JP2011128589A - 着色感光性樹脂組成物、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ及びそれを備えた表示装置。 - Google Patents

着色感光性樹脂組成物、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ及びそれを備えた表示装置。 Download PDF

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秀之 中村
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進二 藤本
Kenta Yamazaki
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Kotaro Okabe
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Abstract

【課題】現像性が良好で且つポストベーク後の表面レチキュレーションの発生を抑制し得る着色感光性樹脂組成物及びパターン形成方法、並びに、表面レチキュレーションがなく、線幅感度、直線性及び耐熱性に優れた着色パターンを有するカラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ及び表示装置を提供する。
【解決手段】着色剤、バインダー樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、及び溶剤を含有し、前記着色剤の含有量が着色感光性樹脂組成物の固形分に対し質量分率で15質量%〜60質量%であり、前記バインダー樹脂が分子内に、アリル基を有する構造単位、N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び環状イミド基を有する構造単位から選択される構造単位と、酸性基を有する構造単位とを有し、前記重合性化合物がカルボキシル基含有多官能性単量体であり、前記光重合開始剤がロフィン系光重合開始剤又はオキシム系光重合開始剤である着色感光性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色感光性樹脂組成物、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ及びそれを備えた表示装置に関する。
カラーフィルタの製造方法としては、着色剤(有機顔料等)、バインダー樹脂、重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する着色感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソ法を適用する方法が知られている。より高精細なカラーフィルタを得るためには、着色感光性樹脂組成物が現像性、パターン形成性などに優れること、また、着色感光性樹脂組成物を用いて形成された膜が耐熱性、平滑性などに優れることが要求される。
上記の着色感光性樹脂組成物としては、含有させる成分の面から様々なものが提案されている。例えば、現像後の残渣を少なくする目的で、着色剤の含有量と重合性化合物の種類に特徴を有する着色感光性樹脂組成物が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の提案として、フォトリソ法に用いる露光処理の手段を特定し、その露光処理手段に特に高感度な着色感光性樹脂組成物が提案されている。例えば、エキシマレーザ光による露光処理用の着色樹脂組成物が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−328148号公報 WO2008/084853号公報
液晶ディスプレイ等の表示装置がテレビ用途へと展開されるに伴い、カラーフィルタの更なる高精細化が望まれており、着色感光性樹脂組成物の現像性や、着色感光性樹脂組成物を用いて形成された膜の平滑性がよりハイレベルで要求されている。しかしながら、上記の特許文献1及び2に開示された着色感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法では、現像性は十分とは言い難く、また、表面レチキュレーション(網状のしわ)の発生を抑制することは困難であった。
上記に鑑み、本発明は、現像性が良好で且つポストベーク後の表面レチキュレーションの発生を抑制し得る着色感光性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、表面レチキュレーションの発生が抑制され、線幅感度、直線性、及び耐熱性に優れた着色パターンを有するカラーフィルタの製造方法、並びに、該カラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ及び該カラーフィルタを備えた表示装置を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、以下の方法によって、上記課題を解決することを見出した。
<1> 少なくとも、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、前記(A)着色剤の含有量が着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%であり、前記(B)バインダー樹脂が分子内に、(B−1)下記一般式(I)で表される構造単位、(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び(B−3)下記一般式(II)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位と、酸性基を有する構造単位とを有し、前記(C)重合性化合物の少なくとも1種がカルボキシル基含有多官能性単量体であり、前記(D)光重合開始剤の少なくとも1種がロフィン系光重合開始剤又はオキシム系光重合開始剤である着色感光性樹脂組成物である。
一般式(I)中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はアリール基を表し、R16は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(II)中、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。R23及びR24は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数4以下のアルキル基を表す。R23とR24とは互いに結合して炭素環を形成していてもよい。
<2> 前記オキシム系光重合開始剤が下記一般式(III)で表されるケトオキシム系光重合開始剤である<1>に記載の着色感光性樹脂組成物である。
一般式(III)中、R及びXは、各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。Xが複数存在する場合、複数のXは、各々独立に一価の置換基を表し、同一であっても異なっていてもよい。
<3> 前記カルボキシル基含有多官能性単量体の酸価が80mgKOH/g〜200mgKOH/gである<1>又は<2>に記載の着色感光性樹脂組成物である。
<4> 更に、(F)増感剤を含み、前記(F)増感剤の少なくとも1種が単官能チオール化合物である<1>から<3>のいずれか1つに記載の着色感光性樹脂組成物である。
<5> <1>から<4>のいずれか1つに記載の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層に対してパターン様の紫外光レーザーによる露光をし、潜像を形成する露光工程と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程と、を含むパターン形成方法である。
<6> 前記紫外光レーザーの露光波長が300nm〜380nmの範囲である<5>に記載のパターン形成方法である。
<7> 前記紫外光レーザーが20Hz〜2000Hzの周波数で発振されるパルスレーザーである<5>又は<6>に記載のパターン形成方法である。
<8> <5>から<7>のいずれか1つに記載のパターン形成方法により、基板上にパターンを形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法である。
<9> <8>に記載の製造方法により製造されたカラーフィルタである。
<10> <9>に記載のカラーフィルタを備えた表示装置である。
本発明によれば、現像性が良好で且つポストベーク後の表面レチキュレーションの発生を抑制し得る着色感光性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
また、本発明によれば、表面レチキュレーションの発生が抑制され、線幅感度、直線性、及び耐熱性に優れた着色パターンを有するカラーフィルタの製造方法、並びに、該カラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ及び該カラーフィルタを備えた表示装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
≪着色感光性樹脂組成物≫
本発明の着色感光性樹脂組成物は、少なくとも、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、前記(A)着色剤の含有量が着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%であり、前記(B)バインダー樹脂が分子内に、(B−1)下記一般式(I)で表される構造単位、(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び(B−3)下記一般式(II)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位と、酸性基を有する構造単位とを有し、前記(C)重合性化合物の少なくとも1種がカルボキシル基含有多官能性単量体であり、前記(D)光重合開始剤の少なくとも1種がロフィン系光重合開始剤又はオキシム系光重合開始剤であることを特徴とする。
以下に本発明の着色感光性樹脂組成物の各構成成分について詳述する。
<(A)着色剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(A)着色剤の少なくとも1種を含む。
本発明の着色感光性樹脂組成物における(A)着色剤の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%である。(A)着色剤の含有量が、15質量%未満であると、所望の色相にするためには膜厚を厚く設定しなければならず、現像しにくくなったり、タクトタイムが延びてしまうといった問題が生じる。一方、(A)着色剤の含有量が、60質量%を超えると、現像時間が長くなり、また、プロファイル形状も逆エッジ形状となり好ましくない。
本発明の着色感光性樹脂組成物における(A)着色剤の含有量は、20質量%〜50質量%がより好ましく、25質量%〜40質量%がさらに好ましい。
(A)着色剤としては、染料、及び顔料を適宜選択して用いることができる。耐熱性などの観点からは、顔料がより好ましい。
(A)着色剤として使用される顔料は、無機顔料であっても、有機顔料であってもよいが、高透過率とする観点から、なるべく粒子サイズの小さいものの使用が好ましい。一次粒子径の平均は、0.01μm〜0.1μmであることが好ましく、さらに好ましくは、0.01μm〜0.05μmの範囲である。
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、後述する高分子分散剤を用いることで、顔料のサイズが小さい場合であっても、顔料分散性、分散安定性が良好となるため、膜厚が薄くても色純度に優れる着色画素を形成しうる。
さらに、本発明においては、着色感光性樹脂組成物に含有される顔料のうち、一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合が、該顔料の全量中、10%未満であり、かつ、一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合が、該顔料の全量中、5%未満であることが好ましい。
一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合が、10%未満であることで、耐熱性、色度変化を防止することができ、一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合が、5%未満であることで、コントラストがよく、着色感光性樹脂組成物の経時安定性がよく、さらには異物故障を防止することができる。
一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合は、耐熱性、及び色度変化防止の観点から、5%未満であることがより好ましい。
一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合は、コントラストをよくする観点から、3%未満であることが好ましい。
顔料の一次粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて測定することができる。すなわち、TEM写真を画像解析して粒径分布を調べることにより行なう。例えば3〜10万倍での観察試料中の全粒子数と、0.02μm未満、及び0.08μmを超える顔料の粒子数を計測することで粒度分布を把握できる。より具体的には、顔料粉体を透過型電子顕微鏡で3〜10万倍で観察し、写真を撮り、1000個の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満、及び0.08μmを超える一次粒子の割合を算出する。この操作を顔料粉体の部位を変えて合計で3箇所について行い、結果を平均する。
(A)着色剤として用いうる無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で表される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物等を挙げることができる。
前記有機顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214
C.I.Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73、
C.I. Pigment Green 7、10、36、37、
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80、
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42、
C.I.Pigment Brown 25、28等を挙げることができる。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185、
C.I.Pigment Orange 36、71、
C.I.Pigment Red 122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、264、
C.I.Pigment Violet 19、23、32、
C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.Pigment Green 7、36、37。
これら有機顔料は、単独若しくは、色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤色相(R)用の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、縮合ジス系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224、が挙げられ、縮合ジス系赤色顔料としてはC.I.ピグメント・レッド242が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。
また、赤色顔料と他顔料との質量比(赤色顔料:他顔料)は、100:5〜100:80が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:81以上では発色力が下がる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑色相(G)用の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7、36、37とC.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。
緑色顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:150が好ましい。質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青色相(B)用の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えば、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:50が好ましく、より好ましくは100:5〜100:30である。
本発明では特に着色剤として有機顔料を用い、且つ顔料の微細化工程あるいは分散工程で、顔料を高分子化合物で被覆したものを用いることが好ましい。顔料を高分子化合物で被覆することによって微細化された顔料においても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる分散性が向上された被覆顔料、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた被覆顔料を用いることがより好ましい。
本発明で好適な態様である被覆顔料とは、高分子化合物で顔料が被覆されたものであるが、被覆とは微細化で生じた表面活性の高い顔料の新界面が、高分子化合物との強い静電的作用によって、該高分子化合物の強固な被覆層を形成するため、より高い分散安定性を有する被覆顔料が得られるものと考えられる。即ち、本発明においては、被覆処理後の顔料は、高分子化合物を溶解する有機溶剤で洗浄しても、被覆した高分子化合物はほとんど遊離しない。
本発明でいう被覆顔料は、有機顔料などの顔料粒子が側鎖に複素環等の極性基を有する高分子化合物で被覆されているものであり、該高分子化合物が顔料粒子表面の一部或いは全部に強固に被覆されることでより高い分散安定性の効果を奏するものであり、一般的な高分子分散剤が顔料に吸着してなるものとは異なるものである。この被覆状態は以下に示す有機溶剤による洗浄で高分子化合物の遊離量(遊離率)を測定することにより確認できる。即ち、単に吸着してなる高分子化合物は有機溶剤による洗浄によりそのほとんど、具体的には、65%以上が遊離、除去されるが、本発明の如く表面被覆された顔料の場合には遊離率は極めて少なく、30%以下である。
前記遊離量(遊離率)は、被覆処理後の顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、算出する。即ち、顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に投入し、振とう機を用いて室温で3時間振とうさせ、その後遠心分離機で80,000rpmで8時間かけて顔料を沈降させ、上澄み液部分の固形分の質量を乾燥法により求める。この固形分の質量と、顔料の被覆の処理に使用した高分子化合物の質量との比から、遊離率(%)を算出する。
市販等の顔料についての前記遊離量(遊離率)は、以下の方法で測定できる。即ち、顔料を溶解する溶剤(例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、蟻酸、硫酸など)で、顔料全体を溶解した後に、高分子化合物と顔料とに、溶解性の差を利用して有機溶剤で分離して、「顔料の被覆の処理に使用した高分子化合物の質量」として算出する。別途、顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、得られた上記の遊離量を、この「顔料の被覆の処理に使用した高分子化合物の質量」で除して遊離率(%)を求める。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
被覆処理は、顔料の微細化工程で同時に行うことが好ましく、具体的には、(i)顔料と、(ii)水溶性の無機塩と、(iii)実質的に(ii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤、及び(iv)高分子化合物を加え、ニーダー等で機械的に混練して混合物を得る工程(ソルトミリング工程と称する)、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で撹拌しスラリー状とする工程、及び、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥する工程を経て実施される。
上記したソルトミリングについて、さらに具体的に説明する。まず、(i)有機顔料と(ii)水溶性の無機塩の混合物に、湿潤剤として少量の(iii)水溶性の有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥することにより、微細化された顔料が得られる。なお、油性のワニスに分散して用いる場合には、乾燥前の処理顔料(濾過ケーキと呼ぶ)を一般にフラッシングと呼ばれる方法で、水を除去しながら油性のワニスに分散することも可能である。また水系のワニスに分散する場合は、処理顔料は乾燥する必要がなく、濾過ケーキをそのままワニスに分散することができる。
ソルトミリング時に上記(iii)有機溶剤に(iv)少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、さらに微細で、表面が(iv)少なくとも一部可溶な樹脂による被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ないものが得られる。
なお、(iv)高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。また分散工程で添加することも可能である。
顔料の被覆に用いる高分子化合物は顔料への吸着性基を有するものなら何でもよい。特に、側鎖に複素環を有する高分子化合物で被覆処理したものが好ましい。このような高分子化合物としては、例えば特開2008−83089号公報の段落番号〔0029〕〜〔0030〕、特開2009−62457号公報の段落番号〔0044〕〜〔0047〕に開示されているものが使用できる。
上記した被覆処理した顔料を用いる場合でも、分散剤の少なくとも1種を使用して顔料を分散し、顔料分散組成物として使用することがさらに好ましい。この分散剤の含有により、顔料の分散性をさらに向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルティーケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;
ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101、103、106、108、109、111、112、116、130、140、142、161、162、163、164、166、167、170、171、174、176、180、182、2000、2001、2050、2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーが挙げられる。
分散剤の顔料分散組成物中における含有量としては、既述の顔料の質量に対して、1〜100質量%が好ましく、3〜70質量%がより好ましい。
顔料誘導体は、顔料の被覆に用いる高分子化合物の一つであり、必要に応じて顔料分散組成物に添加される。分散剤と親和性のある部分あるいは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として感光性樹脂組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、例えば、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
顔料誘導体の顔料分散組成物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られ、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
分散の方法は、例えば、顔料と分散剤を予め混合してホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機等を用いて微分散させることによって行うことができる。
本発明において(A)着色剤として染料を用いる場合は、均一に溶解された着色感光性樹脂組成物が得られる。
(A)着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
<(B)バインダー樹脂>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(B)バインダー樹脂の少なくとも1種を含む。
(B)バインダー樹脂は、分子内に、(B−1)下記一般式(I)で表される構造単位、(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び(B−3)下記一般式(II)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位と、酸性基を有する構造単位とを有するものである。
〔(B−1)の構造単位〕
(B−1)の構造単位は、下記一般式(I)で表される。
一般式(I)中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はアリール基を表し、R16は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(I)におけるR11〜R15としては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数5〜14のアリール基が好ましく、中でも、水素原子、臭素原子、塩素原子、シアノ基、炭素数1〜7のアルキル基又は炭素数5〜10のアリール基がより好ましい。
前記アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては直鎖、分岐、又は環状であってもよく、メチル基、n−プロピル基、iso-プロピル基、t-ブチル基などがあげられ、炭素数1〜7のアルキル基が好ましい。また、前記アリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜7のアルキル基又は炭素数5〜14のアリール基などが挙げられ、好ましくはフェニル基、フリル基、ナフチル基である。
これらのうち、一般式(I)として好ましいものは、R11〜R15がそれぞれ独立に水素原子、メチル基、フェニル基又はハロゲン原子で、R16が水素原子又はメチル基のものである。
〔(B−2)の構造単位〕
(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位としては、例えば、下記に示す構造単位が挙げられる。
〔(B−3)の構造単位〕
(B−3)の構造単位は、下記一般式(II)で表される。
一般式(II)中、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。R23及びR24は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数4以下のアルキル基を表す。R23とR24とは互いに結合して炭素環を形成していてもよい。
一般式(II)として好ましいものは、R21が水素原子で、R22がメチレン基又はエチレン基で、R23及びR24が互いに結合して6員環を形成しているものである。
(B)バインダー樹脂は、分子内に、 (B−1)一般式(I)で表される構造単位、 (B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び(B−3)一般式(II)で表される構造単位からなる群より選択される構造単位を少なくとも1種有すればよいが、2種以上有してもよい。
(B)バインダー樹脂は、(B−1)、 (B−2)、及び(B−3)の中でも、表面レチキュレーション(網状のしわ)の発生を抑制する観点から、(B−1)を有することが好ましい。
(B)バインダー樹脂は、分子内に、 (B−1)一般式(I)で表される構造単位、 (B−2)N位−置換マレイミド基を含む構造単位、及び(B−3)一般式(II)で表される構造単位を合計で50モル%以上90モル%以下有することが好ましく、より好ましくは50モル%以上80モル%以下、さらに好ましくは60モル%以上80モル%以下である。この範囲内にあると露光後の現像時における膜減りが少なくなり、表面平滑性と現像ラチチュードが良好である。
〔酸性基を有する構造単位〕
さらに、(B)バインダー樹脂は分子内に、酸性基を有する構造単位を有する。
酸性基を有する構造単位としては、カルボキシル基含有不飽和単量体由来の構造単位をあげることができる。カルボキシル基含有不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等である。
これらのカルボキシル基含有不飽和単量体のうち、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)及びフタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)は、それぞれM−5300及びM−5400(東亞合成(株)製)の商品名で市販されている。
前記カルボキシル基含有不飽和単量体は、単独で又は2種以上を樹脂に含んでもよい。
これらの中で、好ましい酸性基を有する構造単位としては、カルボン酸、カルボン酸のカルコゲン類縁体、カルボヒドラゾン酸[RC(=NNH)OH]、カルボキシミド酸[RC(=NH)OH]、スルホン酸[RS(O)OH]、スルフィン酸[RS(O)OH]、スルフェン酸[RSOH]、セレノン酸[RSe(O)OH]、セレニン酸[RSe(O)OH]、セレネン酸[RSeOH]、リン酸とその酸性関連化合物、ケイ酸、ホウ酸の類縁体に由来する構造単位であり、特に好ましいものはアクリル酸、メタクリル酸、及びリン酸に由来する構造単位である。
(B)バインダー樹脂における酸性基を有する構造単位の含有量は、5モル%以上50モル%以下であることが好ましく、10モル%以上30モル%以下がより好ましい。この範囲内にあると、現像時の表面平滑度と耐熱性が良好である。
(B)バインダー樹脂は前述の各構造単位に加えて、他の構造単位を含んでいてもよい。他の構造単位としては、下記の不飽和単量体に由来する構造単位を挙げることができる。
スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物;
インデン、1−メチルインデン等のインデン類;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;
2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;オキセタニル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸オキセタニルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;
(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;
これらの不飽和単量体由来の構成成分は、単独で又は2種以上を含んでもよい。
以下に、(B)バインダー樹脂の例示化合物1−1〜1−8及び2〜39を示す。(B)バインダー樹脂は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
(B)バインダー樹脂の重量平均分子量としては、10000〜100000の範囲であることが好ましく、より好ましくは10000〜50000の範囲、さらに好ましくは10000〜40000の範囲である。この範囲内にあると現像性、直線性が良好である。
本発明の着色感光性樹脂組成物における(B)バインダー樹脂の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して、10質量%〜50質量%の範囲が好ましく、15質量%〜40質量%の範囲がより好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(B)バインダー樹脂以外の構造の樹脂を含んでもよい。(B)バインダー樹脂以外の構造の樹脂としては、着色剤に対してバインダーとして作用し、かつカラーフィルタを製造する際に、その現像処理工程において用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ性現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体が好ましく、特に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体が好ましい。
本発明において、(B)バインダー樹脂以外の構造の樹脂の具体例としては、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
等を挙げることができる。
また、下記のようなエポキシ環、オキセタン環を含む樹脂も使用できる。
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
スチレン/アククリル酸/アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/アクリル酸グリシジル共重合体、
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン/t−ブチルメタクリレート共重合体、
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン/スチレン共重合体、
ブタジエン/スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
ブタジエン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
スチレン/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
t−ブチルメタクリレート/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
p−メトキシスチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルアクリレート/メタクリル酸グリシジル共重合体。
<(C)重合性化合物>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(C)重合性化合物の少なくとも1種を含有し、(C)重合性化合物の少なくとも1種がカルボキシル基含有多官能性単量体である。
[カルボキシル基含有多官能性単量体]
本発明に用いることができるカルボキシル基含有多官能性単量体とは、分子内に少なくとも1個のカルボキシル基を有し、好ましくは1〜4個、更に好ましくは1〜3個のカルボキシル基を有するモノマーをいう。また多官能として、重合性不飽和二重結合を2以上有し、好ましくは2〜12、更に好ましくは3〜6有する。
具体的には例えば、2価以上の多価アルコール類と、2個以上のカルボキシル基を有する重合性不飽和カルボン酸類との、遊離カルボキシル基含有多官能性エステル化物;(c1)3価以上の多価アルコールと(c2)1個以上のカルボキシル基を有する重合性不飽和カルボン酸との(T1)遊離水酸基含有多官能性エステル類と、(c3)ジカルボン酸類との、遊離カルボキシル基含有エステル化物(以下(C1)多官能性単量体という);(c4)3価以上の多価カルボン酸類と(c5)1個以上の水酸基を有する重合性不飽和化合物との、遊離カルボキシル基含有多官能性エステル化物(以下(C2)多官能性単量体という)等を挙げることができる。
(c1)+(c2)→(T1) (1−1)
(T1)+(c3)→(C1) (1−2)
(c4)+(c5)→(C2) (2)
本発明におけるカルボキシル基含有多官能性単量体としては、(C1)多官能性単量体、(C2)多官能性単量体が好ましい。(C1)多官能性単量体において上記3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。
上記1個以上のカルボキシル基を有する重合性不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等を挙げることができる。
上記ジカルボン酸類としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。
また(C2)多官能性単量体において、3価以上の多価カルボン酸類としては、例えば、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、アコニット酸、カンホロン酸、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
上記1個以上の水酸基を有する重合性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明における好ましい(C1)多官能性単量体及び(C2)多官能性単量体の例をより具体的に示すと、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシ基含有オリゴ(メタ)アクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との、遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類との、遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等を挙げることができる。
また、カルボキシル基含有多官能性単量体としては、例えば下記のようなM−1〜M−4が挙げられるが、光硬化性、アルカリ現像性の観点から、下記単量体M−1がより好ましい。
本発明においてカルボキシル基含有多官能性単量体は、現像時間の短縮と相溶性に起因する現像性(ラインガタツキ、表面平滑性)の観点から、その酸価が80mgKOH/g〜200mgKOH/gであることが好ましい。より好ましくは、80mgKOH/g〜150mgKOH/gであり、更に好ましくは80mgKOH/g〜120mgKOH/gである。本発明において、酸価はJIS規格(JIS K 0070:1992)記載の方法により求める。
本発明においてカルボキシル基含有多官能性単量体は、単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明におけるカルボキシル基含有多官能性単量体は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができ、市販品を用いてよいし、適宜合成したものを用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(C)重合性化合物として、カルボキシル基含有多官能性単量体の他に、他の多官能性単量体を併用してもよい。
ここでカルボキシル基含有多官能性単量体の全多官能性単量体に対する使用割合は、好ましくは10質量%〜100質量%、さらに好ましくは20質量%〜100質量%、特に好ましくは50質量%〜100質量%である。上記範囲とすることで、所望のパターンの形成が容易となり、現像性が良好となる。
本発明に用いうるカルボキシル基含有多官能性単量体以外の多官能性単量体としては、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物、並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものが挙げられる。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン原子や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(V)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (V)
(ただし、一般式(V)中、R及びRは、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
上述した他の多官能性単量体は、1種単独で用いる以外に、2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの多官能性単量体について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色感光性樹脂組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、多官能性単量体の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板等との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の(C)重合性化合物としては、単官能性単量体を併用することができる。単官能性単量体の含有量は、多官能性単量体(カルボキシル基含有多官能性単量体+他の多官能性単量体)100重量部に対して5〜90重量部が好ましく10〜50重量部がより好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物において、(C)重合性化合物の総含有量、即ち「カルボキシル基含有多官能性単量体の含有量+他の多官能性単量体の含有量+単官能性単量体の含有量」は、バインダー樹脂100質量部に対して、通常、5〜500質量部、好ましくは20〜300質量部、さらに好ましくは50〜150質量部である。上記範囲とすることで、画素強度、表面平滑性、現像性が良好となる。
本発明の着色感光性樹脂組成物において、(C)重合性化合物の総含有量は、着色感光性樹脂組成物の全固形分中、5質量%〜40質量%であることが好ましく、15質量%〜40質量%であることがより好ましく、20質量%〜40質量%であることが更に好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物において、(C)重合性化合物と後述する(D)光重合開始剤との質量比「(D)光重合開始剤/(C)重合性化合物」は0.1以上2.0以下であり、好ましくは0.1以上1.0以下であり、特に好ましくは0.3以上0.9以下である。上記範囲内とすることで、パターン形成性が良好で、基板との密着性に優れる。また、露光・現像後のマスク太り量が充分であり、パターン剥離が抑制される。
<(D)光重合開始剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(D)光重合開始剤の少なくとも1種を含有し、(D)光重合開始剤の少なくとも1種がロフィン系光重合開始剤又はオキシム系光重合開始剤である。
(D)光重合開始剤として用いられるロフィン系光重合開始剤としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が挙げられる。ヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5.5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(4−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(3,4−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等を挙げることができる。
上記の中でも、特に好ましい化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、保土ヶ谷化学工業製 B−CIM、)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(3,4−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、日本シイベルヘグナー製 HABI1311)、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、黒金化成)が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(D)光重合開始剤として用いられるオキシム系光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル化合物、ケトオキシム化合物等が挙げられる。これらの中でも、感度やベーク後の着色の観点から、下記一般式(III)で表されるケトオキシム系光重合開始剤が好ましい。
一般式(III)中、R及びXは、各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。Xが複数存在する場合、複数のXは、各々独立に一価の置換基を表す。
前記Rで表される一価の置換基としては、以下に示す一価の非金属原子団であることが好ましい。
Rで表される一価の非金属原子団としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、パーフルオロアルキルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基としては、例えば、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、トリフルオロメチルチオカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基としては、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、4−メトキシフェニルチオカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基としては、ジメチルアミノカルボニル基、ジメエルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基としては、ジメチルアミノチオカルボニル基、ジプロピルアミノチオカルボニル基、ジブチルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
前記Rとしては、高感度化の点から、無置換の又は置換基を有するアシル基がより好ましく、具体的には、無置換の又は置換基を有するアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
前記置換基としては、例えば、下記の構造式で表される基が挙げられ、中でも、(d−1)(d−4)及び(d−5)のいずれかが好ましい。
前記Aで表される二価の有機基としては、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン、置換基を有してもよいシクロヘキシレン、置換基を有してもよいアルキニレンが挙げられる。
これらの基に導入しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
中でも、前記Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
前記Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。
具体的にはArは、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。中でも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
上記フェニル基が置換基を有している場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メチルチオオキシ基、エチルチオオキシ基、tert−ブチルチオオキシ基等のアルキルチオオキシ基、フェニルチオオキシ基、p−トリルチオオキシ基等のアリールチオオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
一般式(III)においては、前記Arと隣接するSとで形成される「SAr」の構造が以下に示す構造であると、感度の点で好ましい。
前記Xで表される一価の置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオオキシ基、置換基を有してもよいハロゲン化アルキル基、N上に置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、シアノメチルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルチオオキシ基としては、炭素数1〜30のチオアルコキシ基が好ましく、例えば、メチルチオオキシ基、エチルチオオキシ基、プロピルチオオキシ基、イソプロピルチオオキシ基、ブチルチオオキシ基、イソブチルチオオキシ基、sec−ブチルチオオキシ基、tert−ブチルチオオキシ基、ペンチルチオオキシ基、イソペンチルチオオキシ基、ヘキシルチオオキシ基、ヘプチルチオオキシ基、オクチルチオオキシ基、2−エチルヘキシルチオオキシ基、デシルチオオキシ基、ドデシルチオオキシ基、オクタデシルチオオキシ基、ベンジルチオオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールチオオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールチオオキシ基が好ましく、例えば、フェニルチオオキシ基、1−ナフチルチオオキシ基、2−ナフチルチオオキシ基、2−クロロフェニルチオオキシ基、2−メチルフェニルチオオキシ基、2−メトキシフェニルチオオキシ基、2−ブトキシフェニルチオオキシ基、3−クロロフェニルチオオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオオキシ基、3−シアノフェニルチオオキシ基、3−ニトロフェニルチオオキシ基、4−フルオロフェニルチオオキシ基、4−シアノフェニルチオオキシ基、4−メトキシフェニルチオオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルチオオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルチオオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルチオオキシ基等がある。
置換基を有してもよいアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルファニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルファニル基が好ましく、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、シクロヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、デカノイルスルファニル基、ドデカノイルスルファニル基、オクタデカノイルスルファニル基、シアノメチルスルファニル基、メトキシメチルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルファニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルファニル基が好ましく、例えば、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、2−クロロフェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、2−メトキシフェニルスルファニル基、2−ブトキシフェニルスルファニル基、3−クロロフェニルスルファニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル基、3−シアノフェニルスルファニル基、3−ニトロフェニルスルファニル基、4−フルオロフェニルスルファニル基、4−シアノフェニルスルファニル基、4−メトキシフェニルスルファニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルファニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルファニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいカルバモイル基としては、総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、例えば、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいスルファモイル基としては、総炭素数0〜30のスルファモイル基が好ましく、例えば、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアミノ基としては、総炭素数0〜50のアミノ基が好ましく、例えば、−NH、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N,N−ジスルホニルアミノ基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−tert―ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジアセチルアミノ基、N,N−ジベンゾイルアミノ基、N,N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N,N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基、モルホリノ基、3,5−ジメチルモルホリノ基、カルバゾール基等が挙げられる。
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等がある。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等がある。
置換基を有してもよいハロゲン化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロメチル基、モノブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基等が挙げられる。
N上に置換基を有してもよいアミド基としては、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基等が挙げられる。
更に、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよい複素環基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
そのような置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
これらの中でも、Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオオキシ基、置換基を有してもよいハロゲン化アルキル基、置換基を有してもよいアミノ基、又はN上に置換基を有してもよいアミド基が好ましく、中でも置換基を有してもよいアルキル基がより好ましい。
また、一般式(III)におけるnは0〜5の整数を表すが、合成の容易さの観点で0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。
一般式(III)において、Xが複数存在する場合、複数のXは同じであっても、異なっていてもよい。
上記した一般式(III)で表される光重合開始剤の具体例を以下に示す。
本発明に用いる一般式(III)で表される化合物は、250nm〜500nmの波長領域に吸収波長を有するものである。より好ましくは、300nm〜380nmの波長領域に吸収波長を有するものを挙げることができる。特に、308nm及び355nmの吸光度が高いものが好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(D)光重合開始剤として、ロフィン系光重合開始剤及びオキシム系光重合開始剤以外の光重合開始剤を併用してもよい。ロフィン系光重合開始剤及びオキシム系光重合開始剤以外の光重合開始剤としては、前記(C)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であれば、従来公知のものを制限なく用いることができる。具体的には例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、等が挙げられる。
これらの具体例としては、若林等、「Bull Chem.Soc.Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書、特開昭62−143044号公報、特開昭62−150242号公報、特開平9−188685号公報、特開平9−188686号公報、特開平9−188710号公報、特開2000−131837号公報、特開2002−107916号公報、特許第2764769号公報、特願2000−310808号公報等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報、特開平9−188710号公報、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報に記載の等に記載の光重合開始剤が具体例として挙げられる。
(D)光重合開始剤として、露光波長に吸収を持たない光重合開始剤を用いる場合には、露光波長に吸収を有する化合物を増感剤として使用することが好ましい。増感剤については後述する。
本発明で用いる(D)光重合開始剤の含有量は、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対し、5質量%〜20質量%の範囲が好ましく、5質量%〜15質量%の範囲がより好ましく、10質量%〜15質量%の範囲が更に好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(B)バインダー樹脂が分子内に、少なくとも前記(B−1)を有するものであり、(C)重合性化合物として、前記(C1)多官能性単量体、前記(C2)多官能性単量体、及び前記単量体M−1の少なくとも1種を含み、(D)光重合開始剤として、前記一般式(III)で表されるケトオキシム系光重合開始剤を含むものである態様が好ましい。
<(E)溶剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(E)溶剤を含み、(E)溶剤を用いて調製することができる。また上述した顔料分散組成物も(E)溶剤を用いて調製する。
(E)溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、及び3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、及び3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、及び2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3-ブタンジオールジアセテート等;
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
アルコキシアルキルアセテート類、例えば、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート等;
ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
アルコール類、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等;
芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等が好適である。
(E)溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、(F)増感剤、界面活性剤、熱硬化性樹脂、などのその他の成分を含むことができる。
<(F)増感剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物には、露光波長に吸収を有する化合物を増感剤として使用し、(D)光重合開始剤の開始効率を上げることが好ましい。
この増感剤が吸収しうる波長の露光により(D)光重合開始剤成分のラジカル発生反応や、それによる重合性化合物の重合反応が促進されるものである。
このような増感剤としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
本発明に用いることのできる増感剤として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物等が挙げられるが、エチルアミノベンゾフェノンやチオキサントン及びチオール化合物が好ましい。
チオール化合物は、露光波長に吸収を有しない場合が多いが、連鎖移動剤として作用し開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
チオール化合物としては、エチレングリコールビスチオプロピオネート(EGTP)、ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTP)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)等の各多官能チオール化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、βメルカプトナフタレン、N-フェニル-メルカプトベンズイミダゾール等の単官能チオール化合物が挙げられる。
特に、経時安定性、溶剤への溶解性の観点から、単官能のチオール化合物が好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物におけるチオール化合物の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分の質量に対し、0.5〜10質量%の範囲が好ましく、0.5〜5質量%の範囲がより好ましい。
(界面活性剤)
本発明の着色感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含むことができる。
顔料濃度を大きくすると塗布液のチキソ性が一般的に大きくなるため、基板上に着色感光性樹脂組成物を塗布又は転写して着色感光性樹脂組成物層(着色層塗膜)形成後の膜厚ムラを生じやすい。また特に、スリットコート法による着色感光性樹脂組成物層(着色層塗膜)形成では、乾燥までに着色感光性樹脂組成物層形成用の塗布液がレベリングして均一な厚みの塗膜を形成することが重要である。このため、前記着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
塗布性を向上するための界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が添加される。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン系界面活性剤がある。
これらの具体例は、例えば、アデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズイ、テトロニックシリーズ(以上、ADEKA(株)製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上、花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上、三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものが適宜使用できる。好ましいHLB値は8〜20、更に好ましくは10〜17である。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル又はフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F780、同F781、同F782、同F784、同F552、同F554、同R30、同R08(以上、DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(以上、JEMCO(株)製)などである。
シリコン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等を挙げることができる。
これらのうちで、本発明に好ましい界面活性剤としては、メガファックF780、同F781、同F782、同F784、同F552、及び同F554(以上、DIC(株)製)である。
これらの界面活性剤は、着色感光性樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下であり、更に好ましくは0.5質量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5質量部を超える場合は、塗布乾燥でのスジや表面あれが生じやすく、平滑性が悪化しやすくなる。
(熱硬化性樹脂)
本発明の着色感光性樹脂組成物は、所望によりエポキシ樹脂、オキセタン樹脂等の熱硬化性樹脂を含有することができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などである。
例えばビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上、東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上、ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上、ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。またEbecryl
3700、3701、600(以上、ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上、東都化成製)、デナコールEM−125など(以上、ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなどがあげられる。
脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上、ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上、東都化成製)などを挙げることができる。他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
これらのエポキシ樹脂の中で、好ましくはノボラック型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物が好ましく、エポキシ当量が180〜250のものが特に好ましい。このような素材としてはエピクロンN−660、N−670、N−680、N−690、YDCN−704L(以上、DIC(株)製)、EHPE3150(ダイセル化学製)を挙げることができる。
オキセタン樹脂として、アロンオキセタンOXT−101、OXT−121、OXT−211、OXT−221、OXT−212、OXT−610、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成製)を用いることができる。
またオキセタン樹脂は、単独で又はアクリル系共重合体、エポキシ樹脂及びマレイミド樹脂と混合して使用することができる。特にエポキシ樹脂との併用で用いた場合には紫外光レーザー露光により発生した熱による反応性が高く、基板との密着性の観点から好ましい。
本発明に係るエポキシ樹脂、及びオキセタン樹脂の着色感光性樹脂組成物中における含有量としては、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がアルカリに対する溶解性と基板との密着性の両立の観点から好ましい。
(有機カルボン酸)
未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性樹脂組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
(シランカップリング剤)
本発明の着色感光性樹脂組成物には、更なる基板との密着性向上の観点から、シランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましい。また有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す基を有することが好ましく、そのような基としては(メタ)アクリロイル基、フェニル基、メルカプト基、グリシジル基、オキセタニル基を有するものが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイル基又はグリシジル基を有するものが好ましい。
即ち、本発明に用いるシランカップリング剤としては、アルコキシシリル基と、(メタ)アクリロイル基又はエポキシ基と、を有する化合物であることが好ましく、具体的には下記構造の(メタ)アクリロイル−トリメトキシシラン化合物、グリシジル−トリメトキシシラン化合物等が挙げられる。
シランカップリング剤を用いる場合の添加量としては、本発明に用いられる着色感光性樹脂組成物中の全固形分中、0.2質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、0.5質量%〜3.0質量%がより好ましい。
(重合禁止剤)
本発明においては、着色感光性樹脂組成物の製造中あるいは保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩、フェノキサジン、フェノチアジン等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、着色感光性樹脂組成物に対して、0.01質量%〜5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させることもできる。高級脂肪酸誘導体の添加量は、着色感光性樹脂組成物の0.5質量%〜10質量%が好ましい。
(可塑剤)
さらに、本発明においては、着色感光性樹脂組成物の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤等を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、(C)重合性化合物と(B)バインダー樹脂との合計質量に対し10質量%以下を添加することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、従来公知の露光手段により硬化させることができるが、中でも紫外光の露光により高感度で硬化し、また、基板への高い密着性を示す。紫外光の露光手段としては、レーザー露光法及びプロキシミティ露光法のいずれでもよいが、表面レチキュレーションを抑制する観点から、レーザー露光法が好適である。本発明の着色感光性樹脂組成物は、カラーフィルタの着色パターン形成に好ましく使用することができる。
≪パターン形成方法、カラーフィルタ及びその製造方法≫
本発明の着色感光性樹脂組成物及びパターン形成方法は、液晶表示装置用カラーフィルタに好適である。以下、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法を、液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法におけるパターンの形成方法として説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
本発明のパターン形成方法は、本発明の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層に対してパターン様の紫外光レーザーによる露光をし、潜像を形成する露光工程と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程と、を含むことを特徴とする。更に、必要に応じて、前記着色層をベークする工程(プリベーク工程)、及び、現像された前記着色層をベークする工程(ベーク工程)を設けてもよい。これらの工程をあわせて、パターン形成工程ということがある。
〔着色層形成工程〕
本発明における着色層形成工程は、本発明の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色層を形成する。基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板が挙げられる。さらに、プラスチック基板も使用可能である。これらの基板を用いて、格子状などにブラックマトリックスを形成し、格子の空いた部分に着色パターンが形成されることが好ましい。
これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。基板は大型(おおむね1辺1m以上)である方が、本発明の効果をより奏する点で好ましい。
基板上に着色層を形成する方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布等の付与方法を適用することができる。中でもスリット塗布が精度と速さの観点で好ましい。
また、予め仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基板上に転写する方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
本発明における着色層の層厚(例えば、塗布厚)は、充分な色再現領域を得、且つ充分なパネルの輝度を得るために、乾燥後の膜厚が、0.5μm〜3.0μmとなるように形成することが好ましく、1.5μm〜2.5μmとすることがより好ましい。
〔露光工程〕
本発明における露光工程は、前記着色層に対してパターン様の紫外光レーザーによる露光をし、潜像を形成する。本発明の露光工程により、着色感光性樹脂組成物におけるパターン状の露光領域で、(D)光重合開始剤から発生した開始種により、(C)重合性化合物の重合硬化反応が生起、進行し、同時に紫外光レーザー露光によって発生した熱によって(B)バインダー樹脂の分子内に存在するアリル基、N位−置換マレイミド基、又は環状イミド基が熱反応を起こし、硬化反応が生起、進行し、露光領域が光・熱デュアル硬化することで、硬化領域と未硬化領域とからなるパターンが形成されるものと考えられる。
レーザーの励起媒体としては、結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザー、液体レーザー、気体レーザー、半導体レーザーなどの公知の紫外光に発振波長を有するレーザーを用いることができる。その中でも、レーザーの出力及び発振波長の観点から、固体レーザー、ガスレーザーが好ましい。
本発明に用いる紫外光レーザーの露光波長としては、着色感光性樹脂組成物の感光波長に合致し感度がよい点で、300nm〜380nmの範囲が好ましく、310nm〜360nmの範囲がより好ましく、特に355nm波長レーザー露光法が好適である。
具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。
また、被露光物(パターン)の露光量としては、1mJ/cm〜100mJ/cmの範囲であり、1mJ/cm〜50mJ/cmの範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
本発明に用いる紫外光レーザーは、生産性の観点から、20Hz〜2000Hzの周波数で発振されるパルスレーザーであることが好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては特に制限はないが、市販されているものとしては、EGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン株式会社製などが使用可能である。上記以外の装置も好適に用いられる。
紫外光レーザーは光の平行度が良好で、露光の際にマスクを使用しないで、パターン露光ができるが、パターン形状が出力光の形状、プロファイルの影響を受ける。そのため、マスクを用いてパターンを露光した方が、パターンの直線性が高くなるので好ましい。
〔現像工程〕
本発明における現像工程は、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する。紫外光レーザーによる露光領域はパターン状に硬化しており、現像処理では、アルカリ現像処理を行うことにより、上記露光工程での未照射部分(未硬化部分)を、アルカリ水溶液に溶出させて除去し、光硬化した部分だけを残すことによって、パターンを形成させることができる。
現像液としては、有機アルカリ現像液や無機アルカリ現像液又はその混合液が使用される。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後に純水で洗浄(リンス)する。
現像温度としては20℃〜35℃が好ましく、23℃〜30℃がより好ましい。現像時間は、30秒〜120秒が好ましく、40秒〜90秒がより好ましい。これらのうち、現像温度と現像時間の好ましい組み合わせは、例えば、温度25℃では50秒〜100秒であり、温度30℃では40秒〜80秒であることが挙げられる。
また、シャワー圧は、0.01MPa〜0.5MPaが好ましく、0.05MPa〜0.3MPaが好ましく、0.1MPa〜0.3MPaが好ましい。これらの条件を選択することによって、パターンの形状を、矩形にしたり、順テーパにしたり任意に設計することができる。
〔ベーク工程〕
本発明においては、着色感光性樹脂組成物の硬化を完全なものとするために、現像された前記着色層をベークするベーク工程を設けることが好ましい。ベークする方法は、現像・リンス後のパターンを有する基板を、ホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で加熱することによって行うことができる。
ベークの条件としては、温度は、150℃〜260℃が好ましく、180℃〜260℃がより好ましく、200℃〜240℃が最も好ましい。ベーク時間は、10分間〜150分間が好ましく、20分間〜120分間がより好ましく、20分間〜90分間がもっとも好ましい。
なお、RGB3色相、遮光層等、複数色相の着色パターンを形成するときは、着色層の形成、露光、現像、及びベークのサイクルを、所望の色相数だけ繰り返してもよいし、各色相ごとに着色層の形成、露光、及び現像を行ってから、最後に全色相分まとめてベークを行なってもよい。これにより、所望の色相よりなる着色画素を備えたカラーフィルタが作製される。
〔その他の工程〕
本発明においては、露光工程の前に、塗布等によって形成した着色層を乾燥させるために、プリベークする工程を設けてもよい。着色層のプリベーク温度は、60℃〜140℃が好ましく、80℃〜120℃がより好ましい。プリベーク時間は、30秒〜300秒が好ましく、80秒〜200秒がより好ましい。
≪液晶表示装置≫
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置の作成に好適であり、本発明のパターン形成方法で作製したカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、高品位の画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
液晶表示装置用カラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、IPS、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明の液晶表示素子用カラーフィルタはこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊デイスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木 隆明)などに記載されている。
本発明のパターン形成方法によって作製されたカラーフィルタを液晶表示装置に用いて、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
下記の方法により、(B)バインダー樹脂の項で挙げた例示化合物1−1、1−2、1−3、31、35及び39を合成した。
(合成例1:例示化合物1−1の合成)
撹拌羽を供えた撹拌棒、還流冷却管、温度計を備えた、200mL三つ口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール 54gを入れ、窒素気流下、70℃に加熱した。アリルメタクリレート10.07g、メタクリル酸1.93g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.185gを1-メトキシ-2-プロパノール54gに溶解した溶液を、プランジャーポンプを用いて2.5時間かけて三つ口フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに70℃で2時間撹拌した。加熱終了後、水1Lへ投入し、再沈した。析出物を濾過後、真空乾燥させ、9g(収率75%)のバインダー樹脂を得た。
重量平均分子量の測定試料として、得られたバインダー樹脂 0.01gを10mLメスフラスコに秤取り、テトラヒドロフラン約8mLを加えて室温で溶解した後に全量を10mLにした。この溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。例示化合物1−1(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、モル比=80/20)の重量平均分子量は35000であった。
また、上記の例示化合物1−1の合成方法に準じて、例示化合物1−2(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、モル比=50/50、重量平均分子量35000)、及び例示化合物1−3(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、モル比=40/60、重量平均分子量35000)を合成した。
(合成例2:例示化合物31の合成)
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込み、引き続きN−フェニルマレイミド51.9質量部、アリルメタクリレート62質量部、メタクリル酸16.8質量部、及び分子量調節剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(日本油脂(株)製 商品名:ノフマーMSD)3質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、バインダー樹脂の溶液(固形分濃度=20.0質量%)を得た。GPCを用いて測定した例示化合物31の重量平均分子量は35000であった。
(合成例3:例示化合物35の合成)
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込み、引き続きシクロヘキシルマレイミド124.6質量部、メタクリル酸25.2質量部、及び分子量調節剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(日本油脂(株)製 商品名:ノフマーMSD)3質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、バインダー樹脂の溶液(固形分濃度=20.0質量%)を得た。GPCを用いて測定した例示化合物35の重量平均分子量は20000であった。
(合成例4:例示化合物36の合成)
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込み、引き続きN-CH-Phマレイミド111.0質量部、メタクリル酸34.4質量部、及び分子量調節剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(日本油脂(株)製 商品名:ノフマーMSD)3質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、バインダー樹脂の溶液(固形分濃度=20.0質量%)を得た。GPCを用いて測定した例示化合物36の重量平均分子量は18000であった。
(合成例5:例示化合物39の合成)
Katoらの方法(Kato, S., Sato, K., Maeda, D., Nomura, M. Colloids Surfaces A:Physiochem. Eng. Aspects, 1999, 153, 127 (1999))により、下記の構造式で表される化合物を合成し、次いで、当該化合物とメタクリル酸から、Okazakiの方法(Okazaki, E. Proceedings of the Radtech Europe2001)により、例示化合物39を合成した。GPCを用いて測定した例示化合物39の重量平均分子量は20000であった。
(緑色顔料ハロゲン化亜鉛フタロシアニンの分散液の調製)
−ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の合成−
フタロジニトリル、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。
ハロゲン化は、塩化スルフリル3.1部、無水塩化アルミニウム3.7部、塩化ナトリウム0.46部、亜鉛フタロシアニン1部を40℃で混合し、臭素2.2部を滴下して行った。80℃で15時間反応し、その後、反応混合物を水に投入し、部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾過し、80℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.6部の精製された部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を得た。
この部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料1部、粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレングリコール1.6部、キシレン0.09部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕した部分臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。
得られた部分臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析によるハロゲン含有量分析から、平均組成はZnPcBr10Clで(Pc;フタロシアニン)、1分子中に平均10個の臭素を含有するものであった。
なお、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM−2010)で測定した一次粒径の平均値は0.065μmであった。
直径0.5mmのジルコニアビーズを仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散機「TSC−6H」に、前記で得た部分臭素化亜鉛フタロシアニン顔料(PG58と称する。)14.9部、ビックケミー社製アクリル系分散剤「BYK−2001」7.1部、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(以下、PGMEAと称する。)78部を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、部分臭素化したハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(緑色顔料PG58と称する。)の分散液を調製した。
(黄色顔料PY150の分散液の調製)
−樹脂(i−1)の合成−
n−オクタン酸6.4g、ε−カプロラクトン200g、チタン(IV)テトラブトキシド5gを混合し、160℃で8時間加熱した後、室温まで冷却しポリエステル樹脂(i−1)を得た。合成スキームを以下に示す。
−樹脂(J−1)の合成−
ポリエチレンイミン(SP−018、数平均分子量1,800、日本触媒製)10g及び前記ポリエステル樹脂(i−1)100gを混合し、120℃で3時間加熱して、中間体(J−1B)を得た。その後、65℃まで放冷し、無水コハク酸3.8gを含有するPGMEA200gをゆっくり添加し2時間攪拌した。その後、PGMEAを添加し、樹脂(J−1)のPGMEA10質量%溶液を得た。樹脂(J−1)は、ポリエステル樹脂(i−1)由来の側鎖と無水コハク酸由来のカルボキシ基を有するものである。合成スキームを以下に示す。
顔料としてC.I.ピグメントイエロー150(PY150)を15部(平均粒子径60nm)、前記樹脂(J−1)7.5部、PGMEA77.5部を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm)により3時間混合し分散して、黄色顔料PY150の分散液を調製した。
〔実施例1〕
(着色感光性樹脂組成物の調製)
顔料分散液1を次のようにして調製した。すなわち、下記に記載の組成にて、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて8時間分散処理を行なった。
・C.I.ピグメントブルー15:6 11.8部
・C.I.ピグメントバイオレット23 1.0部
・Disperbyk161(ビックケミー社製、30%溶液) 24.0部
・PGMEA 63.2部
得られた顔料分散液1に、さらに以下の組成の成分を添加し、撹拌混合して青色相(B)用着色感光性樹脂組成物を調製した。
・顔料分散液1 39.20部
・バインダー樹脂:例示化合物1−1の20%PGMEA溶液 16.40部
・重合性化合物:M−510(カルボキシル基含有多官能性単量体) 4.57部
(東亞合成(株)製、アロニックスM−510、酸価100mgKOH/g)
・光重合開始剤:化合物A(下記構造) 2.74部
・増感剤:単官能チオール化合物SH−1(下記構造) 0.55部
・エポキシ化合物:EHPE3150(ダイセル化学(株)製) 0.60部
・溶剤:PGMEAと3−エトキシエチルプロピオネート(=80/20[質量比])の混合溶液 35.51部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.01部
・密着力調整剤:KBM−503(信越化学(株)製) 0.40部
・界面活性剤:メガファックF−780(DIC(株)製) 0.02部
(パターンの形成)
パターンの形成は、特に断りのない限り、以下の工程を実施して行った。
上記で得られた着色感光性樹脂組成物を、無アルカリガラス基板(Corning社、1737、550mm×660mm)の表面上に、スリットコーター(平田機工(株)、HC−6000)を用いて塗布したのち、90℃のクリーンオーブン内で120秒間プリベークを行って、膜厚2.0μmの着色層を形成した。
次いで、レーザー露光装置としてEGIS(ブイテクノロジー(株)、YAGレーザーの第三高調波(355nm)、パルス幅6ns)を用い、20ミクロン幅のラインアンドスペースを持つフォトマスクを通して、基板上の着色層の表面とフォトマスクとの間隙(ギャップ)を200μmとして、約1mJ/cmのパルス照射(周波数50Hz)を20回(露光量として20mJ/cm)行った。
その後、この基板を現像装置(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.20MPaに設定して、50秒現像し、純水で洗浄後、風乾した。その後、220℃のクリーンオーブン内で30分間ベークを行って、基板上に青色のラインパターンを形成した。
形成したラインパターンについて下記の評価を行った。結果を表2に示す。
(線幅感度の評価)
形成されたラインパターンを、光学顕微鏡(200倍)によって観察し、線幅を測定評価した。
−評価基準−
A:30μm以上
B:27μm以上30μm未満
C:25μm以上27μm未満
D:25μm未満
E:パターンが形成されない、または、剥がれて評価ができない。
(直線性の評価)
形成されたラインパターンを、光学顕微鏡(200倍)によって観察し、線幅の直線性(ガタツキ具合)を目視評価した。
−評価基準−
A:ガタツキがなく、カケもなく、ラインが真直ぐであった。
B:ガタツキが数箇所あったが、ラインがほとんど真直ぐであった。
C:ガタツキが大きく、線幅に±2μm程度のラインバラツキが生じていた。
D:ガタツキが大きく、線幅に±5μm程度のラインバラツキが生じていた。
E:パターンが形成されなかった、または、剥がれて評価ができなかった。
(耐熱性の評価)
ラインパターンが形成された基板を、240℃のクリーンオーブン内で60分間追加ベークし、追加ベーク前後での色差(ΔEab)を、大塚電子(株)製分光測光器MCPD−2000を用いて測定した。ここでΔEabとは、L表色系における色差を意味する。ΔEabの値を用い、以下の評価基準に従って、耐熱性を評価した。
−評価基準−
5 :ΔEabが0以上1.0未満
4.5:ΔEabが1.0以上2.0未満
4 :ΔEabが2.0以上3.0未満
3.5:ΔEabが3.0以上3.5未満
3 :ΔEabが3.5以上4.0未満
2.5:ΔEabが4.0以上5.0未満
2 :ΔEabが5.0以上
1 :剥がれがあり、且つΔEabが5.0以上
(現像性の評価)
着色感光性樹脂組成物を前記無アルカリガラス基板の表面上にスピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmとなるように塗布し、120℃で2分間プリベークさせて均一な着色層を形成した。次いで、前述の通り、レーザー露光装置用いたパルス照射を行った。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、基板上の着色層表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製を100倍希釈した液)にて24℃でフラットノズル圧力0.04MPaで5秒おきにシャワー現像し、その後、流水で20秒間リンスした後、エアナイフで乾燥させラインパターンを得た。
上記ラインパターンの形成にあたって、以下のようにして現像性の評価を行なった。すなわち、現像を10秒から5秒ずつ延長して行い、未硬化部が基板から除去されるのに要した時間を測定した。
(レチキュレーションの評価)
前記のパターンの形成において、露光を、20ミクロン幅及び200ミクロン幅のラインアンドスペースを持つマスクを用いて、基板上の着色層表面とマスクとの間隙(ギャップ)を200μmとして行った。ポストベーク後の形成された線幅20ミクロン及び200ミクロンのラインパターンを、光学顕微鏡(200倍)によって観察し、レチキュレーションを目視評価した。
−評価基準−
A:200ミクロン、20ミクロン共にレチキュレーションがなく、平坦であった。
B:200ミクロンにはレチキュレーションがなかったが、20ミクロンにレチキュレーションが軽度に発生していた。
C:200ミクロンにはレチキュレーションがなかったが、20ミクロンにレチキュレーションが強く発生していた。
D:200ミクロンにレチキュレーションが軽度に発生し、20ミクロンにレチキュレーションが強く発生していた。
E:200ミクロン、20ミクロン共にレチキュレーションが強く発生していた。
(総合評価)
線幅感度、直線性、耐熱性、現像性、及びレチキュレーションを、以下の評価基準に従って総合的に評価した。
−評価基準−
5 :非常に優れている。
4.5:優れている。
4 :通常使用では問題ないレベル。
3.5:若干劣る性能であるが、問題ないレベル。
3 :通常使用でギリギリのレベル。
2.5:通常使用の許容限界より少し低く問題あり。
2 :性能不十分で使用できない。
1 :評価ができないレベル。
〔実施例2〜23、比較例1〜6〕
実施例1の着色感光性樹脂組成物の調製において、用いる各材料を表1のように変更した以外は実施例1の着色感光性樹脂組成物の調製と同様にして、各着色感光性樹脂組成物を調製した。赤色相(R)用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド254を用いた。緑色相(G)用の着色剤としては、C.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー150とを、前者対後者の質量比70/30で混合して用いた。
各着色感光性樹脂組成物を用いて、実施例1におけるパターンの形成と同様にして、実施例2〜23、及び比較例1〜6のラインパターンを形成した。得られたラインパターンを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
なお、実施例15〜17では、パターンの形成、並びに現像性及びレチキュレーションの評価において、レーザー露光に換えプロキシミティ露光を行った。プロキシミティ露光の条件は、以下の通りである。すなわち、超高圧水銀灯を有すプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、基板上の着色層表面とマスクの間の距離を200μmに設定し、露光量20mJ/cmでパターン露光した。
〔実施例24〕
(着色感光性樹脂組成物の調製)
下記の成分を撹拌混合して、着色感光性樹脂組成物を調製した。
・前記緑色顔料PG58の分散液 32.68部
・前記黄色顔料PY150の分散液 14.56部
・バインダー樹脂:例示化合物1−1 0.176部
・重合性化合物:TO−2349(カルボキシル基含有多官能性単量体)5.52部
(東亞合成(株)製、アロニックスTO−2349、酸価67mgKOH/g)
・ロフィン系光重合開始剤:HABI−1311(下記構造) 1.115部
(日本シイベルヘグナー製)
・光重合開始剤:IRGACURE OXE−01 1.246部
(チバ・スペシャルティーケミカル社製)
・光重合開始剤:KAYACURE DETX−S(日本化薬(株)製 0.036部
・増感剤:単官能チオール化合物SH−1 0.161部
・溶剤:3−エトキシエチルプロピオネート 24.60部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー 12.89部
・重合禁止剤:Pメトキシフェノール 0.003部
・界面活性剤:メガファックF−554(DIC(株)製) 0.0146部
(パターンの形成)
上記で得られた着色感光性樹脂組成物を、無アルカリガラス基板(Corning社、1737、550mm×660mm)の表面上に、スリットダイにより塗布速度100mm/s、塗布ギャップ100μm、塗布流速1.3ml/sの条件で塗布した後、減圧乾燥チャンバーにて到達圧力0.5Torrにて真空乾燥したのち、80℃のオーブンで120秒間乾燥させ(プリベーク)、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。その後、20ミクロン幅のラインアンドスペースを持つフォトマスクを通して、超高圧水銀灯にて20mJ/cm(照度35mW/cm)Gap200μmにてプロキシ露光し、露光後の塗布膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液で40秒間シャワー状に散布、更に純水をシャワー状に60秒散布して現像液を洗い流した。次に、上記のように露光及び現像処理が施された塗布膜を230℃のオーブンで40分加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にラインパターンを形成した。
その後、形成したラインパターンについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例25〕
実施例24の着色感光性樹脂組成物の調製において、ロフィン系光重合開始剤をHABI−1311からHABI−1311A(下記構造)に変更した以外は、実施例24の着色感光性樹脂組成物の調製と同様にして、着色感光性樹脂組成物を調製した。その後、実施例24と同様にして、ラインパターンを形成し評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例26〕
実施例24の着色感光性樹脂組成物の調製において、重合性化合物をTO−2349からM−520(東亞合成(株)製、酸価30.0mgKOH/g、カルボキシル基含有多官能性単量体)に変更した以外は、実施例24の着色感光性樹脂組成物の調製と同様にして、着色感光性樹脂組成物を調製した。その後、実施例24と同様にして、ラインパターンを形成し評価を行った。結果を表2に示す。
表1において、M−510は、東亞合成(株)製 アロニックスM−510、M−520は、東亞合成(株)製 アロニックスM−520である。M−1及びM−2は、カルボキシル基含有多官能性単量体の項で挙げた具体例M−1及びM−2である。M−5は、下記構造式で表される化合物において、(n=2/n=3/n=4)=60/30/10の混合物である。M−6は、下記構造式で表される化合物において、(n=2/n=3/n=4)=85/15/5の混合物である。
表1において、DPHAは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであり、日本化薬製 商品名DPHAを用いた。
CGI242は、オキシム系光重合開始剤(チバ・スペシャルティーケミカル社製)である。
「B−CIM」は、ロフィン系光重合開始剤B−CIMと増感色素EAB(B−CIM:EAB=2:1[質量比])(いずれも保土ヶ谷化学工業製)で化合物Aを置き換えた。
「トリアジン系」は、トリアジン系光重合開始剤、4−[o−ブロモ−p−N,N−ビス(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンである。
化合物Bは、下記の構造式で表される化合物である。
表1において、比較化合物1は、ベンジルメタクリレートとメタクリル酸との共重合体(共重合モル比80/20、重量平均分子量35000)であり、比較化合物2は、n-プロピルメタクリレートとメタクリル酸との共重合体(共重合モル比80/20、重量平均分子量35000)である。
表2から明らかなように、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いた実施例1〜26は、線幅感度が高く、直線性、耐熱性、及び現像性に優れ、レチキュレーションの発生が抑制されていた。

Claims (10)

  1. 少なくとも、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、
    前記(A)着色剤の含有量が着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%であり、
    前記(B)バインダー樹脂が分子内に、(B−1)下記一般式(I)で表される構造単位、(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び(B−3)下記一般式(II)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位と、酸性基を有する構造単位とを有し、
    前記(C)重合性化合物の少なくとも1種がカルボキシル基含有多官能性単量体であり、
    前記(D)光重合開始剤の少なくとも1種がロフィン系光重合開始剤又はオキシム系光重合開始剤である着色感光性樹脂組成物。


    一般式(I)中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はアリール基を表し、R16は水素原子又はメチル基を表す。


    一般式(II)中、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。R23及びR24は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数4以下のアルキル基を表す。R23とR24とは互いに結合して炭素環を形成していてもよい。
  2. 前記オキシム系光重合開始剤が下記一般式(III)で表されるケトオキシム系光重合開始剤である請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。


    一般式(III)中、R及びXは、各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。Xが複数存在する場合、複数のXは、各々独立に一価の置換基を表し、同一であっても異なっていてもよい。
  3. 前記カルボキシル基含有多官能性単量体の酸価が80mgKOH/g〜200mgKOH/gである請求項1又は請求項2に記載の着色感光性樹脂組成物。
  4. 更に、(F)増感剤を含み、前記(F)増感剤の少なくとも1種が単官能チオール化合物である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層に対してパターン様の紫外光レーザーによる露光をし、潜像を形成する露光工程と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程と、を含むパターン形成方法。
  6. 前記紫外光レーザーの露光波長が300nm〜380nmの範囲である請求項5に記載のパターン形成方法。
  7. 前記紫外光レーザーが20Hz〜2000Hzの周波数で発振されるパルスレーザーである請求項5又は請求項6に記載のパターン形成方法。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のパターン形成方法により、基板上にパターンを形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法により製造されたカラーフィルタ。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
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