JP2011155146A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CIGS系光吸収層のバンド構造の制御性を向上させることができるAlを含むCIGS系カルコパイライト型薄膜太陽電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に、裏面電極、CIGS系化合物からなる光吸収層、バッファ層、窓層および上部電極が順次積層されたカルコパイライト型化合物半導体薄膜太陽電池であって、前記裏面電極よりも前記基板側にアルミニウム供給層を有し、かつ前記光吸収層の一部に前記アルミニウム供給層から供給されたアルミニウムがドーピングされていることにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池およびその製造方法、特に、Al(アルミニウム)を含むカルコパイライト型化合物半導体薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。
現在、I族、III族、VI族元素からなるカルコパイライト構造をもつCuInSe(CIS)、さらにGaを固溶させたCu(In,Ga)Se(CIGS)を光吸収層に用いた太陽電池の開発が盛んである。CIGS化合物は、In(インジウム)とGa(ガリウム)の組成比によりバンドギャップを制御することができる。これを利用して、pn接合面から裏面にむけて、Ga/(In+Ga)を徐々に増加させるグレーデッドバンドギャップ構造が採用されている。このようにバンドギャップを変化させることによって、光吸収層内部に電界が生じ、その電界により光励起されたキャリアがpn接合へと輸送されるため変換効率が向上する。さらに、pn接合部にGa濃度の高い領域を形成することにより、pn接合界面でのバンドギャップを拡大し、開放端電圧を向上させるダブルグレーデッドバンドギャップを形成し、さらに、変換効率を向上させることができる。
このように、バンドギャップを制御することが効率向上の重要な技術となっている。しかし、CIGSの場合、Gaの組成を高めていくと粒径が縮小し、再結合による損失が生じることが知られている。また、CuInSeとCuGaSeとに相分離する現象も生じるとされている。
この課題を解決するために、Gaの代わりに、Alを用いたCu(In,Al)Se(CIAS)を用いることが提案されている(非特許文献1、2及び3並びに特許文献1参照)。Alの場合、光吸収層に最適な開放電圧Egを得るためには、Al/(In+Al)は、0.2程度でよいため、結晶品質を低下させずに最適なEgをもつ光吸収層を作製できる可能性がある。非特許文献1及び2では、実際に太陽電池セルの特性が報告されている。
非特許文献1では、バンドギャップ1.00eV〜1.57eVを持つ単相CIAS(CuIn1−xAlSe)薄膜が実現でき、太陽電池として、効率11%、開放電圧0・73Vが実現できたことを報告している。しかしながら、非特許文献1では、単相CIAS薄膜を用いる太陽電池セルの効率および開放電圧は、同程度のバンドギャップを持つCIGS(CuIn1−xGaSe)太陽電池セルより小さいことも報告している。
なお、非特許文献2では、Alを混入させた場合、CIAS層と電極であるモリブデン層との間での剥離が生じ、特性が劣化することが知られているため、CIAS太陽電池セルにおいて、厚さ5nmのGa中間層を挿入することで剥離が防止でき、効率16.9%が実現できたとしている。このCIAS太陽電池セルのダイオード特性は、同じバンドギャップを持つCIGS太陽電池セルと同様であることも報告している。
また、非特許文献3では、Cu/In/Al積層金属層をプリカーサとして用い、この金属プリカーサを単にアニールして、モリブデン被覆ソーダライム(石灰)ガラス(Mo/SLG)基板上に同時蒸着させるとともに、ジエチレンセレナイド((CSe:DESe)を用いてセレン雰囲気で焼結してセレン化することにより、CIAS系太陽電池の光吸収層として用いることができる単相多結晶CIAS合金膜を形成したことを報告している。
また、特許文献1には、基板付近のAl/(In+Al)が、その膜表面のAl/(In+Al)よりも小さくなるように、Al及びInの組成を連続的に変化させることを提案している。これは、ダブルグレーデッドバンドギャップ構造をCIAS系で作製するものである。しかし、実際には、Alが非常に活性な元素であるため、Alを含むCIS系化合物の成長は困難である。これは、CIS系の太陽電池では、p型のCIS系光吸収層を製膜したのち、一度大気暴露してからpn接合を形成することが一般的であるが、最表面に酸化しやすいAlがあると、pn界面に欠陥が生じ、特性が劣化しやすいためである。
さらに、特許文献2においては、太陽電池の光吸収層を、Mo裏面電極(基板)側のCIGSからなる第1の半導体層と窓層(透明電極)側のCIASからなる第2の半導体層とで構成し、第1の半導体層のバンドギャップを第2の半導体層に近づくにつれて小さくなうようにし、第2の半導体層が第1の半導体層における最小のバンドギャップも大きいバンドギャップを持つようにして、第1および第2の半導体層により、ダブルグレーデッドバンドギャップを形成することを開示している。
特開平11−274526号公報 特開2007−335792号公報
P. D. Paulsion et. al., J. Appl. Phys. Vol.91 No.12 (2002) 10153-10156 S. Marsillac et. al., Appl. Phys. Lett. Vol.81 No.7 (2002) 1350-1352 M. Sugiyama et. al., Thin Solid Films 517 (2009) 2175-2177
ところで、上述した従来技術のように、Gaの代わりにAlを含むカルコパイライト型光吸収層を採用することで、バンドギャッププロファイルの制御性が向上でき、これによって高効率な太陽電池を作製することができる。しかしながら、Alが活性化しやすい材料のため、「pn界面においてAlが存在することによる欠陥発生」及び「光吸収層と裏面電極の界面で生じる剥離問題」により、十分な性能を得ることができないという問題があった。
すなわち、非特許文献1及び2並びに特許文献1に開示の太陽電池セルでは、Cu、In、Al及びSeを同時蒸着させて、CIASでグレーデッドバンド構造を作製し、一定の光電変換効率の向上を得ているが、酸化しやすい活性なAlを含むカルコパイライト型光吸収層を最表面に備えるため、製造時にpn界面に欠陥を生じ、特性劣化を招くという問題があった。
また、非特許文献1及び特許文献1に開示の太陽電池セルでは、Mo/ガラス基板上、すなわち裏面電極となるMo上にCIASを同時蒸着するため、CIAS層と裏面電極Mo層との間の剥離が生じ、特性劣化を招くという問題があった。なお、非特許文献2に開示の太陽電池セルでは、CIAS層と裏面電極Mo層との間に中間層として5nmのGaを介在させ、両層間の剥離を防止しているが、両者間にGa中間層を設ける必要があるという問題があった。
また、非特許文献3に開示の太陽電池セルでは、ガラス基板/Mo上に、Cu/In/Alプリカーサを用いてセレン雰囲気で焼結してCIAS光吸収層を形成しているため、pn界面のAlの存在による欠陥や特性劣化は解消できたとしても、依然として、CIAS光吸収層と裏面電極Mo層との間の剥離の問題は存在していた。
また、特許文献2に開示の太陽電池セルでは、光吸収層を、Mo裏面電極(基板)側のCIGS層と窓層(透明電極)側のCIAS層との2層で構成することにより、ダブルグレーデッドバンドギャップを形成して、「pn界面のAlの存在による欠陥発生」と「光吸収層と裏面電極との界面での剥離発生」との問題を解消しているが、CIGS層とCIAS層との2層を形成する必要があるという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、裏面電極より基板側のAl供給層からAlを、例えば熱拡散等によってCIGS光吸収層へ拡散させて、CIGS化合物にAlを混晶させることにより、CIGS系光吸収層のバンド構造の制御性を向上させることができるAlを含むCIGS系カルコパイライト型薄膜太陽電池及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、Alを含むCIGS系カルコパイライト型薄膜太陽電池の光吸収層において、上記従来技術の問題点を解消するために鋭意研究を、重ねた結果、本発明の太陽電池を実現する手段の一つとして、Alを含む基板を用い、成長温度を560℃以上とすることによりAlを含む基板に含まれるAl層がAl供給層としての機能を果たすことを見出すと共に、光吸収層のダブルグレーデッドバンド構造における「pn界面のAlの存在による欠陥発生」を防止するためには、光吸収層の最表面層の酸化を防止するために最表面におけるAl濃度を実質的にゼロ(0)、すなわちほぼゼロ(0)とし、好ましくは、光吸収層のAl濃度を基板側からpn界面(最表面)に向って低減させ、また、「光吸収層と裏面電極との界面での剥離発生」を防止するためには、Alを他の要素と同時蒸着させたり、Mo電極上にAl層を形成したりするのではなく、Mo電極よりも基板側にAl供給層、例えば、Al層を形成して、熱拡散により、Al供給層からMo電極を通してCIGS光吸収層にAlをドーピングすればよいことを知見し、本発明に至ったものである。
なお、J. H. Schon phys. stat. sol. (a) 161, (1997) 301-313には、CIAS薄膜ではないが、CuGaSeにB(ボロン)やAlなどのIII族元素をドーピングした場合の挙動や効果について報告されている。この非特許文献4において、BやAlは、同じIII族元素であるが、CuGaSeにドーピングを行った場合、異なる挙動を示すことが記載されている。フォトルミネッセンス測定を行うと、Bドーピングを行ったCuGaSeは、ブロードなドナー・アクセプタ(DA)ぺア発光を示すのに対して、Alドーピングでは、ノンドープCuGaSeのスペクトルと似たスペクトルを示し、かつAlドーピング量に合わせてピーク波長が高エネルギー側にシフトすることが報告されている。これは、Alを添加することで、CuGaSeからCu(Ga、Al)Seへと変化することを示している。
また、本発明者は、このような現象がCu(Ga,In)SeへAlドーピングを行うことによっても見られることを確認し、Alをドーピングすることにより、CIGS光吸収層のバンドギャッププロファイルを制御できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の太陽電池は、基板上に、裏面電極、CIGS系化合物からなる光吸収層及び上部電極が順次積層されたカルコパイライト型化合物半導体薄膜太陽電池であって、前記裏面電極よりも前記基板側にアルミニウム供給層を有し、かつ前記光吸収層の一部に前記アルミニウム供給層から供給されたアルミニウムがドーピングされていることを特徴とする。
また、本発明の太陽電池の製造方法は、基板上に、裏面電極、CIGS系化合物からなる光吸収層及び上部電極が順次積層されたカルコパイライト型化合物半導体薄膜太陽電池の製造方法であって、前記裏面電極よりも前記基板側に設けられたアルミニウム供給層からアルミニウムを熱拡散によって供給して前記光吸収層の一部にドーピングする熱拡散工程を有することを特徴とする。
ここで、前記光吸収層にドーピングされた前記アルミニウム濃度が、前記光吸収層の、前記上部電極側の表面において実質的に0であるのが好ましい。
また、前記光吸収層にドーピングされた前記アルミニウムが、熱拡散によって前記アルミニウム供給層から前記裏面電極を通して添加されたものであるのが好ましい。
また、前記基板が、前記アルミニウムを含む基板であり、前記アルミニウム供給層が、前記基板に含まれるアルミニウムの層であるのが好ましい。
さらに、前記アルミニウムを含む基板が、アルミニウム基板、アルミニウム層を備えるセラミック基板、またはアルミニウム層を備える金属基板であり、前記アルミニウム供給層が、前記アルミニウム基板、前記セラミック基板の前記アルミニウム層、または前記金属基板の前記アルミニウム層であるのが好ましい。
また、前記アルミニウムを含む基板上にAlが形成されているのが好ましい。
さらに、前記Al層が、陽極酸化法により形成されたものであるのが好ましい。
また、前記光吸収層には、ドーピングされた前記アルミニウムが、1×1017cm−3以上含まれている領域があるのが好ましい。
また、前記裏面電極の主成分が、モリブデンであるのが好ましい。
また、さらに、前記光吸収層と前記上部電極との間に順次積層されたバッファ層又はバッファ層及び窓層を有するのが好ましい。
また、前記光吸収層にドーピングされている前記アルミニウムの量が、前記基板側から前記上部電極側に向けて少なくなるのが好ましい。
また、前記CIGS系化合物が、化学式Cu(InGa1−x)(Se1−y(0<x<1、0<y≦1)で表されるのが好ましい。
本発明によれば、Alを含むカルコパイライト型薄膜太陽電池において、AlをMo電極等の裏面電極よりも基板側から、例えば熱拡散により光吸収層へ添加させることで、裏面電極と光吸収層との間の剥離を抑制または防止するとともに、pn界面(最表面)をAlがほとんど含まれず、CIGSからなる組成とすることで、pn界面のAlによる酸化を抑制または防止することにより、Alを含むカルコパイライト型薄膜太陽電池の課題として挙げられるpn界面部に存在するAlが酸化しやすく、欠陥ができやすい点と、Mo電極等の裏面電極と光吸収層との間で剥離が生じる点との2つの問題点を解決することができる。
その結果、本発明によれば、このようにしてCIGS化合物にAlを混晶させ、CIGS系光吸収層のバンド構造の制御性を向上させることができるAlを含むCIGS系カルコパイライト型薄膜太陽電池及びその製造方法を提供することができる。
また、従来のAlを添加させたCIGS太陽電池は、剥離や欠陥によるものと思われる素子特性のバラツキが大きいが、本発明によれば、Alを添加させた太陽電池セルであっても、特性のバラツキを少なくすることができ、また、波長感度特性がAlを添加していないCIGS太陽電池セルと比較して向上させることができる。
本発明の太陽電池の一実施例を模式的に示す模式的断面図である。 本発明の太陽電池の他の実施例を模式的に示す模式的断面図である。 本発明の太陽電池の他の実施例を模式的に示す模式的断面図である。 本発明の太陽電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。
本発明に係る太陽電池及びその製造方法を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明に係る太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。図2は、本発明に係る太陽電池の他の実施例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の太陽電池10は、1つの太陽電池セルからなる太陽電池モジュールであり、例えば、略長方形状の基板12と、基板12上に形成された太陽電池セル14と、太陽電池セル14の図中上部側の負極(マイナス)側に接続される上部電極端子16と、太陽電池セル14の図中下部側の正極(プラス)側に接続される下部電極端子18とを有する。
ここで、基板12は、ベース基板20と、ベース基板20上に形成されたアルミニウム(Al)供給層22とを有する。
また、太陽電池セル14は、基板12(Al供給層22)上に形成された裏面電極24と、裏面電極24上に形成された、CIGS系化合物からなる光吸収層26と、光吸収層26上に形成されたバッファ層28と、バッファ層28上に形成された窓層30と、窓層30上に形成された上部透明電極32とを有する。
本発明の太陽電池10は、光吸収層26の一部にAl供給層16から供給されたAlがドーピングされていることを特徴とするものである。
以下に、本発明の太陽電池に用いられる基板について説明する。
図1に示す太陽電池10に用いられる基板12は、太陽電池セル14を支持し、太陽電池10を設置場所に設置するのに用いられるものである。基板12としては、太陽電池セル14を支持する強度を有していれば、どのようなものでも良い。
基板12のベース基板20は、太陽電池の基板として通常用いられる基板であれば、どのようなものでもよく、ソーダライムガラス基板などのセラミックス基板であってもよいし、Al基板やSUS基板等の金属基板や、Alと例えばSUS等の他の金属との複合材料からなる複合Al基板等の複合金属基板であってもよいし、表面を陽極酸化したAl基板等の、表面に絶縁膜層とを有する絶縁層付き金属基板であってもよい。
なお、基板12の厚さにも、特に限定がなく、太陽電池10の大きさや、基板12の形成材料や、フレキシブル性の有無などに応じて、十分な強度を確保できればいかなる厚さでも構わない。また、ベース基板20の厚さは、太陽電池10全体の強度の観点により適宜選択できる。基板12の厚さは、ベース基板20及びAl供給層22を含めた基板12全体の厚みとして、例えば、0.1〜10mmであるのが好ましい。
Al供給層22は、太陽電池セル14の光吸収層26に裏面電極24を通して熱拡散等により供給でき、供給されたAlを光吸収層26に所定濃度にドーピングできれば、どのような層でもよく、例えば、ベース基板20上にAlを含む層を形成したものであっても良い。Alを含む層としては、特に制限は無く、例えば、Al金属層であっても良いし、Al合金層であっても良いし、Alと他の金属、例えばSUSなどとのクラッド層等の複合金属層であっても良い。また、ベース基板20上にAlを含む層を形成する方法としては、ベース基板20上にAlを含む層を被覆することができれば、特に制限は無いが、例えば、Alを蒸着してAlを含む層を形成しても良いし、Alを含む層を接着しても良いし、ベース基板20が金属基板等の場合には、溶着しても良い。
さらに、ベース基板20が、Al基板の場合には、その表面側の一部の表層をAl供給層22として、Al基板自体を基板12として用いても良いし、Alと他の金属との複合Al基板の場合には、その表面側のAlやその一部の表層をAl供給層22として、このクラッド基板自体を基板12として用いても良い。
また、Al供給層22は、ベース基板20の全表面を被覆するように形成されていても良いが、所要量のAlを光吸収層26に供給できれば、ベース基板20の表面を部分的に被覆するように島状に形成されていても良い。Al供給層22をベース基板20上に島状に形成する場合には、蒸着等により形成するのが好ましい。
Al供給層22の厚さは、所要量のAlを光吸収層26に供給できれば、特に制限的ではないが、例えば、100〜1000μmであるのが好ましい。
本発明では、Al基板としては、例えば日本工業規格(JIS)の1000系純Al板であってもよいし、Al合金板、例えばAl−Mn系合金板、Al−Mg系合金板、Al−Mn−Mg系合金板、Al−Zr系合金板、Al−Si系合金板、及びAl−Mg−Si系合金板等のAlと他の金属元素との合金板であってもよい。
また、複合Al基板としては、Al板と他の金属板とのクラッド板、例えば、ステンレス鋼(SUS)板とのクラッド板、種々の鋼板を2枚のAl板で挟み込んだクラッド板であっても良い。なお、本発明では、Al板とのクラッド板を構成する他の金属板は、各種のステンレス鋼板の他、例えば、軟鋼等の鋼、42インバー合金、コバール合金、または36インバー合金からなる板材を用いることができるし、また、本発明の太陽電池モジュールを屋根材一体型太陽電池パネルとして用いることができるように、家屋や建物等の屋根材や壁材として使用可能な金属板を用いてもよい。
ここで用いられるAl板やAl合金板には、Fe、Si、Mn、Cu、Mg、Cr、Zn、Bi、Ni、及びTi等の各種微量金属元素が含まれていてもよい。
ここで、ベース基板20として、表面に絶縁膜層を形成した絶縁層付き金属板を用いることができる。このような絶縁層付き金属板としては、太陽電池セル14を支持することができれば特に制限はないが、少なくとも片側表面が、陽極酸化によって形成された絶縁膜層を持つAl層であるAl基板が好ましく、例えば、表面に陽極酸化絶縁膜層を持つAl基板、及びAlと他の金属との複合材料からなる複合Al基板などを挙げることができる。
なお、ベース基板20及びAl供給層22からなる基板12として、Al基板自体や複合Al基板自体を用いる場合には、基板12の代わりに、図2に示す太陽電池40のように、Al基板の表側のAl供給層22の表層及び複合Al基板のAl層の表側のAl供給層22の表層を陽極酸化して、Al供給層22の表層に絶縁膜層34を形成した絶縁層34付き基板12aを用いてもよい。
基板12のベース基板20上に形成される絶縁膜層(図示せず)や基板12aのAl供給層22上に形成される絶縁膜34としては、特に制限はないが、Al基板又は複合Al基板に絶縁膜層を設ける場合には、Al基板又は複合Al基板を陽極酸化することによりその表面に形成された陽極酸化膜であるのが好ましい。なお、Al基板又は複合Al基板の陽極酸化は、Al基板又は複合Al基板を陽極とし、陰極と共に電解液に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加して電解処理することにより実施できる。
なお、本発明の太陽電池を、後述する図3に示す集積型太陽電池構造とする場合には、Al供給層22を有するために導電性を持つ基板12上に絶縁層34を設ける必要があるが、図2に示す基板12aのように、基板12のAl供給層22上に陽極酸化法などで、Al(アルミナ)層を形成したものなどを用いることができる。但し、図2に示す基板12aからのAl拡散を妨げることがないように、Al絶縁層34は陽極酸化法によって形成されたものであるが望ましい。このようにして形成された陽極酸化Alは、柱状構造となるため拡散が生じ易く、本発明の基板として好ましい。
なお、絶縁膜層34(図2参照)となる陽極酸化膜は、ベース基板20や基盤12aとなるAl基板や複合Al基板のAl層の片側表面に形成されていればよいが、Al基板や2枚のAl板で挟んだクラッド板の場合には、太陽電池セル14の形成工程等において、Al層と陽極酸化膜との熱膨張係数差に起因した反りや陽極酸化膜に発生するクラック等を抑制するために、両側のAl層表面に陽極酸化膜を設けるのが好ましい。
また、こうして形成される絶縁膜層34の厚さ、すなわち陽極酸化膜の厚さは、特に制限的ではないが、絶縁性とハンドリング時の機械衝撃による損傷等を防止する表面硬度とを有しておれば良いが、厚すぎると可撓性の観点で問題を生じる場合がある。このことから、好ましい厚さは、0.5〜50μmであり、厚さの制御は定電流電解や定電圧電解とともに、電解時間により制御することができる。
また、絶縁膜層34の種類としては、Alの陽極酸化被膜以外に、Si、Ca、Zn、B、P、Ti等の元素を含んだガラスなどの各種酸化物層を蒸着、ゾルゲル法等の各種方法で形成したものであっても良い。
本発明に用いられる基板は、基本的に以上のように構成される。
次に、本発明の太陽電池に用いられる太陽電池セルについて説明する。
図1に示す本発明の太陽電池10は、サブストレート型と呼ばれるものであり、太陽電池セル14は、薄膜型のものである。
ここで、太陽電池セル14は、基板12上に、裏面電極24、CIGS系化合物からなり、受光した光を電気に変換する光電変換層である光吸収層26、バッファ層28、窓層30及び上部透明電極(以下、透明電極という)32が順次積層されたカルコパイライト型化合物半導体薄膜太陽電池セルである。
図示例の太陽電池10の太陽電池セル14においては、裏面電極24は、実質的に基板12の全面上に形成され、光吸収層26は、裏面電極24の一部を開放するように、図示例では、左側の一部を除いて裏面電極24上に形成され、バッファ層28、窓層30及び透明電極32は、実質的に光吸収層26の全面上に形成されている。
本実施例の太陽電池10において、太陽電池セル14に、透明電極32側から光が入射されると、この光が透明電極32、窓層30及びバッファ層28を通過し、光吸収層26に達すると光電変換されて起電力が発生し、例えば、透明電極32から裏面電極24に向かう電流が発生する。なお、図示例では、電流の向きは、透明電極32から裏面電極24に向かう向きであるが、電子の移動方向は、電流の向きとは逆になる。このため、図示例では、太陽電池セル14の裏面電極24が正極(プラス(+)極)になり、透明電極32が負極(マイナス(−)極)になる。
次に、太陽電池セル14の各要素について説明する。
太陽電池セル14において、裏面電極24及び透明電極32は、いずれも光吸収層26で発生した電流を取り出すためのものである。裏面電極24および透明電極32は、いずれも導電性材料からなる。光入射側の透明電極32は透光性を有する必要がある。
裏面電極24は、例えば、Au(金)やPt(白金)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)又はW(タングステン)、及びこれらを組み合わせたものから構成される。特に、裏面電極24には、AuやPtやMoを用いることができるが、なかでも、Moは、柱状結晶構造をもつため、基板12側のAl供給層22からAlを拡散させやすいので好ましい。また、この裏面電極24は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。
裏面電極24は、厚さが100nm以上であることが好ましく、0.45〜1.0μmであることがより好ましい。
また、裏面電極24の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法により形成することができる。Moの場合、製法としてはスパッタリング法を用いるのが好ましい。
裏面電極24の開放された表面、すなわち光吸収層26から透明電極32までが形成されていない図1中左側の表面領域には、Al等からなる下部電極端子18が形成される。
透明電極32は、窓層30上に製膜される透明導電膜からなる。透明導電膜の形成材料としては、特に限定はなく、透明で導電性を有する材料が各種使用可能である。具体的には、ドーパントとしてアルミニウム、ガリウム、ボロンを添加させたものが用いられる。また、透明電極32は、例えば、ZnO、ITO(インジウム錫酸化物)又はSnO及びこれらを組み合わせたものにより構成される。この透明電極32は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。例えば、透明電極32として、ZnO/ITOといった積層構造のものも利用可能である。
また、透明電極32の厚さは、特に制限されるものではなく、0.3〜1μmが好ましいが、後述する集積構造をとる太陽電池50(図3参照)の場合には、十分シート抵抗を実現させるために、0.7〜1.5μmの厚さとするのが好ましい。
また、透明電極32の形成方法は、特に制限されるものではなく、公知の透明導電膜の製膜方法であれば良く、例えば、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法やCVD法等の化学気相成長法などにより形成することができる。
なお、透明電極32上に、MgF等の反射防止膜が形成されていても良い。
透明電極32の端部の表面、図1中右側端部の表面領域には、Al等からなる上部電極端子16が形成される。
なお、透明電極32及び上部電極端子16をそれぞれZnO:Al等で上部電極として形成しても良い。
バッファ層28は、透明電極32の形成時の光吸収層26を保護すること、透明電極32に入射した光を光吸収層26まで透過させるために形成される。
このバッファ層28は、例えば、CdS、ZnS、InS、ZnO、ZnMgO、又はZnS(O、OH)およびこれらの組み合わせたものなどにより構成される。
バッファ層28の厚さは、特に制限はないが、例えば、0.03〜0.1μmであるのが好ましい。
また、このバッファ層28の製膜方法についても特に制限はなく、例えば気相製膜法、溶液成長法、CBD(Chemical Bath Deposition:ケミカルバス)法等などの公知の製膜方法を用いることができる。一般的に用いられているのは被覆性に優れ、光吸収層26へのダメージが少ないCBD法である。一例として硫化カドミウム(CdS)系化合物からなるバッファ層28を製膜する場合には、カドミウム源として硫化カドミウム(CdSO)、硫黄源としてチオ尿素(NHCSNH)、それにアンモニア水(NHOH)を加えた混合水溶液を用いる。この水溶液中に光吸収層26を製膜した基板を浸し、所定の温度まで加熱させて、所定の時間保つことによりCdS系化合物からなるバッファ層28を製膜することができる。
窓層30は、pn接合部に生じる並列抵抗成分を抑制するために、バッファ層28上に形成されるものであり、i−ZnO等からなる高抵抗の絶縁膜により構成される。この窓層30は、例えばスパッタリング法などにより形成される。特に、CBD−CdS等のバッファ層28とZnO:Al等の透明電極32との間には、ZnO等の高抵抗膜からなる窓層30を形成しておくのが好ましい。
光吸収層26は、透明電極32、窓層30及びバッファ層28を通過して到達した光を吸収して電流を発生させる光電変換層である。本実施形態において、光吸収層26の構成は、特に制限されるものではなく、例えば、少なくとも1種のカルコパイライト構造のCIGS化合物半導体であるのが好ましい。
光吸収層26としては、光吸収率が高く、高い光電変換効率が得られることから、CIGS系化合物が、化学式Cu(InGa1−x)(Se1−y(0<x<1、0<y≦1)で表されるCu(InGa)(S、Se)化合物半導体、すなわちCuInSe(CIS)にGaを固溶したCu(In、Ga)Se(CIGS)カルコパイライト結晶構造を有する半導体を用いる。CIGS化合物半導体は、光吸収率が高く、高い光電変換効率を持つのはもちろん、光照射等による効率の劣化が少なく、耐久性に優れている。
光吸収層26には、本発明の特徴とするAlや、所望の半導体導電型を得るための不純物が含まれる。Alは、Al供給層22からの、不純物は隣接する層からの拡散及び/又は積極的なドープによって、光吸収層26中に含有させることができる。光吸収層26中において、CIGS化合物半導体の構成元素、Alおよび/又は不純物には濃度分布があってもよく、n型、p型、およびi型等の半導体性の異なる複数の層領域が含まれていても構わない。
CIGS系化合物半導体においては、光吸収層26中のGa量に厚み方向の分布を持たせて、Ga濃度に勾配をもたせたグレーデッドバンドギャップ構造のCIGS光吸収層を製膜することにより、バンドギャップの幅/キャリアの移動度等を制御でき、光電変換効率を高く設計することができる。
本実施形態において、光吸収層26を構成するCIGS層の成膜方法としては、1)同時蒸着法(多源同時蒸着法)、2)セレン化法(セレン化/硫化法)、3)スパッタ法、4)ハイブリッドスパッタ法、及び5)メカノケミカルプロセス法等が知られている。
ここで、本発明に用いられるCIGS系光吸収層26は、例えば、520℃以上の高温により、同時蒸着、もしくはセレン化することにより、結晶性に優れた品質を得ることができるが、本発明の特徴とするAl供給層22から光吸収層26へのAlの拡散は、例えば、同時蒸着中、もしくはセレン化中に生じさせることができる。
1)まず、同時蒸着法によるCIGS系化合物半導体の製膜方法について説明する。この製膜方法では、CIGS層の構成元素からなる製膜材料を異なる蒸着源から同時に蒸着するものである。この多元同時蒸着において製膜方法を制御することにより、Ga濃度に勾配をもたせたグレーデッドバンドギャップ構造のCIGS光吸収層を製膜することができる。
詳しい製膜方法(多源同時蒸着法)としては、3段階法(J.R.Tuttle et. al, Mat.Res.Soc.Symp.Proc., Vol.426(1996) p.143.等)と、ECグループの同時蒸着法(L.Stolt et al.:Proc.13th ECPVSEC(1995,Nice)1451.等)とが知られている。
前者の3段階法は、高真空中で、最初に1段階目として、In、Ga及びSeを基板温度300℃で同時蒸着し、次に2段階目として、500〜600℃に昇温してCu及びSeを同時蒸着後、さらに3段階目として、In、Ga及びSeをさらに同時蒸着する方法である。後者のECグループの同時蒸着法は、蒸着初期にCu過剰CIGS、後半でIn過剰CIGSを蒸着する方法である。
CIGS膜の結晶性を向上させるため、上記方法に改良を加えた方法として、
a)イオン化したGaを使用する方法(H.Miyazaki, et.al, phys.stat.sol.(a),Vol.203(2006)p.2603.等)、
b)クラッキングしたSeを使用する方法(第68回応用物理学会学術講演会 講演予稿
集(2007秋 北海道工業大学)7P−L−6等)、
c)ラジカル化したSeを用いる方法(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集
(2007春 青山学院大学)29P−ZW−10等)、
d)光励起プロセスを利用した方法(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007春 青山学院大学)29P−ZW−14等)等が知られている。
2)次に、セレン化法について説明する。このセレン化法は、2段階法とも呼ばれ、最初に、Cu層/In層または(Cu−Ga)層/In層等の積層膜の金属プレカーサをスパッタ法、蒸着法、または電着法などで成膜し、これをセレン蒸気またはセレン化水素中で450〜600℃程度に加熱することにより、熱拡散反応によってCIGS化合物からなる光吸収層を形成する方法である。この方法を気相セレン化法と呼ぶ。この他、金属プリカーサの上に固相セレンを堆積し、この固相セレンをセレン源として固相拡散反応によってセレン化させる固相セレン化法もある。
また、この他、セレン化法においては、セレン化の際に生ずる急激な体積膨張を回避するために、金属プリカーサ膜に予めセレンをある割合で混合しておく方法(T.Nakada et.al,, Solar Energy Materials and Solar Cells 35(1994)204-214.等)、及び金属薄層間にセレンを挟み込んで(例えばCu層/In層/Se層…Cu層/In層/Se層と積層する)多層化プリカーサ膜を形成しておく方法(T.Nakada et.al,, Proc. of 10th European Photovoltaic Solar Energy Conference(1991)887-890. 等)などが知られている。
また、セレン化法において、グレーデッドバンドギャップ構造を持つCIGS膜の成膜方法として、最初にCu−Ga合金膜を堆積し、その上にIn膜を堆積することで、セレン化する際の自然熱拡散を利用してGa濃度を膜厚方向で傾斜させる方法がある(K.Kushiya et.al, Tech.Digest 9th Photovoltaic Science and Engineering Conf. Miyazaki, 1996(Intn.PVSEC-9,Tokyo,1996)p.149.等)。
3)スパッタ法としては、
CuInSe多結晶をターゲットとした方法、CuSeとInSeをターゲットとし、スパッタガスにHSe/Ar混合ガスを用いる2源スパッタ法(J.H.Ermer,et.al, Proc.18th IEEE Photovoltaic SpecialistsConf.(1985)1655-1658.等)、および
Cuターゲットと、Inターゲットと、SeまたはCuSeターゲットとをArガス中でスパッタする3源スパッタ法(T.Nakada,et.al, Jpn.J.Appl.Phys.32(1993)L1169-L1172.等)が知られている。
4)ハイブリッドスパッタ法としては、前述のスパッタ法において、CuとIn金属は直流スパッタで、Seのみは蒸着とするハイブリッドスパッタ法(T.Nakada,et.al., Jpn.Appl.Phys.34(1995)4715-4721.等)が知られている。
5)メカノケミカルプロセス法は、CIGSの組成に応じた原料を遊星ボールミルの容器に入れ、機械的なエネルギーによって原料を混合してCIGS粉末を得、その後、スクリーン印刷によって基板上に塗布し、アニールを施して、CIGSの膜を得る方法である(T.Wada et.al, Phys.stat.sol.(a), Vol.203(2006)p2593等)。
その他のCIGS成膜法としては、スクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、及びスプレー法などが挙げられる。例えば、スクリーン印刷法またはスプレー法等で、Ib族元素、IIIb族元素、及びVIb族元素を含む微粒子膜を基板上に形成し、熱分解処理(この際、VIb族元素雰囲気での熱分解処理でもよい)を実施するなどにより、所望の組成の結晶を得ることができる(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報等)。
上述したスパッタリング法(スパッタ法、ハイブリッドスパッタ法)やメカノケミカルプロセス法を用いた光吸収層の製膜方法には、上述した同時蒸着法及びセレン化法と同様に、いずれも560℃以上の加熱工程があるため、この加熱工程において、Al供給層22から光吸収層26へAlを拡散させることができる。本発明は、上述した特定のCIGS製膜方法に限定されるものではなく、加熱工程を備えるCIGS製膜方法であれば、どのようなCIGS製膜方法にも適用可能である。
光吸収層26を構成するCIGS層の膜厚としては、特に制限的ではないが、1.7〜2.5μm程度が望ましい。
本発明においては、Al供給層22を備える基板12又は12aから熱拡散等によってMo電極等の裏面電極24を通してCIGS光吸収層26にAlを拡散させて、光吸収層26にAlをドーピングして、ダブルグレーデッドバンド構造のCIGS光吸収層26を作製するものであるが、光吸収層26の最表面層の酸化を防止するために、その最表面におけるAl濃度が実質的にゼロ(0)、すなわちほぼ0であるのが好ましい。その結果、光吸収層26のpn界面(最表面)をAlがほとんど含まれず、CIGSからなる組成とすることで、pn界面のAlによる酸化を抑制又は防止することができる。このため、光吸収層26内のAl濃度を、基板12(裏面電極24)側から透明電極32(バッファ層28)側のpn界面に向って低減させ、光吸収層26内のAlの量を少なくするのが好ましい。
なお、光吸収層26内のAl濃度、すなわちドーピングされたアルミニウムの量には特に制限はなく、光吸収層26のバンド構造の制御性を向上させることができるAl濃度又はAl量であればよいが、光吸収層26には、Al濃度、すなわちドーピングされたAl量が、1×1017cm−3以上含まれている領域があるのが好ましい。その理由は、Al濃度又はAl量が、1×1017cm−3未満では、Alの添加量が少なすぎ、光吸収層26のバンド構造の制御性の向上が得られないからである。
また、本発明においては、AlをMo電極等の裏面電極24よりも基板12側のAl供給層22から、例えば熱拡散により光吸収層26へ添加させるので、裏面電極24と光吸収層26との間の剥離を抑制または防止することができる。
その結果、本発明の太陽電池10においては、CIGS系光吸収層26のバンド構造の制御性を向上させることができ、Alを添加させた太陽電池セルの特性のバラツキを少なくすることができ、また、波長感度特性がAlを添加していないCIGS太陽電池セルと比較しても向上させることができる。
本発明に用いられる太陽電池セルは、基本的に以上のように構成される。
また、太陽電池10の上部電極端子16は、太陽電池セル14の透明電極32の端部側(図1中右端側)の表面に取り付けられ、負極(マイナス)側の負極端子として用いられるもので、図示しないリボン状のリード線に介して図示しない接電箱の負極端子に接続される。
一方、太陽電池10の下部電極端子16は、太陽電池セル14の裏面電極24の端部側(図1中左端側)の表面に取り付けられ、正極(プラス)側の正極端子としてとして用いられるもので、図示しないリボン状のリード線に介して図示しない接電箱の正極端子に接続される。
なお、図示例の太陽電池10において、基板12として、ガラス基板以外の基板を用いる場合には、基板12と光吸収層26との間にNa供給層(図示せず)を形成するのが好ましい。Na供給層は、光吸収層26へNaを供給するものであり、Naを含む材料であれば、特に限定するものではない。光吸収層26へNa等のIa族(アルカリ金属)元素を添加することにより、光吸収層26を構成するCIGS膜中のキャリア濃度を向上させることができるため、光電変換効率が大幅に向上する。
Na供給層としては、例えば、裏面電極24を構成する層にNaをドープすることにより得られるNaドープ層を例示することができる。
このようなNa供給層を形成する方法は、例えば、スパッタリング法によって裏面電極24を形成する際に、Naをドープする部分のみに、裏面電極用金属、例えばMoにNa化合物を添加/混合して焼結したターゲットを用いる方法が例示される。
なお、Naのドープ量には、特に限定はなく、光吸収層26に、十分なNaを供給できる量を、適宜、設定すればよい。
このような構成とすることにより、高い変換効率が得られる光吸収層26とすることができる等、特性の良好な太陽電池10を得ることができる。
Na供給層を設ける別の方法として、裏面電極24と基板12との間に、Naを含む化合物からなる新たな層を形成してもよい。
上述した例では、Na供給層を設けているが、本発明はこれに限定されず、Ia族(アルカリ金属)元素及びIIa族(アルカリ土類金属)元素から選択された1種以上を光吸収層26に供給するための、アルカリ金属供給層を有するのが好ましい。
なお、アルカリ金属およびアルカリ土類金属としては、ナトリウム(Na)の他、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、およびセシウム(Cs)から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属が好ましく、NaおよびKの1種以上がより好ましく、Naが特に好ましい。
アルカリ金属供給層を形成するための化合物としては、有機化合物でも無機化合物がでも構わない。
アルカリ金属化合物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、セレン化ナトリウム、セレン化カリウム、塩化ナトリウム、及び塩化カリウム等の無機塩; ポリ酸等の有機酸のナトリウムまたはカリウム塩等の有機塩が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、硫化カルシウム、硫化マグネシウム、および、セレン化カルシウムの無機塩; ポリ酸等の有機酸のマグネシウムまたはカルシウム塩等の有機塩が挙げられる。
特に、ポリ酸のアルカリ(土類)金属塩が好ましい。なお、ここで言うポリ酸には、ヘテロポリ酸を含む。
このような化合物からなるアルカリ金属供給層は、例えば、これらの化合物を含み、かつ、pH調整された塗料を調整し、この塗料を、アルカリ金属供給層の形成面に塗布し、乾燥する方法で、作製される。
あるいは、これらの化合物をターゲットや蒸着源とするスパッタリングや蒸着法などのPVD法(物理気相成長)や、CVD法(化学気相成長)等の気相成長により、アルカリ金属供給層を形成してもよい。
なお、このような化合物からなるアルカリ金属供給層において、アルカリ金属の濃度は特に制限されず、光吸収層26に充分な量のアルカリ金属を供給できる量を、適宜、設定すればよい。また、厚さにも、特に限定はなく、形成位置等に応じて、適宜、設定すればよいが、100〜200nmが好ましい。
上述した図1及び2に示す太陽電池10及び40は、1つの太陽電池セル14を有するものであるが、本発明は、これに限定されず、図3に示す集積型太陽電池構造としてもよい。
図3は、本発明の集積型太陽電池の一実施例を模式的に示す模式的断面図である。
図3に示す集積型太陽電池50は、図2に示す太陽電池40の太陽電池構造において、複数の太陽電池セル14を集積したものであるので、同一の構成要素には同一の番号を付し、各要素の詳細な説明は省略し、集積構造の特徴的な部分のみを説明する。
図3に示す太陽電池50は、基板12aと、基板12a上に形成された複数の太陽電池セル14からなる発電層36と、発電層36の複数の太陽電池セル14の中の一方の端部(図3中左端側)にある太陽電池セル14aの裏面電極24の開放された端部表面(図3中左端側表面)に形成された、正極(プラス)端子として機能する下部電極端子18と、他方の端部(図3中右端側)にある太陽電池セル14bの透明電極32の端部最表面(図3中右端側最表面)に形成された、負極(マイナス)端子として機能する上部電極端子16とを有する。なお、上部及び下部電極端子16及び18は、Al等の導電体で形成される。
ここで、基板12aは、ベース基板20と、ベース基板20上に形成されたAl供給層22と、Al供給層22の表層に形成されたAl絶縁膜34とを有し、太陽電池セル14は、基板12のAl供給層22上に、裏面電極24と、光吸収層26と、バッファ層28と、窓層30と、上部透明電極32とが順次積層されたカルコパイライト型化合物半導体薄膜太陽電池セルである。なお、この太陽電池50も、光吸収層26の一部にAl供給層16から供給されたAlがドーピングされていることを特徴とするものである。
複数の太陽電池セル14においては、裏面電極24は、隣接する(図中左隣り)の太陽電池セル14の端部側(図中右側の一部)の領域から当該太陽電池セル14(図中左側)の大部分の領域に配置されるように、隣接する太陽電池セル14の裏面電極24と所定の間隔の隙間25をあけて絶縁膜層34の表面上に形成されている。
また、複数の太陽電池セル(以下、単に電池セルという)14においては、光吸収層26は、隣接する裏面電極24間の隙間25を埋めるように裏面電極24上に形成されている。したがって、光吸収層26は、この隙間25の部分では、絶縁膜層34に直接接することになる。
また、光吸収層26の全面上には、バッファ層28及び窓層30が形成され、3層の積層体を形成している。これらの光吸収層26、バッファ層28及び窓層30からなる3層の積層体には、隣接する電池セル14から延在する裏面電極24にまで達する溝27が形成されている。したがって、この溝27は、隣接する裏面電極24間の隙間25とは異なる位置(図中右側)に形成されている。
また、透明電極28は、光吸収層26の溝27を埋めるように光吸収層26の表面上に形成されている。したがって、透明電極28は、この溝27の部分において、隣接する電池セル14の裏面電極24に直接接触しており、電気的に接続されている。こうして、隣接する2つの電池セル14同士は、直列に接続される。
さらに、複数の電池セル14及び30においては、電池セル14又は30の透明電極28及び光吸収層26と、隣接する電池セル14又は30の透明電極28及び光吸収層26との間には、裏面電極24にまで達する開口29が形成されている。この開口29によって、隣接する2つの電池セル14同士は、分離されている。
上述したように、複数の電池セル14は、当該電池セル14の透明電極28と隣接する電池セル14の裏面電極24とが接続されることにより、直列に接続される。
なお、図3中左端の電池セル14aでは、3層の積層体の最下部の光吸収層26は、全て裏面電極24上に形成され、透明電極28は、3層の積層体の最上部の窓層30上に開口29を開けて形成されているが、この電池セル14aは、発電できないダミーセルである。したがって、電池セル14aを設けず、裏面電極24のみを基板12a上に形成するようにしてもよい。
図3に示す太陽電池50においては、一方(図中左側)の端部の電池セル14aの裏面電極24の開放された表面には、下部電極端子18が形成され、下部電極端子18には、図示しない銅リボン等のリード線が接続されてプラス(+)端子として引き出され、他方(図中右側)の端部の電池セル14bの透明電極28の表面の端部には、上部電極端子16が形成され、上部電極端子16には、同様にリード線によってプラス(−)端子として引き出される。
なお、電池セル14は、図3に示す断面に垂直な方向(図3の紙面に直交する方向)に矩形状の基板12aの一辺にそって平行に延在するライン状に形成された短冊状の形状を有する。したがって、裏面電極24及び透明電極28も、同様に、基板12aの辺に平行な一方向に長い短冊状の電極である。
本実施形態の太陽電池セル(光電変換素子)14は、集積型のCIGS系太陽電池セル(CIGS系光電変換素子)と呼ばれるものであり、例えば裏面電極24がMo電極で、光吸収層26がCIGSで、透明電極28がZnOで構成される。なお、バッファ層28はCdSで、窓層30はZnOで構成される。
なお、このような電池セル14は、例えば、公知のCIGS系の太陽電池の製造方法により製造することができるが、Mo裏面電極24よりも基板12a側にAl供給層22を有しているので、太陽電池の製造方法における加熱工程、例えば、セレン化法では、セレン化行程において、Al供給層22から絶縁膜層34及びMo裏面電極24を通してAlを熱拡散させて、光吸収層26にAlをドープさせることができる。また、裏面電極24間の隙間25、光吸収層26に形成された裏面電極24にまで達する溝27、光吸収層26及び透明電極を一体として隣接する光吸収層26及び透明電極から分離するための裏面電極24に達する開口27等のライン状の溝部は、レーザスクライブまたはメカニカルスクライブにより形成することができる。
本発明の太陽電池は、基本的に以上のように構成されるものであり、以下のようにして製造される。
図4は、図3に示す本発明の太陽電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、ベース基板20及びAl供給層22からなる基板としてAl基板自体を用いて、上述した方法で陽極酸化処理を行い、表面に絶縁膜層34となる陽極酸化被膜を形成して、絶縁膜層34として陽極酸化被膜を持つ絶縁膜層付きAl基板を形成し、これを基板12aとして準備する(ステップS100)。
もちろん、予め、絶縁膜層34として陽極酸化被膜を持つ絶縁膜層付きAl基板を基板12aとして準備しても良い。
次に、基板12aの絶縁膜層34上に、スパッタリング法(上述したDCマグネトロンスパッタ法)等の公知の製膜法により裏面電極層となるMoを成膜してMo膜を形成する(ステップS102)。
次に、こうして絶縁膜層34上に形成されたMo膜を、レーザ光を基板12aに対して直線上に走査することで、一般的にレーザスクライブと呼称されるレーザスクライビング法により切断して、パターン1にパターニングして間隙25を形成し、Mo裏面電極24を複数個に分割し、裏面電極24を形成する(ステップS104)。
次に、裏面電極24を分割する際に発生した切削屑を水洗によって除去した後、絶縁膜層34上に形成された裏面電極24上に、間隙25を埋めるように、上述したセレン化/硫化法又は多源同時蒸着法等の加熱工程を含む公知の方法により光吸収層26となるCIGS系化合物半導体膜(p型CIGS系光吸収膜)を形成すると共に、加熱工程において、基板(Al基板)12aのAl供給層22からAlをCIGS系化合物半導体膜に、陽極酸化絶縁膜層34及びMo裏面電極24を通して熱拡散する。(ステップS106)。
続いて、こうして形成されたCIGS系化合物半導体膜上に、上述したCBD等の公知の方法によりバッファ層28なるCdS膜(n型高抵抗バッファ層)を形成し、さらに、pn接合部の並列(シャント)抵抗を抑制するため、バッファ層28上にスパッタ法等の公知の方法により窓層30となるi−ZnO膜(i型ZnO透明導電膜窓層)を形成する(ステップS108)。
次に、金属針を用いてバッファ層28および光吸収層26を線状に切り欠き、裏面電極24上に形成されたCIGS系化合物半導体膜、CdS膜及びi−ZnO膜を一体(3層の積層体)として、上述したメカニカルスクライビング(メカニカルスクライブ)法により切断して、パターン2にパターニングして裏面電極24にまで達する溝27を形成し、光吸収層26、バッファ層28及び窓層30を形成する(ステップS110)。
続いて、こうして形成された窓層30上に、溝27を埋めるように、上述したMOCVD法又はRFスパッタ法等の公知の方法により透明電極層32となるn−ZnO膜(n型ZnO透明導電膜)及びAlを形成する(ステップS112)。
次に、こうして形成されたn−ZnO膜、窓層30、バッファ層28及び光吸収層26を一体として、すなわち、金属針を用いて、透明導電膜、バッファ層28、光吸収層26を線状に切り欠き、上述したメカニカルスクライビング(メカニカルスクライブ)法により切断して、パターン3にパターニングして、隣接する太陽電池セル14間に、裏面電極24にまで達する開口29を形成し、各太陽電池セル14毎に光吸収層26、バッファ層28、窓層30及び透明電極層32を個々に分離して、複数の太陽電池セル14を基板12a上に形成する(ステップS114)。すなわち、本発明の2回のメカニカルスクライブにより複数個の単位セルが設けられる。
続いて、太陽電池セル14の裏面電極24及び透明電極層32にそれぞれ導電性の下部及び上部電極端子18及び16を形成する(ステップS116)。
最後に、Mo裏面電極24、透明導電膜(透明電極層32)の露呈した部分に、電極端子を設け、これらにリード線を設ける。これにより、直列に接続された集積化型太陽電池を作製できる。
こうして、本実施例の集積型太陽電池50が形成される(ステップS116)。
なお、図1及び図2の太陽電池10及び40も、レーザスクライブやメカニカルスクライブは不要であるが、集積型太陽電池50と同様な方法で製造することができる。
こうして得られた集積型太陽電池50を評価した結果、従来技術のAlを添加させたCIGS太陽電池50は剥離や欠陥によるものと思われる素子特性のバラツキが大きいものであったが、本実施例により得られたAlを添加させた太陽電池セル14を16個持つ太陽電池50は、特性のバラツキが少なく、また、波長感度特性がAlを添加していないCIGS太陽電池セルと比較して向上していることが確認できた。
本発明の太陽電池の製造方法は、基本的に以上のように構成されるものである。
以上、本発明に係る太陽電池およびその製造方法について種々の実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
10、40、50 太陽電池
12、12a 基板
14 太陽電池セル
16 上部電極端子
18 下部電極端子
20 ベース基板
22 Al供給層
24 裏面電極
26 光吸収層
28 バッファ層
30 窓層
32 上部透明電極
34 絶縁層
36 発電層

Claims (13)

  1. 基板上に、裏面電極、CIGS系化合物からなる光吸収層および上部電極が順次積層されたカルコパイライト型化合物半導体薄膜太陽電池であって、
    前記裏面電極よりも前記基板側にアルミニウム供給層を有し、かつ前記光吸収層の一部に前記アルミニウム供給層から供給されたアルミニウムがドーピングされていることを特徴とする太陽電池。
  2. 前記光吸収層にドーピングされた前記アルミニウム濃度が、前記光吸収層の、前記上部電極側の表面において、実質的に0である請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記光吸収層にドーピングされた前記アルミニウムが、熱拡散によって前記アルミニウム供給層から前記裏面電極を通して添加されたものである請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記基板が、前記アルミニウムを含む基板であり、
    前記アルミニウム供給層が、前記基板に含まれるアルミニウムの層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池。
  5. 前記アルミニウムを含む基板が、アルミニウム基板、アルミニウム層を備えるセラミック基板、またはアルミニウム層を備える金属基板であり、
    前記アルミニウム供給層が、前記アルミニウム基板、前記セラミック基板の前記アルミニウム層、または前記金属基板の前記アルミニウム層であることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
  6. 前記アルミニウムを含む基板上にAlが形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の太陽電池。
  7. 前記Al層が、陽極酸化法により形成されたものであることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
  8. 前記光吸収層には、ドーピングされた前記アルミニウムが、1×1017cm−3以上含まれている領域があることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池。
  9. 前記裏面電極の主成分が、モリブデンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池。
  10. さらに、前記光吸収層と前記上部電極との間に順次積層されたバッファ層又はバッファ層及び窓層を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池。
  11. 前記光吸収層にドーピングされている前記アルミニウムの量が、前記基板側から前記上部電極側に向けて少なくなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽電池。
  12. 前記CIGS系化合物が、化学式Cu(InGa1−x)(Se1−y(0<x<1、0<y≦1)で表されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の太陽電池。
  13. 基板上に、裏面電極、CIGS系化合物からなる光吸収層、バッファ層、窓層および上部電極が順次積層されたカルコパイライト型化合物半導体薄膜太陽電池の製造方法であって、
    前記裏面電極よりも前記基板側に設けられたアルミニウム供給層からアルミニウムを熱拡散によって供給して前記光吸収層の一部にドーピングする熱拡散工程を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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