JP2013026339A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電効率および生産効率の観点から優れた構造を有する薄膜太陽電池、および集積化構造を少ない工程で形成でき、生産効率が優れた薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁性基板上に裏面電極、光電変換層および電極を形成して積層体を得る工程と、積層体において開口溝部となる領域に、積層体の一部が残るように絶縁性基板に達する溝を含む2つの溝を所定の間隔を設けて形成し、開口溝部を形成する工程と、絶縁性基板に達する溝の少なくとも側壁に絶縁層を残された積層体の一部をストッパ部として形成する工程と、絶縁層を覆うようにして絶縁性基板に達する溝が形成された側の電極と他方の溝の裏面電極とを電気的に接続する導電層を形成する工程とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、集積化構造を有する薄膜太陽電池およびその製造方法に関し、特に、発電効率および生産効率の観点から優れた構造を有する薄膜太陽電池、および集積化構造を少ない工程で形成でき、生産効率が優れた薄膜太陽電池の製造方法に関する。
現在、太陽電池の研究が盛んに行われている。太陽電池においては、光吸収により電流を発生する半導体の光電変換層を裏面電極と透明電極とで挟んだ積層構造の太陽電池セルが絶縁性基板上に多数直列に接続されて構成されている。
従来の薄膜太陽電池として、例えば、図6に示す構成のものが知られている。この従来の薄膜太陽電池100では、3回のスクライブ工程を経て集積化構造とされる。
図6に示す薄膜太陽電池100においては、金属基材110a上に絶縁層110bが形成されてなる絶縁性基板110の絶縁層110bの表面に、例えば、レーザースクライブにより第1の分離溝P1が形成されて互いに分離された裏面電極112が形成されている。この裏面電極112は、例えば、真空成膜法により形成されたモリブデン(Mo)膜である。
第1の分離溝P1および裏面電極112を覆うように、CIGSからなる光電変換層114が形成されている。この光電変換層114上に、CdS層からなるバッファ層116が形成されている。バッファ層116は、例えば、CBD(ケミカルバスデポジション)法により形成される。
このバッファ層116上にi型のAZO層118が形成されている。このi型のAZO層118は、例えば、RFスパッタ法で形成される。
次に、光電変換層114、バッファ層116およびi型のAZO層118をまとめて、第1の分離溝P1とは異なる位置に、メカニカルスクライブまたはレーザースクライブにより、裏面電極112に達する第2の分離溝P2が形成されている。この第2の分離溝P2により、光電変換層114、バッファ層116およびi型のAZO層118が分割されている。
i型のAZO層118を覆い、かつ第2の分離溝P2を埋めるようにして、AZO(Al:ZnO)からなる透明電極120が形成されている。第1の分離溝P1および第2の分離溝P2とは異なる位置に、裏面電極112に達する第3の分離溝P3が、例えば、メカニカルスクライブにより形成されている。
第3の分離溝P3により分離された裏面電極112、光電変換層114、バッファ層116、i型のAZO層118および透明電極120により、太陽電池セル122が構成される。
従来の薄膜太陽電池100においては、絶縁基板110上に裏面電極112となるモリブデン(Mo)膜を形成した後、第1の分離溝P1を形成するために、例えば、大気中でレーザースクライブを行う。この場合、削りくずが発生するので、洗浄する。その後、再び真空中で光電変換層114を形成し、更にバッファ層116を大気中で湿式で形成し、i型のAZO層118を真空中で形成する。その後、例えば、大気中でメカニカルスクライブを行い、第2の分離溝P2を形成する。この場合も、削りくずが発生するので、洗浄する。
その後、再度真空中で透明電極120として、AZO膜を形成し、大気中でメカニカルスクライブを行い、第3の分離溝P3を形成し、集積化構造としている。
しかしながら、従来の薄膜太陽電池100では、第1の分離溝P1〜第3の分離溝P3を形成するためのスクライブ毎に発生するくずにより品質が劣化するという問題点がある。また、真空雰囲気と、大気雰囲気とを何度も繰り返すため、製造工程が煩雑になるという問題点がある。
また、第3の分離溝P3を形成する際に、透明電極120をスクライブすると、透明電極120を構成するAZO膜が光電変換層114に付着し、内部リーク電流が発生し、発電効率が低下するという問題点がある。
さらには、第1の分離溝P1〜第3の分離溝P3が必要であるため、太陽電池セル122の接続に必要なセル間の距離を長くしなければならず、単位面積当たりの発電効率が低下するという問題点がある。そこで、他の集積化方法が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、基板上に下地電極、光電変換層、透明電極を一括して成膜し、それぞれ深さの異なる3つのスクライビングを一括して行う集積化光電変換装置の製造方法が開示されている。この特許文献1には、一括成膜および一括スクライビングが一層ごとにスクライビングを行う方法に比べて簡単であり、工程数が少なくてすみ、従って、製造に要する時間を短縮することが出来ることが記載されている。
特許文献2には、光起電力モジュールにおいて相互接続を形成するための方法が開示されている。
特許文献2においては、金属フォイルに絶縁体を堆積させた基板またはガラスのような絶縁体の基板上に全導体及び半導体スタックが形成される。このスタック堆積は、クラスタツール又はインライン塗布装置のような単一真空堆積システムで行うことができる。このスタックにおける3つ以上の層の全ては、従来行われているように、スクライブ工程を介在させることなく、このようなシステムにより順次堆積させていくことができるので、このシステムで必要とされるロードロック移行は1回のみである。
次に、全導体及び半導体スタックのうち、底部導体に対するスクライブを形成する。これらスクライブに続いて、絶縁体が一方の壁部に堆積される。最後に、左側のセルの上部を右側のセルの底部へ接続するため、導体が絶縁体の上に堆積される。これにより、左側のセルと右側のセルとの間の直列接続が与えられることが開示されている。
特許文献2では、絶縁体にポリイミド又はフォトレジストのような感光性ポリマーが用いられることが開示されている。
特許文献2では、全ての活性層の堆積後の単一カッティング処理を含むものであり、こうすることにより、1組の真空工程に続いて1組の相互接続工程を行うというようにその全処理を簡単化することができ、モジュールの品質及び歩留りを相当に改善することができることが開示されている。
また、特許文献2では、単一カッティング処理(単一スクライブ工程)でモジュール相互接続を形成することができるため、接続に必要なセル間の距離を短くすることができ、単位面積当たりの発電効率を高くすることができることが開示されている。
特開2001−7359号公報 特開2009−512197号公報
しかしながら、特許文献1においては、溝を3つ形成しており、溝の数が多く加工が煩雑になる。更には、溝の数が多くセル間の距離も広くなるため、単位面積当たりのセルの面積が小さくなり、発電効率が低下するという問題点がある。
特許文献2においては、絶縁体の形成に用いられる感光性ポリマーが広がるため、スクライブの幅を広くする必要がある。このため、単位面積当たりのセルの面積が小さくなり、発電効率が低下するという問題点がある。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、発電効率および生産効率の観点から優れた構造を有する薄膜太陽電池、および集積化構造を少ない工程で形成でき、生産効率が優れた薄膜太陽電池の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成され、開口溝部を挟んで電気的に直列接続された複数の太陽電池セルとを有し、前記太陽電池セルは、裏面電極と、前記裏面電極上に形成され、受光した光を電気に変換する光電変換層と、前記光電変換層上に形成された電極とを備え、前記複数の太陽電池セルは、各太陽電池セルの前記電極が、隣接する太陽電池セルの裏面電極に導電層により電気的に接続されることにより、直列接続されており、前記裏面電極に前記導電層が接続される太陽電池セルは、前記開口溝部に前記裏面電極が露出し、前記裏面電極の露出部にストッパ部が設けられており、前記導電層が前記電極に接続される太陽電池セルは、前記光電変換層および前記電極の前記開口溝部側の側面が絶縁層に覆われ、前記絶縁層は前記ストッパ部で規制されており、前記導電層は、前記絶縁層を覆うようにして設けられていることを特徴とする薄膜太陽電池を提供するものである。
前記ストッパ部は、前記光電変換層および前記電極の順で積層されたもののうち、少なくとも前記光電変換層で構成されることが好ましい。
前記導電層は、前記ストッパ部を超えて前記隣接する太陽電池セルの前記裏面電極と接続されることが好ましい。
前記絶縁層は、感光性材料により構成されることが好ましい。
前記太陽電池セルは、前記太陽電池セルの配列方向と直交する方向に延在するものであり、前記絶縁層および前記導電層は、前記延在方向において少なくとも一部に設けられていることが好ましい。
前記光電変換層は、CIS系薄膜型光電変換層、CIGS系薄膜型光電変換層、薄膜シリコン系薄膜型光電変換層、CdTe系薄膜型光電変換層、III−V属系薄膜型光電変換層、色素増感系薄膜型光電変換層、および有機系薄膜型光電変換層のいずれか1つの薄膜型光電変換層を有することが好ましい。
前記光電変換層は、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体が主成分であることが好ましい。
前記光電変換層は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種が主成分であることが好ましい。
前記Ib族元素は、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記IIIb族元素は、Al,Ga及びInからなる群より選択された少なくとも1種であり、前記VIb族元素は、S,Se,及びTeからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
前記絶縁性基板は、陽極酸化処理されたアルミニウム基板からなり、絶縁層が陽極酸化膜で構成されることが好ましい。
前記アルミニウム基板は、複合材料からなる複合アルミニウム基板であることが好ましい。
前記複合アルミニウム基板は、鋼板を2枚のアルミニウム板で挟んだクラッド板、またはステンレス板とアルミニウム板とのクラッド板であることが好ましい。
本発明は、絶縁性基板上に形成され、開口溝部を挟んで電気的に直列接続された複数の太陽電池セルを有し、前記太陽電池セルは、裏面電極と光電変換層と電極とを備えており、前記複数の太陽電池セルは、各太陽電池セルの前記電極が、隣接する太陽電池セルの裏面電極に導電層により電気的に接続されることにより、直列接続されている薄膜太陽電池の製造方法であって、前記絶縁性基板上に前記裏面電極を形成し、前記裏面電極層上に前記光電変換層を形成し、前記光電変換層上に前記電極を形成して積層体を得る工程と、前記積層体において、前記開口溝部となる領域に前記積層体の一部が残るように、前記絶縁性基板に達する溝を含む2つの溝を所定の間隔を設けて形成し、前記開口溝部を形成する工程とを有することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法を提供するものである。
さらに、前記絶縁性基板に達する溝の少なくとも側壁に絶縁層を、前記残された積層体の一部をストッパ部として形成する工程と、前記絶縁層を覆うようにして、前記絶縁性基板に達する溝が形成された側の電極と他方の溝の裏面電極とを電気的に接続する導電層を形成する工程とを有することが好ましい。
前記絶縁性基板に達する溝は、前記裏面電極層に達する凹部が形成された後、前記凹部の底部の前記裏面電極層の少なくとも一部を取り除くことにより形成されることが好ましい。
前記2つ溝の形成には、レーザースクライブまたはメカニカルスクライブが用いられることが好ましい。
前記絶縁層および前記導電層は、インクジェット法を用いて形成されることが好ましい。
前記2つの溝が並設する方向と直交する方向に前記2つの溝は延在するものであり、前記絶縁層および前記導電層は、前記延在方向において少なくとも一部に設けられていることが好ましい。
前記裏面電極層、前記光電変換層および前記電極層は、ロールトゥーロール方式および枚葉式を組み合わせて形成されることが好ましい。
本発明によれば、発電効率および生産効率の観点から優れた構造を有する薄膜太陽電池を得ることができる。
さらには、薄膜太陽電池の製造方法によれば、集積化構造を少ない工程ででき、優れた生産効率を実現することができる。
本発明の実施形態の薄膜太陽電池を示す模式的断面図である。 (a)は、図1に示す薄膜太陽電池の要部の模式的平面図であり、(b)は、本発明の実施形態の薄膜太陽電池の他の例の要部の模式的平面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態の薄膜太陽電池の製造方法を工程順に示す模式的断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態の薄膜太陽電池の第1の変形例の製造方法を工程順に示す模式的断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態の薄膜太陽電池の第2の変形例の製造方法を工程順に示す模式的断面図である。 従来の薄膜太陽電池を示す模式的断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の薄膜太陽電池およびその製造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の薄膜太陽電池を示す模式的断面図である。図2(a)は、図1に示す薄膜太陽電池の要部の模式的平面図であり、(b)は、本発明の実施形態の薄膜太陽電池の他の例の要部の模式的平面図である。
図1に示すように、薄膜太陽電池10は、例えば、略長方形状の金属基材14および金属基材14上に形成された電気的な絶縁層16を有する絶縁性基板12(以下、単に基板12ともいう)と、基板12の絶縁層16上に形成され、ライン状の開口溝部32を挟んで、基板12の長手方向Lに電気的に直列に接続された複数の太陽電池セル20a〜20dと、複数の太陽電池セル20a〜20dの列の一方に端部の太陽電池セル20aに接続される第1の導電部材50と、複数の太陽電池セル20a〜20dの列の他方の端部の太陽電池セル20dに接続される第2の導電部材52とを有する。
なお、本実施形態では、便宜的に4つの太陽電池セル20a〜20dが直列接続されたものを例にして説明するが、太陽電池セルの接続数は、特に限定されるものではない。
本実施形態の基板12は、その形状および大きさ等は適用される薄膜太陽電池10の大きさ等に応じて適宜決定されるものであり、例えば、一辺の長さが1mを超える四角形状または矩形状である。
太陽電池セル20a〜20dは、開口溝部32により分離されており、裏面電極22、光電変換層24、バッファ層26、i型のAZO層28および透明電極30を有する。
なお、太陽電池セル20a〜20dは、基板12の長手方向L(配列方向)と直交する幅方向W(延在方向)に長く伸びて形成されている。このため、裏面電極22、光電変換層24、バッファ層26、i型のAZO層28および透明電極30も基板10の幅方向Wに長く伸びているものであり、第1の導電部材50および第2の導電部材52も幅方向Wに長く伸びている。
裏面電極22は、例えば、基板12の長手方向Lに、所定の間隔に複数設けられた分離溝34により、隣り合う裏面電極22と互いに分離されている。なお、分離溝34は、絶縁性基板12(絶縁層16)に達する溝であり、その幅は、例えば、50μmである。
光電変換層24は、互いに分離された各裏面電極22の上に形成されている。この光電変換層24上にバッファ層26が形成されている。このバッファ層26上にi型のAZO層28が形成されている。このi型のAZO層28上に透明電極30が形成されている。なお、i型のAZO層28は、必ずしも設ける必要はない。バッファ層26も、光電変換層24の構成によっては、必ずしも設ける必要はない。透明電極30も、太陽電池の構成よっては、必ずしも透明である必要はない。
太陽電池セル20a〜20dは、各太陽電池セル20a〜20dの透明電極30が、隣接する太陽電池セル20a〜20dの裏面電極22に導電層42により電気的に接続されることにより直列接続されている。
裏面電極22に導電層42が接続される太陽電池セルは、開口溝部32に裏面電極22が露出しており、裏面電極22の露出部にストッパ部36が設けられている。例えば、太陽電池セル20aと太陽電池セル20bとでは、太陽電池セル20aの透明電極30と太陽電池セル20bの裏面電極22とが導電層42により電気的に接続されている。
導電層42が透明電極30に接続される太陽電池セル20aは、光電変換層24、バッファ層26、i型のAZO層28および透明電極30の開口溝部32側の側面α(側壁)が絶縁層40に覆われるとともに、絶縁層40は、分離溝34およびストッパ部36で規制されている。太陽電池セル20aの側面αの絶縁層40により、太陽電池セル20aの内部リーク電流の発生が防止される。
一方、太陽電池セル20bは、光電変換層24、バッファ層26、i型のAZO層28および透明電極30の開口溝部32側の側面β(側壁)には何も形成されていない。
導電層42は、絶縁層40を覆うように設けられるとともに、裏面電極22の露出部に接続されている。
この場合、太陽電池セル20aおよび太陽電池セル20bを例にして説明するが、図2(a)に示すように、絶縁層40は、太陽電池セル20aの基板12の幅方向W全域に亘り形成されている。この絶縁層40を覆うようにして導電層42も、基板12の幅方向W全域に亘り形成されている。
なお、本実施形態においては、太陽電池セル20a〜20dを電気的に直列に接続することができれば、基板12の幅方向W全域に亘り形成することに限定されるものではない。例えば、図2(b)に示すように、太陽電池セル20aに対して、幅方向Wで、例えば、3箇所絶縁層40aを形成し、各絶縁層40aを覆うように導電層42aが形成されるものであってもよい。このように、太陽電池セル20a〜20dを電気的に直列に接続するには、幅方向Wにおいて少なくとも一部で、絶縁層40aおよび導電層42を用いて接続されていればよい。
図1に示す本実施形態の太陽電池セル20a〜20dは、集積型の太陽電池セルと呼ばれるものであり、例えば、裏面電極22がモリブデン電極で構成され、光電変換層24が、光電変換機能を有する半導体化合物、例えば、CIGS層で構成され、バッファ層26がCdS等のII−VI族半導体で構成され、透明電極30がAZO(ZnO:Al)で構成される。太陽電池セル20a〜20dの光電変換層24は、CIGS系薄膜型光電変換層で構成される。
本実施形態において、裏面電極22および透明電極30は、いずれも光電変換層24で発生した電流を取り出すためのものである。裏面電極22および透明電極30は、いずれも導電性材料からなり、かつ光入射側の透明電極30およびi型のAZO層28は透光性を有する必要がある。
図1に示すように、右側の端の裏面電極22上に第1の導電部材50が接続されている。この第1の導電部材50は、後述する負極からの出力を外部に取り出すためのものである。例えば、レーザースクライブまたはメカニカルスクライブにより、裏面電極22を表出させている。
第1の導電部材50は、例えば、細長い帯状の部材であり、基板12の幅方向に略直線状に伸びて、右端の裏面電極22上に接続されている。また、図1に示すように、第1の導電部材50は、例えば、銅リボン50aがインジウム銅合金の被覆材50bで被覆されたものである。この第1の導電部材50は、例えば、超音波半田により裏面電極22に接続される。
第2の導電部材52は、後述する正極からの出力を外部に取り出すためのものである。第2の導電部材52も、第1の導電部材50と同様に細長い帯状の部材であり、基板12の幅方向に略直線状に伸びて、左端の裏面電極22に接続されている。例えば、レーザースクライブまたはメカニカルスクライブにより裏面電極22を表出させている。
第2の導電部材52は、第1の導電部材50と同様の構成のものであり、例えば、銅リボン52aがインジウム銅合金の被覆材52bで被覆されたものである。
第1の導電部材50と第2の導電部材52とは、錫メッキ銅リボンでもよい。また、第1の導電部材50および第2の導電部材52、それぞれの接続も超音波半田に限定されるものではなく、例えば、導電性接着剤、導電性テープを用いて接続してもよい。
なお、本実施形態の太陽電池セル20の光電変換層24は、例えば、上述のようにCIGSで構成されるものであり、公知のCIGS系の太陽電池の製造方法により製造することができる。この光電変換層24については、後に詳細に説明する。
また、開口溝部32および裏面電極22の分離溝34は、後述するようにレーザースクライブまたはメカニカルスクライブにより形成することができる。
薄膜太陽電池10では、太陽電池セル20に、透明電極30側から光が入射されると、この光が透明電極30、i型のAZO層28およびバッファ層26を通過し、光電変換層24で起電力が発生し、例えば、透明電極30から裏面電極22に向かう電流が発生する。なお、太陽電池セル20では、図1中、左端の裏面電極22が正極(プラス極)になり、右端の裏面電極22が負極(マイナス極)になる。
本実施形態において、薄膜太陽電池10で発生した電力を、第1の導電部材50と第2の導電部材52から、薄膜太陽電池10の外部に取り出すことができる。
なお、本実施形態において、第1の導電部材50が負極であり、第2の導電部材52が正極であるが、第1の導電部材50と第2の導電部材52とは極性が逆であってもよく、太陽電池セル20の構成、薄膜太陽電池10構成等に応じて適宜変わるものである。
薄膜太陽電池10に用いられる絶縁性基板12は、上述のように、金属基材14とその上に形成された絶縁層16とを有する絶縁層付き金属板である。絶縁性基板12としては、例えば、アルミニウム(Al)板の少なくとも一方の面側を陽極酸化して陽極酸化膜を絶縁層16として形成し、陽極酸化されなかったAl板を金属基材14とすることにより得られたものであることが好ましい。
ここで、金属基材14としては、絶縁層16を形成することができ、絶縁層付き金属板である基板12とした時に光電変換層24を支持することができれば特に制限はないが、少なくとも片側表面がAl層であるAl基板が好ましく、例えば、Al基板、及びAlと他の金属との複合材料からなる複合Al基板などを挙げることができる。
金属基材14の厚さは、薄膜太陽電池10全体の強度の観点により適宜選択できるが、絶縁層付き金属板である絶縁性基板12とした形体において0.1〜10mmであるのが好ましい。なお、Al基板や複合Al基板などから絶縁性基板12を製造する際には、陽極酸化、及び陽極酸化の事前洗浄や研磨により厚さの減少を見越した厚さとしておく必要がある。
本発明では、Al基板としては、例えば日本工業規格(JIS)の1000系純Al板であってもよいし、Al合金板、例えばAl−Mn系合金板、Al−Mg系合金板、Al−Mn−Mg系合金板、Al−Zr系合金板、Al−Si系合金板、及びAl−Mg−Si系合金板等のAlと他の金属元素との合金板であってもよい。
また、複合Al基板としては、Al板と他の金属板とのクラッド板、例えば、ステンレス鋼(SUS)板とのクラッド板、種々の鋼板を2枚のAl板で挟み込んだクラッド板であっても良い。なお、本発明では、Al板とのクラッド板を構成する他の金属板は、各種のステンレス鋼板の他、例えば、軟鋼等の鋼、42インバー合金、コバール合金、または36インバー合金からなる板材を用いることができるし、また、本発明の太陽電池モジュールを屋根材一体型太陽電池パネルとして用いることができるように、家屋や建物等の屋根材や壁材として使用可能な金属板を用いてもよい。
ここで用いられるAl板やAl合金板には、Fe、Si、Mn、Cu、Mg、Cr、Zn、Bi、Ni、及びTi等の各種微量金属元素が含まれていてもよい。
金属基材14上に形成される絶縁層16は、電気絶縁性とハンドリング時の機械衝撃による損傷を防止するためのものであり、例えば、陽極酸化膜(アルミニウム陽極酸化膜(アルミナ膜))により構成される。絶縁層16としては、特に制限的ではないが、金属基材14がAl基板又は複合Al基板である場合には、Al基板又は複合Al基板を陽極酸化することによりその表面に形成された陽極酸化膜であるのが好ましい。なお、Al基板又は複合Al基板の陽極酸化は、Al基板又は複合Al基板を陽極とし、陰極と共に電解液に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加して電解処理することにより実施できる。
なお、絶縁層16となる陽極酸化膜は、金属基材14となるAl基板や複合Al基板のAl層の片側表面に形成されていればよいが、Al基板や2枚のAl板で挟んだクラッド板の場合には、光電変換層24の形成工程等において、Al層と陽極酸化膜との熱膨張係数差に起因した反りや陽極酸化膜に発生するクラック等を抑制するために、両側のAl層表面に陽極酸化膜を設けるのが好ましい。
また、こうして形成される絶縁層16の厚さ、すなわち、陽極酸化膜の厚さは、特に制限的ではないが、絶縁性とハンドリング時の機械衝撃による損傷等を防止する表面硬度を有しておれば良いが、絶縁層16の厚さが過度に厚い場合、可撓性が低下する等、可撓性の観点で問題を生じる場合がある。更には、絶縁層16の形成に要するコスト、時間がかかるため好ましくない。このことから、絶縁層16の厚さは5μm以上が好ましく、10μm以上が更に好ましい。現実的には、絶縁層16の厚さは、最大50μm以下、好ましくは30μm以下である。このため、絶縁層16の好ましい厚さは、0.5〜50μmである。絶縁層16の厚さの制御は定電流電解や定電圧電解とともに、電解時間により制御することができる。
また、絶縁層16の種類としては、Alの陽極酸化被膜以外に、Si、Ca、Zn、B、P、Ti等の元素を含んだガラスなどの各種酸化物層を蒸着、ゾルゲル法等の各種方法で形成したものであっても良い。さらには、絶縁層16は、陽極酸化膜に限定されるものではなく、例えば、蒸着法、スパッタ法、CVD法により形成されたものであってもよい。
なお、基板12は、金属基材14および絶縁層16のいずれも可撓性を有するもの、すなわち、フレキシブルなものとすることにより、基板12全体として、フレキシブルなものになる。これにより、例えば、ロール・ツー・ロール方式を利用することができる。
基板12はポリイミドのような一層のフレキシブルな絶縁材料でも良く、ガラスのような可撓性の小さい絶縁材料でも良い。可撓性のない絶縁材料の場合、製造には枚葉方式を使う。
基板12において、金属基材はAl基板に限定されるものではなく、陽極酸化により表面、裏面に生成される金属酸化膜が絶縁体である材料を利用することができる。具体的には、金属基材として、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)ならびにそれらの合金等を用いることができる。コスト、および薄膜太陽電池に要求される特性の観点から、金属基材として、Al基材を用いることが最も好ましい。
裏面電極22は、例えば、Mo、Cr、またはW、およびこれらを組合わせたものにより構成される。この裏面電極22は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。裏面電極22は、Moで構成することが好ましい。
また、裏面電極22の形成方法は、特に制限されるものではなく、例えば、電子ビーム蒸着法、スパッタ法等の気相成膜法により形成することができる。
裏面電極22は、一般的に厚さが800nm程度であるが、裏面電極22は、厚さが400nm〜1000nm(1μm)であることが好ましい。このように裏面電極22の膜厚を一般的なものよりも薄くすることにより、裏面電極22の材料費を削減でき、さらには裏面電極22の形成速度も速くすることができる。
バッファ層26は、透明電極30の形成時の光電変換層24を保護すること、透明電極30に入射した光を光電変換層24まで透過させるために形成されたものである。
バッファ層26は、例えば、CdS、ZnS、ZnO、ZnMgO、又はZnS(O、OH)およびこれらの組み合わせたものにより構成される。
バッファ層26は、その厚さが、0.03〜0.1μmであることが好ましい。また、このバッファ層26は、例えば、CBD(ケミカルバスデポジション)法、溶液成長法等により形成される。
i型のAZO層28は、Alがほとんど含まれていないZnOで構成される。このi型のAZO層28があることにより、光励起された電子、ホールの再結合が阻害され、発電効率向上に寄与する。
透明電極30は、例えば、Al、B、Ga、In等がドープされたZnO、AZO(Al:ZnO)、ITO(インジウム錫酸化物)またはSnOおよびこれらを組み合わせたものにより構成される。この透明電極30は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。また、透明電極30の厚さは、特に制限されるものではなく、0.3〜1μmが好ましい。
また、透明電極30の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタ法等の気相成膜法により形成することができる。
なお、透明電極30上に、MgF等の反射防止膜が形成されていても良い。
また、絶縁層40は、例えば、感光材料を用いて形成されるものである。この絶縁層40は、例えば、絶縁性インクをインクジェット法により打滴し、その後、熱硬化処理、光硬化処理等の処理を施すことにより形成されるものである。絶縁性インクとしては、例えば、絶縁インクIJPR(太陽インキ)、インクジェット対応ポリイミドインク リクソンコート(JNC)、インクジェット対応UV硬化インク リクソンコート(JNC)、絶縁インクDPEI(ダイセル化学工業)を用いることができる。
また、導電層42は、例えば、導電性インクをインクジェット法により絶縁層40を覆うようにして打滴し、その後、熱硬化処理、光硬化処理等の処理を施すことにより形成されるものである。導電性インクとしては、例えば、銀ペースト(NPS−J(品番、ハリマ化成社製)、透明導電性インク(ClearOhm(登録商標)(JNC)、銀ナノインク(ダイセル化学工業)、Cabot Conductive Ink CCI−300を用いることができる。
次に、光電変換層24について説明する。
光電変換層24は、透明電極30およびバッファ層26を通過して到達した光を吸収して電流が発生する層であり、光電変換機能を有する。本実施形態において、光電変換層24の構成は、特に制限されるものではなく、例えば、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体が主成分である。また、光電変換層24は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体を主成分とするものであってもよい。
さらに光吸収率が高く、高い光電変換効率が得られることから、光電変換層24は、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、Al、GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、S、Se、およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体を主成分とすることが好ましい。この化合物半導体としては、CuAlS、CuGaS、CuInS、CuAlSe、CuGaSe、CuInSe(CIS)、AgAlS、AgGaS、AgInS、AgAlSe、AgGaSe、AgInSe、AgAlTe、AgGaTe、AgInTe、Cu(In1−xGa)Se(CIGS)、Cu(In1−xAl)Se、Cu(In1−xGa)(S、Se)、Ag(In1−xGa)Se、およびAg(In1−xGa)(S、Se)等が挙げられる。
光電変換層24は、CuInSe(CIS)、および/又はこれにGaを固溶したCu(In、Ga)Se(CIGS)を含むことが特に好ましい。CISおよびCIGSはカルコパイライト結晶構造を有する半導体であり、光吸収率が高く、高い光電変換効率が報告されている。また、光照射等による効率の劣化が少なく、耐久性に優れている。
光電変換層24には、所望の半導体導電型を得るための不純物が含まれる。不純物は隣接する層からの拡散、および/又は積極的なドープによって、光電変換層24中に含有させることができる。光電変換層24中において、I−III−VI族半導体の構成元素および/又は不純物には濃度分布があってもよく、n型、p型、およびi型等の半導体性の異なる複数の層領域が含まれていても構わない。
例えば、CIGS系においては、光電変換層24中のGa量に厚み方向の分布を持たせると、バンドギャップの幅/キャリアの移動度等を制御でき、光電変換効率を高く設計することができる。
光電変換層24は、I−III−VI族半導体以外の1種又は2種以上の半導体を含んでいてもよい。I−III−VI族半導体以外の半導体としては、GaAs等のIIIb族元素およびVb族元素からなる半導体(III−V族半導体)、およびCdTe等のIIb族元素およびVIb族元素からなる半導体(II−VI族半導体)等が挙げられる。光電変換層24には、特性に支障のない限りにおいて、半導体、所望の導電型とするための不純物以外の任意成分が含まれていても構わない。
また、光電変換層24中のI−III−VI族半導体の含有量は、特に制限されるものではない。光電変換層24中のI−III−VI族半導体の含有量は、75質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が特に好ましい。
なお、本実施形態における元素の族の記載は、短周期型周期表に基づくものである。
光電変換層24を構成するCIGS層の成膜方法としては、1)多源同時蒸着法、2)セレン化法、3)スパッタ法、4)ハイブリッドスパッタ法、および5)メカノケミカルプロセス法等が知られている。
1)多源同時蒸着法としては、
3段階法(J.R.Tuttle et.al,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.,Vol.426(1996)p.143.等)と、ECグループの同時蒸着法(L.Stolt et al.:Proc.13th ECPVSEC(1995,Nice)1451.等)とが知られている。
前者の3段階法は、高真空中で最初にIn、Ga、及びSeを基板温度300℃で同時蒸着し、次に500〜560℃に昇温してCu及びSeを同時蒸着後、In、Ga、及びSeをさらに同時蒸着する方法である。後者のECグループの同時蒸着法は、蒸着初期にCu過剰CIGS、後半でIn過剰CIGSを蒸着する方法である。
CIGS膜の結晶性を向上させるため、上記方法に改良を加えた方法として、
a)イオン化したGaを使用する方法(H.Miyazaki, et.al, phys.stat.sol.(a),Vol.203(2006)p.2603.等)、
b)クラッキングしたSeを使用する方法(第68回応用物理学会学術講演会 講演予稿
集(2007秋 北海道工業大学)7P−L−6等)、
c)ラジカル化したSeを用いる方法(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集
(2007春 青山学院大学)29P−ZW−10等)、
d)光励起プロセスを利用した方法(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007春 青山学院大学)29P−ZW−14等)等が知られている。
2)セレン化法は2段階法とも呼ばれ、最初にCu層/In層または(Cu−Ga)層/In層等の積層膜の金属プリカーサをスパッタ法、蒸着法、または電着法などで成膜し、これをセレン蒸気またはセレン化水素中で450〜550℃程度に加熱することにより、熱拡散反応によってCu(In1−xGa)Se等のセレン化合物を生成する方法である。この方法を気相セレン化法と呼ぶ。このほか、金属プリカーサ膜の上に固相セレンを堆積し、この固相セレンをセレン源とした固相拡散反応によりセレン化させる固相セレン化法がある。
セレン化法においては、セレン化の際に生ずる急激な体積膨張を回避するために、金属プリカーサ膜に予めセレンをある割合で混合しておく方法(T.Nakada et.al,, Solar Energy Materials and Solar Cells 35(1994)209-214.等)、及び金属薄層間にセレンを挟み(例えば、Cu層/In層/Se層…Cu層/In層/Se層と積層する)多層化プリカーサ膜を形成する方法(T.Nakada et.al,, Proc. of 10th European Photovoltaic Solar Energy Conference(1991)887-890. 等)が知られている。
また、グレーデッドバンドギャップCIGS膜の成膜方法として、最初にCu−Ga合金膜を堆積し、その上にIn膜を堆積し、これをセレン化する際に、自然熱拡散を利用してGa濃度を膜厚方向で傾斜させる方法がある(K.Kushiya et.al, Tech.Digest 9th Photovoltaic Science and Engineering Conf. Miyazaki, 1996,pp. 143-144)。
3)スパッタ法としては、
CuInSe多結晶をターゲットとした方法、CuSeとInSeをターゲットとし、スパッタガスにHSe/Ar混合ガスを用いる2源スパッタ法(J.H.Ermer,et.al, Proc.18th IEEE Photovoltaic Specialists Conf.(1985)1655-1658.等)、および
Cuターゲットと、Inターゲットと、SeまたはCuSeターゲットとをArガス中でスパッタする3源スパッタ法(T.Nakada,et.al, Jpn.J.Appl.Phys.32(1993)L1169-L1172.等)が知られている。
4)ハイブリッドスパッタ法としては、前述のスパッタ法において、CuとIn金属は直流スパッタで、Seのみは蒸着とするハイブリッドスパッタ法(T.Nakada,et.al., Jpn.Appl.Phys.34(1995)4715-4721.等)が知られている。
5)メカノケミカルプロセス法は、CIGSの組成に応じた原料を遊星ボールミルの容器に入れ、機械的なエネルギーによって原料を混合してCIGS粉末を得、その後、スクリーン印刷によって基板上に塗布し、アニールを施して、CIGSの膜を得る方法である(T.Wada et.al, Phys.stat.sol.(a), Vol.203(2006)p2593等)。
その他のCIGS成膜法としては、スクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、及びスプレー法(ウェット成膜法)などが挙げられる。例えば、スクリーン印刷法(ウェット成膜法)またはスプレー法(ウェット成膜法)等で、Ib族元素、IIIb族元素、及びVIb族元素を含む微粒子膜を基板上に形成し、熱分解処理(この際、VIb族元素雰囲気での熱分解処理でもよい)を実施するなどにより、所望の組成の結晶を得ることができる(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報等)。
本実施形態においては、集積型のCIGS系薄膜型光電変換層を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。太陽電池セルの光電変換層としては、例えば、CIS系薄膜型光電変換層、アモルファスシリコン(a−Si)系薄膜型光電変換層、タンデム構造系薄膜型光電変換層(a−Si/a−SiGeタンデム構造光電変換層)、直列接続構造(SCAF)系薄膜型光電変換層(a−Si直列接続構造光電変換層)、CdTe(カドミウム・テルル)系薄膜型光電変換層、薄膜シリコン系薄膜型光電変換層、色素増感系薄膜型光電変換層、または有機系薄膜型光電変換層であってもよい。
更には、透明な基板を使用する場合、裏面電極に透明電極を利用し、光電変換層の後に不透明な電極を使う構成のスーパーストレート構造と呼ばれるものであってもよい。基板側の裏面電極が不透明で光電変換層の上に形成される電極が透明な構造のサブストレート型と呼ばれるものであってもよい。さらには、両方の電極共に透明な構造の両面型と呼ばれるものであってもよい。
例えば、タンデム構造系薄膜型光電変換層(a−Si/a−SiGeタンデム構造光電変換層)を用いる場合には、例えば、裏面電極22として、Ag(銀)及びZnOが積層された電極を、透明電極30としてITOを用い、光電変換層24として、例えば、n型半導体層、微結晶シリコンやアモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiGe)等の真性半導体層、p型半導体層が積層され、さらにその上に、n型半導体層、アモルファスシリコン(a−Si)等の真性半導体層、p型半導体層が積層された光電変換層を用いることができる。
また、CdTe系薄膜型光電変換層を用いる場合には、光電変換層24として、例えば、CdTe(カドミウム・テルル)型と呼ばれる光電変換層を用いる。
本実施形態の薄膜太陽電池10においては、開口溝部32を設けて隣接する太陽電池セルを電気的に接続する構成とすることにより、単位面積当たりの太陽電池セルの面積を大きくすることができ、薄膜太陽電池10の発電効率を向上させることができる。
また、開口溝部32において露出された裏面電極22にストッパ部36を設け、絶縁層40および導電層42を用いて隣接する太陽電池セルを電気的に接続する構成とすることにより、薄膜太陽電池10の構成を簡素化することができる。
なお、薄膜太陽電池の構成は、図1に示す薄膜太陽電池10の構成に限定されるものではない。例えば、図4(d)に太陽電池セル20aと太陽電池セル20bとの接続の要部を示す第1の変形例のように、図1に示す薄膜太陽電池10に比して、ストッパ部36の位置を太陽電池セル20aに近づけてもよい。この場合、絶縁層40は、分離溝34およびストッパ部36で規制される。また、導電層42は、ストッパ部36を超えて、太陽電池セル20bの裏面電極22に接続される。
さらには、図5(d)に太陽電池セル20aと太陽電池セル20bとの接続の要部を示す第2の変形例のように、図1に示す薄膜太陽電池10に比して、分離溝34の幅を広げ、ストッパ部36の位置を太陽電池セル20bの裏面電極22の端部に設けてもよい。この場合、絶縁層40は側面αを覆うとともに分離溝34内に形成され、導電層42も、分離溝34内に形成され、太陽電池セル20bの裏面電極22とは端面で接する。なお、導電層42は、ストッパ部36を超えて、太陽電池セル20bの裏面電極22に接続されことが好ましい。
次に、本実施形態の薄膜太陽電池10の製造方法について、図3(a)〜(d)に基づいて説明する。
まず、所定の大きさの基板12を用意する。この基板12は、例えば、金属基材14がAlで構成され、絶縁層16がアルミニウムの陽極酸化膜で構成されるものである。
図3(a)に示すように、基板12の表面に、例えば、成膜装置を用いてDCスパッタ法により、裏面電極22となる裏面電極層60として、例えば、Mo膜を400nm〜1000nmの厚さに形成する。
次に、裏面電極層60上に、例えば、光電変換層24となるCIGS層62(Cu(In,Ga)Se層)を真空成膜法により形成する。
次に、CIGS層62上に、例えば、バッファ層26となるCdS層64(n型半導体層)を、例えば、厚さ0.03〜0.1μmに、CBD(ケミカルバスデポジション)法により形成する。
次に、CdS層64(バッファ層26)上にi型のAZO層66を、例えば、厚さ5〜20nmに、RFスパッタ法により形成する。次に、透明電極30となる透明電極層68(電極層)として、例えば、AZO層を、DCスパッタ法により、例えば、厚さ800nmに形成する。これにより、積層体Sが得られる。
積層体Sにおいては、CdS層64以外は、いずれも真空中で成膜することができる。裏面電極層60およびCIGS層62は大気開放することなく真空中で連続的に形成することができ、i型のAZO層66および透明電極層68も、大気開放することなく真空中で連続的に形成することができる。これにより、大気開放等が不要となり製造工程を簡略化でき、しかも、生産効率を高くできる。
次に、図3(b)に示すように、開口溝部32の形成予定領域に積層体Sの一部が残るように、レーザースクライブ法またはメカニカルスクライブ法により、積層体Sに対して透明電極層68の表面から裏面電極層60の表面に達する第1の溝32aを形成するとともに、この第1の溝32aと所定の間隔をあけて第2の溝32bを形成する。これにより、開口溝部32が形成され、ストッパ部36が形成されるとともに、裏面電極層60が露出される。この場合、第1の溝32aの幅を第2の溝32bよりも広くすることが好ましい。
次に、図3(c)に示すように、第1の溝32a(凹部)の裏面電極層60の少なくとも一部を、レーザースクライブ法またはメカニカルスクライブ法により除去し、裏面電極層60に、分離溝34を形成する。分離溝34により、基板12の絶縁層16が露出され、絶縁性基板12に達する溝が形成される。これにより、裏面電極層60が互いに分離されて裏面電極22が形成され、2つの太陽電池セル20a、20bが得られる。
次に、例えば、インクジェット法を用いて、絶縁層40となる絶縁性インクを太陽電池セル20aにおける光電変換層24、バッファ層26、i型のAZO層28および透明電極30の開口溝部32側の側面αを覆うように打滴する。この場合、分離溝34が絶縁性インクの濡れ広がりを抑制する。このため、太陽電池セル20b側の側面βに絶縁性インクが接触することが抑制される。これにより、太陽電池セル20a、20bのショート(短絡)が防止される。
次に、絶縁性インクに応じた熱硬化処理、光硬化処理を施す。これにより、絶縁層40が形成される。太陽電池セル20aの側面αの絶縁層40により、太陽電池セル20aの内部リーク電流の発生が防止される。
次に、図3(d)に示すように、例えば、インクジェット法を用いて、導電層42となる導電性インクを、絶縁層40を覆うようにして、太陽電池セル20aの透明電極30から、第1の溝32a内にある太陽電池セル20bの裏面電極22に及ぶ範囲に打滴する。この場合、導電性インクは、第1の溝32a内に打滴されるため、ストッパ部36により第2の溝32bに広がることが抑制され、太陽電池セル20bの側面βに接触することはない。これにより、太陽電池セル20bの内部リーク電流の発生が防止される。
次に、導電性インクに応じた熱硬化処理、光硬化処理を施す。これにより、太陽電池セル20aの透明電極30と太陽電池セル20bの裏面電極22とを電気的に接続する導電層42が形成される。このようにして、集積化工程を行い、図1に示すように複数の太陽電池セル20a〜20dが接続された集積化構造を有する薄膜太陽電池10を製造することができる。
なお、絶縁層40は、図2(a)に示すように幅方向Wの全域形成するものであってもよく、図2(b)に示すように幅方向Wの全域に設けることなく、幅方向Wで、複数、例えば、3箇所絶縁層40aを形成するものであってよい。
本実施形態の製造方法においては、太陽電池セルを構成する各層を有する積層体Sを形成した後、開口溝部32およびストッパ部36を形成して、太陽電池セルに分離し、各太陽電池セルを接続することにより、集積化構造を少ない工程で実現することができ、これにより、生産効率を高くすることができる。
次に、本実施形態の薄膜太陽電池の第1の変形例の製造方法について、図4(a)〜(d)に基づいて説明する。なお、図4(a)に示す積層体Sは、図3(a)に示す積層体Sと同じ製造方法で製造したものであるため、その詳細な説明は省略する。このため、図4(b)の工程から説明する。
図4(b)に示すように、開口溝部32の形成予定領域に積層体Sの一部が残るように、レーザースクライブ法またはメカニカルスクライブ法により、積層体Sに対して透明電極層68の表面から裏面電極層60の表面に達する第1の溝32aを形成するとともに、この第1の溝32aと所定の間隔をあけて第2の溝32bを形成する。これにより、開口溝部32が形成され、ストッパ部36が形成されるとともに、裏面電極層60が露出される。この場合、第2の溝32bの幅を第1の溝32aよりも広くする。
次に、図4(c)に示すように、第1の溝32a(凹部)の裏面電極層60を、レーザースクライブ法またはメカニカルスクライブ法により除去し、分離溝34を形成する。分離溝34により、基板12の絶縁層16が露出され、絶縁性基板12に達する溝が形成される。これにより、裏面電極層60が互いに分離されて裏面電極22が形成され、2つの太陽電池セル20a、20bが得られる。
次に、例えば、インクジェット法を用いて、絶縁層40となる絶縁性インクを太陽電池セル20aにおける光電変換層24、バッファ層26、i型のAZO層28および透明電極30の開口溝部32側の側面αを覆うように打滴する。この場合、分離溝34およびストッパ部36により絶縁性インクの濡れ広がりが抑制される。
次に、絶縁性インクに応じた熱硬化処理、光硬化処理を施す。これにより、絶縁層40が形成される。
次に、図4(d)に示すように、例えば、インクジェット法を用いて、導電層42となる導電性インクを、絶縁層40を覆うようにして、太陽電池セル20aの透明電極30から、ストッパ部36を超えて第2の溝32b内にある太陽電池セル20bの裏面電極22に及ぶ範囲に打滴する。この場合、第2の溝32bは第1の溝32aよりも広いため、導電性インクは太陽電池セル20bの側面βまで広がることが抑制され、太陽電池セル20bの側面βに接触することはない。これにより、太陽電池セル20bの内部リークが防止される。
次に、導電性インクに応じた熱硬化処理、光硬化処理を施す。これにより、太陽電池セル20aの透明電極30と太陽電池セル20bの裏面電極22とを電気的に接続する導電層42が形成される。導電層42はストッパ部36を超えて太陽電池セル20bの裏面電極22に接続される。このようにしても、集積化工程を実施でき、図1に示すような複数の太陽電池セル20a〜20dが接続された集積化構造を有する薄膜太陽電池10を製造することができる。
なお、第1の変形例においても、絶縁層40は、図2(a)に示すように幅方向Wの全域形成するものであってもよく、図2(b)に示すように幅方向Wの全域に設けることなく、幅方向Wで、例えば、3箇所絶縁層40aを形成するものであってよい。
次に、本実施形態の薄膜太陽電池の第2の変形例の製造方法について、図5(a)〜(d)に基づいて説明する。なお、図5(a)に示す積層体Sは、図3(a)に示す積層体Sと同じ製造方法で製造したものであるため、その詳細な説明は省略する。このため、図5(b)の工程から説明する。
図5(b)に示すように、開口溝部32の形成予定領域に積層体Sの一部が残るように、レーザースクライブ法またはメカニカルスクライブ法により、積層体Sに対して透明電極30の表面から絶縁性基板12の絶縁層16に達する第1の溝32cを形成するとともに、この第1の溝32cと所定の間隔をあけて第2の溝32bを形成する。これにより、開口溝部32が形成され、ストッパ部36が形成されるとともに、裏面電極22が形成され、2つの太陽電池セル20a、20bが得られる。この場合、第1の溝32cの幅を第2の溝32bよりも広くする。
次に、図5(c)に示すように、例えば、インクジェット法を用いて、絶縁層40となる絶縁性インクを太陽電池セル20aにおける光電変換層24、バッファ層26、i型のAZO層28および透明電極30の開口溝部32側の側面αを覆うように打滴する。この場合、第1の溝32cの幅が広いため、絶縁性インクが濡れ広がっても、太陽電池セル20bの裏面電極22に接触することが抑制される。
次に、絶縁性インクに応じた熱硬化処理、光硬化処理を施す。これにより、絶縁層40が形成される。
次に、図5(d)に示すように、例えば、インクジェット法を用いて、導電層42となる導電性インクを、絶縁層40を覆うようにして、太陽電池セル20aの透明電極30から第1の溝32c内面にある太陽電池セル20bの裏面電極22に及ぶ範囲に打滴する。この場合、導電層42の接触面積を大きくするため、導電性インクは、ストッパ部36を超えて第2の溝32b内の太陽電池セル20bの裏面電極22にまで打滴することが好ましい。
次に、導電性インクに応じた熱硬化処理、光硬化処理を施す。これにより、太陽電池セル20aの透明電極30と太陽電池セル20bの裏面電極22とを電気的に接続する導電層42が形成される。このようにしても、集積化工程を実施でき、図1に示すような複数の太陽電池セル20a〜20dが接続された薄膜太陽電池10を製造することができる。
なお、第2の変形例においても、絶縁層40は、図2(a)に示すように幅方向Wの全域形成するものであってもよく、図2(b)に示すように幅方向Wの全域に設けることなく、幅方向Wで、例えば、3箇所絶縁層40aを形成するものであってよい。
なお、上述のいずれの製造方法においても、ストッパ部36を、CIGS層62により構成したが、これに限定されるものではない。例えば、積層体Sにおいて、CIGS層62よりも上層に積層されているCdS層64、i型のAZO層66および透明電極層68を有するものであってもよい。
なお、レーザスクライビングに用いられるレーザビームは、例えば、パルス発振されたものである。このとき、除去部端が盛り上がらないために、レーザビームのパルス幅は100ns以下が好ましく、より好ましくは40ns以下である。レーザスクライビングに用いられるレーザビームは、波長が1.06μmでパルス幅が40ns以下のレーザダイオード励起によるNd:YAGレーザまたはNd:YVOレーザを用いることができる。
更に、レーザスクライビングに用いられるレーザビームには、レーザ結晶にNd:YAG、Nd:YVOを用いたレーザダイオード励起によるレーザの高調波(第2高調波(波長が約0.53μm)、第3高調波(波長が約0.355μm))を用いることもできる。
なお、メカニカルスクライビングには、メカニカルスクライビングに用いられる公知の装置を利用することができる。
本実施形態において、積層体Sを形成する場合、例えば、裏面電極層60、CIGS層62(光電変換層62)、CdS層64(バッファ層26)、i型のAZO層66および透明電極層68(透明電極30)は、ロールトゥーロール方式および枚葉式を組み合わせて形成することができる。
例えば、絶縁性基板12上に裏面電極層60およびCIGS層62(光電変換層62)をロールトゥーロール方式形成した後、絶縁性基板12を所定の大きさに切断し、CdS層64(バッファ層26)、i型のAZO層66および透明電極層68(透明電極30)の形成を枚葉式で実施する。
また、例えば、絶縁性基板12上に裏面電極層60、CIGS層62(光電変換層62)およびCdS層64(バッファ層26)をロールトゥーロール方式形成した後、絶縁性基板12を所定の大きさに切断し、i型のAZO層66および透明電極層68(透明電極30)の形成を枚葉式で実施する。
さらには、例えば、絶縁性基板12上に裏面電極層60、CIGS層62(光電変換層62)、CdS層64(バッファ層26)、i型のAZO層66および透明電極層68(透明電極30)をロールトゥーロール方式で形成した後、絶縁性基板12を所定の大きさに切断し、上述の集積化工程を枚葉式で実施する。
なお、絶縁性基板12に、フレキシブル基板を使用しない場合、すべての工程は枚用式で行う。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の薄膜太陽電池およびその製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 薄膜太陽電池
12 基板
14 基材
16 絶縁層
20a〜20d 太陽電池セル
22 裏面電極
24 光電変換部
26 バッファ層
28 i型のAZO層
30 透明電極
32 開口溝部
34 分離溝
36 ストッパ部
40 絶縁層
42 導電層
S 積層体

Claims (19)

  1. 絶縁性基板と、
    前記絶縁性基板上に形成され、開口溝部を挟んで電気的に直列接続された複数の太陽電池セルとを有し、
    前記太陽電池セルは、
    裏面電極と、
    前記裏面電極上に形成され、受光した光を電気に変換する光電変換層と、
    前記光電変換層上に形成された電極とを備え、
    前記複数の太陽電池セルは、各太陽電池セルの前記電極が、隣接する太陽電池セルの裏面電極に導電層により電気的に接続されることにより、直列接続されており、
    前記裏面電極に前記導電層が接続される太陽電池セルは、前記開口溝部に前記裏面電極が露出し、前記裏面電極の露出部にストッパ部が設けられており、
    前記導電層が前記電極に接続される太陽電池セルは、前記光電変換層および前記電極の前記開口溝部側の側面が絶縁層に覆われ、前記絶縁層は前記ストッパ部で規制されており、
    前記導電層は、前記絶縁層を覆うようにして設けられていることを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 前記ストッパ部は、前記光電変換層および前記電極の順で積層されたもののうち、少なくとも前記光電変換層で構成される請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 前記導電層は、前記ストッパ部を超えて前記隣接する太陽電池セルの前記裏面電極と接続される請求項1または2に記載の薄膜太陽電池。
  4. 前記絶縁層は、感光性材料により構成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池。
  5. 前記太陽電池セルは、前記太陽電池セルの配列方向と直交する方向に延在するものであり、前記絶縁層および前記導電層は、前記延在方向において少なくとも一部に設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池。
  6. 前記光電変換層は、CIS系薄膜型光電変換層、CIGS系薄膜型光電変換層、薄膜シリコン系薄膜型光電変換層、CdTe系薄膜型光電変換層、III−V属系薄膜型光電変換層、色素増感系薄膜型光電変換層、および有機系薄膜型光電変換層のいずれか1つの薄膜型光電変換層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池。
  7. 前記光電変換層は、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体が主成分である請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池。
  8. 前記光電変換層は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種が主成分である請求項7に記載の薄膜太陽電池。
  9. 前記Ib族元素は、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種であり、
    前記IIIb族元素は、Al,Ga及びInからなる群より選択された少なくとも1種であり、
    前記VIb族元素は、S,Se,及びTeからなる群から選択された少なくとも1種である請求項8に記載の薄膜太陽電池。
  10. 前記絶縁性基板は、陽極酸化処理されたアルミニウム基板からなり、絶縁層が陽極酸化膜で構成される請求項1〜9のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池。
  11. 前記アルミニウム基板は、複合材料からなる複合アルミニウム基板である請求項10に記載の薄膜太陽電池。
  12. 前記複合アルミニウム基板は、鋼板を2枚のアルミニウム板で挟んだクラッド板、またはステンレス板とアルミニウム板とのクラッド板である請求項11に記載の薄膜太陽電池。
  13. 絶縁性基板上に形成され、開口溝部を挟んで電気的に直列接続された複数の太陽電池セルを有し、前記太陽電池セルは、裏面電極と光電変換層と電極とを備えており、前記複数の太陽電池セルは、各太陽電池セルの前記電極が、隣接する太陽電池セルの裏面電極に導電層により電気的に接続されることにより、直列接続されている薄膜太陽電池の製造方法であって、
    前記絶縁性基板上に前記裏面電極を形成し、前記裏面電極層上に前記光電変換層を形成し、前記光電変換層上に前記電極を形成して積層体を得る工程と、
    前記積層体において、前記開口溝部となる領域に前記積層体の一部が残るように、前記絶縁性基板に達する溝を含む2つの溝を所定の間隔を設けて形成し、前記開口溝部を形成する工程とを有することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  14. さらに、前記絶縁性基板に達する溝の少なくとも側壁に絶縁層を、前記残された積層体の一部をストッパ部として形成する工程と、
    前記絶縁層を覆うようにして、前記絶縁性基板に達する溝が形成された側の電極と他方の溝の裏面電極とを電気的に接続する導電層を形成する工程とを有する請求項13に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  15. 前記絶縁性基板に達する溝は、前記裏面電極層に達する凹部が形成された後、前記凹部の底部の前記裏面電極層の少なくとも一部を取り除くことにより形成される請求項13または14に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  16. 前記2つ溝の形成には、レーザースクライブまたはメカニカルスクライブが用いられる請求項13〜15のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  17. 前記絶縁層および前記導電層は、インクジェット法を用いて形成される請求項13〜16のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  18. 前記2つの溝が並設する方向と直交する方向に前記2つの溝は延在するものであり、前記絶縁層および前記導電層は、前記延在方向において少なくとも一部に設けられている請求項13〜17のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  19. 前記裏面電極層、前記光電変換層および前記電極層は、ロールトゥーロール方式および枚葉式を組み合わせて形成される請求項13〜18のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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