JP5696376B2 - コネクタ - Google Patents

コネクタ Download PDF

Info

Publication number
JP5696376B2
JP5696376B2 JP2010126752A JP2010126752A JP5696376B2 JP 5696376 B2 JP5696376 B2 JP 5696376B2 JP 2010126752 A JP2010126752 A JP 2010126752A JP 2010126752 A JP2010126752 A JP 2010126752A JP 5696376 B2 JP5696376 B2 JP 5696376B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric wire
rubber plug
displacement
restraining
deformation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010126752A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011253714A (ja
Inventor
吉岡 近弘
近弘 吉岡
康秋 中山
康秋 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2010126752A priority Critical patent/JP5696376B2/ja
Publication of JP2011253714A publication Critical patent/JP2011253714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5696376B2 publication Critical patent/JP5696376B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)

Description

本発明は、コネクタに関するものである。
特許文献1には、導体を絶縁被覆で包囲した形態であって、長さ方向と直角な断面形状が長円形をなす電線が開示されている。このような形状の電線を用いた防水タイプのコネクタとしては、端子金具の後端部に電線を接続し、その端子金具を後方からハウジング内のキャビティに挿入し、電線に外嵌したリング状のゴム栓をキャビティの内周面に密着させることで、電線の外周とキャビティの内周との隙間を液密状にシールする構造のものが考えられる。
実開平5−6539号公報
上記のような防水タイプのコネクタでは、電線のうちハウジング外後方へ導出された部分に対して曲げ方向の外力が作用した場合、電線のうちゴム栓が外嵌されている部分が、電線の長さ方向と交差する方向へ変位し、その変位に伴ってゴム栓が不正な変形を生じ、シール性能が低下することが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シール性能の信頼性低下を防止することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、導体を絶縁被覆で包囲した形態であって、長さ方向と直角な断面形状が略長円形をなす電線と、内部にキャビティが形成され、前記キャビティ内に挿通した前記電線を後方外部へ導出させたハウジングと、前記電線に外嵌され、前記電線の外周と前記キャビティの内周との隙間を液密状にシールするリング状のゴム栓とを備えたコネクタにおいて、前記ゴム栓は合成樹脂製の抑制部材に一体化されて、この抑制部材と共に前記キャビティ内に取付けられるようになっており、前記抑制部材は、前記ゴム栓の後方に配され前記電線を当接させることで前記電線がその長さ方向と交差する方向へ不正に変位するのを抑制可能な変位抑制部と、この変位抑制部から一体に延出され前記電線の外周のうち略直線部に沿うようにして前記ゴム栓内に嵌入されることで、前記ゴム栓の不正な変位を規制可能な変形規制部と、前記変形規制部の前端部において前記変位抑制部と前記ゴム栓を前後から挟むようにして配されて前記電線を当接させることで前記電線がその長さ方向と交差する方向へ不正に変位するのを抑制可能であり、前記抑制部材に一体に設けられた補助抑制部とが備えられている構成としたところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
電線のうちハウジング外の後方へ導出された部分に対して曲げ方向の外力が作用しても、電線の長さ方向と交差する方向への不正な変位は、変位抑制部によって抑えられる。これにより、電線の不正な変位に起因するゴム栓の不正な変形が回避されるので、ゴム栓の不正な変形に起因するシール性能の低下を防止することができる。
また、ゴム栓内に変形規制部を嵌入させるようにしたので、ゴム栓の不正な変形を、直接的に規制することができる。したがって、ゴム栓の不正な変形に起因するシール性能の低下を、より確実に防止することができる。
さらに、電線の外周のうち略直線部と対応する領域では、ハウジングやゴム栓との組付け公差や、電線、ゴム栓、ハウジングの経年劣化による変形等に起因するシール性の低下を生じ易い。この点に鑑み、本発明では、電線の外周のうち略直線部と対応する領域に変形規制部を配したので、シール性の低下を効果的に防止することができる。
さらにまた、変位抑制部と変形規制部とは抑制部材において一体に形成されているため、変位抑制部と変形規制部とを別体に形成する場合に比較して、部品点数が少なくて済む。
また、電線に対して曲げ方向の外力が作用したときに、電線の長さ方向と交差する方向への不正な変位は、ゴム栓の後方だけでなくゴム栓の前方においても抑えられる。これにより、電線の不正な変位に起因するゴム栓の不正な変形が、より確実に回避され、ゴム栓の不正な変形に起因するシール性能の低下を、より確実に防止することができる。
実施形態1のコネクタの縦断面図 水平断面図 背面図 ゴム栓に抑制部材を組み付けた状態の断面図 抑制部材の背面図 抑制部材の平面図 図5のX−X線断面図 参考例1のコネクタの縦断面図 抑制部材の正面図 抑制部材の背面図 図9のY−Y線断面図 ゴム栓の正面図 図12のZ−Z線断面図 フロント部材を構成する第1半割部材の正面図 第1半割部材の側面図 フロント部材を構成する第2半割部材の正面図 第2半割部材の側面図 参考例2のコネクタの縦断面図 参考例のコネクタの縦断面図
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図7を参照して説明する。本実施形態1のコネクタAは、図1、2に示すように、ハウジング10と、電線20と、ゴム栓30と、抑制部材40とを備えて構成されている。
ハウジング10は合成樹脂製であり、図1〜3に示すように、ハウジング10の内部には前後方向に貫通する複数のキャビティ11が形成されている。図3に示すように、ハウジング10の後端面におけるキャビティ11の開口形状は、水平方向に長い長円形をなしている。このキャビティ11内には、後方(図1,2における左側)から端子金具(図示省略)が挿入されている。キャビティ11の後端部には、その内周における上面と下面を凹ませた形態の上下一対の係止孔12が形成されている。また、キャビティ11の後端部における内周面のうち、係止孔12よりも前方の領域は、全周に亘って滑らかに連なるシール面13となっている。
電線20は、図3に示すように、その長さ方向と直角な断面形状が横長の長円形をなす1本の導体21と、この導体21を包囲する絶縁被覆22とから構成され、絶縁被覆22(電線20)の外周の断面形状も、導体21と同じく長円形をなしている。電線20の断面における外周のうち水平な上面と下面は略直線部23となっており、左右両端部は略円弧部24となっている。また、絶縁被覆22の厚さは全周に亘ってほぼ均一となっている。この電線20の前端部には端子金具が固着されており、端子金具がキャビティ11に挿入された状態では、図1、2に示すように、電線20は、その前端側部分がキャビティ11内に挿通され、それよりも後方の領域がハウジング10の後方外部へ導出されている。
ゴム栓30は、電線20の外周面とシール面13との隙間を液密状にシールするための防水手段であって、前後方向に貫通するリング状をなし、図1,4に示すように、ゴム栓30の中心孔は挿通孔31となっている。ゴム栓30は、挿通孔31の内周面を電線20の外周面に対し全周に亘って密着させた状態で液密状に外嵌されている。端子金具がキャビティ11に挿入された状態では、ゴム栓30の外周がシール面13に対し全周に亘って液密状に密着している。図1,4に示すように、ゴム栓30には、前後方向に貫通する上下一対の変形規制孔32が形成されている。変形規制孔32は、電線20の略直線部23と対応するように水平なスリット状をなしている。つまり、幅方向(左右方向)において変形規制孔32は、略直線部23とほぼ対応する領域に亘って(詳しくは、略直線部23よりも少し短い領域に亘って)形成されている。変形規制孔32の前後方向(貫通方向)と直角な断面形状は、横長の長円形である。
このゴム栓30には、図1,2,4に示すように、合成樹脂製の抑制部材40が二色成形によって一体に成形されている。抑制部材40は、図1,2,4〜7に示すように、変位抑制部41と、補助抑制部44と、上下一対の変形規制部46とを備えて構成されている。図3に示すように、変位抑制部41は、キャビティ11の内部に上下左右方向への大きなガタ付きなく嵌合されるような長円形をなし、図1,4に示すように、ゴム栓30の後面に密着している。変位抑制部41の上面と下面には、係止突起42が形成されている。変位抑制部41には、前後方向に貫通する変位抑制孔43が形成されている。変位抑制孔43は、電線20よりも僅かに大きい長円形をなしている。
補助抑制部44は、変位抑制部41と同じく、キャビティ11の内部に上下左右方向への大きなガタ付きなく嵌合されるような長円形をなしている。補助抑制部44は、ゴム栓30の前面に密着している。したがって、図1,4に示すように、変位抑制部41と補助抑制部44によってゴム栓30を前後から挟み付けた状態となり、この挟み付けにより、ゴム栓30と抑制部材40は前後方向への相対変位を規制された状態で一体化されている。補助抑制部44には、前後方向に貫通する補助抑制孔45が形成されている。補助抑制孔45は、電線20よりも僅かに大きい長円形をなしている。この補助抑制孔45と変位抑制孔43は同じ大きさとされている。また、前後方向における補助抑制部44の厚さ寸法は、変位抑制部41の厚さよりも小さい寸法とされている。
一対の変形規制部46は、左右方向に長い略平板状をなし、変位抑制部41の前面から後方へ延出して補助抑制部44の前面に連なっている。図5に示すように、変形規制部46の長さ方向と直角な断面形状は横長の長円形であり、図1,4に示すように、変形規制部46の外周には、ゴム栓30の変形規制孔32が全周に亘って密着している。これにより、ゴム栓30と抑制部材40は、上下方向及び左右方向への相対変位を規制された状態で一体化されている。
かかるゴム栓30と抑制部材40を電線20に外嵌した状態では、図1,3に示すように、電線20の外周にゴム栓30の挿通孔31が液密状に密着する。また、図1に示すように、電線20のうち挿通孔31に密着している部分よりも後方の近傍部分の外周面は変位抑制孔43に貫通され、その貫通部分では、電線20の外周面と変位抑制孔43の内周面との間に、全周に亘ってクリアランスが空いている。一方、電線20のうち挿通孔31に密着している部分よりも前方の近傍部分の外周面は補助抑制孔45に貫通され、その貫通部分では、電線20の外周面と補助抑制孔45の内周面との間に、全周に亘ってクリアランスが空いている。
そして、ゴム栓30と抑制部材40をキャビティ11内に嵌入した状態では、図1に示すように、係止突起42が係止孔12に係止することにより、ゴム栓30と抑制部材40がハウジング10に対する前後方向への相対変位を規制された状態で位置決めされる。また、変位抑制部41と補助抑制部44がキャビティ11の内周に対して当接又は接近して対向することにより、ゴム栓30と抑制部材40は、ハウジング10に対して上下方向及び左右方向への相対変位を抑制されている。
次に、本実施形態の作用を説明する。電線20のうちハウジング10の外部に導出されている部分に対して上下方向又は左右方向への曲げ方向の外力や、電線20の軸線を中心とする捻れ方向の外力が作用した場合、電線20が不正な変形を生じ、その結果、ゴム栓30が不正な変形を生じて、電線20とゴム栓30との間のシール性や、ゴム栓30とシール面13との間のシール性が低下することが懸念される。
しかし、本実施形態では、ゴム栓30の後方に電線20を包囲するような変位抑制部41を配し、電線20が不正に変位しようとしたときには、その電線20を変位抑制孔43の孔縁や内周に当接させることにより、電線20の不正な変位を抑制している。したがって、電線20の不正な変位に起因するゴム栓30の不正な変形が回避され、ゴム栓30の不正な変形を原因とするシール機能の低下を防止することができる。
特に、本実施形態では、ゴム栓30の後方だけでなく、ゴム栓30の前方にも電線20の不正な変形を抑制する手段としての補助抑制部44を設け、電線20が不正に変位しようとしたときには、その電線20を補助抑制孔45に当接させることによって、電線20の不正な変位を抑制している。これにより、電線20の不正な変形とゴム栓30の不正な変形を確実に抑制し、ゴム栓30の不正な変形に起因するシール性の低下を確実に防止するようになっている。
さらに、本実施形態1では、ゴム栓30に合成樹脂製の変形規制部46を直接嵌入(貫通)させているので、ゴム栓30の不正な変形を、より確実に防止することができる。しかも、本実施形態では、電線20の断面上における外周のうち略直線部23と対応する領域でシール性の低下を来し易い、という点に鑑み、変形規制部46を略直線部23と対応するような形態、即ち略直線部23の近傍で略直線部23に沿うような形態としているので、ゴム栓30のうち略直線部23と対応する部分の不正な変形を確実に防止して、シール性の低下を、より確実に防止できるようになっている。
さらに、抑制部材40は、変位抑制部41と補助抑制部44によってゴム栓30を前後から挟むようになっているので、ゴム栓30がその前面と後面を傾かせるような不正な変形を生じることがない。この構成も、ゴム栓30の不正な変形に起因するシール性の低下防止に寄与している。
また、本実施形態1では、変形規制部46を、変位抑制部41及び補助抑制部44と共通の抑制部材40に形成したので、変形規制部46を、変位抑制部41や補助抑制部44とは別の部品に形成する場合に比べると、部品点数が少なくて済んでいる。
また、一対の変形規制部46は、変位抑制部41から前方へ片持ち状に延出されているが、その延出端部(前端部)は補助抑制部44に連なっているので、変形規制部46が不正な向きに変形する虞はない。したがって、変形規制部46によるゴム栓30の変形防止機能は、信頼性が高い。
<参考例1>
次に、本発明の参考例1を図8〜図17を参照して説明する。上記実施形態1のコネクタAでは、ゴム栓30と抑制部材40を二色成形によって一体化させたのに対し、本参考例1のコネクタBでは、ゴム栓50に、ゴム栓50とは別体に成形した抑制部材60と、ゴム栓50及び抑制部材60とは別体に成形したフロント部材70とを組み付けている。その他の構成と作用及び効果については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造の説明は省略する。
ゴム栓50は、電線20の外周面とシール面13との隙間を液密状にシールするための防水手段であって、前後方向に貫通するリング状をなし、その中心孔は挿通孔51となっている。ゴム栓50は、挿通孔51の内周面を電線20の外周面に対し全周に亘って密着させた状態で液密状に外嵌されている。端子金具(図示省略)がキャビティ11に挿入された状態では、ゴム栓50の外周がシール面13に対し全周に亘って液密状に密着している。
図12,13に示すように、ゴム栓50には、前後方向に貫通する上下一対の変形規制孔52が形成されている。変形規制孔52は、電線20の略直線部23と対応するように水平なスリット状をなしている。つまり、幅方向(左右方向)において変形規制孔52は、略直線部23とほぼ対応する領域に亘って(詳しくは、略直線部23よりも少し短い領域に亘って)形成されている。変形規制孔52の前後方向(貫通方向)と直角な断面形状は、横長の長円形である。
抑制部材60は、図8〜11に示すように、変位抑制部61と、上下一対の変形規制部64とを備えて構成されている。図9,10に示すように、変位抑制部61は、キャビティ11の内部に上下左右方向への大きなガタ付きなく嵌合されるような長円形をなし、図1,4に示すように、ゴム栓50の後面に密着している。変位抑制部61の上面と下面には、係止突起62が形成されている。変位抑制部61には、前後方向に貫通する変位抑制孔63が形成されている。変位抑制孔63は、電線20よりも僅かに大きい長円形をなしている。
一対の変形規制部64は、左右方向に長い略平板状をなし、変位抑制部61の前面から後方へ片持ち状に延出している。図9,10に示すように、変形規制部64の長さ方向と直角な断面形状は横長の長円形であり、変形規制部64の外周には、ゴム栓50の変形規制孔52が全周に亘って密着するようになっている。これにより、ゴム栓50と抑制部材60は、上下方向及び左右方向への相対変位を規制された状態で一体化されている。また、変形規制部64の延出端部(前端部)には、変形規制部64よりも一回り大きい長円形をなす抜止部65が形成されている。
フロント部材70は、図14〜17に示す第1半割部材71と第2半割部材72を、左右方向に接近させて合体させることにより、長円形に構成されていて、補助抑制部73として機能する。両半割部材71,72を合体した状態では、フロント部材70は、キャビティ11の内部に上下左右方向への大きなガタ付きなく嵌合されるようになっている。前後方向におけるフロント部材70の厚さ寸法は、変位抑制部61の厚さよりも小さい寸法とされている。
各半割部材71,72には、夫々、切欠部74と、この切欠部74の上方と下方に位置する一対の逃がし溝75とが形成されている。両半割部材71,72を合体した状態では、切欠部74同士が整合することにより、フロント部材70を前後方向に貫通する形態であって長円形をなす補助抑制孔76が形成される。補助抑制孔76は、電線20よりも僅かに大きい長円形をなしている。補助抑制孔76は変位抑制孔63と同じ大きさとされている。また、逃がし溝75同士が整合することにより、フロント部材70を前後方向に貫通する形態であって長円形をなす貫通孔77が形成される。
図14,15に示すように、第1半割部材71には、その第2半割部材72との対向面(合せ面)から突出した形態の上下一対の位置決め突起78が形成されている。また、図16,17に示すように、、第2半割部材72には、その第1半割部材71との対向面(合せ面)を凹ませた形態の上下一対の位置決め孔79が形成されている。両半割部材71,72を合体させた状態では、位置決め突起78と位置決め孔79が嵌合することにより、両半割部材71,72は前後方向及び上下方向への相対変位が規制され、正規の合体状態に保持される。
ゴム栓50に抑制部材60とフロント部材70を組み付ける際には、まず、変形規制部64を後方からゴム栓50の変形規制孔52に貫通させ、変位抑制部61の前面をゴム栓50の後面に密着させる。次に、両半割部材71,72を、左右方向から接近させながら、逃がし溝75を変形規制部64に対して側方から嵌合させて合体する。このとき、両半割部材71,72の後面をゴム栓50の前面に摺接させるようにする。両半割部材71,72をゴム栓50と変形規制部64に組み付けると、これと同時に両半割部材71,72が合体されてフロント部材70が構成される。
図8に示すように、両半割部材71,72を組み付けた状態では、変形規制部64の前端部が貫通孔77を貫通し、抜止部65が貫通孔77の前面側の開口縁に係止し、この係止作用により、フロント部材70は、ゴム栓50及び抑制部材60に対して前方への相対変位を規制される。これにより、抑制部材60とフロント部材70が、ゴム栓50に対して前後から挟み付けるようにして組み付けられる。
かかるゴム栓50と抑制部材60とフロント部材70を電線20に外嵌した状態では、電線20の外周にゴム栓50の挿通孔51が液密状に密着する。また、電線20のうち挿通孔51に密着している部分よりも後方の近傍部分の外周面は変位抑制孔63に貫通され、その貫通部分では、電線20の外周面と変位抑制孔63の内周面との間に、全周に亘ってクリアランスが空いている。一方、電線20のうち挿通孔51に密着している部分よりも前方の近傍部分の外周面は補助抑制孔76に貫通され、その貫通部分では、電線20の外周面と補助抑制孔76の内周面との間に、全周に亘ってクリアランスが空いている。
そして、ゴム栓50と抑制部材60をキャビティ11内に嵌入した状態では、係止突起62が係止孔12に係止することにより、ゴム栓50と抑制部材60がハウジング10に対する前後方向への相対変位を規制された状態で位置決めされる。また、変位抑制部61と補助抑制部73(フロント部材70)がキャビティ11の内周に対して当接又は接近して対向することにより、ゴム栓50と抑制部材60とフロント部材70は、ハウジング10に対して上下方向及び左右方向への相対変位を抑制されている。
参考例1の作用及び効果は、以下の点においては実施形態1と相違する。本参考例1では、一対の変形規制部64が変位抑制部61から前方へ片持ち状に延出されており、ゴム栓50の前方には、電線20を当接させることで電線20がその長さ方向と交差する方向へ不正に変位するのを抑制可能なフロント部材70が設けられている。そして、一対の変形規制部64の前端部をフロント部材70に固定(係止)することで、一対の変形規制部64が上下方向及び左右方向へ相対変位することを規制している。この構成によれば、変形規制部64は、前後両端において支持されることになるので、不正な向きに変形する虞がなく、変形規制部64によるゴム栓50の変形防止機能は、信頼性が高い。尚、これ以外の作用及び効果については、上記実施形態1と同じであるため、作用及び効果の説明は省略する。
参考例2
次に、本発明の参考例2を図18を参照して説明する。上記参考例1のコネクタBでは、フロント部材70を一対の半割部材71,72を合体させて構成したのに対し、本参考例2のコネクタCでは、フロント部材80を単一部品としている。また、フロント部材80を単一部品としたことに伴い、抑制部材90における変形規制部91の形状を参考例1とは一部変更している。その他の構成と作用及び効果については上記参考例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造の説明は省略する。
参考例2の抑制部材90は、参考例1と同じ形態の変位抑制部61と、上下一対の変形規制部91とを備えて構成されている。参考例1の変形規制部64は、その延出端部(前端部)に抜止部65が形成されていたのに対し、本参考例2の変形規制部91は、その延出端部(前端部)に抜止部が形成されていない。その他の形態は参考例1の変形規制部64と同じである。
フロント部材80は、変位抑制部61と同じく、キャビティ11の内部に上下左右方向への大きなガタ付きなく嵌合されるような長円形の板状をなしており、補助抑制部81として機能する。フロント部材80(補助抑制部81)には、前後方向に貫通する補助抑制孔82が形成されている。補助抑制孔82は、電線20よりも僅かに大きい長円形をなしている。この補助抑制孔82は変位抑制部61(抑制部材90)に形成されている変位抑制孔63と同じ大きさとされている。前後方向におけるフロント部材80の厚さ寸法は、変位抑制部61の厚さよりも小さい寸法とされている。また、フロント部材80には、その前面(ゴム栓50との対向面)を凹ませた形態の上下一対の圧入溝83が形成されている。圧入溝83は、横長の長円形をなしている。
ゴム栓50に抑制部材90とフロント部材80を組み付ける際には、まず、変形規制部91を後方からゴム栓50の変形規制孔52に貫通させ、変位抑制部61の前面をゴム栓50の後面に密着させる。次に、フロント部材80を前方からゴム栓50に接近させて、圧入溝83に変形規制部91の前端部を圧入させる。これにより、抑制部材90とフロント部材80が合体され、同時にゴム栓50に対する抑制部材90とフロント部材80の組付けが完了する。組付け状態では、フロント部材80(補助抑制部81)の後面が、ゴム栓50の前面に密着し、変位抑制部61と補助抑制部81によってゴム栓50を前後から挟み付けた状態となる。この挟み付けにより、ゴム栓50と抑制部材90とフロント部材80は前後方向への相対変位を規制された状態で一体化されている。
参考例3
次に、本発明の参考例3を図19を参照して説明する。上記参考例1のコネクタBでは、ゴム栓50に抑制部材60とフロント部材70を組み付けていたのに対し、本参考例3のコネクタDでは、ゴム栓50に組み付けられるのは抑制部材100だけとされている。つまり、本参考例3のコネクタDには、補助抑制部は設けられていない。その他の構成と作用及び効果については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造の説明は省略する。
参考例3の抑制部材100は、参考例1と同じ形態の変位抑制部61と、上下一対の変形規制部101とを一体に形成したものであり、基本的な形態は参考例1の抑制部材60と同じである。本参考例3の変形規制部101は、参考例1の変形規制部64に比べて前後方向の延出長さがフロント部材70の厚さ寸法分だけ短く、その他の形態は抜止部65を有するという点も含めて参考例1の変形規制部64と同じである。
ゴム栓50に抑制部材100を組み付ける際には、変形規制部101をゴム栓50の変形規制孔52に対し後方から貫通させ、変位抑制部61の前面をゴム栓50の後面に密着させる。すると、抜止部65が、ゴム栓50の前面における変形規制孔52の開口縁に係止し、この係止作用によって、ゴム栓50と抑制部材100が組付け状態に保持されている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1では、電線の断面形状が長円形をなす場合について説明したが、本発明は、電線が楕円形に近い形状である場合にも適用することができる。
(2)上記実施形態では、電線が1本の長円形断面の導体を絶縁被覆で包囲した形態である場合について説明したが、本発明は、電線が、円形断面の複数本の導体を一括して絶縁被覆で包囲した形態である場合にも適用できる。
(3)上記実施形態1では、変位抑制部が、電線の外周と同様の長円形の内周面を有する貫通孔状をなし、この長円形の内周面に電線を当接させることによって電線の不正な変位を規制するようにしたが、貫通孔状をなす変位抑制部の内周から周方向に間隔を空けた複数の突起部を内向きに突出させ、これらの突起部に電線を当接させることによって電線の不正な変位を規制してもよい。
(4)上記実施形態1では、変位抑制部の内周面と電線の外周面との間に、全周に亘って隙間を空けて対向するようにしたが、変位抑制部の内周面が電線の外周面に対して接触、又は接近して対向するようにしてもよい。
(5)上記実施形態1では、補助抑制部の内周面と電線の外周面との間に、全周に亘って隙間を空けて対向するようにしたが、補助抑制部の内周面が電線の外周面に対して接触、又は接近して対向するようにしてもよい。
(6)上記実施形態1では、変形規制部を一対設けたが、変形規制部の数は、1つでもよく、3つ以上であってもよい。
A…コネクタ
10…ハウジング
11…キャビティ
20…電線
23…略直線部
30…ゴム栓
40…抑制部材
41…変位抑制部
44…補助抑制部
46…変形規制部
B,C,D…コネクタ
50…ゴム栓
60,90,100…抑制部材
61…変位抑制部
64,91,101…変形規制部
70,80…フロント部材
73,81…補助抑制部

Claims (1)

  1. 導体を絶縁被覆で包囲した形態であって、長さ方向と直角な断面形状が略長円形をなす電線と、
    内部にキャビティが形成され、前記キャビティ内に挿通した前記電線を後方外部へ導出させたハウジングと、
    前記電線に外嵌され、前記電線の外周と前記キャビティの内周との隙間を液密状にシールするリング状のゴム栓とを備えたコネクタにおいて、
    前記ゴム栓は合成樹脂製の抑制部材に一体化されて、この抑制部材と共に前記キャビティ内に取付けられるようになっており、
    前記抑制部材は、前記ゴム栓の後方に配され前記電線を当接させることで前記電線がその長さ方向と交差する方向へ不正に変位するのを抑制可能な変位抑制部と、
    この変位抑制部から一体に延出され前記電線の外周のうち略直線部に沿うようにして前記ゴム栓内に嵌入されることで、前記ゴム栓の不正な変位を規制可能な変形規制部と、
    前記変形規制部の前端部において前記変位抑制部と前記ゴム栓を前後から挟むようにして配されて前記電線を当接させることで前記電線がその長さ方向と交差する方向へ不正に変位するのを抑制可能であり、前記抑制部材に一体に設けられた補助抑制部とが備えられていることを特徴とするコネクタ。
JP2010126752A 2010-06-02 2010-06-02 コネクタ Expired - Fee Related JP5696376B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010126752A JP5696376B2 (ja) 2010-06-02 2010-06-02 コネクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010126752A JP5696376B2 (ja) 2010-06-02 2010-06-02 コネクタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011253714A JP2011253714A (ja) 2011-12-15
JP5696376B2 true JP5696376B2 (ja) 2015-04-08

Family

ID=45417486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010126752A Expired - Fee Related JP5696376B2 (ja) 2010-06-02 2010-06-02 コネクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5696376B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016012422A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 住友電装株式会社 コネクタ
JP7106227B2 (ja) * 2019-08-20 2022-07-26 矢崎総業株式会社 コネクタ用シール構造及びコネクタ
EP3836313A1 (en) * 2019-12-12 2021-06-16 TE Connectivity Germany GmbH Supporting element

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09147965A (ja) * 1995-11-29 1997-06-06 Yazaki Corp 防水コネクタ
JP2002042958A (ja) * 2000-07-21 2002-02-08 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 防水型コネクタ
JP2007324082A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Yazaki Corp 防水コネクタ
JP2009043443A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 防水コネクタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011253714A (ja) 2011-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5417954B2 (ja) 防水コネクタ
JP5751875B2 (ja) シールドコネクタ
JP6065228B2 (ja) コネクタ
US9570899B2 (en) Connector with rubber plug, retainer for retaining rubber plug and a guide formed on a rear part of the retainer for accommodating bending of wires
JP4941745B2 (ja) コネクタ
JP4259453B2 (ja) 防水コネクタ
JP2005317385A (ja) 防水型コネクタ用シール部材及び防水型コネクタ
JP6271248B2 (ja) リアホルダ
JP3947093B2 (ja) 機器用コネクタ
JP5696376B2 (ja) コネクタ
JP5626107B2 (ja) シールドコネクタ
JP2015015138A (ja) 防水コネクタ
JP5672140B2 (ja) ゴム栓抜止部材の取付構造
JP5440437B2 (ja) 電線の端末構造
JP5780433B2 (ja) コネクタ
JP2007214058A (ja) 防水コネクタ
JP5157818B2 (ja) コネクタ
JP5104639B2 (ja) コネクタ
JP2009277377A (ja) コネクタ
JP5772580B2 (ja) 電線固定部材
JP2012069375A (ja) 防水コネクタ
JP2010140847A (ja) 防水コネクタ
JP2019114523A (ja) コネクタ及びコネクタアセンブリ
JP5573718B2 (ja) 防水コネクタ
JP6227600B2 (ja) コネクタの防水構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5696376

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees