JP2011154349A - 電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】a−SiC上部阻止層およびa−SiC表面層を有する電子写真感光体において、密着性に優れ、表面変質が抑制され、感度特性や帯電特性に優れ、良好な画像形成を長期間維持できる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】上部阻止層が周期表の第13族原子または第15族原子を上部阻止層中のケイ素原子に対して10原子ppm以上30000原子ppm以下含有し、上部阻止層におけるケイ素原子の数と炭素原子の数との和に対する炭素原子の数の比(C/(Si+C))が0.10以上0.60以下であり、表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が6.60×1022原子/cm以上であり、表面層におけるケイ素原子の数と炭素原子の数との和に対する炭素原子の数の比(C/(Si+C))が0.61以上0.75以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素化アモルファスシリコンカーバイド(以下、「a−SiC」とも表記する。)で構成された表面層を有する電子写真感光体、および、該電子写真感光体を有する電子写真装置に関する。以下、a−SiCで構成された表面層を「a−SiC表面層」とも表記する。
基体上にアモルファスシリコン(以下、「a−Si」とも表記する。)で構成された光導電層(感光層)を有する電子写真感光体は広く知られている。以下、a−Siで構成された光導電層を「a−Si光導電層」とも表記する。特に、金属などの導電性基体上にCVD、PVDなどの成膜技術により形成されたa−Si光導電層を有する電子写真感光体(以下、「a−Si感光体」とも表記する。)はすでに製品化されている。
特許文献1には、光導電層と表面層との間に、炭素原子および周期表の第13族元素を含み、ケイ素原子を母体とする非単結晶シリコン膜で構成された上部電荷注入阻止層を設けてなるa−Si感光体が開示されている。このような層構成とすることで、電子写真感光体の表面からの電荷注入阻止能が向上し、良好な帯電特性が得られる。このような帯電特性の向上は、特に、負帯電用の電子写真感光体において、顕著に認められる。
また、a−Si感光体の表面層としては、a−SiC表面層が、耐摩耗性に優れていることから、主にプロセススピードの速い電子写真装置で用いられてきた。
しかしながら、従来のa−SiC表面層は、電子写真プロセスを繰り返すことで、表面が酸化し、変質する場合があった。
この変質現象は、通常の使用環境、使用条件においては、クリーニング工程での摺擦作用によって変質層が除去されるため、顕在化が抑制されている。
しかしながら、電子写真装置の各機構の最適設定値からのずれや周辺環境の急激な変化により、電子写真感光体に印加される電流や電圧、あるいは、帯電生成物に大きな変化が生じたり、クリーニング条件が大きく変化したりすることがある。このような変化が生じた場合、それに起因して変質層が電子写真感光体の表面に残存する場合がある。
このように、変質層が残存する場合、電子写真感光体の表面に一様に変質層が残存することは少なく、多くの場合、不均一に残存する。そして、この変質層は、酸化ケイ素を主成分とするため、その屈折率は、空気の屈折率とa−SiC表面層の屈折率との中間の値となる。その結果、変質層が反射防止膜として作用する。このため、変質層の残存部では、電子写真感光体の表面に照射された像露光光の反射率が低下する。そのため、所定の光量の像露光光を電子写真感光体に均一に照射したとしても、変質層の残存部と変質層のない部分で電子写真感光体内に入射する像露光光の光量が異なる。これにより、感度ムラが生じ、画像均一性が損なわれる場合があった。
表面層の変質を抑制するための技術として、特許文献2には、非単結晶水素化炭素で構成された表面層を有する光受容部材が開示されている。
酸素原子と結合しやすい(すなわち、酸化しやすい)ケイ素原子を含有しない非単結晶水素化炭素膜を表面層に用いることによって、帯電生成物であるオゾンによる表面層の表面の酸化を低減することが可能となるとされている。
特許第3902975号公報 特開2001−330977号公報
非単結晶水素化炭素で構成された表面層を用いることにより、表面層の表面の変質は改善されるが、a−SiCで構成された上部阻止層の上に非単結晶水素化炭素で構成された表面層を形成した場合、密着性が不十分となる場合があった。これは、a−SiCと非単結晶水素化炭素の構造の違いにより、それらの界面で密着性が損なわれ、機械的なストレスを受けることによって発生するものと推察される。以下、a−SiCで構成された上部阻止層を「a−SiC上部阻止層」とも表記する。
従来は、a−SiC上部阻止層およびa−SiC表面層を有する電子写真感光体において、長期に渡る表面変質の抑制と、良好な密着性を同時に実現することは困難であった。
本発明の目的は、a−SiC上部阻止層およびa−SiC表面層を有する電子写真感光体において、密着性に優れ、表面変質が抑制され、感度特性や、帯電特性に優れ、良好な画像形成を長期間維持できる電子写真感光体、および、該電子写真感光体を有する電子写真装置を提供することにある。
本発明は、導電性基体、該導電性基体上のアモルファスシリコンで構成された下部阻止層、該下部阻止層上のアモルファスシリコンで構成された光導電層、該光導電層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された上部阻止層、および、該上部阻止層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された表面層を有する電子写真感光体において、
該上部阻止層が、周期表の第13族原子または第15族原子を、該上部阻止層中のケイ素原子に対して10原子ppm以上30000原子ppm以下含有し、
該上部阻止層におけるケイ素原子の数(Si)と炭素原子の数(C)との和に対する炭素原子の数(C)の比(C/(Si+C))が、0.10以上0.60以下であり、
該表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が、6.60×1022原子/cm以上であり、
該表面層におけるケイ素原子の数(Si)と炭素原子の数(C)との和に対する炭素原子の数(C)の比(C/(Si+C))が、0.61以上0.75以下である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、像露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、a−SiC上部阻止層およびa−SiC表面層を有する電子写真感光体において、密着性に優れ、表面変質が抑制され、感度特性や、帯電特性に優れ、良好な画像形成を長期間維持できる電子写真感光体、および、該電子写真感光体を有する電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体の製造に使用することが可能な、RF帯の高周波を用いたプラズマCVD堆積装置の構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真装置の構成の一例を示す図である。
本発明者らは、まず、a−SiC上部阻止層(水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された上部阻止層)との密着性を考慮しながら、表面の変質を抑制することが可能なa−SiC表面層(水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された表面層)の実現を目指し、検討を行った。その結果、まず、a−SiC表面層におけるケイ素原子の数(Si)と炭素原子の数(C)との和(Si+C)に対する炭素原子の数(C)の比(C/(Si+C))を0.61以上0.75以下としたうえで、a−SiC表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和を6.60×1022原子/cm以上とすることで、表面変質が抑制可能であることを見出した。以下、ケイ素原子の原子密度を「Si原子密度」とも表記し、炭素原子の原子密度を「C原子密度」とも表記し、Si原子密度とC原子密度との和を「Si+C原子密度」とも表記する。
次に、a−SiC上部阻止層と上記a−SiC表面層との密着性に関して調べたところ、十分な密着性が得られていることが確認され、本発明を完成させるに至った。
<本発明の電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、導電性基体、該導電性基体上の下部阻止層、該下部阻止層上の光導電層、該光導電層上の上部阻止層、および、該上部阻止層上の表面層を有する電子写真感光体である。
図1は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図1中、101は導電性基体であり、102は下部阻止層であり、103は光導電層であり、104は上部阻止層であり、105は表面層である。
図1中の各層は、真空堆積膜形成方法、より具体的には高周波CVD法などによって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件を設定することによって形成することができる。
(導電性基体)
導電性基体の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンやこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、加工性や製造コストの観点から、アルミニウムが好ましい。アルミニウムの中でも、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金が好ましい。以下、導電性基体を単に「基体」とも表記する。
(下部阻止層)
本発明の電子写真感光体においては、基体と光導電層との間に下部阻止層が設けられる。下部阻止層は、基体側から光導電層への電荷の注入を阻止する役割を果たす。また、下部阻止層は、アモルファスシリコンで構成される。また、下部阻止層には、伝導性を制御するための原子を光導電層に比べて多く含有させることが好ましい。伝導性を制御するための原子としては、帯電極性に応じて周期表の第13族原子または第15族原子を用いることができる。
さらに、下部阻止層には、ケイ素原子に加えて、炭素原子、窒素原子、酸素原子などの原子を含有させることにより、下部阻止層と基体との密着性を向上させることが可能となる。
下部阻止層の膜厚は、帯電能および経済性の観点から、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.3μm以上5μm以下がより好ましく、0.5μm以上3μm以下がさらに好ましい。下部阻止層の膜厚を0.1μm以上とすることにより、基体からの電荷の注入阻止能を十分にすることができ、好ましい帯電能を得ることができる。一方、10μm以下とすることにより、製造時間の延長による電子写真感光体の製造コストの増加を抑えることができる。
(光導電層)
本発明の電子写真感光体の光導電層は、a−Si(アモルファスシリコン)で構成される。また、光導電層には、伝導性を制御するための原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御するための原子としては、周期表の第13族原子または第15族原子を用いることができる。
さらに、光導電層には、抵抗値などの特性を調整するために、ケイ素原子に加えて、酸素原子、炭素原子、窒素原子などの原子を含有させてもよい。また、a−Si中の未結合手(ダングリングボンド)を補償するために、水素原子やフッ素原子などのハロゲン原子を含有させることができる。
光導電層における水素原子の数(H)は、ケイ素原子の数(Si)と水素原子の数との和に対して10原子%以上であることが好ましく、15原子%以上であることがより好ましく、一方、30原子%以下であることが好ましく、25原子%以下であることがより好ましい。
本発明において、光導電層の膜厚は、帯電能の観点から、15μm以上80μm以下が好ましく、40μm以上80μm以下がより好ましい。光導電層の膜厚を15μm以上とすることにより、帯電特性が向上するため、帯電電流量の低減が可能となり、放電生成物の低減が可能となるため、表面変質に対し、効果的である。また、光導電層の膜厚を80μm以下とすることにより、a−Siの異常成長部位を大きくしにくくすることができる。
(上部阻止層)
本発明の電子写真感光体においては、光導電層と表面層との間に上部阻止層が設けられる。上部阻止層は、上部からの電荷の注入を阻止し、帯電能を向上させる役割を果たすとともに、強露光の照射により大量の光キャリアが生成された際に、この光キャリアが動きやすい部分へと集中して流れ込む現象を阻止する役割も果たす。
高抵抗の表面層と光導電層を積層した場合、これら2つの層の電気的特性の差により、光照射で生成した帯電極性と逆極性のキャリアがこれら2つの層の界面に溜まることがある。そして、このキャリアが横流れすることで、文字部分がぼやけてしまい、階調性が低下することがあった。
上部阻止層に対して、帯電極性に応じて周期表の第13族原子または第15族原子を含有させることで、帯電極性と逆極性のキャリアを通過させつつ、横流れしない最適な抵抗値を調整できる。このため、階調性に関して良好な電子写真感光体が得られる。
本発明においては、電子写真感光体の上部阻止層は、C/(Si+C)を0.10以上0.60以下の範囲とする。
また、上部阻止層には帯電極性に応じて、伝導性を制御する原子として、周期表の第13族原子または第15族原子を含有させる。
C/(Si+C)が0.10以上であり、かつ、周期表の第13族原子または第15族原子の含有量がケイ素原子に対して30000原子ppm以下であれば、電荷注入の阻止能力を損なわずに、良好な階調性が得られる。
また、C/(Si+C)が0.60以下であり、かつ、周期表の第13族原子または第15族原子含有量が10原子ppm以上であれば、周期表の第13族原子または第15族原子のドーパントとしての効果が顕著に得られ、安定した電気抵抗制御が可能となる。
すなわち、上部阻止層が、周期表の第13族原子または第15族原子をケイ素原子に対して10原子ppm以上30000原子ppm以下含有し、上部阻止層におけるC/(Si+C)が0.10以上0.60以下であることが必要である。
本発明において、上部阻止層の膜厚は、表面からの電荷注入の阻止能力を十分発揮し、かつ、画像品質に影響を与えない観点から、0.01〜0.5μmであることが好ましい。
(表面層)
本発明の電子写真感光体の表面層は、a−SiC(水素化アモルファスシリコンカーバイド)で構成された層である。
本発明では、a−SiC表面層のC/(Si+C)が0.61以上0.75以下の範囲であり、Si+C原子密度が6.60×1022原子/cm以上であることを特徴にしている。より好ましくは、Si+C原子密度が6.81×1022原子/cm以上である。
このようにすることにより、長期間に渡り表面変質の防止に大きな効果が得られる。この理由を以下に示す。
a−SiCの変質は、a−SiCの炭素原子の酸化および脱離により、ケイ素原子と炭素原子との結合が切断され、新たに生成したケイ素原子のダングリングボンドに酸化物質が反応することによって生じる。この点、本発明によれば、a−SiC表面層におけるSi+C原子密度を大きくすることにより、ケイ素原子と炭素原子との結合を切断されにくくすることが可能になる。また、Si+C原子密度が大きくなることにより、a−SiC表面層における空間率が低減するため、炭素原子と酸化物質との反応確率が低減する。電子写真プロセスにおいては、帯電工程により生成したイオン種と炭素原子との反応により、炭素原子の酸化および脱離が生じると考えられる。よって、炭素原子の酸化を抑制することにより、ケイ素原子の酸化も抑制される。
本発明によれば、a−SiC表面層の構成原子間の距離が短縮され、空間率が低減されるため、表面変質の抑制が可能となる。
以上の観点から、a−SiC表面層におけるSi+C原子密度は高い方が好ましく、6.81×1022原子/cm以上にすることで、表面の変質がより抑制される。また、a−SiC表面層におけるSi+C原子密度を上記範囲にしたうえで、さらに、a−SiC表面層におけるC/(Si+C)を0.61以上0.75以下にすることが、優れた電子写真感光体特性を得るうえで必要である。
a−SiC表面層において、C/(Si+C)を0.61よりも小さくすると、特に、原子密度の高いa−SiCを作製した場合、a−SiCの抵抗が低下する場合がある。このような場合、静電潜像形成時にキャリアが表面層中で横流れを生じやすくなる。そのため、静電潜像として孤立ドットを形成した場合に、表面層中でのキャリアの横流れにより孤立ドットが小さくなる。その結果、出力された画像において、特に、低濃度側での画像濃度が低下してしまうために、階調性の低下を生じる場合がある。このような理由により、本発明のような原子密度の高いa−SiC表面層においては、C/(Si+C)を0.61以上にする必要がある。
また、C/(Si+C)を0.75より大きくすると、特に、原子密度の高いa−SiCを作製した場合、a−SiC表面層での光吸収が急激に増加する場合がある。このような場合、静電潜像形成時に必要となる像露光光の光量が多くなり、感度が極端に低下してしまう。このような理由により、本発明のような原子密度の高いa−SiC表面層においては、C/(Si+C)を0.75以下にする必要がある。
以上の理由により、好ましい電子写真感光体特性を維持しつつ、a−SiC表面層の変質を抑制するためには、次のことが必要となる。すなわち、a−SiC表面層におけるSi+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上にし、かつ、a−SiC表面層におけるC/(Si+C)を0.61以上0.75以下にする必要がある。なお、a−SiCにおいては、最も高密度化した状態の13.0×1022原子/cm以下という原子密度が、Si+C原子密度の上限となる。
また、本発明においては、a−SiC表面層におけるケイ素原子の数(Si)と炭素原子の数(C)と水素原子の数(H)との和(Si+C+H)に対する水素原子の数(H)の比(H/(Si+C+H))を、0.30以上0.45以下にすることが好ましい。これにより、電子写真感光体特性がさらに良好で、表面変質の抑制にさらに優れた電子写真感光体が得られる。なお、ケイ素原子の数と炭素原子の数と水素原子の数との和に対する水素原子の数の比を、以下「H/(Si+C+H)」とも表記する。
原子密度の高いa−SiC表面層においては、光学的バンドギャップが狭くなり、光吸収が増加することにより感度が低下する場合がある。しかしながら、a−SiC表面層におけるH/(Si+C+H)を0.30以上にすることで、光学的バンドギャップが広がり、感度の向上を図ることができる。
一方、a−SiC表面層におけるH/(Si+C+H)を0.45より多くすると、a−SiC表面層中には、メチル基のような水素原子の多い終端基が増加する傾向が見られる。メチル基のような複数の水素原子を有する終端基がa−SiC表面層中に多く存在すると、a−SiCの構造中に大きな空間を形成するとともに、周囲に存在する原子間の結合にひずみを生じさせる。このような構造上弱い部分は、酸化に対して弱い部分となってしまうと考えられる。また、水素原子をa−SiC表面層中に多量に含有させると、a−SiC表面層の骨格原子であるケイ素原子と炭素原子とのネットワーク化の促進が図りづらくなる。
このような理由により、H/(Si+C+H)を0.45以下にすることで、a−SiC表面層における骨格原子であるケイ素原子と炭素原子のネットワーク化の促進および原子間の結合に生じていたひずみの低減が可能となると考えられる。その結果、a−SiC表面層の表面変質抑制効果がさらに向上する。
また、本発明においては、a−SiC表面層のラマンスペクトルにおける1480cm−1のピーク強度(IG)に対する1390cm−1のピーク強度(ID)の比(ID/IG)を0.20以上0.70以下にすることが好ましい。なお、ラマンスペクトルにおける1480cm−1のピーク強度に対する1390cm−1のピーク強度の比を、以下「ID/IG」とも表記する。
まず、a−SiC表面層のラマンスペクトルについて、ダイヤモンドライクカーボンと比較しながら説明する。なお、ダイヤモンドライクカーボンを、以下「DLC」とも表記する。
sp構造とsp構造から形成されているDLCのラマンスペクトルは、1540cm−1付近に主ピークを持ち、1390cm−1付近にショルダーバンドを有する非対称なラマンスペクトルが観察される。RF−CVD法で形成されたa−SiC表面層では、1480cm−1付近に主ピークを持ち、1390cm−1付近にショルダーバンドを有するDLCに類似したラマンスペクトルが観察される。a−SiC表面層の主ピークがDLCよりも低波数側にシフトしているのは、a−SiC表面層にはケイ素原子が含まれているためである。
このことから、RF−CVD法で形成されたa−SiC表面層は、DLCに非常に近い構造を有する材料であることがわかる。
一般的に、DLCのラマンスペクトルにおいて、高波数バンドのピーク強度に対する低波数バンドのピーク強度の比が小さいほど、DLCのsp性が高い傾向があることが知られている。よって、a−SiC表面層においても、DLCと非常に近い構造であることから、高波数バンドのピーク強度に対する低波数バンドのピーク強度の比が小さいほど、sp性が高い傾向を示すと考えられる。
本発明の原子密度の高いa−SiC表面層において、a−SiC表面層におけるID/IGを0.70以下にすることにより、表面変質の抑制を、さらに向上させることができる。
この理由としては、sp性が向上すると、spの2次元のネットワーク数が減少し、spの3次元ネットワークが増加するため、骨格原子の結合数が増加し、強固な構造体が形成可能になるためだと考えている。
そのため、a−SiC表面層におけるID/IGは小さい方がより好ましいが、量産レベルで形成されるa−SiC表面層では、完全にsp構造を取り除くことはできない。そのため、本発明においては、a−SiC表面層におけるID/IGの下限値を、本実施例において表面層変質の抑制効果が確認された0.2としている。
本発明において、上記a−SiC表面層の形成方法は、上記規定を満足する層を形成できるものであればいずれの方法であってもよい。具体的には、プラズマCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。これらの中でも、原料供給の容易さなどの点で、プラズマCVD法が好ましい。
a−SiC表面層の形成方法としてプラズマCVD法を選択した場合、a−SiC表面層の形成方法は以下のとおりである。
すなわち、ケイ素原子供給用の原料ガスおよび炭素原子供給用の原料ガスを、内部を減圧にしうる反応容器内に所望のガス状態で導入し、該反応容器内にグロー放電を生起させる。これによって、該反応容器内に導入した原料ガスを分解し、あらかじめ所定の位置に設置された導電性基体上にa−SiCで構成された層を形成すればよい。
ケイ素原子供給用の原料ガスとしては、たとえば、シラン(SiH)、ジシラン(Si)などのシラン類が好適に使用できる。また、炭素原子供給用の原料ガスとしては、たとえば、メタン(CH)、アセチレン(C)などのガスが好適に使用できる。また、主にH/(Si+C+H)を調整するためとして、水素(H)を、上記の原料ガスとともに使用してもよい。
本発明のa−SiC表面層を形成する場合においては、反応容器に供給するガス流量を少なく、高周波電力を高く、または、基体の温度を高くすることにより、Si+C原子密度が高くなる傾向がある。実際は、これらの条件を適宜組み合わせて設定すればよい。
<本発明の電子写真感光体を製造するための製造装置および製造方法>
図2は本発明のa−Si系感光体を作製するための高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による感光体の堆積装置の一例を模式的に示した図である。
この装置は大別すると、反応容器2110を有する堆積装置2100、原料ガス供給装置2200、および、反応容器2110内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。
反応容器2110内にはアースに接続された導電性基体2112、導電性基体加熱用ヒーター2113および原料ガス導入管2114が設置され、さらにカソード電極2111には高周波マッチングボックス2115を介して高周波電源2120が接続されている。
原料ガス供給装置2200は、原料ガスボンベ2221〜2225、バルブ2231〜2235、圧力調整器2261〜2265、流入バルブ2241〜2245、流出バルブ2251〜2255およびマスフローコントローラ2211〜2215から構成される。各原料ガスを封入したガスのボンベは補助バルブ2260を介して反応容器2110内の原料ガス導入管2114に接続されている。原料ガスとは、SiH,H,CH,NO,Bなどである。
次にこの装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。まず、あらかじめ脱脂洗浄した導電性基体2112を反応容器2110に受け台2122を介して設置する。次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器2110内を排気する。真空計2119の表示を見ながら、反応容器2110内の圧力がたとえば1Pa以下の所定の圧力になったところで、基体加熱用ヒーター2113に電力を供給し、導電性基体2112を例えば50℃から350℃の所望の温度に加熱する。このとき、ガス供給装置2200より、Ar、Heなどの不活性ガスを反応容器2110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。
次に、ガス供給装置2200より堆積膜形成に用いるガスを反応容器2110に供給する。すなわち、必要に応じバルブ2231〜2235、流入バルブ2241〜2245、流出バルブ2251〜2255を開き、マスフローコントローラ2211〜2215に流量設定を行う。各マスフローコントローラの流量が安定したところで、真空計2119の表示を見ながらメインバルブ2118を操作し、反応容器2110内の圧力が所望の圧力になるように調整する。所望の圧力が得られたところで高周波電源2120より高周波電力を印加すると同時に高周波マッチングボックス2115を操作し、反応容器2110内にプラズマ放電を生起する。その後、速やかに高周波電力を所望の電力に調整し、堆積膜の形成を行う。
所定の堆積膜の形成が終わったところで、高周波電力の印加を停止し、バルブ2231〜2235、流入バルブ2241〜2245、流出バルブ2251〜2255、および補助バルブ2260を閉じ、原料ガスの供給を終える。それと同時に、メインバルブ2118を全開にし、反応容器2110内を1Pa以下の圧力まで排気する。
以上で、堆積層の形成を終えるが、複数の堆積層を形成する場合、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すればよい。また複数の層を連続的に形成する場合は、原料ガス流量や、圧力などを次の層条件に一定の時間で変化させて、接合領域の形成を行うこともできる。
すべての堆積膜形成が終わったのち、メインバルブ2118を閉じ、反応容器2110内に不活性ガスを導入し大気圧に戻した後、導電性基体2112を取り出す。
本発明の電子写真感光体は、従来周知の電子写真感光体の表面層に比べてa−SiCを構成しているケイ素原子および炭素原子の原子密度を上げて、原子密度の高い膜構造の表面層を形成している。上述したように、本発明の原子密度の高いa−SiC表面層を作製する場合には、表面層作成時の条件にもよるが、一般的に、反応容器に供給するガス量が少ない方がよく、高周波電力、反応容器内の圧力および導電性基体の温度はいずれも高い方がよい。
反応容器内に供給するガス量を減らし、かつ、高周波電力を上げることにより、ガスの分解を促進させることができる。これにより、ケイ素原子供給源(例えば、SiH4)よりも分解しにくい炭素原子供給源(例えば、CH)を効率よく分解することができる。その結果、水素原子の少ない活性種が生成され、導電性基体上に堆積した膜中の水素原子が減少するため原子密度の高いa−SiC表面層が形成可能となる。
また、反応容器内の圧力を高めることで、反応容器内に供給された原料ガスの反応容器中での滞留時間が長くなる。また、原料ガスの分解により生じた水素原子により弱結合水素の引き抜き反応が生じる。その結果、ケイ素原子と炭素原子のネットワーク化が促進されると考えられる。
さらに、導電性基体の温度を上げることにより、導電性基体に到達した活性種の表面移動距離が長くなり、より安定した結合をつくることができる。その結果、a−SiC表面層として、より構造的に安定した配置に各原子が結合できると考えられる。
<本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置>
a−Si感光体を用いた電子写真装置による画像形成方法を、図3を用いて説明する。
まず、電子写真感光体301を回転させ、電子写真感光体301の表面を主帯電器(帯電手段)302により均一に帯電させる。その後、像露光装置(像露光手段(静電潜像形成手段))(図示せず)により電子写真感光体301の表面に像露光光306を照射し、電子写真感光体301の表面に静電潜像を形成した後、現像器(現像手段)312より供給されるトナーを用いて現像を行う。この結果、電子写真感光体301の表面にトナー像が形成される。そして、このトナー像を転写帯電器(転写手段)304により転写材310に転写し、電子写真感光体301から転写材310を分離して、トナー像を転写材310に定着させる。
一方、トナー像が転写された電子写真感光体301の表面に残留するトナーをクリーナー309により除去し、その後、除電器303により電子写真感光体301の表面の全域を露光することにより、電子写真感光体301中の静電潜像時の残キャリアを除電する。この一連のプロセスを繰り返すことで連続して画像形成が行われる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
図2に示す、周波数としてRF帯の高周波電源を用いたプラズマ処理装置を用いて、円筒状基体(直径80mm、長さ358mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム基体)上に下記表1に示す条件で負帯電用の電子写真感光体を作製した。その際、下部阻止層、光導電層、上部阻止層、表面層の順に成膜(層形成)を行った。また、表面層形成時の高周波電力、SiH流量およびCH流量を表2に示す条件とした。また、負帯電用の電子写真感光体の作製本数は、各成膜条件で2本ずつとした。
作製した負帯電用の電子写真感光体を以下の構成の電子写真装置に設置し、後述の評価を行った。
図3に示した構成のキヤノン(株)製の電子写真装置iR−5065(商品名)をベースとし、負帯電プロセスに改造し、プロセススピードを300mm/secに変更した電子写真装置を準備した。
さらに耐久試験による特性変化を評価するために、電子写真装置においては表面電位の電位制御手段は作動しないようにした。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
実施例1により作製した各成膜条件2本ずつの負帯電用の電子写真感光体について後述の条件にて各評価を行った。
まず、各成膜条件1本の負帯電用の電子写真感光体を用いて、C/(Si+C)、ケイ素原子の原子密度(以下、「Si原子密度」とも表記する。)、炭素原子の原子密度(以下、「C原子密度」とも表記する。)、Si+C原子密度、水素原子の原子密度(以下、「H原子密度」とも表記する。)、H原子比(H/(Si+C+H)のこと。以下同じ。)、およびsp性を後述の分析方法により求めた。また、上部阻止層のC/(Si+C)、Si原子密度、C原子密度に関しても後述の分析方法により求めた。なお、上部阻止層のホウ素原子の含有量は、SIMS(2次イオン質量分析)(CAMECA社製、商品名:IMS−4F)を用いて測定した。
そして、各成膜条件の残りの1本の負帯電用の電子写真感光体により、後述の評価条件にて密着性、感度ムラ、階調性および感度の評価を行った。
これら結果を表5および表6に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
(表面層のC/(Si+C)、Si原子密度、C原子密度、Si+C原子密度、H原子密度、H原子比の測定)
まず、表1の下部阻止層、光導電層、上部阻止層のみを形成したリファレンス電子写真感光体を作製し、任意の周方向における長手方向の中央部を15mm四方(15mmx15mm)で切り出し、リファレンス試料を作製した。次に、下部阻止層、光導電層、上部阻止層および表面層を形成した電子写真感光体を同様に切り出し、測定用試料を作製した。リファレンス試料と測定用試料を分光エリプソメトリー(J.A.Woollam社製:高速分光エリプソメトリー M−2000)により測定し、表面層の膜厚を求めた。
分光エリプソメトリーの具体的な測定条件は、入射角:60°、65°、70°、測定波長:195nmから700nm、ビーム径:1mm×2mmである。
まず、リファレンス試料を分光エリプソメトリーにより各入射角で波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を求めた。
次に、リファレンス試料の測定結果をリファレンスとして、測定用試料をリファレンス試料と同様に分光エリプソメトリーにより各入射角で波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を求めた。
さらに、下部阻止層、光導電層、上部阻止層、および表面層を順次積層し、電子写真感光体の表面に表面層と空気層が共存する粗さ層を有する層構成を計算モデルとして用いて、解析ソフトにより各入射角における波長とΨおよびΔの関係を計算により求めた。そして、各入射角における上記計算により求めた波長とΨおよびΔの関係と測定用試料を測定して求めた波長とΨおよびΔの関係の平均二乗誤差が最小となるときの計算モデルを選択した。この選択した計算モデルにより表面層の膜厚を算出し、得られた値を表面層の膜厚とした。なお、解析ソフトはJ.A.Woollam社製のWVASE32を用いた。また、粗さ層の表面層と空気層の体積比に関しては、表面層:空気層を10:0から1:9まで粗さ層における空気層の比率を1ずつ変化させて計算をした。
本実施例で各成膜条件により作製された負帯電用の電子写真感光体においては、粗さ層の表面層と空気層の体積比が8:2のときに計算によって求められた波長とΨおよびΔの関係と測定して求められた波長とΨおよびΔの関係の平均二乗誤差が最小となった。
分光エリプソメトリーによる測定が終了した後、上記測定用試料をRBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製、後方散乱測定装置、商品名:AN−2500)により、RBSの測定面積における表面層中のケイ素原子および炭素原子の数を測定した。測定したケイ素原子および炭素原子の数から、C/(Si+C)を求めた。次に、RBSの測定面積から求めたケイ素原子および炭素原子に対し、分光エリプソメトリーにより求めた表面層の膜厚を用いて、Si原子密度、C原子密度およびSi+C原子密度を求めた。
RBSと同時に、上記測定用試料をHFS(水素前方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、HFSの測定面積における表面層中の水素原子の数を測定した。HFSの測定面積から求めた水素原子の数と、RBSの測定面積から求めたケイ素原子の数および炭素原子の数により、H原子比を求めた。次に、HFS測定面積から求めた水素原子の数に対し、分光エリプソメトリーにより求めた表面層の膜厚を用いて、H原子密度を求めた。
RBSおよびHFSの具体的な測定条件は、入射イオン:He、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:35nA、入射ビーム経:1mmであり、RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mm、HFSの検出器は、反跳角:30°、アパーチャ径:8mm+Slitで測定を行った。
(上部阻止層のC/(Si+C)の測定)
まず、下部阻止層、光導電層および、上部阻止層を形成した電子写真感光体を作製し、任意の周方向における長手方向の中央部を15mm四方で切り出し、測定用試料を作製した。
上記測定用試料をRBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、RBSの測定面積における上部阻止層のケイ素原子および炭素原子の数を測定した。測定したケイ素原子および炭素原子の数から、C/(Si+C)を求めた。
RBSの具体的な測定条件は、入射イオン:He、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:35nA、入射ビーム経:1mmであり、RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mmで測定を行った。
(上部阻止層のホウ素原子の含有量の測定)
まず、下部阻止層、光導電層および、上部阻止層を形成した電子写真感光体を作製し、任意の周方向における長手方向の中央部を15mm四方で切り出し、測定用試料を作製した。
この測定用試料を用いて、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量をSIMS(2次イオン質量分析)(CAMECA社製、商品名:IMS−4F)を用いて測定した。
(密着性1)
評価には、キヤノン(株)製の電子写真装置iR−5065(商品名)を負帯電プロセスに改造し、プロセススピードを300mm/secに変更した改造機を用いた。
作製した電子写真感光体を電子写真装置に設置し、白地に全面2ポイントの文字よりなるテストチャートを原稿台に置いて、A4サイズの画像出力(コピー)を100万枚行った。なお、25万枚画像出力ごとに負帯電用の電子写真感光体を取り出し、温度−30℃に調整された容器の中に12時間放置し、その後直ちに温度+50℃、相対湿度95%に調整された容器の中に12時間放置する。このサイクルを2サイクル繰り返した後に、電子写真感光体表面を観察して、膜剥がれの有無を確認した。得られた結果は、以下のような基準でランク付けを行った。
A:膜剥がれは全く見られないレベル
B:表面層の全領域に対して1%未満の膜剥がれが発生するレベル
C:表面層の全領域に対して1%以上10%未満の膜剥がれが発生するレベル
D:表面層の全領域に対して10%以上の膜剥がれが発生するレベル
(密着性2)
密着性1を評価した後の電子写真感光体を、新東化学(株)製のHEIDON(Type:14S)に設置し、ダイヤモンド針で電子写真感光体の表面を引っ掻き、電子写真感光体の表面に剥がれが発生したときのダイヤモンド針にかかる荷重で密着性を評価した。
評価結果は、比較例1の成膜条件No.6の値を100%とした相対評価とし、以下に示す判断基準によってランク判定を行った。なお、この評価では、電子写真感光体の表面に剥がれが発生したときのダイヤモンド針にかかる荷重が大きいほど、密着性がよく良好な結果であることを示している。
A:100%以上
B:80%以上100%未満
C:60%以上80%未満
D:60%未満
(感度ムラ)
評価には、キヤノン(株)製の電子写真装置iR−5065(商品名)を負帯電プロセスに改造し、プロセススピードを300mm/secに変更した改造機を用いた。
作製した電子写真感光体を、電子写真装置に設置し、像露光を切った状態で電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置の暗部電位が−500Vになるように主帯電器に供給する電流量を調整する。その後、像露光光を照射し、現像器位置の明部電位が−100Vになるように像露光光の光量を調整した。この状態において、電子写真感光体における暗部電位と明部電位との電位差(暗部電位−明部電位)の分布を以下の位置で測定し、その最大値の最小値に対する比(%)と100(%)との差を電位ムラとして測定した。
電位分布の測定位置は電子写真感光体の長手方向9点(電子写真感光体の長手方向中央を基準として、0mm、±50mm、±90mm、±130mm、±150mm)とした。
この、9点の測定値の最大値と最小値の比から、以下に示す判断基準によってランク判定を行った。
また、感度ムラの評価は上述の密着性1の評価とともに25万枚ごとに実施し、100万枚画像出力までの感度ムラを評価した。
なお、この評価項目では、A4サイズの画像出力(コピー)を100万枚行った時点で、B以上を維持していれば本発明の効果が得られ、表面変質の抑制に優れていると判断した。
A:1.0%未満の電位ムラで良好な画像。
B:1.0%以上2.5%未満の電位ムラがあるが画像に濃度ムラのないレベル。
C:2.5%以上の電位ムラが発生し、画像に濃度ムラが発生。
(階調性評価)
階調性評価には、キヤノン(株)製の電子写真装置「iR−5065(商品名)」(商品名)の改造機を用いた。そして、まず、像露光光による45度170lpi(1インチあたり170線)の線密度で面積階調ドットスクリーンを用い、面積階調(すなわち像露光を行うドット部分の面積階調)によって、全階調範囲を18段階に均等配分した階調データを作成した。このとき、最も濃い階調を17、最も薄い階調を0として各階調に番号を割り当て、階調段階とした。
次に、上記の改造した電子写真装置に作製した電子写真感光体を設置し、上記階調データを用いて、テキストモードを用いてA3用紙に出力した。
なお、このときの評価環境は、温度22℃、相対湿度50%の環境下で、感光体ヒーターをONにして、電子写真感光体の表面を40℃に保った条件で画像を出力した。
得られた画像を各階調ごとに反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)により画像濃度を測定した。なお、反射濃度測定では各々の階調ごとに3枚の画像を出力し、それらの濃度の平均値を評価値とした。
こうして得られた評価値と階調段階との相関係数を算出し、各階調の反射濃度が完全に直線的に変化する階調表現が得られた場合である相関係数=1.00からの差分を求めた。そして、成膜条件No.2で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体の相関係数から算出される差分の比を階調性の指標として評価した。この評価において、数値が小さいほど階調性が優れており、直線的に近い階調表現がなされていることを示している。なお、階調性評価に対して、Aで本発明の効果が得られていると判断した。
A‥成膜条件No.2で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体から算出される相関係数=1.00からの差分の比が1.80以下。
B‥成膜条件No.2で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体から算出される相関係数=1.00からの差分の比が1.80より大きい。
(感度評価)
評価には、キヤノン(株)製の電子写真装置iR−5065(商品名)を負帯電プロセスに改造し、プロセススピードを300mm/secに変更した改造機を用いた。
作製した電子写真感光体を、電子写真装置に設置し、像露光を切った状態で電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置の電位が−500Vになるように主帯電器に供給する電流量を調整した。その後、像露光光を照射し現像器位置の電位が−100Vになるように像露光光の光量を調整した。その際の像露光光の光量を用いて評価を行った。感度評価で用いた電子写真装置の像露光光源は、発振波長が658nmの半導体レーザーである。評価結果は比較例1で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体を搭載した場合の像露光光の光量を1.00とした相対比較で示した。なお、感度評価に対して、B以上で本発明の効果が得られていると判断した。
A‥比較例1で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が1.10未満。
B‥比較例1で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が1.10以上1.15未満。
C‥比較例1で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が1.15以上。
(sp性評価)
sp性は、電子写真感光体の任意の周方向における長手方向の中央部を10mm四方(10mmx10mm)で切り出した試料を、レーザーラマン分光光度計(日本分光(株)製:NRS−2000)により算出した。
具体的な測定条件は、光源:Ar+レーザー 514.5nm、レーザー強度:20mA、対物レンズ:50倍とし、中心波長を1380cm−1、露光時間30秒、積算5回で3回測定した。得られたラマンスペクトルの解析方法を以下に示す。ショルダーラマンバンドのピーク波数を1390cm−1で固定し、主ラマンバンドのピーク波数を1480cm−1に設定して固定せずに、ガウシアン分布を用いてカーブフィッティングを行った。このとき、ベースラインは直線近似とした。カーブフィッティングより得られた主ラマンバンドのピーク強度IGとショルダーラマンバンドのピーク強度IDよりID/IGを求め、3回の平均値をsp性の評価に用いた。
<比較例1>
実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。但し、表面層は下記表3に示す条件とした。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を表5、6に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
<比較例2>
表面層を下記表4に示す条件で水素化アモルファスカーボンで構成された表面層を形成すること以外は実施例1と同様に負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に密着性1、密着性2、感度ムラを評価した。
これら結果を表6に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
Figure 2011154349
なお、a−SiCで構成された上部阻止層の上にa−C表面層を形成した比較例2では、25万枚画像出力後の密着性評価で表面層に部分的な膜剥がれが発生したため、それ以後の感度ムラ評価を行うことができず、表6中には「−」で表した。
表5、表6の結果より以下のことがわかった。
a−SiCで構成された上部阻止層の上にa−C表面層を形成した電子写真感光体では、密着性評価において良好な結果が得られなかったのに対し、表面層をa−SiC表面層で形成することにより長期の使用に於いても表面層の膜剥がれは発生しないことがわかった。また、表面層のSi+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上にすることにより、表面変質が抑制され、良好な感度ムラが維持されることがわかった。さらに、Si+C原子密度を6.81×1022原子/cm以上にすることにより、その効果がさらに良好となることがわかった。
この結果より、表面層のSi+C原子密度を上記範囲とすることで、耐久性に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。
<実施例2>
表面層を下記表7に示す条件で作製すること以外は、実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を表9、表10に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
<比較例3>
表面層を下記表8に示す条件で作製すること以外は、実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を表9、表10に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表9および表10の結果より、表面層のSi+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上としたうえでC/(Si+C)を0.61以上にすることで階調性が良好となることがわかった。また、表面層のSi+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上としたうえでC/(Si+C)を0.75以下にすることで、光吸収が抑制され、感度が良好となることがわかった。
この結果より、Si+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上とし、表面層のC/(Si+C)を0.61以上0.75以下とすることで、表面変質が抑制され良好な感度ムラが維持されるとともに、階調性および感度に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。
<実施例3>
表面層を下記表11に示す条件で作製すること以外は、実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を実施例2の成膜条件No.10と併せて表12および表13に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表12および表13の結果より、表面層のH原子比を0.30以上にすることにより、光吸収が抑制されたため感度が良化した。また、表面層のH原子比を0.45以下にすることにより、表面変質がさらに抑制され感度ムラが良化した。
この結果より、Si+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上とし、C/(Si+C)を0.61以上0.75以下としたうえで、表面層のH原子比を上記範囲とすることで、表面変質が抑制されより良好な感度ムラが得られるとともに、階調性および感度に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。
<実施例4>
表面層を下記表14に示す条件で作製すること以外は、実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を実施例1の成膜条件No.4、実施例2の成膜条件No.9、11と併せて表15および表16に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表15および表16の結果より、表面層のsp性を0.20以上0.70以下の範囲とすることで、さらに表面変質が抑制され、耐久性に優れた電子写真装置が得られることがわかった。
<比較例4>
表面層を下記表17に示す条件で作製すること以外は、実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を実施例1の成膜条件No.4、実施例2の成膜条件No.12、実施例3の成膜条件No.22、23と併せて表18および表19に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表18および表19の結果より、表面層のSi+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上、かつ、C/(Si+C)を0.61以上0.75以下にすることにより表面変質が抑制され良好な感度ムラが維持されるとともに、密着性、階調性および感度に優れた電子写真感光体が得られた。
この結果、本発明の範囲において、a−SiC表面層の表面での変質の抑制が可能となり、長期の使用に於いても感度ムラ、密着性、階調性、感度および電子写真感光体特性に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。
<実施例5>
表面層を下記表20に示す条件で作製すること以外は、実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を実施例2の成膜条件No.8、比較例3の成膜条件No.15、実施例3の成膜条件No.18、19、21と併せて表22および表23に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
<比較例5>
表面層を下記表21に示す条件で作製すること以外は、実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を実施例5および実施例2の成膜条件No.8、比較例3の成膜条件No.15、実施例3の成膜条件No.18、19、21と併せて表22および表23に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表22および表23の結果より、表面層のSi+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上、かつ、C/(Si+C)を0.61以上0.75以下にすることで表面変質が抑制され良好な感度ムラが得られるとともに、密着性、階調性および感度に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。
この結果、本発明の範囲において、a−SiC表面層の表面での変質の抑制が可能となり、長期の使用に於いても密着性、階調性、感度および電子写真感光体特性に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。
<比較例6>
表面層を下記表24に示す条件で作製すること以外は、実施例1と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
これら結果を実施例1の成膜条件No.1、実施例2の成膜条件No.11、実施例4の成膜条件No.27、29と併せて表25および表26に示す。
なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内にあった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表25および表26の結果より、表面層のSi+C原子密度を6.60×1022原子/cm以上、かつ、C/(Si+C)を0.61以上0.75以下にすることで密着性、感度ムラ、階調性および感度に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。
この結果、本発明の範囲において、a−SiC表面層の表面での変質の抑制が可能となり、長期の使用に於いても密着性、階調性、感度および電子写真感光体特性に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。
<実施例6>
図2に示す、周波数としてRF帯の高周波電源を用いたプラズマ処理装置を用いて、円筒状基体(直径80mm、長さ358mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム基体)上に下記表27に示す条件で負帯電用の電子写真感光体を作製した。その際、下部阻止層、光導電層、上部阻止層、表面層の順に成膜を行い、上部阻止層作製時の高周波電力、各ガスの流量を下記表28に示す条件とした。また、負帯電用の電子写真感光体の作製本数は、各成膜条件で2本ずつ作製した。なお、表面層形成条件は実施例1の成膜条件No.4と同じであり、形成される表面層は本発明の範囲のものである。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様の方法で、上部阻止層のC/(Si+C)、ホウ素原子の含有量、および密着性、感度ムラ、階調性を求め、以下に示す方法で帯電能を評価した。
これら結果を実施例1の成膜条件No.4、および比較例7と併せて表30に示す。なお、上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は成膜条件No.43〜46では300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあり、成膜条件No.70では30000原子ppm、成膜条件No.71では10原子ppmであった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
(帯電能評価)
評価には、キヤノン(株)製の電子写真装置iR−5065(商品名)を負帯電プロセスに改造し、プロセススピードを300mm/secに変更した改造機を用いた。
像露光を切った状態で主帯電器に印加する電流量を−1600μAに調整して電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置での電子写真感光体の表面電位を測定し、その表面電位の値を帯電能とした。
評価結果は実施例1で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体を搭載した場合の帯電能を1.00とした相対比較で示した。なお、帯電能評価に対して、AまたはBであれば良好であると判断した。
A‥実施例1で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が1.20以上。
B‥実施例1で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が0.95以上1.20未満。
C‥実施例1で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が0.95未満。
<比較例7>
上部阻止層を下記表29に示す条件で作製すること以外は、実施例6と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例6と同様に評価した。
これら結果を実施例1の成膜条件No.4、および実施例6と併せて表30に示す。なお、表面層のC/(Si+C)は0.72±0.01、Si+C原子密度は(6.90±0.02)×1022原子/cm、H原子比は0.41±0.01の範囲内にあった。上部阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量は300原子ppm±10原子ppmの範囲内にあった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表30の結果より、上部阻止層のC/(Si+C)を0.10以上0.60以下にすることで帯電能、階調性が良好に維持されることがわかった。そして表面変質が抑制され感度ムラが良好に維持されるとともに、密着性、階調性および帯電能に優れた電子写真感光体が得られることが確認された。
<実施例7>
上部阻止層を下記表31に示す条件で作製すること以外は、実施例6と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。なお、表面層形成条件は実施例1の成膜条件No.4と同じであり、形成される表面層は本発明の範囲のものである。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例6と同様に評価した。
これら結果を実施例1の成膜条件No.4、および比較例8と併せて表33に示す。なお、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内であった。
Figure 2011154349
<比較例8>
上部阻止層を下記表32に示す条件で作製すること以外は、実施例6と同様の方法により、負帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例6と同様に評価した。
これら結果を実施例1の成膜条件No.4、および実施例7と併せて表33に示す。なお、上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.01の範囲内であった。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表33の結果より、上部阻止層の周期表の第13族原子であるホウ素原子の含有量をケイ素原子に対して10原子ppm以上30000原子ppm以下にすることで、帯電能、階調性が良好に維持されることがわかった。そして表面変質が抑制され感度ムラが良好に維持されるとともに、密着性、階調性および帯電能に優れた電子写真感光体が得られることが確認された。
<実施例8>
図2に示す、周波数としてRF帯の高周波電源を用いたプラズマ処理装置を用いて、円筒状基体(直径80mm、長さ358mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム基体)上に下記表34に示す条件で正帯電用の電子写真感光体を作製した。その際、上部阻止層は下記表35に示す条件とした。また、正帯電用の電子写真感光体の作製本数は、各成膜条件で2本ずつ作製した。なお、表面層形成条件は実施例1の成膜条件No.4と同じであり、形成される表面層は本発明の範囲のものである。
作製した正帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様の方法で、上部阻止層のC/(Si+C)および密着性、感度ムラ、階調性を求め、以下に示す方法で帯電能を評価した。
なお、密着性、感度ムラ、階調性を評価する際、評価機は負帯電用に変更せず、正帯電用のままで用いた。
また、上部阻止層のケイ素原子に対するリン原子の含有量は、ホウ素原子の含有量と同様にして、SIMS(2次イオン質量分析)(CAMECA社製、商品名:IMS−4F)を用いて測定した。
これら結果を比較例9と併せて表37に示す。
(帯電能評価)
評価には、キヤノン(株)製の電子写真装置iR−5065(商品名)をプロセススピードが300mm/secになるよう変更した改造機を用いた。
像露光を切った状態で主帯電器に印加する電流量を+1600μAに調整して電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置での電子写真感光体の表面電位を測定し、その表面電位の値を帯電能とした。
評価結果は実施例8で作製した成膜条件No.55の電子写真感光体を搭載した場合の帯電能を1.00とした相対比較で示した。なお、帯電能評価に対して、AまたはBであれば良好であると判断した。
A‥実施例8で作製した成膜条件No.55の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が1.20以上。
B‥実施例8で作製した成膜条件No.55の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が0.95以上1.20未満。
C‥実施例8で作製した成膜条件No.55の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が0.95未満。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
<比較例9>
上部阻止層を下記表36に示す条件で作製すること以外は、実施例8と同様の方法により、正帯電用の電子写真感光体を2本作製した。
作製した正帯電用の電子写真感光体を実施例8と同様に評価した。
これら結果を実施例8と併せて表37に示す。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
※上部阻止層のC/(Si+C)は0.30±0.05の範囲内であった。
表37の結果より、上部阻止層中の周期表の第15族原子であるリン原子の含有量をケイ素原子に対して10原子ppm以上30000原子ppm以下にすることで帯電能、階調性が良好に維持されることがわかった。そして表面変質が抑制され感度ムラが良好に維持されるとともに、密着性、階調性および帯電能に優れた電子写真感光体が得られることが確認された。
<実施例9>
図2に示す、周波数としてRF帯の高周波電源を用いたプラズマ処理装置を用いて、円筒状基体(直径84mm、長さ381mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム基体)上に下記表38に示す条件で負帯電用の電子写真感光体を作製した。その際、下部阻止層、光導電層、上部阻止層、表面層の順に成膜を行い、光導電層の膜厚条件を調整することにより電子写真感光体の総膜厚を下記表39に示す条件とした。また、負帯電用の電子写真感光体の作製本数は、各成膜条件で2本ずつ作製した。なお、表面層形成条件は実施例4の成膜条件No.26と同じであり、形成される表面層は本発明の範囲のものである。
作製した負帯電用の電子写真感光体を実施例1と同様の方法で、密着性および、感度ムラ、階調性を求め、さらに帯電能および感度を以下の方法で評価した。
但し、ここで用いた電子写真装置は、キヤノン(株)製の電子写真装置iR−5065(商品名)をプロセススピードが700mm/secになるよう変更した改造機である。
これら評価結果を実施例4の成膜条件No.26を併せて表40に示す。
(帯電能評価)
評価には、キヤノン(株)製の電子写真装置iR−5065(商品名)をプロセススピードが700mm/secになるよう変更した改造機を用いた。
像露光を切った状態で主帯電器に印加する電流量を−1600μAに調整して電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置での電子写真感光体の表面電位を測定し、その表面電位の値を帯電能とした。
評価結果は実施例4で作製した成膜条件No.26の電子写真感光体を搭載した場合の帯電能を1.00とした相対比較で示した。
AA‥実施例4で作製した成膜条件No.26の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が1.45以上。
A‥実施例4で作製した成膜条件No.26の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が1.20以上1.45未満。
B‥実施例4で作製した成膜条件No.26の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が0.95以上1.20未満。
(感度評価)
評価には、帯電能評価と同じ評価機を用いた。
作製した電子写真感光体を、電子写真装置に設置し、像露光を切った状態で、電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置での電子写真感光体の表面電位が−500Vになるように主帯電器に供給する電流量を調整する。その後、像露光光を照射し、現像器位置での電子写真感光体の表面電位が−100Vになるように像露光光源の光量を調整した。その際の像露光光の光量を用いて評価を行った。
感度評価で用いた電子写真装置の像露光光源は、発振波長が658nmの半導体レーザーである。
評価結果は実施例4で作製した成膜条件No.26の電子写真感光体を搭載した場合の像露光光の光量を1.00とした相対比較で示した。
AA‥実施例4で作製した成膜条件No.26の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が0.80未満。
A‥実施例4で作製した成膜条件No.26の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が0.80以上0.90未満。
B‥実施例4で作製した成膜条件No.26の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が0.90以上。
Figure 2011154349
Figure 2011154349
Figure 2011154349
表40の結果より、電子写真感光体の総膜厚を40μm以上にすることで高速プロセスに於いても特に帯電能、感度に優れ、密着性、感度ムラおよび階調性に優れた電子写真感光体が得られることがわかった。また、電子写真感光体の総膜厚が90μmとした場合には膜の異常成長部位が大きく成長するため、画像欠陥が増加する場合があった。
101 基体
102 下部阻止層
103 光導電層
104 上部阻止層
105 表面層

Claims (6)

  1. 導電性基体、該導電性基体上のアモルファスシリコンで構成された下部阻止層、該下部阻止層上のアモルファスシリコンで構成された光導電層、該光導電層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された上部阻止層、および、該上部阻止層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された表面層を有する電子写真感光体において、
    該上部阻止層が、周期表の第13族原子または第15族原子を、該上部阻止層中のケイ素原子に対して10原子ppm以上30000原子ppm以下含有し、
    該上部阻止層におけるケイ素原子の数(Si)と炭素原子の数(C)との和に対する炭素原子の数(C)の比(C/(Si+C))が、0.10以上0.60以下であり、
    該表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が、6.60×1022原子/cm以上であり、
    該表面層におけるケイ素原子の数(Si)と炭素原子の数(C)との和に対する炭素原子の数(C)の比(C/(Si+C))が、0.61以上0.75以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記表面層におけるケイ素原子の数(Si)と炭素原子の数(C)と水素原子の数(H)との和に対する水素原子の数(H)の比(H/(Si+C+H))が、0.30以上0.45以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が、6.81×1022原子/cm以上である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面層のラマンスペクトルにおける1480cm−1のピーク強度(IG)に対する1390cm−1のピーク強度(ID)の比(ID/IG)が、0.20以上0.70以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記導電性基体上に設けられているすべての層の総膜厚が、40μm以上80μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、像露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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