JP2011125294A - 蛋白膨化食品の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、大豆たん白ペーストを原材料としたがんもどき類について、調理加工後の食感を口溶け良く滑らかな食感に仕上げることを課題とする。
【解決手段】、酢酸タピオカでん粉と繊維分を一定量配合することで、油で揚げた際に従来より大きく膨化する一方、だし煮後もへたることなく、一定の硬さ(歯ごたえ)、だしが容易に内部まで浸透することを見出し、本発明を完成させた。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛋白膨化食品の製造法に関する。
蛋白が膨化する性質を利用した食品には各種のものがある。特に、がんもどき類が代表的である。がんもどき類の製造に当っては、水気を搾った豆腐に、すったやまいもをつなぎとして入れて生地を作成する方法が昔から行われてきたが、操作が煩雑であり、改善の余地があった。
豆腐を使用する方法に対し、より、大量生産に適した方法として、大豆蛋白をペースト化したものを原料として使用する方法がある。大豆蛋白は通常は粉体であるので日持ちが良く、がんもどき類の生産に合わせて適宜水を混ぜてペースト化することにより使用することができ、便利である。そして、大豆蛋白ペースト生地に野菜、ごまなどを混ぜ合わせ、一定の大きさに整えて油で揚げることで、がんもどき類を製造することができる。
がんもどき類に関する従来技術としては、本出願人が開示した以下に示す技術が例示される。
特許文献1は、豆腐の脱水生地に澱粉誘導体を添加することを特徴とするがんもどき類の製造法に関する出願であり、フライ時の不良品の低減、冷凍・解凍・調理時の不良品の減少などによる生産性向上や、消費者への調理食品の品質向上、などに貢献できると記載されている。
特許文献2も本発明と同じ出願人による出願であり、大豆蛋白ペーストに鶏卵と豆腐を添加し、油中加熱することを特徴とする冷凍がんもどき又は厚揚げの製造法に関するものである。ここでは、煮込んだ時の膨化状態が大きくなり、煮込み後の食感及びだしのしみ込みが良くなったと記載されている。
しかし、これらの従来技術は、日々変化する、消費者の求める多様な食感のバラエティに、充分対応できているとはいえない部分もあった。
特開2001−8656号公報 特開2004−236598号公報
本発明は大豆蛋白膨化食品、特に大豆たん白ペーストを原材料として使用したがんもどき類において、調理加工後の食感を口溶け良く滑らかな食感に仕上げることを課題とする。
本発明者は上記の課題に対し、がんもどき類の「調理加工後の食感を口溶け良く滑らかな食感に仕上げる」ためには、製造工程中に、より大きく膨化する必要があると考え、各種の原材料につき、鋭意検討をおこなった。そして、酢酸タピオカでん粉を配合することで、より大きく膨化することを見出した。しかし、このようにして膨化したがんもどき類では、だし中で煮込むとへたる(煮込んだ際に体積が低下したり、その結果、食感が硬くなったように感じられる)現象が見られた。そこで更に検討を重ねたところ、更に一定量の繊維分を配合することで、煮込んだ際のへたりを防止することができることを見出した。これにより、調理加工後の食感を口溶け良く滑らかな食感に仕上げることができるようになり、本発明を完成させた。
即ち、本発明は
(1)大豆蛋白素材を生地に使用する蛋白膨化食品の製造法において、酢酸タピオカでん粉及び繊維分を含む生地を調製後加熱する、大豆蛋白膨化食品の製造法。
(2)酢酸タピオカでん粉3.5〜8重量%及び繊維分0.2〜1.6重量%含む生地を加熱する、(1)記載の大豆蛋白膨化食品の製造法。
(3)繊維分が大豆由来である、(1)記載の大豆蛋白膨化食品の製造法。
(4)膨化が油中加熱、または高周波加熱による、(1)に記載の大豆蛋白膨化食品の製造法。
(5)(1)〜(4)いずれか1つに記載の製造法にて得られる、大豆蛋白膨化食品。
に関するものである。
本発明のように、酢酸タピオカでん粉及び繊維分を適当量、生地に配合することにより、膨化良好ながんもどき類が得られ、これは従来品に比べ、だしが内部まで容易に浸透し、本品を煮込んでもへたることなく、一定の歯ごたえがある一方、口溶け良く滑らかで良好なものである。従来のがんもどき類においては、単に膨化を促進しただけでは、煮込んだ際にへたってしまうことにより、食感等が悪くなる場合が多いが、本発明においては、促進された膨化の状態が、繊維分を併用することにより維持され、従来製品のようにへたることがなく、これにより、従来にはない、おもしろい食感が得られたものである。
検討1 表2における、繊維分含量と、煮込み後のがんもどきの体積の関係を示す図である。 検討1 表2における、繊維分含量と、煮込み後のがんもどきの硬さの関係を示す図である。 検討2 表4における、酢酸タピオカでん粉配合量と、煮込み後のがんもどきの体積の関係を示す図である。 検討2 表4における、酢酸タピオカでん粉配合量と、煮込み後のがんもどきの硬さの関係を示す図である。
本発明の用語を説明する。
本発明で言う大豆蛋白膨化食品とは、分離大豆蛋白をはじめとする大豆蛋白素材を基材とし、一定の加熱により膨化する事により得られる食品の総称である。より具体的には、がんもどき類や油揚げ等が該当する。以下においては、特に効果が顕著ながんもどき類について説明を行う。
本発明でいう大豆蛋白素材とは、大豆、脱脂大豆から得られる大豆蛋白質を高濃度(例えば乾物あたり50重量%以上)含む大豆蛋白素材であり、好ましくは分離大豆蛋白や濃縮大豆蛋白であり、より好ましくは分離大豆蛋白である。
本発明で言う「大豆蛋白素材をペースト化した」もの(以下、単に「大豆蛋白ペースト」と言うことがある)とは、大豆蛋白素材を、その2.5〜8重量倍、好ましくは3〜5重量倍の水で水和させた物、もしくは、さらに大豆蛋白素材の0.6〜0.9重量倍の油脂も同時に混合、乳化させた乳化物である。具体的には、大豆蛋白素材に規定量の水および油脂(各種の液状油、硬化油、エステル交換油等を使用することができるが、液状油が好ましく、特に大豆油、菜種油が好ましい)を添加した後、練製品の製造等に使用されるカッター(サイレントカッターなど)により均一化して調製することができる。
本発明における酢酸タピオカでん粉とは、タピオカ種のでん粉に、酢酸基が付加されたものである。各種の加工澱粉が存在する中、なぜタピオカ澱粉に限り、本発明のような効果が得られるかは不明だが、タピオカ澱粉本来の持つ、強い粘性を示す性質と、酢酸基との相乗的な作用によるものかもしれない。酢酸タピオカでん粉は、各種の市販品を使用することができるが、より具体的には、日澱化学株式会社製「Z-100」などを使用できる。
本発明における酢酸タピオカでん粉の添加時期は大豆蛋白素材をペースト化させる工程の後期以降が好ましく、より好ましくは、大豆蛋白素材が完全にペースト化した後である。大豆蛋白素材をペースト化させる工程の比較的早い段階から酢酸タピオカ澱粉を添加した場合は、膨化が不十分となる場合もある。なお、繊維分の添加も、酢酸タピオカでん粉と同時が好ましい。
酢酸タピオカでん粉の配合量は、がんもどき類の生地当たり、3.5〜8重量%とする必要があり、より好ましくは5〜8重量%である。酢酸タピオカでん粉の添加量が多すぎる場合は、がんもどき類の食感がねちゃついたものとなる場合があり、酢酸タピオカでん粉の添加量が少なすぎる場合は、がんもどき類の食感が滑らかさに乏しいものとなる場合がある。なお、ここで言う生地とは、目的とするがんもどき類の原材料を全て混合したもので、加熱工程の前の状態のものをさす。加熱工程における加熱の手段は特には限定されないが、油ちょう加熱、高周波加熱が好ましく、特に油ちょう加熱が好ましい。
油ちょう加熱の場合は、生地中の水分の一部は蒸発する一方、揚げ油のしみ込みがある。
高周波加熱が油ちょう加熱と同様の効果を示すことは、たとえば特開昭53-34950号公報や特開昭54-32616号公報等において、マイクロ波誘電加熱処理により、油ちょう処理して得られる油揚げと同等品質の製品が得られていることからも、明白である。
繊維分の配合量は、がんもどき類の生地当たり、0.2〜1.6重量%とする必要があり、より好ましくは0.3〜1.2重量%である。繊維分の添加量が多すぎても、少なすぎても、煮込み後に硬くなる場合がある。
なお、本発明で言う繊維分とは、食品用に使用できるものであり、パルプ等に由来する結晶セルロースのほか、切干大根、芋に由来する繊維、大豆に由来する「おから」等を使用できるが、特に大豆に由来する「おから」を好適に使用することができる。大豆に由来する「おから」を使用する場合は、「豆腐おから」のように、蛋白質を一定量以上含むものよりも、蛋白の含有量が少なく、繊維質の割合が乾燥物当たり60〜80重量%のものが好適である。具体的には、脱脂大豆から蛋白質を抽出した後のおからを乾燥させた脱脂おから粉末など、たとえば不二製油株式会社製製品「ニュープロプラス」などを好適に使用することができる。なお本品は、脱脂大豆から大豆蛋白を抽出後、乾燥したもので、繊維分を65重量%程度含む。粉体であるので、日持ちの点でも、水分を含む「豆腐おから」よりも好ましい。
実際の配合量は、繊維分を含む素材における繊維の割合から、本発明にて規定する繊維分の量となるように計算することにより得ることができる。なお、ここで言う繊維は、不溶性の食物繊維をさす。
繊維の添加も、酢酸タピオカでん粉と同様に、大豆蛋白ペーストを調製後に添加することが望ましい。大豆蛋白ペーストを調製する前に繊維を添加すると、「へたり」抑制効果が充分でない場合もある。
繊維分の配合量が多すぎる場合、がんもどき類を煮込んだ際に「へたり」と呼ばれる現象が起こることがある。この「へたり」とは、煮込んだ際に体積が低下したり、その結果、食感が硬くなったように感じられる現象である。評価は最終的には官能的に判断するが、レオメーターによる硬さの測定値から、概略見当をつけることができる。すなわち、へたりが起こる際には、煮込んだ際の硬さが急激に上昇する場合が多い。ひとつの例としては、プランジャーとしてΦ16mmの円柱プランジャーを使用して測定する。
本発明においては、規定する酢酸タピオカでん粉、繊維分の他は、本発明の効果に影響を与えない範囲で適宜その他の原材料を使用することができる。具体的には、組織状大豆蛋白、挽肉、食肉ペースト、魚肉、魚肉すり身等加熱固化(ヒートセット)するものを加えることが出来、また、豆腐を水切りをしてすったやまのいもとともに用いたものでもよい。
本発明におけるがんもどき生地には、常法により、他に野菜、こんぶ、ひじき、きくらげ、ぎんなんなども使用できる。また、調味料等も使用することができる。
生地が得られた後は、成型を行う。ここでの成型は必要に応じ適宜形状及び大きさを決めて成型すればよいが、極端に大きすぎたり、また特異な形状であると、内部が加熱される前に表面にこげが発生したりする場合もある。がんもどき類を想定した場合は、1個あたり8〜15g程度で、円形ないし小判型に成型するのが一般的である。なお、このときの厚さは0.8〜1.8cm程度である。
本発明による加熱工程においては、特に油ちょう加熱が好ましい。その中でも特に多段階加熱が望ましく、低温部では「のばし」、高温部では「からし」の意味がある。ここでいう「のばし」とは、比較的低温の油を使用することで、表面に「こげ」を発生させることなく、内部まで充分に昇温する意味を持ち、膨化を促進する意味を持つ。また「からし」とは、比較的高温の油を使用して、表面を集中的に加熱する意味を持つ。これにより、表面に香ばしさや、食感の違いを付与したりする意味がある。
油温度は低温部が95〜150℃が望ましく、より望ましくは95〜120℃、さらに望ましくは100〜110℃であり、時間は3分以上が望ましく、より望ましくは4分〜6分である。また高温部は120〜200℃が望ましく、より望ましくは135〜180℃であり、さらに望ましくは135〜170℃である。そして加熱時間は2分〜6分が望ましく、より望ましくは3分〜4分である。用いる油は、食用油ならば特に限定されないが、パーム油、大豆油、なたね油が望ましい。
本発明における膨化した状態とは、成型された生地を油中加熱する際に、成型時の厚みよりフライ後のほうが厚みが増し、かつ常温まで冷却された後に、好ましくは均質に気泡状の穴が均一にあいたものである。
がんもどき類の調製法は、一つの例としては以下の通りである。
粉末状大豆たん白(分離大豆蛋白)、植物油、水をサイレントカッターで乳化させ、乳化物を調製する。この乳化物に食塩、クエン酸、酢酸タピオカでん粉、繊維分を加え、さらに乱切りしたにんじんと黒ゴマを加え混合し生地を得る。生地を成型した後、油中加熱してがんもどき類とする。ここで、酢酸タピオカでん粉と繊維分は、大豆たん白をペースト化した後に加えることが望ましい。当初から、これらの原料を加えておくと、期待する効果が得られない場合がある。
以上、酢酸タピオカでん粉および繊維分をそれぞれ一定量使用することで、特に大豆蛋白素材を使用したがんもどき類において、従来得られていたものよりも、膨化良好ながんもどき類が得られ、だしが容易に内部まで浸透し、本品を煮込んでもへたることなく、一定の歯ごたえがある一方、口溶け良く滑らかで良好なものが得られるのである。そして、このがんもどき類は、従来のがんもどき類とは異なる、おもしろい食感が得られるのである。
以下に実施例を示す。
検討1 乾燥おから配合量の影響
実施例1〜3、比較例1〜2
表1に示す配合にてがんもどきを調製し、煮込み後の体積、硬さを測定した。
表1 配合
粉末状大豆たん白は不二製油(株)製「フジプロE」を使用した。
乾燥おからは不二製油(株)製「ニュープロプラス1000」を使用した。
植物油脂は、不二製油(株)製「菜種白絞油」を使用した。
クエン酸はJungbunzlauer社製「無水クエン酸」を使用した。
酢酸タピオカでん粉は日澱化学(株)製「Z−100」を使用した。
がんもどきの調製手順
配合表に従い、粉末状大豆たん白、菜種油、水をサイレントカッターで乳化させ、乳化物を調製した。この乳化物に食塩、クエン酸、酢酸タピオカでん粉(配合により、その他の澱粉等)、繊維分(粉末おから等)を加え、さらに乱切りしたにんじんと黒ゴマを加え混合し生地を得た。生地を成型機で直径32mmΦ、厚み12mm、1個10gに円形に成型した。これを低温部(90〜120℃)5分、高温部(130〜190℃)5分の油中加熱を行い、空冷後、−35℃で急速凍結を行った。
煮込み条件
「がんもどきの調製手順」により調製されたがんもどきを、だし(※1だし配合)1200mlに対して10個入れ、98℃にて15分煮込んだ。
※1 だし配合
しょうゆ5.1%、みりん2.6%、料理酒2.1%、砂糖3.9%、調味料「本だし」(味の素株式会社製)0.7%、水85.6%

煮込み後の体積測定法
「煮込み条件」にて煮込んだがんもどきの長径・短径・厚みをノギスで10固体測定し、その平均を取った。
体積計算方法としては、長径平均値の1/2×短径平均値の1/2×厚み平均値×3.14mmで算出した。
煮込み後の硬さ測定法
「煮込み条件」にて煮込んだがんもどきを、山電社製レオメーター「レオナー」(φ16mm円柱プランジャー)、押し付け速度 5mm/SECにて、ピークとなる硬さを測定した。(単位g/φ16mm円柱プランジャー)

煮込み後の官能評価法
「煮込み条件」にて煮込んだがんもどきを5名のパネラーが試食した。美味しいことを前提に、歯ごたえや口溶け感など、食感的な「おもしろさ」を5段階にて総合的に評価した。判断は、きわめて好ましいものを5点、好ましくないものを1点とし、従来品と同等レベルと判断されるものを3点とし、評価した。これを平均し、平均値が3.5以上を合格と判断した。
結果
各配合において調製したがんもどきの、煮込み後の体積、硬さ、官能評価の結果を表2に示す。
表2における、乾燥おから(ニユ-フ゜ロフ゜ラス-1000 )の量と煮込み後の体積、硬さの関係をそれぞれ図1,2に示す。
表2 結果
図1,2に示すように、繊維分(乾燥おから)を使用しないか、使用量が少なすぎると、煮込み後の体積が小さく、また煮込み後の硬さが硬くなる傾向が見られた。一方、繊維分(乾燥おから)の量が多すぎると、煮込み後の硬さはそれほど変化は少ないが、煮込み後の体積は小さくなる傾向があった。
以上のように、乾燥おから配合量0.3〜2.5重量%(繊維分0.2〜1.6重量%)において、煮込み後も硬くならず、良好ながんもどきが得られた。
なお、実施例1のがんもどき類においては、生地の段階で水分62.4重量%、蛋白質12.6重量%、脂質14.3重量%、炭水化物9.6重量%、灰分1.1重量%であったものが、油で揚げることにより、水分48重量%、蛋白質15.4重量%、脂質23.5重量%、炭水化物11.8重量%、灰分1.3重量%となった。
検討2 酢酸タピオカでん粉配合量の影響
(実施例2)、実施例4、比較例3〜7
表3に示す配合にてがんもどきを調製し、煮込み後の体積、硬さを測定した。
表3 配合

がんもどきの調製、煮込み条件、煮込み後の体積測定法、煮込み後の硬さ測定法、煮込み後の官能評価法は検討1と同様に実施した。
結果
各配合において調製したがんもどきの、煮込み後の体積、硬さ、官能評価の結果を表4に示す。
表4における、酢酸タピオカ澱粉の量と煮込み後の体積、硬さの関係をそれぞれ図3,4に示す。
表4 結果
図3,4に示すように、酢酸タピオカでん粉の配合量が少なすぎると、煮込み後の体積が小さくなる傾向があり、かつ煮込みごとの硬さが硬くなる傾向が見られた。一方、酢酸タピオカでん粉の配合量が多すぎると、煮込み後の体積は大きくなる一方、煮込み後の硬さは硬くなる傾向が見られた。
以上のように、酢酸タピオカ澱粉3.5〜8重量%において、煮込み後も硬くならず、良好ながんもどきが得られた。
検討3 乾燥おから以外の繊維分の効果
実施例5
表5に示す配合にてがんもどきを調製し、煮込み後の体積、硬さを測定した。
表5 配合
微結晶セルロースは明台化工股?有限公司製「微結晶セルロース製剤Celgum C91」を使用した。
がんもどきの調製、煮込み条件、煮込み後の体積測定法、煮込み後の硬さ測定法、煮込み後の官能評価法は検討1と同様に実施した。

結果
調製したがんもどきの、煮込み後の体積、硬さ、官能評価の結果を表6に示す。
表6 結果
以上のように、乾燥おから以外の繊維分においても、乾燥おからと同様の効果が認められた。
検討4 各種加工澱粉による効果の比較
比較例8〜13
表7に示す配合にてがんもどきを調製し、煮込み後の体積、硬さを測定した。
表7 配合
リン酸架橋タピオカでん粉は日澱化学(株)製「PB−2000」を使用した。
ヒドロキシプロピルタピオカでん粉は日澱化学(株)製「G−800」を使用した。
酸化タピオカでん粉は日澱化学(株)製「ラスターゲンFO」を使用した。
漂白タピオカでん粉は松谷化学(株)製「MKK−100」を使用した。
コーンスターチは三和澱粉(株)製「コーンスターチY」を使用した。
馬鈴薯でん粉は美幌地方農産加工農業協同組合連合会製「馬鈴しょでん粉(美幌)」を使用した。
がんもどきの調製、煮込み条件、煮込み後の体積測定法、煮込み後の硬さ測定法、煮込み後の官能評価法は検討1と同様に実施した。
結果
調製したがんもどきの、煮込み後の体積、硬さ、官能評価の結果を表8に示す。
表8 結果
以上のように、原因は不明であるが、同じタピオカ澱粉であっても、酢酸タピオカでん粉以外の澱粉においては、酢酸タピオカでん粉で認められたような効果を認めることができなかった。
本発明により、大豆たん白ペーストを原材料としたがんもどき類について、調理加工後の食感を口溶け良く滑らかな食感に仕上げることができるようになった。

Claims (5)

  1. 大豆蛋白素材を生地に使用する蛋白膨化食品の製造法において、酢酸タピオカでん粉及び繊維分を含む生地を調製後加熱する、大豆蛋白膨化食品の製造法。
  2. 酢酸タピオカでん粉3.5〜8重量%及び繊維分0.2〜1.6重量%含む生地を加熱する、請求項1記載の大豆蛋白膨化食品の製造法。
  3. 繊維分が大豆由来である、請求項1記載の大豆蛋白膨化食品の製造法。
  4. 膨化が油中加熱、または高周波加熱による、請求項1に記載の大豆蛋白膨化食品の製造法。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の製造法にて得られる、大豆蛋白膨化食品。
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