JP2011173735A - ビスマス系ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】低融点特性を有するにもかかわらず、真空焼成によりガラス組成中のビスマスが還元し難いビスマス系ガラスを創案すること。
【解決手段】本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 10〜30%、B 25〜45%、ZnO 5〜20%、SiO 1〜15%、SrO 5〜20%、BaO 3〜20%、SrO+BaO(SrO、BaOの合量) 10〜35%を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビスマス系ガラスに関し、特に真空雰囲気における焼成(真空焼成)により作製される電子部品の接着、封着、被覆等に好適なビスマス系ガラスに関する。
従来から、電子部品の接着、封着、被覆(例えば、電極や抵抗体の保護や絶縁を目的とした被覆)にガラスが使用されている。
これらのガラスは、用途に応じて化学耐久性、機械的強度、流動性、電気絶縁性等の特性が要求されるが、いずれの用途にも、低温で焼成可能であること、つまり低融点特性が要求される。そこで、従来、低融点ガラスとして、PbOを多量に含む鉛ホウ酸系ガラスが広く用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。なお、PbOは、ガラスの融点を下げる効果が極めて大きい成分である。
しかし、近年、PbOに対して、環境上の問題が指摘されている。このため、鉛ホウ酸系ガラスから無鉛ガラスへの置き換えが望まれており、種々の無鉛ガラスが開発されるに至っている。特に、特許文献2等に記載のビスマス系ガラス(Bi−B系ガラス)は、比較的低融点であり、また熱膨張係数等の諸特性が鉛ホウ酸系ガラスと略同等であるため、鉛ホウ酸系ガラスの代替候補として期待されている。
特開昭63−315536号公報 特開2000−128574号公報
電子部品は、通常、封着材料等を焼成する焼成工程を経て、作製される。焼成工程の雰囲気は、被封着物や封着材料等の特性により決定される。例えば、被封着物が金属材料のように酸化されやすい材料の場合、或いは封着材料の特定成分がガス等に敏感に反応する場合は、真空焼成を行う必要がある。
しかし、従来のビスマス系ガラスを真空焼成すると、ガラス組成中のビスマスが還元されて、金属ビスマス等の失透物が生成しやすく、またビスマスが還元された際に発生する酸素により発泡しやすく、結果として、軟化流動が著しく阻害されるとともに、気密不良等の不良が発生しやすくなる。
また、ビスマス系ガラスを低融点化するためには、ガラス組成中のビスマスの含有量を増加させる必要がある。しかし、ビスマスの含有量が多い程、真空焼成でガラス組成中のビスマスが還元されやすくなり、上記不具合が顕在化しやすくなる。
そこで、本発明は、低融点特性を有するにもかかわらず、真空焼成によりガラス組成中のビスマスが還元し難いビスマス系ガラスを創案することを技術的課題とする。
本発明者は、ビスマス系ガラスのガラス組成において、B、SrOおよびBaOの含有量を規制することにより、低融点特性(例えば、650℃以下の温度域における軟化特性)を有するにもかかわらず、真空焼成でガラス組成中のビスマスが還元し難くなることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 10〜30%、B 25〜45%、ZnO 5〜20%、SiO 1〜15%、SrO 5〜20%、BaO 3〜20%、SrO+BaO(SrO、BaOの合量) 10〜35%を含有することを特徴とする。
第二に、本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、B+SrO+BaO(B、SrO、BaOの合量)を50〜70モル%含有することを特徴とする。
第三に、本発明のビスマス系ガラスは、実質的にPbOを含有しないことを特徴とする。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、意図的にガラス組成中に添加しないという趣旨であり、具体的にはガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。
第四に、本発明のビスマス系ガラスは、真空焼成に供されることを特徴とする。
第五に、本発明のビスマス系ガラスは、真空度1×10−3〜1×10Paの真空焼成に供されることを特徴とする。
第六に、本発明のビスマス系ガラスは、封着、接着、または被覆に用いることを特徴とする。
第七に、本発明のビスマス系ガラスは、バルク形状であることを特徴とする。ここで、「バルク形状」とは、平均粒子径D50が500μmを超える場合を指し、「平均粒子径D50」とは、レーザー回折法等により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
第八に、本発明のビスマス系ガラスは、粉末形状であることを特徴とする。ここで、「粉末形状」とは、平均粒子径D50が500μm以下の場合を指す。
本発明のビスマス系ガラスにおいて、上記のようにガラス組成を限定した理由は以下の通りである。
Biは、ガラス転移点や軟化点を低下させる主要成分であり、その含有量は10〜30%、好ましくは10〜28%、より好ましくは12〜25%である。Biの含有量が10%より少ないと、ガラス転移点や軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生しやすくなる。一方、Biの含有量が30%より多いと、真空焼成によりビスマスが還元しやすくなるため、金属ビスマス等の失透物の過剰析出や酸素泡の発生により、流動不良や封着不良等が発生しやすくなる。
は、ガラス形成成分として必須の成分であり、また真空焼成時のビスマスの還元を抑制する成分である。その含有量は25〜45%、好ましくは27〜40%、より好ましくは30〜40%である。Bの含有量が25%より少ないと、ガラスネットワークが十分に形成されず、真空焼成時にビスマスの還元を抑制し難くなり、結果として、金属ビスマス等の失透物の過剰析出や酸素泡の発生により、流動不良や封着不良等が発生しやすくなる。一方、Bの含有量が45%より多いと、ガラスの粘性が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生しやすくなる。
ZnOは、熱的安定性(耐失透性)を高める成分であり、その含有量は5〜20%、好ましくは5〜15%である。ZnOの含有量が5%より少ないと、熱的安定性が低下しやすくなる。一方、ZnOの含有量が20%より多いと、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に熱的安定性が低下しやすくなる。
SiOは、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は1〜15%、好ましくは5〜10%である。SiOの含有量が1%より少ないと、熱的安定性を高める効果が得られない。一方、SiOの含有量が15%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生しやすくなる。
SrOは、真空焼成時のビスマスの還元を抑制する成分であるとともに、熱的安定性を高める成分である。その含有量は5〜20%、好ましくは8〜20%、より好ましくは8〜18%である。SrOの含有量が5%より少ないと、真空焼成時にビスマスの還元を十分に抑制することができず、結果として、金属ビスマス等の失透物の過剰析出や酸素泡の発生により、流動不良や封着不良等が発生しやすくなる。一方、SrOの含有量が20%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生しやすくなる。
BaOは、真空焼成時のビスマスの還元を抑制する成分であるとともに、熱的安定性を高める成分である。その含有量は3〜20%、好ましくは5〜20%、より好ましくは5〜18%である。BaOの含有量が3%より少ないと、真空焼成時にビスマスの還元を十分に抑制することができず、結果として、金属ビスマス等の失透物の過剰析出や酸素泡の発生により、流動不良や封着不良等が発生しやすくなる。一方、BaOの含有量が20%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生しやすくなる。
さらに、BaO+SrOの含有量は10〜35%、好ましくは12〜35%、より好ましくは15〜30%である。このようにすれば、真空焼成時のビスマスの還元を効果的に抑制することができる。また、B+SrO+BaOの含有量は50〜70%、特に55〜65%が好ましい。このようにすれば、真空焼成時のビスマスの還元を更に効果的に抑制することができる。さらに、モル比(SrO+BaO)/Biの値は0.5以上、0.65以上、特に0.75以上が好ましい。このようにすれば、真空焼成時のビスマスの還元を顕著に抑制することができる。また、モル比(B+SrO+BaO)/Biの値は2.0以上、2.2以上、特に2.4以上が好ましい。このようにすれば、真空焼成時のビスマスの還元を顕著に抑制することができる。
上記の成分以外にも、以下の成分を添加することができる。
Sbは、熱的安定性を高める成分である。その含有量は0〜5%、特に0〜1%が好ましい。Sbが5%より多いと、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に熱的安定性が低下しやすくなる。
CuOは、熱的安定性を高める成分である。その含有量は0〜5%、特に0〜2%が好ましい。CuOの含有量が5%より多いと、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に熱的安定性が低下して、流動性が低下する傾向がある。
LiO、NaO、KO、CsOは、軟化点を低下させる成分であるが、失透を促進する作用を有する成分でもある。その含有量は合量で2%以下が好ましく、それぞれ1%未満が好ましい。
は、熱的安定性を高める成分であるが、その含有量が1%より多いと、ガラスの分相を助長する傾向がある。
MoO、La、Y、CeOは、熱的安定性を高める成分であるが、これらの合量が3%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生しやすくなる。
上記成分以外にも、他の成分(Nd、Fe等)を10%まで添加することができる。
環境上の理由から、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。また、ガラス組成中にPbOを添加すると、絶縁体として使用する場合、ガラス中にPb2+が拡散して、電気絶縁性が低下する場合がある。
本発明のビスマス系ガラスにおいて、熱膨張係数は70〜130×10−7/℃、特に80〜120×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、被封着物等の熱膨張係数、特に金属材料の熱膨張係数に整合させやすくなる。ここで、「熱膨張係数」は、30〜300℃の温度範囲において、押棒式熱膨張係数測定(TMA)装置で測定した値を指す。
本発明のビスマス系ガラスにおいて、ガラス転移点は400〜480℃、特に420〜470℃が好ましい。このようにすれば、真空焼成時のビスマスの還元を抑制した上で、650℃以下の温度域で流動性を高めやすくなる。ここで、「ガラス転移点」は、TMA装置で測定した値を指す。
本発明のビスマス系ガラスにおいて、屈伏点は430〜510℃、特に450〜490℃が好ましい。このようにすれば、真空焼成時のビスマスの還元を抑制した上で、650℃以下の温度域で流動性を高めやすくなる。ここで、「屈伏点」は、TMA装置で測定した値を指す。
本発明のビスマス系ガラスにおいて、軟化点は480〜600℃、特に510〜570℃が好ましい。このようにすれば、真空焼成時のビスマスの還元を抑制した上で、650℃以下の温度域で流動性を高めやすくなる。ここで、「軟化点」は、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値を指す。なお、測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始する。
本発明のビスマス系ガラスは、真空焼成に供されることが好ましく、真空度1×10−3〜1×10Pa、特に真空度5×10−2〜1×10Paの真空焼成に供されることがより好ましい。上記の通り、本発明のビスマス系ガラスは、真空焼成しても、ガラス組成中のビスマスが還元し難い性質を有する。また、真空度が高い程、ガラス組成中のビスマスが還元しやすくなる。このため、真空度が高い程、本発明の効果が相対的に大きくなる。一方、真空度が高過ぎると、焼成コストが高騰しやすくなる。
本発明のビスマス系ガラスは、バルク形状(例えば、直方体、円柱、球、半球、卵型、おはじき型等)であることが好ましい。このようにすれば、加工コストを低廉化できるとともに、封着すべき部分に安定して、配置することができる。
本発明のビスマス系ガラスは、粉末形状であることが好ましい。このようにすれば、ビークルを添加し、ペースト化することにより、塗布作業性等を飛躍的に高めることができる。
ビークルは、主に溶媒と樹脂バインダーとからなり、樹脂バインダーはペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。作製されたペーストは、通常、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いて基板等に塗布された後、脱バインダー工程に供される。
樹脂バインダーとしては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、
ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレン
カーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。
溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高
級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセ
テート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−
メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−
ターピネオールは、高粘性であり、樹脂バインダー等の溶解性も良好であるため、好まし
い。
また、ビスマス系ガラスを粉末形状にすれば、耐火性フィラーを添加することにより、複合材料に加工しやすくなり、結果として、熱膨張係数を調整しやすくなるとともに、機械的強度を高めることができる。
耐火性フィラーを添加する場合、混合割合は、ガラス粉末45〜99体積%、耐火性フィラー1〜55体積%であることが好ましい。その理由は、耐火性フィラーが1体積%より少ないと、耐火性フィラーに基づく効果が乏しくなり、耐火性フィラーが55体積%より多いと、複合材料の流動性が著しく低下するからである。
耐火性フィラーとして、ウイレマイト系セラミック、β―ユークリプタイト、コーディエライト、ジルコン系セラミック、酸化錫系セラミック、リン酸ジルコニウム系セラミック、ムライト、石英ガラス、アルミナ等の粉末を単独、あるいは組み合わせて使用することができる。
本発明のビスマス系ガラスは、金属材料の封着、接着、または被覆に用いることが好ましい。上記の通り、本発明のビスマス系ガラスは、低融点特性を有するにもかかわらず、真空焼成によりガラス組成中のビスマスが還元し難い性質を有する。このため、金属材料の酸化を防止した上で、封着、接着、または被覆を適正に行うことができる。なお、本発明のビスマス系ガラスは、ガラス材料、セラミック材料の封着、接着、または被覆に用いることもできる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜5)および比較例(試料No.6〜8)を示している。
次のようにして表1、2の各試料を調製した。まず、表中に示すガラス組成となるように、各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1000〜1300℃で2時間溶融した。次に、溶融ガラスの一部を熱膨張係数α測定用サンプルとしてステンレス製の金型に流し出し、その他の溶融ガラスを水冷ローラーによりフィルム状に成形した。最後に、フィルム状のガラスをボールミルまたはライカイ機にて粉砕した後、目開き75μmの篩いを通過させて、平均粒子径D50約10μmのガラス粉末を得た。
以上の試料を用いて、熱膨張係数α、ガラス転移点、屈伏点、軟化点、流動径、失透状態および発泡状態を評価した。その結果を表1、2に示す。
熱膨張係数αは、30〜300℃の温度範囲において、TMA装置で測定した値である。
ガラス転移点は、TMA装置で測定した値である。
屈伏点は、TMA装置で測定した値である。
軟化点は、マクロ型DTA装置で測定した値である。測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。
流動径は、比重に相当する質量のガラス粉末を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスし、次にアルミナ基板上にこのボタンを載置した上で、真空焼成した後、焼成後のボタン(フローボタン)の直径を測定した値である。なお、真空焼成の条件は、真空度6×10Pa、昇降温速度10℃/分、ピーク温度600℃で10分間保持、室温から昇温を開始、室温まで降温とした。なお、この評価において、流動径が20mm以上であると、流動性に優れることを意味する。
流動径の評価後のフローボタンを用いて、失透状態を評価した。フローボタン表面を光学顕微鏡(倍率100倍)で観察し、失透がほとんど観察されなかったものを「○」、失透が明確に観察されたものを「×」とした。
流動径の評価後のフローボタンを用いて、発泡状態を評価した。フローボタン表面を光学顕微鏡(倍率100倍)で観察し、発泡がほとんど観察されなかったものを「○」、発泡が明確に観察されたものを「×」とした。
表1から明らかなように、試料No.1〜5は、ガラス転移点が430〜455℃、屈服点が465〜491℃、軟化点が524〜552℃、熱膨張係数αが97〜107×10−7/℃、流動径が22.3〜25.2mmであり、失透状態、発泡状態の評価も良好であった。
表2から明らかなように、試料No.6は、流動径が24.3mmであったが、フローボタンの表面にガラス光沢がなく、光学顕微鏡でフローボタンの表面を観察したところ、無数の失透物が確認された。失透の原因は、Bの含有量が25%より少ないため、真空焼成時にビスマスの還元を十分に抑制できなかったことによると考えられる。試料No.7は、失透状態、発泡状態の評価が良好であったが、流動径が18.3mmであった。この原因は、Biの含有量が10%より少ないため、軟化点が高くなり過ぎて、真空焼成時に軟化流動が阻害されたことによると考えられる。試料No.8は、流動径が19.1mmであり、またフローボタンの表面にガラス光沢がなかった。光学顕微鏡でフローボタンの表面を観察したところ、無数の失透物や発泡が確認された。これらの原因は、BaOの含有量およびSrOの含有量が少ないため、熱的安定性が著しく低下し、また真空焼成時にビスマスの還元を十分に抑制できなかったことによると考えられる。
本発明のビスマス系ガラスは、真空焼成により作製される電子部品(例えば、金属製パッケージ)の接着、封着、被覆等に好適である。

Claims (8)

  1. ガラス組成として、モル%で、Bi 10〜30%、B 25〜45%、ZnO 5〜20%、SiO 1〜15%、SrO 5〜20%、BaO 3〜20%、SrO+BaO 10〜35%を含有することを特徴とするビスマス系ガラス。
  2. ガラス組成として、B+SrO+BaOを50〜70モル%含有することを特徴とする請求項1に記載のビスマス系ガラス。
  3. 実質的にPbOを含有しないことを特徴とする請求項1または2に記載のビスマス系ガラス。
  4. 真空焼成に供されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビスマス系ガラス。
  5. 真空度1×10−3〜1×10Paの真空焼成に供されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビスマス系ガラス。
  6. 封着、接着、または被覆に用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビスマス系ガラス。
  7. バルク形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のビスマス系ガラス。
  8. 粉末形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のビスマス系ガラス。
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