JP2011154804A - ケーブルコネクタ - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、ケーブルコネクタに関し、従来のケーブルコネクタにおいて一体成形時の樹脂の流れ込みを阻止するとともに、コネクタ全体の外形形状が大きくならないようにすることが課題であって、それを解決することである。
【解決手段】絶縁体６と、該絶縁体に設けられた端子用貫通孔に嵌合される接続用端子５と、該接続用端子の基部に先端部が圧着されるケーブル２２と、前記絶縁体とケーブルとを一体に成形するブッシュ２５となるケーブルコネクタにおいて、前記ケーブルの先端部と前記接続用端子との間の位置であって前記絶縁体の内側に配設され、一体成形用の合成樹脂がケーブル先端から接続端子の先端側へ流れ込まないように侵入阻止する、ストッパー２を設けたケーブルコネクタ１とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、ケーブルコネクタに係り、詳しくはケーブル引張強度を高め液密性を確保するため、端子に接続されているケーブルをブッシュで一体成形する際に、成形樹脂の流れ込みを防止するようにした構造に関するものである。

従来、ケーブルコネクタは、特許文献１に示すように、機器部材の貫通口荷に液密に装着される貫通するブッシュと、該貫通ブッシュに接続され内部にケーブルの導線と結線された端子を有する防水コネクタとでなるものが知られている。このような組立によるケーブルコネクタでは、例えば経年変化により液密性（防水性）を確保し維持することが困難であることが多い。そこで、図７乃至図８に示すように、ケーブルコネクタ２０として絶縁母体（Ｂ）２１及び絶縁体（Ａ）２１ａと、ケーブル２２とを合成樹脂製のブッシュ２５で一体に成形することが行われている。

例えば、図７（Ａ），（Ｂ）に示すように、絶縁母体２１と絶縁体（Ａ）２１ａとがあり、その絶縁体（Ａ）２１ａにおいて前後（嵌合）方向に貫通して格子状に穿設された端子用組込孔２１ｂがある。この組込孔２１ｂに、ケーブル２２の端部に圧着部２３ｂで接続された金属製の接続用端子２３が嵌合される。そして、前記絶縁体（Ａ）２１ａに前記ケーブル２２に接続された接続用端子２３が圧入されて組み込まれ、該絶縁体（Ａ）２１ａに前記絶縁母材２１を被せて嵌合させ、そして、これらを金型内に収めて、絶縁母体２１とケーブル２２とにブッシュ２５が一体成形される。なお、符号２５ａは取付孔、符号２６はケーブル２２，２２，…の外皮をそれぞれ示している。

実開昭６２−５７３９０号公報

しかし、上記のケーブルコネクタ２０においても、図７（Ｂ）に示すように、一体成形加工時に樹脂が端子組込孔２１ｂから流れ込み（符号２４で示す）、電気的接触部まで到達して電気的導通の障害となるおそれがある。また、接続用端子２３等の部品が一体成形加工時の成形圧力に押されて変形したりズレたりしたりするおそれがあり、コネクタ嵌合に支障が出ることがある。

そこで、図９（Ａ）〜（Ｃ）に示すように、絶縁体の端子用組込孔２１ｂに樹脂が流れ込むのを防止すべく当該端子用組込孔２１ｂを塞ぐ蓋部材（スペーサ）２７を設けることがある。蓋部材２７は、伸縮するゴム板である。図９（Ｃ）に示す手順で蓋部材２７を組み立てる。また、図１０（Ａ）に示すように、成形前に封止材２８を塗布して樹脂の侵入を防止することがある。

しかしながら、このような一体成形時の樹脂侵入対策においては、例えば、図９（Ｂ）に示すように、ケーブル長手方向のα部分だけ、若しくは、図１０（Ｂ）に示すように、β部分だけコネクタの製品形状が大きくなってしまうものであり、更に、図１１に示すように、ケーブル２２の中を水や空気が伝わってコネクタ製品内部まで入り込み（符号２４ａで示す）、気密性や液密性に欠けた製品となることがある。本発明に係るケーブルコネクタは、このような課題を解決するために提案されたものである。

本発明に係るケーブルコネクタの上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、絶縁体と、該絶縁体に設けられた端子用貫通孔に嵌合される接続用端子と、該接続用端子の基部に先端部が圧着されるケーブルと、前記絶縁体とケーブルとを一体に成形するブッシュとなるケーブルコネクタにおいて、前記ケーブルの先端部と前記接続用端子との間の位置であって前記絶縁体の内側に配設され、一体成形用の合成樹脂がケーブル先端から接続端子の先端側へ流れ込まないように侵入阻止する、ストッパーを設けたことである。

前記ストッパーは、端子用貫通孔に嵌合された複数個の接続端子に跨って侵入阻止の作用をするように、各接続端子毎に対応して配設され隣接する各ストッパー部の一部を連結して一体形状にして成形された合成樹脂製の絶縁体であることを含む。
また、前記絶縁体は、外側の外側絶縁筒体と該外側絶縁筒体の内周壁面に摺接して内包され端子用貫通孔が複数個併設された端子用内側絶縁体とで構成され、前記端子用内側絶縁体には、接続方向において中間部に端子用貫通孔に通じる連通部があり、前記ストッパーはこの連通部に差し込まれて嵌合するとともに、前記外側絶縁筒体が前記端子用内側絶縁体に被せられることで当該ストッパーが抜出しできないように固定されることを含むものである。

本発明のケーブルコネクタによれば、接続用端子とケーブル先端部との間にストッパーが存在することで、製品内部にストッパーが取り込まれ製品としてのコネクタの全体サイズを小さくすることができる。また、このストッパーにより接続用端子の先端側への、一体成形時の合成樹脂の流れ込みが無くなり、一体成形条件が安定して生産性が向上する。
また、ストッパーで直接的に接続用端子と端子用内側絶縁体の一部（モールドランス）とを固定することで、一体成形時の成形圧力を抑制し、端子の「変形」及び「ズレ」を防止できるばかりでなく、端子の固定力が向上し端子の抜け防止に貢献する。
更に、一体成形樹脂や封止材でケーブル（芯線）の先端まで覆えるようになり、気密性・液密性が向上し、水や空気の侵入が阻止される等、数々の優れた効果を奏するものである。

本発明に係るケーブルコネクタ１の縦断面図（Ａ）と、横断面図（Ｂ）とである。 同本発明のケーブルコネクタ１における外側絶縁筒体３の、正面図（Ａ）、左右側面図（Ｂ），（Ｃ）、平面図（Ｄ）、底面図（Ｅ）、背面図（Ｆ）である。 同本発明のケーブルコネクタ１における端子用内側絶縁体４の、正面図（Ａ）、左右側面図（Ｂ），（Ｃ）、平面図（Ｄ）、底面図（Ｅ）、背面図（Ｆ）である。 同本発明のケーブルコネクタ１における接続用端子５の、正面図（Ａ）、底面図（Ｂ）、背面図（Ｃ）、平面図（Ｄ）、左右側面図（Ｅ），（Ｆ）である。 同本発明のケーブルコネクタ１において、接続用端子５を端子用内側絶縁体４の貫通孔４ａに嵌合させて、ストッパー２を連通部４ｂに差し込んで嵌合させ、その後、外側絶縁筒体３を前記端子用内側絶縁体４に嵌合させて被せる手順を示す組み立て分解断面図である。 同本発明のケーブルコネクタ１における、ストッパー２を連通部４ｂに差し込んで嵌合させ、その後、外側絶縁筒体３を前記端子用内側絶縁体４に嵌合させて被せる手順を示す組み立て分解斜視図である。 同本発明のケーブルコネクタ１における、一体成形前の状態を示す拡大横断面図である。 従来例に係るコネクタ２０の縦断面図（Ａ）と横断面図（Ｂ）とである。 同従来例に係るコネクタ２０の正面図（Ａ）、側面図（Ｂ）、底面図（Ｃ）である。 同従来例に係るコネクタ２０において、合成樹脂の流れ込みを防止する蓋部材２７を設けた例を示す縦断面図（Ａ）と横断面図（Ｂ）と組立説明用斜視図（Ｃ）とである。 同従来例に係るコネクタ２０において、合成樹脂の流れ込みを防止する封止材２８を設けた例を示す縦断面図（Ａ）と横断面図（Ｂ）とである。 同従来例に係るコネクタ２０において、合成樹脂の流れ込みを防止する封止材２８を設けた例においても、気密性が十分でないことを示す横断面図である。

本発明に係るケーブルコネクタ１は、図１に示すように、コネクタ１の本体である絶縁体６の内部に、一体成形用の合成樹脂が接続用端子５の先端の方に流れ込まないように、ストッパー２を設けるものである。

前記ケーブルコネクタ１の構成は、絶縁体６と、該絶縁体６に設けられた端子用貫通孔４ａに嵌合される接続用端子５と、該接続用端子５の基部（かしめ部）５ｂに先端部が圧着されるケーブル２２と、前記絶縁体６とケーブル２２とを一体に成形するブッシュ２５とからなる。

前記絶縁体６は、図２−Ａに示す外側の外側絶縁筒体３と、図２−Ｂに示す該外側絶縁筒体３の内周壁面に摺接して内包され端子用貫通孔４ａが複数個併設された端子用内側絶縁体４とで構成されている。前記端子用内側絶縁体４には、接続（前後）方向において中間部に端子用貫通孔４ａに通じる連通部４ｂがある。

そして、前記接続用端子５は、図３（Ａ）〜（Ｆ）に示すように、先端側が接続相手側のコンタクトに電気的に接続される電気的接続部５ａであり、連結部５ｃを介してケーブル先端部の固着するためにかしめる基部（かしめ部）５ｂがある。

前記ケーブル２２の先端部と前記接続用端子５との間の位置であって前記絶縁体６の内側に配設され、一体成形用の合成樹脂２５がケーブル２２の先端から接続用端子５の先端側へ流れ込まないように侵入阻止する、ストッパー２を設けている。

前記ストッパー２は、図１−Ａ，図４，図５に示すように、複数個の端子用貫通孔４ａに嵌合された複数個の接続端子５に跨って、一体成形時の合成樹脂の流れ込みに対して侵入阻止の作用をするように、各接続端子５毎に対応して配設され隣接する各ストッパー部２ａの一部２ｂを連結して一体形状にして成形された合成樹脂製の絶縁体である。前記一部２ｂで一体にストッパー２を形成することで、ストッパー部２ａの横方向のズレも防止される。

前記ストッパー２は、前記端子用内側絶縁体４における前記連通部４ｂに差し込まれて嵌合される。これが図６に示す状態である。当該ストッパー２は、接続用端子５の電気的接続部５ａと端子用内側絶縁体４のモールドランス部４ｃとの間に位置する。また、嵌合の結果、このストッパー２のストッパー部２ａが、図３（Ａ），（Ｄ）に示すように、接続用端子５の電気的接続部５ａ，５ａの間に入り込む。

このようなケーブルコネクタ１の組立は、図４乃至図５に示すように、最初に、ケーブル２２の先端に接続用端子５を固着した当該ケーブル２２を端子用内側絶縁体４に嵌合させる。前記接続用端子５を端子用貫通孔４ａに後方から前方に向かってそれぞれ差し込んで圧入し固着させる（図４中の（１）及び図５で示す）。

ストッパー２を上下方向から前記端子用内側絶縁体４の連通部４ｂに差し込む（図４中の（２）で示す）。そして、前記外側絶縁筒体３を前記端子用内側絶縁体４に被せる（図４中の（３）及び図５で示す）。これにより、前記ストッパー２が上下方向に抜出しできないように固定される。

図６が一体成形前のケーブルコネクタ１であり、これを金型にセットして、一体成形を行う。それにより、図１−Ａ及び図１−Ｂに示すような本発明に係るケーブルコネクタ１が出来上がる。図１−Ａ（Ｂ）に示すように、一体成形時の合成樹脂が絶縁体６における端子用内側絶縁体４の後部内側縁部と、ケーブル２２の外周面との隙間から内部に侵入しても、その侵入した合成樹脂２５ｂはストッパー２によって接続用端子５の前方に行くのが阻止される。

また、貫通孔４ａの前方から侵入してケーブル２２の中を水や空気が伝わるのが接続用端子５に気密に固着された前記ストッパー２２によって防止される。更に、ストッパー２２に直接押圧されることで前記接続用端子５の浮き上がりが防止されると共に、成形圧力による変形やズレが防止される。それによって接続用端子５が端子用内側絶縁体４に強く固定されケーブル引き抜きにも強くなるものである。

本発明に係るケーブルコネクタ２２は、ケーブルコネクタに限らず通常の電気コネクタにも広く適用できるものである。

１ ケーブルコネクタ、
２ ストッパー、
３ 外側絶縁筒体、
４ 端子用内側絶縁体、 ４ａ 端子用貫通孔、
４ｂ 連通部、 ４ｃ モールドランス、
５ 接続用端子、 ５ａ 電気的接続部、
５ｂ 基部（かしめ部）、 ５ｃ 連結部、
６ 絶縁体、
２０ 従来例に係るケーブルコネクタ、
２１ 絶縁母体、 ２１ａ 絶縁体（Ａ）、
２１ｂ 端子用組込孔、
２２ ケーブル、
２３ 接続用端子、
２４，２４ａ 樹脂などの流れ込み方向、
２５ ブッシュ、 ２５ａ 取付孔、
２６ ケーブルの外皮、
２７ 蓋部材（スペーサ）、
２８ 封止材、
２９ Ｏリング。

Claims (3)

1. 絶縁体と、該絶縁体に設けられた端子用貫通孔に嵌合される接続用端子と、該接続用端子の基部に先端部が圧着されるケーブルと、前記絶縁体とケーブルとを一体に成形するブッシュとなるケーブルコネクタにおいて、
   前記ケーブルの先端部と前記接続用端子との間の位置であって前記絶縁体の内側に配設され、一体成形用の合成樹脂がケーブル先端から接続端子の先端側へ流れ込まないように侵入阻止する、ストッパーを設けたこと、
   を特徴とするケーブルコネクタ。
2. ストッパーは、端子用貫通孔に嵌合された複数個の接続端子に跨って侵入阻止の作用をするように、各接続端子毎に対応して配設され隣接する各ストッパー部の一部を連結して一体形状にして成形された合成樹脂製の絶縁体であること、
   を特徴とする請求項１に記載のケーブルコネクタ。
3. 絶縁体は、外側の外側絶縁筒体と該外側絶縁筒体の内周壁面に摺接して内包され端子用貫通孔が複数個併設された端子用内側絶縁体とで構成され、
   前記端子用内側絶縁体には、接続方向において中間部に端子用貫通孔に通じる連通部があり、
   前記ストッパーはこの連通部に差し込まれて嵌合するとともに、
   前記外側絶縁筒体が前記端子用内側絶縁体に被せられることで当該ストッパーが抜出しできないように固定されること、
   を特徴とする請求項１乃至２のいずれかに記載のケーブルコネクタ。

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