JP2011149045A - 軟磁性合金薄帯及びその製造方法、並びに軟磁性合金薄帯を有する磁性部品 - Google Patents

軟磁性合金薄帯及びその製造方法、並びに軟磁性合金薄帯を有する磁性部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 急冷後の合金薄帯に微細結晶核を有するFe基ナノ結晶合金薄帯の表面形態を制御し、薄帯表面近傍の元素の偏析を抑えて軟磁気特性の向上と耐食性の向上を図る。
【解決手段】 Fe100-x-y-zAxByXz(ただし、AはCu及び/又はAuであり、XはSi,S,C,P,Al,Ge,Ga及びBeから選ばれた少なくとも一種の元素であり、x,y及びzはそれぞれ原子%で0<x≦5、10≦y≦22、1≦z≦10、及びx+y+z≦25の条件を満たす数である。)により表される組成を有し、非晶質相中に平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した母相を有する軟磁性合金薄帯であって、表面に酸化皮膜を有し、前記酸化皮膜の一部が前記母相における平均B濃度より低いB濃度を有する層である軟磁性合金薄帯。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高飽和磁束密度及び低磁心損失のみならず、優れた絶縁性、耐食性及び靭性を有する軟磁性合金薄帯及びその製造方法、並びに軟磁性合金薄帯を有する磁性部品に関する。
各種のトランス、リアクトル・チョークコイル、ノイズ対策部品、レーザ電源、加速器用パルスパワー磁性部品、モータ、発電機等に用いられる軟磁性材料には、珪素鋼、フェライト、非晶質合金、Fe基ナノ結晶合金等がある。珪素鋼は安価で磁束密度が高いが、高周波の用途では磁心損失が大きく、かつ非晶質薄帯のように薄く形成するのが難しい。フェライトは飽和磁束密度が低いために、動作磁束密度が大きなハイパワーの用途では磁気的に飽和しやすい。Co基非晶質合金は高価な上に、実用的な組成では飽和磁束密度が1 T以下と低いのでハイパワーの用途に使用すると部品が大きくなり、また熱的に不安定であるため経時変化により磁心損失が増加する。
安価なFeを主成分とする非晶質合金として、特許文献1は、(FeaSibBcCd)100-xSnx(ただし、原子%でa=0.80〜0.86、b=0.01〜0.12、c=0.06〜0.16、d=0.001〜0.04、a+b+c+d=1、及びx=0.05〜1.0)により表される組成を有し、優れた軟磁気特性(大きな磁束密度、低い保磁力及び良好な角形性)を有するトランス磁心用のFe基非晶質合金を開示している。しかし、このFe基非晶質合金は、原子間距離、配位数及びFe濃度により決まる飽和磁束密度の理論的上限が1.65 Tと低く、大きな磁歪を有し、応力により特性が劣化し、可聴周波数帯ではS/N比が悪い。Fe基非晶質合金の飽和磁束密度を増加させるため、Feの一部をCo、Ni等で置換することも提案されたが、高コストの割に効果が小さい。
特許文献2は、(Fe1-aCoa)100-x-y-z-αCuxSiyBzM'α(ただし、M'はNb、W、Ta、Zr、Hf、Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、a、x、y、z及びαはそれぞれ原子%で0≦a≦0.3、0.1≦x≦3、3≦y≦6、4≦z≦17、10≦y+z≦20、及び0.1≦α≦5の条件を満たす数である。)により表される組成を有し、組織の50%以上が平均粒径1000オングストローム以下の結晶粒からなる軟磁性Fe基ナノ結晶合金を開示している。しかしこのFe基ナノ結晶合金は非晶質合金を作製した後に熱処理により微細結晶化したものであるので、1.5 T程度の飽和磁束密度しか有さない。
Fe基ナノ結晶合金薄帯の製造方法として、特許文献3は、10原子%以下のBを含むFe基合金の溶湯を冷却ロール上に注湯し、得られた非晶質リボンを100〜300℃の温度範囲で冷却ロールから剥離させ、次いで結晶化温度以上(例えば550℃)で熱処理する方法を開示している。しかし特許文献3は熱処理雰囲気を記載していない。急冷及び剥離を不活性ガス雰囲気中で行っているので、熱処理も不活性ガス雰囲気中で行うと考えるのが妥当である。
また特許文献4は、(FeaSibBcCd)100-xPx(ただし、a、b、c及びdはそれぞれ原子%で70≦a≦86、1≦b≦19、7≦c≦20、0.02≦d≦4、及びa+b+c+d=100の条件を満たす数であり、xは重量%で0.003≦x≦0.1の条件を満たす数である。)により表される組成を有する合金の溶湯を、スロットノズルより移動中の冷却基板上に噴出させて急冷凝固させ、板厚が30μm以下の非晶質薄帯を製造した後で、アニールすることによりFe基ナノ結晶合金薄帯を製造する方法であって、合金の融点から150〜320℃の温度範囲までの平均冷却速度を少なくとも103℃/秒とし、150℃〜320℃の温度になった時に薄帯を冷却基板から剥離する方法を開示している。アニール条件は360℃で1時間である。特許文献4もアニール雰囲気を記載していない。急冷を不活性ガス雰囲気中で行っているので、アニールも不活性ガス雰囲気中で行うと考えるのが妥当である。
特許文献5は、Fe基合金の溶湯を急冷凝固することにより、平均粒径が50 nm以下のα-Fe結晶相が非晶質相中に析出した混相組織を有し、180°の曲げが可能な薄帯を作製し、前記薄帯をα-Fe結晶相の結晶化温度より高い温度で熱処理することにより軟磁性合金薄帯を製造する方法を開示している。しかしこの軟磁性合金薄帯の飽和磁束密度は1.6 T程度と満足ではなかった。
特許文献6は、Fe100-x-yAxXy(ただし、AはCu及び/又はAuであり、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga及びBeから選ばれた少なくとも一種の元素であり、x及びyはそれぞれ原子%で0≦x≦5、及び10≦y≦24の条件を満たす数である。)により表される組成を有し、薄帯の表面から120 nm超の深さでは平均粒径が60 nm以下の体心立方構造の結晶粒が非晶質中に30%以上の体積分率で分散した母相組織を有し、かつ薄帯の表面から120 nm以内の深さでは非晶質層を有する軟磁性Fe基合金薄帯を開示している。この軟磁性Fe基合金薄帯は、Fe基合金の溶湯を急冷することにより、非晶質中に平均粒径30 nm以下の微細結晶粒が30%未満の体積分率で析出したFe基合金薄帯を作製し、このFe基合金薄帯に300℃以上の温度域での平均昇温速度が100℃/分以上の熱処理を施すことにより製造される。この軟磁性Fe基合金薄帯は1.7 T以上と高い飽和磁束密度及び低い保磁力を有する。
特許文献6は、熱処理は大気中、真空中、Ar、窒素ヘリウム等の不活性ガス中で行うことができるが、特に不活性ガス中で行うことが望ましいと記載している。しかしながら、大気中熱処理の実施例はない。非晶質中に平均粒径30 nm以下の微細結晶粒が30%未満の体積分率で析出したFe基合金薄帯を大気中で熱処理すると、表面に形成される酸化皮膜が厚くなり過ぎ、絶縁性は高くなるが、肝心の飽和磁束密度が低下する傾向にあるという問題がある。
特開平5-140703号公報 特開平1-156451号公報 特開2001-252749号公報 特許第3639689号公報 特開2006-40906号公報 特開2008-231533号公報
従って本発明の目的は、高飽和磁束密度及び低磁心損失のみならず、優れた絶縁性、耐食性及び靭性を有する軟磁性合金薄帯、及びその製造方法、並びにこれを用いた磁性部品を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、高飽和磁束密度及び低磁心損失のみならず、優れた絶縁性、耐食性及び靭性を有するFe基合金の軟磁性薄帯を製造するには、微細結晶核を有する初期微結晶合金薄帯を熱処理する際の雰囲気中の酸素濃度を制御するのが重要であることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の軟磁性合金薄帯は、Fe100-x-y-zAxByXz(ただし、AはCu及び/又はAuであり、XはSi,S,C,P,Al,Ge,Ga及びBeから選ばれた少なくとも一種の元素であり、x,y及びzはそれぞれ原子%で0<x≦5、10≦y≦22、1≦z≦10、及びx+y+z≦25の条件を満たす数である。)により表される組成を有し、非晶質相中に平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した母相を有し、表面に酸化皮膜を有し、前記酸化皮膜の一部が前記母相における平均B濃度より低いB濃度を有する層であることを特徴とする。ここで、「層」は明瞭な境界で区分けされたものではなく、所定の条件を満たす厚さ方向の範囲を意味する。
表面から深さ10 nmまでの平均B濃度は1原子%以下であるのが好ましい。表面から深さ10 nmまでの酸化皮膜におけるB/Feの原子比は1/20以下であるのが好ましい。表面から深さ10 nmまでの平均Cu濃度は2原子%以下であるのが好ましい。前記酸化皮膜におけるCu/Feの原子比は1/10以下であるのが好ましい。前記酸化皮膜における平均Fe濃度は10原子%以上であるのが好ましい。
前記元素XのうちSi及び/又はPは必須であるのが好ましい。Feの一部は合金1.5原子%以下の範囲でNi,Mn,Co,V,Cr,Ti,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta及びWから選ばれた少なくとも一種の元素で置換されても良い。
本発明の磁性部品は上記軟磁性合金薄帯のいずれかからなることを特徴とする。
Fe100-x-y-zAxByXz(ただし、AはCu及び/又はAuであり、XはSi,S,C,P,Al,Ge,Ga及びBeから選ばれた少なくとも一種の元素であり、x,y及びzはそれぞれ原子%で0<x≦5、10≦y≦22、1≦z≦10、及びx+y+z≦25の条件を満たす数である。)により表される組成を有し、平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した母相を有し、表面に酸化皮膜を有し、前記酸化皮膜の一部が前記母相の平均B濃度より低いB濃度を有する層である軟磁性合金薄帯を製造する本発明の方法は、(1) 前記組成を有する合金の溶湯を回転する冷却ロール上に噴出することにより急冷し、非晶質相中に平均粒径30 nm以下の微細結晶核が0%超え30%未満の体積分率で分散した母相を有する初期微結晶合金薄帯を形成し、次いで(2) 前記初期微結晶合金薄帯に6〜18%の酸素濃度を有する雰囲気中で熱処理を施すことを特徴とする。
急冷により形成された初期微結晶合金薄帯を低酸素濃度の雰囲気中で熱処理することにより得られる本発明の軟磁性合金薄帯は、耐ヒートショック性に優れた表面酸化皮膜内に低B濃度非晶質層を有するので、高飽和磁束密度、高い角形性及び低磁心損失のみならず、優れた絶縁性、耐食性及び靭性を有する。
本発明の軟磁性合金薄帯の表面域のミクロ組織を示す概略図である。 Febal.Cu1.35Si3B11の組成を有する実施例1の軟磁性合金薄帯において、Fe,B,Si,Cu及びOの濃度分布と深さとの関係を示すグラフである。 図2(a) のグラフにおいてB,Si及びCuの濃度分布と深さとの関係を詳細に示すグラフである。 図2(a) のグラフにおいてCuの濃度分布と深さとの関係を詳細に示すグラフである。 Febal.Cu1.35Si3B11の組成を有する比較例1の軟磁性合金薄帯において、Fe,B,Si,Cu及びOの濃度分布と深さとの関係を示すグラフである。 図3(a) のグラフにおいてB,Si及びCuの濃度分布と深さとの関係を詳細に示すグラフである。 図3(a) のグラフにおいてCuの濃度分布と深さとの関係を詳細に示すグラフである。 Febal.Cu1.35Si2B12の組成を有する実施例2の軟磁性合金薄帯において、Fe,B,Si,Cu及びOの濃度分布と深さとの関係を示すグラフである。 Febal.Cu1.2Si5B11P2の組成を有する実施例6の軟磁性合金薄帯において、Fe,B,Si,Cu、P及びOの濃度分布と深さとの関係を示すグラフである。 図5(a) のグラフにおいてB,Si,Cu及びPの濃度分布と深さとの関係を詳細に示すグラフである。 図5(a) のグラフにおいてCu及びPの濃度分布と深さとの関係を詳細に示すグラフである。 Febal.Cu1.35Si4B12P4の組成を有する実施例6の軟磁性合金薄帯において、Fe,B,Si,Cu、P及びOの濃度分布と深さとの関係を示すグラフである。
[1] 磁性合金
(1)組成
本発明の軟磁性合金薄帯は、Fe100-x-y-zAxByXz(ただし、AはCu及び/又はAuであり、XはSi,S,C,P,Al,Ge,Ga及びBeから選ばれた少なくとも一種の元素であり、x,y及びzはそれぞれ原子%で0<x≦5、10≦y≦22、1≦z≦10、及びx+y+z≦25の条件を満たす数である。)により表される組成を有する。1.7 T以上の飽和磁束密度Bsを有するためには、bcc-Feの微細結晶(ナノ結晶)を有する組織となる必要があり、そのためにはFe濃度が高いことが必要である。具体的には、Fe濃度は75原子%以上が必要であり、好ましくは77原子%以上である。
上記組成範囲内で、0.3≦x≦2.0、10≦y≦20、及び1≦z≦10で表される領域では、飽和磁束密度は1.74 T以上である。さらに、0.5≦x≦1.5、10≦y≦18、及び2≦z≦9で表される領域では、飽和磁束密度は1.78 T以上である。その上、0.5≦x≦1.5、10≦y≦16、及び3≦z≦9で表される領域では、飽和磁束密度が1.8 T以上である。
軟磁性と1.7 T以上の飽和磁束密度Bsを両立させるために、この合金組成は、高いFe濃度でも安定的に非晶質相が得られるFe-B-Si系を基本とし、核生成元素を含有する。具体的には、非晶質相を主相とする薄帯が安定的に得られるFe濃度が88原子%以下のFe-B-Si組成の合金に、Feと非固溶であるCu及び/又はAuを添加することにより微細結晶核を析出させ、その後の熱処理により均質に微細結晶粒を成長させる。
A元素の量xが少なすぎると微結晶化が難しく、逆に5原子%を超えると溶湯の急冷により得られる非晶質相を主相とする薄帯が脆化する。A元素の量xは0.3〜2が好ましく、0.5〜1.6がより好ましく、1〜1.5が最も好ましく、1.2〜1.5が特に好ましい。A元素としてはコスト的にCuが好ましい。Auを含有する場合、Fe量の1.5原子%以下とするのが好ましい。
B(ボロン)は非晶質相の形成を促進する元素である。Bが10原子%未満であると非晶質相を主相とする薄帯を得るのが困難であり、22原子%を超えると飽和磁束密度が1.7 T未満となる。従って、10≦y≦22(原子%)の条件を満たすと、飽和磁束密度を高く維持しつつ非晶質相が安定して得られる。Bの量yは好ましくは12〜20であり、より好ましくは12〜18であり、最も好ましくは12〜16である。
X元素(特にSi)の添加により結晶磁気異方性の大きいFe-B又はFe-P(Pを添加した場合)が析出する温度が高くなるため、熱処理温度を高くできる。高温の熱処理を施すことにより微結晶相の割合が増え、Bsが増加し、B-H曲線の角形性が改善されるとともに、薄帯表面の変質又は変色を抑えることもできる。X元素のうちSiは8原子%以上であるのが好ましい。X元素の量zが1原子%未満であると非晶質相を主相とする薄帯を得るのが困難であり、また10原子%を超えるとBsが1.7 T未満となる。X元素の量zは好ましくは2〜9であり、より好ましくは3〜8であり、最も好ましくは4〜7である。
X元素のうちPは非晶質相の形成能を向上させる元素であり、微細結晶粒の成長を抑える。またPはBの酸化皮膜への偏析を抑える。そのため、Pは高靭性、高Bs及び良好な軟磁気特性の実現に好ましい。Pの含有により、例えば軟磁性合金薄帯を半径1 mmの丸棒に巻きつけても割れが発生しなくなる。この効果はナノ結晶化熱処理の昇温速度に係わらず得られる。X元素として他の元素S,C,Al,Ge,Ga及びBeも用いることができる。これらの元素の含有により磁歪及び磁気特性を調整できる。X元素はまた表面に偏析しやすく、強固な酸化皮膜の形成に有効である。
Feの一部をNi,Mn,Co,V,Cr,Ti,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta及びWから選ばれた少なくとも一種の元素で置換しても良い。これらの元素のうち、Ni,Mn,Co,V及びCrはB濃度の高い領域を表面側に移動させる効果を有し、表面に近い領域から母相に近い組織とし、もって軟磁性合金薄帯の軟磁気特性(透磁率、保磁力等)を高める。またA元素及びメタロイド元素とともに熱処理後も残留する非晶質相に優先的に入るため、Fe濃度の高い微細結晶粒の成長を抑制し、微細結晶粒の平均粒径を低下させ、もって飽和磁束密度Bs及び軟磁気特性を改善する。特にFeの一部をA元素にともにFeに固溶するCo又はNiで置換すると、添加し得るA元素の量が増加し、もって結晶組織の微細化が促進され、軟磁気特性が改善される。またTi,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta及びWも同様にA元素及びメタロイド元素とともに熱処理後も残留する非晶質相に優先的に入るため、飽和磁束密度Bs及び軟磁気特性の改善に寄与する。一方、原子量の大きいこれらの元素が多すぎると、単位重量当たりのFeの含有量が低下して軟磁気特性が悪化する。これらの元素は総量で3原子%以下とするのが好ましい。特にNb及びZrの場合、含有量は合計で2.5原子%以下が好ましく、1.5原子%以下がより好ましい。Ta及びHfの場合、含有量は合計で1.5原子%以下が好ましく、0.8原子%以下がより好ましい。
Feの一部をRe、Y、Zn、As、Ag、In、Sn、Sb、白金族元素、Bi、N、O、及び希土類元素から選ばれた少なくとも一種の元素で置換しても、上記の効果が得られる。これらの元素の含有量は総量で5原子%以下が好ましく、2原子%以下がより好ましい。特に高い飽和磁束密度を得るためには、これらの元素の総量は1.5原子%以下が好ましく、1.0原子%以下がより好ましい。
(2)表面域の組織
本発明の軟磁性合金薄帯、特にSiを含む系では、急冷時に表面に高Si濃度酸化物層が形成される。その後の酸素含有雰囲気中でのナノ結晶化熱処理によりSi及びFeが表面域に拡散し、図1に概略的に示すように、母相側から順に高Si濃度酸化物層、高Fe濃度酸化物層及びSi+Fe酸化物層からなる全体で約30 nmと厚い酸化皮膜が形成される。酸化皮膜とナノ結晶母相との間には、酸化皮膜側から順にナノ結晶層、高B濃度非晶質層、及び場合により粗大ナノ結晶層がある。この表面域組織により良好な軟磁気特性とともに優れた絶縁性及び耐食性が得られると言えるが、この組織を得るにはB濃度が高い安定な非晶質層の形成が最も重要である。
酸素含有雰囲気中でのナノ結晶化熱処理により多くのFe及びSiが表面に向かって拡散し、母相側から順に高Si濃度酸化物層、高Fe濃度酸化物層及びSi+Fe酸化物層からなる酸化皮膜が形成される。酸化皮膜は合金の絶縁性及び耐食性を向上させる重要な役割を有し、特に絶縁性は巻磁心や積層コアの薄帯間の渦電流損失を低減させるのに非常に重要である。酸素含有雰囲気中でのナノ結晶化熱処理により多くのBも表面に向かって拡散する。BはSiに取り込まれ易いので、B濃度は高Si濃度酸化物層及びSi+Fe酸化物層では上昇するが、その分高Fe濃度酸化物層では顕著に低下し、低B濃度層が形成される。表面から深さ10 nmまでのB濃度の平均は1原子%以下であり、低B濃度層にB濃度の最低値があることが多い。表面から深さ10 nmまでの酸化皮膜中のB/Feの原子比は1/20以下であり、好ましくは1/40以下である。
一方、酸化皮膜とナノ結晶母相(合金組成とほぼ同じB濃度を有し、優れた軟磁気特性を有するが低靭性である。)との間には、酸化皮膜側から順にナノ結晶層及び非晶質層が形成され、Bは非晶質層に多く取り込まれる。その結果、非晶質層は母相より0.5原子%以上高いB濃度を有する。この高B濃度非晶質層(Fe-Bを含有する)は微細結晶粒(bcc-Feを主体とする)より小さい熱膨張係数を有し、ヒートショックを和らげ、軟磁性合金薄帯に靱性を付与する。このように本発明の軟磁性合金薄帯は、高い絶縁性及び耐食性を有する酸化皮膜と、高い靭性及びヒートショック緩和作用を有する高B濃度非晶質層と、優れた軟磁気特性及び高飽和磁束密度Bsを有するナノ結晶母相とからなる傾斜機能構造を有するために、高耐食性、高絶縁性、高靭性、高飽和磁束密度及び低磁心損失を兼ね備える。
熱処理雰囲気が酸素を十分に含有しない場合、Fe及びSiの拡散が不十分であり、Bの拡散も抑制されるので、酸化皮膜中のB濃度が低いだけでなく、高B濃度非晶質層も形成されない。そのため結晶粒が粗大化し、実効結晶磁気異方性が大きくなり、軟磁気特性が悪化し、十分に高い靭性も得られない。
CuはFeと混合熱が正であるため、10原子%以上のFeを含有する酸化皮膜を避けるようにCuは合金層の表面付近に多く偏析し、酸化皮膜内に低Cu濃度層が形成される。表面から深さ10 nmまでの平均B濃度は2原子%以下であり、表面から深さ10 nmまでの酸化皮膜中のCu/Feの原子比は1/10以下であり、好ましくは1/20以下である。
(3)母相の組織
熱処理後の母相は、平均粒径60 nm以下の体心立方(bcc)構造の微細結晶粒が30%以上の体積分率で非晶質相中に分散した組織を有する。微細結晶粒の平均粒径が60 nmを超えると軟磁気特性が低下する。微細結晶粒の体積分率が30%未満では、非晶質の割合が多すぎ、飽和磁束密度が低い。熱処理後の微細結晶粒の平均粒径は40 nm以下が好ましく、30 nm以下がより好ましい。また熱処理後の微細結晶粒の体積分率は50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。60 nm以下の平均粒径及び30%以上の体積分率で、Fe基非晶質合金より磁歪が低く軟磁性に優れた合金薄帯が得られる。同組成のFe基非晶質合金薄帯は磁気体積効果により比較的大きな磁歪を有するが、bcc-Feを主体とする微細結晶粒が分散した本発明の軟磁性合金薄帯は磁気体積効果により生じる磁歪がはるかに小さく、ノイズ低減効果が大きい。
[2] 製造方法
(1) 合金溶湯
Fe及び半金属元素を含む合金溶湯は、Fe100-x-y-zAxByXz(ただし、AはCu及び/又はAuであり、XはSi,S,C,P,Al,Ge,Ga及びBeから選ばれた少なくとも一種の元素であり、x、y及びzはそれぞれ原子%で0<x≦5、10≦y≦22、1≦z≦10、及びx+y+z≦25の条件を満たす数である。)により表される組成を有する。A元素としてCuを使用した場合を例にとって、本発明の製造方法を以下詳細に説明する。
(2) 溶湯の急冷
溶湯の急冷は単ロール法により行うことができる。溶湯温度は合金の融点より50〜300℃高いのが好ましく、例えば微細結晶核が析出した厚さ数十μmの薄帯を製造する場合、1300℃の溶湯をノズルから冷却ロール上に噴出させるのが好ましい。単ロール法における雰囲気は、合金が活性な金属を含まない場合は大気又は不活性ガス(Ar、窒素等)であり、活性な金属を含む場合は不活性ガス(Ar、He、窒素等)又は真空である。表面に酸化皮膜を形成するために、溶湯の急冷を酸素ガス含有雰囲気(例えば大気)中で行うのが好ましい。
冷却ロールの周速は15〜50 m/s程度が好ましい。冷却ロールの材質は、熱伝導が良好な純銅、又はCu-Be、Cu-Cr、Cu-Zr、Cu-Zr-Cr等の銅合金が適している。大量生産の場合、又は厚い薄帯又は広幅の薄帯を製造する場合には、冷却ロールを水冷するのが好ましい。冷却速度に応じて合金のミクロ組織に差が生じることがあるので、鋳造中にロールの温度変化を小さくする必要がある。
(3) 剥離温度
急冷した合金薄帯と冷却ロールとの間にノズルから不活性ガス(窒素等)を吹き付けることにより、合金薄帯を冷却ロールから剥離する。合金薄帯の剥離温度は不活性ガスを吹き付けるノズルの位置(剥離位置)を変えることにより調整できる。剥離温度は170〜350℃であり、好ましくは200〜340℃であり、より好ましくは250〜330℃である。剥離温度が170℃未満であると、急冷が進んで合金組織がほぼ非晶質となり、Cuの凝集、Cuクラスターの形成、及び微細結晶核の析出に至らず、初期微結晶合金が得られない。ロール上での冷却速度が適正な場合、薄帯の表面域は急冷によりCu量が減って微細結晶核が生成されないが、内部では冷却速度が比較的遅いためにCu量が表面域より多く分布し、微細結晶核が均質に生成される。その結果、内部の母相より高いB濃度の(Feに対するBの割合が大きい)層が表面域(深さ30〜130 nm)に形成される。表面近傍の高B濃度の非晶質層により、初期微結晶合金薄帯は良好な靭性を有する。剥離温度が350℃超であると、Cuによる結晶化が進み過ぎ、表面近傍に高B濃度非晶質層が形成されないので、十分な靭性が得られない。
剥離した初期微結晶合金薄帯の内部はまだ比較的高温であるので、さらなる結晶化を防止するために、巻き取る前に初期微結晶合金薄帯を十分に冷却する。具体的には、剥離した初期微結晶合金薄帯に不活性ガス(窒素等)を吹き付け続けるなどして、実質的に室温まで冷却した後巻き取る。
(4) 初期微結晶合金薄帯
初期微結晶合金薄帯は、平均粒径が0 nm超〜30 nm以下の微細結晶核が非晶質相中に0%超〜30%未満の体積分率で分散した組織を有する。微細結晶核の平均粒径が30 nm超であると、熱処理により微細結晶核が粗大化しすぎ、軟磁気特性が劣化する。優れた軟磁気特性を得るためには、微細結晶核の平均粒径は25 nm以下が好ましく、20 nm以下がより好ましい。ただし、非晶質相中に微細結晶核が存在する必要があるので、微細結晶核の平均粒径は0.5 nm以上であるのが好ましく、2 nm以上であるのがより好ましい。初期微結晶合金薄帯に生成したこのような平均粒径を有する微細結晶核の体積分率は一般に0%超〜30%未満の範囲内にある。微細結晶核の体積分率が30%以上となると平均粒径も30 nm超となる傾向がある。一方、微細結晶核がないと(完全に非晶質であると)、かえって熱処理により粗大結晶粒生成し易い。また微細結晶核の体積分率が30%以上であると合金薄帯は十分な靭性を有さず、後工程でのハンドリングが困難である。
微細結晶核間の平均距離(重心間の距離)は50 nm以下が好ましい。この場合、微細結晶核の磁気異方性が平均化され、実効結晶磁気異方性が低下する。微細結晶核間の平均距離が50 nmを超えると、磁気異方性の平均化の効果が薄れ、実効結晶磁気異方性が高くなり、軟磁気特性が悪化する。
微細結晶核の生成は合金の冷却速度と密接に関連する。冷却過程でCuは熱拡散により凝集してクラスターを形成し、初期微結晶核となる。従って、冷却速度が比較的高い表面域では短時間で冷却するため熱拡散が起きにくく、微細結晶核が生成しにくい。その結果、表面の酸化皮膜の下に非晶質層を介して初期微結晶相(母相)が形成される。
(5) 熱処理
初期微結晶合金薄帯を酸素含有雰囲気中で熱処理することにより、(a) 微細結晶核が成長して60 nm以下の平均粒径を有する微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した母相組織が得られるとともに、(b) 酸化に応じた量のSi及びFeが表面に向かって拡散し、図1に示すようにSi及びFeを主体とする酸化皮膜(表面から順にSi+Fe酸化物層、高Fe濃度酸化物層及び高Si濃度酸化物層を有する)が形成される。微細結晶粒は体心立方構造のFe(bcc-Fe)を主体し、軟磁性合金薄帯の飽和磁束密度を上昇させるとともに、磁歪を低下させる。また酸化皮膜は低B濃度層及び低Cu濃度層を有する。
Feとの混合熱が正のBも表面に向かって拡散するが、酸化皮膜と接する合金層の表面にCuが多く分布するために、そこにナノ結晶層が形成され、その下の領域(表面から深さ30〜130 nm)に高B濃度非晶質層が形成される。高B濃度非晶質層中のBの濃度は母相より0.5原子%以上高く、さらに好ましくは1原子%以上高い。高B濃度非晶質層を有することにより、軟磁性合金薄帯は良好な軟磁気特性とともに高靭性を有する。
昇温速度、最高温度及び熱処理時間の3つのパラメータを調整することにより、核生成及び結晶粒成長を制御できる。熱処理には、高温高速で行う場合と低温低速で行う場合とがある。
(a) 高温高速熱処理
高温高速熱処理の方が一般的に必要な磁気特性を得やすい。初期微結晶合金薄帯を100℃/分以上の最大昇温速度で最高温度まで加熱し、最高温度に1時間以下保持する熱処理を施すことにより、平均粒径60 nm以下の微細結晶粒を有する組織を含有し、低保磁力で、低磁場での磁束密度が高く、かつヒステリシス損失が少ない軟磁性合金薄帯が得られる。最高温度までの平均昇温速度は100℃/分以上が好ましい。300℃以上の高温域での昇温速度は軟磁性合金薄帯の磁気特性に大きな影響を与えるため、300℃以上での平均昇温速度は100℃/分以上が好ましい。
熱処理の最高温度は(TX2−50)℃以上(TX2は化合物の析出温度である。)とするのが好ましく、具体的には430℃以上が好ましい。430℃未満であると、微細結晶粒の析出及び成長が不十分である。最高温度の上限は500℃(TX2)以下であるのが好ましい。最高温度の保持時間が1時間超でもナノ結晶化はあまり変わらず、生産性が低い。保持時間は好ましくは30分以下であり、より好ましくは20分以下であり、最も好ましくは15分以下である。このような高温熱処理でも、短時間であれば結晶粒成長を抑制するとともに化合物の生成を抑えることができ、保磁力が低下し、低磁場での磁束密度が向上し、ヒステリシス損失が減少する。
昇温速度及び最高温度の段階的変化により結晶核の生成を制御することができる。結晶化温度未満の温度に十分な時間保持した後、結晶化温度以上の温度で1時間以下と短い時間保持する熱処理を行うと、均質で微細な結晶組織が得られる。これは、結晶粒同士が互いの成長を抑制し合うためであると考えられる。例えば、約250℃に1時間超保持した後、300〜430℃の間100℃/分以上の昇温速度で昇温し、430℃〜500℃の最高温度で1時間以下保持するのが好ましい。
(b) 低温低速熱処理
初期微結晶合金薄帯を約350℃以上〜430℃未満の最高温度に1時間以上保持する。量産性の観点から、保持時間は24時間以下が好ましく、4時間以下がより好ましい。保磁力の増加を抑制するため、平均昇温速度は0.1〜200℃/分が好ましく、0.1〜100℃/分がより好ましい。この熱処理により角形性の高い軟磁性合金薄帯が得られる。
(c) 熱処理雰囲気
Si,Fe,B及びCuを表面側に拡散させることにより所望の層構成を有する酸化皮膜を形成するために、熱処理雰囲気の酸素濃度は6〜18%であり、好ましくは7〜16%であり、より好ましくは8〜15%であり、最も好ましくは9〜13%である。熱処理雰囲気は窒素、Ar、ヘリウム等の不活性ガスと酸素との混合ガスが好ましい。熱処理雰囲気の酸素濃度が6%未満であると、表面酸化が不十分で、所望の層構成を有する酸化皮膜が得られない。一方、熱処理雰囲気の酸素濃度が18%超であると、軟磁性合金薄帯の湾曲度(湾曲半径により表される)が大きくなる。熱処理により生成された酸化皮膜と合金との熱膨張率差により軟磁性合金薄帯は湾曲するが、一般に酸化皮膜が厚くなるに従って湾曲度が大きくなる(湾曲半径が小さくなる)。従って、湾曲度は酸化皮膜の厚さを示すパラメータであると言うことができる。湾曲度が小さければ(湾曲半径が大きければ)、軟磁性合金薄帯は比較的平坦でハンドリングが容易である。一方、湾曲度が大きければ(湾曲半径が小さければ)、軟磁性合金薄帯のハンドリングが困難になるだけでなく、巻回又は積層したときの体積率が低下する。
6〜18%の酸素含有雰囲気中での熱処理により、表面から深さ約30 nm までに低B濃度層及び低Cu濃度層を有する酸化皮膜が形成されるとともに、深さ約30〜130 nmの範囲に高B濃度非晶質層が形成される。薄帯の表面には表面張力を下げるSiが偏析しやすいが、Feも偏析するので、酸化皮膜中のB及びCu濃度が相対的に低い。熱処理雰囲気の露点は−30℃以下が好ましく、−60℃以下がより好ましい。
(d) 磁場中熱処理
磁場中熱処理により軟磁性合金薄帯に誘導磁気異方性を付与することができる。良好な誘導磁気異方性を付与するために、昇温中、最高温度の保持中及び冷却中も磁場を印加した方が好ましい。磁場中熱処理により高角形比又は低角形比の直流ヒステリシスループを有する軟磁性合金薄帯が得られる。磁場を印加しない熱処理の場合、軟磁性合金薄帯は中程度の角形比の直流ヒステリシスループを有する。
磁場は熱処理中の少なくとも一部の期間(200℃以上の温度範囲)に20分以上印加するのが好ましい。磁場は合金を飽和させるのに十分な強さを有する必要があり、薄帯磁心の形状にも依るが、一般に薄帯の幅方向(環状磁心の場合、磁心の高さ方向)に印加する場合は8 kAm-1以上であり、長手方向(環状磁心の場合、円周方向)に印加する場合は80 Am-1以上である。磁場は直流、交流、パルス磁場のいずれでも良い。
(6) 表面処理
本発明の軟磁性合金薄帯はFe及びSiを含む酸化皮膜を有するが、必要に応じてSiO2、MgO、Al2O3等の酸化物で被覆しても良い。表面処理を熱処理工程中に行うと酸化物の結合強度が上がり、アノード酸化処理より良好な絶縁性が得られ、処理効率も良い。必要に応じて軟磁性合金薄帯からなる磁心に樹脂を含浸させても良い。
[3] 磁性部品
本発明の軟磁性合金薄帯からなる磁性部品(巻磁心等)は飽和磁束密度が高いので、磁気飽和が問題となるハイパワーの用途に好適であり、例えばアノードリアクトル等の大電流用リアクトル、アクティブフィルタ用チョークコイル、平滑用チョークコイル、レーザ電源や加速器等に用いられるパルスパワー磁性部品、トランス、通信用パルストランス、モータ又は発電機の磁心、ヨーク材、電流センサ、磁気センサ、アンテナ磁心、電磁波吸収シート等が挙げられる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
Febal.Cu1.35Si3B11の組成を有する合金溶湯を単ロール法により大気中で急冷し、250℃で冷却ロールより剥離し、非晶質相中に平均粒径30 nm以下の微細結晶核が25%の体積分率で分散した組織を有する幅5 mm及び厚さ18μmの初期微結晶合金薄帯を得た。初期微結晶合金薄帯の剥離温度は下記の方法により測定した。
この初期微結晶合金薄帯を酸素濃度が10%の窒素雰囲気の炉に入れて、30℃/分の平均昇温速度で420℃の最高温度まで加熱し、この最高温度に1時間保持する条件のナノ結晶化熱処理を施し、軟磁性合金薄帯を作製した。この軟磁性合金薄帯における微細結晶粒の平均粒径及び体積分率を下記の方法により測定した。その結果、この軟磁性合金薄帯は非晶質相中に平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した組織を有することが分った。
この軟磁性合金薄帯の自由面(冷却ロールに接しない面)から内部に向かうFe,B,Si,Cu及びOの濃度分布を下記の方法により測定した。結果を図2(a)〜図2(c) に示す。深さ0 nmの位置は合金薄帯の表面に相当する。表面から約0〜10 nmの深さにはFe及びSiを含有する酸化物層(Si+Fe酸化物層)が形成され、深さ約10〜20 nmには高Fe濃度酸化物層が形成され、深さ約20〜40 nmには高Si濃度酸化物層が形成された。Bは酸化皮膜内では低濃度であるが、その濃度は高Fe濃度酸化物層では最低で低B濃度層を形成し、高Si濃度酸化物層では上昇した。
透過型電子顕微鏡(TEM)の観察により、Si+Fe酸化物層、高Fe濃度酸化物層及び高Si濃度酸化物層からなる酸化皮膜の下の合金層は、表面側から順にナノ結晶層、非晶質層及びナノ結晶母相により構成されていることが分った。高Si濃度酸化物層とナノ結晶層との境界は深さ30 nm近傍であり、Cuはここで極大値をとった。これは熱処理による拡散により偏析したCuが核となって、ナノ結晶層が形成されたためであると考えられる。非晶質層内においてB濃度は深さ80 nm近傍で最大であり、高濃度のBにより非晶質層が安定化されたと考えられる。
このような断面構造を得るには、酸化皮膜へのCu及びBの拡散を抑制することが重要である。B濃度は高Fe濃度酸化物層内で約0.4原子%と最低であった。また深さ10 nmまでで、Cu/Fe原子比は2%以下と低く、B/Fe原子比は1%以下と低かった。
比較例1
熱処理雰囲気を酸素濃度が1%未満の真空とした以外実施例1と同じ方法で、Febal.Cu1.35Si3B11の組成を有する合金溶湯から幅5 mm及び厚さ18μmの軟磁性合金薄帯を作製した。この軟磁性合金薄帯における各元素の分布をGDOESにより測定した結果を図3(a)〜図3(c) に示す。図3(a)〜図3(c) から明らかなように、軟磁性合金薄帯の表面には、急冷時に形成されたと考えられる高Si濃度酸化物層がある。急冷の際、表面張力が低いSiは酸素との結合により表面に偏析しやすい。また表面張力が低いB及び.Cuも表面に偏析する傾向がある。真空中の熱処理では酸化が起こらないので、急冷により形成された酸化皮膜が成長することはない。その結果、酸化皮膜は実質的に高Si濃度酸化物からなり、かつBを多く含有する。合金層の深さ20 nm近傍でB量が増えるが、深さ40 nm近傍では低減し、低B濃度層を形成している。これは、酸化皮膜にBが拡散したことにより合金層の表面域内のB濃度が低下したためであると考えられる。合金層内の低B濃度層では結晶粒は平均粒径が50 nm以上と粗大化し、非晶質層が形成されない。そのため実効結晶磁気異方性が大きくなり、良好な軟磁気特性が得られない。
実施例2
Febal.Cu1.35Si2B12の組成を有する合金溶湯から実施例1と同じ方法で軟磁性合金薄帯を作製した。この軟磁性合金薄帯の元素分布をGDOESにより測定した。結果を図4に示す。この軟磁性合金薄帯の元素分布は実施例1のものと実質的に同じであった。
実施例3
表1に示す組成を有する合金溶湯から、実施例1と同じ方法で非晶質相中に平均粒径30 nm以下の微細結晶粒が2〜25%の体積分率で分散した組織を有する幅5 mm、厚さ16〜25μmの初期微結晶合金薄帯を作製した。この初期微結晶合金薄帯に酸素濃度が15%の窒素ガス中でナノ結晶化熱処理を施し、軟磁性合金薄帯を作製した。各軟磁性合金薄帯における微細結晶粒の平均粒径及び体積分率を下記の方法により測定した。その結果、各軟磁性合金薄帯は非晶質相中に平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した組織を有することが分った。各軟磁性合金薄帯について、Fe,B及びCuの濃度分布及び耐食性を下記の方法により測定した。表面から深さ10 nmまでにおけるFe、B及びCuの平均濃度(原子%)、Cu/Fe原子比(%)、B/Fe原子比(%)、合金層内のB濃度の分布、及び耐食性を表1に示す。
(1)剥離温度の測定
剥離位置に配置したノズルから吹き付ける窒素ガスにより冷却ロールから剥離するときの初期微結晶合金薄帯の温度を放射温度計(アピステ社製、型式:FSV-7000E)により測定し、剥離温度とした。
(2) 微細結晶粒の平均粒径及び体積分率の測定
各試料のTEM写真から微細結晶粒の平均粒径を測定した。また各試料のTEM写真に長さLtの任意の直線を引き、微細結晶粒と交差する部分の長さの合計Lcを求め、Lc/Ltを計算した。この操作を複数回繰り返し、Lc/Ltの平均を微細結晶粒の体積分率とした。
(3) 元素濃度の測定
各試料の自由面(冷却ロールに接しない面)から内部に向かう各元素の濃度分布を、GD-Profiler 2(株式会社堀場製作所製)を用いて、グロー放電発光分光分析[GDOES(Glow Discharge Optical Emission Spectroscopy)]により測定した。
(4)磁心損失の測定
合金薄帯間に良好な絶縁性があればP10/1kが10 W/kg未満であるが、薄帯間の絶縁性が悪く渦電流損失が薄帯間でも働くと、この値を上回る。従って、1 T及び1 kHzの条件下で、120 mm×5 mmの各軟磁性合金薄帯試料に交流磁気測定装置(東栄工業(株)製、型式:TWM-18SR)により正弦波形を入力し、2次コイルで検出した波形信号を解析した。渦電流損失は周波数の2乗に比例するため、高周波数では薄帯間の絶縁性により大きく変化する。絶縁性は、P10/1k<10 W/kgの場合は良好と判断され、10≦P10/1k<20 W/kgの場合は許容範囲の下限と判断される。
(5) 耐食性の測定
各軟磁性合金薄帯試料を水道水に5時間浸漬することにより、表面に出た錆びの量から耐食性を下記基準で評価した。
◎:僅かに赤錆が出たが、試料全面を覆っていなかった。
○:試料表面全体に薄い赤錆が出たが、布で擦れば除去できた。
△:試料表面全体に赤錆が出たが、ヤスリで磨けば除去でき、試料内部まで浸透していないことが分った(許容できる最下限)。
×:表面全体に出た赤錆が試料内部まで浸透していた。
比較例2
熱処理雰囲気を真空度10-4 torrの真空とした以外実施例1と同じ方法により、表2に示す組成を有する合金溶湯から軟磁性合金薄帯を作製し、実施例3と同じ測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2011149045
表1(続き)
Figure 2011149045
Figure 2011149045
表2(続き)
Figure 2011149045
表1から明らかなように、実施例3の軟磁性合金薄帯は、表面から10 nmまでの深さでは、平均Fe濃度が10原子%以上で、平均B濃度が1原子%以下であり、B/Feは約3%以下で、Cu/Feは10%未満であった。また酸化皮膜内でのB濃度の最低値は約0.7%以下と低かった。各軟磁性合金薄帯のミクロ組織及び厚さ方向の元素分布の観察により、低B濃度層を有する酸化皮膜の下の合金層は、表面側から順にナノ結晶層、高B濃度非晶質層、及びナノ結晶母相を有することが分った。また実施例3の軟磁性合金薄帯は耐食性に優れていた。このような特徴的な構造により、表面近傍では熱膨張係数の異なる非晶質層と母相との間に働く応力により僅かに長手方向に異方性が誘起されると考えられる。これによりB-H曲線の角形性が高くなる。
実施例3の軟磁性合金薄帯からなる巻磁心の50 Hzでの磁心損失は10 A/m以下と非常に小さかった。これは、薄帯表面の強固な酸化物層により薄帯間の絶縁性が高まり、渦電流の発生が抑制されたことに起因する。本発明の軟磁性合金薄帯は酸化物層の絶縁性に優れているため、積層コア等でも同様に渦電流の発生を確実に抑えることができる。
これに対して、比較例2の軟磁性合金薄帯は、酸化皮膜内でのB濃度が高く(最低値でも約1%以上)、低B濃度層を形成していなかった。各軟磁性合金薄帯のミクロ組織及び厚さ方向の元素分布の観察により、ナノ結晶層、高B濃度非晶質層、及びナノ結晶母相の層状構造が明確に表れていなかった。そのため、表面に応力による磁気異方性が働かず、B-H曲線の角形性が低かった。また酸化物層が強固でないので、巻磁心の作製時に酸化物層が脱落したり、絶縁が破れたりするおそれが多い。そのため薄帯間に渦電流が発生し、磁心損失が大きくなる。
実施例4
熱処理雰囲気の酸素濃度を変えた以外実施例1と同じ方法で、Febal.Cu1.35Si2B12の組成を有する合金溶湯から軟磁性合金薄帯を作製した。微細結晶粒の平均粒径及び体積分率を実施例3と同じ方法により測定した結果、各軟磁性合金薄帯は非晶質相中に平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した組織を有することが分った。各軟磁性合金薄帯について、Fe,B及びCuの濃度分布、耐食性、湾曲度、角形比(80 A/mの磁束密度B80に対する残留磁束密度Brの比Br/B80で定義される)及び保磁力Hcを測定した。湾曲度は熱処理済みの各軟磁性合金薄帯の湾曲半径R(m)により表され、湾曲半径は熱処理により生じた酸化皮膜の厚さに比例する。結果を表3に示す。
Figure 2011149045
表3(続き)
Figure 2011149045
表3から明らかなように、酸素濃度が5%以下の場合、得られる軟磁性合金薄帯の耐食性が悪い。またB/Fe及びCu/Fが高く、B及びCuの拡散が抑制されていない。一方、酸素濃度が18%を超えると、合金薄膜表面の酸化が激しすぎ、厚い酸化皮膜の形成により合金薄膜の湾曲度が大きくなった。さらに酸素濃度が30%を超えると、角形比Br/B80が90%未満となり、保磁力Hcが10 A/mを超えた。
実施例5
実施例3と同じ方法で、表4に示す組成を有する合金溶湯から、非晶質相中に平均粒径30 nm以下の微細結晶粒が2〜25%の体積分率で分散した組織を有する幅5 mm及び厚さ16〜25μmの初期微結晶合金薄帯を作製した。各初期微結晶合金薄帯に熱処理雰囲気中の酸素濃度を10%とした以外実施例3と同じ条件でナノ結晶化熱処理を施し、軟磁性合金薄帯を作製した。微細結晶粒の平均粒径及び体積分率を実施例3と同じ方法により測定した結果、各軟磁性合金薄帯は平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した組織を有することが分った。各軟磁性合金薄帯に対して実施例3と同じ測定を行った。結果を表4に示す。
Figure 2011149045
表4(続き)
Figure 2011149045
表4から明らかなように、実施例4の軟磁性合金薄帯は、表面から10 nmまでの深さで、平均Fe濃度が10原子%以上であり、B濃度が1原子%以下であり、Cu濃度が2原子%以下であった。また表面から10 nmまでの深さにB濃度が最低となる低B濃度層が形成された試料が多かった。B/Feは5%以下であり、Cu/Feは10%以下であった。また各軟磁性合金薄帯の耐食性は良好であった。
表4に示すように、Feを種々の元素で置換しても酸化皮膜におけるB及びCuの含有率は大きく増加せず、安定して強い酸化皮膜が得られた。いずれの軟磁性合金薄帯も高い絶縁性及び耐食性を有していた。このため、巻磁心にしたときに薄帯間が十分に絶縁され、渦電流の発生が抑制されたために磁心損失が低かった。
実施例6
図5(a)〜図5(c) は実施例5と同様に作製したFebal.Cu1.2Si5B11P2合金の深さ方向の元素分布を示す。この合金はPを含有するが、元素分布は図1に示すものと似ている。PはB及びCuと同様に高Si濃度酸化物層に偏析しやすく、またナノ結晶層、非晶質層及びナノ結晶母相からなる層状構造の形成を助ける。
実施例7
図6は実施例5の試料4-19(Febal.Cu1.35Si4B12P4)の軟磁性合金薄帯における深さ方向の元素分布を示す。図6に示す元素分布は図5(a)〜図5(c) に示すものとほぼ同様であった。
実施例8
熱処理工程での昇温速度を変えた以外実施例1と同じ方法で、表5に示す組成を有する合金溶湯から軟磁性合金薄帯を作製し、表面でのB濃度(原子%)、低B濃度層における最低B濃度(原子%)、表面から10 nmの深さまでのFe、Cu及びBの平均濃度(原子%)、Cu/Fe及びB/Fe、並びに耐食性を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2011149045
表5(続き)
Figure 2011149045
表5から明らかなように、昇温速度は元素分布及び特性にほとんど影響を与えなかった。元素の拡散を伴う酸化皮膜の形成は昇温速度を速くしても可能であり、昇温速度より熱処理雰囲気の方が重要であることが分った。

Claims (11)

  1. Fe100-x-y-zAxByXz(ただし、AはCu及び/又はAuであり、XはSi,S,C,P,Al,Ge,Ga及びBeから選ばれた少なくとも一種の元素であり、x,y及びzはそれぞれ原子%で0<x≦5、10≦y≦22、1≦z≦10、及びx+y+z≦25の条件を満たす数である。)により表される組成を有し、非晶質相中に平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した母相を有する軟磁性合金薄帯であって、表面に酸化皮膜を有し、前記酸化皮膜の一部が前記母相における平均B濃度より低いB濃度を有する層であることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  2. 請求項1に記載の軟磁性合金薄帯において、表面から深さ10 nmまでの平均B濃度が1原子%以下であることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  3. 請求項1又は2項に記載の軟磁性合金薄帯において、表面から深さ10 nmまでの酸化皮膜におけるB/Feの原子比が1/20以下であることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯において、前記酸化皮膜の一部が前記母相における平均Cu濃度より低いCu濃度を有する層であることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯において、表面から深さ10 nmまでの平均Cu濃度が2原子%以下であることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯において、前記酸化皮膜におけるCu/Feの原子比が1/10以下であることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯において、前記酸化皮膜における平均Fe濃度が10原子%以上であることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯において、前記元素XのうちSi及び/又はPが必須であることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯において、Feの一部が合金1.5原子%以下の範囲でNi,Mn,Co,V,Cr,Ti,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta及びWから選ばれた少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴とする軟磁性合金薄帯。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯からなることを特徴とする磁性部品。
  11. Fe100-x-y-zAxByXz(ただし、AはCu及び/又はAuであり、XはSi,S,C,P,Al,Ge,Ga及びBeから選ばれた少なくとも一種の元素であり、x,y及びzはそれぞれ原子%で0<x≦5、10≦y≦22、1≦z≦10、及びx+y+z≦25の条件を満たす数である。)により表される組成を有し、平均粒径が60 nm以下の微細結晶粒が50%以上の体積分率で分散した母相を有し、表面に酸化皮膜を有し、前記酸化皮膜の一部が前記母相の平均B濃度より低いB濃度を有する層である軟磁性合金薄帯を製造する方法において、(1) 前記組成を有する合金の溶湯を回転する冷却ロール上に噴出することにより急冷し、非晶質相中に平均粒径30 nm以下の微細結晶核が0%超え30%未満の体積分率で分散した母相を有する初期微結晶合金薄帯を形成し、次いで(2) 前記初期微結晶合金薄帯に6〜18%の酸素濃度を有する雰囲気中で熱処理を施すことを特徴とする方法。
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