制御する信号をインバータ4へ出力する。
センサ5の計測値が健全範囲外となり、センサ5の計測値を健全範囲となることを目標として、電動機3の回転数をフィードバック制御する信号を求めるには、一度、電動機3の回転数を変化させて、その後のセンサ5の計測値を見て制御の仕方を判断するようにしても良い。
具体的には、信号処理部7が、回転数を一定数(例えば所定の回転数毎分)上昇させる制御信号をインバータ4へ伝送し、所定時間後(具体的には1分)のセンサ5の計測値が、健全範囲内の方向へ変化していれば、継続して電動機3の回転数を上昇させる制御信号をインバータ4へ出力する。逆に、所定時間後のセンサ5の計測値が、さらに健全範囲の外へ変化していれば、電動機3の回転数を下降させる制御信号をインバータ4へ出力する。これを繰り返し、制御後のセンサ5の計測値が、健全範囲内となった時点で、電動機3の回転数をもとに戻す制御信号をインバータ4へ出力して維持する。
図2は、本実施の形態の制御方法に関するフローチャートを示す。図を用いて、6個のステップを用いて、インバータ4により電動機3の回転数を制御する方法を示す。
ステップS0:最初の制御ステップS0は、冷媒圧縮機6を含む装置、例えばセンサ空気調和機または冷凍機器が起動される。冷媒圧縮機6の電動機3が回転し、回転軸1およびこれに固定されているロータ3bが回転するとともに、圧縮機6の吸入、圧縮、吐出が行われる。
ステップS1:第一の制御ステップS1は、圧縮機6の吸入、圧縮、吐出が行われる状態で、センサ5が、すべり軸受2の状態の計測を開始する。具体的には、変位センサ5が、すべり軸受2と回転軸1との間の隙間を計測する。センサ5が計測する値は、センサが計測する物理量による。計測する物理量は、センサ5の種類による。
ステップS2:第二の制御ステップS2は、センサ5が計測した計測値と、予め設定した計測値の健全性の基準となる閾値とを比較し、健全範囲か否かを判断する。例えば、健全と判断される軸受け隙間の上限の閾値を予め設定していた場合について、説明する。センサ5が計測した計測値、または計測値を軸受け隙間の大きさに換算した値が、閾値未満であれば、ステップS3へ移行する。
ステップS3:第三の制御ステップS3は、冷媒圧縮機6、空気調和機または冷凍機器の停止指令の有無を確認する。停止指令が有る場合には、冷媒圧縮機6、空気調和機または冷凍機器を停止する。停止指令が無い場合には、ステップS4へ移行する。
ステップS4:第四の制御ステップS4は、信号処理部7が、冷媒圧縮機6、空気調和機または冷凍機の動作設定に応じて予め設定した電動機3の回転数の制御信号をインバータ4へ出力し、後述のステップS6へ移行した後、ステップS1へ戻る。以上のステップS1〜S6からS1の制御は、冷媒圧縮機6の状態が健全である場合の基本動作である。
次に、ステップS2において、センサ5の計測値または軸受け隙間の大きさが、閾値以上の場合について、説明する。センサ5の計測値または軸受け隙間の大きさが、閾値以上の場合、ステップS5へ移行する。
ステップS5:第五の制御ステップS5は、信号処理部7が、電動機3の回転数を変化させる制御信号(指令)を発生させ、インバータ4へ出力する。この制御信号を受けたインバータは、電動機3を制御して電動機3の回転数を変化させ、ステップS6へ移行する。
ステップS6:第六の制御ステップS6は、信号処理部7が、電動機3の回転数を維持する制御信号(指令)をインバータ4出力する。この制御信号を受けたインバータ4は、電動機3を制御して電動機3の回転数を維持し、ステップS1戻る。
ステップS6からステップS1へ戻り、ステップS2へ進む。このときに第二の制御ステップS2は、センサ5が計測した計測値と、予め設定した計測値の健全性の基準となる閾値とを比較し、健全範囲か否かを判断する。判断の結果、健全範囲内、即ち、センサ5が計測したセンサ計測値または計測値を軸受け隙間の大きさに換算した値が、閾値未満となっていれば、ステップS3,ステップS6へ移行し、結果的に電動機3の回転数を維持する制御を行う。他方、判断の結果、健全範囲外、即ち、センサ5が計測したセンサ計測値または計測値を軸受け隙間の大きさに換算した値が、閾値以上のままであれば、軸受け隙間が健全範囲内、即ち、閾値未満になるまで、ステップS1、S2,S5,S6,S1の順にステップを実行する。
以上は、ステップS2の予め設定する閾値が、軸受け隙間の上限の閾値である場合であるが、軸受け隙間の下限の閾値である場合は、次のようになる。ステップS2において、軸受け隙間が、閾値を超える場合には、ステップS3へ移行し、閾値以下である場合には、ステップS5に移行する。上記のステップを冷媒圧縮機6、空気調和機または冷凍機器の停止命令が与えられるまで継続される。
以上は、閾値が、軸受け隙間の上限の閾値、下限の閾値である場合を別々に説明したが、閾値が、上限の閾値および下限の閾値であり、健全範囲が、上限の閾値および下限の閾値の間であるようにしても良い。この場合は、ステップS2で、信号処理部7が、健全範囲か否かを判断する際、センサ5が計測した計測値または軸受け隙間の大きさが、下限の閾値を超え、かつ上限の閾値未満である場合に、健全範囲内と判断し、これ以外を健全範囲外とする。
さらに、健全範囲外とされる場合に、ステップS5で、信号処理部7が発生する電動機3の回転数を変化させる制御信号は、計測値または軸受け隙間の大きさが、下限閾値以下の場合と上限閾値以上の場合では、通常異なり、電動機3の回転数を上昇または下降させるかが逆となる制御信号となる。
図3は、本実施の形態の別の制御方法に関するフローチャートを示す。なお、図において、末尾のAからEは、制御ステップの場面を区別するための名称であり、末尾より前のステップS〇が同じステップは、内部の処理は同様である。
冷媒圧縮機6、空気調和機または冷凍機器の状態が健全範囲内と判断される場合は、上述の制御ステップS1、S2,S3,S4,S1と同じ内容となるステップS1A,S2A,S3、S4A、S1Aが順次実行される。
次に、電動機3の回転数を変化させる処理となる制御に移行する場合、即ち、ステップ上記S2で、センサ5の計測値または軸受け隙間の大きさが健全範囲外と判断された場合について説明する。まず、閾値が、軸受け隙間の上限とした場合について説明する。
ステップS1A:上記ステップS1に相当する。上記同様、圧縮機6の吸入、圧縮、吐出が行われる状態で、変位センサ5が、すべり軸受2と回転軸1との間の隙間を計測する。
ステップS2A:上記ステップS2に相当し、センサ5の計測した計測値または軸受け隙間の大きさが、閾値以上の場合、健全範囲外として、信号処理部7が、まず、電動機回転数を「増加」させる制御信号を発生させてインバータ4へ出力するステップS5−1に移行した後、ステップS1Bへ移行する。センサ5の計測した計測値または軸受け隙間の大きさが、閾値未満の場合、健全範囲内として、ステップS3へ移行する。
ステップS5−1:信号処理部7が、電動機3の回転数を「増加」させる制御信号を発生させて、インバータ4へ出力し、電動機3の回転数を「増加」させる。
ステップS1B:再度、上記ステップS1の処理を行う。特にセンサ5が、すべり軸受の状態の計測を行い、ステップS7Aへ移行する。
ステップS7A:ステップS7Aは、最新に計測したセンサ計測値または軸受け隙間の大きさと、前回計測したセンサ計測値または軸受け隙間の大きさとを比較する。ここでは、信号処理部7が、最新の軸受け隙間が前回の軸受け隙間に対して増加しているか判定する場合について説明する。
1)前回の軸受け隙間よりも、最新の軸受け隙間が、減少している場合には、変化させた結果、良好な方向となったこととなるから、電動機3の回転数を維持するステップS6Bへ移行したうえ、ステップS2Aへ処理を移す。
2)前回の軸受け隙間よりも、最新の軸受け隙間が、増加または変化しない場合には、変化させた結果、悪化または変化しないこととなるから、今度は逆に電動機3の回転数を「減少」させるステップS5−2へ処理を移す。
ステップS6B:上記ステップS6と同様に、信号処理部7が、電動機3の回転数を維持する制御信号を発生させて、インバータ4へ出力し、電動機3の回転数を維持する。
ステップS5−2:信号処理部7が、電動機3の回転数を「減少」させる制御信号を発生させて、インバータ4へ出力し、電動機3の回転数を「減少」させる。次に、ステップS1Cへ移行する。
ステップS1C:再度、上記ステップS1の処理を行う。特にセンサ5が、すべり軸受の状態の計測を行い、ステップS7Bへ移行する。
ステップS7B:ステップS7Bは、最新に計測したセンサ計測値または軸受け隙間の大きさと、前回計測したセンサ計測値または軸受け隙間の大きさとを比較する。
1)前回の軸受け隙間よりも、最新の軸受け隙間が、減少している場合には、変化させた結果、良好な方向となったこととなるから、ステップS6Cへ移行する。
2)前回の軸受け隙間よりも、最新の軸受け隙間が、増加または変化しない場合には、変化させた結果、悪化または変化しないこととなる。このステップでは、直近電動機3の回転数を「減少」させても、「増加」させても悪化または変化しないこととなる。この場合は、ステップS6Eへ移行する。
ステップS6C:上記ステップS6と同様に、信号処理部7が、電動機3の回転数を維持する制御信号を発生させて、インバータ4へ出力し、電動機3の回転数を維持し、ステップ2Bへ移行する。
ステップS2B:ステップS7Bにて、電動機3の回転数を「減少」させた結果、良好な方向となっているため、再度センサ5の計測した計測値または軸受け隙間の大きさが、閾値以上の場合、健全範囲外として、信号処理部7が、電動機回転数を「減少」させる制御信号を発生させてインバータ4へ出力するステップS5−2に移行する。計測値または軸受け隙間の大きさが、閾値未満の場合、健全範囲内となり、電動機3の回転数を継続ステップS6Dへ移行する。
ステップS6D:上記ステップS6と同様に、信号処理部7が、電動機3の回転数を維持する制御信号を発生させて、インバータ4へ出力し、電動機3の回転数を維持したのち、ステップS1Aへ移動する。このステップは、健全範囲内とされた場合の処理となる。
ステップS6E:上記ステップS6と同様に、信号処理部7が、電動機3の回転数を維持する制御信号を発生させて、インバータ4へ出力し、電動機3の回転数を維持したのち、ステップS1Aに移行して、一連のフローを実施する。この処理フローによって、軸受け隙間が閾値未満となる電動機3の回転数の探索を行う。
図3に記載のS3は、ステップS2Aにて、センサ5の計測した計測値または軸受け隙間の大きさが、閾値未満の場合、健全範囲内として、ステップS3に処理が移ることを示す。ステップS3は、上述のステップS3と同様、冷媒圧縮機6、空気調和機または冷凍機器の停止指令の有無を確認し、停止指令が有る場合には、冷媒圧縮機6、空気調和機または冷凍機器を停止する。停止指令が無い場合には、ステップS4/S6Aへ処理を移す。図3に記載のS4/S6Aは、上述のステップS4およびステップS6と同様の処理をすることを意味する。即ち、ステップS4は信号処理部7が、冷媒圧縮機6、空気調和機または冷凍機の動作設定に応じて予め設定した電動機3の回転数の制御信号をインバータ4へ出力し、ステップS6Aは、信号処理部7が、電動機3の回転数を維持する制御信号(指令)をインバータ4出力する。
なお、上記の制御フローにおいて、電動機3の回転数を増加させる指令をする電動機回転数増加指令ステップS5−1と、電動機3の回転数を減少させる指令をする電動機回転数減少指令ステップS5−2の実行順は、どちらが先でも良い。すなわち、上記説明では、ステップS2Aに続いて電動機回転数増加指令ステップS5−1を先に行ったが、電動機回転数減少指令ステップS5−2を先に実行しても良い。さらに、このように実行順を逆にする場合、両ステップに続けて実行するステップは、上記と同じように移行することになる。
さらに、軸受け隙間に対する閾値を上限および下限の両方とすることも考えられる。この場合、ステップS2AおよびS2Bにおいて、計測した軸受け隙間が閾値の上下限内となる健全範囲内となるように電動機3の回転数を制御すれば良い。
また、ステップS7A、およびステップS7Bにおいて、最新の軸受すきまが前回の物理量(前回の軸受けすきま)に対して減少しているかを判定してもよい。前回の物理量に対して最新の軸受け隙間が減少しているかを判定する場合には、閾値が軸受すきまの上限あるいは下限のどちらかに応じて、判定結果によって移行するステップを変更すればよい。例えば、閾値が下限とした場合、ステップS7Aにて物理量が減少しているか判定し、減少していれば、ステップ5−2へ移り、信号処理部7が、電動機3の回転数を「減少」させる制御信号を発生させて、インバータ4へ出力し、電動機3の回転数を「減少」させる。他方、物理量が減少していない場合には、ステップS6Bへ処理を移し、信号処理部7が、電動機3の回転数を維持する制御信号を発生させて、インバータ4へ出力し、電動機3の回転数を維持する。また、ステップS7Bでは、物理量が減少しているか判定し、減少または変化しない場合には、ステップS6Eへ移行し、物理量が増加している場合には、ステップS6Cへ移行する。
つまり、閾値が軸受け隙間の上限の閾値であり、かつ計測した軸受け隙間が当該閾値以上である場合には、ステップS7A、およびステップ7Bにおいて、最新の軸受け隙間が減少し、閾値未満になるように電動機3の回転数を制御すればよい。逆に、閾値が軸受け隙間の下限の閾値であり、かつ軸受すきまが当該閾値以下である場合には、ステップS7A,およびステップS7Bにおいて、最新の軸受け隙間がそれ以上減少しないように、かつ閾値を超えるように電動機3の回転数を制御すればよい。
なお、信号処理部7が、電動機3の目標回転数を指定し、この目標回転数にするためインバータ4が制御を行う。インバータ4が行う電動機3の回転数の制御は、制御対象を伝達関数で表現された入出力システムとして所望の挙動を達成するなどの古典制御理論、ファジィ集合を用いた制御モデルにより制御するファジィ制御理論の他いかなる制御理論に基づいた制御手法を用いても良い。
次に、上述の処理では、信号処理部7が、計測した計測値または軸受け隙間の大きさが、健全範囲外と判断された場合に、電動機3の回転数を変化させる。具体的には、ステップS5、ステップS5−1、ステップS5−2において、健全範囲外と判断されたときに、電動機3の回転数をどれだけ変化させるかの回転数の変化量の決め方を説明する。
ここで、電動機回転数の変化量をΔNと定義して説明する。ΔNなど回転数の単位は、単位時間当たりの回転数、例えば1分当たりの回転数[RPM]である。電動機3の回転数の変化量ΔNの最も簡単な与え方は、現在の電動機3の回転数から、予め設定した値を加減する方法である。つまり、次の式1に示す通りである。
N=N0+a・ΔN ・・・・(1)
但し、
N:変化後の電動機回転数、N0:変化前の電動機回転数、
a:−1≦a≦1の範囲をとる係数、ΔN:任意に設定可能な一定値
ここで、上述のステップ(ステップS5,S5−1,S5−2)において、式1中の係数aを逐次変化させることによって、電動機3の回転数Nを離散的に変化させることができる。
また、変化前の電動機回転数N0に応じて、次の式2のようにΔNを与えても良い。
ΔN=a・N・・・・(2)
上記式2のように、ΔNを変化前の電動機3の回転数N0に係数aを乗じた形とすると、ΔNを予め設定しなくとも、次の式3のように電動機回転数を変化させることができる。
N=N+ΔN=(1+a)・N・・・・(3)
ここで、係数aは、最初に適当な初期値(0.1など)を与え、ステップS5−1、ステップS5−2において、係数aの値をステップS7A、S7Bでの判定結果に応じて変化させる。例えば回転数を上げて、軸受け隙間が健全範囲内へ向かう方向になれば、係数aを0.1から0.2など増加させることができる。
以上に示した電動機3の回転数の変化方法は、一例であり、本実施の形態は、電動機回転数の変化方法に依らず適用することができる。また、このように信号処理部7が指定する電動機3の回転数に対して、インバータ4による電動機回転数の制御方式は、パルス幅変調、すなわちPWM(Pulse Width Modulation)またはパルス振幅変調、すなわちPAM(Pulse Amplitude Modulation)の他、いかなる制御方式も本発明は適用することができる。
次に、軸受け隙間の閾値(以下、Hlimとも記載する)について説明する。すべり軸受2に変位センサ5を取り付けることで、すべり軸受2の軸受け隙間(回転軸1とすべり軸受2の内面との距離)を計測することができる。変位センサ5で軸受すきまを計測することにより、回転軸1と軸受(すべり軸受2)との接触、接触しないまでも接触に至るまでの裕度などを定量的に評価することができる。
図4は、すべり軸受2の中における、回転軸1の回転中心軸に垂直な断面を表す模式図である。図では、回転軸1が偏心した状態であることを示している。図のように、回転軸1に荷重(図中の矢印)が作用すると、回転軸1は、すべり軸受2の軸受中心C2に対して荷重方向L1(図中の矢印)に偏心する。このとき、例えば、変位センサ5が、軸受中心線に対して第1象限および第2象限(荷重方向L1の向きの逆側のすべり軸受2の部分)に取付けられる場合、計測される軸受け隙間は、回転軸1の偏心度合いに応じて増加する。この場合には、軸受け隙間が減少する方向に電動機回転数を制御すればよい。
他方、変位センサ5が、軸受中心線に対して第3象限および第4象限(荷重方向L1の向き側のすべり軸受2の部分)に取付けられる場合は、軸受け隙間が減少するから、軸受け隙間が増加するように電動機回転数を制御すればよい。
さらに、軸受の潤滑状態によっては、上述とは異なり、荷重方向L1と偏心方向が逆方向になる場合も考えられる。この場合は、実施の形態1に記載の軸受け隙間に関する閾値Hlimを上限閾値および下限閾値の双方設定し、軸受け隙間が、上限閾値と下限閾値との間の範囲内に収まるように電動機回転数を制御すればよい。軸受け隙間の上限閾値と下限閾値との間の範囲内が、上述の健全範囲内となる。
図5は、変位センサ5が、すべり軸受2に嵌合する回転軸部分に取付けられた冷媒圧縮機の断面図である。これは、回転軸1の内、すべり軸受2の内側に入っている箇所に、回転軸1の径方法外側に向けて変位センサを埋め込んでいる。図のように、すべり軸受2に嵌合する回転軸部分に変位センサ5を取り付けることで、すべり軸受2の軸受すきまを回転軸1側から全周に亘って計測することができる。つまり、回転軸1の一回転中に計測した軸受け隙間の最小値および最大値に対して、それぞれ下限閾値および上限閾値を設定し、最小値が下限閾値を下回る、または、最大値が上限閾値を超過しないように、電動機3の回転数を制御すれば良い。この場合も、計測した軸受け隙間の最小値および最大値が、上限閾値と下限閾値との間の範囲内となる範囲内が、上述の健全範囲内となる。
軸受け隙間の閾値Hlimの値の設定方法について説明する。例えば、予め任意の値、または回転軸外径と軸受内径の差に対する割合などを設定することができる。すべり軸受2の軸受の直径すきまの大きさに応じて軸受け隙間の閾値Hlimの値を設定しても良い。例えば、次の式4の設定方法が考えられる。
lim=b・C ・・・・(4)
但し、 b:0<b<1の範囲をとる係数、C:軸受直径すきま=軸受内径−軸外径
ここで、軸受け直径隙間Cが、軸受け半径隙間であっても良い。この場合は、係数bの範囲は、0<b<2となる。さらに、軸受直径すきまに代わって、回転軸1の外径またはすべり軸受2の内面いずれかの表面粗さとしても良い。または、回転軸1の外径の表面粗さと、すべり軸受2の内面の表面粗さとの和、または二乗和平方根としても良い。いずれもこれら軸受直径すきまに代わる値に、係数bを乗じた値を軸受け隙間の閾値Hlimの値と設定することができる。但し、表面粗さを用いる場合、係数bは、0以上の値であればよく、1以下の制限はない。
ここで、電動機3の回転数を変化させることによって、軸受け隙間などすべり軸受2の状態を変化することについて説明する。電動機3が回転すると、回転軸1とローリングピストンとは、一体となって回転軸1の回転中心軸周りに回転し、シリンダとローリングピストンとの間の圧縮室が順次変形して、圧縮室内の媒体の吸入、圧縮、吐出の工程を繰り返す。この際、ローリングピストンの軸方向両側にある回転軸1を支持するすべり軸受2は、各工程すなわちローリングピストンの回転軸周りの位置によって、回転軸1から偏心した荷重を受ける。ここで、電動機3の回転数が変化すると、軸受け隙間内に発生する油膜圧力の大きさが変化するため、回転軸の偏心位置が変化し、必然的に軸受け隙間の分布が変化し、滑り軸受2の状態が変化することになる。
本実施の形態によれば、冷媒圧縮機6の状態を示す軸受すきまを変位センサ5により計測し、回転軸1とすべり軸受2の接触や焼付きに対して裕度を持った軸受すきまの閾値を設定し、計測した軸受すきまと設定した閾値に応じて電動機3の回転数をインバータ4で制御することによって、圧縮機の負荷が大きい領域から小さい領域まで回転軸1とすべり軸受2の接触や焼付きを回避することができる。
また、すべり軸受2またはすべり軸受2が嵌合する回転軸1に設けられ、計測した計測値を出力信号として出力するセンサ5と、センサ5から出力される出力信号を演算処理し電動機が回転すべき回転数を求めてインバータ4へ制御信号として発信して電動機3の回転数を制御する制御部とによって、運転条件の広い範囲で軸受2での故障を回避する。また、圧縮機6の運転を停止することなく、圧縮機6の回転軸1と軸受2での接触、この接触に伴う焼付きおよび異常摩耗を回避することができる。
(振動センサを用いる場合)
次に、すべり軸受2またはすべり軸受2が嵌合する回転軸1の部分に対して設けられるセンサ5として、振動センサを用いる例について説明する。センサ5である振動センサは、すべり軸受2またはすべり軸受2の振動を計測する。なお、ここでの振動センサは、加速度センサに限らず、測定原理や接触、非接触を問わず適用できる。また、センサ5として振動センサを用いる場合は、振動センサを上記すべり軸受2またはすべり軸受2が嵌合する回転軸1の部分に対して設けるだけでなく、すべり軸受2またはすべり軸受2が嵌合する回転軸1の部分から振動絶縁されない圧縮機6、またはこれを格納する筐体に設けても良い。
回転軸1とすべり軸受2とが、油膜に隔てられて非接触状態で運転している場合、回転軸1の回転によって発生する振動は、潤滑油の粘性により減衰する。このため、軸受2に伝播する振動のレベルは、回転軸1と軸受2とが接触状態にある場合よりも小さい。したがって、振動センサのセンサ5が、回転軸1若しくは軸受2の振動レベル(振動振幅の大きさ)または加速度を計測することによって、回転軸1と軸受2との接触を検知できる。さらに接触を検知した場合に、電動機3の回転数を変更して焼付きを回避することができる。
次に動作について説明する。基本的な制御方法は、上記変位センサの場合と同様である。ただし、振動レベルまたは加速度の閾値に関しては、上記のとおり接触が生じた場合、軸あるいは軸受の振動は大きくなることから上限値を設定する方が好ましい。振動レベルまたは加速度の閾値は、任意の上限値alimを設定すれば良い。この場合、上述の健全範囲は、振動レベルまたは加速度が、上限値alim以下の範囲ということになる。
信号処理部7は、上限値alim以下を健全範囲として、振動センサであるセンサ5の計測値を健全範囲内となることを目標として、電動機3の回転数をフィードバック制御する信号を求める。
具体的には、振動センサの計測値が、上限値alimを超える場合に、電動機3の回転数を変化させて、回転数を変化させた後のセンサ5である振動センサの計測値が健全範囲内に近づいたか否かにより、制御を変える。ここで、回転数を変化させるとは、回転数を増加させる、または減少させることをいう。
例えば、振動センサの計測値が健全範囲から外れる方向に変化した場合、即ち、振動センサの計測値がより大きくなった場合には、直前に行った電動機3の回転数の変化方向と逆方向に変化させて、その後の振動センサの計測値を見る。振動センサの計測値が、小さくなった場合には、良好な方向に向かっているので、電動機3の回転数を維持する。または、振動センサの計測値が、上限値alimよりも所定値以上大きい場合には、さらに大きく改善する、即ち、振動が減少することを目指して、電動機3の回転数を直前に変化させた方向にさらに変化させて、早く軸受2の振動を健全範囲内に集束させることができる。
なお、上記電動機3の回転数を直前とは逆方向に変化させても振動センサの計測値が小さくならない場合には、回転数の変化量を小さくして再度電動機3の回転数を変化させて同様なことを繰り返し、回転数を変化させた後の振動センサの計測値が小さくなる回転数を探索する。振動センサの計測値が小さくなる回転数が探索できると、当該回転数を維持または、さらに計測値が小さくなる回転数を探索して、状態が良好となる回転数に電動機3を制御する。このように制御することによって、異常な振動がでる状態を脱し、運転を停止することなく、すべり軸受2の焼き付きを回避する。
ここで、軸受の振動が大きくなったときに、電動機3の回転数を変化させると、軸受けの振動が変化することについて説明する。回転軸と軸受が直接接触する場合には、非接触時と比べて摩擦に起因する加速度が発生する。上記の通り、電動機3の回転数を変化させて非接触状態とすると、振動加速度が減少する。さらに、非接触状態であっても軸受け隙間が非常に小さい場合、軸受け隙間内の油膜圧力の大きさは軸受け隙間の3乗の逆数に比例するため非常に高い圧力が発生し、回転軸の偏心位置が変動するため変動量に応じた振動加速度が生じる。したがって、電動機3の回転数を変化させて、軸受の振動を変化させることができ、電動機3の回転数を変化させ軸受の振動を健全範囲内にすることは、上記の軸受け隙間を健全範囲内にすることに相当する。
本実施の形態によれば、回転軸1と軸受2とが接触する、または回転軸1と軸受2との距離が小さくなることによって発生する、回転軸1または軸受2の振動レベルまたは加速度を振動センサにより計測し、振動レベルまたは加速度の閾値に対して計測した振動レベルまたは加速度が下回るように電動機3の回転数をインバータ4で制御することで、回転軸1とすべり軸受2の焼付きを回避することができる。
(温度センサを用いる場合)
次に、すべり軸受2またはすべり軸受2が嵌合する回転軸1の部分に対して設けられるセンサ5として、軸受温度を計測する温度センサを用いる例について説明する。センサ5である温度センサは、すべり軸受2またはすべり軸受2の温度を計測する。なお、ここで、温度センサは、熱電対など特定のセンサに限定されるものではなく、測定原理や接触、非接触を問わず適用できる。
回転軸1とすべり軸受2との焼付きが生じる場合、焼付きが起こる前に、回転軸1とすべり軸受2との接触が生じる。接触が生じると、接触部での摩擦が生じて、摩擦のエネルギーの大半が、熱エネルギーとして消費され、すべり軸受2またすべり軸受2に接続する周辺部の温度が上昇する。したがって、冷媒圧縮機6内の温度、例えば軸受温度を計測することで、回転軸1とすべり軸受2との接触を検知し、この検知をトリガーに適切に制御することによって、回転軸1とすべり軸受2との焼付きを回避することができる。
次に、動作について説明する。基本的な制御方法は、上記のセンサ5を変位センサとした場合と同様である。ただし、温度センサであるセンサ5の計測値に対する閾値については、上記のとおり回転軸1とすべり軸受2との摩擦による発熱に起因して昇温することから、上限値を設定する方が好ましい。すべり軸受2の温度の閾値は任意の上限値Tlimを設定すれば良い。すると、健全範囲は、上限値Tlim以下となる。
信号処理部7は、上記上限値Tlim以下を健全範囲として、温度センサであるセンサ5の計測値が健全範囲内となることを目標として、電動機3の回転数をフィードバック制御する。
具体的には、温度センサの計測値が、健全範囲外、すなわち上限値Tlimを超える場合に、電動機3の回転数を変化させて、回転数を変化させた後のセンサ5(温度センサ)の計測値が、健全範囲内に近づいたか否かにより、制御を変える。
センサ5を温度センサとして、健全範囲を上限値Tlim以内としたときの電動機3の制御は、基本的に上述の振動センサをセンサ5とした場合と同様である。即ち、上記振動センサの制御において、振動センサを温度センサと読み替え、上限値alimを上限値Tlimと読み替えることで、温度センサの制御とすることができる。
ここで、軸受の温度が上昇したときに、電動機3の回転数を変化させると軸受の温度が変化することについて説明する。回転軸と軸受が直接接触する場合には、材料同士の摩擦せん断による温度上昇が発生し,材料内を熱伝導するため軸受および回転軸の温度が上昇する。上記の通り、電動機3の回転数を変化させて非接触状態とすると、油膜による熱拡散により温度上昇が抑制される。さらに、非接触状態であっても軸受け隙間が非常に小さい場合、軸受油膜に生じる流体せん断が大きくなり、油膜温度が上昇し、軸受および回転軸の温度が上昇する。したがって、電動機3の回転数を変化させて、軸受の温度を変化させることができ、電動機3の回転数を変化させ軸受および回転軸の温度を健全範囲内にすることは、上記の軸受け隙間を健全範囲内にすることに相当する。
本実施の形態によれば、回転軸1とすべり軸受2との接触に伴う摩擦発熱を温度センサ(センサ5)により計測し、温度の閾値(上限値Tlim)に対して、温度センサで計測した温度が下回るように電動機3の回転数をインバータ4で制御することによって、回転軸1とすべり軸受2の焼付きを回避することができる。
(圧力センサを用いる場合)
次に、センサ5として、圧縮機6のすべり軸受2の油膜に生じる圧力を計測する圧力センサを有する冷媒圧縮機について説明する。センサ5である圧力センサは、ダイヤフラム式圧力センサなど特定のセンサに限定されるものではなく、測定原理を問わず、すべり軸受2の油膜の生じる圧力を計測できるものであれば良い。
回転軸1とすべり軸受2との焼付きが生じる場合、焼付が生じる前に回転軸1とすべり軸受2との接触が発生する。一般的に、すべり軸受の油膜に発生する圧力の大きさは、軸受けすきまの3乗の逆数に比例する。このため、回転軸1とすべり軸受2の内面とが接触する直前は、油膜が薄膜状となり、油膜内が、非常に高い圧力状態となる。したがって、圧力センサを用いて圧縮機6の軸受の油膜に生じる圧力を計測することによって、回転軸1とすべり軸受2との接触を検知できる。この検知をトリガーに適切に電動機3の回転数を制御することによって、回転軸1とすべり軸受2との焼付きを回避することができる。
次に動作について説明する。基本的な制御方法は形態1、2と同じである。ただし、圧力の閾値に関しては、上記のとおり接触状態近傍で油膜圧力が、非常に高くなることから、上限値を設定する方が好ましい。圧力センサで計測した圧力の閾値は任意の上限値Plimを設定すれば良い。すると、この場合の健全範囲は、センサ5の計測値が上限値Plimとなる。
信号処理部7は、上記上限値Plim以下を健全範囲として、圧力センサであるセンサ5の計測値が健全範囲内となることを目標として、電動機3の回転数をフィードバック制御する。
具体的には、圧力センサの計測値が、健全範囲外、すなわち、上限値Plimを超える場合に、電動機3の回転数を変化させて、回転数を変化させた後のセンサ5(圧力センサ)の計測値が、健全範囲内に近づいたか否かにより、制御を変える。
センサ5を圧力センサとして、健全範囲を上限値Plim以内としたときの電動機3の制御は、基本的に上述の振動センサをセンサ5とした場合と同様である。即ち、上記振動センサの制御において、振動センサを圧力センサと読み替え、上限値alimを上限値Plimと読み替えることで、圧力センサの制御とすることができる。
ここで、軸受の圧力が上昇したときに、電動機3の回転数を変化させると、軸受の圧力が変化することについて説明する。軸受油膜に生じる圧力の大きさは、軸受け隙間の3乗の逆数に比例するため非常に高い圧力が発生し、電動機3の回転数の変化により、軸受け隙間の大きさが変化することで圧力センサの計測値も変化する。したがって、電動機3の回転数を変化させて、軸受の圧力を変化させることができ、電動機3の回転数を変化させ油膜圧力の計測値を健全範囲内にすることは、上記の軸受け隙間を健全範囲内にすることに相当する.
本実施の形態によれば、回転軸1とすべり軸受2との間の油膜に生じる圧力を圧力センサにより計測し、圧力の閾値(上限値Plim)に対して、圧力センサで計測した圧力が下回るように電動機3の回転数をインバータ4で制御することで、回転軸1とすべり軸受2の焼付きを回避することができる。
上述のとおり、圧力センサで計測する油膜の圧力は、軸受けすきまの3乗の逆数に比例するから、軸受け隙間が小さくなると急激に圧力が上昇する。したがって、健全でないことを検知することは、容易といえ、雑音に強く、効率よく制御できる。
上記では、それぞれの種類のセンサの1つの計測値に基づいて、電動機3の回転数を制御するが、2つ以上のセンサの計測値に基づいて、電動機3の回転数を制御するようにしても良い。これは、圧縮機は稼働条件によって、圧縮機内が高温、高圧になる場合があり、その他のしゅう動要素での加速度が発生する場合もあることに起因する。したがって、軸受に複数のセンサを取付け、それぞれの計測値に基づいて電動機3の回転数を制御することで、軸受および回転軸の状態を総合的に判断でき、軸受および回転軸の接触状態検知の確度が高まる。また、センサには温度特性が存在する場合があり、温度センサとその他のセンサを組合せることで、使用するセンサの温度特性を補正することが可能であり、より高精度の計測も可能である。
次に、複数のセンサの計測値に基づいて、電動機3の回転数を制御する場合の動作について説明する。信号処理部7は、各センサの計測値と、センサごとに設定された健全範囲とを比較して、1つのセンサ計測値でも、健全範囲を外れた場合に、電動機3の回転数を変化さえる制御に入る。まず、健全範囲を超えたセンサの計測値が健全範囲内となることを目標に、電動機3の回転数を制御する。さらに、最初に健全範囲を外れたセンサの計測値以外に、健全範囲を外れたセンサが存在すれば、当該健全範囲を外れたセンサについて、健全範囲内となるように電動機3の回転数を制御する。これをすべてのセンサの計測値が、健全範囲内となるまで、電動機3の回転数を制御することを繰り返す。
上記のように構成することによって、時定数の短いセンサ、例えば、変位センサで、健全範囲外となったことを検知して、健全範囲内とする制御を開始することができる。その後に、時定数の長いセンサ、例えば、温度センサの計測値が、健全範囲内となるまで上記制御することで、十分に健全となる状態にすることができ、すべり軸受2の状態を安定させることができる。
また、温度特性を有する変位センサ(振動センサ、圧力センサ)を使用する場合、温度センサと組合せることで、温度補正が可能となり軸受および回転軸の接触状態検知の精度が高くなる。なお、この場合、温度の計測値を信号処理部7にフィードバックし、変位センサなどの温度補正を行えば、さらに精度が向上する。
実施の形態2.
上記の実施の形態では、軸受の状態をセンサで計測したセンサ計測値が、予め設定した健全範囲から外れる場合に、センサ計測値が健全範囲となることを目標として電動機の回転数を制御するように構成したが、上記制御過程を機械学習して学習済みモデルを求めて、計測した現在のセンサ計測値に学習済みモデルを適用して電動機が回転すべき回転数を推定するようにしても良い。この場合、学習済みモデルは、センサ計測値と、この計測値に対して信号処理部が求めた電動機が回転すべき回転数と、この回転数に制御した後に計測したセンサ計測値とを互いに関連付けて関連付け情報として記憶して、記憶した関連付け情報を機械学習して求めることができる。このように構成することで、探索的に電動機の回転数を制御することなく、過去の制御履歴から求めた学習済みモデルから、センサ計測値を健全範囲内にする電動機が回転すべき回転数である推定回転数を求めて制御できる。
すなわち、本実施の形態は、上記実施の形態において、センサ情報に基づいて圧縮機の回転を制御しながら、センサ情報を状態、制御を行動として学習用データを収集し、収集した学習データを機械学習して、学習済みモデルを作成し学習モデル記憶部に記憶する。学習済みモデルを用いて制御を仮に求めたときに、状態が改善する確率が所定値以上となった時に、上記制御手段から、学習済みモデルを用いて制御する動作信号を機器に送信するように切り替えるようにしても良い。
なお、以下では、センサとして、変位センサを用いる例を中心に説明するが、上記実施の形態と同様に他の振動、温度、圧力を計測するセンサでも良い。
図6は、本実施の形態を示す圧縮機の構成を示す図である。図において、左側は、冷媒圧縮機の断面図であり、右側は、この圧縮機を制御する構成を示すブロック図である。以下において、上記実施の形態と同じ符号は、同じものまたは対応するものを表すものである。また、上記実施の形態と同様に、圧縮機構が一カ所であるシングルロータリ圧縮機であっても良いし、スクロール圧縮機、スクリュー圧縮機等、軸受支持される圧縮機であってもよい。
図において、冷媒圧縮機6は、回転軸1と、これを支持するすべり軸受2と、電動機3、インバータ4を有する。電動機3は、ステータ3aと、ロータ3bとで構成される。冷媒圧縮機6の機械的構造は、上記実施の形態と同様である。
さらに、冷媒圧縮機6は、すべり軸受2またはすべり軸受2が嵌合する回転軸1の部分に対して設けられるセンサ5を備え、センサ5から出力される出力信号を演算処理し、電動機3が回転すべき回転数を求めてインバータ4へ制御信号を送る信号を送る信号処理部7を有する。
センサ5は、接触、非接触の別はなく、すべり軸受2の変位、またはすべり軸受2と回転軸1との間の相対変位または相対変位の変化を計測する変位センサ、すべり軸受2の振動を計測する変位センサ、温度センサ、すべり軸受2の中の油膜の圧力を計測する圧力センサでもよい。
冷媒圧縮機6は、信号処理部7によって変換された物理量の情報、またはセンサの電圧信号、および情報に基づき制御量を求めた結果であるインバータへの制御信号、または空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号を関連付けて学習用データとして記憶する記憶部8と、記憶部8に記憶された学習用データを機械学習して学習済みモデルを出力する機械学習部9と、機械学習した学習済みモデルを記憶する学習モデル記憶部10と、学習済みモデルを用いて、新たに計測した上記物理量の情報、またはセンサの電圧信号からインバータ4への制御信号または空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号を出力する制御量算出部11とを備える。なお、ここでは、記憶部8が、センサの電圧信号および空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号を関連付けて記憶する例を示す。なお、制御量算出部11は、推定部と捉えても良い。
また、記憶部8に記憶される学習用データは、上記に加え、情報に基づき制御量を求めた結果をインバータ4への制御信号、機器への動作信号送信した結果、または変化があったセンサの電圧信号が関連付けられても良い。
なお、記憶部8は、冷媒圧縮機6への内蔵、外部への実装の別は問わず、メモリ、記憶ディスク、半導体メモリでもよい。また記憶部8の保存媒体や保存方法は特定しない。
また、本実施の形態の冷媒圧縮機6は、記憶部8と機械学習部9と学習モデル記憶部10とを備えるようにして、学習モデル記憶部10に記憶された学習済みモデルをネットワーク等を介して外部に送信するようにしても良い。
さらに、本実施の形態の冷媒圧縮機6は、学習モデル記憶部10に外部から学習済みモデルを読みこむ構成として、この学習済みモデルを用いて制御量算出部11を稼働させるようにしても良い。この場合、冷媒圧縮機6は、記憶部8および機械学習部9を持たないようにしても良い。また、冷媒圧縮機6は、ネットワーク等を介して外部に学習用データを送信し、外部に設けた機械学習部9にて機械学習を行って学習済みモデルを構築してもよい。この場合、冷媒圧縮機6が、外部からネットワークを介して学習モデル記憶部10に学習済みモデルを読みこみ、外部で学習した学習済みモデルを用いて制御量算出部11を稼働させるようにしても良い。
記憶部8は、冷媒圧縮機6の状態を示す入力情報として、圧縮機のすべり軸受2、またはすべり軸受2が嵌合する回転部分に設けられるセンサの情報を記憶する。このセンサ5は、回転軸1の変位を計測する変位センサで、回転軸1のすべり軸受2内の変位に相当する情報であっても良い。また、記憶部8が記憶する情報は、圧縮機の状態を示す入力情報として、上記変位からすべり軸受2の軸受け隙間を計測したもので合っても良い。または、センサ5は、振動センサ、温度センサ、またはすべり軸受の油膜圧力を計測する圧力センサであっても良い。
また、記憶部8は、行動を示す入力情報として、信号処理部7によって変換された物理量の情報、およびこの情報に基づき制御量を求めた結果であるインバータ4への制御信号、または空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号を記憶する。さらに、この際、状態を示す入力情報と、行動を示す入力情報とを関連付けて学習用データとして記憶する。
さらに、記憶部8は、行動を実行した結果、状態が変化した状態を示す入力情報として記憶する。これらは時系列情報として記憶しても良い。
次に、機械学習部9は、記憶部8に記憶される、状態を示す入力情報、行動を示す入力情報に基づいて作成されるデータセットを入力として、出力となる学習モデルを学習する。機械学習部9の機械学習は、価値関数を用いる強化学習でもよい。この場合、機械学習部9は、信号処理部7が出力する回転数で電動機3を制御することによって得られたセンサ5の計測値が健全範囲の外から健全範囲内に変化する場合に、価値関数に報酬を与えて学習済みモデルを構築してもよい。また、機械学習部9が用いる学習アルゴリズムは、どのようなものを用いても良い。一例として、強化学習を適用した場合について、以下説明する。
強化学習は、ある環境内におけるエージェント(行動主体)が現在状態を観測し、採るべき行動を決定するというものである。エージェントは、行動を選択することで環境から報酬を得て、一連の行動を通じて報酬が最も多く得られるような方策を学習する。
機械学習部9が実行する強化学習の代表的な手法として、Q学習やTD学習が知られている。例えば、Q学習の場合、行動価値関数Q(s, a)の一般的な更新式(行動価値テーブル)は、次式で表される。
Q(st, at) ← Q(st, at) + α(rt+1 + γmaxQ(st+1, a) - Q(st, at)) ・・・(5)
式5において、stは、時刻tにおける環境を表し、atは、時刻tにおける行動を表す。行動atによって、環境は、st+1に変わる。rt+1は、その環境変化によって与えられる報酬を表す。また、γは、割引率を表し、αは学習係数を表す。なお、γは、0<γ≦1、αは、0<α≦1の範囲とする。Q学習を適用した場合、出力である学習内容が、行動atとなる。
ここで、機械学習部9において、stは、状態を示す入力情報、atは、行動を示す入力情報、st+1は、行動atによって変化した状態を表す。rt+1は、stがst+1に変化したことによって与えられる報酬である。
さらに具体的には、stは、圧縮機のすべり軸受またはすべり軸受が嵌合する回転部分に設けられるセンサの情報である。また、行動atは、信号処理部によって変換された物理量の情報、および情報に基づき制御量を求めた結果であるインバータ4への制御信号、または空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号、または圧縮機の回転数を表す情報であっても良い。
式5で表される更新式は、時刻t+1における最良の行動aの行動価値が、時刻tにおいて実行された行動aの行動価値Qよりも大きければ、行動価値Qを大きくし、逆の場合は、行動価値Qを小さくする。換言すれば、時刻tにおける行動aの行動価値Qを、時刻t+1における裁量の行動価値に近づけるように、行動価値関数Q(s, a)を更新する。このようにすることによって、ある環境における最良の行動価値が、それ以前の環境における行動価値に伝搬していくようになる。
機械学習部9は、報酬計算部と、関数更新部とをさらに備える。
報酬計算部は、状態変数に基づいて報酬を計算する。報酬計算部は、報酬基準に基づいて、報酬rを計算する。例えば、報酬増大基準の場合には、報酬rを増大させる(例えば「1」の報酬を与える)。他方、報酬減少基準の場合には、報酬rを低減する(例えば「−1」を与える)。
たとえば、状態を軸受2の軸受と回転軸1との間の軸受けすきまとすると、軸受けすきまが、減少する場合は、報酬が大きく、増加する場合は報酬が小さい。また、軸受けすきまが、上記閾値に対して小さくなれば報酬は増大する。
また、センサ5を温度センサとして、状態を軸受2の温度とすると、軸受温度が、減少する場合は報酬が大きく、増加する場合は報酬が小さい。さらに軸受温度が、閾値以下となれば報酬は増大となる。
さらに、センサ5を振動センサとして、状態を軸受に設けた振動センサの出力信号とすると、振動センサの振動レベルが減少する場合は、報酬が大きく、増加する場合は、報酬が小さい。また、振動レベルが、閾値に対して小さくなれば報酬は増大する。
また、センサ5を圧力センサとして、状態を軸受に設けたすべり軸受の油膜圧力を計測する圧力センサの出力信号とすると、予め定めた圧力センサの適正な出力信号範囲に近づく変化の場合は、報酬は増大し、上記出力信号範囲から乖離する変化の場合は、報酬は小さい。さらに圧力センサの信号が、上記出力信号範囲であれば、報酬は増大となる。
関数更新部は、上記報酬計算部によって計算される報酬に従って、出力(学習内容)を決定するための関数を更新する。例えば、Q学習の場合、出力(学習内容)を算出するための関数として、式5で表される行動価値関数Q(st, at)を用いる。このようにして、記憶部8に記憶される関係情報に基づいて行動価値関数Qを更新した結果、この行動価値関数Qが、学習済みモデルとなる。学習モデル記憶部10は、上記求めた学習済みモデルを記憶する。
なお、本実施の形態では、機械学習部9が用いる学習アルゴリズムが強化学習である場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、強化学習以外にも、教師あり学習、教師なし学習、又は半教師あり学習等を適用することも可能である。
また、上述した学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習を用いることもでき、他の公知の方法、例えばニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシンなどに従って機械学習を実行してもよい。
次に、制御量算出部11は、学習モデル記憶部10から、上記機械学習部9が出力した学習済みモデルを読み込み、この学習済みモデルを用いて、現実に計測した状態情報、すなわち、センサ5によって、新たに計測した上記物理量の情報、またはセンサ5の電圧信号から、インバータ4への制御信号または空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号を出力する情報を求める。
例えば、上記Q学習の場合は、制御量算出部11が、新たに計測したセンサの出力情報をsとして、学習済みの行動価値関数Q(s, a)に代入し、行動価値関数Q(s, a)の値が最大となる行動aを求める。こうして求めた行動aは、インバータ4への制御信号または空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号として、制御量算出部11が出力する。
上記機械学習部9で求めた学習済みモデルは、任意の状態情報を入力すると、状態情報が適正値、すなわち上記健全範囲内でなければ、状態情報が適正値となるように、圧縮機の回転数を適切にする信号を出力する。したがって、学習済みモデルを用いて、制御量を算出する制御量算出部11は、適切な信号を出力することができる。
次に、本実施の形態の記憶部8、機械学習部9、学習モデル記憶部10および制御量算出部11を実行するハードウェアについて、図7を用いて説明する。
図において、センサ5及びインバータ4との入出力を行う計算装置100は、中央処理装置CPU(Central Processing Unit)101と、CPU101で実行されるプログラムを記憶し、計算途中の情報を一次的に記憶し、計算結果を記憶する記憶装置102、入力情報であるセンサ5からの信号を読み取り、一旦記憶装置102に記憶させ、CPU101で計算した結果を記憶装置102から取り出してインバータ4へ出力するI/F 103を有する。
記憶部8は、記憶装置102によって実行される。記憶部8は、センサ5からの信号をI/F 103から読み込み、またインバータ4へ出力された出力信号を読み出し、関連付けて学習用データとして記憶装置102に記憶する。機械学習部9は、CPU 101で実行される。記憶装置102、すなわち記憶装置102に記憶された学習用データを読み込み、記憶装置102に記憶された学習用プログラムをCPU 101で実行して学習済みモデルを記憶装置102に出力する。学習モデル記憶部10は、記憶装置102で実行される。制御量算出部11は、記憶装置102に記憶されたプログラムに基づき、CPU 101で実行される。制御量算出部11は、センサ104からの信号を I/F 103を介して取得して、一旦記憶装置102に記憶させ、記憶装置102に記憶されている学習済みモデルを用いて、CPU 101が、センサ104の信号から制御量を算出し、この制御量をI/F 103を介して、インバータ4へ出力する。
また、信号処理部7は、上記計算装置100で実現しても良い。同じ計算装置100で、信号処理部7、記憶部8、機械学習部9、学習モデル記憶部10および制御量算出部11を実現すると、1つの計算装置100で処理を実行できるので効率が良い。
次に、本実施の形態の処理について説明する。学習過程では、まず、学習用データを収集し学習用データセットを生成する。上記実施の形態で説明した電動機3の回転数を変化させる処理プロセスによって、状態に応じて圧縮機の回転数を制御して、この間の計測情報および機器へ送信した電動機3が回転すべき回転数または動作信号を学習データとして記憶部8に記憶する。記憶部8は、信号処理部7によって変換された物理量の情報、またはセンサの電圧信号、および情報に基づき制御量を求めた結果であるインバータ4への制御信号、または空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号を関連付けて学習用データとして記憶部8に記憶する。
機械学習部9は、記憶部8に記憶される信号処理部7によって変換された物理量の情報、またはセンサの電圧信号、および情報に基づき制御量を求めた結果であるインバータへの制御信号、または空気調和機若しくは冷凍機器への動作信号を関連から、上記学習アルゴリズムを用いて学習済みモデルを作成する。この過程で、収集する学習データの量が多くなれば、学習アルゴリズムによって、学習済みモデルの学習が進み、いろいろな状態に対応して適切な出力である行動を出力できる学習済みモデルになる。
学習済みモデルが作成できると、学習モデル活用過程に移る。制御量算出部11は、計測した現在のセンサの出力信号に対して、学習済みモデルを適用して圧縮機(電動機)が回転すべき回転数またはインバータ4への出力信号を求め、圧縮機6またはインバータ4へ出力する。学習済みモデルは、上記機械学習部9によって、いろいろな状態に対して適切な出力を求められるモデルである。したがって、制御量算出部11は、計測したセンサ5の出力信号に対して、学習済みモデルを適用して、適切な出力をすることができる。
上記学習過程で、機械学習部9は、記憶部8に記憶された上記学習データを機械学習して学習済みモデルを作成する。学習初期には、学習用データが少なくて、学習済みモデルを作成してもこの学習済みモデルに基づき制御量算出部11が計算した結果では、必ずしも良好な結果とならない可能性がある。
そこで、学習初期には、上記実施の形態で説明した回転数変化処理プロセスによって制御を行い、所定の期間後に上記機械学習部9で学習した学習済みモデルを用いて制御量算出部11が出力する制御量により圧縮機を制御する。
ここで、所定の期間後は、学習開始から1年の期間でも良い。これは1年で凡そ一通りの条件を学習すると考えられるからである。また、学習中に上記回転数変化処理プロセスに替えて、そこまで学習した学習済みモデルを用いて、一時的に制御量算出部11が算出する制御量で圧縮機6を制御し、所定の期間内に収束、即ちセンサ計測値が閾値内になるか否かで本格的に学習済みモデルに切り替えるかを判断するようにしても良い。
具体的には、信号処理部7が、センサ5が計測した出力信号から、演算して出力した回転数により電動機3を制御している場合において、以下の処理を行う。信号処理部7が、直近の所定期間内に、制御量算出部11が推定回転数を求めた回数のうち、センサ5が計測した出力信号から、制御量算出部11が求めた推定回転数と、同じ出力信号を演算して信号処理部7が出力した回転数とが、一致する回数を求める。次に、信号処理部7が、求めた一致する回数を所定期間内の制御量算出部11が推定回転数を求めた総回数で除した率である一致率が、予め定めた閾値となる率を超えるか否かを判断し、一致率が、閾値となる率を超える場合に、制御量算出部11が求めた推定回転数で電動機3を制御するように切り替える。なお、逆に一致率が閾値以下となった場合に、信号処理部7が、センサ5が計測した出力信号から、演算して出力した回転数により電動機3を制御するように切り替えても良い。
従来は、圧縮機の運転状態を示す物理量をセンサで計測しても、圧縮機の製造上のばらつきなどから、どのように圧縮機を運転制御すればよいかは、個別に異なっていた。探索的手法によって制御すると収束するのに時間を要し、この間に故障が生じたり、効率が悪くなったりしていた。
本実施の形態では、上記実施の形態の探索的手法による回転数変化処理プロセスにてセンサ出力値と制御値とを関連付けて学習用データセットとして収集し記憶部8に記憶し、学習用データセットから機械学習部9によって学習済みモデルを求め、制御量算出部11が、求めた学習済みモデルを用いて、新たに計測した現在のセンサの出力値に対して適切な制御値を求めるように構成する。これによって、一旦、学習して学習済みモデルを生成すれば、探索的手法を用いずに制御できるから、迅速にセンサ計測値を健全範囲内にすることができる。すなわち、センサ5の計測値が、健全範囲である閾値内になる時間が短縮され、故障、劣化を防ぎ、効率もよくなる効果がある。
また、学習が不十分である場合には、収束しない、または収束時に時間を要する可能性がある。このため、一時的に学習済みモデルを用いた制御量算出部11による制御を試し、所定時間内に収束すれば、回転数変化処理プロセスを制御量算出部11に切り替えるようにしても良い。所定時間内に収束しなければ、回転数変化処理プロセスに戻して制御しながら、さらに学習用データを収集する。その後、機械学習部9で別途学習済みモデルを求めるようにして制御を試し、所定時間内に収束するまで繰り返す。このようにすることで十分学習したところで、制御量算出部11に置き換えて、安全に学習済みモデルを用いることができる効果がある。
1 回転軸
2 軸受、すべり軸受
3 電動機
4 インバータ
5 センサ、変位センサ
6 圧縮機、冷媒圧縮機
7 信号処理部
8 記憶部
9 機械学習部
10 学習モデル記憶部
11 制御量算出部
本開示の1つの請求項に係る発明は、すべり軸受またはすべり軸受が嵌合する回転軸部分に設けられ、回転軸の変位を計測して、すべり軸受の温度を計測して、またはすべり軸受の油膜圧力を計測して、計測した計測値を出力信号として出力するセンサと、センサから出力される出力信号を演算処理し電動機が回転すべき回転数を求めて前記インバータへ制御信号として発信して前記電動機の回転数を制御する信号処理部と、センサが計測する計測値、この計測値に対して信号処理部が求めた電動機が回転すべき回転数、および当該回転数に制御した結果得られたセンサの計測値である制御後計測値を互いに関連付けて関連付情報として記憶する記憶部と、記憶部に記憶された関連付情報を機械学習して学習済みモデルを出力する機械学習部とを備えるものである。

Claims (15)

  1. 回転軸と、前記回転軸を支持するすべり軸受と、前記回転軸を回転させる電動機と、前記電動機を制御するインバータとを有する圧縮機において、
    前記すべり軸受または前記すべり軸受が嵌合する回転軸部分に設けられ、計測した計測値を出力信号として出力するセンサと、
    前記センサから出力される前記出力信号を演算処理し前記電動機が回転すべき回転数を求めて前記インバータへ制御信号として発信して前記電動機の回転数を制御する信号処理部とを備える圧縮機。
  2. 前記信号処理部は、予め設定する前記センサの前記計測値の健全性の基準となる閾値を保持し、前記閾値で定まる前記計測値が健全である健全範囲から外れる場合には、前記計測値を前記健全範囲となることを目標として前記電動機の前記回転数をフィードバック制御することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記センサは、前記回転軸の変位を計測する変位センサであることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記変位センサは、前記すべり軸受の軸受すきまを計測し、
    前記信号処理部の前記閾値は、前記軸受すきまの前記計測値の上限閾値および下限閾値であり、前記健全範囲は、前記上限閾値および前記下限閾値で定まることを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記センサは、前記すべり軸受の振動レベルを計測する振動センサ、前記すべり軸受の温度を計測する温度センサ、または前記すべり軸受の油膜圧力を計測する圧力センサであることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  6. 前記信号処理部の前記閾値は、前記センサの前記計測値の前記下限閾値であり、前記健全範囲は、前記計測値が前記下限閾値を超える範囲であることを特徴とする請求項4に記載の圧縮機。
  7. 前記センサが計測する前記計測値と、この前記計測値に対して前記信号処理部が求めた前記電動機が回転すべき前記回転数と、当該回転数に制御した結果得られた前記センサの前記計測値である制御後計測値とを互いに関連付けて関連付情報として記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記関連付情報を機械学習して学習済みモデルを出力する機械学習部と、
    計測した現在の前記センサの前記出力信号に前記学習済みモデルを適用して前記電動機が回転すべき前記回転数である推定回転数を推定する制御量算出部と、を備える請求項2から6のいずれか1項に記載の圧縮機。
  8. 前記記憶部に記憶される前記関連付情報は、前記圧縮機が組み込まれた機器の動作信号を含むことを特徴とする請求項7に記載の圧縮機。
  9. 前記機械学習部の前記機械学習は、価値関数を用いる強化学習であり、
    前記機械学習部は、
    前記回転数で得られた前記センサの前記計測値が前記健全範囲の外から前記健全範囲内に変化する場合に、前記価値関数に報酬を与えて前記学習済みモデルを構築することを特徴とする請求項7に記載の圧縮機。
  10. 前記信号処理部は、直近の所定期間内に前記制御量算出部が前記推定回転数を求めた総回数の内、同じ計測した前記出力信号から前記制御量算出部が求めた前記推定回転数と前記信号処理部が出力した前記回転数とが一致する一致回数を前記総回数で除した率が予め定めた所定の率を超える場合に、前記制御量算出部が求めた前記推定回転数で前記電動機を制御するように切り替えることを特徴とする請求項7記載の圧縮機。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の圧縮機を備える空気調和機。
  12. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の圧縮機を備える冷凍機。
  13. 回転軸と、前記回転軸を支持するすべり軸受と、前記回転軸を回転させる電動機と、前記電動機を制御するインバータとを有する圧縮機を制御する圧縮機制御方法において、
    前記すべり軸受または前記すべり軸受が嵌合する回転軸部分に設けられるセンサで前記すべり軸受の状態を計測した計測値を出力する計測ステップと、
    前記センサから出力される出力信号を演算処理し前記電動機が回転すべき回転数を求めて前記インバータへ制御信号として発信して前記電動機の回転数を制御する制御ステップとを備える圧縮機制御方法。
  14. 前記制御ステップは、予め設定する前記センサの前記計測値の健全性の基準となる閾値を保持し、前記計測値が前記閾値で定まる健全である健全範囲から外れる場合には、前記計測値を前記健全範囲となることを目標として前記電動機の前記回転数をフィードバック制御する請求項13に記載の圧縮機制御方法。
  15. 前記センサの出力信号と、この出力信号に対して前記電動機が回転すべき前記回転数と、前記回転数を制御した結果得られた前記センサの出力信号とを関連付け情報として記憶部に記憶する記憶ステップと、
    前記記憶部に記憶された前記関連付け情報を機械学習して学習済みモデルを出力する機械学習ステップと、
    計測した現在の前記センサの出力信号に前記学習済みモデルを適用して前記電動機が回転すべき前記回転数を推定する推定ステップと、を備える請求項13または14に記載の圧縮機制御方法。
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