JP2008001531A - ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】15以上の高い比誘電率と、0.3%以下の低い誘電損失とを有し、また、ガラス移転点(Tg)も低くて、高周波回路素子、ディスプレイ等の電子回路用基板や誘電材料の形成に好適に適用できるガラスを提供すること。
【解決手段】酸化物基準の質量%で、Bi2O3を20〜90%含有するガラスであって、1MHzでの比誘電率が15以上で、誘電損失が0.3%以下である。また、好ましくは、ガラス転移点(Tg)が500℃以下である。
【選択図】なし
【解決手段】酸化物基準の質量%で、Bi2O3を20〜90%含有するガラスであって、1MHzでの比誘電率が15以上で、誘電損失が0.3%以下である。また、好ましくは、ガラス転移点(Tg)が500℃以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、高い比誘電率と低い誘電損失とを有し、高周波回路素子、フラットパネル・ディスプレイ等の電子回路用基板や誘電材料として好適に用いられるガラスに関する。
近年、自動車用電話やパーソナル無線に代表される移動体通信、携帯電話、衛星放送、衛星通信、CATV等に代表されるような高度情報化時代を迎え、情報伝達はより高速化・高周波化の傾向にあり、さらにこれらの機器には小型化が求められ、これに伴って回路素子に対しても小型化が強く要求されている。
例えば、マイクロ波用回路素子について、その大きさは、使用電磁波の波長が基準になる。すなわち、比誘電率(ε)の誘電体中を伝播する電磁波の波長(λ)は、真空中の波長をλ0とするとλ=λ0/(ε1/2)となり、λはεの平方根に反比例する。よってマイクロ波用回路素子の小型化のため、高い比誘電率の材料が求められている。
また、その応用の際に比誘電率が高いだけでは十分でなく、あわせて誘電損失も低いものが求められる。特に高周波・高電界で誘電体をコンデンサーとして使用する場合、品質係数Qが大きいことが要求され、ここでQ=1/tanδ(tanδは誘電損失を意味する)の関係にあるので、誘電損失(tanδ)の小さい材料がより有利である。
従来、前記のような比較的比誘電率の大きなガラスとしては、PbO系、TiO2系、TeO2系ガラスが知られている。例えば、特許文献1にはPbO系のガラスが開示されており、特許文献2にはSiO2−BaO−TiO2−ZrO2−Nb2O3系のガラスが開示されており、特許文献3にはTeO2系のガラスが開示されている。ここで、PbO系、TiO2系ガラスの比誘電率は、およそ15程度である。一方、TeO2系ガラスは比誘電率が20〜30の範囲の高い値を示すが、誘電損失すなわちtanδが0.3%より大きいので誘電材料用としては十分でない。また、PbO系ガラスは、鉛を含有しているので、ガラスを製造、加工、及び廃棄をする際に環境対策上の措置を講ずる必要があるため、コストが高くなり、ガラスに鉛成分を含有させることは好ましくない。
一方、比誘電率が16〜26で、誘電損失が0.05〜0.12%といった比誘電率が高くて、誘電損失も小さいP2O3−BaO−Nb2O5系ガラスが出願公開されている(特許文献4)。しかし、このP2O3−BaO−Nb2O5系ガラスは、高価なNb2O5成分を多く含有しているのでコストが高くなる。
特開平4−16527号公報
特開平5−63323号公報
特開2005−281023号公報
特開2003−212592号公報
本発明の目的は、前記従来技術の見られる諸欠点を改善し、15以上の高い比誘電率と0.3%以下の低い誘電損失とを有し、また、ガラス移転点(Tg)も低くて、高周波回路素子、ディスプレイ等の電子回路用基板や誘電材料等の形成に好適に適用できるガラスを提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するため、鋭意試験研究を重ねた結果、従来の技術には、誘電材料等として具体的に開示されていないBi2O3成分を多量に含有するBi2O3系ガラスにおいて、高い比誘電率と小さい誘電損失を有するガラスが得られていることを見出し、本発明を完成するに至った。
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 酸化物基準の質量%で、Bi2O3を20〜90%含有し、1MHzでの比誘電率が15以上で、誘電損失が0.3%以下であるガラス。
この態様によれば、本発明のガラスは、Bi2O3を20〜90%と多量に含有しているので、15以上という高い比誘電率(ε)と、0.3%以下という低い誘電損失(tanδ)を有することになる。このため、高周波回路素子、フラットパネル・ディスプレイ等の電子回路用基板や誘電材料等の形成や誘電材料の焼成助剤、誘電体ペースト用として好適に適用することができる。
(2) 酸化物基準の質量%で、B2O3+SiO2を5〜60%、M2O3(MはAl、Ga、Inからなる群より選択される少なくとも1種類である)を0〜20%、RO(RはZn、Ba、Sr、Ca、Mgからなる群より選択される少なくとも1種類である)を0〜50%、Rn2O(RnはLi、Na、K、Csからなる群より選択される少なくとも1種類である)を0〜5%、As2O3+Sb2O3を0〜5%含有する(1)に記載のガラス。
この態様によれば、Bi2O3成分に加え、上記各成分を所定の範囲に調整することにより、ガラスの安定性を向上することができる。その上、Rn2Oの上限を5%に限定することにより、ガラスの電気抵抗の低下を防ぐことができ、目的のガラス誘電体が得られる。
(3) 酸化物基準の質量%で、TiO2+ZrO2+WO3+Nb2O3+Ta2O5の合計量を0〜40%含有する(1)または(2)に記載のガラス。
この態様によれば、Bi2O3成分に加え、上記各成分を所定の範囲に調整することにより、ガラスの比誘電率をより向上することができる。
(4) 酸化物基準の質量%で、Ln2O3(LnはY、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群より選択される少なくとも1種類である)を0〜40%含有する(1)から(3)いずれかに記載のガラス。
Ln2O3(LnはY、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群より選択される少なくとも1種類である)成分は、比誘電率等の誘電特性を向上させる効果を有しているので、ガラスの比誘電率をより高め、誘電損失がより低いものとすることができる。
(5) ガラス転移点(Tg)が500℃以下である(1)から(4)いずれかに記載のガラス。
この態様によれば、ガラス転移点(Tg)が500℃以下であるので、ガラスが比較的低い温度で軟化するため、誘電体セラミックスの焼成助剤として使うことが可能となり、その場合に、より低温で誘電特性の高いものが得やすくなる。また、本発明のガラスを用いた高周波回路素子、フラットパネル・ディスプレイ等の電子回路用基板や誘電材料等をより低温で容易に形成することができる。
(6) 高周波回路素子用または電子回路基板用として使用される(1)から(5)いずれかに記載のガラス。
(7) (1)から(6)いずれかに記載のガラスを用いた高周波回路素子。
(8) (1)から(6)いずれかに記載のガラスを用いた電子回路用基板。
(1)〜(5)に記載されたガラスは、上記のように高い比誘電率と低い誘電損失を有するので、高周波回路素子やフラットパネル・ディスプレイ等の電子回路用基板や誘電材料の形成に好適である。
本発明のガラスは、Bi2O3成分を20〜90%と高含有するBi2O3系ガラス組成を有しているので、比誘電率が15以上で、誘電損失が0.3%以下という、高い比誘電率と低い誘電損失を有する。このため、高周波回路素子、フラットパネル・ディスプレイ等の電子回路用基板や誘電材料に好適である。
また、本発明の高誘電ガラスは、ガラス転移点が500℃以下と低いので、焼成助剤としてセラミックス誘電体をより低温で焼成することができ、それによる高周波回路素子や電子回路用基板等の成形がより容易にできるという利点がある。
次に、本発明のガラスにおいて、具体的な実施形態について説明する。
[ガラス成分]
<必須成分、任意成分について>
本発明のガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。各成分は質量%にて表現する。尚、本願明細書中において質量%で表されるガラス組成はすべて酸化物基準での質量%で表されたものである。ここで、「酸化物基準」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、硝酸塩等が溶融時にすべて分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、この生成酸化物の質量の総和を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
<必須成分、任意成分について>
本発明のガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。各成分は質量%にて表現する。尚、本願明細書中において質量%で表されるガラス組成はすべて酸化物基準での質量%で表されたものである。ここで、「酸化物基準」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、硝酸塩等が溶融時にすべて分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、この生成酸化物の質量の総和を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
Bi2O3成分は、高い比誘電率と低い誘電損失の誘電特性の向上、ガラス転移点(Tg)を下げるために効果がある成分であり、本発明の目的を達成するのに欠かせない成分である。しかし、Bi2O3を過剰に含有するとガラスの安定性が損なわれることがあり、少なすぎると本発明の目的を達成し難くなる。よって、Bi2O3量は20〜90%の範囲が好ましい。より好ましい範囲は20〜85%、最も好ましい範囲は30〜85%である。
B2O3及びSiO2成分はガラス形成酸化物として欠くことができない成分であり、ガラスの耐失透性を向上させ及び液相温度に対する粘性を成形に適した範囲にするのに非常に効果がある成分である。これら成分の1種または2種合計の含有量は5%以上とすることが好ましく、6%以上とすることがより好ましく、8%以上とすることが最も好ましい。しかし、大きな比誘電率と低い誘電損失を維持するため、60%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、40%以下が特に好ましい。
B2O3及びSiO2成分それぞれの含有量は、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、最も好ましくは40%以下となる。
M2O3(MはAl、Ga、Inからなる群より選択される少なくとも1種類である)成分は、ガラスの化学的耐久性、溶融性と安定性を改善する効果があるため任意に添加することができるが、過剰に含有させるとガラスの溶解温度が上昇しやすくなる。そこで、その合計量が好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下である。
Al2O3成分は、ガラスの溶融性と安定性の改善、さらに表面硬度の向上に効果がある任意成分である。しかし、過剰に含有させると溶解温度が上昇しやすくなり、ガラスの安定性と比誘電率も低下しやすくなる。従って、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下である。
Ga2O3成分は、ガラスの溶融性と安定性の改善に効果がある任意成分である。しかし、高価のため、10%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが最も好ましい。
In2O3成分は、ガラスの溶融性と安定性の改善、さらに比誘電率の向上に効果がある任意成分である。しかし、高価のため、10%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが最も好ましい。
RO(RはZn、Ba、Sr、Ca、Mgより選択される少なくとも1種類である)成分は、ガラスの比誘電率を高め、誘電損失を低くするという誘電特性の向上、ガラスの溶融性や耐失透性の向上及び化学的耐久性の向上に効果がある任意成分であり、その合計量は50%以下であるのが好ましく、より好ましくは45%以下であり、最も好ましくは40%以下である。
BaO及びSrOの各成分はガラスの安定性と比誘電率を高めるのに有効な任意成分であるが、その量が多すぎると失透が発生しやすくなる。従って、個々の成分が45%以下となると共に、合計で45%以下とすることが好ましく、40%以下とすることが好ましく、30%以下とすることが最も好ましい。
ZnOは、ガラスの安定性と化学的耐久性を改善させるのに効果的な任意成分であるが、その量が多すぎると失透が発生しやすくなる。従って、40%以下とすることが好ましく、30%以下とすることが好ましく、25%以下とすることが最も好ましい。
CaO及びMgOは、ガラスの溶融性を改善させるのには効果的な任意成分であるが、その量が多すぎると失透が発生しやすくなる。従って、個々の成分が20%以下となると共に、合計で20%以下とすることが好ましく、10%以下とすることがより好ましく、8%以下とすることが最も好ましい。
TiO2、Ta2O5、ZrO2、WO3、及びNb2O5の各成分は比誘電率を大きくするのに有効な任意成分である。ただし、その量が多すぎるとガラスの失透性が増しやすくなり、あるいはガラスの溶融性が悪化しやすくなるので、その合計量が40%以下であるのが好ましい。より好ましくは30以下であり、最も好ましくは25%以下である。このうち、TiO2及びZrO2は上限を20%、WO3とTa2O5は上限を30%、Nb2O5は上限を30%とすることが好ましい。
Rn2O(RnはLi、Na、K、Csからなる群より選択される少なくとも1種類である)の各成分はガラスの溶融性と安定性を向上させる任意成分である。しかし、アルカリ成分はガラス中でのイオンの移動度を非常に大きくし、電気抵抗率を小さくする。高電圧下ではアルカリ成分の析出や絶縁破壊も起こり得るため、個々の成分が5%以下となると共に、電子材料としては各成分の和は5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下であり、実質的に含まないことがより好ましい。
Ln2O3(LnはY、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群より選択される少なくとも1種類である)成分は、比誘電率を大きくする、ガラスの密度を上げて表面硬さを向上させるに有効な任意成分である。しかし、その量が多すぎるとガラスの失透性が増しやすくなる、あるいはガラスの溶融性が悪化しやすくなるので、個々の成分が30%以下となると共に、その合計量も40%以下であるのが好ましい。より好ましくは30以下であり、最も好ましくは25%以下である。
Sb2O3成分はガラス溶融時の脱泡のために添加し得るが、脱泡効果を得るには、これら成分の量は5%以下で十分である。
<含有させるべきでない成分について>
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。しかし、Pb、Th、Cd、Tl、Osの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあるため、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には実質的に含まないことが好ましい。
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。しかし、Pb、Th、Cd、Tl、Osの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあるため、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には実質的に含まないことが好ましい。
鉛成分は、ガラスを製造、加工、及び廃棄をする際に環境対策上の措置を講ずる必要があるため、コストが高くなり、本発明のガラスに鉛成分を含有させるべきでない。
As2O3は、ガラスを溶融する際、泡切れ(脱泡性)をよくするために使用される成分であるが、ガラスを製造、加工、及び廃棄をする際に環境対策上の措置を講ずる必要があるため、好ましくは5%以下であり、より好ましくは本発明のガラスにAs2O3を含有しない。
また、Sb2O3及びAs2O3は合計量で5%以下であることが好ましい。
本発明のガラスは、各成分を酸化物基準の質量%で、以下の範囲で含有されることが好ましい。
Bi2O3:20〜90%、及び
SiO2:0〜60%、及び/または
B2O3:0〜60%、及び/または
但し、SiO2+B2O3:5〜60%
Al2O3:0〜20%、及び/または
Ga2O3:0〜10%、及び/または
In2O3:0〜10%、及び/または
M2O3(MはAl、Ga、Inからなる群より選択される少なくとも1種)の合計量:0〜20%
ZnO:0〜40%、及び/または
BaO:0〜45%、及び/または
SrO:0〜45%、及び/または
CaO:0〜20%、及び/または
MgO:0〜20%、及び/または
但し、RO(RはZn、Ba、Sr、Ca、Mgからなる群より選択される少なくとも1種)の合計量:0〜50%、CaO+MgO:0〜20%、BaO+SrO:0〜45%
TiO2:0〜20%、及び/または
ZrO2:0〜20%、及び/または
WO3:0〜30%、及び/または
Ta2O5:0〜30%、及び/または
Nb2O5:0〜30%、及び/または
但し、TiO2+ZrO2+WO3+Ta2O5+Nb2O5:0〜40%
Li2O:0〜5%、及び/または
Na2O:0〜5%、及び/または
K2O:0〜5%、及び/または
Cs2O:0〜5%、及び/または
但し、Li2O+Na2O+K2O+Cs2O:0〜5%
Y2O3:0〜30%、及び/または
La2O3:0〜30%、及び/または
Ce2O3:0〜30%、及び/または
Pr2O3:0〜30%、及び/または
Nd2O3:0〜30%、及び/または
Eu2O3:0〜30%、及び/または
Gd2O3:0〜30%、及び/または
Tb2O3:0〜30%、及び/または
Dy2O3:0〜30%、及び/または
Ho2O3:0〜30%、及び/または
Er2O3:0〜30%、及び/または
Tm2O3:0〜30%、及び/または
Yb2O3:0〜30%、及び/または
Lu2O3:0〜30%、及び/または
但し、Ln2O3(LnはY、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群より選択される少なくとも1種)の合計量:0〜40%
As2O3:0〜5%、及び/または
Sb2O3:0〜5%
但し、As2O3+Sb2O3:0〜5%
Bi2O3:20〜90%、及び
SiO2:0〜60%、及び/または
B2O3:0〜60%、及び/または
但し、SiO2+B2O3:5〜60%
Al2O3:0〜20%、及び/または
Ga2O3:0〜10%、及び/または
In2O3:0〜10%、及び/または
M2O3(MはAl、Ga、Inからなる群より選択される少なくとも1種)の合計量:0〜20%
ZnO:0〜40%、及び/または
BaO:0〜45%、及び/または
SrO:0〜45%、及び/または
CaO:0〜20%、及び/または
MgO:0〜20%、及び/または
但し、RO(RはZn、Ba、Sr、Ca、Mgからなる群より選択される少なくとも1種)の合計量:0〜50%、CaO+MgO:0〜20%、BaO+SrO:0〜45%
TiO2:0〜20%、及び/または
ZrO2:0〜20%、及び/または
WO3:0〜30%、及び/または
Ta2O5:0〜30%、及び/または
Nb2O5:0〜30%、及び/または
但し、TiO2+ZrO2+WO3+Ta2O5+Nb2O5:0〜40%
Li2O:0〜5%、及び/または
Na2O:0〜5%、及び/または
K2O:0〜5%、及び/または
Cs2O:0〜5%、及び/または
但し、Li2O+Na2O+K2O+Cs2O:0〜5%
Y2O3:0〜30%、及び/または
La2O3:0〜30%、及び/または
Ce2O3:0〜30%、及び/または
Pr2O3:0〜30%、及び/または
Nd2O3:0〜30%、及び/または
Eu2O3:0〜30%、及び/または
Gd2O3:0〜30%、及び/または
Tb2O3:0〜30%、及び/または
Dy2O3:0〜30%、及び/または
Ho2O3:0〜30%、及び/または
Er2O3:0〜30%、及び/または
Tm2O3:0〜30%、及び/または
Yb2O3:0〜30%、及び/または
Lu2O3:0〜30%、及び/または
但し、Ln2O3(LnはY、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群より選択される少なくとも1種)の合計量:0〜40%
As2O3:0〜5%、及び/または
Sb2O3:0〜5%
但し、As2O3+Sb2O3:0〜5%
[比誘電率及び誘電損失とガラス転移点]
本発明のガラスは、15以上の高い比誘電率と0.3%以下の低い誘電損失とを有し、500℃以下のガラス転移点(Tg)を容易に得ることができる。比誘電率のより好ましい範囲は、18以上であり、さらに好ましくは20以上である。また、誘電損失のより好ましい範囲は、0.2%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下である。また、ガラス転移点(Tg)のより好ましい範囲は、480℃以下であり、さらに好ましくは460℃以下である。Tgを当該値に設定することにより、低温セラミックス焼結にという点で有利である。
本発明のガラスは、15以上の高い比誘電率と0.3%以下の低い誘電損失とを有し、500℃以下のガラス転移点(Tg)を容易に得ることができる。比誘電率のより好ましい範囲は、18以上であり、さらに好ましくは20以上である。また、誘電損失のより好ましい範囲は、0.2%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下である。また、ガラス転移点(Tg)のより好ましい範囲は、480℃以下であり、さらに好ましくは460℃以下である。Tgを当該値に設定することにより、低温セラミックス焼結にという点で有利である。
尚、誘電特性とBi2O3含有量との関係については、Bi2O3含有量が増加するにつれて比誘電率が高くなり、誘電損失が小さくなる傾向を呈する。
[用途]
本発明のガラスは、例えば、高周波回路素子、フラットパネル・ディスプレイ等の電子回路用基板やコンデンサー等用の誘電材料に使用される。これらのガラスは単独で上記の用途に用いられる以外に、繊維、粉末及びペーストなどの態様で他の誘電体と複合化した形でも使用されることも可能である。具体的には、基板上にパターン電極を形成された誘電体基板、積層基板材料、誘電体共振素子、誘電材料の焼成助剤、誘電体ペースト(誘電体粉末を有機化合物等からなるビヒクル中に懸濁させたものであって、通常、スクリーン印刷や打ち抜き型印刷により電極上に成膜されて使用される)等の用途が挙げられる。
本発明のガラスは、例えば、高周波回路素子、フラットパネル・ディスプレイ等の電子回路用基板やコンデンサー等用の誘電材料に使用される。これらのガラスは単独で上記の用途に用いられる以外に、繊維、粉末及びペーストなどの態様で他の誘電体と複合化した形でも使用されることも可能である。具体的には、基板上にパターン電極を形成された誘電体基板、積層基板材料、誘電体共振素子、誘電材料の焼成助剤、誘電体ペースト(誘電体粉末を有機化合物等からなるビヒクル中に懸濁させたものであって、通常、スクリーン印刷や打ち抜き型印刷により電極上に成膜されて使用される)等の用途が挙げられる。
[製造方法]
本発明のガラスは、通常のガラスを製造する方法であれば、特に限定されないが、例えば、以下の方法により製造することができる。各出発原料(酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩など)を所定量秤量し、均一に混合する。混合した原料を石英坩堝またはアルミナ坩堝に投入し、粗溶融の後、金坩堝、白金坩堝、白金合金坩堝またはイリジウム坩堝に投入し、溶解炉で800〜1250℃の温度範囲にて、1〜12時間溶解する。その後、攪拌、均質化した後、適当な温度に下げて金型等に鋳込み、ガラスを製造する。繊維状として使用される場合は、板状のガラスを再溶融し、ガラス繊維を得るが、最初の溶液から直接にガラス繊維を得てもよい。また、セラミックス誘電体の焼成助剤、フィラーとしてまたは誘電体ペーストとして使われる場合は、成形したバルクガラスを粉砕してもよく、また、最初の溶液から水に注いでカレットを得てその後粉砕してもよい。
本発明のガラスは、通常のガラスを製造する方法であれば、特に限定されないが、例えば、以下の方法により製造することができる。各出発原料(酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩など)を所定量秤量し、均一に混合する。混合した原料を石英坩堝またはアルミナ坩堝に投入し、粗溶融の後、金坩堝、白金坩堝、白金合金坩堝またはイリジウム坩堝に投入し、溶解炉で800〜1250℃の温度範囲にて、1〜12時間溶解する。その後、攪拌、均質化した後、適当な温度に下げて金型等に鋳込み、ガラスを製造する。繊維状として使用される場合は、板状のガラスを再溶融し、ガラス繊維を得るが、最初の溶液から直接にガラス繊維を得てもよい。また、セラミックス誘電体の焼成助剤、フィラーとしてまたは誘電体ペーストとして使われる場合は、成形したバルクガラスを粉砕してもよく、また、最初の溶液から水に注いでカレットを得てその後粉砕してもよい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜10]
表1に示す組成で、合計量が400gになるように原料を秤量し、均一に混合した。次いで、この混合物を石英るつぼ、または、白金るつぼを用いて850〜1100℃で2〜4時間溶解した後、700〜900℃に下げて、さらに1時間程度保温してから金型に鋳込み、板状のガラスを作製した。
表1に示す組成で、合計量が400gになるように原料を秤量し、均一に混合した。次いで、この混合物を石英るつぼ、または、白金るつぼを用いて850〜1100℃で2〜4時間溶解した後、700〜900℃に下げて、さらに1時間程度保温してから金型に鋳込み、板状のガラスを作製した。
上記で得られたガラスをサイズ40×40mmに切り出し両面研磨してから、金の電極を蒸着した後、25℃での周波数1MHzにおける比誘電率(ε)と誘電損失(tanδ)をインピーダンス測定システムにより求めた。ガラスの転移温度(Tg)は示差熱分析装置(DTA)を用いて昇温速度を10℃/分の条件で測定した。測定した結果を表1に示した。尚、ガラスの組成は質量%で表示している。また、誘電損失(tanδ)は%で表示している。
表1に見られるように、実施例1〜10は、比誘電率が16〜27、誘電損失が0.04〜0.11%で、いずれも高い比誘電率と低い誘電損失とを示している。また、ガラス転移点(Tg)も465〜355℃といずれも500℃以下であった。
Claims (8)
- 酸化物基準の質量%で、Bi2O3を20〜90%含有し、1MHzでの比誘電率が15以上で、誘電損失が0.3%以下であるガラス。
- 酸化物基準の質量%で、B2O3+SiO2を5〜60%、M2O3(MはAl、Ga、Inからなる群より選択される少なくとも1種類である)を0〜20%、RO(RはZn、Ba、Sr、Ca、Mgからなる群より選択される少なくとも1種類である)を0〜50%、Rn2O(RnはLi、Na、K、Csからなる群より選択される少なくとも1種類である)を0〜5%、As2O3+Sb2O3を0〜5%含有する請求項1に記載のガラス。
- 酸化物基準の質量%で、TiO2+ZrO2+WO3+Nb2O3+Ta2O5の合計量を0〜40%含有する請求項1または2に記載のガラス。
- 酸化物基準の質量%で、Ln2O3(LnはY、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群より選択される少なくとも1種類である)を0〜40%含有する請求項1から3いずれかに記載のガラス。
- ガラス転移点(Tg)が500℃以下である請求項1から4いずれかに記載のガラス。
- 高周波回路素子用または電子回路基板用として使用される請求項1から5いずれかに記載のガラス。
- 請求項1から6いずれかに記載のガラスを用いた高周波回路素子。
- 請求項1から6いずれかに記載のガラスを用いた電子回路用基板。
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