JP2011153219A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低温及び高温条件下でのグリップ性能、グリップ性能の持続性(走行中のグリップ性能低下の抑制)、耐摩耗性を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、平均一次粒子径が200nm以下である酸化亜鉛と、重量平均分子量が1000〜5000である液状スチレンブタジエンとを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
レース用タイヤをはじめとした競技用タイヤのトレッドゴムには、一般的にグリップ性能及び耐摩耗性が共に優れていることが要求される。従来、高いグリップ性能を得るため、例えば、ガラス転移温度(Tg)の高いスチレンブタジエンゴム(SBR)を使用することが知られている。しかし、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなる(低温条件下でのグリップ性能と高温条件下でのグリップ性能の差が大きくなる)という問題があった。
また、一般的に加硫剤として硫黄が用いられ、加硫助剤として、酸化亜鉛やステアリン酸が使用されている。そして、酸化亜鉛としては、平均1次粒子径が200nmを超える平均一次粒子径の大きな酸化亜鉛が通常使用されている。しかし、平均一次粒子径の大きな酸化亜鉛を使用すると、酸化亜鉛をゴム中に分散させるのが困難となるため、酸化亜鉛がブローアウトの核となったり、架橋密度が変化し、ゴム物性が変化したりする。そのため、走行中に熱劣化により、ブローアウトしたり、ゴム性能が変化したりして、グリップ性能が低下してしまうという問題があった。
特許文献1では、スチレンブタジエンゴムと、平均一次粒子径の小さな酸化亜鉛とを配合した競技用タイヤ用ゴム組成物により、走行中のグリップ性能の低下が抑制できることが開示されている。また、特許文献2、3では、スチレンブタジエンゴムと、特定のシリカと、平均一次粒子径の小さな酸化亜鉛とを配合したタイヤ用ゴム組成物により、低燃費性、ウェットスキッド性能、耐摩耗性等を向上できることが開示されている。しかし、低温及び高温条件下でのグリップ性能、グリップ性能の持続性(走行中のグリップ性能低下の抑制)、耐摩耗性を向上するという点では改善の余地がある。
特開2009−73886号公報 特開2008−101127号公報 特開2008−101128号公報
本発明は、前記課題を解決し、低温及び高温条件下でのグリップ性能、グリップ性能の持続性(走行中のグリップ性能低下の抑制)、耐摩耗性を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、平均一次粒子径が200nm以下である酸化亜鉛と、重量平均分子量が1000〜5000である液状スチレンブタジエンとを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記液状スチレンブタジエンのブタジエン部の水素添加率が60モル%以下であることが好ましい。
上記ゴム成分100質量部に対して、上記酸化亜鉛の含有量が0.5〜4.0質量部、上記液状スチレンブタジエンの含有量が10質量部以上であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。上記空気入りタイヤが、競技用タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛と、特定の重量平均分子量の液状スチレンブタジエンとを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、低温及び高温条件下でのグリップ性能、グリップ性能の持続性(走行中のグリップ性能低下の抑制)、耐摩耗性を向上できる。該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に使用することにより、低温及び高温条件下でのグリップ性能、グリップ性能の持続性(走行中のグリップ性能低下の抑制)、耐摩耗性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛と、特定の重量平均分子量の液状スチレンブタジエンとを含む。
本発明では、ゴム成分としてスチレンブタジエンゴム(SBR)を含む。SBRを含むことにより、グリップ性能を向上できる。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。なかでも、ブローアウトが起こりにくいという理由から、S−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。25質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。50質量%を超えると、発熱しやすくなり、ブローアウトが起こりやすい傾向がある。なお、スチレン含有量は、H−NMR測定によって算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。80質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、グリップ性能、耐摩耗性、耐ブローアウト性、タイヤ内部の部材との加硫接着性に優れるという理由から、SBRの含有量は、100質量%であることが更に好ましい。
SBR以外に本発明で使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛が使用される。特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛を配合することにより、酸化亜鉛の分散性が向上し、ブローアウトの核となることが少なく、グリップ性能の低下を抑制でき、グリップ性能の持続性を向上できる。
酸化亜鉛の平均一次粒子径は、200nm以下、好ましくは150nm以下、より好ましくは120nm以下、更に好ましくは100nm以下である。200nmを超えると、酸化亜鉛をゴム中に分散させにくくなるため、クラックの起点となり、ブローアウトしてしまうおそれがある。酸化亜鉛の平均一次粒子径は、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。20nm未満であると酸化亜鉛の粒子どうしの凝集により、かえって分散しにくくなり、ブローアウトの核となる傾向がある。
なお、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)を表す。
上記酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。0.5質量部未満では、充分な加硫を行えない傾向がある。また、該酸化亜鉛の含有量は、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。4.0質量部を超えると、クラックの起点になりやすく、ブローアウトが発生しやすくなる傾向がある。
本発明では、特定の重量平均分子量の液状スチレンブタジエンが使用される。これにより、耐摩耗性とグリップ性能(低温及び高温条件下でのグリップ性能)を向上できる。
なお、本明細書において、液状スチレンブタジエンとは、室温(25℃)において液状であるスチレンブタジエンを意味する。なお、液状スチレンブタジエンは、ゴム成分には含まれない。
液状スチレンブタジエンの重量平均分子量(Mw)は1000以上、好ましくは1500以上である。Mwが1000未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、液状スチレンブタジエンのMwは5000以下、好ましくは4000以下である。Mwが5000を超えると、特に低温条件下でのグリップ性能が低下する傾向がある。なお、Mwは、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液状スチレンブタジエンのガラス転移温度(Tg)は、−60℃以上が好ましく、−50℃以上がより好ましい。Tgが−60℃未満では、エネルギーロスが低く、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。
また液状スチレンブタジエンのTgは、−20℃以下が好ましく、−30℃以下がより好ましい。液状スチレンブタジエンのTgが−20℃を超えると、低温で硬くなり、低温条件下での充分なグリップ性能が得られない傾向がある。なお、Tgは、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液状スチレンブタジエンのスチレン含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、ガラス転移温度(Tg)が低く、エネルギーロスが低くなり、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。40質量%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎて、低温で硬くなり、低温下で充分なグリップ性能が得られないおそれがある。なお、スチレン含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液状スチレンブタジエンにおけるブタジエン部の二重結合は水素添加されていることが好ましい。これにより、液状スチレンブタジエンとゴム成分との架橋反応が発生しにくくなるため、グリップ性能(特に、高温条件下でのグリップ性能)、グリップ性能の持続性(走行中のグリップ性能低下の抑制)、耐摩耗性を向上できる。水素添加反応としては、例えば、有機溶媒中で金属触媒の存在下で水素を加圧する方法、ヒドラジンを用いる方法などの従来公知の方法を用いることができる(特開昭59−161415号公報など)。
液状スチレンブタジエンにおけるブタジエン部の二重結合に水素が添加されている場合、液状スチレンブタジエンのブタジエン部の水素添加率(当該液状スチレンブタジエンのブタジエン部に対して水素添加された割合)は、25モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。水素添加率が25モル%未満では、液状スチレンブタジエンがマトリックスであるゴム成分に架橋反応により取り込まれ、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、水素添加率は、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。水素添加率が60モル%を超えると、ゴム組成物が硬くなり、充分なグリップ性能および耐摩耗性が得られず、また、ブリードアウトしてしまう傾向がある。なお、水素添加率は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液状スチレンブタジエンの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上である。10質量部未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、該液状スチレンブタジエンの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。60質量部を超えると、耐摩耗性が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、シリカ等の補強用充填剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、各種老化防止剤、オゾン劣化防止剤、オイル、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、エネルギーロスが高くなり、グリップ性能を向上できる。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は100m/g以上が好ましく、150m/g以上がより好ましい。100m/g未満では、エネルギーロスが低く、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は300m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましい。300m/gを超えると、低温で硬くなり、低温条件下で充分なグリップ性能が得られない傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、好ましくは100ml/100g以上、より好ましくは120ml/100g以上である。100ml/100g未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのDBP吸油量は、好ましくは180ml/100g以下、より好ましくは140ml/100g以下である。180ml/100gを超えると、加工性が著しく悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは80質量部以上、より好ましくは90質量部以上である。80質量部未満では、エネルギーロスが低く、充分なグリップ性能が得られない傾向にある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。150質量部を超えると、低温で硬くなり、低温条件下で充分なグリップ性能が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、トレッド)に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ(カート用タイヤ等)等として好適に用いられ、特に競技用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
シクロヘキサン:三協化学(株)製
テトラヒドロフラン(THF):三協化学(株)製
1,3−ブタジエン:三菱化学(株)製
スチレン:日本ゼオン(株)製
n−ブチルリチウム:東京化成工業製
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール:トーメンケミカル(株)製
10%パラジウムカーボン:東芝(株)製
製造例1(液状スチレンブタジエン(1)の合成)
充分に窒素置換した攪拌翼つきの2Lオートクレーブに、シクロヘキサン1000g、テトラヒドロフラン(THF)20g、1,3−ブタジエン150gおよびスチレン50gを投入し、オートクレーブ内の温度を25℃に調整した。次に、n−ブチルリチウム2.5gを加え、昇温条件下(50℃)で15分間重合し、その後、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを1.5g加え、液状スチレンブタジエン(1)を合成した。
製造例2(液状スチレンブタジエン(2)の合成)
充分に窒素置換した攪拌翼つきの2Lオートクレーブに、シクロヘキサン1000g、THF20g、1,3−ブタジエン150gおよびスチレン50gを投入し、オートクレーブ内の温度を25℃に調整した。次に、n−ブチルリチウム3.0gを加え、昇温条件下(50℃)で10分間重合し、その後、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを1.5g加え、液状スチレンブタジエン(2)を合成した。
製造例3(液状スチレンブタジエン(3)の合成)
耐熱容器に液状スチレンブタジエン(2)を200g、THF300g、10%パラジウムカーボン10gを加え、窒素置換した後、圧力が5.0kg/cmとなるように水素置換して、80℃で反応させることで液状スチレンブタジエン(3)を得た。
得られた液状スチレンブタジエン(1)〜(3)について、下記の評価を行った。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
(ガラス転移温度の測定)
ガラス転移温度(Tg)は、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定することによリ、ガラス転移開始温度として求めた。
(スチレン含有量の測定)
スチレン含有量は、H−NMR測定により求めた。
(水素添加率の測定)
水素添加率は、四塩化炭素を溶媒として用い、15質量%の濃度となるように液状スチレンブタジエンを溶解し、当該溶液について、100MHzのH−NMRにより測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から算出した。
液状スチレンブタジエン(1)〜(3)の評価結果を以下に示す。
液状スチレンブタジエン(1)(重量平均分子量(Mw):7000、ガラス転移温度:−45℃、スチレン含有量:25質量%、水素添加率:0モル%)
液状スチレンブタジエン(2)(重量平均分子量(Mw):3000、ガラス転移温度:−45℃、スチレン含有量:25質量%、水素添加率:0モル%)
液状スチレンブタジエン(3)(重量平均分子量(Mw):3000、ガラス転移温度:−45℃、スチレン含有量:25質量%、水素添加率:50モル%)
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4350(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のSA190(NSA:175m/g、DBP吸油量:124ml/100g)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260
液状スチレンブタジエン(1)〜(3):上記製造例1〜3により調製した液状スチレンブタジエン(1)〜(3)
老化防止剤:フレキシス(株)製のサンドフレックス13(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛(1):ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2(平均一次粒子径:65nm)
酸化亜鉛(2):三井金属工業(株)製の酸化亜鉛2種(平均一次粒子径:400nm)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
実施例1〜4及び比較例1〜3
表1に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で15分間プレス加硫することで試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を製造した。
得られた試験用カートタイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(グリップ性能)
得られた試験用カートタイヤをカートに装着し、1周約5kmのサーキットコースを5周走行した際のテストドライバーによる官能評価によりグリップ性能を評価した。100点満点で70点以上が良好である。なお、低温グリップ性能(低温条件下でのグリップ性能)は路面温度が15℃、高温グリップ性能(高温条件下でのグリップ性能)は路面温度が30℃の条件にて実施した。
(グリップ性能の持続性)
得られた試験用カートタイヤをカートに装着し、1周約5kmのサーキットコースを5周走行した際のテストドライバーによる官能評価によりグリップ性能の持続性を評価した。100点満点で70点以上が良好である。なお、路面温度が25℃の条件にて実施した。
(耐摩耗性)
得られた試験用カートタイヤをカートに装着し、1周約5kmのサーキットコースを5周走行し、走行後のタイヤのトレッド部の厚みを測定し、全く摩耗していない状態を100点満点として評価した。70点以上が良好である。
Figure 2011153219
スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛と、特定の重量平均分子量の液状スチレンブタジエンとを含む実施例は、低温及び高温条件下でのグリップ性能、グリップ性能の持続性(走行中のグリップ性能低下の抑制)、耐摩耗性をバランスよく向上できた。一方、特定の重量平均分子量を超える重量平均分子量を有する液状スチレンブタジエンを配合した比較例1は、実施例に比べて、低温及び高温条件下でのグリップ性能、グリップ性能の持続性に劣っていた。また、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛を配合しない比較例2,3は、実施例に比べて、グリップ性能の持続性が劣っていた。

Claims (6)

  1. スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、平均一次粒子径が200nm以下である酸化亜鉛と、重量平均分子量が1000〜5000である液状スチレンブタジエンとを含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記液状スチレンブタジエンのブタジエン部の水素添加率が60モル%以下である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記酸化亜鉛の含有量が0.5〜4.0質量部、前記液状スチレンブタジエンの含有量が10質量部以上である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  6. 競技用タイヤである請求項5記載の空気入りタイヤ。
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