JP2013234260A - オキシム系光重合開始剤及びその使用方法 - Google Patents

オキシム系光重合開始剤及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 工業的規模で入手できるかもしくは工業的規模で入手できる原料から比較的容易に製造可能な物質を原料とするオキシム系光重合開始剤、及びこれを用いた着色感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)
【化1】
Figure 2013234260

(式中、各記号は明細書に定義したとおりである)で表されるオキシムエステル化合物を着色感光性樹脂組成物の光重合開始剤として用いる。上記オキシムエステル化合物を含有する着色感光性樹脂組成物は、現像性に優れる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オキシム系光重合開始剤及びその使用方法に関する。
カラーフィルタの製造方法としては、着色剤(有機顔料等)、バインダー樹脂、重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する着色感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソ法を適用する方法が知られている。より高精細なカラーフィルタを得るためには、着色感光性樹脂組成物が現像性、パターン形成性などに優れること、また、着色感光性樹脂組成物を用いて形成された膜が平滑性などに優れること、用いる光重合開始剤が工業的規模で入手できるかもしくは工業的規模で入手できる原料から比較的容易に製造可能な物質を原料とすることが要求される。
上記の着色感光性樹脂組成物としては、含有させる成分の面から様々なものが提案されている。例えば、現像後の残渣を少なくする目的で、着色剤の含有量と重合性化合物の種類に特徴を有する着色感光性樹脂組成物が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の提案として、フォトリソ法に用いる露光処理の手段を特定し、その露光処理手段に特に高感度な着色感光性樹脂組成物が提案されている。例えば、エキシマレーザ光による露光処理用の着色樹脂組成物が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−328148号公報 WO2008/084853号公報
液晶ディスプレイ等の表示装置がテレビ用途へと展開されるに伴い、カラーフィルタの更なる高精細化が望まれており、着色感光性樹脂組成物の現像性や、着色感光性樹脂組成物を用いて形成された膜の平滑性がよりハイレベルで要求されている。しかしながら、上記の特許文献1及び2に開示された着色感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法では、現像性は十分とは言い難く、また、表面レチキュレーション(網状のしわ)の発生を抑制することは困難であった。
上記に鑑み、本発明は、現像性が良好で且つポストベーク後の表面レチキュレーションの発生を抑制し得る着色感光性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、表面レチキュレーションの発生が抑制され、線幅感度、直線性、及び耐熱性に優れた着色パターンを有するカラーフィルタの製造方法、並びに、該カラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ及び該カラーフィルタを備えた表示装置、工業的規模で入手できるかもしくは工業的規模で入手できる原料から比較的容易に製造可能な物質を原料とする光重合開始剤の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、下記一般式(I)で表わされるオキシムエステル化合物を光重合開始剤として用いることにより上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
<1> 下記一般式(I)
Figure 2013234260
[式中、R1は水素;非置換C1−C8アルキルまたは置換C1−C8アルキル基を表し、R2は水素、C3−C8シクロアルキルまたはC1−C8アルキルまたは場合により置換されたフェニルを表し、Arは、結合か、フェニレンまたはナフチレンを表す]で表されるオキシム系光重合開始剤。
<2> R1がメチルであり、R2がメチルであり、Arがフェニレンである、<1>に記載のオキシム系光重合開始剤。
<3> 少なくとも、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、前記(A)着色剤の含有量が着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%であり、前記(B)バインダー樹脂が分子内に、1種がアリル基を有する構造単位と、酸性基を有する構造単位とを有し、前記(C)重合性化合物の少なくとも1種がカルボキシル基含有多官能性単量体であり、前記(D)光重合開始剤の少なくとも1種が<1>または<2>に記載の光重合開始剤である着色感光性樹脂組成物。
<4> 前記カルボキシル基含有多官能性単量体の酸価が80mgKOH/g〜200mgKOH/gである<3>に記載の着色感光性樹脂組成物。
<5> <3>又は<4>に記載の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層に対してパターン様の紫外光レーザーによる露光をし、潜像を形成する露光工程と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程と、を含むパターン形成方法。
<6> 前記紫外光レーザーの露光波長が300nm〜380nmの範囲である<5>に記載のパターン形成方法。
<7> 前記紫外光レーザーが20Hz〜2000Hzの周波数で発振されるパルスレーザーである<5>又は<6>に記載のパターン形成方法。
<8> <5>〜<7>のいずれか1つに記載のパターン形成方法により、基板上にパターンを形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
<9> <8>に記載の製造方法により製造されたカラーフィルタ。
本発明によれば、現像性が良好で且つポストベーク後の表面レチキュレーションの発生を抑制し得る着色感光性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。また、本発明によれば、表面レチキュレーションの発生が抑制され、線幅感度、直線性、及び耐熱性に優れた着色パターンを有するカラーフィルタの製造方法、並びに、該カラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ、工業的規模で入手できるかもしくは工業的規模で入手できる原料から比較的容易に製造可能な物質を原料とする光重合開始剤を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
≪オキシム系光重合開始剤≫
本発明のオキシム系光重合開始剤は、下記一般式(I)
Figure 2013234260
[式中、R1は水素;非置換C1−C8アルキルまたは置換C1−C8アルキル基を表し、R2は水素、C3−C8シクロアルキルまたはC1−C8アルキルまたは場合により置換されたフェニルを表し、Arは、結合か、フェニレンまたはナフチレンを表す]で表される化合物である。
上記において、「置換C1−C8アルキル基」の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、「場合により置換されたフェニル」の置換基としては、例えば、メチル基、メトキシ基、クロル基、ニトロ基が挙げられる。
さらに、本発明のオキシム系光重合開始剤の中でも、特に、上記一般式(I)において、R1がメチルを有するもの、R2がメチルを有するもの、Arがフェニレンを有するものが、良好な、感光性、解像性、経時安定性の点において好ましい。
本発明の中間体であるオキシムを得るためには、一般的に次に示す反応が好適である。アルデヒドまたはケトンと、塩酸ヒドロキシルアミンとを、酢酸ナトリウムまたはピリジンのような塩基の存在下、エタノールのような極性溶媒中で反応させることで合成することができる。
上記一般式(I)で表される本発明のオキシム系光重合開始剤は、一般的に、次のようにして製造することができる。まず、下記一般式(II)
Figure 2013234260
で表されるフェニルスルフィド系化合物と、下記一般式(III)
Figure 2013234260
(Arは、結合か、フェニレン、ナフチレンを示す)及び下記一般式(IV)
Figure 2013234260
(R1は水素;非置換C1−C8アルキルまたは置換C1−C8アルキル基を示す)で表される酸塩化物とを、塩化アルミニウムのような金属塩化物の存在下に反応させることにより、下記一般式(V)
Figure 2013234260
(式中、R1、Arは上記で定義したとおりである)で表されるアシル体を得る。
次いで、上記一般式(V)を塩酸ヒドロキシルアミン、ピリジン等の塩基の存在下に反応させることにより、下記一般式(VI)
Figure 2013234260
(式中、R1、Arは上記で定義したとおりである)で表されるオキシム化合物を得る。
次いで、上記一般式(VI)と、下記一般式(VII)
Figure 2013234260
(R2は水素、C3−C8シクロアルキルまたはC1−C8アルキルまたは場合により置換されたフェニルを示す)で表される酸塩化物等とを反応させて、下記一般式(I)
Figure 2013234260
(式中、R1、R2、Arは上記で定義したとおりである)で表される本発明のオキシム系光重合開始剤を得る。
≪着色感光性樹脂組成物≫
本発明の着色感光性樹脂組成物は、少なくとも、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、前記(A)着色剤の含有量が着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%であり、前記(B)バインダー樹脂が分子内に、1種がアリル基を有する構造単位と、酸性基を有する構造単位とを有し、前記(C)重合性化合物の少なくとも1種がカルボキシル基含有多官能性単量体であり、前記(D)光重合開始剤の少なくとも1種が一般式(I)で表されるオキシム系光重合開始剤であることを特徴とする。
以下に本発明の着色感光性樹脂組成物の各構成成分について詳述する。
<(A)着色剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(A)着色剤の少なくとも1種を含む。本発明の着色感光性樹脂組成物における(A)着色剤の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%である。(A)着色剤の含有量が、15質量%未満であると、所望の色相にするためには膜厚を厚く設定しなければならず、現像しにくくなったり、タクトタイムが延びてしまうといった問題が生じる。一方、(A)着色剤の含有量が、60質量%を超えると、現像時間が長くなり、また、プロファイル形状も逆エッジ形状となり好ましくない。
本発明の着色感光性樹脂組成物における(A)着色剤の含有量は、20質量%〜50質量%がより好ましく、25質量%〜40質量%がさらに好ましい。
(A)着色剤としては、染料、及び顔料を適宜選択して用いることができる。耐熱性などの観点からは、顔料がより好ましい。
(A)着色剤として使用される顔料は、無機顔料であっても、有機顔料であってもよいが、高透過率とする観点から、なるべく粒子サイズの小さいものの使用が好ましい。一次粒子径の平均は、0.01μm〜0.1μmであることが好ましく、さらに好ましくは、0.01μm〜0.05μmの範囲である。本発明の着色感光性樹脂組成物においては、後述する高分子分散剤を用いることで、顔料のサイズが小さい場合であっても、顔料分散性、分散安定性が良好となるため、膜厚が薄くても色純度に優れる着色画素を形成しうる。
さらに、本発明においては、着色感光性樹脂組成物に含有される顔料のうち、一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合が、該顔料の全量中、10%未満であり、かつ、一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合が、該顔料の全量中、5%未満であることが好ましい。
一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合が、10%未満であることで、耐熱性、色度変化を防止することができ、一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合が、5%未満であることで、コントラストがよく、着色感光性樹脂組成物の経時安定性がよく、さらには異物故障を防止することができる。一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合は、耐熱性、及び色度変化防止の観点から、5%未満であることがより好ましい。一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合は、コントラストをよくする観点から、3%未満であることが好ましい。
顔料の一次粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて測定することができる。すなわち、TEM写真を画像解析して粒径分布を調べることにより行なう。例えば3〜10万倍での観察試料中の全粒子数と、0.02μm未満、及び0.08μmを超える顔料の粒子数を計測することで粒度分布を把握できる。より具体的には、顔料粉体を透過型電子顕微鏡で3〜10万倍で観察し、写真を撮り、1000個の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満、及び0.08μmを超える一次粒子の割合を算出する。この操作を顔料粉体の部位を変えて合計で3箇所について行い、結果を平均する。
(A)着色剤として用いうる無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で表される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物等を挙げることができる。
前記有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214
C.I.Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42、
C.I.Pigment Brown 25、28等を挙げることができる。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185、C.I.Pigment
Orange 36、71、C.I.Pigment Red 122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、264、C.I.Pigment Violet 19、23、32、C.I. Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、C.I. Pigment Green 7、36、37。
これら有機顔料は、単独若しくは、色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤色相(R)用の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、縮合ジス系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224、が挙げられ、縮合ジス系赤色顔料としてはC.I.ピグメント・レッド242が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。また、赤色顔料と他顔料との質量比(赤色顔料:他顔料)は、100:5〜100:80が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:81以上では発色力が下がる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑色相(G)用の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7、36、37とC.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。緑色顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:150が好ましい。質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青色相(B)用の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えば、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:50が好ましく、より好ましくは100:5〜100:30である。
本発明において(A)着色剤として染料を用いる場合は、均一に溶解された着色感光性樹脂組成物が得られる。
(A)着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5
,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
<(B)バインダー樹脂>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(B)バインダー樹脂の少なくとも1種を含む。バインダー樹脂が分子内に、1種がアリル基を有する構造単位と、酸性基を有する構造単位を有するものである。
〔酸性基を有する構造単位〕
さらに、(B)バインダー樹脂は分子内に、酸性基を有する構造単位を有する。酸性基を有する構造単位としては、カルボキシル基含有不飽和単量体由来の構造単位をあげることができる。カルボキシル基含有不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等である。
これらのカルボキシル基含有不飽和単量体のうち、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)及びフタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)は、それぞれM−5300及びM−5400(東亞合成(株)製)の商品名で市販されている。
前記カルボキシル基含有不飽和単量体は、単独で又は2種以上を樹脂に含んでもよい。
<(C)重合性化合物>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(C)重合性化合物の少なくとも1種を含有し、(C)重合性化合物の少なくとも1種がカルボキシル基含有多官能性単量体である。
[カルボキシル基含有多官能性単量体]
本発明に用いることができるカルボキシル基含有多官能性単量体とは、分子内に少なくとも1個のカルボキシル基を有し、好ましくは1〜4個、更に好ましくは1〜3個のカルボキシル基を有するモノマーをいう。また多官能として、重合性不飽和二重結合を2以上有し、好ましくは2〜12、更に好ましくは3〜6有する。
本発明の着色感光性樹脂組成物において、(C)重合性化合物と後述する(D)光重合開始剤との質量比「(D)光重合開始剤/(C)重合性化合物」は0.1以上2.0以下であり、好ましくは0.1以上1.0以下であり、特に好ましくは0.3以上0.9以下である。上記範囲内とすることで、パターン形成性が良好で、基板との密着性に優れる。また、露光・現像後のマスク太り量が充分であり、パターン剥離が抑制される。
<(D)光重合開始剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(D)光重合開始剤の少なくとも1種を含有し、(D)光重合開始剤は、上記式(I)のオキシム系光重合開始剤である。
<(E)溶剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(E)溶剤を含み、(E)溶剤を用いて調製することができる。また上述した顔料分散組成物も(E)溶剤を用いて調製する。
(E)溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、及び3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、及び3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、及び2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3−ブタンジオールジアセテート等;
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
アルコキシアルキルアセテート類、例えば、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート等;
ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;アルコール類、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等が好適である。
(E)溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、従来公知の露光手段により硬化させることができるが、中でも紫外光の露光により高感度で硬化し、また、基板への高い密着性を示す。紫外光の露光手段としては、レーザー露光法及びプロキシミティ露光法のいずれでもよいが、表面レチキュレーションを抑制する観点から、レーザー露光法が好適である。本発明の着色感光性樹脂組成物は、カラーフィルタの着色パターン形成に好ましく使用することができる。
≪パターン形成方法、カラーフィルタ及びその製造方法≫
本発明の着色感光性樹脂組成物及びパターン形成方法は、液晶表示装置用カラーフィルタに好適である。以下、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法を、液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法におけるパターンの形成方法として説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
本発明のパターン形成方法は、本発明の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層に対してパターン様の紫外光レーザーによる露光をし、潜像を形成する露光工程と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程と、を含むことを特徴とする。更に、必要に応じて、前記着色層をベークする工程(プリベーク工程)、及び、現像された前記着色層をベークする工程(ベーク工程)を設けてもよい。これらの工程をあわせて、パターン形成工程ということがある。
〔着色層形成工程〕
本発明における着色層形成工程は、本発明の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色層を形成する。基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板が挙げられる。さらに、プラスチック基板も使用可能である。これらの基板を用いて、格子状などにブラックマトリックスを形成し、格子の空いた部分に着色パターンが形成されることが好ましい。
これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。基板は大型(おおむね1辺1m以上)である方が、本発明の効果をより奏する点で好ましい。
基板上に着色層を形成する方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布等の付与方法を適用することができる。中でもスリット塗布が精度と速さの観点で好ましい。また、予め仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基板上に転写する方法を適用することもできる。転写方法に関しては特開2006−23696号公報の段落[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落[0096]〜[0108]に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
本発明における着色層の層厚(例えば、塗布厚)は、充分な色再現領域を得、且つ充分なパネルの輝度を得るために、乾燥後の膜厚が、0.5μm〜3.0μmとなるように形成することが好ましく、1.5μm〜2.5μmとすることがより好ましい。
〔露光工程〕
本発明における露光工程は、前記着色層に対してパターン様の紫外光レーザーによる露光をし、潜像を形成する。本発明の露光工程により、着色感光性樹脂組成物におけるパターン状の露光領域で、(D)光重合開始剤から発生した開始種により、(C)重合性化合物の重合硬化反応が生起、進行し、同時に紫外光レーザー露光によって発生した熱によって(B)バインダー樹脂の分子内に存在するアリル基が熱反応を起こし、硬化反応が生起、進行し、露光領域が光・熱デュアル硬化することで、硬化領域と未硬化領域とからなるパターンが形成されるものと考えられる。
レーザーの励起媒体としては、結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザー、液体レーザー、気体レーザー、半導体レーザーなどの公知の紫外光に発振波長を有するレーザーを用いることができる。その中でも、レーザーの出力及び発振波長の観点から、固体レーザー、ガスレーザーが好ましい。
本発明に用いる紫外光レーザーの露光波長としては、着色感光性樹脂組成物の感光波長に合致し感度がよい点で、300nm〜380nmの範囲が好ましく、310nm〜360nmの範囲がより好ましく、特に355nm波長レーザー露光法が好適である。
具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。また、被露光物(パターン)の露光量としては、1mJ/cm2〜100mJ/cm2の範囲であり、1mJ/cm2〜50mJ/cm2の範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
本発明に用いる紫外光レーザーは、生産性の観点から、20Hz〜2000Hzの周波数で発振されるパルスレーザーであることが好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては特に制限はないが、市販されているものとしては、EGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン株式会社製などが使用可能である。上記以外の装置も好適に用いられる。
紫外光レーザーは光の平行度が良好で、露光の際にマスクを使用しないで、パターン露光ができるが、パターン形状が出力光の形状、プロファイルの影響を受ける。そのため、マスクを用いてパターンを露光した方が、パターンの直線性が高くなるので好ましい。
〔現像工程〕
本発明における現像工程は、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する。紫外光レーザーによる露光領域はパターン状に硬化しており、現像処理では、アルカリ現像処理を行うことにより、上記露光工程での未照射部分(未硬化部分)を、アルカリ水溶液に溶出させて除去し、光硬化した部分だけを残すことによって、パターンを形成させることができる。
現像液としては、有機アルカリ現像液や無機アルカリ現像液又はその混合液が使用される。現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ性化合物を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後に純水で洗浄(リンス)する。
現像温度としては20℃〜35℃が好ましく、23℃〜30℃がより好ましい。現像時間は、30秒〜120秒が好ましく、40秒〜90秒がより好ましい。これらのうち、現像温度と現像時間の好ましい組み合わせは、例えば、温度25℃では50秒〜100秒であり、温度30℃では40秒〜80秒であることが挙げられる。また、シャワー圧は、0.01MPa〜0.5MPaが好ましく、0.05MPa〜0.3MPaが好ましく、0.1MPa〜0.3MPaが好ましい。これらの条件を選択することによって、パターンの形状を、矩形にしたり、順テーパにしたり任意に設計することができる。
〔ベーク工程〕
本発明においては、着色感光性樹脂組成物の硬化を完全なものとするために、現像された前記着色層をベークするベーク工程を設けることが好ましい。ベークする方法は、現像・リンス後のパターンを有する基板を、ホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で加熱することによって行うことができる。ベークの条件としては、温度は、150℃〜260℃が好ましく、180℃〜260℃がより好ましく、200℃〜240℃が最も好ましい。ベーク時間は、10分間〜150分間が好ましく、20分間〜120分間がより好ましく、20分間〜90分間がもっとも好ましい。
なお、RGB3色相、遮光層等、複数色相の着色パターンを形成するときは、着色層の形成、露光、現像、及びベークのサイクルを、所望の色相数だけ繰り返してもよいし、各色相ごとに着色層の形成、露光、及び現像を行ってから、最後に全色相分まとめてベークを行なってもよい。これにより、所望の色相よりなる着色画素を備えたカラーフィルタが作製される。
〔その他の工程〕
本発明においては、露光工程の前に、塗布等によって形成した着色層を乾燥させるために、プリベークする工程を設けてもよい。着色層のプリベーク温度は、60℃〜140℃が好ましく、80℃〜120℃がより好ましい。プリベーク時間は、30秒〜300秒が好ましく、80秒〜200秒がより好ましい。
次に、本発明のオキシムエステル化合物を用いた実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕オキシムエステル化合物の合成
a.フェニルスルフィド誘導体(アシル体)の合成
Figure 2013234260
CH2Cl2 40ml中のフェニルスルフィド5.00部に、フタル酸クロリド2.73部及びAlCl3 3.90部を加えた。室温で一晩攪拌したのち、アセチルクロリド2.21部及びAlCl3 3.90部を加えた。この反応混合物を室温で4時間攪拌した。次いで、反応混合物を氷水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和NaHCO3水溶液及び食塩水で洗浄し、その後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を濃縮後、淡黄色オイル5.91部(74.6%)を得た。このオイルを未精製のまま次の反応に用いた。
b.オキシム体の合成
Figure 2013234260
エタノール30ml中のa.で得られたアシル体3.0部に、塩化ヒドロキシルアンモニウム0.78部及びピリジン0.89部を加えた。10時間還流したのち、反応混合物を氷水に注いだ。得られた固体を濾取し、水で洗浄し、酢酸エチルに溶解した。無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、濃縮し、白色固体2.80部(89%)を得た。この固体を未精製のまま、次の反応に用いた。
c.オキシムエステル体の合成
Figure 2013234260
b.で得られたオキシム体1.5部をDMF25部に溶解した。この溶液に、塩化アセチル0.61部を加え、次いでトリエチルアミン0.80部を10℃以下で滴下した。室温で4時間攪拌したのち、反応混合物を水に注ぎ、析出固体をろ過した。ろ物を、CH2Cl2−ヘキサン(2:1)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体1.05部(61.6%)を得た。λmaxは294nm、融点は121℃〜132℃であった。
1H-NMRスペクトル(CDCl3).δ[ppm]:2.26(s,6H),2.36(s,6H),7.28(d,4H),7.37(d,8H),7.57-7.63(m,2H),7.75(t,1H),7.84(d,4H),7.98(d,1H)
〔実施例2〜7〕
同様の方法によって合成した、下記一般式(VIII)で表される、本発明の様々な化合物の具体的な構造及び測定結果を表1、表2に示す。
Figure 2013234260
Figure 2013234260
Figure 2013234260
〔実施例8〕
(着色感光性樹脂組成物の調製)
顔料分散液1を次のようにして調製した。すなわち、下記に記載の組成にて、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて8時間分散処理を行なった。
・C.I.ピグメントブルー15:611.8部
・C.I.ピグメントバイオレット231.0部
・Disperbyk161(ビックケミー社製、30%溶液)24.0部
・PGMEA63.2部
得られた顔料分散液1に、さらに以下の組成の成分を添加し、撹拌混合して青色相(B)用着色感光性樹脂組成物を調製した。
・顔料分散液139.20部
・バインダー樹脂:メタクリル酸―メチルメタクリレート−スチレン共重合体(重量比30−45−25のトルエン及びエチレングリコールモノエチルエーテル溶液16.40部
・重合性化合物:M−510(カルボキシル基含有多官能性単量体)4.57部
(東亞合成(株)製、アロニックスM−510、酸価100mgKOH/g)
・光重合開始剤:実施例1〜5、及び比較例1、2に示す化合物2.74部
・エポキシ化合物:EHPE3150(ダイセル化学(株)製)0.60部
・溶剤:PGMEAと3−エトキシエチルプロピオネート(=80/20[質量比])
の混合溶液35.51部
なお、比較例1、2においては、光重合開始剤として下記に示す市販品を用いた。
〔比較例1〕
商品名:OXE−01(BASF製)
Figure 2013234260
〔比較例2〕
商品名:DAROCUR1173(BASF製)
Figure 2013234260
<透過性>
得られた着色感光性樹脂組成物実施例1〜実施例5の透過性試験を以下のようにして行った。
即ち、ガラス基板上に着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物をスピンコート(500rpm、7秒間)し、ホットプレートを用いて、90℃で、90秒間プリベークを行った。光源として高圧水銀ランプを用いて150mJ/cm2露光し、オーブンを用いて、230℃で、30分間ポストベークを行った。吸光光度計を用いて420nmにおける透過率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2013234260
上記〔表3〕より、本発明のオキシムエステル化合物を光重合開始剤として含有する実施例1の着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、本発明のオキシムエステル化合物とは構造が異なる化合物を光重合開始剤として含有する比較例1及び2の着色感光性樹脂組成物に比較して、透過率が高いことが明らかである。
<感度試験>
得られた着色感光性樹脂組成物実施例1〜実施例7の感度試験を以下のようにして行った。
即ち、ガラス基板上にアルカリ現像性感光性樹脂組成物をスピンコート(500rpm、2秒間、800rpm、6秒間)し、ホットプレートを用いて、90℃で90秒間プリベークを行った。21段階の異なる光学密度を有する標準化試験用ネガティブフィルムを、フィルムとレジストの間に約100μmの空隙を設けて配置し、光源として高圧水銀ランプを用いて150mJ/cm2露光した。露光後、露光フィルムをアルカリ溶液(0.5%水酸化カリウム水溶液)で28℃にて120秒間現像させる。使用した開始剤の感度を、現像後に残留する(すなわち重合された)階段の最大数を示すことによって特徴づける。階段の数が多いほど、試験した開始剤の感度が高い。結果を表4に示す。
Figure 2013234260

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2013234260
    [式中、R1は水素;非置換C1−C8アルキルまたは置換C1−C8アルキル基を表し、R2は水素、C3−C8シクロアルキルまたはC1−C8アルキルまたは場合により置換されたフェニルを表し、Arは、結合か、フェニレンまたはナフチレンを表す]で表されるオキシム系光重合開始剤。
  2. 少なくとも、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、前記(A)着色剤の含有量が着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%であり、前記(B)バインダー樹脂が分子内に、1種がアリル基を有する構造単位と、酸性基を有する構造単位とを有し、前記(C)重合性化合物の少なくとも1種がカルボキシル基含有多官能性単量体であり、前記(D)光重合開始剤の少なくとも1種が請求項1記載の光重合開始剤である着色感光性樹脂組成物。
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