JP2012241010A - 光重合開始剤及びその製造方法、この光重合開始剤を含む感光性組成物、及びこの感光性組成物から得られるカラーフィルタ - Google Patents

光重合開始剤及びその製造方法、この光重合開始剤を含む感光性組成物、及びこの感光性組成物から得られるカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】露光感度が極めて高く、顔料の劣化も少ないカラーフィルタを製造する。
【解決手段】光重合開始剤において、その構造を以下の式
Figure 2012241010

を基本として、Rの構造はフェニル、メチルフェニル、チエニル、フラン、ナフチル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシエトキシフェニル、4−((3,4−ジメチルフェノキシ)メチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランのいずれかを導入し、Rの構造はアルキル基末端にシクロアルカンが付いた構造であり、アルキル基は炭素数1〜4の整数、シクロアルカンは環員数3〜6の整数の組み合わせで導入し、Rの構造はメチルまたはフェニルを導入し、更に精製することでベーキング工程で光重合反応の残存物の分解も少なく、極めて露光感度も高い光重合開始剤が得られた。
【選択図】なし

Description

本発明は、光重合開始剤に関し、特に液晶表示装置におけるカラーフィルタのカラー画素の製造のために好適な光重合開始剤に関する。本発明はまた、上記光重合開始剤の製造方法、上記光重合開始剤を含有する感光性組成物、及びこの感光性組成物から得られるカラーフィルタに関する。
光重合開始剤と、この光重合開始剤の作用により重合する化合物を含む感光性組成物は、従来から、塗料、インク、接着剤、封止材、印刷版、フォトレジスト等のために広く使用されている。また、上記感光性組成物が好適に使用されている技術分野として、液晶テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の液晶表示装置における液晶パネルの製造が挙げられる。
本発明はカラーテレビ、液晶表示素子、固体撮像素子、カメラ等に使用される光学的カラーフィルタの製造で使用されるカラーフィルタ用光重合性組成物及び該組成物より得られるカラーフィルタに係り、製造に適したカラーフィルタ用光重合性組成物を有するカラーレジスト液に関する。
カラーフィルタは、通常、ガラス、プラスチックシート等の透明基板の表面に黒色のマトリックスを形成し、続いて、赤、緑、青等の3種以上の異なる色相を順次、ストライプ状あるいはモザイク状等の色パターンで形成したものである。また、重ね合わせの位置精度は数〜数十μmであり、寸法精度の高い微細加工技術により製造されている。
カラーフィルタの代表的な製造方法としては、染色法、印刷法、顔料分散法、電着法等がある。これらのうち、特に、色材料を含有する光重合性組成物を、透明基板上に塗布し、画像露光、現像、必要により熱硬化を繰り返すことでカラーフィルタ画像を形成する顔料分散法は、カラーフィルタ画素の位置、膜厚等の精度が高く、耐光性・耐熱性等の耐久性に優れ、ピンホール等の欠陥が少ないため、広く採用されている。
ところで、液晶表示装置、特に液晶テレビ用の液晶表示装置には、より高度な画質、すなわち、色再現性の向上、色純度の向上、輝度の向上、コントラストの向上等が求められている。そして、液晶表示装置に対する上述の要請は、そのまま着色剤を含む感光性組成物への要請となっている。
コントラスト向上のためには、感光性組成物における着色剤の粒子サイズを微細化するのが有効であり、色純度向上のためには、感光性組成物の固形分中に占める着色剤の含有率を高めるのが有効である。しかし、着色剤を微細化し、着色剤の含有率を高めて他の成分の含有率を減少させると、感光性組成物の露光感度の不足により多大な露光量が必要となり、現像工程におけるパターンの欠けや、パターンの寸法安定性の低下が生じやすくなる上に、現像工程において残渣が生じやすくなる。その結果、カラーフィルタの歩留まりが低下し、液晶表示装置の生産性が悪化する。
この問題を解決するために、感光性組成物の露光感度を向上させるべく、高感度のO−アシルオキシム系光重合開始剤が数多く提案されている。このうち、1−[4−(フェニルスルファニル)フェニル]−2−(O−アシルオキシム)−1,2−アルカンジオン構造を有する光重合開始剤は、ポストベーク後でも硬化樹脂層の黄変が少ないため、特にカラーフィルタのカラー画素の製造のために使用されている。例えば、特許文献1(特開2000−80068号公報)には、以下の式で表され、式中、Rがフェニル、アルキル等を表し、Rがアルカノイル、ベンゾイル等を意味し、R〜Rが水素、フェニルスルファニル等を表す、多数の光重合開始剤が開示されており、Rがn−ヘキシル、Rがベンゾイル、R、R、R、Rが水素、Rがフェニルスルファニルを表す化合物が、IRGACURE▲R▼OXE−01(BASFジャパン(株)製)の名で市販されている。
Figure 2012241010
また、特許文献2(特表2004−534797号公報)、特許文献3(特開2010−15025号公報)にも、1−[4−(フェニルスルファニル)フェニル]−2−(O−アシルオキシム)−1,2−アルカンジオン構造を有する光重合開始剤が開示されている。
特開2000−80068号公報 特表2004−534797号公報 特開2010−15025号公報 特開2006−3860170号公報
しかしなから、これらの先行特許文献における光重合開始剤を含む、感光性組成物をカラーフィルタのカラー画素の製造に使用する場合、赤のフィルタの製造には、顔料に対し黄変の影響が少ないため、フェニルスルファニル系の光重合開始剤ではなく、感度の高いカルバゾール系の光重合開始剤が使用されている。緑のフィルタの製造には、OXE−01で代表されるフェニルスルファニル系の光重合開始剤が使用されているが、黄変の問題は解消されていない。青のフィルタの製造には、オキシム系の光重合開始剤の吸収波長に、青の顔料の吸収が重なることで、感度の低下が起こるために、α−アミノアルキルフェノン系の光重合開始剤が用いられている。さらにカラーフィルタ製造工程における、フィルタの硬化のために行われるベーキング工程で、フィルタ内に残存する光重合開始剤の光反応分解物が、ベーキングの熱によって分解を起こし、顔料の劣化を引き起こしている。
そこで、本発明の課題は、黄変が少なく、ベーキング処理に対して光反応生成物の分解が少ない硬化樹脂層を与える、高純度のフェニルスルファニルオキシムエステル系構造を有する光重合開始剤を基礎として、ブラックマトリクスの製造やカラーフィルタ、特にグリーンのカラーフィルタの製造に対応できる光重合開始剤を提供することである。
採用する技術方案はオキシム・エステル系光重合開始剤、その構造式は
Figure 2012241010
の構造はフェニル、メチルフェニル、チェニル、フラン、チオフェン、ナフチル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシエトキシフェニル、4−((3,4−ジメチルフェノキシ)メチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−メチルー4−((3,4−ジメチルフェノキシ)メチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランのいずれかである。Rの構造はアルキル基末端にシクロアルカンが付いた構造であり、アルキル基は炭素数1〜5の整数、シクロアルカンは環員数3〜6の整数の組み合わせである。Rの構造はメチルまたはフェニルである。
式(1)で表される光重合開始剤は、黄変しないためにも、精製によって純度を上げる必要があり、望ましくは、95%以上、更に望ましくは、98%以上の純度が必要である。それは、光重合開始剤の光反応生成物がベーキング処理に対して分解が少なく好ましい。特に(1)のRがパラ置換のフェニル、Rがエチルシクロペンタン、Rがメチルであると露光感度、ベーキング処理での分解が無く好ましい。
本発明の光重合開始剤は、エチレン性不飽和結合を有し、且つ光重合可能な化合物及びバインダー樹脂との組み合わせにより、好適な感光性組成物を与える。したがって、本発明はまた、上述の式(1)で表される光重合開始剤、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有し且つ光重合可能な少なくとも1種の化合物、及び少なくとも1種のバインダー樹脂を含有する感光性組成物に関する。本発明の感光性組成物は、さらに少なくとも1種の着色剤を含むことができる。
カラーフィルタのブラックマトリクスやカラー画素の製造のための感光性組成物において、式(1)で表される光重合開始剤を使用すると、高い露光感度でブラックマトリクスの製造においては少ない光量で硬化するブラックレジストが得られる。また黄変の影響の少ないレッドのカラーフィルタの製造には高い露光感度が得られ、ベーキング処理による光反応生成物の分解が少なく、顔料に対しての影響が少ない。本発明はまた、液晶表示装置におけるカラーフィルタにおいて、本発明の感光性組成物を用いて形成した、カラー画素が設けられていることを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明の光重合開始剤は、従来の光重合開始剤に比べて極めて露光感度が高い。そのため、この光重合開始剤を含む感光性組成物は、含まれる顔料の種類に関わらず良好に硬化する。また、この光重合開始剤を含む感光性組成物を、カラーフィルタのカラー画素の製造のために使用すると、黄変が少ないため、顔料の劣化や発色への影響が少なく、良好な発色と輝度のカラー画素が製造できる。また極めて露光感度が高いため、使用量も削減でき、オキシム・エステル系光重合開始剤に起こる黄変の影響も更に抑えることができる。
本発明の実施例1の光重合開始剤のFT−IRスペクトルである。 本発明の実施例1の光重合開始剤の紫外可視分光光度スペクトルである。 本発明の比較例1の光重合開始剤の紫外可視分光光度スペクトルである。
本発明の光重合開始剤は、以下の式(1)で表される。
Figure 2012241010
の構造はフェニル、メチルフェニル、チエニル、フラン、チオフェン、ナフチル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシエトキシフェニル、4−((3,4−ジメチルフェノキシ)メチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−メチルー4−((3,4−ジメチルフェノキシ)メチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランのいずれかである。Rの構造はアルキル基末端にシクロアルカンが付いた構造であり、アルキル基は炭素数1〜5の整数、シクロアルカンは環員数3〜6の整数の組み合わせである。Rの構造はメチルまたはフェニルで表されることを特徴とする光重合開始剤。
(1)のRがフェニル、アルキルフェニル、Rがエチルルシクロペンタン、Rがメチルを表わし、純度が95%以上の請求項1に記載の光重合開始剤が望ましい。
式(1)で表される化合物は、公知の方法で得ることができる。
式(2)で表されるジフェニルスルフィドを、不活性有機溶剤の中で、三塩化アルミニウムのような、フリーデル・クラフツ触媒の存在下、式(3)で表されるハロゲン化アシルとアシル化反応をさせて中間体(4)を得る。
Figure 2012241010
更に式(5)で表されるハロゲン化アシルを加えてアシル化反応をさせて中間体(6)を得る。
Figure 2012241010
また中間体(6)を塩基存在下で式(7)のヒドロキシルアミンと反応させると、中間体(8)が得られる。
Figure 2012241010
中間体(8)を式(9)の無水カルボン酸と反応させると、オキシム・エステル系光重合開始剤(1)が得られる。
Figure 2012241010
得られる式(1)で表される光重合開始剤は、黄変しないためにも、精製によって純度を上げる必要があり、望ましくは、95%以上、更に望ましくは、98%以上の純度が必要である。それは、光重合開始剤の光反応生成物がベーキング処理に対して分解が少なく好ましい。特に(1)のRがフェニル、Rがエチルシクロペンタン、Rがメチルであると露光感度が良く、ベーキング処理での分解が無く好ましい。
本発明の式(1)で表される光重合開始剤は、紫外線、可視光線、遠紫外線、電子線、X線等のエネルギー線、好ましくは紫外線の照射により、エチレン性不飽和結合を有し、且つ光重合可能な少なくとも1種の化合物の重合を開始させる。
本発明はまた、式(1)で表される光重合開始剤と、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有し且つ光重合可能な少なくとも1種の化合物(以下、「重合性化合物」という)と、バインダー樹脂とを含有する感光性組成物に関する。本発明の感光性組成物には、必要に応じて、着色剤、溶剤の他、慣用の添加剤を含有させることができる。本発明の感光性組成物は、上述した液晶装置におけるカラーフィルタのブラックマトリックス、カラー画素、保護膜、スペーサー、突起の他、各種フォトレジスト、印刷版等の製造のために好適である。以下、各成分について説明する。
(a)光重合開始剤
本発明の感光性組成物は、光重合開始剤として、式(1)で表される化合物を含む。式(1)で表される化合物は、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良い。
本発明の感光性組成物には、光重合開始剤として式(1)で表される1種以上の化合物のみを含むのが好ましいが、本発明の効果を損なわない限り、式(1)で表される化合物を他の光重合開始剤及び/又は増感剤と組み合わせて使用することができる。
併用可能な他の光重合開始剤の例としては、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン;ベンゾイン、o−トルオイン等のアシロイン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のアシロインエーテル;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン等のハロゲン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド;ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等の過酸化物が挙げられる。さらにサンタイプ社製オキシムエステル化合物(デジタル製版用の特許に記載)の光重合開始剤も、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良く、式(1)で表される本発明の光重合開始剤に対して一般的には20質量%以下、好ましくは10質量%以下の量で使用される。
使用可能な増感剤の例としては、N−メチルジエタノールアミン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸i−アミル、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸が挙げられる。増感剤も、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良く、式(1)で表される本発明の光重合開始剤に対して一般的には20質量%以下、好ましくは10質量%以下の量で使用される。
本発明の感光性組成物において、光重合開始剤は、光重合始剤、重合性化合物及びバインダー樹脂の総量に対し5〜30質量%の範囲で含まれるのが好ましい。5質量%未満では、感光性組成物の露光感度が十分でなく、30質量%を超えると、感光性組成物の塗膜性が低下し、硬化樹脂層の耐摩耗性や耐薬品性が低下する。
(b)重合性化合物
本発明の感光性組成物において、重合性化合物は、従来の感光性組成物において使用されていた1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物を特に限定無く使用することができる。重合性化合物は、単量体であっても良く、2量体、3量体等のオリゴマーであっても良く、プレポリマーであっても良く、2種以上の異なるモノマーから構成されたオリゴマー又はプレポリマーであっても良い。使用可能な重合性化合物を以下に例示するが、(メタ)アクリル酸の語はアクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレート、(メタ)アクルリアミド等の(メタ)アクリル酸の誘導体の語は、アクリル酸又はメタクリル酸の誘導体を意味する。
使用可能な重合性化合物の例としては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸と脂肪族又は芳香族のモノアルコール又は多価アルコールとのエステル、不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸と脂肪族又は芳香族の多価アルコールとのエステル、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸ニトリル等が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、けい皮酸、リノレン酸、オレイン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カルドエポキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、エチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、エチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ヒドロキノンモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とフタル酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
使用可能な重合性化合物としてはまた、不飽和ジカルボン酸とジヒドロキシル化合物との重縮合反応により得られるポリエステル、例えば、イタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸とジヒドロキシル化合物との重縮合反応により得られるポリエステル;不飽和ジカルボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリアミド、例えば、イタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリアミド;エポキシ基含有(メタ)アクリレート、例えば、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレートにさらに多塩基酸無水物を反応させたものであってもよく、また、側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化アルキル基のような官能基を有するプレポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエピクロルヒドリンなどと(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反応により得られるプレポリマーなども使用することができる。
上述した重合性化合物は、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良い。本発明の感光性組成物において、重合性化合物は、光重合開始剤、重合性化合物及びバインダー樹脂の総量に対し20〜75質量%の範囲で含まれるのが好ましい。20質量%未満では感光性組成物の硬化が不十分であり、硬化樹脂層の耐摩耗性及び耐薬品性が低下する。75質量%を超えると、感光性組成物の塗膜性が低下する。
(c)バインダー樹脂
バインダー樹脂は、感光性組成物の未露光部が現像液に溶解する性質を付与するものであり、従来の感光性組成物において使用されており、現像液、好ましくはアルカリ性現像液に溶解し、後述する着色剤を使用する場合には着色剤を良好に分散させるものであれば、特に限定無く使用することができる。
バインダー樹脂としては、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、特に、1個以上のカルボキシル基を有し、且つエチレン性不飽和結合を有する少なくとも1種の単量体と、この単量体と共重合しうる1個以上のエチレン性不飽和結合を有する少なくとも1種の単量体(以下、他の不飽和単量体)との共重合体が好ましい。
1個以上のカルボキシル基を有し且つエチレン性不飽和結合を有する単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の2価以上のカルボン酸又はその無水物;こはく酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
他の不飽和単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル等の芳香族ビニル化合物;インデン、1−メチルインデン等のインデンの他、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル;2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルメトキシメチルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールメチルビニルエーテル、ポリイソプロピレングリコールメチルビニルエーテル等のビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。
上述のバインダー樹脂は、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良い。バインダー樹脂は、光重合始剤、重合性化合物及びバインダー樹脂の総量に対し20〜75質量%の範囲で含まれるのが好ましい。20質量%未満では塗膜性が低下し、着色剤を配合した場合には着色剤の分散性が低下する。また、75質量%を超えると、感光性組成物の露光感度が低下する場合がある。
(d)着色剤
液晶表示装置におけるカラーフィルタの、ブラックマトリックスやカラー画素のような着色物の製造のための感光性組成物には、着色剤が添加される。着色剤としては、従来の感光性組成物において使用されている顔料及び染料を、特に限定無く使用することができる。耐熱性の観点からは顔料を使用するのが好ましく、また、液晶表示装置におけるカラーフィルタのカラー画素の輝度を向上させると共に、均一な着色を得るためには顔料と染料とを併用するのが好ましい。
顔料は、青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等を、目的の色に対応させて単独で又は組み合わせて使用することができ、有機顔料の他に無機顔料も利用することができる。以下に具体例を示す。「C.I.」はカラーインデックスを意味する。
有機顔料の例としては、赤色顔料として、C.I.ピグメントレッド1、2、3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;青色顔料として、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79;緑色顔料として、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55;黄色顔料として、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;オレンジ顔料として、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79;紫色顔料として、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。
無機顔料の例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバーを挙げることができる。
また、黒色の着色剤としては、単独で黒色を示す黒色着色剤、或いは赤、緑、青色等の混合による黒色着色剤の使用が可能である。これら黒色着色剤は、無機または有機の顔料、染料の中から選択することができる。単独で黒色を示す黒色着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等が挙げられる。混合による黒色着色剤に使用可能な顔料としては、C.I.ピグメントイエロー20、24、86、93、109、110、117、125、137、138、147、148、153、154、166;C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61;C.I.ピグメントレッド9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240;C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50;C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:4、22、60、64;C.I.ピグメントグリーン7;C.I.ピグメントブラウン23,25,26等を挙げることができる。
これらの顔料の粒径は、平均粒径で0.005〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.3μmである。また、これらの顔料は、感光性組成物中における顔料の分散性を改善するために、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等の樹脂により表面改質して使用することもできる。
使用可能な染料の例としては、黄色染料として、C.I.ダイレクトイエロー1、11、12、28、C.I.アシッドイエロー1、3、11、23、38、40、42、76、98、C.I.ベイシックイエロー1、C.I.ディスパースイエロー3、4、7、31、61、C.I.ソルベントイエロー2、14、15、16、21、33、56;オレンジ染料として、C.I.アシッドオレンジ1、7、8、10、20、24、28、33、56、74、C.I.ダイレクトオレンジ1、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ソルベントオレンジ1、2、5、6、45、C.I.ダイレクトレッド20、37、39、44;赤色染料として、C.I.アシッドレッド6、8、9、13、14、18、26、27、51、52、87、88、89、92、94、97、111、114、115、134、145、154、180、183、184、186、198、C.I.ベイシックレッド12、13、C.I.ディスパースレッド5、7、13、17、58、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、100;紫色染料として、C.I.ダイレクトバイオレット22、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.ベイシックバイオレット2、7、10、C.I.ディスパースバイオレット24;青色染料として、C.I.ダイレクトブルー25、86、90、108、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、103、104、158、161、C.I.ベイシックブルー1、3、9、25;緑色染料として、C.I.アシッドグリーン3、9、16、C.I.ベイシックグリーン1、4;茶色染料として、C.I.ダイレクトブラウン6、58、95、101、173、C.I.アシッドブラウン14;黒色染料として、C.I.アシッドブラック51、52、C.I.ベイシックブラック2、C.I.ソルベントブラック123を挙げることができる。
顔料または染料は、光重合開始剤、重合性化合物及びバインダー樹脂の総量に対して、10〜150質量%の範囲で添加される。10質量%未満では着色性が十分でなく、150質量%を超えると、感光性組成物の露光感度が低下し、硬化樹脂層の耐磨耗性や耐薬品性が低下することがある。
(e)溶剤
本発明の感光性組成物には、感光性組成物に含まれる各成分を均一に混合し、塗膜性を向上させるために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、各成分に不活性であり、各成分を良好に溶解或いは分散させるものであれば、特に限定なく使用することができる。
使用可能な溶剤の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルシソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンが挙げられる。
これらの溶剤は、光重合開始剤、重合性化合物及びバインダー樹脂の総量に対して、1000質量%以下、好ましくは500質量%以下の範囲で含有することができる。溶剤も、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良い。
(f)他の添加剤
本発明の感光性組成物には、目的に応じて、上記成分に加えて、界面活性剤、接着助剤、熱重合阻害剤、可塑剤、消泡剤、貯蔵安定剤、充填剤等の慣用の添加剤を含有させることができる。
感光性組成物の基体への塗布性を向上するために、或いは着色剤の分散性を改良するために添加される界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸変性ポリエステル;3級アミン変性ポリウレタン;ポリエチレンイミン等が挙げられる。
感光性組成物の基体への接着性を向上させるために添加される接着助剤の例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
感光性組成物の早期重合を抑制するための熱重合阻害剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール等が、可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が、消泡剤としてはシリコーン系、フッ素系の各種消泡剤が挙げられる。
感光性組成物の貯蔵安定化剤としては、銅ナフテナート、銅ステアレート、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、テトラメチルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、N−ジエチルヒドロキシルアミン等が、充填剤としては、酸化チタン、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ等が挙げられる。
さらに、現像液溶解助剤としてのマロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、フタル酸等の有機酸及び2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール等のアミノ化合物の他、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の熱ラジカル発生剤、メルカプタン、ベンゾチアゾールのような連鎖移動剤を含有させることもできる。
本発明の感光性組成物の調製は、式(1)で表される光重合開始剤、重合性化合物、バインダー樹脂の他、必要に応じて使用される着色剤、溶剤、その他の添加剤を、3本ロールミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等により均一に混合することにより行われる。
本発明の感光性組成物を、所望の基体上に塗布した後、露光・現像処理を施すことにより、種々の部材を製造することができる。以下に、液晶表示素子におけるカラーフィルタのブラックマトリックス及びカラー画素の製造工程について例示するが、本発明の感光性組成物の用途はこれに限定されない。
まず、予め洗浄したガラス基体等の透明基体の表面に、本発明の式(1)で表される光重合開始剤、重合性化合物、バインダー樹脂及び黒色着色剤を含む感光性組成物を、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター、スピンナー、カーテンフローコーター等を用いて1〜複数回塗布したのち、室温に放置するか、或いは温風ヒーター、赤外線ヒーター等により加熱(プリベーク)して乾燥し、基体上に膜厚が0.1〜10μm程度の感光性フィルムを形成する。次いで、この塗膜に通常は赤色、緑色及び青色のサブ画素を形成する部分を、区画するように構成した格子パターンのフォトマスクを介して、紫外線、可視光線、電子線等のエネルギー線、好ましくは紫外線を照射して、格子パターンを露光した後、現像液、好ましくはアルカリ性現像液を用いて現像し、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、硬化樹脂層からなる露光部を、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により加熱(ポストベーク)し、硬化樹脂層をさらに熱硬化させることにより、格子構造のブラックマトリックスを形成する。
続いて、ブラックマトリックス上に、赤色着色剤を含む感光性組成物を塗布し、ブラックマトリックスの製造工程と同様の工程で、赤色サブ画素が所定配列で配置された画素フィルタを形成し、さらに、緑色着色剤を含む感光性組成物、青色着色剤を含む感光性組成物を用いて、やはり同様の工程で緑色サブ画素、及び青色サブ画素を同一基体上に順次形成する。
未露光部を溶解除去するための現像液としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩;ベンジルアミン、ブチルアミン等の第1級アミン;ジメチルアミン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミン等の第2級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミン;モルホリン、ピペラジン、ピリジン等の環状アミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン;テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド;トリメチルスルホニウムヒドロキシド、ジエチルメチルスルホニウムヒドロキシド、ジメチルベンジルスルホニウムヒドロキシド等のスルホニウムヒドロキシド、その他コリン等の水溶性アルカリ化合物の水溶液を好適に使用することができる。これらのメタノール等の有機溶剤或いは界面活性剤が含まれていても良い。
本発明の光重合開始剤は、露光感度が非常に高く黄変も少ないため、カラーフィルタのカラー画素の製造のために特に好適に使用することができ、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Plane Switching)方式等、あらゆる液晶駆動方式の液晶表示装置に好適である。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
−実施例1−
式(2)で表されるジフェニルスルフィドを、不活性有機溶剤の中で、三塩化アルミニウムのようなフリーデル・クラフツ触媒の存在下、式(10)で表されるベリゾイルクロライドとアシル化反応をさせて中間体(11)を得る。
Figure 2012241010
更に式(11)で表される中間体へ、式(12)のシクロペンチル塩化プロピオニルを加えて、アシル化反応をさせて中間体(13)を得る。
Figure 2012241010
中間体(13)をテトラヒドロフラン、塩基存在下で式(7)の亜硝酸イソアミルを添加し、常温で攪拌して中間体(14)を得る。
Figure 2012241010
中間体(14)を塩酸存在下で式(15)の無水カルボン酸と反応させると、オキシム・エステル系光重合開始剤(A)が得られる。
Figure 2012241010
図1は、得られたオキシム・エステル系光重合開始剤(A)のFT−IRスペクトルである。
−比較例1−
1.2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン(株)のIRGACURE▲R▼ OXE−01)を購入して使用した。
感光性樹脂膜皮膜:
シクロヘキサノン溶媒1.5gにアルカリ可溶性ポリマー(例えば昭和電工(株)製リポキシSPC−1000)2.7g、アクリルオリゴマー(例えば東亞合成(株)アロニックスM−402)0.47g、実施例1、比較例1の光重合開始剤を、それぞれ0.26gを投入して十分に攪拌して均一にし、緑色感光液を4種類調整した。ついでミカサ(株)のスピンコーター1H−DXII型を用いて、回転数1500rpmで、100×100mmのガラス板にそれぞれ塗布し、80℃のオーブンで10分乾燥させる事で、乾燥膜厚2.2g/mの感光性樹脂膜皮膜4枚を形成した。
上記感光性樹脂膜皮膜2種類に、富士ステップガイドP(富士フイルム(株)製、15段のステップから成り、濃度域が2.15で各ステップの濃度差は0.15のステップタブレット)と解像力を測定できる画像チャートを、感光性緑色樹脂膜皮膜上に置いて、大日本スクリーン製造(株)製の真空焼付機P−704−D(メタルハライドランプ800w、光源距離70cm)で80mj/cmの紫外線を照射した。1%KOH水溶液を30℃に加熱し、水溶液中へ感光性緑色樹脂膜皮膜を20秒浸漬して現像し、水洗してパターンを形成した。結果は以下の表1の通りである。
Figure 2012241010
上記[0072]にて露光したサンプルを、現像する前に露光した箇所の紫外可視分光スペクトルを透過で測定した。そして[0072]の実験後のサンプルを、ホットプレート(アズワン(株)製TH−900)にて150℃で30分加熱した。冷却後に画像部分の紫外可視分光スペクトルを透過で測定した。
Figure 2012241010
Figure 2012241010
実施例1,比較例1の光重合開始剤を、示差熱天秤((株)リガク製TG 8120)を用いて融点の測定を行なった。室温から加熱後に最初に現れる吸熱のピークを融点とした。実施例1は高純度のanti体であるため、ピークは非常にシャープとなった。比較例1は純度が低いためにピークがブロードとなった。
Figure 2012241010
本発明の光重合開始剤は、液晶表示装置におけるカラー画素、ブラックマトリックス、保護膜、スペーサー、及び突起の他、各種フォトレジスト、印刷版、塗料、インク、接着剤、封止材等のために広く使用可能である。また、本発明の光重合開始剤を含む感光性組成物により、良好な発色と輝度のカラー画素が製造できる。

Claims (8)

  1. 以下の式(1)
    Figure 2012241010
    の構造はフェニル、メチルフェニル、チエニル、フラン、チオフェン、ナフチル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシエトキシフェニル、4−((3,4−ジメチルフェノキシ)メチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−4−((3,4−ジメチルフェノキシ)メチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランのいずれかである。Rの構造はアルキル基末端にシクロアルカンが付いた構造であり、アルキル基は炭素数1〜5の整数、シクロアルカンは環員数3〜6の整数の組み合わせである。Rの構造はメチルまたはフェニルで表されることを特徴とする光重合開始剤。
  2. (1)のRがフェニル、2−メチルフェニル、又は4−メチルフェニル、Rがエチルシクロペンタン、Rがメチルである請求項1に記載の光重合開始剤。
  3. (1)のRが、2−メチル−4−((3,4−ジメチルフェノキシ)メチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、Rがエチルルシクロペンタン、Rがメチルである請求項1に記載の光重合開始剤。
  4. (1)のRが4−アルキルフェニル、Rがエチルシクロペンタン、又はメチルシクロヘキサン、Rがメチルを表わし、特に、Rは、パラ置換のフェニルで、純度がが95%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光重合開始剤。
  5. 請求項1〜4のなくとも一種以上の光重合開始剤と共に、エチレン性不飽和化合物、並びにバインダー樹脂を主成分として含有する事を特徴とする感光性組成物。
  6. 少なくとも1種の着色剤をさらに含む、請求項5に記載の感光性組成物。
  7. オーバーコートとして使用出来る請求項6に記載の感光性組成物。
  8. 液晶表示装置におけるカラーフィルタであって、請求項6〜7に記載の感光性組成物を用いて形成したカラー画素が設けられていることを特徴とするカラーフィルタ。
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