本発明の着色感光性組成物は、(A)染料、(B)光重合開始剤と、(C)分子内にエチレン性不飽和二重結合を少なくとも二つ有する重合性化合物、及び(D)平均一次粒子径が100nm以下の有機顔料以外の耐熱性粒子を含み、着色感光性組成物の全固形分中の前記(A)染料の含有量が2質量%以上20質量%以下であり、且つ、着色組成物の全固形分中の前記(D)耐熱性粒子の含有量が1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。
なお、本明細書中において、「〜」は、その下限の値以上その上限の値以下の範囲を表す。また、本明細書における基の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。
また、本明細書においては、「着色感光性組成物の全固形分」とは、着色感光性組成物を構成する全成分から、有機溶剤を除いた残りの成分の合計のことをいう。
以下に、本発明の着色感光性組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。
〔(D)耐熱性粒子〕
先ず、(D)耐熱性粒子について説明する。
本発明の着色感光性組成物は、有機顔料以外の耐熱性粒子を含む。
本発明における耐熱性粒子は、有機顔料以外の粒子であり、180℃で熱変形しない粒子であればよく、有機樹脂粒子、無機顔料粒子、無機粒子を有機化合物で被覆したような複合粒子等の粒子が使用可能である。
180℃で熱変形しないとは、着色感光性組成物に用いるアクリル系樹脂に分散した粒子をガラス基板上に塗布し、オーブン(恒温槽)等を用いて、温度:180℃、時間:60分で加熱し、加熱前後の粒子の形状を透過型電子顕微鏡(TEM)でみたときに変形が認められないことをいう。
前記有機樹脂粒子としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などの粒子が挙げられる。
本発明における耐熱性粒子として好適な市販品の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物であるエポスターR−S(日本触媒(株)社製)、ポリメタクリル酸メチル系架橋物であるエポスターMX 20w、同30w、同50w(以上、日本触媒(株)社製)、架橋スチレン−アクリルであるSX866A、SX866B(以上、JSR(株)社製)などを挙げることができる。
前記無機顔料粒子としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどの粒子が挙げられる。
また、複合粒子としては、ゾルゲル硬化によるシリカ粒子形成をコンセプトとした有機無機ハイブリッド樹脂、コンポラセンシリーズ(荒川化学(株)社製)等も用いることができる。
これらの耐熱性粒子を着色感光性組成物に含むことによって、着色感光性組成物を用いて得られた層は誘電率を低く抑えることができ、現像で得られたパターンは熱によるリフローが抑制され、微細なコンタクトホールが形成可能となる。
本発明においては、シリカ微粒子は、それ自身の誘電率が3.8であり、特に着色感光性組成物層(以下、適宜「着色層」と称する。)の誘電率を低くするのに効果的である。得られた着色層の誘電率を低くすることができるという観点、および熱リフローを抑制できるという観点から、耐熱性粒子としては、前記した各種粒子のうちでも、シリカ微粒子がより好ましい。
さらに、シリカ微粒子のうちでも、中空シリカ微粒子は、内部に空気、窒素などの気体が存在し、この気体が低誘電率であることから、中空シリカ微粒子が特に好ましい。
本発明の耐熱性粒子は、平均一次粒子径が100nm以下であり、10nm以上50nm以下であることがより好ましい。耐熱性粒子の平均一次粒子径がこの範囲であると、可視域の光散乱による輝度低下やコントラスト低下が低減され、また、耐熱性粒子の分散性が良好である。また、このような粒子は凝集や粘度上昇を起こしにくく、取り扱い性にも優れる。
なお、平均一次粒子径は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定する。
また、耐熱性粒子は、球状であってもよいし、円盤状、平板状、立方体状、又は、不定形であってもよい。特に、真球状であることが好ましい。真球状であることでヘイズ、凝集、粘度上昇の発生しないクリアな塗膜を得ることができる。
−シリカ微粒子−
さらに、本発明における耐熱性粒子の好ましい態様であるシリカ微粒子について説明する。
シリカ微粒子としては、シリカの種類、製法に関しては公知のものを用いることが可能であるが、気相法シリカ、もしくは含水シリカ微粒子、コロイダルシリカ、オルガノシリカゾルなどを用いることができる。中でも有機溶剤への分散性が良好であるオルガノシリカゾルを好適に用いることができる。
シリカ微粒子は可視光領域において透明であることが好ましい。特に400nmから500nmにおいて高い透過率を有することが好ましい。また、可視域に蛍光を発しないことが好ましい。可視領域に蛍光を発すると、偏光が解消され、著しいコントラストの低下などを引き起こす場合がある。
本発明の着色感光性組成物にシリカ微粒子を配合する際には、予め有機溶剤に分散されているものを用いることが好適である。シリカ微粒子のような無機粒子を有機溶剤中に均一に分散する手段としては、シリカ微粒子の表面を有機ポリマー等で表面修飾する方法が一般的であり、また、市販のシリカ微粒子でも入手可能である。
分散媒として使用される有機溶剤は、沸点が110℃以上200℃以下であることが好ましい。沸点が上記範囲の有機溶剤を用いることで、塗布する際のノズルの詰まりや、感光ムラなどの面状故障が抑制され、且つ、後述する乾燥工程、たとえば真空乾燥装置(VCD)による乾燥やプリベーク工程などでは溶剤が容易に除去される。
このような有機溶剤に分散されたシリカ微粒子として、オルガノシリカゾルを挙げることができる。より具体的には、メタノールシリカゾルなどが挙げられる。また、有機溶剤に分散されたシリカ微粒子は市販品としても入手可能であり、例えば、シーフォスターR KE−W10、同KE−W30、同KE−W50、同KE−P10、同KE−P30、同KE−P50、同KE−P100、同KE−S30、同KE−S50、同KE−S100(以上、日本触媒(株)社製)、オルガノシリカゾル PGM−ST、同PMA−ST、同IPA−ST、同IPA−ST−UP、同IPA−ST−ZL、同EG-ST、同NPC−ST−30、同DMAC−ST、同MEK−ST、同MIBK−ST、同XBA−ST、同MIBK−SD(以上、日産化学(株)社製)などを挙げることができる。これら市販品のなかでも、PMA−ST、PGM−STは、顔料を併用する場合に顔料の凝集を引き起こすことなく、分散に用いられる有機溶剤の沸点も適度であり、溶剤の乾燥による塗布等におけるノズルのつまりや、乾燥不良によるブリスターの発生などの心配がないことからより好ましい。
−中空シリカ微粒子−
中空シリカ微粒子とは、シリカ微粒子内部に空間(空洞)を有し、該空間が殻で閉塞しているシリカ微粒子をいう。したがって、所謂、多孔質顔料の如く、粒子表面に孔が開いた洞穴状の空間を有する粒子は、本発明における中空シリカ微粒子に包含されない。また、1次粒子の集合体である凝集粒子であって、1次粒子群が殻の役割をして内部に空間が形成されているような凝集粒子も、本発明における中空シリカ微粒子には包含されない。
中空シリカ微粒子の形状は、特に限定されず、必ずしも球形である必要はなく、球状であってもよいし、円盤状、平板状、立方体状、又は、不定形であってもよい。
なお、中空シリカ微粒子の平均一次粒子径とは、中空シリカ微粒子の一次粒子の最大径をいい、電子顕微鏡(TEM)の写真観察により観察された100個の中空シリカ微粒子の最大径の平均値をいう。
また、中空シリカ微粒子の殻の厚み(殻厚)は、5nm〜15nmであることが好ましい。中空シリカ微粒子の殻厚も、電子顕微鏡(TEM)の写真観察により測定することができる。
また、中空シリカ微粒子は、ナノサイズの空間であると絶縁破壊が起こり難いので平均一次粒子は小さい方が好ましいと考えられる。
また、中空シリカ微粒子の市販品としては、平均一次粒径10〜100nm、屈折率1.16〜1.39の中空シリカ微粒子を含む分散ゾル(例えば、触媒化成工業(株)製、スルーリア、およびレキューム、日鉄鉱業(株)シリナックス(登録商標))などがあり、本発明における耐熱性粒子として好適に使用できる。
本発明の着色感光性組成物は、上記の耐熱性粒子を平均一次粒子径が異なり、種類が異なる2種以上の粒子を含んでもよく、平均一次粒子径の異なる2種以上の粒子、あるいは種類の異なる2種以上の粒子を含んでいてもよい。
着色感光性組成物に含まれる、全耐熱性粒子(有機顔料は除く)の含有量は、着色感光性組成物の全固形分に対して、1質量%以上10質量%以下であり、1質量%以上5質量%以下であることが、透明性や着色感光性組成物の経時安定性の観点で好ましい。
〔(A)染料〕
本発明の着色感光性組成物は、染料を含む。着色感光性組成物に含まれる着色剤の全固形分中の(A)染料の含有量は着色感光性組成物の全固形分中2質量%以上20質量%以下であるが、2質量%以上15質量%以下であることがパターン形成性や着色感光性組成物の経時安定性の観点で好ましい。
染料としては、特に制限はなく、化学構造としては、ピロメテン系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、べンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
これらの具体例としては、例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
(一般式(I)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物)
これらの染料のうち、本発明の着色感光性組成物に好適な染料としては、下記一般式(I)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物(以下、適宜「ジピロメテン系金錯体化合物」、「ピロメテン系染料」と称する。)であることが好ましい。
一般式(I)中、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表し、R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。ただし、2分子で、R1とR6とが互いに結合して環を形成することはない。
1価の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、また、シクロアルキルオキシ基であれば、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、また、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基であれば、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、
カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基)を表す。
上述した1価の基が更に置換可能な基である場合には、上述した各基のいずれかによって更に置換されていてもよい。なお、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)において、R1とR2、R2とR3、R4とR5、及びR5とR6は、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。なお、形成される環としては、飽和環、又は不飽和環がある。この5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(I)において、R7がハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基である場合、これらの好ましい範囲は、前述のR1〜R6としてのハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基の好ましい範囲と同様である。
一般式(I)において、前記R1及びR6としては、上記の中でも、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基がより好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が更に好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R2及びR5としては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R3及びR4としては、上記の中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。
一般式(I)において、R3及びR4がアルキル基を表す場合の、該アルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、ベンジル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜12の分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、更に好ましくは、炭素数1〜12の2級又は3級の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
一般式(I)において、R3及びR4がアリール基を表す場合の、該アリール基としては、好ましくは、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のナフチル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換のフェニル基である。
R3及びR4がヘテロ環基を表す場合の、該ヘテロ環基としては、好ましくは、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の3−ピリジル基、置換又は無置換の2−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の2−ベンゾチアゾリル基、置換又は無置換の1−イミダゾリル基、置換又は無置換の1−ピラゾリル基、置換又は無置換のベンゾトリアゾール−1−イル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の1−ピリジル基が挙げられる。
次に、ジピロメテン系金属錯体化合物を形成する金属原子又は金属化合物について説明する。
金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、B等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl2、SnCl2、SiCl2、GeCl2などの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)2等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、B、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、B、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、B、又はVO(V=O)が最も好ましい。これらの中でも、特にZnが好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物において、好ましい態様を以下に示す。すなわち、一般式(I)において、R1及びR6が、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R2及びR5が、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R3及びR4が、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R7が、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、B、又はVOで表される態様が挙げられる。
ジピロメテン系金属錯体化合物のより好ましい態様を以下に示す。すなわち、前記一般式(I)において、R1及びR6が、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R2及びR5が、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R3及びR4が、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R7が、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、B又はVOで表される態様が挙げられる。
前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の好ましい態様は、下記一般式(I−3)で表される錯体化合物である。
前記一般式(I−3)において、R2、R3、R4、及びR5は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、R7は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R8及びR9は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。X3及びX4は、各々独立にNRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Y1及びY2は、各々独立に、NRb(Rbは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、硫黄原子、又は炭素原子を表す。X5は、Maと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。R8とY1とは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、R9とY2とは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
一般式(I−3)中のR2〜R5、及びR7は、一般式(I)中のR2〜R5、及びR7と同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−3)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(I−3)中、R8及びR9は、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは1〜18のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルキルアミノ基で、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、t−ブチルアミノ基、t−オクチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基)、アリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリールアミノ基で、例えば、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−エチル−N−フェニルアミノ基)、又はヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環アミノ基で、例えば、2−アミノピロール基、3−アミノピラゾール基、2−アミノピリジン基、3−アミノピリジン基)を表す。
一般式(I−3)中、R8及びR9表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−3)中、X3及びX4は、各々独立に、NRa、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Raは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは2〜18のアシル基で、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−エチルヘキシル基、ベンゾイル基、シクロヘキサノイル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基)を表す。また、Raが置換可能な場合はさらに置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
X3及びX4として好ましくは、各々独立に、酸素原子、又は硫黄原子であり、X3及びX4として特に好ましくは、ともに酸素原子である。
一般式(I−3)中、Y1及びY2は、各々独立にNRb、硫黄原子、又は炭素原子を表し、Rbは、前記X3におけるRaと同義である。
Y1及びY2として好ましくは、各々独立に、NRb(Rbは水素原子、又は炭素数1〜8のアルキル基)であり、Y1及びY2として特に好ましくは、ともにNHである。
一般式(I−3)中、R8とY1とが互いに結合して、R8、Y1、及び炭素原子と共に5員環(例えば、シクロペンタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン)、6員環(例えば、シクロヘキサン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ペンタメチレンスルフィド、ジチアン、ベンゼン、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、キノリン、キナゾリン)、又は7員環(例えば、シクロヘプタン、ヘキサメチレンイミン)を形成してもよい。
一般式(I−3)中、R9とY2とが互いに結合して、R9、Y2、及び炭素原子と共に5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、前記のR8とY1及び炭素原子で形成される環中の1個の結合が二重結合に変化した環が挙げられる。
一般式(I−3)中、R8とY1、及びR9とY2が結合して形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な環である場合には、前記置換基Rのいずれかで説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−3)中、X5はMaと結合可能な基を表し、前記一般式(I−1)におけるX2と同様な基が挙げられる。aは0、1、又は2を表す。
一般式(I−3)で表される化合物の好ましい態様を以下に示す。即ち、R2〜R5、R7、及びMaは、それぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、X3及びX4は、各々独立にNRa(Raは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基)、又は酸素原子であり、Y1及びY2は、各々独立にNRb(Rbは水素原子、又はアルキル基)、窒素原子、又は炭素原子であり、X5は酸素原子、又は窒素原子を介して結合する基であり、R8及びR9は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、R8とY1とが互いに結合して5員又は6員環を形成し、R9とY2とが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
一般式(I−3)で表される化合物のより好ましい態様を以下に示す。即ち、R2〜R5、R7、Maはそれぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、X3及びX4は、酸素原子であり、Y1はNHであり、Y2は窒素原子であり、X5は酸素原子、又は窒素原子を介して結合する基であり、R8及びR9は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、R8とY1とが互いに結合して5員又は6員環を形成し、R9とY2とが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の好ましい態様である、前記一般式(I−3)で表される錯体化合物が、特に好ましい様態である。
以下、本発明に用いる前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の具体例を示す。但し、本発明は、これらに限定されるものではない。
これら一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の例示化合物のうち、例示化合物(1)〜(39)は一般式(I−3)の例示化合物でもある。
また、上記例示化合物以外にも、特開2008−292970記載の例示化合物(Ia−3)〜(Ia−83)、(Ia−1)〜(IIa−20)、(I−1)〜(I−36)(II−1)〜(II−11)、及び(III−1)〜(III−103)、特許第3324279号記載の例示化合物(I−1)〜(I−35)、特許第3279035号記載の例示化合物(I−1)〜(I−13)、特開平11−256057記載の例示化合物(2−1)〜(2−32)、(3−1)〜(3−32)、(4−1)〜(4−26)、及び(5−1)〜(5−26)、特開2005−77953記載の例示化合物(I−1)〜(I−6)、及び(VII−1)〜(VII−8)、特開平11−352686記載の例示化合物(1−1)〜(1−45)、特開2000−19729記載の例示化合物(1−1)〜(1−50)、及び特開平11−352685記載の例示化合物(1−1)〜(1−45)なども一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の例として挙げられる。
(顔料)
本発明の着色感光性組成物は、着色剤として顔料を含んでもよい。
本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.Pigment YELLOW 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等、
C.I.Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73等、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279
C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、80
C.I.Pigment Black 1
特に、本発明の着色感光性組成物が、染料として前記一般式(I)で表される構造を金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物=ジピロメテン系金属錯体化合物を含む場合には、青色の着色パターンを形成するために、青色顔料を含有することが好ましく、この場合には顔料としてはフタロシアニン系ブルー顔料を含むことが好ましい。
好適なフタロシアニン系ブルー顔料としては、C.I.Pigment Blue 15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、17:1、同75、及び、同79などを挙げることができる。なかでも、C.I.Pigment Blue 15:6は、耐熱性、耐光性、コントラストの面で優れており、より好適に用いることができる。
本発明の着色感光性組成物に用いる顔料の含有量としては、前記染料と顔料の合計含有量に対して、20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。この範囲とすることによって、本発明の効果は損なわれることがなく、低誘電率で、コンタクトホールの形成性が良好な着色感光性組成物を得ることができる。
また、本発明の着色感光性組成物には、色度調整のための顔料として、前記フタロシアニン系ブルー顔料に加えて、バイオレット顔料を含むことも可能である。バイオレット顔料を含むことで、高いNTSC比を達成できる深い青色を提供することができる。
バイオレット顔料としてはC.I.Pigment Violet 19、同23、及び、同32などを用いることができる。なかでも、C.I.Pigment Violet 23は輝度、耐光性、耐熱性、高コントラストが得られることからより好ましい。
(A)染料と顔料との着色剤の合計含有量としては、着色感光性組成物の全固形分に対して、5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。この範囲とすることによって、所望の色度、輝度、膜厚を得ることが容易となり、画素やコンタクトホールの形状も良好となる。
(被覆顔料)
本発明で使用する顔料は有機顔料であり、且つ、該有機顔料の微細化工程或いは分散工程では、有機顔料を高分子化合物で被覆したものを用いることが好ましい。
顔料を高分子化合物で被覆することによって、微細化された顔料においても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる。すなわち、被覆顔料は、分散性が向上し、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性にも優れる。
被覆顔料に用いる高分子化合物や、顔料の被覆方法に関しては特開2009−1441269号公報の段落番号〔0025〕から〔0078〕に記載されている処理方法、及び高分子化合物を用いることがより好ましい。
本発明において、顔料は、分散剤の少なくとも1種を使用して顔料を分散し、顔料分散組成物として使用することが好ましい。上述のような被覆顔料を用いる場合でも同様である。この分散剤の使用により、顔料の分散性を向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
分散剤として、具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(以上、共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(以上、日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(以上、旭電化(株)製)及びイオネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101、103、106、108、109、111、112、116、130、140、142、162、163、164、166、167、170、171、174、176、180、182、2000、2001、2050、2150(以上、BYK−CHEMIE社製)が挙げられる。
その他、アクリル系共重合体など、分子末端若しくは側鎖に極性基を有するオリゴマー若しくはポリマーが挙げられる。
分散剤の含有量としては、顔料の質量に対して、1質量%〜100質量%が好ましく、3質量%〜70質量%がより好ましい。
また、顔料を着色感光性組成物に添加する際には、予め、顔料及び分散剤を含有する顔料分散組成物を調製し、これを配合することが顔料分散性の観点で好ましいが、この顔料分散組成物には、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。
分散剤と親和性のある部分、或いは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子のまま顔料分散組成物中に分散させることができる。このような顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物は、顔料の再凝集を防止することができるため、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを形成する際に有効である。
顔料誘導体は、具体的には、有機顔料を母体骨格とし、この母体骨格に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。
母体骨格となる有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。また、一般に、色素と呼ばれていない、ナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も母体骨格として用いることができる。
顔料誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
顔料誘導体の顔料分散組成物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に、分散後の分散安定性を向上させることができる。その結果、このような顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物は、透過率が高く、優れた色特性が得られ、良好な色特性を有する高コントラストのカラーフィルタを作製するのに好適である。
顔料の分散の方法は、例えば、顔料と分散剤とを予め混合して、ホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機等を用いて微分散させることによって行われる。
〔(B)光重合開始剤〕
本発明における着色感光性組成物は、(B)光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤は、光により分解し、後述の(C)分子内にエチレン性不飽和二重結合を少なくとも二つ有する重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、紫外線の波長に感度を有するものが好ましい。
光重合開始剤としては、紫外線の露光波長に吸収を有するものであることが好ましく、紫外線の波長に吸収のない場合でも、後述する増感色素と併用することによって紫外線の波長に感度を有するようにすることが可能である。また、光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明で用いられる光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報に記載の化合物等が挙げられる。具体例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02などが好適である。
光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
更に好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる重合開始剤であるオキシム系化合物の詳細について説明する。
本発明において重合開始剤として好適なオキシム系化合物として、下記の一般式(5)又は(6)で表されるオキシムエステル化合物が挙げられる。
上記一般式(5)中、R8及びPは各々独立に一価の置換基を表し、Q1及びQ2は各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。Pが複数存在する場合、複数のPは、各々独立に一価の置換基を表す。
前記R8で表される一価の置換基としては、以下に示す一価の非金属原子団であることが好ましい。
R8で表される一価の非金属原子団としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、パーフルオロアルキルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基としては、例えば、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、トリフルオロメチルチオカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基としては、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、4−メトキシフェニルチオカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基としては、ジメチルアミノカルボニル基、ジメエルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基としては、ジメチルアミノチオカルボニル基、ジプロピルアミノチオカルボニル基、ジブチルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
中でも、高感度化の点から、R8としてはアシル基がより好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
前記Q2で表される二価の有機基としては、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン、置換基を有してもよいシクロヘキシレン、置換基を有してもよいアルキニレンが挙げられる。
これらの基に導入しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
中でも、Q2としては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
前記Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。
具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。中でも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
上記フェニル基が置換基を有している場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基、フェニルチオキシ基、p−トリルチオキシ基等のアリールチオオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
一般式(5)においては、前記Arと隣接するSとで形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。
前記Pで表される一価の置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいハロゲン化アルキル基、N上に置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、ハロゲン基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、シアノメチルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルチオキシ基としては、炭素数1〜30のチオアルコキシ基が好ましく、例えば、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、プロピルチオキシ基、イソプロピルチオキシ基、ブチルチオキシ基、イソブチルチオキシ基、sec−ブチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基、ペンチルチオキシ基、イソペンチルチオキシ基、ヘキシルチオキシ基、ヘプチルチオキシ基、オクチルチオキシ基、2−エチルヘキシルチオキシ基、デシルチオキシ基、ドデシルチオキシ基、オクタデシルチオキシ基、ベンジルチオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールチオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールチオキシ基が好ましく、例えば、フェニルチオキシ基、1−ナフチルチオキシ基、2−ナフチルチオキシ基、2−クロロフェニルチオキシ基、2−メチルフェニルチオキシ基、2−メトキシフェニルチオキシ基、2−ブトキシフェニルチオキシ基、3−クロロフェニルチオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオキシ基、3−シアノフェニルチオキシ基、3−ニトロフェニルチオキシ基、4−フルオロフェニルチオキシ基、4−シアノフェニルチオキシ基、4−メトキシフェニルチオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルチオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルチオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルチオキシ基等がある。
置換基を有してもよいアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルファニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルファニル基が好ましく、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、シクロヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、デカノイルスルファニル基、ドデカノイルスルファニル基、オクタデカノイルスルファニル基、シアノメチルスルファニル基、メトキシメチルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルファニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルファニル基が好ましく、例えば、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、2−クロロフェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、2−メトキシフェニルスルファニル基、2−ブトキシフェニルスルファニル基、3−クロロフェニルスルファニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル基、3−シアノフェニルスルファニル基、3−ニトロフェニルスルファニル基、4−フルオロフェニルスルファニル基、4−シアノフェニルスルファニル基、4−メトキシフェニルスルファニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルファニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルファニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいカルバモイル基としては、総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、例えば、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいスルファモイル基としては、総炭素数0〜30のスルファモイル基が好ましく、例えば、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアミノ基としては、総炭素数0〜50のアミノ基が好ましく、例えば、−NH2、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N,N−ジスルホニルアミノ基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−tert―ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジアセチルアミノ基、N,N−ジベンゾイルアミノ基、N,N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N,N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基、モルホリノ基、3,5−ジメチルモルホリノ基、カルバゾール基等が挙げられる。
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等がある。
ハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等がある。
置換基を有してもよいハロゲン化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロメチル基、モノブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基等が挙げられる。
N上に置換基を有してもよいアミド基としては、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基等が挙げられる。
更に、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよい複素環基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
そのような置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
これらの中でも、Pとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいハロゲン化アルキル基、置換基を有してもよいアミノ基、又はN上に置換基を有しても良いアミド基が好ましい。
また、一般式(5)におけるnは0〜5の整数を表すが、合成の容易さの観点で0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。
一般式(5)において、Pが複数存在する場合、複数のPは同じであっても、異なっていてもよい。
前記Q1で表される二価の有機基としては、以下に示す構造が挙げられる。なお、以下に示される基において、「*」は、一般式(5)において、Q1と隣接する炭素原子との結合位置を示す。
中でも、高感度化の観点から、下記に示す構造が好ましい。
前記一般式(5)で表される光重合開始剤が、下記一般式(6)で表される光重合開始剤であることが、特に高感度であり好ましい。
上記一般式(6)中、R8及びPは、各々独立に一価の置換基を表し、Q2は二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。Pが複数存在する場合、複数のPは、各々独立に一価の置換基を表す。
一般式(6)におけるR8、Q2、Ar、P、およびnは、前記一般式(5)におけるR8、Ar、P、およびnと同義であり、好ましい例も同様である。
上記した一般式(5)で表される光重合開始剤の具体例を以下に示す。
また、本発明においては、感度、経時安定性、後加熱時の着色の観点から、光重合開始剤であるオキシムエステル化合物として、下記一般式(A)で表される化合物も好適である。
一般式(A)中、X1、X2、及びX3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を表し、R1は−R、−OR、−COR、−SR、−CONRR’、又は−CNを表し、R2及びR3はそれぞれ独立に、−R、−OR、−COR、−SR、又は−NRR’を表す。R及びR’は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、複素環基を表し、これらの基は、ハロゲン原子及び複素環基からなる群より選択される1以上で置換されていてもよく、該アルキル基、及びアラルキル基におけるアルキル鎖を構成する炭素原子の1以上が、不飽和結合、エーテル結合、又はエステル結合に置き換わっていてもよく、R及びR’は互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(A)中、X1、X2、及びX3がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、X1、X2、及びX3がアルキル基
を表す場合のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ビニル、アリル、ブテニル、エチニル、プロピニル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)エテニル等が挙げられる。
なかでも、X1、X2、及びX3がいずれも、水素原子を表すか、或いは、X1がアルキル基を表し、X2、及びX3がいずれも水素原子を表すことが好ましい。
一般式(A)中、R及びR’で表されるアルキル基としては、例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ビニル、アリル、ブテニル、エチニル、プロピニル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)エテニル等が挙げられる。
R及びR’で表されるアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、クロロフェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスレニル等が挙げられる。
R及びR’で表されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル、クロロベンジル、α−メチルベンジル、α、α−ジメチルベンジル、フェニルエチル、フェニルエテニル等が挙げられる。
R及びR’で表される複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、フリル、チオフェニル等が挙げられる。
また、R及びR’は互いに結合して形成される環としては、例えば、ピペリジン環、モルホリン環等が挙げられる。
上記R及びR’を含んで構成されるR2及びR3としては、それぞれ独立に、メチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、−S−Ph、−S−Ph−Cl、及び−S−Ph−Brが特に好ましい様態である。
光重合開始剤の中でも、一般式(A)において、X1、X2、及びX3がいずれも、水素原子であるもの;R1がアルキル基、特にメチル基であるもの;R2がアルキル基、特にメチル基であるもの;R3がアルキル基、特にエチル基であるものは、光重合開始剤として特に好適である。
従って、上記一般式(A)で表される光重合開始剤の好ましい具体例としては、以下に例示する化合物A〜化合物Gが挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により何ら制限を受けるものではない。
一般式(A)で表される光重合開始剤は、例えば、特開2005−220097号公報に記載の方法により合成することができる。
本発明に用いる一般式(5)および一般式(A)で表される化合物は、250nm〜500nmの波長領域に吸収波長を有するものである。より好ましくは、300nm〜380nmの波長領域に吸収波長を有するものを挙げることができる。特に、308nm及び355nmの吸光度が高いものが好ましい。
(D)光重合開始剤の含有量は、着色感光性組成物中の全固形分に対し、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜15質量%、特に好ましくは3質量%〜15質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
(増感色素)
本発明における着色感光性組成物には、感度向上の観点から、(A)染料とは構造が異なる増感色素を添加することが好ましい。この増感色素が吸収しうる波長の露光により光重合開始剤成分のラジカル発生反応や、それによるエチレン性不飽和化合物の重合反応が促進されるものである。
このような増感色素としては、(A)染料とは構造が異なり、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は有機顔料が挙げられる。
本発明に用いることのできる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
増感色素の含有量は、着色感光性組成物中の全固形分に対し、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜15質量%である。
(チオール化合物)
本発明における着色感光性組成物は、チオール化合物を含有することが好ましい。
本発明におけるチオール化合物は、共増感剤として作用したり、形成された着色画素と基板との密着性を高める効果を発現したりする。共増感剤は、増感色素や光重合開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは、(C)分子内にエチレン性不飽和二重結合を少なくとも二つ有する重合性化合物の酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する。
チオール化合物として具体的には、エチレングリコールビスチオプロピオネート(EGTP)、ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTP)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)、下記式で表されるTHEIC−BMPA等のメルカプトプロピオン酸誘導体;エチレングリコールビスチオグリコレート(EGTG)、ブタンジオールビスチオグリコレート(BDTG)、ヘキサンジオールビスチオグリコレート(HDTG)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート(TMTG)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(PETG)等のチオグリコール酸誘導体;1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサメチレンジチオール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、meso−2,3−ジメルカプトコハク酸、p−キシレンジチオール、m−キシレンジチオール等のチオール類;ジ(メルカプトエチル)エーテル等のメルカプトエーテル類を例示することができる。
これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるチオール化合物は、下記一般式(SH−1)で表されるものが、より好ましい。
一般式(SH−1)中、Rは、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、Aは、N=C−Nと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。
一般式(SH−1)において、Rは、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
Rで表されるアルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を挙げることができ、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
Rで表されるアリール基としては、単環構造のものに加え、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものなどを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基等を挙げることができ、これらの中では、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
これらのアルキル基やアリール基は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素原子数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基、炭素原子数2〜20のアルキニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素原子数7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素原子数1〜20のカルバモイルオキシ基、炭素原子数1〜20のカルボンアミド基、炭素原子数1〜20のスルホンアミド基、炭素原子数1〜20のカルバモイル基、スルファモイル基、炭素原子数1〜20の置換スルファモイル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜20のN−アシルスルファモイル基、炭素原子数1〜20のN−スルファモイルカルバモイル基、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜20のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基、アミノ基、炭素原子数1〜20の置換アミノ基、炭素原子数1〜20のイミノ基、炭素原子数3〜20のアンモニオ基、カルボキシル基、スルホ基、オキシ基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素原子数6〜20のアリールスルフィニル基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数6〜20のアリールチオ基、炭素原子数1〜20のウレイド基、炭素原子数2〜20のヘテロ環基、炭素原子数1〜20のアシル基、スルファモイルアミノ基、炭素原子数1〜2の置換スルファモイルアミノ基、炭素原子数2〜20のシリル基、イソシアネート基、イソシアニド基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、オニウム基等が挙げられる。
また、一般式(SH−1)において、Aは、N=C−Nと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。
この原子団を構成する原子としては、炭素原子、窒素原子、水素原子、硫黄原子、セレン原子等が挙げられる。
なお、AとN=C−Nとで形成されるヘテロ環は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、上記アルキル基やアリール基に導入可能な置換基と同様のものが挙げられる。
また、チオール化合物として、更に好ましくは、下記一般式(SH−2)又は一般式(SH−3)で表される化合物である。
一般式(SH−2)中、R1は、アリール基を表し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、又はアリール基を表す。
一般式(SH−3)中、R2は、アルキル基、又はアリール基を表し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、又はアリール基を表す。
一般式(SH−2)及び一般式(SH−3)において、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
一般式(SH−2)及び一般式(SH−3)において、Xで表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
一般式(SH−2)及び一般式(SH−3)において、R2又はXで表されるアルキル基は、一般式(SH−1)のRで表されるアルキル基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
また、一般式(SH−2)及び一般式(SH−3)において、R1、R2、又はXで表されるアリール基は、それぞれ独立して、一般式(SH−1)のRで表されるアリール基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(SH−2)及び一般式(SH−3)において、R1、R2、又はXで表される各基は、更に置換基を有していてもよく、その置換基としては、一般式(SH−1)のRで表されるアルキル基やアリール基に導入可能な置換基として挙げられているものと同様である。
一般式(SH−2)及び一般式(SH−3)中、Xは、水素原子であることが、有機溶剤溶解性の観点でより好ましい。
一般式(SH−2)中、R1は、フェニル基であることが、感度と有機溶剤溶解性の観点で最も好ましい。
一般式(SH−3)中、R2は、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基であることが、感度と有機溶剤溶解性の観点でより好ましい。
一般式(SH−2)で表される化合物及び一般式(SH−3)で表される化合物の中で、有機溶剤溶解性の観点で、一般式(SH−3)で表される化合物が最も好ましい。
これらのチオール化合物は、J.Appl.Chem.,34、2203−2207(1961)に記載の方法で合成することができる。
本発明における着色感光性組成物において、一般式(SH−1)で表される化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよく、また、一般式(SH−2)で表される化合物から選択される化合物と、一般式(SH−3)で表される化合物から選択される化合物と、から選択される化合物と、をそれぞれ併用してもよい。
着色感光性組成物中のチオール化合物の含有量は、着色感光性組成物の全固形分に対して、0.1質量%〜5.0質量%であることが好ましく、0.2質量%〜4質量%であることがより好ましい。この範囲内にあると、着色感光性組成物の重合性を損なうことがないため好ましい。
〔(C)分子内にエチレン性不飽和二重結合を少なくとも二つ有する重合性化合物〕
本発明における着色感光性組成物は、(C)分子内にエチレン性不飽和二重結合を少なくとも二つ有する重合性化合物(以下、適宜「重合性化合物」と称する。)を含有する。
本発明に用いることができる重合性化合物は、当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(IV)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
一般式(IV)
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH
(ただし、R4及びR5は、各々独立に、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた着色感光性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色感光性組成物の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、着色画素の強度を高くするためには3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、及び、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、及び、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
また、着色感光性組成物中の他の成分(例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤)との相溶性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板と着色画素との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(日本製紙ケミカル社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
なかでも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学工業(株)製)がより好ましい。
また、本発明の重合性化合物は、分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合とともに、ヒドロキシル基を少なくとも1個有する重合性化合物が好適である。
これらの重合性化合物としては、下記構造部分(Mo)を有する重合性化合物(以下、「特定重合性化合物」ともいう。)であることが好ましい。
重合性化合物は、光重合開始剤からのラジカルの作用を受けて重合反応を起こして硬化膜を形成するものである。この特定重合性化合物による作用については必ずしも明確ではないが、下記構造部分(Mo)で表される構造を有していることにより、不飽和二重結合部分の曝光時における反応進行が速いため、重合硬化性に優れているものと推察される。また、特定重合性化合物はヒドロキシル基を少なくとも1個有しているので、ヒドロキシル基と熱硬化樹脂が有するエポキシ環とが反応して、架橋構造を形成するものと考えられ、比較的低温でも硬化して、耐溶剤性や剥離液耐性に優れた着色層を形成することができる。
前記構造部分(Mo)中、Xは、水素原子又はメチル基を表す。また、式中の「*」は、結合手を表す。
本発明における特定重合性化合物としては、前記構造部分(Mo)を分子内に少なくとも2個有する化合物であれば、特に制限はなく、本発明の着色感光性組成物は任意の1種もしくは2種以上を選択して構成される。
特定重合性化合物としては、構造部分(Mo)を2つ又は3つ以上の構造部分(Mo)が各々の結合手(*)間に2価又は3価以上の連結基を介して連結した化合物、及び、2つの構造部分(Mo)が各々の結合手(*)で直接連結した化合物を挙げることができる。
前記2価又は3価以上の連結基としては、多価の基の中から任意に選択すればよく、例えば、2価又は3価以上の炭化水素基、2価又は3価以上の炭化水素基の炭素−炭素間に1つ又は2つ以上のエーテル結合(−O−)を含む基、−O−、−S−、エステル結合、アミド基、アミノ基等、及びこれらの少なくとも2つを組み合わせた2価の基、などを挙げることができる。
2価又は3価以上の連結基の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。なお、具体例中の「*」は結合手を表す。
露光時の重合進行が速く良好な硬化が行なえ、低温加熱や無加熱処理でも、均一性のあるパターン構造物や保護膜を形成できる観点からは、前記構造部分(Mo)を分子内に2つ又は3つ以上有する特定重合性化合物が好ましい。
更には、同様の観点から、構造部分(Mo)を分子内に2つ有し、構造部分(Mo)を含む同一の2つの基が連結した対称構造、すなわち2つの構造部分(Mo)を連結する連結基を含めた分子構造全体が対称構造に構成された化合物が好ましい。対称構造の好ましい化合物として、例えば、下記構造式(Mo−2)で表される化合物を挙げることができる。
前記構造式(Mo−2)において、Rは、2価の炭化水素基を含む基、又は2価の炭化水素基の炭素−炭素間に少なくとも1つのエーテル結合(−O−)を含む連結基を表し、好ましくは、2価の炭化水素基の炭素−炭素間に少なくとも1つのエーテル結合(−O−)を含む連結基である。Xは、水素原子又はメチル基を表す。
Rで表される「2価の炭化水素基を含む基」としては、例えば、CnH2n(n≧1)で表される炭化水素基のみで構成された2価の基、及びCnH2n(n≧1)で表される炭化水素基と、エーテル結合、エステル結合、アミド基、アミノ基等から選ばれる少なくとも1つとを組み合わせた2価の基、等が挙げられる。nの範囲は、1〜8が好適である。
また、Rで表される「2価の炭化水素基の炭素−炭素間に少なくとも1つのエーテル結合を含む連結基」は、炭素−炭素間に配された1つ又は2つ以上の酸素原子と炭素原子及び水素原子とを含む2価の基であれば、特に制限はなく、例えば、−(AL及び/又はAR)−O−(AL及び/又はAR)−、−(AL及び/又はAR)−O−(AL及び/又はAR)−O−、−(AL及び/又はAR)−O−(AL及び/又はAR)−O−(AL及び/又はAR)−、を含む2価の基が好適に挙げられる。なお、ALはアルキレンを表し、ARはアリーレンを表す。
前記アルキレン(AL)は、直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、前記アルキレン及びアリーレン(AR)は、無置換でも置換基で置換されていてもよい。置換されている場合の置換基としては、下記Raにおいて挙げられる下記の置換基と同様の基が挙げられる。
Rの中でも、露光時の重合進行が速く良好な硬化が行なえる点で、2以上の酸素原子を含む場合が好ましく、更には、−CH2−O−Ra−O−CH2−である場合がより好ましい。ここで、Raは、アルキレン部位、アリーレン部位、及びこれらの組み合わせ部位からなる群より選択される連結基を表す。Raで表されるアルキレン部位の炭素−炭素結合間には、さらに1つ又は2つ以上のエーテル結合が配されていてもよい。
前記Raで表されるアルキレン部位は、特に制限されるものではなく、無置換でも置換基で置換されていてもよい。置換されている場合の置換基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基(例:メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基)、水酸基、ハロゲン基等の1価の置換基が挙げられる。
アルキレン部位の具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、2−ヒドロキシプロピレン、2−メチルエチレン、2−ジメチルエチレン、シクロヘキセン等が挙げられる。
中でも、前記アルキレン部位としては、溶剤溶解性、析出抑制の点で、炭素数1〜8の置換又は無置換のアルキレンが好ましく、炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキレンがより好ましい。
前記Raで表されるアリーレン部位は、特に制限されるものではなく、無置換でも置換基で置換されていてもよい。置換されている場合の置換基としては、前記アルキレン部位における場合と同様の置換基を挙げることができる。
アリーレン部位の具体例としては、フェニレン、ナフチレン等が挙げられる。中でも、アリーレン部位としては、溶剤溶解性、析出抑制の点で、炭素数6〜10の置換又は無置換のアリーレンが好ましく、炭素数6〜8の置換又は無置換のアリーレンがより好ましい。
また、アルキレン部位及びアリーレン部位の組み合わせ部位としては、例えば、−C6H4−C(CH3)2−C6H4−、−(CH2)2−O−C6H4−C(CH3)2−C6H4−O−(CH2)2−、−(CH2)3−O−C6H4−C(CH3)2−C6H4−O−(CH2)3−、等を挙げることができる。
前記Rで表される「−CH2−O−Ra−O−CH2−」の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。なお、具体例中の「*」は結合手を表す。
さらに、前記Raで表される連結基は、露光時の重合反応性が良好である点で、対称構造が好ましい。対称構造である連結基の具体例としては、上記の具体例(1a)、(2a)、(4a)〜(9a)などの場合が具体的な例として挙げられる。
本発明における特定重合性化合物の分子量としては、重量平均分子量で100〜3000が好ましく、100〜2000が更に好ましく、100〜1500が特に好ましい。特定重合性化合物の分子量は、100以上であると昇華抑制の点で望ましく、3000以下であると溶解性の点で望ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定される。GPCについては、後記する実施例の項で詳細に示す。
以下、前記構造部分(Mo)を有する特定重合性化合物の具体例〔例示化合物(1)〜(20)、(M−4)、(M−6)〜(M−8)、及び(M−13)〜(M−15)〕を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
重合性化合物の含有量は、本発明における着色感光性組成物中の全固形分中、5質量%〜55質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましく、15質量%〜45質量%であることが更に好ましい。
以上、本発明の着色感光性組成物に必須成分として含まれる各成分と、任意に使用可能可能な増感色素、チオール化合物について説明した。本発明の着色感光性組成物には、さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、樹脂、熱硬化性樹脂、有機溶剤、界面活性剤等を添加することができる。以下にこれらの任意成分について説明する。
(樹脂)
本発明で用いる着色感光性組成物は、皮膜特性向上、現像特性付与などの目的で、樹脂を含んでいてもよい。ここで樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂、熱硬化性樹脂、顔料被覆用の樹脂、高分子分散剤などの高分子化合物を示す。アルカリでの現像を考慮したとき、少なくともアルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。
以下にこれらの樹脂の中のアルカリ可溶性樹脂、熱硬化性樹脂について詳述する。また、顔料を用いる場合に、顔料の分散性を向上する目的で、顔料被覆用の樹脂や、高分子分散剤を使用してもよい。
−アルカリ可溶性樹脂−
本発明で使用するアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系樹脂が挙げられる。
酸価としては、20mgKOH/g〜200mgKOH/g、好ましくは30mgKOH/g〜180mgKOH/g、更に好ましくは50mgKOH/g〜150mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
本発明に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体と、の共重合体が好適である。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH2=C(R)(COOR’)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R’は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕であり、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
ビニル化合物としては、CH2=CR1R2〔ここで、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R2は炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表す。〕であり、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
上述のような共重合可能な他の単量体は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述の中では、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
また、分子側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂もアルカリ可溶性樹脂として好ましいものである。
ポリアルキレンオキサイド鎖としては、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖、或いはこれらの併用も可能であり、これらの鎖の末端は、水素原子或いは直鎖若しくは分岐のアルキル基である。
ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。
側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなど、及びこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分として含むアクリル系共重合体が好ましい。
アクリル系樹脂は、既に述べたように、20mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有する。酸価が200mgKOH/g以下であれば、アクリル系樹脂がアルカリに対する溶解性が大きくなりすぎず、現像適正範囲(現像ラチチュード)が狭くなることを防止することができる。一方、20mgKOH/g以上あれば、アルカリに対する溶解性が小さくなり難いので、現像時間の長時間化を防止することができる。
また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、着色感光性組成物を塗布等の工程に使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
また、本発明に使用可能な着色感光性組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。この重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂は、単独で用いてもよいし、重合性基を有しないアルカリ可溶性樹脂と併用してもよい。
重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、アリール基、(メタ)アクリル基、アリールオキシアルキル基等を側鎖に含有したポリマー等が有用である。このような重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液での現像が可能であって、更に光硬化性と熱硬化性を備えたものであり、好ましい。中でも側鎖重合性基としてアリール基を有する樹脂はレジストの硬化性が高く、耐熱分解性が高いためより好ましい。
以下、重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂の好適な例を示すが、1分子中に、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と、重合性二重結合(炭素−炭素間不飽和結合)と、を含むものであれば下記に示すものに限定されるものではない。
すなわち、
(1)予めイソシアネート基とOH基とを反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物と、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と、の反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂
(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と、分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物と、の反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂が挙げられる。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
具体例として、OH基を有する、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を含有する、例えば、メタクリル酸と、これらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーと、の共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と重合性二重結合を有する化合物(例えば、グリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物等を使用できる。OH基との反応では、エポキシ環の他に、酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。
また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と重合性二重結合とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルサイテック(株)製)、などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂を用いる場合の添加量としては、着色感光性組成物の全固形分中、3質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、5質量%〜30質量%がより好ましい。
−熱硬化性樹脂−
着色感光性組成物の調製時には、上記アルカリ可溶性樹脂に加え、更に熱硬化性樹脂を添加することが好ましい。熱硬化性樹脂を使用することによって、形成された着色層の強度が向上するとともに、耐熱性が向上し、さらに耐薬品性が向上し、剥離液等に対する耐性が向上する。
熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂が好適であり、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物が挙げられる。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上、ナガセケムテックス(株)製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられ、その他にも、これらと類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型エポキシ樹脂も使用可能なものとして挙げることができる。
また、Ebecryl 3700、3701、600(以上、ダイセルサイテック(株)製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEM−125など(以上、ナガセケムテックス製)、ビフェニル型としては、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上、東都化成(株)製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上、DIC(株)製)などを挙げることができる。
また、1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは、「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなったりして好ましくない。
この条件を満たす具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
熱硬化性樹脂を用いる場合の添加量としては、着色感光性組成物の全固形分中、0.1質量%〜30質量%の範囲であることが好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%がもっとも好ましい。この範囲の添加量であると、光重合性を阻害することなく十分な露光感度が得られ、かつ熱重合性を併せ持つことから高度な耐熱、耐薬品性を付与することが出来、さらにレジスト液の保存安定性も保つことができる。
(有機溶剤)
本発明の着色感光性組成物は、有機溶剤を用いて調製することができる。また、上述した顔料分散組成物やシリカ微粒子分散物も、有機溶剤を用いて調製することができる。
本発明に用いる有機溶剤は、沸点が110℃以上200℃以下のものが、塗布性、塗布時のノズル詰まり抑制、硬化膜作製時の溶剤除去性の観点から好ましい。
本発明に用いうる有機溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3−ブタンジオールジアセテート等;
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
アルコール類、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、
芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が好適である。
有機溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性組成物における有機溶剤の含有量としては、目的に応じて適宜選択されるが、塗布性の観点から、着色感光性組成物の全固形分濃度が10質量%〜30質量%となる範囲であることが好ましい。
(界面活性剤)
顔料濃度を大きくすると塗布液のチキソトロピー性が一般的に大きくなるため、基板上に着色感光性組成物を塗布又は転写して着色感光性組成物層(着色層塗膜)形成後の膜厚ムラを生じやすい。また特に、スリットコート法等による着色感光性組成物層(着色層塗膜)形成では、乾燥までに着色感光性組成物層形成用の塗布液がレベリングして均一な厚みの塗膜を形成することが重要である。このため、前記着色感光性組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
塗布性を向上するための界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が添加される。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン系界面活性剤がある。
これらの具体例は、例えば、アデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズ、テトロニックシリーズ(以上、ADEKA(株)製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上、花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上、三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(以上、竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(以上日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものが適宜使用できる。好ましいHLB値は8〜20、更に好ましくは10〜17である。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル又はフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08、(以上、DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(以上、JEMCO(株)製)などである。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、Momentive Performance Materials Japan社製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、着色感光性組成物層を形成するための塗布液100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5質量部を超える場合は、塗布乾燥での表面あれが生じやすく、平滑性が悪化しやすくなる。
(その他の添加物)
また、本発明に用いられる着色感光性組成物には、上記成分の他に、更に、目的に応じて種々の公知の添加剤を用いることができる。
以下、そのような添加剤について述べる。
未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
(アルコキシシラン化合物)
本発明の着色感光性組成物には、基板との密着性向上といった観点から、アルコキシシラン化合物、なかでもシランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましく、有機樹脂との間で相互作用若しくは結合形成して親和性を示す(メタ)アクリロイル、フェニル、メルカプト、エポキシシランであることが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシランであることがより好ましい。
シランカップリング剤を用いる場合の添加量としては、着色感光性組成物の全固形分中、0.2質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、0.5質量%〜3.0質量%がより好ましい。
(共増感剤)
本発明に用いられる着色感光性組成物は、所望により共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えばM.R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、スルフィド類、例えば、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、着色感光性組成物の全固形分に対し、0.1質量%〜30質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲がより好ましく、1.5質量%〜20質量%の範囲が更に好ましい。
(重合禁止剤)
本発明においては、着色感光性組成物の製造中或いは保存中において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩、フェノキサジン、フェノチアジン等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、着色感光性組成物に対して、0.01質量%〜5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させることもできる。高級脂肪酸誘導体の添加量は、着色感光性組成物の0.5質量%〜10質量%が好ましい。
(可塑剤)
更に、本発明においては、着色感光性組成物の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤等を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、エチレン性不飽和化合物と樹脂との合計質量に対して、10質量%以下を添加することができる。
上記成分を含む本発明の着色感光性組成物は、紫外線等の露光に対して高感度で硬化し、パターン形成性に優れ、且つ、形成された着色パターンは、形状、可視光の透過性ともに良好であり、カラーフィルタ用の着色パターン形成に好適に用いられる。
<カラーフィルタの製造方法>
次に本発明のカラーフィルタ、およびその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、既述の着色感光性組成物を用いて形成された着色層を有する。基板上の着色層は、カラーフィルタの各画素をなす例えば赤、緑、青等の各着色領域を有する着色層(着色パターン)で構成されている。
本発明のカラーフィルタは、特定の(D)耐熱性粒子を含んで形成されるので、微細なコンタクトホールを有することができ、また、低い誘電率を示す。
このため、本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置用、有機EL表示装置用、および固体撮像素子に好適である。特に、液晶表示装置用、中でもCOA方式の液晶表示装置用として好適であり、液晶表示装置に用いたとき、高輝度な画像表示ができ、色相及びコントラストにも優れる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色感光性組成物を硬化して得られた着色層(着色パターン)を有する方法であれば、いずれの方法で形成されてもよい。
特に、本発明のカラーフィルタの製造方法は、既述の着色感光性組成物を、基板上に付与して着色層を形成する着色層形成工程と、該着色層に対してパターン様の露光をして、潜像を形成する露光工程と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程と、を有することが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、前記現像工程で形成された着色パターンに対して加熱処理を行なうポストベーク(後加熱)工程を更に設けた態様が好ましい。複数色の着色パターンを設ける場合には、ポストベーク工程は最後の色の着色パターンを設けた後に実施してもよい。
さらに、前記現像工程と前記ポストベーク工程との間に、着色パターンに対して紫外線を照射する工程(後露光)を設けることも可能である。
また、特開2009−116078号公報に記載の転写法、特開2009−134263号公報に記載のインクジェット法などの方法により、カラーフィルタを製造することもできる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、より具体的に説明する。
−着色層形成工程−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、まず、基板上に、既述の本発明の着色感光性組成物を回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布、インクジェット等の塗布方法により塗布して、着色層を形成し、その後、必要に応じて、予備硬化(プリベーク)を行ない、該着色層を乾燥させる。
基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられるソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、樹脂基板など、固体撮像素子に用いられるCCD、CMOS、有機CMOSにおける光電変換素子基板、シリコン基板等が挙げられる。
また、COA方式の液晶表示装置用としては、薄膜トランジスター(TFT)方式の液晶表示装置の駆動用基板が用いられる。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために、下塗り層、層間絶縁膜等を設けてもよい。
プリベークの条件としては、ホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜130℃で、0.5分間〜15分間程度加熱する条件が挙げられる。
また、着色感光性組成物により形成される着色層の厚みは、目的に応じて適宜選択される。液晶表示装置用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、1.0μm〜4.0μmの範囲が更に好ましく、1.5μm〜3.5μmの範囲が最も好ましい。また、COA方式の液晶表示装置用カラーフィルタにおいては、2.5μm〜3.5μmの範囲が好ましい。また、固体撮像素子用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、0.3μm〜2.5μmの範囲が更に好ましく、0.3μm〜1.5μmの範囲が最も好ましい。
なお、着色層の厚みは、プリベーク後の膜厚である。
−露光工程−
続いて、本発明のカラーフィルタの製造方法では、基板上に形成された着色組成物層に対して、例えばフォトマスクを介して露光が行なわれる。露光に適用し得る光もしくは放射線としては、g線、h線、i線、KrF光、ArF光が好ましく、特にi線が好ましい。
また、その他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視及び紫外の各種レーザー光源、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
また、レーザー光源を用いて露光してもよく、光源として紫外光レーザーを用いる。
照射光は、波長が300nm〜380nmの範囲である波長の範囲の紫外光レーザーが好ましく、さらに好ましくは300nm〜360nmの範囲の波長である紫外光レーザーがレジストの感光波長に合致しているという点で好ましい。具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。
着色層の露光量としては、1mJ/cm2〜100mJ/cm2の範囲であり、1mJ/cm2〜50mJ/cm2の範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto(ブイテクノロジー株式会社製)やEGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン株式会社製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
上記のようにして露光された着色層は加熱することができる。
また、露光は、着色層中の色材の酸化褪色を抑制するために、チャンバー内に窒素ガスを流しながら行なうことができる。
−現像工程−
続いて、露光後の着色層に対して、現像液にて現像が行なわれる。これにより、着色パターンを形成することができる。
現像液は、着色層の未硬化部(未露光部)を溶解し、硬化部(露光部)を溶解しないものであれば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性水溶液を用いることができる。現像液がアルカリ性水溶液である場合、アルカリ濃度が好ましくはpH11〜13、更に好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整するのがよい。前記アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-[5,4,0]-7-ウンデセン等のアルカリ性水溶液が挙げられる。
COA方式の液晶表示装置に用いるカラーフィルタにおいては、現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない観点から、有機アルカリ現像液が特に望ましい。
現像時間は、30秒〜300秒が好ましく、更に好ましくは30秒〜120秒である。現像温度は、20℃〜40℃が好ましく、更に好ましくは20℃〜30℃である。
現像は、パドル方式、シャワー方式、スプレー方式等で行なうことができる。
また、アルカリ性水溶液を用いて現像した後は、水で洗浄することが好ましい。
その後、本発明のカラーフィルタの製造方法では、必要に応じて、現像により形成された着色パターンに対して、前記したポストベーク(後加熱)及び/又は紫外線照射(後露光)を行ない、着色パターンの硬化を促進させることもできる。
−紫外線照射(後露光)工程−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、着色感光性組成物を用いて形成された着色パターン(画素)に対して、紫外線照射による後露光を行なうこともできる。
−ポストベーク(後加熱)工程−
上記のような現像が行なわれた着色パターン(または後露光が行われた着色パターン)に対して、さらに加熱処理を行なうことが好ましい。形成された着色パターンを加熱処理することにより、着色パターンを更に硬化させることができる。この加熱処理は、例えば、ホットプレート、各種ヒーター、オーブンなどにより行なうことができる。
加熱処理の際の温度としては、100℃〜300℃であることが好ましく、更に好ましくは、150℃〜250℃である。また、加熱時間は、10分〜120分程度が好ましい。
このようにして得られた着色パターンは、カラーフィルタにおける画素を構成する。複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、上記に記載した各工程、及び必要に応じて紫外線照射(後露光)工程やポストベーク(後加熱)工程を所望の色数に合わせて繰り返せばよい。
なお、単色の着色組成物層の形成、露光、現像が終了する毎に(1色毎に)、前記紫外線照射(後露光)工程やポストベーク(後加熱)工程を行なってもよいし、所望の色数の全ての着色組成物層の形成、露光、現像が終了した後に、一括して前記紫外線照射(後露光)工程やポストベーク(後加熱)工程を行なってもよい。
<液晶表示装置、有機EL表示装置>
本発明の液晶表示装置、有機EL表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備えたものである。
液晶表示装置、有機EL表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。
特に、本発明のカラーフィルタは、微細なコンタクトホール形成性に優れ、誘電率が低いことから、COA方式に供することによって、本発明の効果が遺憾なく発揮される。
COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は前述のような通常の要求特性に加え、低誘電率、及び剥離液耐性が必要であるが、本発明のカラーフィルタはこれらの要求を満足するものである。
低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上にさらに樹脂被膜を設けてもよい。
さらに、COA方式により形成される着色層には、着色層上に配置されるITO電極と着色層の下方の駆動用基板の端子とを導通させるために、一辺の長さが1〜40μm程度の矩形、もしくは、直径1〜40μmφの円形ないしは楕円形、あるいはコの字型等の、画素断面の形状が矩形からテーパー形状であるコンタクトホール(導通路)を形成する必要があり、導通路の寸法(即ち、一辺の長さ)を特に5μm以下にすることが好ましいが、本発明の着色感光性組成物を用いることにより、5μm以下の導通路を形成することが可能である。コンタクトホールの画素断面の形状が矩形からテーパー形状を有しない場合や、開口が不十分な場合には、透明導電膜の断線や導通不良を起し、そのようなカラーフィルタを画像表示装置に用いる場合には、表示不良の原因となる場合があるが、本発明の着色感光性組成物を用いることでコンタクトホールの形状悪化やつぶれによる問題点の発生が抑制されるという利点をも有するものである。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については、例えば、「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊デイスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木 隆明)などに記載されている。
本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
また、本発明のカラーフィルタはCCD、CMOS等の固体撮像素子にも使用可能であり、固体撮像素子に用いた場合には、高輝度で色分解性の良好なカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
〔実施例1〕
下記の各成分を混合、溶解し、着色感光性組成物を調製した。
・有機溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 40.5g
・有機溶剤(ジエチレングリコールエチルメチルエーテル) 25.2g
・アルカリ可溶性樹脂1(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体=モル比70/30、重量平均分子量26800) 1.0g
・アルカリ可溶性樹脂2(シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸/グリシジルメタクリレート(=30/30/40[モル比])共重合体とメタクリル酸との付加物(45%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液、重量平均分子量:28000) 2.23g
・モノマーM1(ジペンタエリスリトールヘキサヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸誘導体の混合物、酸価:67mgKOH、東亜合成(株)製 アロニクスTO−2349) 3.20g
・モノマーM3(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA) 3.20g
・エポキシ樹脂(2,2−ビス(ヒドロキシメチル1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキソラニル)シクロヘキサン付加物、ダイセル化学(株)製 EHPE3150) 0.48g
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.003g
・光重合開始剤1(下記構造) 0.39g
・多官能チオール化合物S1(下記構造、昭和電工(株)製 カレンズMTBD1) 0.38g
・密着改良剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン) 0.16g
・フッ素系界面活性剤(DIC社製 メガファックF−554) 0.011g
・青色顔料分散液(下記に記載、固形分濃度16.8%、顔料濃度9.9%) 22.0g
・特定染料1(下記構造、一般式(I)の染料) 1.259g
・その他染料1(下記構造、一般式(I)に該当しない染料) 0.47g
・シリカ微粒子分散物1(分散シリカゾル、日産化学社製オルガノシリカゾルPGM−ST、シリカ微粒子の平均一次粒子径:10〜20nm、分散媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、固形分濃度:30%) 1.10g
カレンズMTBD1
なお、前記青色顔料分散液は以下のようにして調製した。
C.I.ピグメントブルー15:6を9.9部と分散剤(日本ルーブリゾール社製ソルスパース5500)6.9部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート83.2部と混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて、青色顔料分散液を調製した。
〔実施例2〜10、比較例1〜3〕
実施例1の組成を構成する各成分を、表2に示す成分および使用量に変更して、実施例1と同様にして、実施例2〜10、および比較例1〜3の着色感光性組成物を調製した。
なお、実施例2〜10、および比較例1〜3で新たに用いた各成分を下記に示す。
その他染料(A−3)〜(A−5)の構造は、それぞれ下記の(A−3)〜(A−5)であり、一般式(I)に該当しない染料である。
また、比較例3では、シリカ微粒子3を用いたが、シリカ微粒子の粉体で使用した。
・シリカ微粒子分散物2:中空粒子タイプ、触媒化成工業(株)製スルーリア1420、シリカ微粒子の平均一次粒子径60nm、シリカ含有量20.5%、分散媒イソプロパノ−ル、シリカ微粒子の屈折率1.30
・シリカ微粒子3:アモルファスシリカ、平均一次粒子径250〜350nm、日本触媒(株)製 シーフォスターKE−P30、粉体、屈折率1.43
・有機微粒子1:ポリメタクリル酸メチル系架橋物、日本触媒(株)製エポスターMX20W、エマルション:濃度7.5〜10%、有機微粒子の平均一次粒子径10〜30nm、分散媒:エチレングリコール
・有機微粒子2:架橋スチレン−アクリル系中空粒子、JSR(株)製SX866A、有機微粒子の平均一次粒子径300nm、粉体
前記のシリカ微粒子分散物1、シリカ微粒子分散物2、および有機微粒子1に含まれる微粒子の耐熱性について、以下の測定方法で評価した。
各微粒子を所定の温度のオーブン中で60分間加熱し、加熱前後の粒子の形状を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、加熱前の各微粒子の形状と比較した。
いずれの粒子も加熱温度が180℃では、変形が認められず、これらの微粒子いずれも、本発明の耐熱性粒子であった。なお、加熱温度を200℃、230℃にしたときの評価結果を180℃の結果と共に表1に示す。
得られた各着色感光性組成物を用いて、以下の評価を行った。結果は、まとめて表3に示す。
<リフロー性>
基板(コーニング(株)社製 1737)上に、着色感光性組成物をプリベーク後の膜厚が、3.7μm(ポストベーク後3.2μm)となるように塗布し、90℃×120秒の条件でプリベークした。
画素部に25μmφのコンタクトホール(以下、CHと称することがある。)形成用の真円状のパターンを有するマスクを用いて、露光光源として高圧水銀灯であるプロキシミティ露光機(日立ハイテク社製、LE5565A)を用いて、露光GAP=200μmで、露光量50mJ/cm2で露光し、KOHの0.045wt%(CDK−1 富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製)の現像液を用いて、23℃50秒シャワー現像して、純水でリンスした。その後、230℃30分の条件でポストベークを行った。ポストベーク後の断面形状を走査型電子顕微鏡で観察した。
プロキシミティ露光による現像後のCH断面形状は、原理的に矩形、もしくはアンダーカットとなる為、ポストベーク後のテーパー角を熱によるリフロー性の指標とすることができる。
(判定基準)
◎:ポストベーク後テーパー角が45°以上
○:ポストベーク後テーパー角が30°以上45°未満
×:ポストベーク後テーパー角が30°未満
<コンタクトホール開口径>
基板(コーニング(株)社製 1737)上に、着色感光性組成物をプリベーク後の膜厚が、3.7μm(ポストベーク後3.2μm)となるように塗布し、90℃×120秒の条件でプリベークした。
画素部に25μmφのコンタクトホール形成用の真円状のパターンを有するマスクを用いて、露光光源として高圧水銀灯であるプロキシミティ露光機(日立ハイテク社製、LE5565A)を用いて、露光GAP=200μmで、露光量50mJ/cm2で露光し、KOHの0.045wt%(CDK−1 富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製)の現像液を用いて現像し、純水でリンスした。その後、230℃×30分の条件でポストベークを行った。得られた青色画素のCH開口径を測定した。CH開口率は下記の式で算出し、下記の判定基準で評価した。
CH開口率(%)=
[CH開口径(ポストベイク後)/CHマスク径]×100
(判定基準)
◎:開口率 80%以上
○:開口率 60%以上〜80%未満
×:開口率 60%未満
<比誘電率>
比誘電率は、下記のa)〜i)の方法で行った。
a)クロム被覆ガラス基板(1辺75mm、クロム膜の厚さ0.3μm)上に、硬化後(ポストベーク後)の膜厚が3.2μmになるように回転数を調整し、スピンコーターにて着色感光性組成物を塗布した。
b)次いで、着色膜が形成されたクロム被覆ガラス基板をホットプレート上で100℃120秒の条件でプリベークし、溶剤を乾燥させた。
c)プリベーク後、2.5kwの超高圧水銀灯を使用し、50mJ/cm2の露光量で着色膜を光照射した。
d)次いで、熱風循環式乾燥機にて、着色膜が形成されたクロム被覆ガラス基板を220℃60分の条件で加熱硬化(ポストベーク)し、試験片を作製した。
e)ポストベーク後、試験片の角隅1ヶ所の着色膜を削り取り、クロム表面を露出させた。
f)次いで、試験片の裏面に、銀ペーストをスピンコートし、風乾した。その後、表面のクロム露出面と裏面の銀ペースト塗布面とを前記銀ペーストで導通(接続)した。
g)乾燥後、試験片の表塗膜面に真空蒸着装置(商品名:イオンスパッタE1030、日立(株)製)を用いて、Pt・Pdターゲット材で図1に示すように、試験片1上に蒸着厚みが約50nmの主電極2(内円)及びガード電極3(外円)を作製した。なお、試験片1上には、前記e)において削り取ったクロム表面4が露出している。
h)電極作製後、試験片の電極のついていない部分の塗膜の厚みを触針式表面形状測定器(商品名:DEKTAK3、(株)アルバック製)で測定した。
i)次いで、静電容量測定器(精密インピーダンス アナライザー4294A、アジレント テクノロジー(株)製)に誘電テストフィクスチャー16451B及び電極を取り付け、更に前記g)における試験片を装着して、1kHz、0.5Vの交流電圧を印加したときの比誘電率ε’を測定した。測定結果を下記判定基準で評価した。
(判定基準)
◎:比誘電率ε’が3.0未満
○:比誘電率ε’が3.0以上〜5.0未満
×:比誘電率ε’が5.0以上
表3から、耐熱性粒子を着色感光性組成物の全固形分に対して、1〜10質量%含有する本発明の実施例の着色感光性組成物は、微細なコンタクトホール形成ができ、しかも得られた着色層は低い誘電率を示すことがわかる。従って本発明の着色感光性組成物は、液晶表示装置用のカラーフィルタの作製に有用であり、特にCOA方式の液晶表示装置用のカラーフィルタに使用可能であることがわかる。